さんまいのおふだ
久しぶりすぎて忘れてましたよ。
『イチ押し☆の絵本』。
この絵本もお気に入りで、何度も繰り返し読んだ。
有名な昔話ですね。自分は福音館書店のが好き。
和尚さんのお使いの帰り、夜になって道に迷った小僧。灯りを見つけて訪ねてみると、婆さんが一晩泊めてくれることになった。夜中に目を覚ました小僧は、この婆さんが鬼ばさ(鬼婆)であることを知る。ここから小僧のエスケープが始まるわけです。
小僧が便所で三枚のお札をゲットする。その便所から脱出するくだりが面白い。騙されたことを知った鬼婆の、鬼気迫る追跡が恐ろしい。小僧は負けじとお札を有効活用。お札で「山」を作っては逃げ、「川」を作っては逃げ、「炎」を作っては逃げするが、鬼婆はそれらを乗り越えて迫ってくる。
ようやく寺にたどり着いた小僧だが、戸が閉まっている。和尚さんに早く開けてと懇願する小僧。鬼婆はすぐそこまで迫ってきているというのに、和尚さんは呑気に身支度している。読者の子どもは「早く開けてあげてよ!」とハラハラするものだが、決して慌てない和尚さん。
最後の「和尚さん vs 鬼婆」のシーンは、それまでのスリリングな展開とは打って変わってのんびりした展開となる。本当に強い者は鬼婆のような野蛮な者ではなく、微塵も動じずに知恵を使った和尚さんのような存在なんでしょうな。
リズム感のある新潟の方言が面白くて、表情も面白くて、超オススメですよ。
「山道で迷ったはずの小僧が、寺へ逃げ帰るときに道に迷わないのはどうして?」などと考えるようになったら、あなたはもう大人。死に物狂いになって逃げれば、道に迷わないものです!
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