2009.11.12

【新刊】児童心理 2009年12月号 臨時増刊【雑誌】

奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局です。

金子書房さんから出版されている雑誌に、奥田先生のページが掲載されておりますshine

特集テーマは「通常学級で使える特別支援教育 実践のコツ」flair

奥田先生の担当箇所は「授業中のよそ見・私語」。

いつものようにひとこといただきましたhappy01

 頼まれて書いただけです。テーマも選ばせてもらえずに、そのまま分担箇所を書いてねと言われました。あんまりハウツーを文字にしたくないんやけどね。そのまんま真似しようとして失敗して文句いう教師とか保護者とかいるから、ええかげん辟易してます。あくまで参考に、ヒントに、手がかりにして、「自分で考えてください」と。うまくいかんかったらアレンジすれば良いだけやのにね。「うまくいかなかったらどうするの?」というレベルの低い質問はいかんよ。自分なら「うまくいくまで(別な方法を追加・変更しながら)やる」までよ。それが答えなのにね。それが教育実践でしょ。

 ま、自分のところだけじゃなくって、他の先生方のところとか、結構お役に立つところ満載なんちゃうかな。各テーマごとに短い読み切りなので、実践やってる方や親御さん、学生さんらに幅広くお薦めします。雑誌なのでお早めにどうぞ。

バナーをリンクします。

文責:奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局

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2009.10.01

【速報】発達障害児支援エキスポ2009【事務局より】

奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局です。

2年に1度の発達障害児支援エキスポ2009(次世代育成と発達障害児者支援の体験博覧会2009)に、今回も奥田健次先生が出展依頼を受けました。2年前に奥田先生が書かれた記事はこちらですflair

前回も一番に満員御礼をいただきましたが、なんと今回もいち早く奥田先生のワークショップが<SOLD OUT>shineとなってしまいましたsign03

それで申込者がまだ多数おられるということで、エキスポ主催者側が早くも定員増加の打診をしてこられたそうです。近々、増員分の受付が開始されるそうですので、ご希望の方はあきらめずにホームページをチェックしてみて下さいねhappy01

それと、10月14日のシンポジウムは大ホールを借りておりますので、座席にかなり余裕があるとのことです。当日でも受付可能のようですし、こちらは無料ですのでどうぞお越し下さい。立命館大学の望月昭先生も来られて、すごいメンバーで開催されます。こちらのホームページに情報があります。

 

 

文責:奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局

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2009.07.02

【トップセラー記録】自閉症児のための明るい療育相談室ー親と教師のための楽しいABA講座

奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局です。

学苑社さんから出版されました自閉症児のための明るい療育相談室ー親と教師のための楽しいABA講座、発売後10日で重版が決定したそうで、いま第二刷を印刷中とのことですshine

多くの方に関心を持っていただき、このブログからもご購入いただき、ありがとうございましたhappy01

発売前の予約注文段階からトップセラーの兆候があったそうです。

学苑社さんのブログ記事もご覧下さい。

【アマゾン・ヤフーショッピング障害児教育分門第1位】自閉症児のための明るい療育相談室

教育新聞にも取り上げられました。

【書評】自閉症児のための明るい療育相談室(教育新聞2009年6月1日書評より)

それでは、奥田先生からいただいたコメントです。

 この本は発売前から言っていましたが「ええ本」です。手前味噌で恐縮ですが、企画として大成功です。企画書を学苑社さんに持ち込んだ際、担当者がOKを出してくれなかったら他の出版社から出そうと思っていたくらい、企画には自信がありました。そして、言うまでもなく心強かったのは小林重雄先生を巻き込んだところです。業界の大御所ですが、あえて対等に回答していただくところに、本書の面白さがあるのです。多くの医療関係者、教育関係者、福祉施設関係者、大学などの研究機関、臨床家、院生・学部生さん、そして保護者の方々が購入して下さいました。特に、小林先生と私はそれぞれいくつかの研究会に関わっていますが、これらの関係者の皆さんが購入して下さいました。
 御礼代わりに裏話を一つしましょう。質問に対する回答ですが、あれは必ずしもすべて私たち著者の好みを反映しているわけではありません。この企画、完全なアドリブで取り組みました。つまり、私と小林先生が交互に回答しました(あとがきに書いている通りです)。実は、後攻のほうが大変で、先攻側にある程度のことを言われてしまうと、言うことがなくなる(というか蛇足に感じる)場合があるのです。そこで意識したのは(少なくとも私が意識したのは)、役割取得です。例えば、小林先生がモチベーション高めの子どもを想定して回答された場合、私はそうでない子どもの場合を想定して回答したり、比較的従順な子どもを想定して回答された場合には、行動・情緒的に荒れている子どもの場合についても回答を用意しておこう、というような役割意識です。このほうがきっと、より多くの読者に受け入れられやすくなるはずです。引き出しはまだまだたくさんあるのですが、回答がそれぞれ1回ずつですし、紙数の関係もあります。だから、どっちかというとアイデアとして具体的で面白い提案を紹介することに重きを置きました。実際に私の指導を受けている親御さんからすれば、本書で取り上げられていないような質問に対しても、あれこれ解決方法を提案しているので、本書がよくある質問のほんの一部に過ぎないということはお分かりでしょう。書物では限界があります。そういうことですので、よく勘違いされてしまうのですが、私や小林先生の回答が必ずしも二人の好みで答えているわけではなく、ところどころ読者のためにあえて「こんな方法もありますよ」的に、自分の好みとは異なる回答をしているところもあるというのが実際のところです。「うちの子には合わないわ!」という読み方ではなく、本書の「はじめに」でも書きましたが、答えは子どもの示す行動次第でいくらでもあるのです。「へぇ、こんな発想や方法もあるんだ」というスタンスで、目の前の子どもさんにとって有益な答えを導き出すための□に入れる数字を、読者のみなさんで自由にあれこれ考えて取り組んでいただければ幸いです。
 ちなみに。アマゾンで部門1位になったときには、総合ランキングでも57位となりました。その時、ハリーポッターよりもモー娘。の高橋愛写真集よりも上位にランキングされたらしいのです(笑)。どうもお買い上げ、ありがとうございました。

以上です。

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2009.05.08

新著『自閉症児のための明るい療育相談室』発売間近!!

奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局です。

ここのところ、奥田先生、出版ラッシュshineですね。つい先日、子育てプリンシプルを紹介したばかりでした。

Okudakobayashi2009_2 今回の一冊は『自閉症児のための明るい療育相談室−親と教師のための楽しいABA講座』。学苑社さんから出版されます。

奥田先生の恩師のお一人、小林重雄先生との共著flairです。

帯のオモテ、ウラには次のようなことが書かれていました。

●帯より これまで何千人ものクライアントと対峙してきた臨床家であり、自閉症研究者である二人の著者が、読みやすいQ&A方式で、読者の悩みにお答えします。全54の質問に対して、著者が繰り出すそれぞれの回答は、今まで詳しく明かされてこなかった“テクニック”“独自の技法”が満載です。

◆このような方法を紹介します ◆
腹五分目法/アメ横スルメ法/バルーンの原理/シンクロナイズの原理/ブルブル握手脱感作法/膝カックン式着席法/うっかり法/どさくさにまぎれて法/ マンガ喫茶式保管法/デジカメコレクション法/悪女の深情け法/こだま法 など

明るい療育相談室sunというだけあって、なんだか技法の名前も興味そそられるものばかりですnote

なんだか「どさくさにまぎれて法」なんてのは、行動療法らしいなあと思ってしまいましたhappy01

いつものように奥田先生からコメントをいただきました。

これはええ本やわ。すんごい面白い。小林先生のお茶目っぷりを引き出せたのは、企画として大成功。イラストもやわらかいし、本文の表現もかなりやわらかい言葉で書かれているんですけどね。でも、本当は普通の親御さんにとっては厳しいと思えることを、二人揃ってさらっと答えてるんですよ。たとえば、食べるときに遊んでしまう子どもに対して、私も小林先生も「時間が来たら、皿を下げてしまって、食事を終わりにしてしまいましょう」とハッキリと答えています。他にも「そんなことしてたら取り返しがつかなくなります」とか、良くない対応は良くないとキッパリ答えています。私と小林先生がそこまでハッキリキッパリ答えることができるのは、当然ですが親子共に良くなって欲しいという強い願いがあるからです。私自身が書いた「はじめに」はまあ良いのですが、著者二人の「あとがき」にぜひご注目下さい。私と小林先生の「なれそめ」が書かれています。行動療法の基礎がある程度できている読者にとったら、回答のアイデアの面白さが、ただ面白いアイデアだということではなく、その根底にはしっかりとした行動科学の基礎原理を用いているということにお気づきいただけるかもしれません。学術書ではありませんが、学術的に楽しむこともできる一冊です。

ワタクシは最終原稿を読ませていただきましたが、確かに「あとがき」もステキですが、本文を読むにつけ、奥田先生や小林先生のように職人気質なセラピストってやっぱりひと味もふた味も違うなーと思いましたconfident

保護者や教師の皆さんにとっては、身近な悩みへの具体的なヒント満載な一冊ですので、すごくオススメです。

こちらもアマゾンなどで予約購入が出来ます。ブログ左枠のバナーから購入できます。

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2009.04.21

新著『子育てプリンシプル』発売間近!!

Kosodate_principle_2 奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局です。

この度、奥田健次先生の単著、子育てプリンシプルが発売されます!!

5月11日、一般書店にて発売予定。一ツ橋書店から出版されます。アマゾンでも近日中に予約購入の申し込みが開始されるとのことです。出版社さんのレビューはこちらをご覧ください。

すでに、ホームページにもアップされていますが、印刷中の表紙カバーをブログでもアップさせていただきました。ド派手happy02

帯のテキスト(表面)はこんな感じになっていますshine

目先の損得勘定に気を取られるキリギリスのような親。
将来のことを考えず,今のムードに流されて揺れるクラゲのような親。
そんな大人の子育ては,かなりキケンなものなのです。
子どもに“苦労”をさせられますか?
子どもに“がまん”をさせられますか?
子どもの“苦労”や“がまん”を,しっかり激励してあげていますか?
ブレない土台や羅針盤。それが,プリンシプル[=原理・原則]。
プリンシプルを求めることは,親と子の成長に欠かせません。
プリンシプルのある子育てに全力で取り組みましょう。

※本書には,親にとってシンドイ姿勢を求める提言など,カゲキな発言が含まれています。

“子育てブラックジャック”

待望の初単著!!

プリンシプルの直伝,ついに解禁!

最後の小さい字が良いですね。“これは劇薬ですban”みたいな注意書きっぽくて面白い。表紙や帯などのデザインやコピーは、出版社や編集プロらが会議で決めたんだそうです。ちなみに、ワタクシ事務局の特権で原稿ゲラだけでなく見本デザインも見せていただきましたが、帯の袖にも小さな写真がありました。でも、ここではどの写真が載っているのかはナイショですpaper。皆様にはぜひ書店で手にとって見ていただきたいと思います。

奥田先生からいただいたコメントです。

なんか照れくさいというか恥ずかしい。しかし、プロダクションやデザイナーに任せることで、他人から自分がどんな目で見られているのか少し分かる気が。本書では、言いたいことの2割程度しか言えてないので、自分としてはこの本のどこが「カゲキ」なのか分かりませんね。講演とかではもっとカゲキなのに。それにしても、この本が1,050円(税込)って安すぎるんちゃうか。教科書や専門書だったら、この分厚さなら2,000円前後はするのに。だからなのか、カバー帯の写真はブログでアップされてるやつを使用したいってさ。単なる出版社のフトコロ事情なのか、深イイ話っぽい意図があるのか。これらの写真は、全部シロウトがパシャっと1枚だけ撮影したものなんよ。そういうのを帯とかで使用するか、普通? プロのカメラマンで撮影会とかするんでないの? などと、憎まれ口をききたくもなりますが、出版社としてはとにかく売れてくれないと話にならないでしょうから。売れれば映画化でもしてもらおうかしら。主演は小池徹平君でよろしく。まあ、しかし昨今はとにかく本が売れませんからね。マンガは売れるが、活字は売れない。売れなくても良いから、必要としている人にとって、何かの力になれば十分です。

確かに、お買い得shineですね。

映画化は、、、無理でしょうcoldsweats01

しかし、ワタクシはこういう直言を待っておりました。奥田先生は、世の中が親に対して厳しいことを言わないから、先生ご自身が嫌われ役か憎まれ役でも買ってやる、という役回りをされているのでしょう。以前「ある意味、一人勝ちやgood」と言っておられたことを思い出しました。直後に「ビジネスとしては勝ちとは言えんけどねっconfident」と自嘲して笑っておられましたが、他にはないという意味で「勝ち」ということなのでしょう。

奥田先生は実際に問題を直せるから、過激なことを言っても通用するのです。これが、直せないのに口先だけというのでは、とても通用しないでしょう。「直してもらう問題なんかありません」という親には不要な直言かもしれませんが、ちょっとでも助けを必要としている親には、本当に大切なことが書かれていると思います。特に、8歳までの子をもつ親御さんにはぜひとも読んでいただきたいと思っています。

アマゾンなどで予約購入が出来るようになりました!

ブログの左枠のバナーから購入できます。

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2008.12.11

奥田先生、学会賞を受賞!!(事務局からのお知らせ)

奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局です。

最新ニュースが入ってきました!!

奥田健次先生が、「第4回日本行動分析学会学会賞(論文賞)」を受賞されました!!shine

Kenjiokuda2008_001 奥田先生からいただいたコメントです(メール本文そのまま掲載いたします)。

このところ忙しくて、研究が思うように進んでおらず、投稿できる論文数も減ってきました。ですから、行動分析学会の論文賞というのは意識にありませんでした。この度、突然に今回の受賞の知らせを受け、「シンジラレナーイ、すりーぴんぐイヤーにウォーター!」という心境であります。私という人物を選んでくださったのではなく、論文を評価してくださったことを、とてもありがたく嬉しく思います。私にはクラゲを光らせることはできませんが、子どもたちを光らせることをこれからも一番の仕事として、最期の日まで励んでいきたいと思います。

奥田先生らしい、ウィットに富んだコメントですねhappy02

なお、受賞式と受賞講演は、2009年度大会(筑波大学)にて行われるとのことです。(学会のニュースレターは、こちらをクリックすればダウンロードできます)

もう一つ、奥田先生の近況を。来年、バルセロナで開催される教育シンポジウムから講演依頼があったそうです(国際的っ!airplane)。使用言語は英語だということもあって、先生はこの依頼を引き受ける気まんまんでした。ところが、このシンポジウムの日程が上記の行動分析学会と重なっているんだそうです。

「受賞式とかが無ければ筑波をサボってバルセロナやねんけどなあ、ユーロも安いしなあ、マイルも貯まってるしなあ、でもやっぱり受賞式を欠席するわけにはいかんやろぉ、パーマンのコピーロボットがほしいなぁgawk」と、ボヤいておられました。まあ、まあ、先生coldsweats01。今回は行くなってことでしょう。講演の機会はまたあるでしょうから。

それよりも心配なのが、先生の体調です。このところ、ずっと悪い状態が続いているそうで。一同、もっと自分のための時間を作られると良いのにと思っているのですが、なかなか言うことを聞いてくれないんですよね。ホント、休んでくださいってば。お願いいたしますthink

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2008.03.13

2ちゃんで誹謗中傷された学園長の記者会見

ネット(2ちゃんねる)で誹謗中傷を繰り返した保護者が名誉毀損で罰金刑。

学園長が記者会見をしたようですが、なかなか良いことを言ってくれた。

「ネットの怖さ知って」ライナス学園長

2008.3.12 20:41

 「『2ちゃんねる』さえなければ、と思った。ネットの怖さをもっと分かってほしい」−。インターネット掲示板での中傷で退学者が出るなどの被害を受けた学校法人「湘南ライナス学園」(神奈川県小田原市)。吉崎真里学園長は、いわれのない誹謗(ひぼう)中傷に翻弄(ほんろう)された2年間を、苦渋の表情で振り返った。

 「ライナスのやりたいことは洋服屋、カランの店の労働力探し」「奪い取った入学金は洋服屋の仕入れ金として消えていきます」「学園長が精神異常者」

 LD(学習障害)などで一般の学校で居場所のない児童生徒を受け入れる同学園が開校してから半年後。平成17年11月から始まった誹謗中傷の書き込みは、生徒の就労訓練などのため運営されている婦人服店をターゲットにして始まった。吉崎さんへの個人攻撃もエスカレートしていった。

 これらの書き込みは昨年末に名誉棄損で罰金刑を受けた元生徒の父親のものと確認されているが、ネットの匿名社会は、「祭り」と称して多くの便乗組を呼んだ。

 代理人の弁護士によると、同学園に関する「2ちゃんねる」での書き込みは計5000〜6000件で、そのうち約2000件が中傷的な内容。同学園は父親のほか1人に対して損害賠償を求め提訴しているが、その人物は学園とは無関係な第三者だった。

 「ネットの書き込みを読むたびに吐いた」と吉崎さん。当初「2ちゃんねる担当」とされた職員は、半年後に鬱病(うつびょう)になって退職し、後を引き継いだ夫もノイローゼ症状を起こした。退学者が相次ぎ、48人いた児童生徒は26人にまで減少。母校が中傷されたショックから自傷行為に走る卒業生も出たという。

 書き込みをした父親は、プロバイダーの情報開示により特定された後の19年4月、学園に謝罪文を提出した。書き込みをした理由は「学園について疑問を感じていて、情報がほしかった」とした。吉崎学園長は「なぜこんなことをやったのか、いまだに分からない。子供が楽しみにしていた文化祭を中止にしたことぐらいしか、心当たりはない」と話す。

 また、「子供のために自ら選んだ学校を、自分で壊すようなことがなぜできるのか。うちに通いたがる子供の意思を無視して退学させた親もいた。この2年で、親というものに疑問を抱いた」と率直に語る。

 吉崎さんは「(ネット上の誹謗中傷を)警察にきちんと取り締まってほしい」と主張する。

 「今の子供たちはネットの世界で生きていく。今きちんとしておかなければ、教育を何もかも壊されてしまう」

 会見には、生徒会の生徒も同席した。生徒会長で高校3年生の佐藤祐樹君は「2ちゃんねるにああいう書き込みをされて、とても辛く、怒りを覚えている。学校で暴れていた自分は、ここに通うようになって人の痛みを分かる心ができた。ネットの書き込みより、今現在の自分たちを見て考えてほしい」と訴えた。

この記事を読んでみて、この学校の学園長はなかなかしっかりした先生だと思いますよ。「2ちゃんねる」というネットの問題だけ取り上げて終わりではなく、親の姿勢に疑問を抱いたということを率直に述べている。

「子供のために自ら選んだ学校を、自分で壊すようなことがなぜできるのか。うちに通いたがる子供の意思を無視して退学させた親もいた。この2年で、親というものに疑問を抱いた」

世間では親の問題を指摘できない空気がある。そのために、親のレベルは「裸の王様」よろしく自分が何を言っているのか分からないほど理性が低下してきている。マスコミも学者も教育関係者も、堂々と親の問題を指摘できない(裏では悪口を言っている)。

子どもや保護者におもねる教育者など、絶対に信用しない方がよい。そんなものはホストみたいなもの。足らないところ、至らないところを指摘してくれる教育者なら、少しは耳を傾けてみても良いかもしれない。ただし、これまたそのベースに愛情が無いとね。厳しいことを言うだけなら、占い師でも出来るから。

愛情があるふりをしておもねるだけの教育者は害悪、厳しいことを言うだけの教育者も疑問。なかなか難しいもんです。

だから自分としては、ひたすら目の前の問題を解決してあげることにのみコミットすることにしている。気持ちが伝わらなくても、問題が解決していく事実の積み重ねだけは本物をお見せすることができますからね。誤魔化しも効きませんでしょ。自分はこれまで同様、職人の道を歩み続けます。

 

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Posted by 奥田健次 いじめ・ハラスメント, 教育, 特別支援教育, 社会 |

2008.03.04

大学で発達障害学生を支援すること

ようやく日本でも大学において発達障害学生を支援する必要性が認められはじめたようで。

しかし、実態を直視するならば、大学に入るまで診断を受けずに放置されていた(あるいは、診断を認めずに放置していた)ということが問題を大きくしていて、早期診断と早期支援が重要だと、改めて思わされるわけです。

発達障害の学生の人づきあいを大学が支援 京大など

2008年02月23日 

各地の大学で近年、自閉症やアスペルガー症候群など発達障害とみられる学生が目立っている。人間関係などに難しさを抱え、大学に通わなくなる学生も。か かわる全教員が特性を理解し支える京都大学、インターネットによる支援体制をつくる富山大学など、フォローに乗り出す大学が出始めた。

京都大学では、高機能自閉症の3回生男子(21)を、所属学部の教職員やカウンセラーがチームで支えてきた。

 「遠回しな表現を理解できません」「否定的な言葉かけに過剰反応します」。合格後すぐ、母親は、成育歴や問題点をファイルにまとめて、理解を求めた。大学側は、高校の担任からも話を聞き、相談役を決めた。情報は、かかわる全教職員で共有した。

 1回生の6月、この学生が教務課に退学届を手に飛び込んできた。「もう京大生としてやっていけない」。語学で音読がよくできていないと指摘され、パニック状態だった。1時間ほどじっくりと聴くと、落ち着いた。

 相談役の職員(56)は、今も年6回面接をする。学生は「いつでも相談できて助かった」。京大では今後、様々な障害のある学生の支援を、大学全体で継続して進める学生センター設置を検討中だ。

高知大学は06年度から、入学時の健康診断で自閉症傾向が強ければ、保健管理センターの面接に誘う。早期コンタクトで、気軽に相談できる体制づくりを狙う。発達障害が疑われる学生は、06、07年度新入生でそれぞれ複数。また昨年度、センターへ相談に来た中にも十数人いた。

富山大学は4月、学生と教職員向けのソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を立ち上げる。面と向かっての相談が苦手な学生向けに、カウンセラーとネット上でやりとりできる。

 「孤立させたくない」と斎藤清二保健管理センター長(57)。年100人ほどの新規相談者中、昨年は1〜2割に発達障害が疑われたという。

多くは、過去に診断を受けていない。「知的レベルが高く、気づかれずに来た」と斎藤さん。

 国立特別支援教育総合研究所などが05年度、全国の大学や短大の相談担当者らに実施した調査では、過去5年間で約760校のうち3割が、発達障害の診断があるか疑いのある学生の相談を受けていた。

 岐阜大学医学部・高岡健准教授(児童精神医学)は「発達障害の人にとって必要なのは、障害の理解に基づいて生活しやすい環境を整えるということ。今後もこうした視点による、取り組みを広げていく必要がある」と話す。

 《発達障害》 (1)自閉症やアスペルガー症候群を含む「広汎性発達障害」(2)落ち着きがない「注意欠陥・多動性障害(ADHD)」(3)読み書きや計算など特定分野が困難な「学習障害(LD)」など。脳の機能障害が原因と考えられている。文部科学省の02年調査では、普通学級に通う小中学生の6.3%に発達障害の可能性があるとされた。05年4月、早期発見と支援を国・自治体の責務とする発達障害者支援法が施行された。

この記事を読んでみれば、大学で学生生活につまずいてからその大学で初めて発達障害の疑いや診断がなされるというような状況が見えてきます。

これでは、マスメディアが大きく取り上げるような凶悪な事件が起きてから、その後の取り調べや鑑定によって「元々、発達障害があった」と診断されるようなものと同じではありませんか。

診断は医療機関でなされるものです。「サスペクト(発達障害の疑いや可能性)」くらいなら、児童相談所や保健所などの公的機関でもできます。

だから、医療機関や公的相談機関での発達障害の疑いや診断技術を向上していくことのほうが第一に重要なのです。この一番重要なことに触れずに、大学で支援を拡げていこうというのは、本末転倒というものでしょう。マスコミは、こういうところまで踏み込んでいないし、学者もここまで踏み込んで発言する人はいないようですね。

大学生になるまで放ったらかしにされた発達障害のある青年の多くは、すでに多く傷ついていたりするのです。

一方で、医療機関、児相、保健所などが、早期の診断(サスペクトを含む)をしにくい他の要因も分かっているので、それを斟酌すれば一方的にこれらの診断の遅れを非難するのも気の毒な面があるんですね。

「診断しにくくしている要因」について解説しようと思いましたが、やっぱりやめときます。ここまで書いたんですから、ちょっと考えてみて下さい。ヒントは「多くの親も悪い」ということです。ヒントというか、ほとんど答えですね。

自分の教え子の中には、大学院まで修了した青年もいます。友達は多くはありませんが、今では真面目な社会人です。他にも、大学や専門学校に進学した子もいます。この教え子らには、やはり知的な遅れはないのですが、早期から自分の支援を親子共々受けていたということです。

 

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関連記事:
『KY』と『心の理論』
よくわかる発達障害
【お知らせ】教職研修7月号増刊
LD、ADHDの児童生徒が通級指導の対象に
ミサイルのようなロッカー
     など。

Posted by 奥田健次 特別支援教育 |

2008.03.02

法政大学の客員研究員になりました

法政大学大学院にライフスキル教育研究所が設置されました(研究所のホームページはこちらをクリック)。

そしてこの度、客員研究員に招へいされました。

それぞれの分野で大変著名な先生方や業界大手の方々と、これからどんな仕事が展開できるのやら。楽しみです。

昨日は徳島で講演、そして先生方の事例発表会に参加してきました。

ただの講演ではなく、徳島ABA研究会が主催で、現場の先生方が事例相談を行い、自分がそれぞれの事例に助言を行うというシリーズものの企画です。

コンサルテーションの時間も機会も少なかったのに、それぞれの先生方が一定以上の成果を挙げておられて、とても嬉しく思いました。中には、大きな成果を挙げた事例もあり、この研究会のレベルの高さを頼もしく思います。学会みたいにポスター発表がたくさんありました。

参加者のある先生は「また新しい事例に取り組んでいきますので、ご助言をお願いします」と積極的。すだちの次に有名な、徳島名物『徳島ABA研究会のサマースクール』で鍛えられているし、試行錯誤の実践から成功経験を積み重ねてきているだけに、動機づけの高い先生方ばかりです。他の都道府県にお住まいの教員も、このサマースクールにぜひ参加してみて下さい。必ず、現場での指導に役立つスキルを身に付けることができるでしょう。

このサマースクールの生みの親、法政大学の島宗先生も来場されました。自分は事例発表会の後の懇親会には参加できずとんぼ返りでしたが、いろいろ情報交換ができました。また、東京都の特別支援教育の現状や課題を聞きました。きっと、それらの課題もまた徳島と同じように、島宗先生はクリアしていかれるのでしょう。

自分も直接・間接的に、研究所のお仕事も含めて協力できればと思います。

さっそく、ライフスキル教育研究所の講座がスタートしました。島宗先生のブログをご覧下さい。

 

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関連記事:
徳島県で事例研、行ってきました。
岡山県総合教育センターに行ってきました。
久里浜養護学校に行ってきました。
全体研修より事例研を(2)
全体研修より事例研を(1)
     など。

Posted by 奥田健次 特別支援教育 |

2008.02.03

ユニクロ、だいすき!!

ユニクロ、よく頑張っているんですね。

久々に買い物に行こうかな(笑)。

とにかく応援しますよ。

障害者雇用率、ユニクロ首位・厚労省調査

 厚生労働省は民間企業の企業別の障害者雇用状況(2007年6月現在)の調査をまとめた。従業員5000人以上の企業で従業員に占める障害者の割合が最も高かったのは、カジュアル衣料のユニクロで7.43%だった。フルタイムの従業員1万541人のうち783人を雇用、2位のすかいらーく(2.9%)を大幅に上回った。

 障害者雇用促進法は従業員56人以上の企業に対し、従業員数の一定割合の障害者を雇うことを義務付けている。現在の法定雇用率は1.8%で、未達成の企業には納付金の支払いなどの義務がある。07年の全企業の障害者雇用率の平均は1.55%だった。(11:24)

まあ、この記事だけでは詳しい中身までは分かりません。

問題もいろいろあるでしょうが、「実践しながら考える」という姿勢があるならそれを評価したいと思います。実践もせず、あーだこーだと考えたフリして何もしない大人が多いものですから。

そうそう、TBS『だいすき!!』。やはりヒューマンドラマというか、連続ドラマなのに毎回泣かせるシーンがあって困ります(苦笑)。「偏見」→「理解」という展開なんですけど、もしかしたらこのドラマ、このまま終わってしまうのかもしれない。

実際、「障害の理解」というのは最終目標ではないはず。ところが、「うちの子のことをもっと理解して!」が目標になってしまっているケースが少なくない。それだけ周囲の無理解が多いからでしょうが、自分は「(理解を前提に)いかに援助するか」を考えて仕事しています。

ドラマの主人公の「ゆず」が母親としての幸せを感じられるためには、そりゃあ並々ならぬ専門家の援助があるんですよ。こういう専門家の援助など、ドラマではほとんど描かれていません(主として家族の思いや努力が描かれるのは当然ですね、ドラマですからね)。

毎回、涙さそう展開なので「この野郎!」と思いつつ、ドラマ嫌いな自分がついつい見てしまいます。

 

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関連記事:
ドラマ「だいすき!!」
『KY』と『心の理論』
自閉症生徒を勝手にカットした中学校
発達障害児支援エキスポ2007
たまには仕事のことを(研究室の惨状はオマケ)
     など多数。

Posted by 奥田健次 特別支援教育, 社会 |

2008.02.02

講演のお知らせ

来月1日、徳島県で一般公開の講演があります。

タイトルは「特別支援教育によって成長する子ども・学校・保護者」の予定です。自分の講演よりも、現場の先生方による事例発表に価値があります。他県からもどうぞご参加下さい。

以下、主催者からのご案内のページのコピーです。

春の特別講座(3月1日)開催のご案内
さて、今年度も「春の特別講座」を開催します。

今年度の講座には,桜花学園大学准教授の奥田健次先生をお招きし,これからの特別支援教育のあり方について,応用行動分析の視点からの様々な展開のアイデアを,お話しいただきます。
また,本年度,小学校や特別支援学校で行われた事例研究のポスター発表を行い,どんな子どもにどんな支援ができるのか,具体的な情報交換の場を提供します。特別支援教育に関わる教師,保育士,関係の方々のご参加をお待ちしております。

日 時:2008年3月1日(土)13:30〜17:00
場 所:鳴門教育大学附属特別支援学校体育館(徳島市上吉野町)
参加費:無料
対 象:特別支援教育に関わる保育士,幼・小・中・高・特別支援学校等教員,関係機関職員,保護者,一般
主催:徳島ABA研究会
後援:日本行動分析学会・徳島県教育委員会・徳島県特別支援教育研究会・徳島新聞社,NHK徳島放送局
連絡先:鳴門教育大学大学院障害児教育専攻
猪子秀太郎(inoko@naruto-u.ac.jp)

詳しくは、下記の開催要項をご覧下さい。
たくさんの参加をお待ちしています。

 

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Posted by 奥田健次 お知らせ, 特別支援教育 |

2008.01.23

トイレのレバーの話(お下品ねえと医者に叱られるか?)

ええ記事やぁ(笑)。

「うん、うん」と頷けるし。

今宵もトイレ談義に花を咲かせましょう。

トイレの小レバーこれって必要なの?

1月22日17時0分配信 R25

「大」であれ「小」であれ、流すときはいつも「大」…という人多いのでは? なにって、トイレの話です。大レバーなら一気に流れるので、「流してやったり!」という爽快感が味わえますよね。でも小レバーは“いつまでレバーを押さえていればいいのか分からない”“ちゃんと流れたか心配になる”という不安感があったりします。女子は、小の時も紙を使うので、小レバーはいらないって人もいるみたいだし、結局のところいらないんじゃないの? どうなの?

「それは言い過ぎです。大レバーと小レバーでは流れる水の量がおよそ2リットルも違うんですよ」(TOTO広報・久野さん)

2リットル。大きいペットボトルほども違うのか。「小」のときも大レバーを使っていた僕は、1日何リットル無駄遣いしていたのか、怖くて計算できません。

でもやっぱり、小レバーはいつまで押さえていればいいのかわからなくて不安。なにか目安みたいなのはあるんですか?

「それが、これといってないんです。便器の水からにごりが消えるまで、目で判断するしかありません。84年にはノンホールドタイプという押さえなくてもいいタイプが開発されていますが、便器のリフォームのタイミングは30〜40年ともいわれており、なかなか入れ替わらないみたいです」(同)

う〜ん、やっぱり見て判断するしかないのか。でも、排泄物を流すためにそんなに水が必要なんですかね?

「トイレの水は、排泄物を便器から流したらそれで終わりじゃないんです。その先の配管まで流さなきゃいけないんですね。形式にもよりますが、大レバーだとおよそ8リットル、小レバーだと6リットルの水が必要です。古いものだと10リットル以上流れるものもあるんですよ」(同)

意外と水を使うトイレ。大・小を使い分けている人とそうでない人では1日6回「小」をするとして、年間でおよそ1160円の違いが出るとか。そう聞くと使い分けたほうがいいのかも。
(R25編集部)

そうなの? 大レバーと小レバーで2リットルも違うのかい。そりゃあ、てーへんだ、てーへんだ!

TOTOの方、いつも真面目にお話ししてくれるのが嬉しいね。便器の水からにごりが消えるまで目視せよ、ですか。そりゃ、厳しいっすよ。

ホテルのトイレだと、だいたい大も小も関係ないよね。それから、飛行機と新幹線のバキューム方式。あれのシステムはスゴイ!! 中川家(弟)ばりに700系と500系のバキューム音の違いを表現できるように練習してみたけど。新幹線好きの小学生に披露してあげたら「すげ〜!!」と喜んでくれました。何がスゴイんだか(笑)。

それにしてもこの記事。『大レバーなら一気に流れるので、「流してやったり!」という爽快感』ですか。言い得て妙ですな。そりゃ、ダブル爽快ですがな(爆)。

ちょうど今日のケースカンファで、真面目にうちのスタッフらにトイレットトレーニングの指導をしました。簡単すぎて自慢にもならんのですが、トイレットトレーニングほど余裕かつ簡単、なのに親御さんにとても喜んでもらえるものはないですね。専門家のくせにトイレッティングの指導もできん人がいるのには驚きですわ。

 

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Posted by 奥田健次 特別支援教育, 脱力系 |

2008.01.15

ドラマ「だいすき!!」

知的障害のある母親の育児。

こういうテーマのドラマです。年末から、何度も番宣やってたので気になってました。

私としては原作自体を知りませんでしたので、ドラマの内容や方向性がどんなものなのかまったく分かりません。ただ、自分の生涯の仕事として身近に関わっている人が取り上げられているような気がしますので、みなさまにも紹介いたします。

主役の香里奈さんは、確か前の自閉症者ドラマではヒロイン役で出演されていましたよね。放送局のホームページはこちらです。

TBS『だいすき!!』

今週木曜日、1月17日(木)夜10時からスタートです。知的障害に関心のある方はもちろん、奥田研究室の仕事に興味のある方は、どうぞご覧下さい。

 

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関連記事:
『KY』と『心の理論』
自閉症生徒を勝手にカットした中学校
発達障害児支援エキスポ2007
たまには仕事のことを(研究室の惨状はオマケ)
     など多数。

Posted by 奥田健次 教育, 特別支援教育 |

2008.01.04

『KY』と『心の理論』

最近、あっちこっちで「KY、KY」と。

流行りすぎたために、そのうち「古い!」という風に死語化するんでしょうな。

まずは、面白い記事。英語の勉強にもなるかもよ。

空気を読む

 「KY」(空気が読めない)という言葉が若者の間ではやり、今年の流行語大賞の候補にもなりました。安倍前首相に関して言及した表現が多く聞かれたように思います。

 「空気を読む」とは、周りの状況や雰囲気に合った言動を取ることのようですが、ケースによって英訳の仕方は変わります。例えば、安倍さんの突然の辞任表明に対するある政党の地方組織幹部の言葉。「空気が読めない首相らしく、参院選で国民が示した『ノー』にようやく気が付いたのでは」なら、Typical of a prime minister who fails to read each situation,it's only now that he's finally become aware of the rejection(of his administration)expressed by the public in the House of Councilors election.などとなります。

 read(judge) the situation は、文字通り状況を読む、という意味です。これは、He's not tuned in to what's going on (状況を把握していない).He fails to sense the mood of the public(世論に鈍感だ).などの言い方もできるでしょう。

 次に、同窓会の帰り道の会話。「Aの会社が業績不振で給料が大幅にカットされたのをみんなで心配してたところだったのに、羽振りのいいBは、新しいベンツを買ったとか自慢話ばかりしてたんだ。ほんとあいつは空気読めないよな」なら、Even though we were all worried about the huge pay cut A got,because his company's business isn't going well,B,who's well paid,went on and on bragging about things like his new Mercedes.That guy really doesn't pay any attention to the situation he's in.です。

 一方、読売新聞の「週刊KODOMO新聞」の中学生記者のコラムに、こんなものがありました。同じ掃除当番でも、部活などがあって急いで終わらせたい生徒が多い場合は、まじめにやっている生徒が「KY」と言われ、逆の場合はいいかげんにやっている生徒がそう呼ばれるとか。これでは、物事の正否にかかわらず、暗に迎合を強いているだけに見えます。最後にこの生徒はこう結んでいます。It's really difficult to decide whether to accept a situation so that you don't disrupt the calm,or to stick to what you think is right even if you are called“KY”.(空気を読んで波風を立てないようにするか、「KY」と呼ばれても自分の考えを貫き通すか。本当に難しい)(塚原真美記者)

(2007年12月28日  読売新聞)

英語での表現は、それこそシチュエーションによって表現が変わるんでちょっと難しいかもな。

しかし、英語でも“situationを読む”の他に“contextを読む”という使い方もあって、欧米でも『KY』な人がいるというのを察することができる。

ところで、心理学では1980年代から『心の理論(Theory of Mind)』という概念が提唱されて、これが20世紀最後の新しいトピックの一つとして注目されていた。これは、ブログ用に簡単にいえば「他人の気持ちを理解すること(understanding other mind)」、「相手の心を読むこと(mind reading)」。

知的に高い自閉症の子どもが『心の理論』をテストする課題で、おしなべて低い成績を取るということで注目された概念です。ちなみに、自分の研究上の専門です。「奥田健次」「心の理論」でググってみてください。ネットで検索するだけでも、いろんな記事が出てくると思います。

ブログでお手軽に理解しようとするのではなく、たくさん本や論文を書いてきているので、真剣に学びたい人は後で紹介する書物から学んでください。ブログやらネットで「分かったような気持ち」にならんで下さい(最近、そういうお手軽な奴らが増えている)。

まあ、自分が専門に実験研究を続けてきて分かったことってのは、「心を読むこと」と言っても、結局は「状況を読むこと」でしょ、ということ。マインドリーディングという概念が流行していた頃から、自分は一貫して「マインドじゃなくって、シチュエーションリーディング」と言い続けてきたよ。

ともかく、そういう意味で『KY』と『心の理論』というのは類似した概念といえるでしょう。

しかし、知的に遅れのない自閉症の子どもさんでも「空気を読む」というのを獲得する方法を開発してきたし、すでに学会発表もしてきました。この指導プログラムはある程度限定された場面を用いるのですが、学会発表後も、今のところすべての子どもに成功を収めています。

奥田健次(2003)通常学級における自閉症児に対する挙手行動の指導プログラム.日本行動分析学会第21回年次大会発表論文集, 67.

この指導プログラムは、きっと普通の自閉症療育の発想では生まれないアイデアに基づくだろうと思います。

しかしまあ、安倍さんもそうですが、自閉症児者でなくても『KYな人』『心の理論の欠如した人』ってのは少なくないですね。表面上のことに反応してしまう傾向が強いというか衝動的というか、そんな人が増えているってことじゃないでしょうか。

ミネルヴァ書房の『よくわかる発達障害』が、お陰様で売れ行き好調のようです。半年程度で第6刷まで増刷されて、先日の学会にて編者の先生にお礼を言われました。自分、2頁しか担当してないんですけどね(苦笑)。でも、うちのブログからも沢山お買い上げ下さっているのは事実です(感謝です)。この本に『心の理論』の解説を書いてますので、関心のある方はどうぞお読み下さい。

ブレーン出版の『ことばと行動』のほうは、相当、お勉強できる人でないと難しいと思います。こちらも、心の理論について丸1章執筆しています。なんと、アマゾンで古本が倍近くのプレミアになってますよ! ブレーン出版さん、増刷ぷり〜ず!

 

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関連記事:
よくわかる発達障害
品川でシンポジウムやります
ABA2006参加記(4)

Posted by 奥田健次 特別支援教育, 社会 |

2007.12.08

自閉症生徒を勝手にカットした中学校

とんでもない話だ。私立学校では、ときどきそういう話を聞くことがあるけども。

単純にムカっとする。

自閉症の生徒外しDVD 東京の中学 保護者訴え、復活

2007年12月08日17時11分

 東京都練馬区の区立中学校が校内で開かれた合唱コンクールのDVDをつくる際、1年生の学級で自閉症の生徒が映っていない映像を撮り直して販売しようとしていたことがわかった。この生徒の保護者の訴えで中学校は生徒の映像を復活させることにしたという。

 同校や関係者によると、合唱コンクールは11月8日に開かれた。各学級が2曲ずつ歌い、その様子を録画していた。

自閉症の男子生徒(12)は最初は音楽に合わせて体を揺らしていたが、1曲目の途中で舞台から退場してしまった。このため学校側は、すべての学級が歌い終わった後、この学級だけ1曲目を撮り直し、DVDにはこの映像を収録しようと計画した。男子生徒の保護者からも購入希望があったため、この保護者用に男子生徒が映っているDVDを1枚だけ特別につくり、他の希望者には映っていないDVDを売ろうとしたという。

 これを知った男子生徒の保護者は「みんなに販売されるDVDにも息子の映像を入れてほしい」と訴え、学校側も映像を編集していないDVDを販売することに改めた。保護者は「クラスの一員として参加したのだから、DVDに入れないのはおかしいと思う。何に対する配慮なのか分からない」と話している。

 これに対して校長は「退場していく映像を残すことは(自閉症の)生徒に対して酷では、と考えた。保護者の心情をくみ取れなかった」と話している。

校長さんよ。「保護者の心情をくみ取れなかった」などと言うが、そんな言い訳が通用するのかね。

せやけど、校長だけが悪いわけではないやろ。撮り直しと決めた教師ら、映像を差し替えようと決めた教師ら、自閉症児の保護者にだけ編集前のDVDを渡そうと決めた教師ら。これらの過程で、疑問は起こらなかったのかね。

取り直して編集したということは、学校側は「完成形」にこだわったということか。となると、「自閉症の生徒が入ったものは不完全」ということになるよな。そんなもん、身体を揺らしたりその場から離れたりすることがあるのは分かってたでしょ。クラスメイトを外すことのほうが不完全やろ。

今回の問題は象徴的なものであって、根本的にはあちこちの学校でみられることですよ。

特別支援教育においては、保護者との話し合いが重要。最近、保護者との話し合いを避けようとする学校や幼稚園、保育所が多い。確かに、話すと自己主張しかしないトンデモナイ保護者が多くなっているのも事実。トンデモナイ要望について長い時間をかけて話を聞く必要はない。

学校の先生が忙しすぎる状況にあるのも事実。しかし、正直なところ「どういう要望は聞いたほうが良いのか、どういう要望は突っぱねても良いのか」という基本的な弁別が出来ない教師が多い、と自分は見ている。正直な教師なら、率直にそういった質問をして来られる。

人間関係が苦手な教師なら仕方がない(どうやって採用されたんやっていう話)。しかし、不勉強な校長や教師が多いのは困る。少なくとも、今年4月の「特別支援教育の推進について(通知)」を読んでみて欲しい。これ、読んでいない校長がいたのにはビックリした。

他にも「発達障害者支援法」についても、しっかり読んでいただきたい。

しかし、保護者の中にもこれらを読んでいないか、斜め読みしている人が多いということも事実なので、あえて指摘しておこう。

自分は学校の味方でもないし保護者の味方でもない。自閉症児者の味方であり続けたい。だから、今回のような話には単純にムカっとくる。

 

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関連記事:
徳島県で事例研、行ってきました。
【お知らせ】教職研修7月号増刊
LD、ADHDの児童生徒が通級指導の対象に
発達障害者支援法の通知文書
      など。

Posted by 奥田健次 特別支援教育 |

2007.11.15

発達障害児支援エキスポ2007

博覧会に出展して下さい、との依頼を受けました。

エキスポですか。一体、どんな風景になることやら。

自分としては「焼きとうもろこし」「焼きそば」などの屋台をやりたかった。それなのに、まじめな話をしなきゃならんみたい(涙)。うちのスタッフにモリゾーとキッコロの格好をさせたかったのに。

名古屋市内で12月2日(日)。定員は30名なので申し込みはお早めに。本日15日から申し込みが始まるそうです。普通の講演会なら参加費はもっと高いと思いますが、きっと格安で参加できると思います。

ワークショップですが、ビデオを観たりしながらの講演です。一度でも講演に来たことのある方も、復習がてらどうぞ。

詳しくはこちらをご覧下さい。徐々に更新されていくようです。

次世代育成と発達障害児者支援の体験博覧会2007

 

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Posted by 奥田健次 お知らせ, 特別支援教育 |

2007.10.12

徳島県で事例研、行ってきました。

久しぶりに徳島県に事例研の講師として出張してきました。

徳島県の特別支援学校(養護学校)には、かなり初期の頃に応用行動分析学のプロジェクトに関わらせてもらっていたのでした。

それが、今では県内の特別支援学校のすべてに応用行動分析学のテクノロジーが取り入れられて発展を遂げており、全国でも有数の『行動分析学モデル学校』のある自治体となっています。

今回の徳島出張は4回目。2日間の間に、特別支援学校2校と公立小学校1校を巡回しつつの事例研。馬車馬のようにパッカパッカ働いてきました(苦笑)。

今回の仕事の主催は、徳島ABA研究会。徳島県の教員が自主的に応用行動分析学の研修と、特別支援教育への援用を推進するための、草の根的な研究会なのです。

この徳島ABA研究会という教師による自主研修会が、サマースクールや研究会、事例研究データベース作成など、学校教育現場のニーズに直結する企画を立ち上げては実行しておられるのだから、本当に頭の下がる思いがします。島宗先生が立ち上げられたシステムが発展し、止まることなく動いているんですよね。

とにかく、徳島県の教員は基本的な姿勢がすばらしいと思いますよ。

なんせ、今回の事例研。事前に主催者側が「奥田先生に事例の助言をしてもらいたい学校は手を挙げてください」と声をかけたそうで、そしたらあっという間にスケジュールを超えてしまうほどの希望者がいたようです。

普通ね、教師の多くは(というかほとんどは)部外者に授業を見られることは嫌がるものですよ。それに、事例をある程度まとめなきゃならんし、しかもどんな指摘をされるか分からないでしょ? 実力が無くてプライドだけは高い教師とか、メンドクサーな教師とかは、別に給料が上がるわけでもなし、出世に関係あるでもなし、事例を出そうとは思いませんよ。

しかも、下町のガンコ職人で「怖い、厳しい」と言われている(?)自分が助言者でしょ。(ホントは現場に対しては建設的で優しいんやけどねえ)

それなのに、事例発表の定数オーバーでお断りしなきゃならん学校もあったとのこと。こんな積極的な自治体を自分は他に知りません(それに比べて自分の地元はというとまだまだ全然....)。

事例発表して下さった先生方、事例発表に関わられた先生方、本当にご苦労さまでした。まだ、事例研究データベースのための指導計画を見直ししなければなりませんが、間違いなく発表者の先生方のスキルは向上しますので。がんばって下さい。

そりゃ向上しますよ。講演とかで、自分の面白い話を聞いて「なるほど」っていうのよりも、先生方が「考えて、作って、また考えて、作る」わけですから。こういう『思考のキャッチボール』が、問題解決力を生み出すわけですよ。確実に。

それにしても、大変やったけど充実していたなあ。酷使されたけど(笑)、やっぱり先生方が熱心なんやもん。楽しかったよぉ。学校に行くときも「かかってこいやー!^^」みたいな姿勢でいるんですが、まあかわいいもんでした。やっぱり楽しいよ、巡回は。誰も来ない相談室で時間つぶししなきゃならんスクールカウンセラーとかは、自分にはとても苦痛やからギャラが良くてもお断り。「今、ここ」の子どもへの支援をやってこそ、職人の血が騒ぐってもんだい、べらぼーめぇ。

事例研では最後に過激なことを提言せざるを得ないことになってしまって、いろいろな意味で失礼しました。でも、地域の子どもや家族を、そして学校を良くするためには、どうしても必要な提言なのです。喫緊の課題が見えてしまったわけです(「通級指導教室」の設置・利用促進とか、「専門家チーム」の設置とか)。

今回、事例発表された先生方は真面目で真剣な方ばかりでした。教師一人の力で学級経営をなんとかしようと孤軍奮闘しておられます。でも、学級経営は教師一人が抱えるものではありません。学校全体で支援体制を構築することに、教師がこぞって力を合わせていかなければならないんですよ。『チーム支援』ですよ。教師個人の力量に依存する支援ではなくて、組織や体制による支援が必要なのです。それが特別支援教育なんですからね。システム作りが必要なんです。

これをよく読んで下さい。事例研の最後でお話しした「特別支援教育の推進について(通知)」です。徳島県に限らず、他の地域の読者の親御さんも。

みなさんの地域や学校で、これらのうち取り組みがなされていない項目があれば、その自治体や学校は『違法』なんだと言っていいんですよ。何もやっていない教育委員会はまだまだたくさんありますね。はっきり言って予想通り、ものすごい格差ですよ。

まあしかし、保護者がまずはしっかり勉強していてくれなきゃ、話になりませんよ。熱意もあって実力もあるし工夫もしている教師が、学校の支援体制の低さのために潰されていくケースが少なくないんやからね。

あちこちで過激なことを言って回っているけど、自分は保護者に対して厳しいことを言える数少ない専門家であると自負している(だからマスメディアはいつもボツにしよる)。利用してくれたら良いよ。嫌われ役なら任せといて(ちょっとつらいけどね)。

今はまあ、喉が森進一状態。

今週は1週間で6回のフライト。CAよりも乗ってるやん(苦笑)。

東京→高知、高知→名古屋、名古屋→徳島、徳島→名古屋、名古屋→仙台、仙台→伊丹という流れ。その間、ちゃんと大学で講義もやって委員会の仕事もやってますよ。ホテルでも仕事してるんで、オーバーワーク状態。

今日は最後の学校で倒れそうになりやした。襲われたらきっと抵抗できませんでした。すだちを買って帰ればよかったよ(泣)。

 

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関連記事:
岡山県総合教育センターに行ってきました。
久里浜養護学校に行ってきました。
全体研修より事例研を(2)
全体研修より事例研を(1)
     など。

Posted by 奥田健次 特別支援教育 |

2007.09.19

続いてバンコク(奇跡のズー物語)

Uh yeah, forever 旅の September♪

なんて、サザンの曲が耳に聞こえる今日この頃。

バタバタとバンコクで仕事を終わらせて日本に帰ります。

この9月は、名古屋を起点にして東京、ハワイ、関西、北海道、博多、北陸、東京、タイという感じで世界中を転々と。合間に名古屋に戻りつつの動きですから、閉口してしまいますよ。夜中に職場で少し仕事して、自宅に戻ってズボンとシャツを交換したらまた出発という日々。この後さらに9月末までに、神戸で学会、高知、沖縄という動き。北から南まで、どんだけ〜的な動きですわ。

そういえば、アメリカの学会で出会った野球帽の男が「オレは世界中を駆け巡る臨床家だ」とか言っていたけどね。「どことかに行ったんだ?」と聞いたら、「全米各地をあちこちだ」 と。

この野球帽、アメリカのことを「世界」と思っていて、合衆国以外の土地は「異国」と思っているようやね(笑)。今のところ、これだけ各地に呼ばれて出ていく臨床家は自分の他に知らない。

初日の仕事を終えて、セブンイレブンに買い物に行く途中、ホテルの裏道を歩いていると突然目の前に大きな壁が。と思ったら、なんと象。ゾウですよ、ゾウ。エレファントですわ。ゾウさんとすれ違いました。バンコクには何度も来てるけど、こんなん初めてですわー。ここは、Zooか?

翌日、現地の親御さんに聞いてみたら、あれは商売なのだという。象を連れ回してエサを買ってもらうことで、象は飯にありつけるし飼い主も儲かるというシステム。飼い主はどこで象と一緒に生活してるのかというと、ほとんどホームレス状態のようだ。そりゃそうでしょうな。だって、家の中に入れないじゃん。

象とすれ違ったあと、その通りは元々スラム街だったのもあって、数年前と同じく0歳〜4、5歳くらいの「グターーーー」っとした子どもを抱いた母親が、釣り銭をコップに入れろと物乞いしてる。夜中の地べたに、元気なはずの幼児がとにかくほとんど死人のように「グターーーー」っとしているわけ。悲しくなるよな。

現地のレストランで一人で食事していると、まあ次から次へと現地の10代の女の子を連れたオッサンどもがワラワラと。これもいつもの光景だ。どう見てもモテなさそうなオッサン同士が日本語で何やら話していて、現地の少女をホテルに連れて行くわけ。日本人も多いけど、買春やってる白人もかなり多い。売春もビジネスになってるんよ。これも、悲しくなるよな。

初期のエントリーにも書いたけど、別に自分は「日本は経済大国で良かった」と単純に喜べないんよ。いずれ、日本もこうなるのかな(すでになってるのかな)という危機感の一つでも持たなきゃ。かといって、国家が裕福ならそれでいいのかというとそうでもない。国民がある程度豊かであるほうがいいけど、豊かであるために日本の国柄や歴史を外国に売り渡すのなら、それは売春と大差ない。

2007bangkok 最終日の夜、またセブンイレブンに買い出しに。今度はまたゾウさんに出会ったら写メをと思って携帯を持参して外出。「まあ、今夜は無理やろな」と思ってたら、何のことはない。ホテルを出てすぐ、エレファントが側道を歩いとるんですよ。すぐに追いかけて写メりました。

ほれ、これ。ホテルのスタバの前を移動中のZooの後ろ姿。あ、ズーちゃうわ、ゾウ(笑)。なんや、顔を覗いてみると牙が生えてるやん(ちょっと恐怖感が...)。

さらに追いかけて、マクドの前。

ここでもう1枚。

すると、飼い主の兄ちゃんはさすが目ざとい。写メった後、自分はすぐに電話してるフリをしたけども、おもむろに接近してきて「エサを買ってください」と(苦笑)。

まあ、しょうがねえなあ。まあ、やっぱ餌付けもしてみたいし。そう思って、20バーツ(80円程)で野菜の入った小袋を購入。購入した時点で、このゾウさんは180度こちらを振り向き、鼻を伸ばしてくる。「動物使いになりたいと思っていた少年時代が自分にもあったはずだ」と言い聞かせて、しっかりと一切れずつ野菜を手渡してみる。ゾウさんも上手に鼻をクルっと丸めて受けとって口に運ぶ。その素早さたるや! 餌付けしているところを自分で写メする暇もなかったぞ。

2007bangkok1 この写真は、餌付けをやることになったマクド前での接写。ギガでかっす。

さて、その餌付け。自分もいろんな国の激しい行動障害のある人にも食事指導をしてきた経験とテクがあるので、ゾウさんにもきちんと一切れずつ鼻に手渡すわけです。

しかしこれだけでは面白くないので、遊び心が豊かな自分は、ほんのちょっと渡すペースを遅らせてみました。そしたら、なんとやっぱりこのズーさん。鼻の甲(?)で、自分のみぞおち辺りをコンコンやるんですよ。エレファント・ボディーブローはなかなかキツイものがある。ウェイト差があるでしょ。ウルトラスーパーヘビー級のボクサーが、ライト級のボクサーを殴るようなもんやわ。

後からダメージが来たよ。どんなダメージかって? 臭いがクッサイ。しょうがないから、元のペースで残りの野菜を一切れずつプレゼンツ。袋の中の野菜が無いと見て取るや、ズーさん、また巨体を180度反転させて次の客探し。ズーさん、現金な奴。飼い主と一緒に交通量の多い大きな道路を横断して反対側へ消えていきました。

買い物をしてホテルに戻っても、ズーさんの香りがTシャツに残ってますわ。肌触りはザラザラでしたよ。「ダブなら〜、埴輪が有田焼になるって感じ!」っていうちょっと前のCMの商品を使って、ちゃんと洗顔してほしいね。あ、買い物の帰りにまた別のズーさんとすれ違った。ここんとこ、増えてるのかね? ズーさんビジネスが。

スラムの死人同様の幼児を連れた物乞いと売春少女の街には悲しさを感じるが、ズーさんビジネスには少しだけ微笑ましさを感じるといえば、あまりにも『動物贔屓』ですかね。

とにかく、「タイは象の国」というのを町中で初めて実感しました。

ズ〜さん ズ〜さん にほひがキツイのね
そうよ かあさんも キツイのよ♪

 

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関連記事:
大変なときに来タイですたい
初ワイハからアロハ〜♪
子や孫の世代まで
     など。

Posted by 奥田健次 特別支援教育 |

2007.09.17

トークン・エコノミー法(バックアップ編)

親御さんや教師の中に、トークン・エコノミー法(こちらを参照;前編後編)を上手に使いこなす人もいれば、イマイチうまくいかなくて諦めてしまう人もいる。時には、(自称)専門家ですらこの指導法を使いこなせず、誤解している人もいる。

前編でも言ったように、この指導法の決め手は「さじ加減」。さじ加減を間違えると、有効であるはずの子どもにすら、効果が低減してしまう。子どもの状態を検討し、その子どもにとっての課題(環境側)の要因についても検討し、「さじ加減」を調整しなければならない。

さて、今回紹介したいのはトークン・エコノミー法で用いられる好子(こうし)について。定められた分量のトークンを集めたら、それと引き替えにもらえる「楽しみ」のことを、バックアップ好子といいます。まあ、分かりやすくいえば報酬みたいなもの。

スタンプカードが「20個でマグカップ、50個でフラワーギフト...」みたいなシステムだ。他にも、いろいろなシステムがある。「ドラゴンボールを7つ集めたら神龍が出てきて願い事ゲット」というのもそう。

親御さんが子どもの楽しみを知っているつもりで知らないケースが少なくない(「子の心、親知らず」という感じか)。多くの親御さんは、親が望ましいと思っている遊びを与えようとしているようだ。だが、子どもにとっての楽しみは、必ずしも親が望ましいと思っている遊びと一致するわけではない。どちらかというと、一致しないことのほうが多いのではないか。

「どんなものがバックアップ好子として使えますか?」と質問されることが多い。自分は「駄菓子屋で小賢しく買い集めたくなるようなシリーズ物、コレクション物が使えることが多いかな」と助言するんですが、最近の親御さんは「?」という感じ。もしかして、駄菓子屋で買い物経験が無いのではないか? そう思ったので、一つだけ紹介。

Token3 遠くに出張するための移動中、こんなものを仕入れた。自閉症スペクトラムでなくてもコレクションに楽しみを感じる子どもには有効なことが多い。

左側のはポケモンのシール。男の子にも女の子にも人気がある。右側のはプリキュア。他にもドラゴンボールとか、いろんなラインナップも豊富だ。それぞれ、シールの入ったポチ袋が30袋も束になっていて630円。ポチ袋1つをゲットするために、トークンを一定量集めなければならないので、そんなに高いものではない。やり方によれば、週1回程度のバックアップだけでも十分効果的な子どももいる。

自分も「ビックリマンチョコ」のシールとか、「プロ野球チップス」の選手カードとか、メンコとか集めていた。

最近は、駄菓子屋がほとんど見つからないが、スーパーの中に似たようなコーナーがあるし、コンビニでもこういった袋入りのカードやシールを見つけることができる。

コレクションが楽しみの子どもさんには、ぜひ使ってみてほしい。

 

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関連記事:
トークン・エコノミー法(後編)
トークン・エコノミー法(前編)

Posted by 奥田健次 特別支援教育 |

2007.09.06

初ワイハからアロハ〜♪

成田からドタバタとワイハ入り。ぷらいべーと?

んなわけ、ないでしょーが。

現地在住の家族支援。

アメリカではこれまで、ニューヨーク、シカゴ、LA、サンディエゴで出張セラピーをやってきたが、ハワイでは初めて。新しい場所が苦手という「場所見知り」があるので、ちょっと緊張しながらホノルル到着。しかも、悪いことに飛行機の中で持病の頭痛が。こういうときは必殺技ダ、「テ〜イク、メディシーン!」

ホノルルに着いてみたら拍子抜け。アナウンスは日本語、看板も日本語、入国審査も税関も、こっちが英語で喋ってるのに日本語で返して来られるんだもん。税関のオヤジも「ヒャクマンエン、モッテ、マシタカ〜?」とか妙な日本語で聞いてくるし(笑)。そういや、機内で隣だった老婆は思いっきり日本人の顔してるくせに、英語しか喋れない現地人だった。

飛行機では絶対に眠れないので、時差ぼけしながらワイキキのホテルで夕食。なんか、やっぱり沖縄に似ているよね。だから、何遍もハワイのことを聞くつもりで「沖縄では・・・・」と間違えてしまう。2日目になると、「ここはアメリカ」というより「ハワイはハワイだ」とトートロジーも使って納得。

2日目に家族支援をしました。トレーニーの何気ないリアクションが、かわいいんですよね。世界中、どこへ行っても求められることは同じだし、明確で具体的なビジョンを家族に示していくのが自分の仕事。ときに厳しいことを言っても、それが必要なことだと理解してくれる親御さんは、親としての地頭が強いんだと思うね。なにげに、トークン・エコノミー法とかをうまく応用して成功してくれてるし(スバラスィ)。自分のかわいい教え子も、直接指導によって新しいことをどんどん学習してくれる。これまたスバラスィ。

2007hawai お仕事の後、束の間のハワイ滞在のために親御さんがプチ観光にお付き合い下さいました。

ワイキキは人がいっぱいということで、地元の人に人気の静かなビーチへ繰り出す。こんな景色。

ちょっと寒かったけど、子どもらと一緒に海水浴。波が来て、波に揺られて、笑うだけ。ホント、海の中で笑いっぱなしだった。

日本からやってきた日本人と遊ぶだけでも楽しいでしょうに、海水浴、遊び上手で子どもと動物にはモテモテの自分という3つの要素が合わさると、子どもらのハッピーな笑顔といったら、そりゃあもう極上。

 

世界最強ベビーシッターでしたよ(笑)。

 

2007hawai1 近くの超高級ホテルのプールで飼っているイルカも見てきました。ちょうどトレーニングの最中でした。思いっきり間近でチェックできましたよ。

思いっきり「オペラント条件づけ」なんですね。イルカが「ねえ、ねえ、褒めてよ」ってな感じで、トレーナーの近くで顔を出す辺り「やっぱ、チミたちもボクらと同じ哺乳類ですな!」と納得。Sea Worldで見たときよりも親近感があったよ。

いつか、ドルフィン・エンカウンターをやってみたいね。きっと、自分ならオペラント条件づけで勝手にトレーニングを始めてしまうと思うけど(笑)。動物へのオペラント条件づけの参考図書として、所属学会の先生方の教科書を紹介しておきます。

 

沖縄でやった「きょうだいの会」のハワイ版という感じの楽しい一日でした。

 

2007hawai2 夜には、ハワイでは定番のコンビニ(スーパー?)といわれる、ABCマートへ。食品類のラインナップが、ジャパニーズって感じ。「ざるそば」とか「いなりずし」なんかも揃ってた。中には「スパムむすび」みたいに、日本とハワイのコラボ作品も。

ほれ、これが「ざるそば」の写真。ひらがなで商品名が書かれてる。

多分、美味しいと思う。ABCマート、恐るべし。日本語でいえば「いろは屋」か。

そして、その翌日はもう帰国する日。帰国したら自宅へ戻って職場で仕事して、またすぐに日本各地を転々とする日々へ。

依頼原稿やら4本ほど貯まっているので、移動中にパソコン開いてガンバッとります。真面目かどうかは分かりませんが、遊んでるわけじゃありませんからね。

帰りの飛行機。眠れそうで眠れずにウトウトしている頃、機長が「左下にフレンチフライが食えます」とかなんとか言うんで、「へ? マクドの支店が太平洋上に?」と。左側窓席だったので、外を見てビックリ。これ、ミッドウェーのフレンチフリーゲート礁じゃん。あわてて、写メは使えないのでPDA内蔵カメラで撮影。ハウ・ビューリホー。

しかし、PDAからPCにファイルを送る方法が分からない機械オンチ野郎なので、みなさんにはお見せできず。正直、スマン。

そんなわけで、初ワイハはプライベートではなく、やっぱり超過密スケジュールなお仕事なのでした。

マハロ!

 

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Posted by 奥田健次 教育, 特別支援教育 |

2007.08.14

きょうだいの会 in 沖縄 2007

今年も『きょうだいの会』を沖縄で実施しました。きょうだいの会の趣旨は、去年の記事をご覧下さい。

今年も、時間を忘れてメンバーの子どもたちと、沖縄でゆるゆる遊び尽くしましたよ。「時間を忘れて」というのと、「遊び尽くす」というのがポイントです。

週間天気予報では、今週の沖縄は水曜日までずっと大雨というものでした。また、前日の天気予報でも今日は降水確率80〜90%。誰もが「今回、海水浴はアウトかな」と思っていました。

ところが。

未明から南南東の風が強い雨雲を沖縄本島のぎりぎり西へ追いやってくれたのです。ちょっと風が強かったのですが、例年通り海水浴ができました。宜野湾のトロピカルビーチです。2年前、日焼けを通り越した大やけどをして死にかけたビーチです(悲)。

2007sib6_4 死にかけただけあって、日焼け対策は万全。うちなんちゅ(沖縄人)と同じ、上半身は長袖Tシャツ式でバッチリ。Tシャツも海パンもおニューざます。

残念だったのは、海の水が去年と比べると澄んでいなくて、自分的に勝手に夏の風物詩にしている「熱帯魚を追いかけること」ができませんでした。

夕方から潮が満ちてきたら、子どもらと一緒に宝物探し遊び。「生きた貝」を探しまくるんですね。こうやって、文章で書くだけでは「何が面白いんやろう?」なんですが、やってみると1時間でも飽きないもんですよ。

その後、とても風が強くて寒くなりました。少し早めに海から出ることにしました。

2007sib1 去年はビーチ終了後、レストランで夕食だったのですが、今回は親御さんが「うちなー式BBQ」を準備してくださいました。ウワサに聞いていましたが、内地のBBQと比べて豪快。本格的。

内地では準備に時間がかかるでしょ。食材を串に刺しておいたり、炭火で火を付けるのに時間をかけたり。なんか面倒くさい。

ところが、うちなー式ではレンタルの鉄板にプロパンガスですよ。テキ屋が使うようなシステム。だから、あっという間に料理が出来るんですわ。

2007sib2 2007sib3 豪快! 肉がデカイ!! お母さん方、こんな豪快な食材もサッサッサと焼いていくんですね。

また、肉が柔らかくて美味しい。ソースは『A1ソース』。沖縄でしか見かけないソースです。

ソースがなくても美味しい鉄板焼きです。自分が小食なのが恨めしい。食べる早さは人一倍。食べる量が少なくて残念。もう食べられないってのに、あまりに美味しいから最後は無理して食べてしまうことに。こうやって、沖縄に来る度にウエート・オーバーするって寸法です。

2007sib5 きょうだい達の食欲は底なし。「食べる〜、食べる〜、俺ーたーちー♪」という曲が聞こえてきそう(笑)。

参加したきょうだい達は、今日は主役です。普段、自分がみている子ども達は自宅や祖父母宅でお留守番。こういう逆転現象は、やっぱり必要だなといつも実感します。お互いに良い体験になります。

自分が覚えたばかりの『うちなーぐち(沖縄ことば)』を使いまくり(笑)。

「まじむん、出ぇるでぇぇぇーーー」。

「まじむん」とは「魔物」のことです。小学校入学前の子どもをビビらせてみます。「こわい?」と聞くと、頷いてくれました。頷いてくれたら、「大丈夫やで、奥田先生がまじむん、やっつけてやるからな」と言って抱きしめてやるのです。ま、要するに「美味しいとこ取り」ってわけです。今夜、子どもが眠れなかったらママとの絆を深めていただくチャンス。

強烈なインパクトを受けた子なんか、その後「まじもんとスパイダーマンはどっちが強いの?」とか聞いていました。子どもらしくてカワユイ。

2007sib4_2 「まじむん、出ぇるでぇぇぇーーー」とか言ってる自分。うーん、役者やなあ(笑)。

楽しいBBQの後、北谷町のジャスコのゲーセンに繰り出しました。

今年は「太鼓の達人」、完敗です。去年、辛勝したのが効いたようで、かなり練習を積んだようです。こちらは去年以来、一度もやってません。負けると思ったら、完膚無きまでに打ちのめされました。

しかたなく、得意のUFOキャッチャーへ。ま、UFOキャッチャーは少年時代から通算すれば小型のベンツが買えるほど鍛えてますんで、今年もそれなりにGETして子どもらにあげました。

親・教師公認の夜遊びでした。ま、あんまり遊びすぎると「まじむん」出てきそうなので、それなりの時間に解散しました。

また来年、みんな揃って遊べると楽しいでしょうね。きょうだい達の成長ぶりが見られるのも楽しみなことです。

今年の夏もこれで終わり。明日からまた移動&仕事の日々です。

また来年、会えると良いねぇ。

写真はまた追加します。

 

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きょうだいの会 in 沖縄 2006

Posted by 奥田健次 特別支援教育 |

2007.08.12

大盛況御礼@沖縄講演

沖縄での講演、とても盛り上がりました。2日前から大雨洪水警報が出続けていたのに、参加者で会場が埋め尽くされました。わざわざ本州からこの講演に参加するために、何人かお越しになった人もおられて。なんだか恐縮っす。

Img46be5821dd15b いつも沖縄に行くと良い天気に恵まれるのですが、なぜだか今回は沖縄の歴史上でもまれな大洪水。河川のない沖縄で洪水のシーンを見るとは、タクシーのおっちゃんも驚いていましたね。車がお風呂に浸かった状態になるんですね。

これ、お馴染みの那覇市牧志の国際通りが浸水してますよ。ほんと、沖縄ではありえん光景。

講演は午前から午後まで90分を3コマ。行動分析学の基礎的なお話しと、技術的なお話しのイントロダクション。

実際のセラピーでどれくらい子どもらが変わるかってのをビデオを観てもらってイメージしていただく。まったく無発語の子どもらが、どんな風に指導して、どんな風に言葉が出るようになるのか、参加者は固唾をのんで見守っているのでしょう。

だから、子どもが発話した瞬間などは感動が伝わるようで、何度も「おおおーーーーっ!」と歓声が上がり拍手が起こりました。そういう姿勢でビデオを観られるというのは、参加者の質の高さを物語っているといえます。

後半は、特別支援教育について。特別支援教育については、技術論というよりもシステム論。教師個人の力量を高めるというより、学校としてどういった支援を進めていくのか資料を提供しつつ紹介した。沖縄で、親御さんと学校と地域の専門家がうまく特別支援教育を進めていってくれることを期待したい。

それにしても、90分の3セッションなんて「あっという間」だったでしょう。自分ももう喉がガラガラだったけども、まだまだ話し足りないところもありました。

Okinawasoba 驚いたのは、なんと今回の講演会があることを知った団体が、「沖縄そば」の屋台を開いてくれたことです。自分も今までいろんなところで講演をやってきたけれども、自分の講演を『縁日』みたいにテキ屋さんが出てくれるなんてのは初めてですよ(笑)。

この写真ね。さすがに売れないでしょうと思ったら、結構、売れたそうな。ううむ。確かに本格的な味だったからなあ。今度は「焼きとうもろこし」とかもプリーズ。

それから、会場は沖縄国際大学でした。明日、8月13日は「沖縄国際大学に米軍ヘリが墜落し、日本の警察が入ることもできなかった記念日」です。あれから3年になります。講演は、その軍用ヘリがぶつかった建物の隣の棟。空から降ってくるものって、「雨」「ペンギンちゃんの帽子」「ペンギンちゃんのステッキ」「かみなりちゃん」くらいしか知らんよ。沖縄国際大のキャンパスでは、「空からヘリが降ってきた♪」なんですからね。半端やない!

Noflyzone 沖国の学生さんらも負けてない。講演の途中から、ライブが始まった。「何?」と思ったら、かなり本格的なライブ。ステッカーとか団扇をもらってきました。コンサートの名前は『NO FLY ZONE』。ラムズフェルドが普天間基地を視察したとき、 「事故が起きないほうが不思議だ」と危険性を認めたほど。「世界一危険な基地」などといわれている。

講演でお話ししている最中、何度かヘリが降ってくるんではないかと本気で思いましたよ。

とても不謹慎なので「ヘリ、ヘリ、降れ、降れ、もっと降れ〜♪」とは歌いませんでしたが、「もっと怒りを!」とは思いました。

Okikoku これは入り口の岩。岩に穴が空いている(まさか弾丸の跡?)。その左側に見える建物が、ヘリのぶつかったビル。現在は新築されています(米軍による証拠隠滅ともいう)。墜落後、ここに日本の警察は立ち入ることすらできませんでした(怒)。

講演会終了後、いろいろな方々が挨拶に来てくれました。正直、嬉しかったです。

打ち上げは近くの居酒屋『ぱいかじ』。沖国大前店です。綺麗で個室も広くて料理も色々でとても良いお店でした。ファミリーメンタルクリニックの仲俣先生、沖縄国際大学の知名先生、スタッフのみなさん、沖国OBとご一緒しました。さんざんローカルな話で盛り上がりました。自分も、「読谷村ネタ」やら「元・ポパイ」の中華料理店やら「沖縄のお墓でBBQ」やら、うちなんちゅ(沖縄人)でも知らないような話をしまくり。楽しい時間でした。

それにしても、こんなに天候が悪いところ定員オーバーするほど来ていただいて、沖縄そばの屋台まで来ていただいて、感謝・感激・ヘリ・アラレ。ん? 間違い。感謝・感激・雨・アラレ。

明日からまだ仕事なんですね、自分は。少なくとも、沖縄。晴れてよ。ビューティフルマンデーをお願いします。

【追記】
ココログからgooのブログにはなぜだかTBが通りませんので、なかまた先生のブログの記事、リンクを貼っておきます。こちらをクリックして、ご覧下さい。

【追記2】
ぱいかじでの飲み会の写真付き記事もアップされていました(苦笑)。「ふぁみめファミリー」と和気藹々。

 

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【8月講演】ABAワークショップ in 沖縄

Posted by 奥田健次 学ぶこと, 特別支援教育 |

2007.07.28

行動療法を生かした支援の実際

2007okuda2 このところ、出版ラッシュ。まあ、たまたま時期が重なっただけのこと。去年から今年にかけて、書きまくったからねえ。

今回は、これ。画像をクリックしたら拡大できます。

発達障害・不登校の事例に学ぶ 行動療法を生かした支援の実際
(小野昌彦・奥田健次・柘植雅義 編)東洋館出版社

今回は編著者としてのお仕事をさせていただきました(そういえば、この編者3人で数年前に奈良でご一緒しましたねえ^^)。この教科書では、事例をたくさん紹介していますので、本書のタイトル通り「支援の実際」を読者にご覧頂きたい、そして何かヒントを見つけて頂ければとの思いを込めて編集しました。

行動療法による支援がなぜ効果的なのかというところまで、本書から読み取っていただければ、編著者の一人としては最高ですね。

この1か月だけで3冊。前の2冊は、これ。

小学校 学級づくりの救急箱

よくわかる発達障害

あと、年内にもう1冊かな。それから仕込み中の単行本もね。お楽しみに!

 

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Posted by 奥田健次 お知らせ, 特別支援教育 |

2007.07.23

岡山県総合教育センターに行ってきました。

やり残した仕事の一つ。当時、自分の転勤のために約束していた研修会が実現できなかった。「転勤先から手弁当で研修会に行きますよ」と本気で申し出たのに、教育委員会のほうが遠慮して実現しなかったものだから、ずっと気がかりになっていたんですね。

それが、ようやく別のカタチで実現しました。岡山県総合教育センターというと、自分も転勤前最後に岡山市内で講師をやって以来。ところが、なんと呼ばれて行った場所は、とんでもないド田舎!

吉備高原に移転したというんですね。知りませなんだ。

前の職場にほど近いため、なんだか「イヤ〜な気分」が半分と、今回のように当時から自分みたいな過激派(?)を必要としてくれていたという「アリガタ〜イ気分」が半分という感じ。いや、アリガタ〜イ気分のほうがほとんどなのに、そのアリガタ〜イ気持ちを邪魔するのが吉備という土地なんですわ(笑)。

午前中に岡山駅前のホテルからタクシーで移動すること1時間。よく行き来した山道を、ロング(遠距離乗車)でゴキゲンなドライバーの観光案内を聞きつつ現地入り。

ビックリするほど綺麗な建物。岡山のどこにそんな金が残っていたの(笑)?

いや、こんなスバラシイ施設があるんなら良い仕事が出来そうじゃないですか。今年の4月に出来たばかりで、ホルムアルデヒドに囲まれた室内とFOMAが圏外という悪条件を除いて、うらやましい限り。

さて研修内容について。今回は、巡回相談を担当される教員の研修会だった。ただの単発の講演会ならお断りしたと思うけど、シリーズで依頼されていたので引き受けてました。受講者70人中10人程度は「常連さん」。でも、60人は初顔合わせなので基礎的な話をやんなきゃならない。

さらに悩ましいのは、自分の尊敬している数少ない大学教員、岡山大学の佐藤暁先生もまた自分の話を聞きに来られるということだった。自分の集中講義にも最後の一コマまで聞かれちゃってるので、手の内を知られてしまっている(苦笑)。同じ話では恐縮だと勝手に感じてしまって仕方がない。でもやっぱり初めての方のほうが多いし。

でも、センターからの研修リクエストが「中学生以上の特別支援教育について何かお話しを」ということだったので、よっしゃ分かった。あ、ちょうどタイムリーな動きがあったわ。よっしゃ、よっしゃ。

などと閃いたわけです。

ところが、閃いたのが遅すぎた(泣)。というか、日曜日の夜にホテル入りしてから調べ始めたんですねー。相変わらず、取りかかるのが遅い。

パワーポイント作成していたら、気がついたら明け方の4時過ぎですよ(泣々)。小鳥さんの朝のさえずりが聞こえるし、しばらくするとJRの始発も動き始めるし、ほとんど眠れませんでした。まっ、ボクが悪いんですけどね(泣×3)。

今年度から文科省の新しい事業として「高等学校における発達障害支援モデル事業」というのがあるんです。文科省のHPで1か月前に資料が情報公開されたばかり。これを紹介することから始めることにしたわけです。

全国で14校の国公私立高校がモデル校に指定されています(北海道、埼玉県、東京都2、静岡県、滋賀県、京都府、大阪府2、和歌山県、福岡県2、長崎県、熊本県)。

なんで、愛知県は無いの? 兵庫県も無いの? 神奈川県も無いの? おかしいなー、なーんてね。愛知、兵庫、神奈川だからねぇ(笑み)。

高等学校における特別支援教育となると、小中学校の特別支援教育とはまた違った視点からの支援が必要となる。特に、進路指導や就労支援などが大きなウエイトを占めるようになるし、他機関との連携もハローワークやら厚生労働省の就業事業などの利用とか、教員にとっても新しい知見の修得が求められる。上記14校の取り組みに注目したい。

研修会ではこれらの話のほか、保護者や学校や対象生徒のアセスメント方法などについて専門的な話もした。いつものことながら、あっという間の90分。休憩を挟んで、佐藤先生とのパネルディスカッション風の質疑応答。これはこれで、まったくの打ち合わせ無しなのに盛り上がるんですね。

受講者にも、自分と佐藤先生の少しずつ違った角度からの話で、しかしほとんど同じような方向を目指しているということに気付いていただけたのかもしれない。最後まで真剣かつユーモア溢れる、あっという間の研修会でした。

ゴキゲンなタクシードライバーに岡山駅まで運んでもらって、速攻で名古屋に帰りました。名古屋は大都会やなあと改めて実感。『大名古屋ビルヂング』があるくらい(笑)。

そんなわけで、次回またよろしくお願いいたします。

佐藤先生のご著書と、今回の研修会で紹介した拙著も下記に紹介しておきます。

 

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Posted by 奥田健次 特別支援教育 |

2007.07.17

よくわかる発達障害

長いこと待たされましたが。ようやく出ました。今年の3月に「軽度発達障害」という誤解を招く用語が見直されたばかりなので、逆にタイムリーかも。

『よくわかる発達障害』(ミネルヴァ書房)。

2007okuda1 自分も、専門分野である『心の理論』のところを分担執筆。

その他、発達障害に関する基礎的知識から応用分野でのテクノロジー、今日的な課題まで、幅広く取り扱われている(高度な専門的知識については、本シリーズの趣旨に反するのであくまでも入門書です)。学生や親御さん、教員・管理職、心理士、巡回相談員などが知っておくべき基本ばかりなので、ぜひ手元に一冊置いてください。

編者が、小野次郎先生、上野一彦先生、藤田継道先生のお三方ですから、教育、心理、医療、行政などの分野からの専門家が、ギュッと集められたという感があります。

最後の写真付きの『執筆者紹介』に、執筆陣の個性が表れていて興味深い。「読者へのメッセージ」というのがあって、自分が一人だけ浮いている結果に(苦笑)。また、真面目というか揚げ足取りなお人からは、「ふざけている」なんて声が聞こえてきそうですが、「個性、個性」というならば、これも個性と言える度量が必要なんですよ。分かった?

ユーモアも分からないお人じゃ、柔軟な支援なんて出来ませんがなー。

とはいいつつ、物書き以外の自分は不真面目なのが大嫌い。このブログとかの軽いノリをみて、気易く講演や取材の依頼とかして来ないでください。そういうのは時間の無駄なので無視します。ブログのノリに騙されないようにご注意を。

ってなわけで、とにかくタイムリーに良い本が出ましたよ。書店などで手にとってご覧下さい。

※ミネルヴァ書房はまだ画像を出していないためか、amazonでもまだ画像が出ていません(が、購入可能です)。

 

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Posted by 奥田健次 お知らせ, 特別支援教育 |

2007.07.06

【8月講演】ABAワークショップ in 沖縄

講演会の講師として沖縄に行くことになりました。沖縄での講演は2年ぶりになります。特別支援教育、応用行動分析、子育てに役立つ知恵など、まる1日かけて講義と演習を行います。県外の方も、沖縄への家族旅行などを兼ねて、奮ってご参加下さい。詳細おお申し込みは、ファミリーメンタルクリニックまで。

Posted by 奥田健次 お知らせ, 特別支援教育 |

2007.06.20

たまには仕事のことを(研究室の惨状はオマケ)

先日のこと。3歳の頃から関わっている自閉症の男の子のセラピー。開始当初、簡単な言葉を絵カードを利用してオウム返しさせながら教えていたような子どもさんでした。

もうすぐ2年近くになりますが、ABA(応用行動分析)やら行動療法を駆使して、驚くべき進歩で成長を遂げています。

ドアを開けて来たときから、笑顔いっぱいでした。

ご挨拶をするなり、「せんせいと一緒に遊ぶよ〜、今日は」なんて言います。のっけから自然な会話にちょっと感激。

自分も率直に「うわあ、Aちゃんは、いっぱいお話しが出来るようになったねえ」と言いますと、「うん!」とこれまた見事に自然な受け答え。

「お話し出来るようになって楽しい?」と聞いてみたら、「うん、楽しいよ!」とこれまた自然な会話になってます。感激して涙が出そうになりました。

セラピストとしては「自分が教えた言葉を使ってくれている」という、ちょっと独りよがりかもしれない満足感や達成感が、実はこの仕事を続けるにあたって、お金や名誉よりも効き目のあるファクターになっているのです。

数年前、教えた子どもが大きくなって手紙を書いてくれたときも感動しました。言葉もゼロから教えましたし、文字を書くのも指をマジックのインクだらけにしながら繰り返し教えました。教えた自分の癖が出ている文字なんですね。

ただし、こういう心境になるまでにはそれは血の滲むような修行の連続あってのことです。もちろん、まだまだ修行中。誰にも負けない修行を死ぬまで続けます。「こうすれば、もっとよかった」「こんなことは、しないほうがよかった」など、いろいろな失敗や反省もたくさんあります。だからずっと修行なのです。

しかし、こんなことだけ言っていると本当に独りよがりな感じがします。

ここには当然、親御さんの支えがあるわけです。といいますか、これが本当は一番大きなファクターなのですね。自分はほとんどの場合、親御さんのやってきた方法、場合によっては考え方まで否定することは多々ありますし、ほとんどすべての親御さんに修正を求めています。自分のやっているセラピーは、外科手術のようなものです。毒にも薬にもなります。当然ながら、親御さんには自分と同じように外科手術ができるわけありません。

このAくんの親御さんも、自分の言うことを最初から最後まで信じてやってくれました(最初は自分の見た目の学生っぽさのために、信じてくれていたかどうかは怪しいですが)。自分が「これは家でもやるべき」「これは絶対にやらないで」など、かなり具体的な処方箋を出すわけですが、基本的に言うとおりにやってくれます。言うとおりにやってくれると、当然ながらうまくいきます。ちょっと違うやり方をやったら、うまくいかないわけです。これを親御さんも何度か経験されると、当然ですが自然に信用してくれるわけです。

最初から信用してくれていたわけですから、それは当然、驚くほどに改善するわけです。

だから、本当のところは「独りよがり」なんてあるわけがなく、自ずと親御さんの支えを必要としている仕事ですから、自分の達成感や満足感の中には「親御さんの理解と協力」が含まれているわけです。したがって、共に喜ぶことができるのです。

問題を乗り越える度に、常に「一緒に乗り越えた」という感覚が得られます。決して、「俺のお蔭だ!」などと思うことはありません。親御さんの協力を前提としている以上、そういう心境になることはありえないのです。

外科手術に似ているところもあり、違うところもある。そういったところでしょうか。いずれにしても、子どもらの(そして親御さんの)成長に関わって成果を出すことが、自分には麻薬のようなものといえるでしょう。体を壊しても、やめられないわけです。

少し編集してアップしていただいた親御さんの気持ちについては、興味のある方は奥田研究室ホームページの「相談活動」をご覧下さい(保護者の声1保護者の声2)。

さて、前のエントリーの内容が不明というご意見をいただきました。面白おかしく書いていますが、書いていることは作り話ではありません。内容について説明するつもりはありませんが、「研究室が意外に綺麗ですね」「整然としていますね」という実態と異なるコメントやメールをいただきましたので、実態を少しお見せしましょう(画像をクリックすれば拡大されます)。

200706201544000_1 まず、入り口のドアから眺めた光景。テーブルの上には物を書く隙間もないほど、書類や書籍を平積みしています。左手に見えますのは、高さ240cmのヤシの木でございます。さらに、ヤシの木の手前にはデッキチェアとパラソルがあります。つまり、研究室の中が限りなく南国っぽいグリーン。すべて自腹で買いました。

そうそう、このパラソルにはエピソードもあります。ある日、大学の事務員さんが自分への用事のために、初めて奥田研究室を訪問したときのことです。自分が書類に押印するのを忘れていたため、それを持ってきてくれたわけです。ドアを開けるなり「奥田先生、書類に印鑑を…。うわあ、センセ、お部屋の中にパラソルですかぁ?」と驚かれたので、自分は真顔で「すみません、自分、紫外線に弱いもんですから」と答えました。この事務員さんは真面目に「それは大変ですねえ……、では書類に印鑑を」というリアクション。ノー・ツッコミ。こういうのを『ボケ殺し』と言ったりします。この生真面目な事務員さんのお蔭で、自分は「紫外線に弱い男」と認識されてしまったわけです。そこは最低でも「なんでやねん!」とか「南米か!」などと言って欲しかった。

200706201542000 2枚目。昨日の写真の背景をもう少し後ろから撮影。左手にはヤシやら南国グリーンがやっぱり見えます。本棚は天井まであります。右側の壁一面が本棚。その向かいの壁一面の保管庫も本棚になっとります。

図書館で専門書を借りるのが嫌な自分は、もっぱら自腹で購入しています。最近は新しく購入した本を置くスペースがなくなりつつあります。北方領土をなんとしても返していただかねばなりません。外資に皇居周辺の土地を買収されるのもまっぴら御免です。

200706201541000_1 3枚目。デスクの右側の光景。東海大地震が来たわけではありません。ファイルとかの整理がテキトーになると、震度5のような惨状になるんです。なるんですって!

よく、「秘書が必要ですね」と言われます。気の利く大学院生が「テーブルの上だけでも片付けましょうか?」と申し出てくれるのですが、慎んでお断りしています。なぜなら、散らかったあのようなテーブルの上ですら、どの辺りにどの書類が埋まっているのか、これでも一応把握しているつもり。勝手に動かされては、自分の認知地図が狂ってしまう。だから「あああっ! 勝手に動かさんとって!(しかも山が崩れるし!)」というわけなのです。一人で大袈裟に「地殻変動がぁぁぁ!!」と慌てているわけです。どの地層のあたりに何が埋もれているのか。いかにうまく発掘するか。山を崩してはいけません、そうっと、そうっと。こうした考古学者か地質学者のような会話を、奥田研究室では楽しむことができるわけです。ま、自分が一人楽しんでいるだけで、学生らは絶句している様子ではあります。

秘書に整理整頓をすべてお任せできるほど、こだわりの気持ちが解放されると良いのですが。まだまだそういう気持ちになれない自分です。

いやあ、すっきり。きちんと整理整頓が出来ていると勘違いされるのは、ちょっと窮屈だったものですから、messyなところをお見せした次第です(「記事にするんだったら片付けろ!」とお叱りの声も聞こえてきそうですが)。今年もまた喘息が出始めた自分にとって、埃っぽいのが玉に瑕。

おしまい。

 

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Posted by 奥田健次 特別支援教育, 脱力系 |

2007.06.04

トルネード・チューブ

国際学会で参加した初日のシンポジウム。ここでアメリカのセラピストらが使っていた『トルネード・チューブ』。そのとき書いたエントリーで、この玩具が気になると言ってたんやけどね。

トルネード・チューブってのは、ボタンを押すと水がクルクル回って流れる玩具なのだとか。そんな玩具、あるんかいな? 勝手に作ったオリジナル作品ならどうしようもないけど、市販しているなら買いたいよなあ。なんて思って、学会の期間中から終わってからも、それっぽいお店に立ち寄ってはチェックしてたんやけどね。

はい。ありましたよ!

まさか、見つかるとは!!

トルネード・チューブという名前では無かったので、きっと別のものなんでしょうけどね。

透明の円柱の中を、思いっきり渦巻いてるじゃん(笑)!

20070602 これよ、これ。

水洗便所の水の流れに見えるもん!!

やったー! これが欲しかったんですわ。重たい荷物が増えるけど、もちろん購入したざます。

これで、自分のみている自閉症の子ども達が喜んでくれるなら。誰かに使えるって思って買ったわけではないけど、親御さんに「こんなものがありまっせ〜」的に紹介できるってなもんです。

これ、玩具というよりもインテリアのコーナーに置いてあったんですわ。ちょっと携帯の写メでは分かりにくいけど、ホンマに綺麗に渦巻いてます。トルネードであります。鳴門のうずしおであります。

自分用にお土産を買わないのは、小学校の頃から変わらないなあ。修学旅行とかでも家族用にしか買わず、「自分の? あれれ、何も買ってないよ」ってのが毎度のパターン。今回のこの『トルネードくん』(←勝手に命名)も仕事用って感じ。

はい。しばらく日本を留守にしていたので、帰国後また睡眠時間を削って仕事の虫に戻りますです。

 

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トークン・エコノミー法(前編)

Posted by 奥田健次 特別支援教育, 脱力系 |

2007.06.03

アメリカの戦争を支援するために、自国の福祉を切り捨てる自公政権

サンディエゴでの学会の最終日、いろいろ新しい出会いやら昔からの研究仲間との再会など、有意義な時間を持てました。みんなそれぞれ頑張っているなあ、という感じ。自分の歩みはというと、う〜ん、どうかなあ。

昔と変わらへんよなあ。根っからの職人やから、あんまり新しいこととかやらないし、周囲に影響されるわけでもないからなあ。

学会の話をしようかなと思っていたら、途中から思いっきり政治的な話になってしまったので、このエントリーのタイトルもアップ前に変更しました。「続きを読む」以降、結構過激ですからね。

学会の午後のパネルディスカッション後、サンディエゴ近郊の大学に仕事関係で少し立ち寄った。障害のある学生への支援の充実ぶりを目の辺りにし、日本ではまだまだ不十分だなと実感した。

十数年前にこっちに来たときですら「すごいな」と思ったが、今なお日本の障害学生支援の施策は遅れていると言わざるを得ない。

どころか、アメリカのイラク戦争に諸手を挙げてお付き合いした小泉自公政権は、『障害者自立支援法』という悪法を強行に成立させてしまった。これによって、たとえば排泄の介助が必要な障害者はトイレに行って用を足すのにもお金を払わなければならない状況となった(この悪法以前は、もちろんお金は一銭も要らなかった)。障害のない人がトイレに行くのにお金を払う必要はないのに、障害があるだけで自宅のトイレに移動するのに介助を利用するとお金がかかる。これって、とても福祉先進国とは言えないよね。

『福祉切り捨て国、恥ずかしい国、日本』である。

個人的に問題と感じているのは、全然別の法律で『発達障害者支援法』というのが『障害者自立支援法』の1年前に施行されている。これが、名前がそっくりであるために、医者から親御さんまで幅広く同一のものと勘違いされることが多い(わざと似たような名前にしたのかもしれんな)。この2つの法律は似て非なるもの。そもそも、制定されるまでの経緯が全然違う。

こちらの『発達障害者支援法』については、超党派の『発達障害者の支援を考える議員連盟』が勉強に勉強を重ね、2004年12月に議員立法として可決成立したものだ(2005年4月から施行)。つまり、自民党や公明党、民主党から共産党まで、与野党問わずにこの法律の重要性が共通認識されていたといえる。

んで、1年後。天下の悪法、『障害者自立支援法』。自公もさすがに「やりすぎた」と思っているようで、ちょっと猶予を与えたり修正したりしているんだけどもね。基本的には「ごめんなさい」が言えないんよ。学者と同じかぁ。もっと正直に「ごめんね、間違っていたよ」と言うべきやろうし、もっともっと正直に「ごめんね、どうしてもアメリカの戦争を支援しないとジャイアンに意地悪されるんだよ」と言えばええんよ。

どんなにひどい圧力がかかっているのか、みんなで「せーの」で話してごらんよ(笑)。国民も「え!? 友好国のはずのアメリカってそんな無茶な要求してきてるの?」ということに気付いて、逆に正直な政治家・官僚の味方になるんじゃない? 正直に「タスケテー」と言いましょうよ。

ほら、名医と呼ばれるような人は空威張りとかして無理せずに、自分より専門の医者に任せたほうが良いケースはリファーするでしょ? 空威張りするアホな医者が無理して患者を殺してしまうわけやんか。これと同じく、アホな政治家に日本を任せっぱなしにしていたら、日本を殺してしまうことになるんやで。

Sandiego013_4 だからね、戦後の日本。政治家・官僚の皆さんは「タスケテー、アメリカがこんな要求してきてるんですよ」、「タスケテー、中国がこんな要求してきてるんですよ」とね、国民に訴えるべきなのよ。いや、ホント。これ、できないでしょ? できる人がいたら、自分は心の底から尊敬して応援しまくるよ。

障害学生支援の話から、こんな話にまで展開するのもまた奥田流(苦笑)。

そうそう。自分用の写真を1枚。これ、懐かしい場所なんよねー。

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発達障害者支援法の通知文書
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Posted by 奥田健次 特別支援教育, 社会, 経済・政治・国際 |

2007.05.30

シンポジウム、その他。

国際学会で参加したシンポジウム。自閉症児の感情行動について。

なかなか面白かったし、自分の仕事関係でもちょっとしたヒントを思いついたので、参加して良かった。

以下、自分用の覚え書き。最後のほうは、とあるミュージシャンと再会した話になるんやけどね(笑)。

自閉症の子どもは、社会的な行動に問題を持っている。社会的な行動には、色々なものが含まれ、その範囲はとても広い。

そのうち、感情行動と呼ばれるものを指導できるか。効果的な指導プログラムはどんなものか。

今回のシンポジストの研究発表の一つでは、「言語的なもの(verbal)」、「顔の表情(non-verbal)」、「声のイントネーション(non-verbal)」の3つを行動レベルで定義して扱っていた。

ハンドアウト資料が無かったので、自分の汚いメモだけだから不正確かもしれないが。4つの感情行動が、標的行動として選定されていた。

「馬鹿馬鹿しい」「興奮」「感謝」「同情」だったと思う。

具体的には、先生が「冷蔵庫の中にパンダを入れてきたよ」と言ったとき、子どもは「馬鹿馬鹿しい」というセリフと表情をすることが求められる。他にも先生に「好きなほうをあげるよ」と言われて、感謝の言動をする。先生に「私は調子が悪い」と言われたら、「お気の毒に」と言う。まあ、こんな感じ(例は勝手に作っています)。

指導方法は、モデルの提示、スクリプトフェイディング(台本を読ませ、そのうち台本が無くても出来るようにする方法)、シェイピング(行動形成)など。データをみれば、明らかに子どもの言動が指導前と比べて改善しているのが分かる。

もう1つの研究でも同じような実験研究が紹介された。

しかし、どうも両方ともかなり不自然である。そう感じるのは自分が日本人だからかな、と思っていた。日本人はあまり気持ちを表情に出さないし、表情に出し過ぎるのは良くないような文化がある。

でも、指定討論(シンポジストの発表を受けて議論の口火を切る人)のDr.シュリンガーもこれらの研究を評価をした上で、「もっと自然な方法では出来ないのか」というような指摘をしていた。

自分も終わってから、発表者のところに言って質問。1つは、「指導手続きでerror correctionってのがあるけど、具体的にはどうやってやるの? 自閉症の子どもの顔を触るの? 触覚過敏があるから難しいんじゃない?」と聞いてみた。発表者は「Least to Most プロンプトを使っているから、問題ないよ」と答えてくれたけど、これって答えになってないよね。「だからさ、口元を触ったり眉毛を触ったりするんでしょ? 少しずつって言うけど触るのを少しずつってどうやるの?」→「こうやるのよ(と自分の口を触ってた)」。2つ目の質問は、「なんでさあ、たったこれだけの指導に6か月から24か月もかかるの?」と。発表者は「いろいろそれぞれ事情があって・・・」というところで、Dr.ハンク・シュリンガーが挨拶に来てくれた(発表者は自分を学生と思ってたんやろね、きちんと応答せずに終わってしまったよ)。

Sandiego11_1 ハンクは今回の国際学会の1か月前、いきなり自分にメールを送ってきたんよね。いろんな論文を探していて、たまたま自分の論文(日本語論文だがアブストラクトは英語なので検索にひっかかる)を見つけたようで、それに関する資料を送ってくれってなお願いメール。ハンクには3年前に同学会で発表したときに指定討論をしてもらっていたけど、メールでは初めてだったのでビックリした。

でまあ、また資料は送りますよなんて話をしました。

実はこのハンク、ミュージシャンでもあるんよね。そして、自分がホームページをリニューアルするときに業者に参考ホームページとして紹介したのが、ハンクのホームページだったわけ。ハンクのホームページには、確かアカデミックなことは書いてなかったっけ。ひたすら音楽のことしか書いてなかったっけ。

ハンクのホームページはこちら。その名も、ハンクシュリンガー・ドット・コム。トップページを開いてしばらく静かにお待ち下さい。忘れた頃に、ハンクの音楽が流れ始めます。

http://www.hankschlinger.com/

 

んで、こっちが自分のホームページ。その名も、ケンジオクダ・ドット・コム。トップページを開くとすぐにムービーが始まり、直後に音楽が始まります。ただし、自分のはウェブから購入した曲。

http://www.kenjiokuda.com/

 

職場で見ている人は音にご注意下さい。

あーあ、このエントリー、途中から完全に脱線してしまってるよ(苦笑)。

 

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Posted by 奥田健次 学ぶこと, 特別支援教育 |

2007.05.28

トークン・エコノミー法(後編)

読者の皆様、このエントリーの前の『トークン・エコノミー法(前編)』はお読みいただけたでしょうか。まだの方は、先に上記のリンクをクリックして、前編からお読み下さい。

さて、いよいよ参加したシンポジウムの内容についてです。

発達障害の子どもへの行動支援プログラムを提供する企業(アメリカには腐るほどあります)によるシンポジウムでした。

内容については、トークン・エコノミー法に関する基本的特徴について紹介するところから始まり、後半は具体的な応用例を紹介するという構成になっていました。

ところが、アメリカらしいんですが、途中でフロアからどんどん質問がなされます。それに演者が逐一応答していくのですが、意外と前半の基本的知識の部分で質問する人が多くて、なかなか自分が聞いてみたいと思った応用編に辿り着きません。

ハンドアウト資料をみても、もともと分量も多く普通にやっても時間切れになるんじゃないかと思っていました。案の定、途中からスライドをはしょり始めて、応用編に突入した辺りで時間オーバー。最後まで真面目に聞いていたのですが、ちょっとガッカリしました。

それでも、面白いアイデアが随所に見られ、共感できる部分もたくさんありました。

たとえば、野球が好きな子どもには野球板を使ってポイントを獲得するシステム。具体的に定義された適切行動(たとえば、自発的に挨拶する)が生起するたびに、ヒット1本。ヒット3本で満塁になり、4本目はホームラン(グランドスラムと言います)。これで4点獲得。学校の帰りまでに9回の攻防があって、帰りにお楽しみ(バックアップ好子)と交換できるというシステムです。もちろん、点差があればあるほどバックアップ好子の価値は高まります。

他にも、チェスが好きな子にはチェス盤を使って獲得したポイントを視覚的に提示していくアイデア。宝探し(すごろくのようなもの)を使ったり、昆虫採集のようなものがあったり。見ているだけでも楽しくなります。

自分らもトークンを出来るだけ楽しくするための工夫は、あの手この手を使ってやっています。パズルを適切行動1回につきピースを1つずつ渡し、完成したらバックアップ好子というやり方も、まったく同じです。

トークン・エコノミー法を成功させるための決め手もいくつか紹介されていて、これらもまったくその通り。

まず、「子ども自身がバックアップ好子を選択できること」。子どもの年齢によって、興味や関心、好みを考慮する必要があります。そして、普段は手に入らないものが効果的。

それから、「実際に与えやすいもの」であること。子どもがポイントカードをコンプリートしたのに、バックアップ好子をもらえるのが半年後とかではいけない(これ、親御さんとかがしばしば陥る失敗例)。

他にも、リストアップしていない適切な行動(想定していなかった適切な行動)に対してトークンを与えるのは良いが、きちんと定義されていない行動(想定していなかった不適切な行動)に対して、レスポンスコスト(トークンを奪ってしまう減点法)を使うべきではないこと。

なかなか奴らもそれなりの経験則を持っているなと、思わずニヤリとしてしまいました。

その他、『学校用スケジュール』、『家庭用スケジュール』などの紹介があり、『地域社会でのスケジュール』なども、ちらっと説明がありました。その後、問題行動への介入の辺りになると、もうほとんど時間もなく、説明が不十分でした。

面白かったのは、トイレの水を何度も流す自閉症児に対して、『トルネード・チューブ』という、水がくるくる回るオモチャを使う方法でした。資料によると、「不適切な流し方をしなかった時だけ、トルネードチューブを渡す」とありました。まあ、厳密なことを言わせてもらえれば、「○○しなかった時だけ渡す」という介入方法は、行動分析が不十分なんですけどね。いずれにしても、トイレの水を流すのと似たような機能をもつオモチャを使うというのは、自分らがやってきた方法と同じです。

他に、ラミネートされたスケジュールを使う方法、行動契約法など、自分がこれまでやってきた実践と同じものがたくさんありました。

何か新しい知識を得たかと言われると、それはありませんでした(最初からそれを期待していたわけではありません)。しかし、自分がこれまでやってきた方法を振り返ることができたし、これからまた色んなアイデアグッズを作ってやろうという動機づけにはなりました。うちのスタッフにも色々教えてやろうっと。

尻切れトンボで終わってしまったので、終わってからすぐ演者に質問に行きました。

まったく今回のプレゼンでは触れられていなかった、重度の子どもへのアプローチです。あるいは、中程度の遅れのある子どもで、なかなかトークンへの動機づけが高まらない事例への工夫について、一体どう考えているのか。

自分の場合、高機能の子ども達だけを相手に仕事をしているわけではないので、この辺りの知見については彼女らに負けないものを持っていると思います。重度の子、無発語の子、2歳程度の障害のある幼児でも、可能な方法があるんですね。

いつかアメリカに輸出しましょーかねー。

あ、トルネード・チューブ。どこで売ってるのか聞けばよかった。(追記:ゲットしました

続き:『トークン・エコノミー法(バックアップ編)』

 

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関連記事:
トークン・エコノミー法(前編)

Token4 Token5_1

Posted by 奥田健次 教育, 特別支援教育 |

トークン・エコノミー法(前編)

今日はプラプラっと適当に面白そうなシンポジウム探して動いていました。参加したのは、「トークン・エコノミーの適用法」について。

トークン・エコノミー法って、行動分析学では良く知られた方法です。教室の中で、また家や職場などで、非常に簡便に使用できるため、行動分析学の専門でない人でもたくさん使ってくれています。そもそも、これは心理学ではなく字の通り経済学での概念です。

トークンは、日常生活でありとあらゆる場面に用いられ、人間の消費行動に影響を与えています。自分の財布の中のカード類も、ほとんどがポイントカード。

さあ、心理学に興味のある方、そうでない方も続きをお読み下さい。

トークン・エコノミー法の利点は、扱いが容易なこと、特定の行動の出現を高めるのに有利なこと、視覚的に動機づけられ達成感も味わえること、などがあるでしょう。

さて、自分が大学の講義の中でも話している例を紹介します。

財布の中に美容室のポイントカードがあります。この美容室はまあまあ気に入っている程度です。でもある日、仲の良い友だちが「新しい美容室を見つけたんだけど、すんごい上手に思い通りのスタイルにしてくれるんだよ、今度一緒に行こうよ」と誘ってきたとします。

そのとき、今まで通っていた美容室のポイントカードはこんな感じだったとしましょう。2000円ごとにスタンプ1ポイント、捺印してもらえるのです。

Token1  
あと、1ポイントだけゲットすれば、5000円の金券と交換できるという状況です。

あなたは、友人の誘いに乗って、この今まで1年近くかけて貯めたポイントカードを捨てて、新しい美容室に行くことにしますか?

もう1つのシチュエーションを考えてみましょう。

Token2 今まで通っていた美容室のポイントカードがこんな感じだった場合は?

5000円の金券と交換できるようになるまで、まだ1年近くかかりそうですね。

こんな状況ならば、友人の誘いに乗ってすぐに新しい美容室にくら替えしてみる気にもなります。

上の図のように、あと1ポイントでこれまでただの紙切れだったものがお金の価値を持つようになる状況では、賢い主婦ならば「もう1回だけ今までの美容室に行ってからにするわ」となる率が高いのです。

つまり、トークンエコノミーは、消費者の行動をこれほどまでに影響を与えるものであり、しかもカードとスタンプだけでとても簡便です。後は、全部貯まったら、それなりの金品(バックアップ好子と言います)と交換できるようにすれば良いのです。

懐かしい話をすれば、グリーンスタンプとかブルーチップも同じシステムです。これらをどんどん貯めれば貯めるほど、景品交換リストからお好きな景品と交換できるわけです。クレジットカードのプレゼントもそうですね。航空会社のマイレージも、トークンの一種でしょう。ビジネスホテルのポイントカードもそう。おかげで、私の財布の中はポイントカードだらけです。薬局、総菜屋、ドーナツ屋、クリーニング屋、味噌カツ屋。もうこうなると、支払いの時に「ポイントカードはお持ちでしょうか?」と聞かれた時には、ドラえもんが慌てた時に長靴やら傘を出してしまうように、そのお店のポイントカードをすぐに出すことのほうが難しい(笑)。

さて、たまに「トークンエコノミーを息子に使ったが、うまくいかなかった。トークンシステムは万能ではない」などと言う人がいます。確かに、重度の知的障害があると適用困難なところはありますが、高機能自閉症の子どもに使ってうまくいかないと言うのです。

しかし、これはトークンエコノミー法が万能かそうでないかではなく、トークンの『さじ加減』の問題である場合がほとんどです。

ちょっと、これをご覧下さい。

Token3 このポイントカード。右下まで行って、ようやく交換してもらえるというのは、さっきまでのと同じです。しかし、そこに行き着くまでに5年ほどかかりそうです。

こんなカードを財布の中に大事にしまっておく人はどのくらいいるのでしょう。

こんなお店は、リピーターを失うこと間違いなしでしょうね。

やはり、バックアップ好子が適度にコンスタントに得られる程度に配分しなければいけないわけです。それに、20万円分利用したのに、バックアップ好子が「折りたたみ傘(Made in China)」だけだとどうですか? 店長を殴ってやりたくなるでしょう。

後編に続く(後編はこちらから)

 

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Posted by 奥田健次 教育, 特別支援教育 |

2006.11.15

奇跡の名犬物語

タイ国王の絵本が日本語訳になって出版された。スマトラ沖地震の直後にタイに入国し、クーデターの直後にまたもタイに入国した、タイに何故か縁のある自分としては見逃せない絵本だ。

タイ国王の「愛犬物語」、日本語訳の子供向け絵本に
http://www.yomiuri.co.jp/national/culture/news/20061115i501.htm

 【バンコク=田原徳容】タイのプミポン国王が野良犬との生活をつづった「トンデン物語」が日本語に訳され、「奇跡の名犬物語」(世界文化社)の題で子供向けの絵本として出版された。
 4年前に発表された原作はタイで65万部のベストセラー。国王の愛犬家ぶりは有名で、インド洋津波では国王の発案で訓練を受けた野良犬が捜索活動で活躍した。タイと日本は来年、修好120年を迎え、タイ政府関係者も「タイへの理解がさらに深まる」と“国王本”の日本進出に期待している。
 雌犬トンデン(邦訳ではタイ語の響きを生かし「トーンデーン」と表記)は、国王が1998年秋に救った野良犬の中の一匹が産んだ。賢明で立ち姿が堂々としているトンデンの特徴を詳細に記録。「テレパシーが使えるようだ」などの独自の観察も盛り込んでいる。
 11月中旬から日本とタイで店頭に並んでいる。
(2006年11月15日3時13分  読売新聞)

『微笑みの国』の国王、プミポン国王の絵本。ぜひとも読んでみたい。

ところで、日本ではあまり知られていないのが、あのスマトラ沖地震の津波でプミポン国王はお孫さんを亡くしている。

タイ国王の孫も、津波の犠牲に
http://www.worldtimes.co.jp/news/world/kiji/2004-12-27T193030Z_01_NOOTR_RTRJONC_0_JAPAN-165815-1.html

【バンコク 27日 ロイター】 タイのタクシン首相は27日、インドネシア・スマトラ島沖の大地震に伴う津波で、プミポン国王の21歳の孫が死亡した、と発表した。
死亡したのは、国王の長女の息子、Bhumi Jensen氏。津波が襲った時間に、クラビ沖でジェット・スキーをしていた姿が目撃されている。レスキュー隊がカオラク・ビーチで遺体を発見した。
2004/12/27 19:30

このお孫さんは、自閉症という発達障害をもつ男性であった。このことは、タイ国民なら皆が知るところだ。つまり、王室も隠そうとせず、国営テレビにも何度も出ていたという。祖父のプミポン国王と同じく、国民のアイドル的存在だった。発達障害に偏見のない国柄だと思わせるのは、彼の最期である。きっと最高の余暇(レジャー)を楽しんでいたのだろう。国民のアイドルの最期に、みな悲しみが溢れたという。

愛する孫を津波で失ったプミポン国王。そういう視点からも、この絵本を読んでみる価値があるだろう。

 

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Posted by 奥田健次 イチ押し☆の絵本, 特別支援教育 |

2006.10.16

品川でシンポジウムやります

興味のある方はどうぞおこしやす。来週、日本行動療法学会大会の準備委員会企画でシンポジストとして自分の専門分野の話題提供をします。大会のサイトはこちら。毎回、全国から話を聞きに来て下さる方もおられますが、「わざわざ来てくれんでもエエんや~。電話くれたら家まで行きまんねん(大木こだま・談)」。

テーマは『心の理論』。または“Theory of Mind”という語で検索してもらえれば、wikipediaでも出ています。

自分の場合、こうした仮説構成概念の使用には当初から批判的。そこで扱われる課題について、操作(制御)可能な変数のみを分析し、それらの変数だけ扱えば良いのだ。『えせ科学者』ほど、仮説構成概念を使い回したくなるもの。グッドサイエンスと呼ばれるものには、定義すべきタームが限りなく少ないものだ。新しい概念を創出しまくるような認知科学は、グッドサイエンスとは言えない。

しかし、批判的に取り組んできたとはいえ、たくさんのデータを集めてきた。いわゆる『心の理論』で扱われるトピックについて、データーベースで話が出来る人ってのは日本では数少ない。ちなみに、アメリカでは『心の理論』についての批判的な研究(行動分析的研究)は、日本から遅れること5年といったところか。自分が10年前に着手し始めたころ、アメリカ人の研究者は「心の理論? 言語行動の一種でしょう」と吐き捨てるだけだった。この2、3年の間で、ABA(国際行動分析学会)の大会でもこのトピックについての研究が散見されるようになってきた。

自分は論文もいくつか書いてきたので、関心のある方はホームページの著訳書、学術論文などを参照して図書館で複写して下さい。

自分の話題提供のテーマは、これ。

「心の理論」を再考する

のっけから、「心の理論」なんて要らねえ〜!って言う予定。ま、いつもの奥田節ってことで(笑)。もちろん、まだまだ暑いのでネクタイなんぞ巻きまへんよ。シンポジウム・イズ・フリーダム♪

 

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関連記事:
ABA2006参加記(4)
ABA2006参加記(3)
      など。

Posted by 奥田健次 特別支援教育 |

2006.10.01

みんなとはちがった人たち

すごく良い本だ。自分や他人のことについて『違い』を感じ始めた子ども達に読んであげてほしい。自閉症についての理解を促進するためにも、助けとなる一冊だろう。

2006minna 絵本としても品質の高さがにじみ出ている。

『みんなとはちがった人たち 自閉症の英雄のこと』

 

 

高機能自閉症、アスペルガーの子どもたちが悩み始める年頃。こうした絵本に出会うことで、「みんなとは違うことは、恥ずかしいことではない」「みんなと違う人たちは、おかしな人たちではないんだ」「みんなと違うことは、すばらしいことなんだ」と実感できるかもしれない。歴史上でも優れた、科学者、芸術家、数学家、文学者、哲学者、コメディアンにも、同じように「みんなと違う」と言われて育った人たちがいるのだ。

子ども向けの絵本だが、大人や教師が読んでみても学ぶところが多い。また、発達障害とは無関係と思っている方々にとっても、知らないだけで自分の周囲に「みんなと何かがちがう人」と感じることがあるだろう。もしかすると、「自分こそが他の人と何かちがう」と感じている人もいるかもしれない。

美術作品としても価値のあると思うので、ぜひ関心のある人は手にしてみて下さい。

 

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Posted by 奥田健次 イチ押し☆の絵本, 特別支援教育 |

2006.09.19

新連載、スタート!

雑誌『アスペハート』の最新号(第13号)から、連載をスタートしました。当ブログの暴発具合とは違って、一応、『あったか・やわらか路線』です。連載のタイトルは、『アスペラー小公子』です。本当は、『ハモろう! アスペラーズ』だったのですが。登場する子どもたちの純粋さに打たれて、直前で『小公子』になってしまいました。

年3冊だけですので、定期購読を申し込まれるのが便利かと思います。ホームページから購入申込が可能だそうです。

第一話は、不登校のチトくんの話です。チトくんのお母さんの活躍もあって、感動的な結末を迎えます。チトくんの極めつけの一言に、お母さんと一緒に思わず笑ってしまいました。

読みやすいエッセイ風なので、専門外の方でも楽しんでいただけると思います。

 

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Posted by 奥田健次 特別支援教育 |

2006.09.06

久里浜養護学校に行ってきました。

筑波大学附属久里浜養護学校(旧・国立久里浜養護学校)で、講演ではなく、指導プログラムについての助言に行ってきました。

若手の先生方は熱心かつ柔軟な先生が多く、自分の提案する具体的なプログラムの理解は良かった。

久里浜養護には、全国各地の養護学校から出向のような形式で研究に来ている教諭が多く、3年程度で元の自治体の学校に戻っていく。この3年の間に、恵まれた環境で実力をつけて各地方に戻っていくという、なかなか良いシステムがあるのだ。

学校自体も人的に恵まれていて、1クラス6名の児童に教諭3名。幼稚部と小学部しかないので、少人数でやりたいことが実現しやすい環境だろう。スクールバスも2回に分けて巡回しており、低学年と高学年で児童の実態に合わせたカリキュラムが可能。

自分としては、自分の持ち味を生かすためにいわゆる「ハウツー」を中心に提供した。まず、何か効果的なことを実践してみないことには、教師の努力も報われないから、一面ではこれで構わないだろう。実際、緊急性のある現場において教師が「ハウツー」を得ることは大きなニーズではある。

ただ今後、その背景にある基礎理論や原理について押さえていく機会が無ければ、教師は「ハウツー」のまま終わってしまうもの。もちろん、それでも何もしないで偉そうにしているだけのベテラン教師よりは、よほど戦力となる教師ではある。だが、新しい問題に直面した際、それに対処できるようになるためには、やはり基礎理論や行動の原理を習得しておくことが望ましいだろう。そんな機会があれば良いなと。

単発の打ち上げ花火ではなく、継続的な研修計画が必要だろう。

200609051636000 久里浜養護の若手・中堅教諭、そして各自治体に戻ってからのこれらの教師の活躍に、保護者とともに大いに期待したい。

この写真は、教諭が作成したPECSの一例。一番、自分になついてきた男の子なんかは、さっそく何度も遊んで欲しいものの写真を自発的に外して持ってきてた。

 

 

 

200609051646000 それから、教室で個別指導の部屋。1クラスが3部屋から4部屋くらいの広さで、広々としている。

食堂から久里浜の海岸が見えた。絶景だったね。仕事だけで帰るにはモッタイナイ(笑)。

 

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Posted by 奥田健次 特別支援教育 |

2006.08.26

きょうだいの会 in 沖縄 2006

近年、兄弟姉妹に発達障害者のいる人(以下、きょうだい)に対する支援に注目が集まっている。多くのきょうだいが、幼い頃から自分のことについて相談したくても、相談できない(親に聞いてもらえない、遠慮して言えない、etc.)ことから、成人に至るまでの間にさまざまな不適応をかかえる場合がある。

今年も沖縄で『きょうだいの会』を開催しました。

参加条件は、発達障害のある子どもをどこかに預けて、きょうだいと親だけで来られること。つまり普段と逆。普段は、発達障害のある子どもが親と一緒に相談に来るとき、きょうだいは留守番しているのだ。『きょうだいの会』では、きょうだいが主役。

こうすることで、発達障害児にとっても、ファミリーサポートやソーシャルサポートを開拓するきっかけにもなる。いざというとき、発達障害児をどこにも預けられないというのは、親子共に良くないことなのだ。

200608okinawa2 そして、主役のきょうだいたち。ある小学生は「今日は、ぼくが奥田先生と遊んでもいいの?」と母親に聞いたそうだ。それくらい、普段から気を遣っている様子が伺われる。

この日は、宜野湾市のトロピカルビーチ。幼児期から青年前期まで幅広い年齢のきょうだいと母親が参加した。時間を忘れて、泳ぎまくって遊びまくった。この日は遠慮なんかいらんから、きょうだい達もはしゃぎまくった。ビデオもカメラも撮るのを忘れてしまった。今年も、日が暮れるまで、ひたすら遊びまくり。日が暮れてから、写メを1枚。

 

200608okinawa3 ビーチで遊んだ後、みんなでエンダー(A&W)に移動。みんなビックリするくらい食べるし、飲む。海人(うみんちゅ)から食人(たべんちゅ?)に変身。

食事の後は、おまけ。北谷のジャスコに移動してゲーセンで遊ぶ。子ども相手に、手加減せずに太鼓の達人で勝負。そして、余裕でベンツが買えるほど鍛えたUFOキャッチャーで景品をゲットしては、きょうだい達にプレゼント。ゲーセン行くと、自分もただの子どもに戻ってしまう(笑)。大人公認の夜遊びともいう。

きょうだい同士、自然に仲良しになっていくのも良い感じだった。

楽しかったねえ。また来年、行けたらいいね。

 

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関連記事:沖縄市に来ました

Posted by 奥田健次 特別支援教育 |

2006.08.21

臨床発達心理士の講師に行ってきました

今日は大阪学院大学で仕事でした。JR岸辺にあるキャンパスで、以前、学会発表しに行ったことがあるので2回目。茶色いタイルで統一されてて、よく印象に残っている。

臨床発達心理士資格取得を目指している人への講習会で、講師としてお話しをさせていただいた。

いつもこの参加者らは、まずほとんどの受講者の目がギラギラしているところ。ほとんどが何らかの問題意識を持ってきているからだろう。だから、講義はとてもやりやすい。

自分はいつも通り、過激なことをたくさん喋ってきたが、それらはすべて自分に返ってくると思っている。自分を追い込むために、過激なことを言っているのだ。「○○も出来ないやつは、医師・心理士・教師なんぞ辞めてしまえ!」的な発言は、「自分はそういう覚悟でやるべき仕事だ」と自分自身に言い聞かせているためのもの。オーディエンスがどれくらい、それを理解しているのかどうかは不明だが。

それから、これもいつものことだが、最初は受講生はいつも「え? あんな人(あんな恰好した兄チャン)が先生なの?」という目で見ているのは、前に立っていると、ひしひしと伝わってきている。だが、それもものの10数分で態度が変わるのだ。アンケートでも、そういうことを正直に書いて下さる方もいる。「最初、見たときは大丈夫かな〜と思いましたが、本物の臨床家なんだと言うことがすぐに分かりました」「人は見かけによらないものということを実感しました」という自由記述が目立つ。

いやいや。たいていの場合、人は見かけで判断されるもの。ただ、自分はちょっと異常なだけ(笑)。『平均』なんて言葉が、もっとも当てはまらないのが自分です。

そんな自分が書いた章があるので、働きながらでもこんな資格を取ってさらに発達支援に磨きをかけたいと思われる方は、ぜひお読み下さい。分担執筆者の中で、間違いなく、自分が一番厳しいことを書いているからね。

それと講義のときにも言いましたが、いつもこの後、講演の依頼が増えるんですよ。でも、申し訳ないですが、最近はほとんどの場合、お断りしています。話を聞くだけじゃ、現場は良くならんからね。講演に行く暇があったら、暴れてる子どもらに会いに出かける時間に充てるから。

 

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Posted by 奥田健次 特別支援教育 |

2006.06.30

【お知らせ】教職研修7月号増刊

教科書の最新刊についてのお知らせです。

特別支援教育関係の最新情報満載です。

Kyousyokuken これならできる“LD・ADHD・高機能自閉症への対応”
──考え方・取り組み方と今やらなければならないこと

教育開発研究所

当ブログで、今年の4月からLD(学習障害)、ADHD(注意欠陥多動性障害)の児童生徒も、通級指導の対象となったことを紹介した。今年4月までに出版されたこの手の教科書は、前の法律に従ったものだったが、今回の教科書は新しく施行された法規に沿った内容で書かれている。

特別支援教育のことをより良く理解するために、現場の教師・管理職向けに編集されている。また、保護者にとっても学校で受けられる特別支援の具体的なシステムをより良く理解することができるだろう。ニーズ別にページが開けるというのが便利であると、すでに好評である。

雑誌扱いなのでアマゾンでの取り扱いはないが、出版社のサイトから直接購入可能であり、書店での取り寄せも可能。手前味噌ではあるが、小中学校には1冊置いておくべき基本図書といえるだろう。保護者の要望に対して適切に応じられるよう、現場の先生方にはぜひ手元に置いておいていただきたい。

 

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関連記事:
LD、ADHDの児童生徒が通級指導の対象に
発達障害者支援法の通知文書
      など。

Posted by 奥田健次 お知らせ, 特別支援教育 |

2006.06.09

「認定こども園」について

そんな早く決めてしまったの? いつの間に? どうも現在の与党、十分に検討すべき事案を成立させるのが拙速にすぎる。

10月から「認定こども園」スタート 幼保一元化法案が成立
http://www.sankei.co.jp/news/060609/sei056.htm
(Sankei Web:06/09 20:55)

 幼稚園と保育所の機能を統合した新総合施設「認定こども園」を創設するための幼保一元化法案が9日、参院本会議で可決、成立した。10月からスタートする。「認定こども園」は保護者の就労形態を問わず、小学校入学前のすべての子供を受け入れて一貫カリキュラムのもとで教育・保育にあたる。地域の子育て支援拠点としても活用する。
 利用時間は早朝や夜間など利用者ニーズに応じて柔軟に決められるようにし、教育・保育内容やカリキュラム、利用料なども施設ごとに決める。未就学児が対象だが、0−2歳児を受け入れない施設も認める。
 認定は都道府県が行い、新設施設だけでなく職員配置や設備についての基準を満たした既存の幼稚園や保育所も認める。
 「認定こども園」は、少子化対策の一環。保護者の働き方が多様化する中、「時間的制約や保護者の就業の有無を問われる既存の幼稚園や保育園では子供を預けづらい」との声を踏まえて設置されることになった。
          ◇
■「認定こども園」のポイント
・保護者の就労形態にかかわらず、0歳から小学校入学前のすべての子供を受け入れ
・地域の子育て支援拠点としても活用
・基準を満たす既存施設も認定
・利用時間や保育内容、カリキュラム、利用料などは施設ごとに決められる

十分に議論を尽くしたか?

たった数か月前に(当ブログでは2006年1月3日の記事『幼稚園から義務教育?』にて取り上げている)、一部こうした報道がなされたのだが、ほとんど国民が知らない間に『参院本会議で可決、成立』ですか?

もちろん、『幼保一元化』についての議論には相当長い歴史がある。しかし、ここにきて急速に、こんな難しいはずの議論がいとも簡単にまとまること、そしてほとんど中身について国民が知らされていないことに大きな違和感を感じる。

施設ごとに保育内容や利用料を決められるということなので、思い切り地域格差、所得格差があらわれてくるんじゃないの? セレブでハイソな『認定こども園』から、プアーで質素な『認定こども園』まで。自分は早くからこうしたことを懸念していたが、またまた的中でしょう。

これで、就学前教育から格差社会がスタートすることになった。さすが、小泉内閣。やることが一貫してるぜ(嘲笑)。

新自由主義の社会では、言葉の定義などどうでもええんやもんね。教育って何? 保育って何? 今の与野党の政治家に、こうした質問に答えることができる人はおらんやろうな。

『認定こども園』。職員の構成、資格・免許問題、保育料の問題、発達障害児の受け入れなどなど。自分としては、現場で生じるであろう問題に、またも尻ぬぐいさせていただくことになるのだろう。その分、政治に対しても行政に対しても辛口に文句を言わせていただくよ。

 

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Posted by 奥田健次 特別支援教育, 社会, 経済・政治・国際 |

2006.06.02

ABA2006参加記(7)

アトランタでの学会も無事終了。それなりに良い刺激を受けることはできた。総括。

まず、今大会、行動分析学の学会にしては会場内の場所表示など弁別刺激(手がかり刺激)が少なすぎて困惑した。ホテル側の要請だったのだろうか、とにかく会場が二つの建物に別れていて難しい場所移動なのに、矢印の一つすら見かけなかった。

それから、会場の部屋割りにも問題があったのではないか。同じ時間帯に、小さな会議室には聴衆で溢れかえり、地べたに座っての参加、廊下から覗いての参加などということが、2回はあった。一方で、あきらめて隣の大きな会場を覗いてみると、ガラガラに空いていた。事前に予測できないものなのだろうか。

内容についてだが、今大会の自閉症・発達障害系の発表では、やたらと“Video Modeling”法が目立った。昨年は、PECSが目立っていた。どうも、毎年ブームというかトレンドがあるのかもしれない。しかしながら、“Video Modeling”について行動分析学的に詳細な分析が出来ているかといえば、ほとんどの研究でそれが曖昧なままだったように思われる。あまり質の高い研究ではなく、実践としてもそれほどインパクトは無かった。

200605311218000 もっとアメリカの学生さん達には、ラディカルな視点から行動分析学の基礎を再学習していただきたい。あ、ちなみに自分は今回「SABA DONOR」なんだわ(リボン付きの名札がカックイー)。「SABAの助成金を受けている学生よ、しっかりしろ!」の一言ぐらい、言っても構わんだろう。

 

200605311219000 最後に。自分は初日からペリエを買いまくって、会場でも酒飲みのようにペリエ瓶を持ち歩いていたのだが、3日目にして売り切れた。これは、自分の宣伝効果ではないかと思っている。ペリエ代理店は、少しばかりの謝意を示してほしい(笑)。

さあ、来年の学会はSan Diegoだ。自分のセカンドタウン。必ず発表しようと思っている。

 

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“すぎ”だらけ(too muchなアメリカン)
ボーイング777の機内より
いざ、アトランタへ。

Posted by 奥田健次 学ぶこと, 特別支援教育 |

2006.06.01

ABA2006参加記(6)

今回のシンポジウムは、アメリカのHeadsprout社が中心メンバーのものだった。

自分はもう何度か彼らのシンポジウムに参加しているのだが、今回が初めての大学院生もいたので、一緒に参加してきた。

シンポジウムの内容についてあまりここで書いても一般読者には興味のないことかもしれないので、Headsproutの仕事について紹介することにしよう。

現在、アメリカの教育的危機の一つに、アメリカの子どもの約40%が読み書きの問題を持っていることが挙げられている。これは、National Center for Learning Disabilitiesによって2001年に報告されたことである。

これだけの問題があるのは、英語がアルファベット26文字の組み合わせによって発音が異なるという言語の構造上の特徴に起因するのであろうが、他にも経済的な格差とそれが生み出す教育格差などの社会構造も関係しているのかもしれない。

問題の原因はともかく。Headsproutはこうした喫緊の社会的課題に応えるために行動分析学者数名が起業したベンチャー企業である。つまり、Headsproutは、アメリカの子どもに効果的に「読み」のパフォーマンスを高めることにコミットした会社というわけだ。ここでの「読み」とは、テキストを読む“reading”と、文脈や内容を理解する“comprehension”の両方が含まれている。

Headsproutの「読み」指導プログラム(Early Reading)は、サイエンスベースドでありリサーチベースドである。つまり、実験的に立証された効果的な指導方法がこのプログラムの随所に盛り込まれており、よくある作りっぱなしの教材開発会社とは発想も方法も違っている。

また、子どもはオンラインで学習を進めていくのだが、子どもがあるエピソード(課題)で正解したり間違ったり、答えるのに時間がかかったりしたことは、すべて個別データとなって収集されていく。あるエピソードでは、学習がスムーズな子どもとそうでない子どもとのスコアの幅が大きすぎるといった場合、そのエピソードはバージョンアップされ、こうした幅が少なくなるまで改訂されていく。

詳細な個別データを見せてもらったことがある。確かに、10万人の学習者がいれば10万人のデータ、1万の教室のデータがあれば1万の教室のデータという感じで、学習者の達成過程がよく分かる。

教材に子どもを合わせるのではなく、子どもに教材を合わせていくというスタンス。良き臨床家のスタイルを、企業で実践しているというわけだ

必然的に大きな成果を上げており、教育局や第三者機関などから表彰されたりしている。

今回のシンポジウムは、自分は教材開発に関心のある大学院生を連れていた関係で参加したのだが、自分にとって真新しい話はあまりなかった。院生にとっては刺激的な内容であったと思う。

思わず笑っちゃったのは、このEarly Readingを導入している小学校の登校シーン。スクールバスの中身を改造していて、みんながブースの中のパソコンに向かってEarly Readingをやっていた。やらされているというのではなく、教材自体が楽しいので進んでやっている感じだ。バスの中でゲームボーイで遊んでいる感覚なのだろう。

自分の『関西んぐりっしゅ』も、Early Readingでスキルアップしてもらおうかと本気で考えたりして(笑)。

Vice President の Janet Twyman とは、今回は挨拶程度しか話はできなかったが、こちらの仕事もまた見せられるように精進しなければならない(遅々とした歩みだが)。

 

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Posted by 奥田健次 学ぶこと, 特別支援教育 |

2006.05.30

ABA2006参加記(4)

またまたシンポジウムに参加。これまた自分の専門分野。

『心の理論(theory of mind)』ね。ただし、このトピックを扱う場合、研究者のお里が知れるっていう部分がある。

今回のシンポジウムのカテゴリーが『自閉症』『実験的分析』となっていたので、大いに期待していった自分が間違いだった。ちなみに、この連中もハンドアウト無し。なんなんだろうね、不親切な話だ。

まずは、企画者によるプレゼンテーション。これは、単に行動分析学の立場から自閉症の『心の理論』論を批判するといった内容である。前提として「行動分析学の立場からまだ批評がされていない」みたいなことを言っていたけど、そんなことはないだろう。

自分は山ほどやってきたよ、そんなこと。論評だけでも、これぐらい。

奥田健次・井上雅彦(2000).自閉症児への「心の理論」指導研究に関する行動分析学的検討−誤信課題の刺激性制御と般化−.心理学評論, 43(3), 427-442.

奥田健次(2001).認知発達と言語行動:「心の理論」研究から. 日本行動分析学会(編), 浅野俊夫・山本淳一(編),ことばと行動:言語の基礎から臨床まで(pp. 189-210). ブレーン出版.

奥田健次(2004).「心の理論」、なにができるのか.吉備国際大学臨床心理相談研究所紀要, 1, 17-23.

まあ、どなたかが言っていたことだが、「英語で書いてよ」って。そうだね、英語で書かなきゃいかんよな。それって、公用語だからって訳ではないよ。英語論文しか目を通さない君たちのために、仕方がないから書いてやるしかねえかって話(笑)。なんとか時間を作って書くしかねえな。

話を戻そう。この最初の発表者は、『心の理論』を『視点取得』と位置づけて理論分析している。これって、まったく自分の論評と同じではないか。この発表者に寄れば、3つの視点取得があって、『言語的視点取得(verbal perspective taking)』『感情的視点取得(emotional perspective taking)』『知覚的視点取得(perceptual perspective taking)』が、さらっと説明されただけ。

2番目の発表者については、実験をやったようだが結果は文章でしか提示されていない。グラフが無いのだ。おまけにハンドアウトも無いから、お話しにならない。内容については『心の理論』というよりも、自閉症論についてという感じであった。

3番目の発表者が一番ましだった。聴覚刺激(20dB、40dB、60dB)に対する定位反応(orient responses)から、自閉症児と健常発達児との差違を見出すような実験デザインであった。データもグラフで表示されていた。また、馴化(habituation)に注目した実験デザインも面白いなとは思う。ただし、結論が面白くもなんともない。討論も全然、面白くなかったから、眠りの境地だった。

要するに、自閉症児は健常発達児と比べて異なった反応パターンを示すということを明らかにしただけ。そこから、「馴化に障害がある(impaired)」とか、「刺激に対する反応が弱い」、「オペラント/レスポンデント学習に問題がある」、
「社会的刺激に対するinsensitivity」、「知覚的な偏好がstereotypyを生み出している」などと結論づけたところで、それがどうしたという印象しか残らない。それは、自閉症と診断されるに至る行動群を持つ子どもがいるわけだから、そういう実験計画を立てれば差違がでるのは当然のこと。

それが何か特効薬の開発にでも繋がるならば、一定の意味もあるかもしれないが、ほとんどの研究が「やっぱ、自閉症の子どもって健常児と違うよね」で終わってないか? これは、アメリカに限らず日本も含めた世界各国の自閉症研究者の特徴なのかもしれない。

ちょうど5年前に、自分はこんな辛口論評(「心の理論」研究に対する批判論文)をホームページに書いている。時代は何も変わっちゃいない。

もう『自閉症論』なんかのシンポジウムには行かないようにしよう。ストレスと怒りが貯まるだけだ。

 

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Posted by 奥田健次 学ぶこと, 特別支援教育 |

ABA2006参加記(3)

今日は自分の専門分野に近いポスター発表を見に行く。

Aba2006_3 面識のない研究グループだが、さっそく質問してみる。

自閉症児の『共同注視(joint attention)』についての研究。アセスメントと指導の両方の発表があった。いずれもデータを出してはいるものの、もう少し手続きを明確にしてほしかった。

少なくとも、この手の実験研究においては、セッティングについては図示するのが当然ではないか。どこに、実験者と子どもが座っていて、提示されるアイテムはどの位置、カメラはどの位置ということが分からなければ、リプリケーションも出来ない。

Aba2006_4 この点について訪ねると、口頭での説明が始まる。だから、それが不十分だからってセッティングを図示するように求めるとレジメの裏に書いてくれた。

この手の研究ならば、日本の研究者においても、実験条件や結果をクリアに出していると思う。例えば、以下の研究などがその一例。

山本淳一(1996).自閉症児における前言語的行動の成立条件:共同注視、指さし、リファレンシャル・ルッキングの行動分析.文部省科学研究費補助金重点領域研究(認知・言語の成立2),41-52.

Tsuchiya, R., & Yamamoto, J. (2001) . An experimental study investigating the conditions for establishing joint attention and declarative communication in children with autism, Japanese Journal of  Special  Education, 38(6), 33-49.

行動分析学以外の立場でも、以下のようなものがある。

Matsuzawa, M. & Shimojo, S. (1997).  Infants fast saccades in the gap paradigm and development of visual attention. Infant Behavior and Development, 20, 449-455.

Matsuzawa, M. (2001). Development of target-selection process in generation of saccadic eye movements in infants. Perceptual and Motor Skills, 93, 115-123.

これらって、実はね、今から3年前の日本発達心理学会で自分が企画したラウンドテーブルのトピックなのだ。我ながら、なかなか硬派な企画をしたものだと思っている。

いつか、このラウンドテーブルをそのままアメリカに持ち込んでみたいものだ。日本の発達心理学者の大半が軟派なデータしか出さない(出せない)でいるが、乳幼児を対象にした発達研究では、かなり硬派でしっかりした実験研究も多いのである。もちろん、行動分析学研究者の仕事が硬派だってことは言うまでもない。

Aba2006_5 それにしても、この写真。なんだか喧嘩してるみたいに見えなくもないが、そうではなくって(笑)、「子どもの視線をレコードするのは難しいことでしょう、どうやってやったの?」なんて質問しているところだと思う(ペリエ、片手に)。

 

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Posted by 奥田健次 学ぶこと, 特別支援教育 |

2006.05.29

ABA2006参加記(1)

初日はのんびりと思っていたが、結局、真面目にペリエ片手にシンポジウムに出てしまった。いきなりだが、アメリカらしい典型的な良い部分と悪い部分がはっきり出ていたシンポジウムであった。

“Teach Town”という自閉症児へのCAI(コンピュータ支援教育)の会社主体のシンポジウム。

アメリカでは、こうした企業が研究発表するケースは日常茶飯事であり、それなりの品質保持と企業PRが目的なのであろう。これ自体、決して悪いことではない。

しかし、内容に関しては今イチだった。不親切なことにハンドアウト資料も企業のチラシ1枚と、印刷中の研究論文のコピーだけ。他の会場の盛況ぶりと比較しても、大きな会場を借りている割に、さっぱりの客入りだった。

この企業から最初のプレゼンをした女性は、コンピュータを指導に使う利点として、次のようなことを挙げている(といっても、資料がないので参加した自分の速記メモ頼りだが)。

教材を減らすことができる。
厳密なデータを収集できる。
スタッフトレーニングが容易である。
トリートメントにかかるコストを減らす。
多くの子どもにとって動機づけを高める。
獲得を促進する。
すぐに試行を提示できる。
般化。
即時強化。

上記のことは、確かにその通りであろう。

しかし、つまるところ『便利でお手軽』ということを売りにしているのであって、職人たる自分の方向性とは異なっている。発表者は「教室を走り回る子どもがいて、教師が『ナンシー、ナンシー、ナンシー、こっちきて座って、ナンシー、ナンシー!』と呼びかけて大変だけど、コンピュータを使えば、じっと座ってくれる」みたいなことを言っていた。

確かに、大学での学生指導をやっているときに、学生が教材の準備にちょっとでももたついていると、その隙に子どもが離席するなんてことはよくあること。アメリカでは、だからコンピュータを使う。だが、自分は学生に「もたもたするな」「子どもを叱るな、もたもた準備しているお前が悪いのだ」「エスケープされるのを待つんじゃなくて、こっちから準備ができるまで離席を許すように」などと指導している。そして、パソコンの前での学習では動機づけが高い、その利点を活用しようというアメリカ的発想。自分は違う。「自閉症の子どもに好かれるセラピストになれ!」くらいのことを、学生らには指導しているのだ。理論は同じでも、方向性が違うのだ。

後は提示されたデータ(Pre-Post Test)について。事前テストで平均60%の正答率だったのが、事後テストで約90%に上がっている。しかし、事前テストの正答率が60%と考えると、これはあまり驚くべき変化ではない。最初からある程度のコンピュータスキル(少なくとも着席しての課題従事スキル)があったのではないか、との疑問を持った。

この疑問は、次の発表者によって裏付けられた。次の発表者は、大学教員の立場からこの“Teach Townプログラム”と“教師による指導”との比較研究を行った結果のプレゼンだった。結果は、確かに“Teach Town”で一定の効果もあったが、参加児の中には“Teach Town”が効果的でない子どももいることを示していた。今後の課題の一つに『どんな子どもが“Teach Town”に合うのか?』としていた。ちなみに、この発表者はこのシンポジウムの指定討論者でもある。

一応、フェアな討論もあった。しかし、シンポジウムの企画者でもあり最初の発表者でもある女性は、この企業代表ということもあって、効果的なことを強くアピールしていた。ちょっとクーラーが寒く感じてしまった。

自分が相手にしている年少の自閉症児をみれば、コンピュータに向かうことができるまでにある程度のトレーニングが必要だということ。つまり、CAIは結構なことだが、その指導を開始するためのレディネスが問われなければならない。この辺りの議論が不足していたことが残念である。

自分の好みで言わせてもらうならば、やはり何でも『お手軽、便利』というのは嫌いである。アメリカ社会では、色んな人が教師・セラピストをしている。教育レベルの高い人もいれば、そうでない人もいる。人種も母国語もさまざま。だから、マニュアルが必要な社会というわけだ。こういう社会で作られた資格は、したがって『最低限の品質保証』的な意味合いが強いといえる。戦後、アメリカを模倣し過ぎた日本でも、資格は『最低限の品質保証』の色彩が強い。自分は、そんなアメリカの資格なんか要らない。日本の資格も要らない。

自分が共感するのはドイツのマイスター制度である。パン職人になるにしても、6年間の修行が必要だという。6年だよ。医者と同じだ。

残念なことに、日本はアメリカ化するばかりで合理化社会に転じてしまった。NHKの『プロジェクトX』が最後の望みだったのだが、この番組も終了してしまったのも時代の流れか? 早く『プロジェクトX2』が始まることを願っている。

自分としては、あえて時代の流れに逆行して合理主義一辺倒を否定し、マイスター制度に倣っていこうと思う。ただし、職人といっても「黙って見てろ、技を盗め」などと言ったことはない。きちんと、理論の説明はするしデータに基づいて指導している。データに基づく職人たれ、である。

 

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Posted by 奥田健次 学ぶこと, 特別支援教育 |

2006.05.01

LD、ADHDの児童生徒が通級指導の対象に

本年4月から、LD(学習障害)、ADHD(注意欠陥多動性障害)の児童生徒も、通級指導の対象とされた。

昨年12月の中教審「特別支援教育を推進するための制度の在り方について(答申)」の提言を踏まえたものだ。

これの「2.LD・ADHD・高機能自閉症等の児童生徒に対する指導及び支援の必要性」において、

LD・ADHD・高機能自閉症等の児童生徒の状態像は様々であり、周囲の環境によって変化することも多いため、個別的かつ弾力的な指導及び支援が必要となる。このため、各学校における教育課程の実施の形態についても、通常の学級における教員の適切な配慮、ティーム・ティーチングの活用、個別指導や学習内容の習熟の程度に応じた指導の工夫などに加え、必要に応じて、通常の学級を離れた特別の場での指導及び支援を受けられるようにすることが有効である。

上記のようなことが述べられている。

これまで、これまでの『通級による指導(通級学級)』では、障害種別や指導時間数などに制限があって、どちらかというと、「使えそうで使えない」ものであった。

それが、この4月1日から弾力的に利用できるようになったということだ。

ところが、自分の知るところ実態は、まだまだ旧態依然としている。市町村の就学指導で「普通学級は困難なので、特殊学級に」と言って『特殊学級判定』を出しておきながら、学区内の小学校には特殊学級がない。そこで、学区外の特殊学級のある小学校に入学するように指導されるような事例が、自分のクライアントでは今年度3件もあった。学区外の小学校に通わせるためには、地方によっては保護者が片道1時間もかけて送り迎えをしなければならないのだ。だったら、スクールバスを出せ、である。「越境するな」と言っておきながら、教育委員会が越境させようとするのだから。

ひどい地域では、「特殊学級でしっかり個別指導をやりますよ」と保護者に言っておきながら、4月になって入学してみると保護者に何の説明もなく普通学級に入れるような事例もあった。しかも、ティームティーチングのようにアシスタントを付けるわけでもない。「行けるところまで行きましょう」という説明。あまりに無責任だ。「行けるところまで行きましょう」という、よくある言葉を翻訳すると、「駄目になるところまで放っておきましょう」という意味なのだ

これらすべて、要するに「お金」の問題。財政が苦しいのだ。「お宅の子どもに出せる金はねえ!」という意味。

せっかく、文部科学省が作ったこうしたフレキシブルな制度も、都道府県、市町村レベルでは財政面の問題を抱えており、全然機能していない。

正直、教育委員会の姿勢からは相変わらず「保護者が諦めてしまうのを待とう」と思われても仕方ない態度を感じる。

これらの茶色い鍵かっこ部分は、もちろんそんな言い方を役所の人間がするわけない。だが、これらは、役所に働く方で心ある仲間から聞いた『お役所の本音』である。このわが同志が言うには「だからこそ、保護者は諦めずに要望し続けて下さい。保護者が諦めたら本当にそれで終わり」とのこと。

まったくその通りだ。

 

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発達障害者支援法の通知文書
しない させない 越境入学
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Posted by 奥田健次 特別支援教育 |

2006.03.18

高機能自閉症の高校生バスケット選手が大活躍

久々に泣いたよ。

ミラクルプレーで話題の高校生バスケット選手にハリウッドが映画化権争い
http://abcdane.net/blog/archives/200603/basket_waterboy.html

basket_waterboy 2週間ほど前に、米国ニューヨーク州の高校で4分間に20得点を挙げるミラクルプレーをした高校生にオリンピック以上の注目が集まったが、映画業界ではこの高校生の感動のストーリーを映画化しようと火花を散らしていると言う。

ミラクルプレーを連発した高校3年生のジェイソン・マクエルウィン(Jason McElwain)君は、高校の地元の大会の最後の試合で、最後の4分間に登場した。ジェイソン君にとって公式戦出場はこれが最初で最後。今までジェイソン君は、選手としてではなくマネージャーとして選手に水をあげたり、ボール拾いをしたりでチームに貢献していたのだった。

最後の4分間に投入されたジェイソン君が放った最初のシュートはリングすらかすめないエアボールだった。しかし、その後に6本の3ポイントショートを決める芸術的なプレーで20得点をあげ、試合が終了すると生徒がコートにかけより全員でジェイソン君を胴上げするシーンが感動を呼んだ。

実はジェイソン君は自閉症で、選手たちが練習を終えた後にひとりで体育館に残り、シュート練習をしていた努力が実った20得点だった。

ジェイソン君は、NBA選手でT-MACと呼ばれるTracy McGrady(トレイシー・マクグラディ)にあやかって、J-Macとも呼ばれているが、このジェイソン君にハリウッドが目を付けた。

ディズニーやワーナーといった大手を含めて、25のプロダクションがジェイソン君の両親に映画化交渉の話を持ちかけていると言う。

学校でも友達の多いジェイソン君は「僕は他の人たちとそんなに違わないし、自閉症であることを気にしていない。ただ、僕がそうであるだけということ。他の自閉症たちの人に言いたいのは、がんばって夢を持ち続けていれば、チャンスは訪れ、きっと夢は叶うということ」と話している。

ふだんは雑用係だったジェイソン君のことを現代のリアルウォーターボーイと呼んだりしているニュースキャスターも居ましたが。

とにかく、ジェイソン君のミラクルプレーに全米が驚愕して話題になって、その後のインタビューなどで実はジェイソン君が自閉症だった…といったことが伝わったという感じでしょうかね。

上記の記事のサイトに、そのドキュメントのVTRがあるのでご覧頂きたい(クリック)。ジェイソン君本人もインタビューに答えている。

この記事を読んで、自分は率直に次のようなことを思った。

何か一つのことを不満を言わずに続けること。簡単なようで、これほど難しいことはない。

またしても自閉症の子どもから大切なことを教えられた。

 

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関連記事:
ミサイルのようなロッカー
転んでもタダで起きない
    など。

Posted by 奥田健次 学ぶこと, 特別支援教育 |

2006.03.12

ADHDの新薬について

注意欠陥多動性障害(ADHD)をもつ子どもは、普通学級1クラスに1〜2名いるとされる。

現在、新薬の開発(治験)が進められており、その有効性に期待が寄せられている。

たまたま出張先の新聞(神戸新聞)の朝刊(3月12日)で、『注意欠陥多動性障害 米系企業 新薬申請へ 年内にも厚労省に』という大見出しが1面トップで扱われていたのを見つけた。

米系製薬会社のヤンセンファーマが開発したのは『塩酸メチルフェニデート』であり、すでに認可されている『リタリン』と呼ばれる治療薬と同じ成分が使用された治療薬である。ただ、神戸新聞にも書いてあるが、アメリカでは服用者に死者も出ており、FDA(米食品医薬品局)では心臓血管障害のリスクを高めるとの警告表示を行うよう勧告している。

この『塩酸メチルフェニデート』が今年、厚労省に製造販売承認を申請するという。

また、同じく米系の日本イーライリリーも『塩酸アトモキセチン』をADHD治療薬として開発中であり、2年後には日本でも使用できるよう厚労省に承認申請する見通しだという。

ちなみに、『塩酸アトモキセチン』のほうは『リタリン』に含まれる中枢刺激性成分は含まれていない。このことは神戸新聞の記事には説明されていなかった。自分は昨年、イーライリリーに招待され講演をしてきた。どちらかというと、製薬会社に対する厳しい言葉が7割、期待の言葉が3割だったと思う。

自分は医師ではないので薬物の処方は出来ないが、数多くのADHDをもつ子どもを支援する仕事をしている。薬物療法に関していえば、まず選択肢の幅がどれだけ用意されているかだ

薬だけで何もかも解決するものではない。かけ算の九九を暗記できる薬や友だちとうまく遊べるようになる薬など、無いからだ。

大切なことは教育であることは間違いない。ただ、少なくとも教育を受けやすい状態を整えてやるための方法は、可能な限り受け入れていくべきではないかと考えている。

副作用についてネガティブな印象を持つ方は、当然ながら大勢いる。だが、ただの風邪薬でも副作用はあるし、自分が現在服用している鼻炎アレルギーの薬の副作用は激しいものがあるが、それでも服用しない状態のほうが苦しいので飲み続けている。風邪薬は飲むのに、ADHDや発達障害の薬だけ拒否することには、いささか疑問を感じる。

薬を出せばそれでよいと思い込んでいる医師は大嫌いである。同じく、薬を飲ませればよいと考えている学校の教師も大嫌いだ。

繰り返し言うが、大切なことは教育なのである

 

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Posted by 奥田健次 特別支援教育 |

2006.03.04

特別支援教育理解度チェック

特別支援教育を学ぶためのWeb教材。

島宗先生のブログで紹介されていた。

第一法規(株)の『3分でできる特別支援教育理解度チェック』

結構、ひっかけ問題だらけだった。よく読んでトライしてみてほしい。

文科省も地方の教育委員会も、半数近くが居眠りを始める集合研修より、こんな形の学習支援に力をそそいでみたらどうだろ?(島宗先生のブログより)

まったくその通りだと思う。こういう教材やワークシートなど、学習者に能動的な行動を求めるようなツールがどんどん開発されるべき。

この時期、就学前や進級前の保護者たちは、発達障害のある子どもの進路のことや進路先での処遇のことやら、気が気でない。教育相談のほとんどが、こうした進路のことである。最初から分かっていることとはいえ、地方によって行政の対応にかなりの温度差がある。

行政としては支出をいかに減らすかという強い圧力があるので、なんだかんだで保護者が諦めてしまうのを期待しているようにさえ感じる地方もあるのだ。保護者が黙ってしまえば終わり。口を開けて待っていても、行政は何もしてくれない。教育委員会の中でも、事務系の人間などは特別支援教育(そして発達障害者支援法も)のことを全然、理解していない人がたくさんいる。だが、保護者も特別支援教育のことをよく分かっていない人もたくさんいるのだ。

このWeb教材。ちょっと遊んでみてほしい。

 

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Posted by 奥田健次 特別支援教育 |

2006.02.15

ミサイルのようなロッカー

ブログやってると、いろんな仲間から「記事にして下さい」という要望も寄せられる。

今回はアスペルガー症候群と診断されたロッカーを紹介しよう。

ヴァインズのクレイグ、自閉症の一種と診断
http://www.barks.jp/news/?id=1000003844
2004-11-22 バークス

度重なるトラブルでバンド活動を事実上、休止しているザ・ヴァインズだが、マネージャーはバンド解散の噂を否定している。ヴァインズはこの夏、メンバー間の争いが絶えず、予定していた全米ツアーをキャンセル。また新たに、フロントマンのクレイグ・ニコルズがアスペルガー症候群を患っていることも明らかになった。

これは、11月19日にオーストラリアで開かれた公判で明かされたもの。ニコルズは、カメラマンへ暴行をはたらいた容疑で起訴されていた。この裁判の中で、彼が最近、自閉症の一種であるアスペルガー症候群だと診断されていたことが明らかになった。

バンドのマネージメントは、ニコルズの病状について公式サイトthevines.comにこう声明を発表している。「この半年は、バンドやその周りのv

しかしながら、ニコルズは彼の愛する音楽活動に戻ることを望んでおり、バンドの解散はあり得ないと説明している。「バンドは解散していません。クレイグは、ザ・ヴァインズとして曲を書いたりレコーディングするという作業に戻るのを楽しみにしています。それが彼の愛することであり、生きる証なのです」

アスペルガー症候群は、心の病気ではなく、脳の特性が原因で起きる発達障害の1つであると言われている。一見、ごく普通に見えるため、理解されにくく、その言動から単なる我がままや怠け者と誤解を招くことが多々あるという。

5月にシドニーで行なわれたコンサートの途中でカメラマンを蹴り、そのカメラの壊した容疑で起訴されていたニコルズだが、この日の公判で無罪を言い渡されている。

Ako Suzuki, London

ちなみに、アスペルガー症候群をもつ人は300人に1人、あるいは研究者によってはもう少し多いとされている。満員電車1両に1人いるようなもので、誰もが出会ったことのある人達である。知的な遅れはなく、逆に突出した能力を持っていることが多いため、施設に隔離されることなく地域社会で通常の生活を営んでいる。ただ、社会性やコミュニケーションに困難性を持っているのが特徴だ。

The_Vines さて、このニコルズ君。ライブ中に本気で喧嘩してしまったり、ライブ自体をキャンセルしてしまったり。来日したときのライブでもメンバーと噛み合わず、途中でメンバーや客にブチ切れてしまったり。聞くところによると、コーラとマクドナルドが大好きで、コーラを好きなだけ飲みたいからマクドナルドでアルバイトしたこともあるそうだ。

とうとう、カメラマンへの暴行で起訴されてしまったわけだ。その後、アスペルガー症候群と診断されるというパターンであった。

アスペルガー症候群と診断されるのが早ければ早いほど、本人にとっても周囲にとっても理解が進みやすい。また、早期の援助も可能である。最近では、この症候群についての理解が進んだため、早期診断がなされるようになってきた。

教育現場でも特別支援教育が推進されつつあり、アスペルガー症候群の子どもにも一人ひとりの特性に応じた教育支援が保障されつつある。

自分のところにも、アスペルガー症候群の診断を受けた子ども達が、たくさん相談にやってくる。初診時、年少の子どもで4、5歳、大きい子どもでは中学生や高校生である。今のところ、小学校入学後に診断される子どもがほとんどだ。欲をいえば4、5歳で診断を受けて相談に来てもらえると、予後の見通しの良い支援を提供しやすい。小学校高学年以降になって初診でこられても、月1回や週1回程度の支援では心許ない。

彼(彼女)らの社会性やコミュニケーションの困難を克服するためには、本人だけでなく周囲の対応の仕方も重要になってくるのだ。

このロックバンド【The Vines】。最初からアスペルガー症候群だってことが分かっていたなら、逮捕されることはなかっただろう。どういう意味か? 自分なら、最初から壊しても良いカメラをプロレスラー(サクラ)に持たせておき、納得いくまで壊させる。それを計画的に演出として行ってしまえば問題はなかったのだ。アーティストには色んな演出が付きものだろう。破壊大好きアスペっ子には、破壊の演出を用意しておいてあげましょう。演出以外の破壊をしてしまった場合には、しっかり相応の償いをさせれば良いのだ。

ASROC_SUM  
アスペルガーのロッカー。略すと、アスロック。イージス艦に搭載されているミサイルの名前と同じである。

アスペルガー症候群について、10歳の少年が自分で書いた本をご覧いただきたい。関心の無かった人にとって、アスペルガー症候群の子どもの特徴や能力の高さ、そして早期診断と早期支援の重要性を理解して頂くには良書だろう。

 

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Posted by 奥田健次 特別支援教育, 音楽 |

2006.02.08

講演を終えて

年始から2つ講演を行った。ブログでも紹介したが、神戸と愛媛に行ってきた。

神戸のほうは公立学校の教員対象だったためクローズドな講演会だったが、兵庫県内各地から熱心な先生方が話を聞きに来られた。

愛媛のほうは一般向けに公開された講演会だった。たまたま同日、特別支援教育関係の別の講演会が近くであったそうだが、それにもかかわらず300名余の参加者に集まっていただけた。遠くは関東方面から駆けつけて下さった方もおられたし、さらには自分が海外でみている子どものお爺さままでお越し下さった。3時間の講演を、体感速度1時間半ほどだったと思うが、休憩もなく走り抜いた。

参加して下さった親御さんがレポートを書かれているので、参考にされたい。

なお、愛媛での講演は地元新聞の記者が勉強に来て下さった。講演が終わってから、短い時間の取材も受けた。翌日、記事になっている。

「20060204.jpg」をダウンロード

おおむね、記事通りのことでよいのだが、少し誤解されそうな記述があったので訂正しておきたい。

新聞記事には「行動障害の早期発見、予防は小学二年までが重要」と書かれているが、自分はこのように言ってない。自分が話したことは「発達障害の早期発見、早期介入が重要だ」「行動障害については小学校2年生までに手を打っておかねば大変厳しい青年期を迎える」ということである。そして、もちろん小学校2年を過ぎても大変ではあるが対策はいくらでもある。

記者の方には、何かの手違いで主催者から開始時間が誤って30分遅れて伝わっており、前半部分を聞き逃されたそうで仕方がない。だが、今回の講演で大切だった部分はきちんと伝わっていた。記事の最後に「単に『ダメ』としかるのではなく、具体的な方法を教えて練習させることが大切。放置してはいけない」と書いて下さっている。その通り。具体的な行動目標を立てること。説得するのではなく、出来るようになるまで練習を繰り返すこと。これが大事なのだ。

両方の講演に関わって下さった皆様。感謝しております。

それにしても、自分は実は最悪のコンディションだった。1月には飛行機に12回乗って各地を移動した。このままでは年間140回を越えるではないか。マイル王確定だ。自分はどうも飛行機の降下時、高度9,000メートルから4,000メートルあたりでガタンと体調を壊しているようである。

飛行機を降りてから半日ほど、脳や足の裏、二の腕など、体の各所がズキズキ痛む。どうやらエコノミークラス症候群のようだ。これはやばい。講演もコンスタントに笑いをとっているものの、どうも自分としてはキレが今一つ悪い。そりゃあ仕方がない。適度にどこかにもたれて倒れないようにしながらトークしてるんだから。晩年のカラヤン(←指揮者ね)のように。

職場の仕事も最悪なほど忙しい。学部の講義の成績評価、卒論評価、来年度のシラバス作成。大学院の成績評価、修士論文の査読。おまけに朝イチから入試の監督。それに会議の連続。この3日ほど、睡眠時間2時間未満だ。明日も修士論文の口頭試問を朝から夕方まで。夜にはケースカンファレンス。その他の雑務をこなしてから、修士1年の研究指導。複数の依頼原稿の執筆やら、メールの対応などは真夜中に。そして気晴らしにブログ記事を書く。

おかげさまで栄養ドリンクを毎日飲むようになってしまった。こりゃあ、いかん。

そんなわけで、講演はなるべくお断りしております。

 

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Posted by 奥田健次 特別支援教育 |

2006.01.06

神戸で、愛媛で。

この冬の講演を。

最近、ほとんどの講演は断っているのだが、どうしても断れない場合もある。

まずは神戸。主催は県立障害児教育センター。

受講対象は「盲・聾・養護学校教員、小・中学校の障害児教育担当教員(通級による指導担当者を含む)」となっているので、一般の方は参加することができない。

会場が、兵庫県民小劇場ということなので、雰囲気的には講演というよりカンツォーネの一つくらい歌いたくなるような場所だ。

もう一つは愛媛県松山市。こちらは一般の方も参加できる(要・予約)。

日 時  2006年2月4日(土) 13:00~16:00
場 所  松山大学 820番教室
演 題  特別支援教育―危機感のある予防的アプローチについて―

詳しくは、主催のダンボクラブのホームページをご覧下さい。後援に、福祉協議会、愛媛新聞社、NHK松山放送局、南海放送、テレビ愛媛、あいテレビ、愛媛朝日テレビ、FM愛媛。

かなり大きな講演会になりそうだ。特別支援教育に興味・関心のある方は、どうぞご参加下さい。お問い合わせは、主催者のほうにお願いいたします。

 

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Posted by 奥田健次 お知らせ, 特別支援教育 |

2006.01.01

発達障害者支援法の通知文書

2006年元旦を迎えた。

今年、一発目の記事は特別支援教育関係である。

平成17年(2005年)4月から『発達障害者支援法』が施行された。この法律は、2005年秋に自民・公明の賛成多数にて採択された『障害者自立支援法』とは異なるので、専門外の方はご注意いただきたい。

前者の『発達障害者支援法(以下、支援法)』は、厚生労働省と文部科学省が省庁の壁を越えて作成したものであり、これに関わった国会議員も超党派から構成されていた。

今まで学校や地域社会において、発達障害児・者に対する無理解から十分な支援が受けられなかったのだが、この支援法を通して地域全体で理解と援助を深めていくことになったのだ。

さて、こうした教育関係の新法が施行されると、中央から各地へ「通知」がなされる。これは非常に重要な意味を持つものである。差出人が「文部科学事務次官」と「厚生労働事務次官」であり、宛先は「各都道府県知事、各指定都市市長、各都道府県教育委員会教育長、各指定都市教育委員会教育長、各国公私立大学長、各国公私立高等専門学校長」となっている。

ところが、それにもかかわらず特別ニーズのある子どもに対する支援が何もなされないどころか、相変わらず「我慢を強いる」自治体が山ほどみられる。

たとえば、そのご家族の居住する学区の小学校には特別支援学級が無いという理由で、学区外の小学校に越境するよう迫られることがあるのだ。教育委員会の言い分を聞いてみると、「部屋がない」「金がない」「学区外の学校はセンター校として良い支援をやっているから」などという。

場合によっては、母親が送り迎えを6年間しなければならないことになる。そんなことをさせたら母親が燃え尽きてしまうのではないか。「越境するな」というのは聞いたことがあるが、教育委員会が「越境しろ」といっていいのだろうか。越境を強いるならば、スクールバスか公用車を出せなのだ

力のある現場教師の仲間達にこの話をすると、「部屋がないとか金がないじゃなくて、やる気がないんでしょ」とバッサリ。そして「余分な部屋がないと言うのなら、校長室でやればいいんだから」と激励された。まったくだ。現場にこういう教師がいてくれると本当に力づけられる。校長も、校長室を教室にされたくなければ、部屋の一つくらいなんとかしろなのだ。

クライアントの保護者達が何度となく教育委員会と交渉しているが、ほとんどまともに取り合ってくれないようである。「もう、無理かもしれない」と弱気だ。だが、上記の「通知」の存在があるのだ。自分は絶対に、すべての保護者が冷静に交渉していけば、学区内に特別支援学級が新設されると信じて疑わない。もし、この「通知」を無視する自治体、教育委員会などがあれば、堂々と具体名を公表していけばよい。

これまでの特別支援教育の流れを無視してきた自治体や教育委員会。各地で大きな温度差ができてしまったのだが、それがこれからどんどん浮き彫りになってくるだろう。少なくとも、自分に付いてきてくれている保護者達には見抜けるはずだ。土木ゼネコン大好き自治体が多くて目を覆うばかりだが、教育や福祉の充実した自治体もあるだろう。そして、ろくでもない自治体でも保護者が諦めてしまった時点でおしまいなので、あきらめずに変えていこう。

発達に障害のある子どもたち、その保護者へのお年玉代わりに、この「通知」ファイルを差し上げたい。教育委員会との交渉に利用可能な大きな武器となるのは間違いない。教育委員会の連中には、これを読んでいない給料泥棒もたくさんいるはずだ。

就学だけでなく、医療や福祉、就労支援などの様々な面で自治体のサービスに納得いかないことがあれば、この「通知」を利用されるとよい。

 

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Posted by 奥田健次 教育, 特別支援教育, 社会, 経済・政治・国際 |

2005.12.17

脱稿、そしてなぜかトイレ話へ。

脱稿。気持ちのエエものである。長いこと詰まっていたものが一気に、という感覚。

あれ? これ何かに似てない?

そう。脱糞(だっぷん)。特に、便秘後の。

下品だと言われるかもしれないが、自分はまったく気にしない。

これまで、どれほどトイレットトレーニングをやってきたことか!!

脱糞、いや脱稿後なので、このネタを出してみようか。ちなみに、脱稿は脱稿であって、脱肛ではないけれども。

子育てママたちは、子どものトイレの自立に結構手を焼いている。子どもによっては、お母さんが「いくら頑張っても、うまくいかない」「もう1年以上、頑張ったけど、どうしてもオムツが取れない」などと嘆いている。

自分は今や「トイレットトレーニングは朝飯前」と言っている。そして、どんなトイレの問題でも自分がやれば1日で治すし、家で保護者にやってもらっても2、3日から1か月ほどで成功している(排泄系に医学的問題がないこと、成熟レベルが一定以上であることが前提である)。

途方に暮れていた親御さんからは感謝感激されるのだが、あくまで自分としては「朝飯前」である。こんな程度は自慢にもならない。

そのうちトイレッティングの本を書くことにしよう。それほど助かる人がいるのなら。

そういえば自分が大学院生の頃、トイレットトレーニングで世界的権威であるFoxx博士が来日したとき、自分と二人っきりでランチを食べた。あれは名古屋だったな、確か。一緒に『エビフリャー定食』を食べたな、確か。

以下は、自分の下手くそ英語での会話。

Foxx「日本のトイレットトレーニングってどうなの?」
自分「行動療法という用語は使われてなくても、親向けの本なんか見てみると行動療法を生かしたプラクティス(練習)が結構、入ってますよ」
Foxx「おれの本って、日本で売れてるの?」
自分「結構、売れてますよ。自分も学部のときに読みました。でも今は絶版になってますよ」
Foxx「(やや満足そうに)ふーん、売り切れたってことか。ところで、このチョップスティック、どうやって使うの?」
自分「プラクティス、してみますか(笑)?」
Foxx「やだよ、やめとくよ(笑)」
(その後、お箸を1本ずつ両手に持ち、ナイフ&フォークのような所作でエビフライと格闘する博士を前に、まじめに研究の話をしたな、確か。)

しゃべってみると、世界の権威もただの可愛いオジサンでした。だから逆に親しみも感じたわけだが。自分はそんな権威なんてありやしないが、フォックス博士の本より実用的なものを日本の親たちのために書かなけりゃな、これは。

これからも、当ブログではトイレ話、ウンコ話もたくさん出てくるだろう(子育ての話には付きものだから仕方ない)。てんこ盛りだ。

ただし、自分にはそういう趣味は断じてないぞ(笑)。

(どうも絶版のままのようだが、古書で流通しているみたいなので、以下に紹介しておく。今現在、ユーズドで16冊だけのようだ)


Posted by 奥田健次 特別支援教育 |

2005.12.09

市教委の単独プレー(先送り)

こんな事件が起こっても、何ら不思議ではない。

母親が娘を生まれてからほとんど外出させずにいたという事件。

母が娘を18年“軟禁”義務教育受けさせず…福岡
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20051206i301.htm
(2005年12月6日3時17分  読売新聞)

 福岡市で11月、福岡県警博多署に保護された同市内の少女(18)が、生まれてからほとんど外出を許されず、義務教育も受けないまま育てられたことがわかった。
 同月初旬、母親(40)が少女への傷害容疑で県警に逮捕されたことから、明らかになった。福岡市教委などは約11年半前から未就学を把握しながら、事実上放置してきたことを認めている。
 同署によると、少女は10月28日午後、テレビを見ないとの言いつけを守らなかったとして母親から顔や背中を殴られ、はだしで家を飛び出した。所持金はなく、同市内の公園で寝泊まりし、水を飲んで空腹をしのいだという。11月1日午後、通行人に助けを求め、保護された。
 少女の身長は小学校低学年並みの1メートル20で、かなりやせていた。ゆっくりとした会話はできるが、漢字の読み書きや計算はできない。
 同署の事情聴取に対し「ずっと家の中で暮らしています。買い物もしたことがないし、友だちもいません」と話した。
 母親は、少女を就学させなかったことについて、「物を壊したり、排せつがうまくできないなど発育の遅れがあり、外に出すのが恥ずかしかった。他人の迷惑になるとも思っていた」と説明した。
 少女は父母と姉、兄の5人家族。父親は留守がちで、姉と兄は既に独立しており、ほとんど母親と2人だけの生活だった。
 博多署はネグレクト(育児放棄)の疑いもあるとみて捜査したが、養育を完全に放棄したとはいえないと判断、傷害容疑だけ立件した。
 少女は現在、検査入院している。
 一方、市教委は少女が小学校に入学する年齢に達した時から、中学校を卒業すべき年までの9年間、校長らに月1回のペースで家庭訪問をさせていた。
 しかし、母親が「娘の具合が悪い」などと面会を断り続けたため、少女の姿は一度も確認できなかった。

はっきりいって、これは母親だけの問題にするべきことではない。こうした親は他にもっといるのだ。自分は専門家として、こうした事例に出会ってきたし、これからもまた出会うだろう。いずれ、今まで関わって救出してきたこうした事例も紹介しよう。

今回の大きな問題は、まず市教委が義務教育の9年間、家庭訪問を重ねながら一度も子どもの姿を見ることがなかったにもかかわらず、家庭訪問以外には何の手も打たなかったことである。

本来なら、何度も面会を断られた時点で、市教委は保健課やら児相やらに連絡を取り、何としてでも誰かが子どもと面会できるようにするべきなのだ。それを怠った市教委は、まさに犯罪的である。また、この時期にこの市教委に関わった教育関係者・児相なども同じく共犯者である。

市教委独自の勝手な判断で問題を先送りすると、こういうことになるのだ。こうした家庭が地域にいることが恥なのではない。知りながら、何も手を打てない教育関係者こそ恥なのだ

最後にこの母親が「発達の遅れ」と言っているが、それも詳しく調べてみなければ本当かどうか疑わしい。また、今回のことを警察署がネグレクトとしなかったのはどうしてなのか。博多ってそういうところなのか?

関連記事:どうしようもない校長

Posted by 奥田健次 教育, 特別支援教育 |

2005.12.04

久しぶりの講演

今週は珍しく講演が2回もあった。岐阜と岡山。

数年前ならザラだが、過去の記事にも書いたように、最近はほとんど講演をお断りしているので、久しぶりである。

いずれも熱心な現場の先生の要請に断り切れずに承諾した仕事だ。でも、行ってよかったと思う。一生懸命、話を聞いて下さる教師には頭の下がる思いである。こちらも学ぶことがあるし、エネルギーをいただいている。

特別支援教育はチームワークが大切だ。こういう明るく熱心な教師とチームを組むのは、なんと心強いことか。

自分は、講演の時にも断っていることだが、最近しばしば『100歳のじーさん』が憑依する。つい過激なことを言ってしまうのだが、おおむね大きな懐で受け入れてくれているようで感謝一杯の気持ちだ。

仕方ないのだ、この過激さは。それだけ、実際に大変な現場で臨床活動しているのだから。そもそも、自分を演者として招く現場って、こんな過激なのを求めているでしょう? 触れられたくない現場は呼ばないだろうし。

でも過激なことを言っても、きちんとホテルに帰ったら一人、反省しているけど。意外と反省するタイプなのよ。いや、本当に。

Posted by 奥田健次 学ぶこと, 特別支援教育 |

2005.10.14

商人根性よりも職人魂を

自分は現在、スクールカウンセラーをやる資格(臨床心理士)を有しているのだが、やらないことにしている(ちなみに自分が資格を持っている理由の一つは、資格を利用した権威主義者の化けの皮をはがすためである)。

スクールカウンセラーは、1日4万円と、安月給の大学教員にはギャラが良すぎるため、アルバイトしている大学教員が山ほどいる。聞けば、保健室の先生(養護教諭)とお茶を飲みながら世間話をして過ごし、たまに「自分は大学教員ですよ」と言わんばかりに教員研修を行う程度。不登校の子どもは学校に来ないのでヒマなものだ。学校に来ている発達障害児が教室で暴れていても「自分は不登校の専門ですから」と何もしないカウンセラーも少なくなく、教員からは不満の声も聞こえてくる。

自分は、効率が悪くギャラも少ない特別支援教育推進体制モデル事業の巡回相談などを喜んでやっている。自家用車で地域の小・中学校を巡回して、暴れている子ども学級崩壊しているクラスを立て直しに行くほうが、「労働したな」という気分になれるので生きている感じがする。ギャラは1日回っても、5,000円くらいにしかならないか。電車やタクシーで行った日には赤字が出ることもしばしばだ。それでも、自分はこっちを選びたい。だって楽しいんだもん。

要するに、臨床家として子どもに直接、接触する機会というものは尊い時間なのだ。

もちろん、仕事に見合った賃金は、払う側の姿勢を問うためにある程度は貰うべきである。ボランティアでやれというならば、払う側の問題解決のための意欲が 低いとしか言いようがない。その問題を解決するために、雇い主はどれくらいコストをかける気持ちがあるのか。こういう問いかけなのだ。

しかしながら、およそ周囲を見渡してみると「いくら貰えるか」というアルバイト感覚の連中が多すぎる。「どの仕事ならどれくらい貰える」という商人根性ばかりが目立ち、「やり甲斐がある」とか「自分はこの仕事を究めたい」という職人魂には、滅多に出会うことがない。

商人根性に代わるものとしては、「資格を取りたい」「医者になりたい」「大学教員になりたい」などという自己実現第一人間が増えている。首尾良くその目標を実現したところで、自分は立派になったとでも勘違いしているのか、ほとんどすべての人はそれから先に技術的な進歩はみられない。

敗戦から60年の間に、世界に誇れる日本の職人が急速に姿を消していった

新自由主義が支配するこの世の中で、ほんの一握りの金持ちがさらに金を得ていく構造の中で暮らしているからこそ、商人としての打算より、職人としての研鑽を追求してみてはどうだろうか。

やり甲斐のある仕事。これを見つけた人は幸せである。

Posted by 奥田健次 教育, 特別支援教育, 社会 |

2005.10.05

しない させない 越境入学

名古屋市の区役所で見かけたポスター。

050404ekkyo





越境入学とは、自分の居住地で決められた公立の小・中学校(校区と呼ばれる)に子どもを行かせるのではなく、居住地域外の校区の公立学校に行かせることである。

『しない させない 越境入学』

それにしても、なんじゃこれ!? 3枚ブロックか。どんなジャンプ力やねん。思わず笑ってしまったが、その後、あきれてため息が一つ。

自分の仕事関係では、保護者からの越境入学の相談を受けることが多く、自分としては越境入学を方法論の一つとして相談に応じている。

どういうことかというと、特別支援教育を推進している地区や学校というのは、全国でかなりの地域差があり、隣町では特別支援教育を推進しているが、自分の住んでいる町 では発達障害児は放ったらかしにされているなんてことがザラなのだ。

発達障害児をもつ保護者の思いとしては、越境してでも(自分で子どもを送り迎えしてでも)隣町の学校に行きたいと思う場合があるのである。これを親のエゴと言うなかれ。特別支援教育を推進している地域・学校と、そうでない地域・学校との格差は、まだまだ激しいのだ。これは現場や教育委員会側に問題があることがほとんどである。

ところで、このポスター。そういう特別支援教育がらみの越境をブロックする狙いなのかなと思っていたが、どうやら目的はそれではないようだ。

これは部落差別問題への対策のようである。つまり、部落の地区を含む学校に自分の子どもを行かせるのは嫌なので、部落の子どもがいない隣の学校に行かせたいという人が少なくないようなのだ。

こういう差別のレベルで越境入学を利用していた人がいたのか。自分はシンプルに学校の取り組みのレベルで考えていたというのに。

いずれにしても、この標語(キャンペーン?)、何とかならないものか。

「○○しない、○○させない」
というのは教育関係者が使う言葉としては良くないネガティブなものだ(そういえば民主党が先の選挙で使ったフレーズも「日本をあきらめない」という最悪なコピーだったな)。こんな啓発ポスターを掲げている地域や学校は、中身空っぽであることが多い。 どんな子どもに育てたいのか、どんな学校にしたいのか、どんな地域社会を作りたいのか、そういうプラス思考のビジョンを示すべきなのだ。

Posted by 奥田健次 教育, 特別支援教育, 社会 |

2005.09.30

転んでもタダで起きない

自分のクライアントである保護者の話。

息子が医師に自閉症と診断されてから悩める母の一人となって数年後、口コミで自分のことを聞いて相談に来るという、よくあるパターンでの出会いであった。(専門でない読者への注釈:自閉症は親のせいで患う病気ではなく、先天的な脳の器質的障害に起因する発達障害である)

ただ、海外にお住まいの方なので、数か月に1回しか直接セラピーができない。こういう支援スタイルなので、そのご家庭でもできる程度のホームワークを提供している。それでも、この男の子(5歳)は順調に伸びてきている。

子どもが変わると保護者も変わる。保護者も子どもの変化を実感できるようになり、どんどん強くなっていくのである。

前回のセラピー中に出た話だが、子どもに何か習い事をさせてみたいとのこと。セラピーばかり増やすよりも、運動系や芸術系の習い事をすることは理想的なことだ。

なぜなら、セラピーがうまくいっていない場合、習い事をしてみようという余裕もないだろうから、こういう傾向はセラピーが順調であることの証左でもある。また、子どもの将来のことを考えても、余暇活動を身に付けていくことは大変重要なことである。

さて、その習い事。「何を始めるんですか?」と聞いたところ、母親は「バレーです」と言う。「こんな小さな男の子がバレー?」という顔をしていると「バレエ」だそうだ。クラシックバレエを始めようとしたそうである。

クラシックバレエを自閉症の子どもに習わせようという保護者に出会ったのも初めてかもしれないが「なかなか、面白そうですね」とコメントした。

ところが、母親が言うには「バレエ教室にお願いに行ったんですが、断られました」という。もちろん、母親は息子が自閉症であることを正直に伝えた上でのことである。

ここまでの話ならば、しばしば出会う残念な話である。保護者によっては、「差別だ!!」と憤ってみたり、失望してやる気をなくしたりする人もいるかもしれない。

ところが、この母親はさすがという動きをしてくれた。転んでもタダでは起きない奥田式というか、その極意を見事に実践してくれたのだ。

「で、どうしたんですか?」と尋ねると、

「バレエ教室はやめてヒップホップ教室に行きます」

とのこと。

あまりに見事な切り替えっぷりに、さすがの自分も一瞬目が点。

でも、これは本当にすばらしいアイデアだ。とりあえず形から入ることもできる。ヒップホップらしい服装や身なりをさせてみよう。こんな風に考えるとワクワクしてくる。

バレエのことなんざ気にするななのだ。
奥田先生が白鳥のレオタードを着てやるよって(笑)。

音痴でも構わない。姿勢が悪くても文句を言われそうにない。気になる独り言も、歌詞にしてしまえば良いのだ。棒読み大歓迎。

ちょっと即興で作ってみた。

おれはYO おれはYO おれは電車が好きなんだYO
これはYO これはYO これはクハ135の4
ぶらりGO ぶらりGO ぶらり途中下車の旅でGO


みたいにね。

独り言をやめさせたがる保護者は山ほどいる。
やめさせる発想から活かす発想へ。こういう素晴らしいアイデアに出会うたびに、この仕事の面白さが身に染みる。

Posted by 奥田健次 特別支援教育 |

2005.09.26

愛・地球博、閉幕。

9月25日、愛・地球博が閉幕した。

はっきりいって、万博史上最低の準備の遅れがあったのではないか。

開幕に間に合わないパビリオン、弁当やペットボトルの持ち込みの扱いについての方針が場当たり的、アクセスの悪さなど、来場者の多くは不満だったようだ。いや、そういう悪い部分を聞いていた人間は来場すら敬遠しただろう。自分もそのクチだ。

聞くところによると、パビリオンの待ち時間が7時間のところもあったようだ。7時間待つくらいならのんびりとグアムに遊びに行ったほうが、よっぽど自然の叡智を実感できたんじゃないか。いくらなんでも7時間待ちというのは、構造的に問題があったとしか考えられない。

本当に、人に地球にやさしかったのだろうか?

たとえば、障害者に対するホワイトカードのようなもの。これは、ディズニーワールドなどが提供している特別な配慮で、障害児・者とその同行者が列に並ばずに入場できるものである。身体障害者に限らず、自閉症児にも適用されるのが普通である。

愛・地球博でも、こうした配慮は当然あったようだ。しかし、障害者手帳で言うところの重度判定の障害児・者のみ対象だったようだ。とすると、軽・中度判定の自閉症児は長蛇の列に並ばなければならなかったということになる。

軽・中度の子どもにこそじっとしているのが苦手な子たちが多いのだと思うのだが。発達障害児の実態が分かっていないと、こういうことになるのだろう。

それから、大切なことは愛・地球博は速やかに詳細なデータを示すことだ。国際環境NGO FoE Japanも指摘しているように、ゴミの総量やリサイクル率、消費電力や温室効果ガス排出量、そして解体・撤収にかかる作業における費用やリサイクル状況などを情報公開してほしい。

データに基づく評価・反省をするべきだ。

最初から最後まで、大切なことは伝えずスローガンを叫ぶだけで終わってしまっていいのか? スローガンだけを叫ぶ連中をみていると、汚い物を隠しているんだなと確信を持つに至った今日この頃。

このままでは企業にやさしい博覧会と言われても仕方がないだろう。

Posted by 奥田健次 特別支援教育, 社会 |

2005.09.22

全体研修より事例研を(2)

前回の記事で、講演を聞くだけの全体研修会がさほど有意義では無いと述べた。

学校の教師の実践力を高めるためには、教師の自発的な行動をいかに引き出すかが肝要である。

自分は昨年からスタイルを変更した。講演活動はできるだけお断りし、事例研究会(以下、事例研)を開催することにした。ここに至るまでには、地域の学校で危機感の強い教員や管理職、現場のことを良く理解している教育委員会の主事など、さまざまな立場の人達の理解と協働がなければ実現不可能であった。

また、大学側の教員にもある程度の負担は必要であった。自分はノーギャラで事例研の助言者を引き受けた。

事例研では、教師がA4用紙2、3枚程度に対象児童生徒のことをレポートし、時間にして1ケース30分ほどのプレゼンテーションを行う。助言者は、児童生 徒についての細かな情報を確認していく。その後、参加者はグループでケースについて話し合いを行い、グループ毎にどんなディスカッションをしたか2、3分 程度で発表を行う。最後に、助言者が発表者に対して具体的な実践レベルでの助言を行う。

こうした形式は、従来の全体研修で聞くだけの受動的な学習形態ではなく、自発的に何かを作る本当の意味での学習を促進する。聞くだけでは何を学習したのか不明のままである。まさに、グラウンドに降りて実際にキャッチボールを練習するスタイルが必要なのだ。

百聞は一見にしかずということわざがあるが、ここでは、百見は一行動にしかずと言っておいて差し支えなかろう。

たとえば、教師が子どもの不登校の実態についてプレゼンした際、助言者から家庭での生活習慣について質問されたことで「そんなことも聞かれるのか」と発見 があったとしよう。その教師は、次の発表機会までには子どもの生活習慣について保護者から聞き取りを行ってくれるし、それ以外の事例についても聞き取りを してくれる。つまり、保護者に何を聞くべきかということがキャッチボールをしているうちに、身に付いていくのである。

こうした事例研を毎月開催し、これに毎回参加した教師は、たった1年で考えられないほどの実践力を身に付けていく。おまけに自信の無かった教師が自信を取り戻していく。どうせ投資するなら、自発的に発表する機会のある事例研に投資したほうが、大きな利益となって返ってくることは間違いない。

自分にも利益があった。講演活動中心だった頃、教員や保育士が個人的にわざわざ研究室まで相談に来たケースが4年間で5件だったのが、事例研にしたとたん4か月で12件 である。たった4か月で4年間の2倍以上(昨年のシンポジウムで、このデータの一部を紹介した)。幼稚園教諭、保育士、養護教諭などが、出張としてではなく自分の時間を割いて来られるのだ。無料で対応す る自分も忙しくなってしまったが、こうした現場の変化をとても心強く思った。

結論だが、自分は学校や教育委員会に対して、教師全体のスキルアップを求めないことにしている。事例研に1度だけ参加した教師には「私はもう分かったか ら、今度はあなたが行っておいで」とか「みなさん平等に行きましょう」などと言う人もいるが、それは意味がないので否定している。キーパーソンを養成して いかなければならないのだ。

学校や教育委員会も(もちろん文科省の方向性としても)、全体研修会の予算取りに力を入れるのではなく、事例研やワークショップなどの定期的な開催に力(予算)を入れてもらいたいものである。

Posted by 奥田健次 教育, 特別支援教育 |

2005.09.18

全体研修より事例研を(1)

これまで数多くの講演活動を行ってきた。一昨年までは、とにかく地域貢献をと考えて、どんなに安いギャラだろうと小規模な講演会だろうと引き受けてきた。そして、それは大学の宣伝活動にも繋がるものだった(ただし、講演依頼など来ない大学側の連中は、宣伝活動になっていることさえ否定するのだが)。

講演の際、主催者側でアンケート調査でもやろうものなら、手前味噌ではあるが毎度好評で、その証拠に講演の依頼がさらに増えるのだった。アンケートの自由記述欄などでは「目からウロコが落ちた」というもので溢れている。

一体、他人様の目からウロコを何枚落としてきたことだろう。でも、講演活動(学校側からすれば全体研修会)では地域の学校教員の実践レベルに変化はみられなかった。

昨年、日本行動分析学会年次大会のシンポジウムで、自分は「キャッチボールをやってみたくする方法‐教師がABA学習行動を自発するための確立操作‐」というタイトルの話題提供を行った。

こんなことを想像していただきたい。たとえば、キャッチボールが上手になりたいと思っているとしよう。そのために、イチロー選手の練習を見に球場に足を運ぶ人がいるかもしれない。やはり、イチロー選手のキャッチボールは見ているだけでも美しい。だから、何度も球場に通った。

さて、これでキャッチボールは上手くなるのだろうか。

自分は、こんなことを繰り返しても時間とお金の無駄としか思えない。キャッチボールを上手くなりたいという目的に到達するための手段としては説得力が無さ過ぎる

キャッチボールを上手くなりたい。そう思うならグラウンドに降りてボールを投げてみよう。どんなに暴投したって恥ずかしいと思う必要はない。プロなら優しく 受け止めてくれるから。

そして、プロはボールを投げ返してくれるので、それを受けてみて欲しい。これも心配いらない。受けやすいように、最初はそうっと投げてくれるだろう。落としても、後逸して も恥ずかしいと思う必要はない。これを繰り返していくうちに、少しずつボールの投げ方、受け方が身に付いていく。

講演を聞くだけというのは、プロのキャッチボールを外野で見学しているだけのようなものだ。そこで、講演がどうだったか評論しても、見学者自身の実践技術は高くならない。

年に1発の打ち上げ花火のような講演、行事としてこなすだけの全体研修では、残念ながら教師の実践力向上には繋がらない。

ところが、どうしても全体研修で講演を聞くというこれまでのスタイルを見直そうとする教育関係者は少ない。きっと、止めるわけにもいかないのだろう。効果は別にして、やっているだけ安心だからではないか。

教師の自発的な研究行動を高め、実践力を高めるための全体研修に代わる方法、そしてその効果について検討する必要がある。

Posted by 奥田健次 教育, 特別支援教育 |