2017.04.20

「保護者向け合宿2017」のご案内

奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局です。

毎年恒例、保護者向け合宿のご案内はこちらの記事となります

今年も「保護者向けケース検討会」を行います

実際にあったケース(よくあるケース)から、参加者全員に考えてもらいます。それから奥田先生の解決方法が紹介されます。専門家を養成するようなコースみたいでとても実践的と、大好評でした

昨年も、保護者だけでなく専門家の参加もありました。心理士、学校教員、児童発達支援の実践家などが、保護者と共に学ぶ時間です。

奥田健次先生からのコメントです。

昨年、よくある事例いくつか取り上げました。頭を柔らかくしてもらって、日々の療育や実践に結びつけてもらえればと。本を読むだけではとても足りないので、年に一度、こういう合宿を活かして下さい。

ただ、なんだか「自分のことを分かってもらいたい!」みたいな目的の人は受講ご遠慮下さい。むしろ「自分のことはどうでもいい、子どもために役立ちたい」という方、お待ちしています。

すぐにクレームを言う方も来ないで下さい。100%学ぶ姿勢を求めます。

志ある方だけで少人数ゼミみたいにやりたいなと、私個人は思ってます。

あと、こないだのNONFIXの解説やら、泣く泣くカットされた部分のトーク秘話も披露するかも。

先生からのメッセージは以上です

社会人として大学に入り直したり通信教育を受けるまでは経済的にも時間的にも負担が大きすぎる方などに、年に1度の大人も学ぶことのできるこの保護者合宿、毎年好評です。

昨年の『保護者向け合宿2016』に参加された方には、リピーター割引価格になっています

このたった2日の合宿に参加すれば、奥田先生のご指導や仁藤先生のワークショップを受けることができるのです 仁藤先生のワークも毎年好評です

ふるってご参加をお待ちしています

※締切ました

ただ、案内にも書かれていますが、お子さんの相談のために参加することはご遠慮下さい。あくまで、保護者自身が学んで身につけて、自宅で実践していただけるためのものと捉えてお申し込み下さい。

なお、行動分析学道場2017のほうも同時に募集中です(事例研究コースの締め切りは5月2日、一般受講生の締め切りは5月24日です)。行動分析学道場のご案内は、こちらをご覧下さい

今回の合宿の事前課題として指定されている教科書を、下記にリンクを貼っておきます。

他にも、奥田先生の2冊のマンガはじめ、著訳書を読んでおられることを推奨します。

文責:奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局

Posted by 事務局 教育学ぶこと特別支援教育お知らせ |

2017.04.02

行動分析学道場2017募集開始

奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局です。

毎年恒例、行動分析学道場2017の募集を開始しました!!

全国から多くの方々が行動分析学を学びに、毎年、軽井沢まで足を運んで下さいます

参加者は、心理士、教員、医師、医療、福祉関係、行政関係、動物関係など、全国各地の行動分析学に強い関心をもつ専門家の出会いと交流の場にもなっています。

本日、正式に参加者の募集を開始いたします

超一流の講師陣が揃って、とっても贅沢な3日間です

学校長の奥田健次先生、杉山尚子先生(星槎大学)、島宗理先生(法政大学)、そしてゲスト講師に山本央子先生(ヤマザキ動物専門学校/帝京科学大学)が師範として、道場のコーチと共にご指導を行っていただきます

今回の受講生も2つのタイプに分けます。

「事例研究コース」と「一般受講生」の2つです。

詳しい内容は、下記からダウンロードしてご覧下さい。

【行動分析学道場2017】

主催:行動コーチングアカデミー

場所:長野県北佐久郡

日時:2017年8月8日(火)〜10日(木)

内容等、下記のファイル(word)をダウンロードしてご覧下さい(直接、ファイルに必要事項を明記して、添付ファイルにてご提出下さい)。

※締め切りました

※お申し込みの方へ:申込みメールの本文に「事例研究コースとして参加希望」か「一般受講生として参加希望」か、明記して下さいますようお願い申し上げます。

※「事例研究コース」については事前指導を受けていただく関係上、申込み締め切りを5月2日に設定してあります。別途、確認同意書もお送りいただくことになります。ダウンロードしたファイルの最後にありますので、ご確認下さい。

「一般受講生」の申込み締切は5月24日です。

【5月3日追記】

事例研究コースは定員となりましたので募集停止としました。一般受講生は引き続き募集しております。

少し敷居を高く感じておられる方は、「一般受講生」として参加することができます。一般の主婦や保護者などは「一般受講生」として参加しておいたほうが無難な感じがします(近日中に、保護者向け合宿2017のご案内も予定しています)。今回の事例研究コースもすべて『じぶん実験』に限ります。

旧ぶろぐ事務局のワタクシも、いつか「事例研究コース」を受けてみたいのですが、いつも定員で埋まってしまいます

昨年までの実績では、事例研究コースは若干名ですので、すぐに定員が埋まってしまうことでしょう。事例研究コースに入れなかった場合、一般受講生でも構わない方は、そのことも記載しておいていただければ幸いです。

申込み者すべてが参加出来るものではなく、書類審査にてお受けできない場合もありますので、あらかじめご了承下さい。教育相談目的や起業目的、あるいは仕事も明確でない方のご参加もお断りする方針となっています。

講師陣の代表的なご著書を、下記にリンクを貼っておきます

特に、島宗理先生の新著「使える行動分析学-じぶん実験のすすめ」は必ずしっかり読んでおいて下さい。

文責:奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局

Posted by 事務局 教育学ぶこと特別支援教育お知らせ |

2016.06.22

『サマースクール2016 in 西軽井沢』 一般募集開始しました!(追記あり)

奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局です。

保護者向け合宿に続いてのご案内です

今年は4年ぶりに軽井沢で『サマースクール』を開催します。前回は2012年に徳島ABA研究会のスタッフをお招きし、徳島で毎年開催しているサマースクールを西軽井沢に出前してもらいました。

今回も徳島ABA研究会のスタッフ数名と、そして奥田先生の研究室スタッフ数名コラボで開催されます

今年は、奥田先生のたっての願いで長野県の教員や専門職の方々に優先的に参加していただけるよう、長野県には先行募集をかけていました。

本日より、全国からご希望の方々の募集を開始します

案内にありますように、原則的に教員や支援者を対象にしています。幼稚園教諭や保育士、心理士、福祉関係など、指導や支援に携わっておられる方も対象です。

このサマースクールは保護者対象ではありませんので、保護者合宿のほうをお申し込み下さいませ

保護者合宿のお申し込みご案内は、こちらをご覧下さい。まだ募集しております

もし、募集締め切りが近づいて空きがあれば保護者にも募集を呼びかける可能性もあるとのことです。締め切りを延長しました。あと若干名、募集いたします。教員以外の支援者も受講可能です。お待ちしております。(保護者への募集はまだ行いません)

奥田健次先生からのコメントです

このサマースクールですが、全国から徳島県に一番教員を送り込んできたのは私だということです。あちこちの講演会、研修会でご紹介して来ましたとおりです。

全国から徳島に人は集まるのですが、徳島の外でこの素晴らしいイベントが広がっていかないことをずっと残念に思っていて、4年前に自腹を切って徳島から多くのスタッフを講師としてをお招きしました。大好評でしたが、それでも徳島県外に撒かれた種が芽を出して定着するまでには至りませんでした。

ただ今回は、長野県で同じような志を持つ教員集団との出会いもあって、その先生方に直接このサマースクールを通して、これが長野県で単発のイベントではなく定着して地域貢献していける可能性が見えてきました。

そんなわけで、もう一度、私が一念発起して開催することにしたのです。

長野県内の教員に1名でも多くご参加いただきたいのですが、行動分析学道場と同じように恐らく全国から教員が集まることでしょう。

ミツバチの花粉が花畑を拡げていくようなイメージです。良いものは拡大しよう。待っていても広がりませんでした。待つのはやめて、効果的な方法で誰かが動けば良い。その役割を私が担おうと思います。大学を早期退職までしたんですから、そりゃやること全部本気ですよ。笑

サマースクールの特徴は、研修時間の約半分がワークです。話を聞く時間がかなり少なくて、とにかく学習者が行動してスキルを身につけて行きます。

自称「文系」で数字が苦手という教員でも、たったこの2日のプログラムで行動を数えることができるようになります。

ぜひ、ご都合をつけてサマースクールにお越し下さい。

先生からのメッセージは以上の通りです

ふるってご参加をお待ちしています

※申込み書のダウンロードは終了しました。

(ワードファイルがうまくダウンロードできない場合、PDFファイルのほうをご利用下さい)

用語など参考になる教科書を、下記にリンクを貼っておきます。

文責:奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局

Posted by 事務局 教育学ぶこと特別支援教育お知らせ |

2016.06.10

「保護者向け合宿2016」のご案内

奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局です。

今回は、保護者向け合宿のご案内です

今年の目玉は「保護者向けケース検討会」ということになります

実際にあったケース(よくあるケース)から、参加者全員に考えてもらって、それから奥田先生の解決方法を紹介するような、まるで専門家育成のためのコンテンツ

過去には、保護者だけでなく専門家の参加もありましたので、みなさんであれこれと考えてみてください

奥田健次先生からのコメントです。

聞いて学ぶ、やってみて学ぶ。そして、考えてみる。それから家へ帰ってやってみる。すばらしい。以上。笑

先生からのメッセージは以上です

社会人として大学に入り直したり通信教育を受けるまでは経済的にも時間的にも負担が大きすぎる方などに、年に1度の大人も学ぶことのできるこの保護者合宿、毎年好評です。

昨年の『保護者向け合宿2015』に参加された方には、リピーター割引価格になっています。 この2日だけの合宿に参加すれば、奥田先生のご指導や仁藤先生のワークショップを受けることができるのです

ふるってご参加をお待ちしています

※申込み書のダウンロードは終了しました。

(ワードファイルがうまくダウンロードできない場合、PDFファイルのほうをご利用下さい)

ただし、案内にも書かれていますが、お子さんの相談のために参加することはご遠慮下さい。あくまで、保護者自身が学んで身につけて、自宅で実践していただけるためのものと捉えてお申し込み下さい。

今回の合宿の事前課題として指定されている教科書を、下記にリンクを貼っておきます。

他にも、奥田先生の図書類を読んでおられることを推奨します。

文責:奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局

Posted by 事務局 教育学ぶこと特別支援教育お知らせ |

2016.03.30

行動分析学道場2016募集開始

奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局です。

恒例の行動分析学道場の募集を開始しました

毎年、全国から多くの方々が行動分析学を学びに、軽井沢まで足を運んで下さいます

これまで、心理士や教員だけでなく、医師や社会福祉関係、行政関係、動物関係などなど、全国各地の専門家の出会いと交流の場にもなっています。

本日、正式に参加者の募集を開始いたします

超一流の講師陣が揃って、とても贅沢な3日間です

学校長の奥田健次先生、杉山尚子先生、島宗理先生、そしてゲスト講師に山本央子先生が師範として、道場のコーチと共にご指導を行っていただきます

今回の受講生も2つのタイプに分けます。

「事例研究初級コース」と「一般受講生」の2つです。

詳しい内容は、下記からダウンロードしてご覧下さい。

【行動分析学道場2016】

主催:行動コーチングアカデミー

場所:長野県北佐久郡

日時:2016年8月8日(月)〜10日(水)

内容等、下記のファイル(word)をダウンロードしてご覧下さい(直接、ファイルに必要事項を明記して、添付ファイルにてご提出下さい)。

※3月31日にURLについて追記しました。

※お申し込みの方へ:申込みメールの本文に「事例研究初級コースとして参加希望」か「一般受講生として参加希望」か、明記して下さいますようお願い申し上げます。

※「事例研究初級コース」については事前指導を受けていただく関係上、申込み締め切りを5月2日に設定してあります。別途、確認同意書もお送りいただくことになります。ダウンロードしたファイルの最後にありますので、ご確認下さい。

「一般受講生」の申込み締切は5月25日です。

※4/26追記

「事例研究初級コース」は、あと1名で締め切りとなります。これから「事例研究初級コース」をお申し込みの方は、下記の通り、「事例研究初級コース希望だが、定員オーバーになったら一般受講生として希望」と明記して、お申し込み下さいませ。「一般受講生」は、引き続き募集しております。

※事例研究初級コースの申込みは終了しました。「一般受講生」は、引き続き募集しております。

※すべてのお申込みは定員となりましたので終了しました。

少し敷居を高く感じておられる方は、「一般受講生」として参加することができます。一般の主婦や保護者などは「一般受講生」として参加しておいたほうが無難な感じがしますが、今回の事例研究初級コースもすべて『じぶん実験』に限ります。

毎年、自分の恥ずかしいクセ直しとかで「事例研究初級コース」を受けてみようかな、とかワタクシも思います

昨年の実績では、事例研究初級コースは若干名ですので、すぐに定員が埋まってしまうことでしょう。事例研究初級コースがあぶれた場合、一般受講生でも構わない方は、そのことも記載しておいていただければ幸いです。

申込み者すべてが参加出来るものではなく、書類審査にてお受けできない場合もありますので、あらかじめご了承下さい。教育相談目的や起業目的、あるいは仕事も明確でない方のご参加もお断りする方針となっています。

講師陣の代表的なご著書を、下記にリンクを貼っておきます

特に、島宗理先生の新著「使える行動分析学-じぶん実験のすすめ」は必ずしっかり読んでおいて下さい。

文責:奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局

Posted by 事務局 教育学ぶこと特別支援教育お知らせ |

2015.06.07

保護者向け合宿2015のご案内

奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局です。

今年も保護者向け合宿、開催されることになりました

ご案内をこちらにアップいたしました

昨年までの保護者向け学生向けの合宿も大好評で、全国各地から奥田先生の方法や行動分析学の基礎を学びたいという保護者が集まりました

また専門家を目指す学生さんの参加もありました

ご案内のPDFファイルは、次からダウンロードして下さい。定員を満たした時点で募集を停止いたします。

※申込み書のダウンロードは終了しました。

奥田健次先生からのコメントです。

今年は演習やワークだけでなく実習も入れるつもりです。実演します。ただし、「うちの子はまだ無理」とか「うちの子は、そんなのはもう出来ているし参考にならない」という姿勢の人は、申し込んでこないで下さい。教育相談が目的ではないからです。原理や応用例を学んで、頭を柔らかくしてもらいたいと思っています。

毎回お伝えしていますが、お子さんや特定の子どもについて相談を目的としたご参加は固くお断りします。

定期的な相談と、合宿とは目的も機能もまったく異なるからです。

夕食会や懇親会とかは楽しくやりましょう。マンガ版アスペルガー先生の貴重な原画など、スペシャルなものもご覧頂けます。笑

先生からのメッセージは以上です。

社会人として大学に入り直したり通信教育を受けるまでは経済的にも時間的にも負担が大きすぎる方などに、年に1度の大人も学ぶことのできるこの保護者合宿を楽しみにしてくれている人もいると聞いています。

昨年の『保護者向け合宿2014』に参加された方には、リピーター割引価格になっています。 この2日だけの合宿に参加すれば、奥田先生のご指導を受けることができるのです。また、大好評だった仁藤先生のワークショップもお楽しみにして下さい

ふるってご参加をお待ちしています

ただし、案内にも書かれていますが、お子さんの相談のために参加することはご遠慮下さい。あくまで、保護者自身が学んで身につけて、自宅で実践していただけるためのものと捉えてお申し込み下さい。

今回の合宿の事前課題として指定されている教科書を、下記にリンクを貼っておきます。

他にも、奥田先生の図書類を読んでおられることを推奨します。

文責:奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局

Posted by 事務局 教育学ぶこと特別支援教育お知らせ |

2015.03.29

行動分析学道場2015募集開始

奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局です。

毎年恒例となり、大好評をいただいております行動分析学道場のお知らせです

これまでの行動分析学道場には、全国から多くの方々が行動分析学を学びに軽井沢まで来て下さいました

昨年には、地元の学校教員の参加もありまして、地元と全国各地の専門家の出会いや交流の場にもなっているようです。

今年は、昨年までよりも早い時期に開催することになりました。本日、正式に参加者の募集を開始いたします

これまで同様、超一流の講師陣が揃って、とても贅沢な3日間となります

学校長の奥田健次先生はじめ、杉山尚子先生、島宗理先生、そしてゲスト講師に山本央子先生にお越しいただきます

今回の受講生も2つのタイプに分けます。

「事例研究初級コース」と「一般受講生」の2つです。

詳しい内容は、下記からダウンロードしてご覧下さい。

【行動分析学道場2015】

主催:行動コーチングアカデミー

場所:長野県北佐久郡

日時:2015年8月4日(火)〜6日(木)

内容等、下記のファイル(word)をダウンロードしてご覧下さい(直接、ファイルに必要事項を明記して、添付ファイルにてご提出下さい)。

※申込み書のダウンロードは終了しました。

※お申し込みの方へ:申込みメールの本文に「事例研究初級コースとして参加希望」か「一般受講生として参加希望」か、明記して下さいますようお願い申し上げます。

※「事例研究初級コース」については事前指導を受けていただく関係上、申込み締め切りを4月28日に設定してあります。別途、確認同意書もお送りいただくことになります。ダウンロードしたファイルの最後にありますので、ご確認下さい。

「一般受講生」の申込み締切は5月20日です。

少し敷居を高く感じておられる方は、「一般受講生」として参加することができます。ワタクシのような一般の主婦というか保護者などは「一般受講生」として参加しておいたほうが無難な感じがしますが、今回の事例研究はすべて『じぶん実験』に限るそうです。

でしたら、ワタクシも自分の恥ずかしいクセ直しとかで「事例研究初級コース」を受けてみようかなとも思います

申込み者すべてが参加出来るものではなく、書類審査にてお受けできない場合もありますので、あらかじめご了承下さい。教育相談目的や起業目的、あるいは仕事も明確でない方のご参加もお断りする方針となっています。

講師陣の代表的なご著書を、下記にリンクを貼っておきます

特に、島宗理先生の新著「使える行動分析学-じぶん実験のすすめ」は必ずしっかり読んでおいて下さい。

文責:奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局

Posted by 事務局 教育学ぶこと特別支援教育お知らせ |

2014.07.29

家庭犬トレーニング研修 in 西軽井沢2014のお知らせ

奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局です。

行動コーチングアカデミーでは、今年も山本央子先生のご指導による家庭犬トレーニング研修キャンプが開催されます

いろいろな合宿があるのですが、その中でもっとも実践的なキャンプがこの家庭犬の研修だと言われています。なぜなら、この合宿の期間中、近隣の保護団体等から犬を数頭お借りして、24時間共に暮らすからです。

1年目、2年目ともに、山本先生のご指導がとても的確で、犬やトレーナーたちが短期間で変わっていくのです

詳しくは、奥田先生からコメントを先にいただいていますので、ご覧下さい

今年も山本央子先生のご指導による家庭犬トレーニングキャンプを開催することになりました。

一昨年、これを開催したときには家庭犬の指導の現場で行動分析学の専門用語が広まっているものの、その専門用語の理解も不十分で、かつ実践の方がおろそかな人が結構いました。実践が不十分なのを専門用語の習得で誤魔化そうというのでしょうか。

ま、同じようなことは、たとえば大学教員の中にもそういう人はいますけれども。そういうのを「評論家」と言います。

しかし、一部で「私は目の前の犬を何とかしたい!」と強い気持ちのプロがいることも知りました。こういう一部の方々は山本先生のところに集まって、実践的な修行を続けているようです。すばらしいことです。

私は飼い主であって、犬を教える専門家ではないのですが、山本先生の目標の立て方や行動修正の技術などから、毎回学ばせてもらっています。一生修行を続けること、そして優れた他の専門家の技術から学ぶこと。今年いちばんのワクワクです。

獣医、動物関係の職種の方々、動物のトレーナーなどを優先的に受け入れたいと思いますが、今回は若干名「見学者」も募集します。ただし、見学者とて目的がはっきりしない方等はお断りする場合がありますので、あらかじめご了承下さい。

我こそは家庭犬のために、という方々のお申し込みをお待ちしています。

このキャンプは、参加対象となる方がかなり限定されていますので関係者にしか告知していませんでしたが、まだ若干の余裕がありますので、ご案内させていただくことになりました

募集要項やご案内、申込み方法などは次のファイルをダウンロードして下さい。

申込みの段階で「ハンドリング希望」または「見学者として参加希望」か、明記していただきますようお願いいたします。そして、費用のお支払いは申込みが受理されて参加が認められてからでお願いします。

※申込み書のダウンロードは終了しました。

申込み先のメールアドレスは、上記の添付ファイルからご確認下さい。

多くの方のお申し込み、お待ちしています。こちらの家庭犬トレーニング研修の申込み締切は、8月12日となっております

はじめて参加される方は、もし入手可能なようでしたら下記の教科書を読んでおくことが望ましいとのことでした

文責:奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局

Posted by 事務局 教育学ぶことお知らせ |

2014.07.19

【新刊】拝啓、アスペルガー先生 ―私の支援記録より(飛鳥新社)【予約開始!!】

奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局です。

奥田健次先生の新著、飛鳥新社さんから拝啓、アスペルガー先生 ―私の支援記録よりが、近日中に発売されます

このタイトル、めっちゃ読みたくなります

今回は奥田先生のブログでの発表が先になりました

前々から告知されていましたが、雑誌『アスペハート』(アスペ・エルデの会刊)で連載されていた中から、選り抜きして単行本化したそうです。選り抜いただけでなく、より具体的に思い切って加筆されたとのこと。とっても楽しみです

奥田先生から、こちらの旧ブログ用にいただいたばかりのコメントです。ちょっと長いよっ

教科書でもない、子育て本でもない。読み物として小説っぽく読めるかもしれませんが、すべて実際に出会った子どもたちの記録に基づいています。心がけたのは、出てくる親子や私の様子が目に浮かぶように書くということ。

出版社の担当者らは感動して何度もウルっとヤバかったらしいのですが、自分としては「どして? なるべくしてなってるし? あ、もしかして親子が喜んでいる姿に反応してるのね?」ってな具合です。その変化はその都度うれしいですよ。でも、その変化は計画通りなので、実行している自分的には「よっしゃ完成! 次!」という感じですかね。

いくらでも繰り返せるのですが、どうしても読者の中には「うまくいった事例ばかり載せている」と批判する人って出てくるのですが、今回なんか特にそうでしょうね。そういう方は知識と経験が足りなさすぎるということです。分野が違うと、分からないと言えばそれまでですが、でも学会の学者でもそういう素人同然なことを言う人がいますからねえ。

たとえばそれは、プロのピアニストに「これから『ドミソド』の和音をアルペジオで弾いて下さい、絶対にミスタッチしないように!」とお願いするくらい、失礼かつアホなことと同じです。ピアニストからすれば「馬鹿か、お前! なめんなよ!」ってなものです。

ピアニストが難しい曲を難なく弾くように、教室に入れない子どもを教室に入れる方法があるということです。

逆に俺は、むしろなかなか上手く計画通りに行かない事例があれば、そっちのほうこそ学会発表したり研修会で紹介したりしたくなります。どうやって計画変更してうまくいったか、あるいはなぜ終結するに至ったかを発表するのに恐れがありません。

ピアノのことがまったく分からない人にとって、たかだか片手で基本の和音を鳴らすことすら「すごい!」と思うのでしょうが、人の臨床だって同じですよ。「たまたまうまくいったんでしょ」などと発想すること自体が愚かしい。

今回の新刊ですが、実際にあっちこっちで『さじをなげられた子』がたくさん出てきます。それを、いとも簡単に「ドミソド」を鳴らすくらい簡単に変えたか、ご覧頂けると思います。まあ、あちこちで直らなかった子どもたちですので「ドミソド」どころか、実際にはリストの超絶技巧の曲をさらりと弾いているのかもしれませんけどね。

海外で定期的に教育相談をやっている事例も紹介しています。

ところどころ、子どもたちの反応がチャーミングです。

タイトルに「アスペルガー」と入れていますが、アスペルガー症候群の事例に限っていません。自閉症、LD、ADHD、中には定型発達の子どもの事例も入っています。中学生くらいでも、発達支援の理解を深めるために役立てられるだろうと。あるいは、発達障害の子を持つ家族のストレスや悩み、そこから成長していく姿などを読み取ることもできるかもしれません。

色んな読み方ができるので、自分のキャリアの中ではこれはまったく新しいタイプの本となりました。

お楽しみ下さい。

ニュータイプの本ですか

ってか、長っ

にしても、ホント楽しみですねぇ

下記のリンクから、予約申し込みができます

書店では売り切れですぐに揃わないかもしれませんので、早めのご予約がお勧めです。

文責:奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局

Posted by 事務局 教育学ぶこと特別支援教育お知らせ |

2014.06.29

行動分析学道場2014

奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局です。

昨年、一昨年に引き続きまして、行動分析学道場のお知らせです

昨年の行動分析学道場も全国から多くの方々が行動分析学を学びに軽井沢まで来て下さいました

今年はさらに中身をリニューアルしました。すでに、日程と内容について部分的に告知してきましたが、いよいよ正式に参加者の募集を始めました

講師陣は、これまで同様に超一流の先生方が揃って、とても贅沢な3日間となります

学校長の奥田健次先生はじめ、杉山尚子先生、そして島宗理先生です。そして、ゲスト講師は今年も山本央子先生にお越しいただきます

参加者の声で最も多かったのが「大学の集中講義やスクーリングと違ってゼミの合宿みたいで濃厚だった」というものでした。

さて、今回の受講生についてですが明確に2つのタイプに分けることにしました。

「プロ受講生」と「一般受講生」の2つです。

※プロ受講生は定員となりましたので受付を終了しました。

詳しい内容は、下記からダウンロードしてご覧下さい。

【行動分析学道場2014】

主催:行動コーチングアカデミー

場所:長野県北佐久郡

日時:2014年8月18日(月)〜20日(水)

内容等、下記のファイル(word)をダウンロードしてご覧下さい(直接、ファイルに必要事項を明記して、添付ファイルにてご提出下さい)。

※申込み書のダウンロードは終了しました。

※お申し込みの方へ:申込みメールの本文に「プロ受講生として参加希望」か「一般受講生として参加希望」か、明記して下さいますようお願い申し上げます。

※「プロ受講生」については事前に島宗先生のご指導を受けていただくことと人数把握の関係上、申込みの締切を7月29日とさせていただきます。申込みが早ければ早いほど十分なご指導を受けていただけますので、ご検討中の方はお早めにお申し込み下さい。「一般受講生」の申込み締切は8月8日です。

奥田健次先生から、メッセージをいただきました。

今年は2つの受講生タイプに分けていますので、自信がそれほど無いけど参加しながら行動分析学の奥の深さを学んでいきたいという方でも参加しやすいようになっています。そういう方は「一般受講生」としてお申し込み下さい。

専門職に就いており、どうせ参加するなら何らかの具体的な達成目標を掲げて身につけて帰りたいという方は「プロ受講生」としてお申し込み下さい。

プロ受講生のほうは、主に島宗先生が事前課題から当日の指導まで、懇切丁寧にご指導を担当して下さいます。もちろん、全体のプログラムについても参加でき、すべての講師陣からの指導を受けることもできます。

プロ受講生は、具体的には「事例検討の方法」について学んでいただくことに特化しています。申込み多数の場合は、プロ受講生として希望されても一般受講生のほうに回っていただくこともありますので、あらかじめご了承下さい。

イメージとしては、ボクシングのジムでプロとして試合に出る方と、試合には出ないけどボクシングやエクササイズが好きで楽しみを体験したり共有したりしたい人を分けるような感じです。

リピーターも参加しやすくしていますので、年1回の修行を習慣にしたいという方も歓迎します。

全国からいろいろな立場の方が来られます。昨年同様、同志との交流もお楽しみ下さい。

参加の躊躇が無くなりますね

敷居を高く感じておられた方は、「一般受講生」として参加することができます。ワタクシのような主婦というか保護者などは「一般受講生」として触れておきたいなという感じです。いえ、もしかしたら保護者でも「プロ受講生」として参加チャレンジするのもアリかもしれませんね。

ただし、断り書きがありますように「教育相談や起業相談等を目的とした方のご参加は、固くお断りいたします」とのことですので、そういう方のご参加はご遠慮いただきます。また、保護者でもなく仕事も明確でない方のご参加もお断りする方針です。

先生方の代表的なご著書を、下記にリンクを貼っておきます

特に、島宗理先生の新著「使える行動分析学-じぶん実験のすすめ」は必ずしっかり読んでおいて下さい。

文責:奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局

Posted by 事務局 教育学ぶこと特別支援教育お知らせ |

2014.06.03

保護者向け合宿2014のご案内

奥田健次の教育改革ぶろぐろ部(旧ブログ)の事務局です。

さて、今回は合宿のお知らせです。

奥田先生のダイヤモンドブログのほうで先に日程だけ通知されていましたが、本決まりとなりましたご案内をこちらにアップしております。

昨年の保護者向け学生向けの合宿も大好評で、全国各地から奥田先生の方法や行動分析学の基礎を学びたいという保護者が集まりました。また一般の社会人や、教育関係の学生さんの参加もありました。

ご案内のPDFファイルは、次からダウンロードして下さい。

※受付は終了しました。

定員を満たした時点で募集を停止いたします。

奥田健次先生からのコメントです。

昨年、一昨年と保護者向けの合宿をやらせていただきました。

昨年の内容よりもさらに新しい講義や演習を増やしましたので、より実践に活かせるアイデアを得ていただけるだろうと思っています。それなりに費用がかかりますから、きっとしっかり学ぶ姿勢の方ばかりでしょう。

ただし、お子さんや特定の子どもについて相談を目的としたご参加は固くお断りします。定期的な相談と、合宿とは目的も機能もまったく異なるからです。

夕食会や懇親会とかは楽しくやりましょう。

その頃までに、1冊本が出ているかもしれません。参加者には、それらの本の作成秘話など、ブログに書けないようなお話も出るかもしれません。

先生からのメッセージは以上です。

社会人になって、大学の科目等履修生で受講すると、検定料、入学金、授業料で、半期1コマだけで14万円ほどかかりましたし、他にも通学にかかる費用や教科書代、図書類の複写などの諸費用がかかるのですから、こうした合宿はとても良心的だと感じます。なおかつ、昨年のこの保護者向けの合宿に参加された方には、リピーター割引価格になっています。

大学などで科目等履修生となって毎週通学することが困難な方には、この2日だけの合宿に参加するだけで、奥田先生のご指導を受けることができるのです。ぜひどうぞご参加下さい。

ただし、案内にも書かれていますが、お子さんの相談のために参加することはご遠慮下さい。あくまで、保護者自身が学んで身につけて、自宅で実践していただけるためのものと捉えてお申し込み下さい。

今回の合宿の事前課題として指定されている教科書を、下記にリンクを貼っておきます。

文責:奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局

Posted by 事務局 教育学ぶこと特別支援教育お知らせ |

2013.09.17

中高生向け心理学体験合宿2013

奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局です。

さて、行動コーチングアカデミーでは、初めての試みとして「中高生向け心理学体験合宿」というイベントを行います

中学生、高校生を対象にした、心理学の体験合宿ということで、どんな内容になるのでしょうか

奥田健次先生に聞いてみました。

これまで、単発で特別授業として高校生や中学生に心理学の授業を教えることは何度もありました。学校側は総合学習の一コマとしてなのでしょうが、教える側は何せ1回きりなので、もっと連続的に教えてみたらどうなるんやろうと思っていました。

心理学って「こころ」の学問でしょ? これくらいのイメージがあるかもしれません。じゃあ、「こころ」って何か? 実態あるものなのか? 高校生が「精神的にやばい」と言った場合、それってどういう意味なのか。 

身体測定で身長や体重を測れるように、「こころ」というものも測れないと学問ではないはずです。イメージや感覚、習慣や好み。こういうものも、今回の合宿で測ってみましょう。

将来、心理学を仕事にしなくても、たとえば会社で働くにしても何かの問題や課題があるでしょう。スポーツ選手でも、どこかで壁にぶちあたるかもしれません。あるいは、心理学に関係しそうな仕事、カウンセラーなどの心理職はもちろん、医師、看護師、学校の教諭、保育士、福祉関係、コーチング関係、メディア関係など、そこで活躍するための進路選択にも役立ててもらえるかもしれません。 

話を聞くばかりの授業ではなく、ほとんどが体験型の合宿ですので楽しく心理学を学んでいただけると思います。

せっかくですので、軽井沢の街の魅力も味わって下さい。 

保護者(または保護者代理)との参加をお待ちしています。

保護者の方へ。

この合宿は教育相談のためのものではありません。教育相談目的で、この合宿に参加したいという明確な意思のない生徒を連れてくることは、他の純粋な気持ちで参加する生徒や保護者に迷惑をかけることもあります。暴力的な言動のある生徒も、合宿に参加することはできません。これらのルールを守っていただけない場合、お帰りいただくこともあります。

そのため、一応、参加者はこれまでの行動コーチングアカデミーの合宿に参加したことのある方が保護者になることを原則とします。そういう方は、お子さんや親戚の子、あるいはお子さんの友人で興味のある生徒を連れて来ることもできます。合宿に参加したことのない方は、推薦状をご用意下さい。

下記からダウンロードできるご案内にもありますが、今回の合宿は、生徒の不登校やひきこもり、行動問題を相談する場ではありませんので、そうした方々によるお申し込みはくれぐれもご遠慮下さるようお願いいたします。

「中高生向け心理学体験合宿2013」

主催:行動コーチングアカデミー

場所:長野県北佐久郡

日時:2013年10月19日(土)〜20日(日)

内容等、下記のファイルをダウンロードしてご覧下さい。

直接、ファイルに必要事項を明記して、添付ファイルにてご提出下さい。

※申込み書のダウンロードは終了しました。

奥田先生の特別講義は、あちこちの高校で大人気です。最近、テレビ番組で紹介されることも増えていますが、それ以前からずっと中高生を対象に特別授業をやっておられました

大学を退職された今でも、毎年どこかの特別授業に呼ばれて、高校生が明確な目的をもって進路を選ぶようになったなどと、大変な好評ぶりなのです。生徒が目を輝かせて話を聞いているというのを、学校の先生方にも実感していただいています

Koromo001

保護者の方にも、親子参加であるという条件を、むしろラッキーと思って楽しんで来て下さればと思います

文責:奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局

Posted by 事務局 教育学ぶことお知らせ |

2013.07.10

行動分析学道場2013

奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局です。

昨年に引き続きまして、行動分析学道場のお知らせです

昨年、第1回目の行動分析学道場をオープン記念が大々的に開催され、全国から多くの方々が行動分析学を学びに軽井沢まで来られ、とても盛大な修行の場となりました。そのシーンの一部は、今年2月に放送されたNNNドキュメントで放映されました

今年は、中身をリニューアルしまして開催されます。講師陣は、昨年と同様に超一流の先生方が揃っており、とても贅沢な3日間となることは間違いありません。学校長の奥田健次先生はじめ、杉山尚子先生、そして島宗理先生です

奇しくも、今年4月、NHK『あさイチ!』にご出演なさったお三人。生で『あさイチ!』の続きも楽しめそうです

そして、ゲスト講師として、今年も山本央子先生にもお越しいただけることとなりました

昨年の道場も、この4人の講師を中心に、研修者を巻き込んで丁々発止な掛け合いは、大変に盛り上がったそうです

大学の集中講義やスクーリングとは、比べものにならない贅沢さですね。宿泊しながら、空いた時間があればいつでも行動分析学について教えてもらえる機会というのは、学会でもなかなか得られそうにありません。

「行動分析学道場 2013」

主催:行動コーチングアカデミー

場所:長野県北佐久郡

日時:2013年8月20日(火)〜22日(木)

内容等、下記のファイルをダウンロードしてご覧下さい。

※申込み書のダウンロードは終了しました。

※ファイル、wordに変更しました。直接、ファイルに必要事項を明記して、添付ファイルにてご提出下さい。

別の合宿のときにも申し上げましたが、大学の科目等履修生になろうとする場合、大学によって違うようですが、検定料、入学金、授業料で、半期1コマだけでワタクシの場合は14万円ほどかかりましたし、他にも通学にかかる費用や教科書代、文献複写などの諸費用がかかるのですから、朝食や昼食、宿泊代込みの行動コーチングアカデミーの合宿はとても良心的。

とはいえ、この行動分析学道場は学ぶ側にすれば「道場」の名の通り、気合いを入れて参加しないと、いろんな意味でもったいないと思います

行動分析学道場の講師陣の大学などで科目等履修生となって毎週通学することが困難な方が、道場の講師陣からの直接ご指導を受けられる機会なんて他にはないでしょう

奥田健次先生から、メッセージをいただきました。

今年もやります。オープン記念の昨年の道場では、多方面の参加者が来られたので、多少ねらいが拡散したところもあります。それはそれで面白かったのですが、今年は昨年よりも実践寄りにしたいと思って、講師の先生方と打ち合わせをしてきました。個人的には、実践寄りでありながらも「え? そんなのも実験できるの?」というところまで討論したいと思っています。そして、昨年よりもワークを増やしたいなと。

実験的な試みとして楽しみにしているのは、最終日のイベント。あえて、行動分析学に対するよくある批判(または誤解)について、研修者自身が相手の立場を想定して問答するものです。産業図書の『行動分析学入門』では、行動分析学ゼミの中であれやこれやと質問が出まくっています。あんなことを実際にやってみようではないかと。

たとえば、「夢」を見るということ。寝てる間に見る夢。将来のやりたいことを語ること。それらが問題になった場合(怖くて眠れない、現実離れした夢を語り続ける等)。これらの行動随伴性は? 臨床的にはどのような支援ができるか? どのような行動を測定すればいいのか?

こういった質問を大歓迎し、まるで産業図書『行動分析学入門』の中のゼミ生になったかのような体験をしていただきたいと思っています。実際、この本の著者2名が道場の講師ですから、まさしく実現可能です。

マニアックな質問も大歓迎です。もちろん、なるべくただの問答に終わらないように、臨床家としての立場から実用性のある回答や提案なども提供することもあるでしょう。講師陣と合宿所で、また旧軽井沢などに一緒に出かけた先で、ひたすら研究や臨床についての質問も歓迎します。学生の頃の、あの盛り上がったゼミや研究会を思い出していただけるでしょう。

昨年は、全国からいろいろな立場の方々が行動分析学を学ぼうと来られました。同志との交流もお楽しみ下さい。

いいなぁー

こういうメッセージをお聞きすると、本当にワタクシも参加させていただきたいと、ちょっと前向きに考えてしまいます。夏の軽井沢ですし、避暑にももってこいの季節でしょうね

先生方の代表的なご著書を、下記にリンクを貼っておきます

文責:奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局

Posted by 事務局 教育学ぶこと特別支援教育お知らせ |

2013.05.31

日本テレビ『スッキリ!!』出演情報!!

奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局です。

朝の情報ワイド番組、あの『スッキリ!!』に奥田健次先生がご出演なさいます

この番組からのご依頼についても、あまりにも急だったそうで、その顛末は先生から聞いてビックリしました。先月の『モーニングバード』なんかは、前日の夜にコメントを求められたのだとか。NHKの『あさイチ』も平日毎日やってる番組だから、かなりの過密なスケジュールだったと聞いています。

今度の『スッキリ!!』は、日本テレビ開局60年記念のベルト企画っていうんですって。それが教育をテーマにしているらしく。ですから、来週の月曜日から金曜日まで、いま注目されている日本の5人の教育関係者を紹介する特別企画なのだそうです

海外出張中の奥田先生から、つい先ほどコメント(長文)をいただきました

スッキリに出るんやけど、おれみたいな見た目がスッキリせん男がな(笑)。いや、おれはホンマはスッキリし過ぎているのかもしれんけども。たとえば、大学を退職したときも失業保険を受けられるらしいところ、おれは「要らない」に○を付けたしな。他にもブログでは言えないスッキリしたエピソードも山ほどあるけどさ。スッキリやなくて『キッパリ!!』か。

急な依頼で、かなり無茶な要求オンパレード。特に無茶なのが「子どもや親を指導しているシーンを撮影したい」というやつね。放送日が決まっててさ、普通は無理でしょ? でもまあ、長年支援してきた家族のご協力によって、それは撮れましたよ。前のドキュメントのときは「初診を撮りたい」ということで、それはもう絶望的に厳しかったんですがね。半年以上かけて協力者が見つかった次第です。

シーンはケース会議、教育相談、佐世保での講演、軽井沢でのロケ、成田空港でのロケなどから抜粋されるんでしょう。15分程度の特集だそうです。たった15分なので、かなり削られるんでしょう。

浅井企画のマネージャーによれば、今どき、テレビ番組で一人の人が15分の時間を持つというのは「かなり長い」のだそうです。確かに。バラエティー番組でも、使っている人が多すぎて、一人が喋ってるところなんか1分も無いくらいかもしれんもんね。

今回、おれは久しぶりに上から下まで真っ黒の服装にしてます。なぜか。それは、すみませんね、他局ですが。『TAKE FIVE』にハマってましてね。TAKE FIVEが盗みに入るときは黒ずくめですから。それだけの理由なり。

日テレさんがどう編集するか分からないけども、おれがどんなに苦労してきたかというような部分はね。そんなに使わないで欲しいねんけどな。そんなもんは窓から捨てちゃえって。苦労してきたという自覚がおれ本人に無いからな。他人から見たら、そりゃそう見えるのかもしれんけども。たまたま生き抜いてきただけで、それは人それぞれやんか。いろんな人がいるって。

そっちよりも、「どんだけ複雑な問題でもサラッと直してるよ、当たり前でしょ」っていう部分を前面に出してもらえればね。努力して結果を出しているんじゃなくて、結果を出すのが仕事ですからね。見所は「嘔吐する子を1回の教育相談で直した」、「強迫性障害の子を1回の教育相談で直した」結果を確認するシーンでしょう。「すごいですね」と言われても、「当たり前です」と答えてます。意外と『アッサリ!!』やねん。

ディレクターに「どこからその自信が出てくるのですか?」と何度も聞かれたけどもね。一般の人にも聞かれますが。あのな・・・。プロのピアニストがドミソの和音を取っただけで「すごいですね」と言われるようなもんでしょ。おれにしてみたら、教育上の課題ってのはそれくらい簡単なものでね。「自信がある」と言うほうが恥ずかしいやん。だから、『アッサリ!!』と「当たり前です」と。

ただ、いじめを見殺しにして言い逃れをする校長らの、言い逃れを許さない指摘だけは、初めてカメラに向かって「おいこら!! ふざけんな、お前らな!!」と、ほとんどプロレスラー状態。プロレスラー状態かもしれんけど、100%の怒りと悲しみをディレクターによって引き出されてしまった格好です。これ、日テレが採用するかどうか、乞うご期待。

それにしても、5月に入ってからの、すでにすべてのスケジュールが決まっている中で、よく実現したよな。しかも、すべての要素が入ってて。ケース会議、臨床、講演、海外移動。そして、軽井沢での農作業。およそ、おれのやってることが撮られましたよ。

前のドキュメントはシリアスな感じになってたけど、今度のは「ドヤ的」なところが出ていればええね。ドキュメントの真似事なら『ガッカリ!!』です(笑)。メッセージがしっかり伝われば『ヤッタゼ!!』『バッチリ!!』ですし、関西人らしさが『クッキリ!!』と『コッテリ!!』出ていれば『スッキリ!!』です。

・・・。

奥田先生、最後のほうは悪ノリ

放送日は、6月5日(水)です

番組自体は8時からの番組なのですが、奥田先生が登場する特集は9時頃からということですので、「6月5日(水)あさ9時から日本テレビ系列」ででしょう。

仕事中の方は録画を。主婦の方々は生放送をご覧下さいね

文責:奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局

Posted by 事務局 いじめ・ハラスメント教育学ぶこと特別支援教育お知らせ |

2013.05.23

【お知らせ】デュオ講演会のご案内【in 軽井沢】

奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局です。

ご無沙汰しておりますが、こちら旧ブログでは事務局のワタクシめが主に一般向け講演会やメディア等の出演情報をお知らせしております

といいましても、2月の『NNNドキュメント'13』(日本テレビ)以降、ご案内ができずにおりました。その後、奥田健次先生は4月『あさイチ』(NHK)、5月『モーニングバード』(テレビ朝日)、そして6月『スッキリ!』(日本テレビ)など、地上波でも多数ご出演されています

ニュース系などは当日インタビュー、翌朝放送ということもありますので、奥田先生ご自身で書いておられる新ブログ『ダイヤモンドブログ』を読者登録(無料)して、お見逃しないように

さて、今回は一般向けの講演会を軽井沢で開催することになりました。奥田先生の強いご希望で、今回は小林重雄先生(筑波大学名誉教授)とのデュエット講演会になりました

この両先生のコンビといえば

学苑社さんのロングセラー『自閉症児のための明るい療育相談室ー親と教師のための楽しいABA講座』の共著者コンビ

予定では、上記の本の中身が飛び出したような講演会になるようです。初めて来られる方は、事前に上記の本を読んでおかれると、当日の楽しみが増えると思いますよ

通常、こんな破格では講演会は出来ないのですが、「地元向けではこういう感じでやってますというご挨拶みたいなもん」と、奥田先生。もちろん、地元の方々に限らず、東京の生活圏ですので関東エリアの方々も、軽井沢のカフェ散策やアウトレットでのショッピングなども、ぜひこの機会に

詳しくは、こちらのページに案内が出ています。お申し込み方法等、ご確認なさって下さい。※

ところで、新ブログのほうですが、ストーカーコメント(ワタクシも確認しましたが、性的な関係を迫るような内容に満ちていました)を入れる人がいて、本人を特定できましたので、その方は読者登録できないようになっています。奥田先生はこういった身の程知らずの女性を、たいへん嫌っておられます。もし、今度の講演会にも、その本人と覚しき人から申し込みがあってもお断りしますし、会場でも奥田先生にはスタッフを張り付けて、近寄らせないようにするかもしれません。強行的に接近する場合は、警察にもすぐに通報いたします。

※5月28日追記

講演会事務局より。申込みが当初予定の90名に達しましたので申込み受け付けを終了しました。 たくさんのお申込みありがとうございました。 なお、お申込み頂いた方には全て返信をさしあげています。 まだ返信が届いていない場合には、携帯電話のメール設定が@gmail.comからのメールを拒否する設定になっていること等が考えられますので、設定を変更して再度お申込みいただくか、他のメールアドレスからお申込みください。 以上、よろしくお願いいたします。

文責:奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局

Posted by 事務局 教育学ぶこと特別支援教育お知らせ |

2013.02.19

番組放送後の反響

奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局です。

先日のNNNドキュメント放送後、いや放送中、ものすごい反響でした

Yahooの項目検索で「奥田健次」が、ずっとトップ3以内キープしてましたし

番組は本当に時間があったらもっと続きを見せて欲しいくらいで、あっという間に終わってしまいました

番組放送後、かなり興奮してなかなか寝付けませんでしたよ

放送前後からネットのほうでも、かなりの反響があったことも伺えます。翌日以降、ブログなどでもいろいろなことを書かれていましたね。いくつかは、事務局のワタクシから移動中の奥田先生に報告いたしました。

結果、先ほどお返事をいただきました。

あらかじめブログで言っていた通りでしょ。同業者らしき人の反響には、レベルの低さを感じます。「好き嫌い」の感情的なレベルのものは常々あるのでさておき、技術レベルについての評論もあるんやね。読んだけど、分かってないねぇ。およそ、大学院を出て数年ほど実践してるんやろうけど、論文と本を読んで大学や現場で臨床をやっただけのレベルなのかね。枠の中に収まっているから、そんなのはこれからも大したことないでしょう。

ちなみに、おれは別にABAを売り込もうと安易に思ってないし。それに、臨床心理士として肩書きが付いているのは番組側の意図。資格もどうでもええねん。そこのアイデンティティーにしがみついている奴があれこれ言うてるだけ。臨床心理学を学んでいるのに、そこに気づけない、気づいてもコントロールできん奴らが結構いるってこと。

今回のドキュメントを通して言いたかったことは、「必ず変わる」という事実くらいやな。2年間で50本以上のテープを回した中から抜粋した45分ほどの中身。技術的なことが伝わるわけがないやろ。

技術の評論とか馬鹿らしい。こないだ書いたけど、パネルクイズアタック25の最後のクイズみたいなもんや。隠れた部分の多い中で、ちらちら見えるもので全部が分かったようなことを言うのは注意深さが足りんよな。専門家ならばこそ、学会とか研究会で堂々と名乗り出てくれたら教えてやるねんけどな。ブログとか実名が分からん人の論評なんか、気にせんでええよ。実名が分かってもネット上は不毛やわ。

たとえば、アイコンタクトは形成するべきものというより、結果として付いてくるようにしてあげたほうが良い。アイコンタクトを教えようとするのではなく、別の課題の中で必要に応じて自在に使えるようにするのが臨床的には理想的。このことは、弟子らにもっと教えてあげないといかんねんけども。おれのゼミや研究会などに学びにくる人にはただで教えているんで、弟子らが教えてやればええんよ。教えてもらって分かるレベルではまだまだや。自分のものにせいよと。

ついつい、こうやって名前も顔も目に浮かぶ仲間に対して、辛口に言ってしまう自分がいる。それくらい、おれはネット上の名前の知らない人の論評は気にしてないってこと。

ABAで一緒?

あほか。

同じ臨床心理士資格?

おれは別にいらん。

野球やってます。草野球とプロ野球の一流選手は同じレベルか? ちゃうやろ(笑)。

でもな。嬉しかったのはな。同業者の中でも、大学病院で勤務している医師、医科大で勤務する心理士で、やっぱりケースの数が多い方々は、シンプルに「素晴らしかった」とメールくれました。その理由が またこちらも「お、そこを分かってくれましたか?」と唸らされるし、弁別課題の本当の狙いについても気づいてくれているのかもしれない。

子どもが脳のどこを使っているか、知覚運動でどこを働かせたいか。同時に使わせるか、単一で使わせたほうが良いのか。微細な行動もチェックしながら、おれはそんなことも考えてます。ABAだけでそんなこと学べるかいっ。

まあ、これ以上ブログで言う必要なし。学会で会ったときに聞いてきて下さるので、こちらも相手の質問の意図を確認しながら回答しますから。

こういう人たちは、おれより一回りくらい年上でも「奥田先生」と呼んで「また今度、続きを教えて下さい」みたいに結んである。したがって、こちらこそ尊敬しているわけです。

なるほどー。まあ、確かに奥田先生はこの旧ブログ時代から現在のダイヤモンドブログまで一貫して実名でやってこられましたからね。それに対して、あれこれと論評するのは相手にする必要なしってことですね。お弟子さんがもっと頑張ってというメッセージかしら?

技術的なことであれこれというのも、ちょっとワタクシとしては気になりますが、草野球選手が不調のメジャーリーガーにあれこれ言うようで滑稽でもありますね。

そういえば、費用のこともいろいろと言われていました。それも、奥田先生はブログの方であらかじめ書いておられましたね。やっぱり先生の予想通り、同業者からの声。「50分でいくら」じゃなくて、カウンセラーの出張時間を考えないといけませんのに。例えば、往復12時間かけて出張したら、時給4,000円程度。別途の交通費は人が動く経費として交通機関に支払われるもの。ほとんどの場合、万一のために前日入りされる先生なので1泊2日での換算なら1,000円〜2,000円程度かしら。4、5日かかる海外出張だと時給で900円前後かゼロ近くになることもある計算になりますね。

ワタクシも自宅に来もらってのご指導でしたが、先生の移動時間を考えると確かに本当に申し訳ないくらいの報酬にしかならなかったと思います。買い手側の親ですが、買い手側の支払い代金だけで考えませんでしたよ。どれだけ先生のお時間を拘束したのかと考えれば、分かると思います。うちの子はすぐに学校に行くようになったので、よほど他の相談室や病院で効き目のない指導を受け続けるよりもコストは低く、効果絶大、薬漬けになるリスク回避になったことか。

妬みややっかみだらけの世界なのかな。ワタクシも奥田先生が最近しょっちゅう仰るように、今回の放送後のいくつかの反響を見て「ABAだから良いだろう」なんて思わなくなりました。あの番組を見て論評するABA専門家やABAオタク院生(?)は、どうかしてるんでしょう。尺の関係で、かなりカットされているのも画面で分かりますのに。後は、先生のご著書やブログなどのご発言に、普段からムカついておられるのかしら。

ちょっと、今回はワタクシのほうが辛口だったかしら

念のため、この1行上のところまで「こんなんでアップしてよろしいですか?」と、念のため先生に確認したところ、「センスあるあんたに任せてるんやから、ちょっとぐらい自分の考えをぶちまいたところでええんちゃう? 最後に『私のことは嫌いでも奥田健次のことは嫌いにならないで下さい!ふらいんぐげっと』って言っておいてくれたらええわ。今後、そんなことを確認せんでもええよ」とのことでした

ワタクシのことは嫌いでも、奥田健次のことは嫌いにならないで下さい! ふらいんぐげっと

あとですね、これも先生の予想通り、アマゾンや楽天などで「メリットの法則」「叱りゼロ」「子育てプリンシプル」「自閉症児のための明るい療育相談室」が全部完売

どころか、アマゾンのベストセラー商品ランキングでトップ10入りしてますし、サブカテゴリ(子育てとか障害児教育だとか心理学だとか)はずっと位キープしてました

テレビで初めて知った方が多いでしょうが、書物については奥田先生のまた全然ちがったユニークな側面を知ることができるでしょう 今回のドキュメント番組では「ちょっと怖っ」っていう印象かも知れませんが、「メリットの法則」とかお読みいただくと「なんちゅう面白い人」っていう発見があるかもしれませんね

文責:奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局

Posted by 事務局 教育学ぶこと特別支援教育お知らせ |

2013.02.11

NNNドキュメント'13『孤高の出張カウンセラー 自閉症の子どもたちとの500日』

奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局です。

いよいよ、奥田健次先生のご出演されるドキュメント番組が、次の日曜日に放送日を迎えます 亀梨君と江川さん上田さんのGoing! の直後の番組、NNNドキュメント'13です

日テレ系列の別のサイトを見ましたら、タイトルが変わっておりました

最初は、

異才の心理療法士

だったのですが、

孤高の出張カウンセラー

に、変わってます

事務局のワタクシの子は、不登校だったので自閉症だけじゃないのですが、まさしく新しいタイトルの通り、我が家に奥田先生に来ていただいて、あちこちで聞いていた話とまったく違った方向に修正してもらって、助けられました

昨夜、NNNドキュメントの来週の予告で、ちらっと先生の回のを見ることができましたよ

あんな短い予告だけでも、子どもたちが4,5人くらい出てきました。で、先生はいつも通りの感じで、関西弁で普段着な感じに見えます

夜中でしたが、奥田先生に予告編を見た感想をお伝えしましたら、こちらのブログ用にとコメント返信いただきました

ホテルで仕事してたんやけど、おれも見たよ。自分って感じがせんよな。すでに過去の自分は客観的にしか見れんから、抜け殻みたいな感じやな。それか『パーマン』に出てくるコピーロボットみたいな感じかな。子どもらは、カメラマンがさすがというか、やっぱりエモーショナルな感じが出てて、どの子も可愛らしいわな。当然、希望だらけですがな。おれには〜、希望がある、そして〜、持病がある、ララララ♪

最後の子のは、ちょっと番宣がてらに解説しておくと、お母さんが「家でいくら書かせようとしても嫌がって書こうとしないんです」と言うので、おれが「それは簡単ですよ、今やって見せましょか?」っていうことで、即座になぞり書きをやったシーンです。

同じく、別の子。「どうやっても蝶結びができません」。「簡単です、今やりましょうか」。お母さんからしたら「できない」。おれからしたら「簡単」。よくあることです。この辺りは大胆じゃない。フツーです。ただ、タイミングやら指の使い方まで微細な技術的なものはあります。カメラの前でガチで解説しながらお見せました。

それが、実際の放送でどこまで詳細に紹介されるのか分かりません。細かすぎて伝わらないのは全部カットされるんやろね。多分、もっと激しい暴力。長引く行動障害。これも「簡単」。「大胆」というならまあ、こっちのほうは確かにね。一般視聴者に分かりやすいってことで、多めに紹介されるようです。

せっかく仕事を紹介してくれるのなら、一般視聴者への分かりやすさよりも、微妙なテクニックを使ったマニアックな職人技みたいなところをお願いしたかったのですが、こればかりは制作サイドの意向がすべてです。

あと一つ、この次回予告を、おれ本人にやらせてもらいたかったなぁと。おれならね。マスオさんになりきれるし。

「さぁて、来週のNNNドキュメさんは~?

ケンジです。ええぇっ!? 金曜日の午前に講義を終わらせてそのまま空港に直行してバンコクへ? 土日にセラピーやったら月曜の深夜便で翌早朝に空港に戻って、大学に直帰? 月曜の研究日だけで海外でも仕事して来れるんですかぁ、お義父さん。次回、NNNドキュメント、55分の拡大枠で行きます。お楽しみに。

来週もまた見てくださいね!! ジャン、ケン、ポン!! うふふふふ…。」

おれなら、ここをマスオさんの声マネでやるんやけどなぁ。あ、サザエさんは他局か。サっザエさーんは、たっきょくやっ、なー♪

これこれ、先生 悪のりしすぎ

たぶん、「孤高の」とかってタイトルになっちゃったから、そのイメージ崩しに走っておられるんだろうと予想してますが

前のタイトルの「異才の」も、今回のタイトルの「孤高の」も、いずれにしても奥田先生を形容するのに相応しいものだと思います。以前、お電話でお話しをしたときは先生ご自身、「『孤高の』とかやなくて、『紅茶派の』とか『鼻炎の』とか『忌野』とかにしてくれたらええのに」と仰ってました

とっても楽しみです 奥田先生のお仕事ぶりの、ほんのわずか一部分のダイジェストくらいなのでしょうが、先生の凄さが番組で取り上げられただけでも親としては大満足です

日曜日の深夜ですよ、お間違いなく。日付的には月曜日になっている遅い時間ですが、週刊テレビガイドや日曜日の新聞テレビ欄などをチェックしてみて下さいね

次回予告動画は、番組サイトにアップされると思います この数日しか見られないものですので、要チェックです

http://www.ntv.co.jp/document/

予告動画は、こちらです。

http://www.dai2ntv.jp/player/index.php?corner_id=000001167z

日本テレビ系列「NNNドキュメント」、2月17日(日)に全国放送です

2月17日(日) 24時50分~ 55分枠

日本テレビ「NNNドキュメント'13」

再放送①

2月24日(日) BS日テレ 11:00~

再放送②

2月24日(日) CS「日テレNEWS24」 18:00~

※番組終了後用の公式サイトの予告動画です。画像をクリックしたら公式サイト動画に移行します。

Nnn130217

文責:奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局

Posted by 事務局 教育学ぶこと特別支援教育お知らせ |

2013.01.30

NNNドキュメント『異才の心理療法士』

奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局です。

先日、奥田先生のドキュメント番組について、こちら旧ブログでもお知らせしました。テレビ出演情報

その後、NNNドキュメントの番組サイトで、奥田先生の放送回についての内容告知がありましたので、こちらでも引用してリンクを貼っておきます。NNNドキュメント

異才の心理療法士 自閉症の子ども達との500日[仮題]

わが子が自閉症と宣告された母親の苦悩を希望へと導く臨床心理士がいる。歯に衣着せぬ言動と奇抜な風貌で国内外を飛び回る“出張型心理カウンセラー”奥田健次(41)氏。番組ではわが子の将来を案じて思い悩む母親と、知的障害を伴い言葉の発達が困難と思われた男児が、わずか数ヶ月で驚きの成長を見せる姿を追う。その一方で奥田の大胆な手法に戸惑う家族も…。子どもの問題行動に向き合った瞬間に独自のひらめきで解決策を見出し、確かな変化をもたらす奥田の手法。その根底にあるものは数多くの臨床実績と、「障害は的確なアプローチによって改善する可能性がある」という信念だ。そして、奥田が幼少期に受けた暴力…。その体験を乗り越え、自閉症の子どもたちに情熱を注ぐ姿に密着する。

奥田先生の仕事っぷりが、この短い番組告知文でもよく現れていると思いますよ

昨夜、この告知文について先生のコメントをいただきました

もうすでにおれの手を離れて制作者サイドの料理になっているからな。その番組サイトの文章についてもおれはまったく知らない。何遍も言ってるけど、おれは素材を提供しただけ。

奇抜な風貌って言われても。フツーなんですけど。「わずか数ヶ月で驚きの成長を」ってあるけど、実際の指導はその数か月の間、1回とか2回だけやからね。取材が数か月くらいのスパンで来ただけでしょ。親御さんが家で今やるべき関わり方を提案し、その通りに正しくやっていただいたら、その日から変わるっての。

「障害は的確なアプローチによって改善する可能性がある」というのも甘っちょろい。 おれが言ったのは「「障害は的確なアプローチによって改善する」やで。他にも「幼少期の暴力」についてはどこまで扱うんやろうな。そしておれ、何も乗り越えてないよ。 何か乗り越えたような実感が一つもあらへん。ただ、歩んできただけ。ただし、その道は、ひどかったんやと思うわ。聞く人が驚くからな。

あ、あと小林重雄先生も出てくるってよ。日テレのプロデューサーが、小林先生のお名前を知っていたんやって。で、おれからインタビューを受けて下さるようにお願いするとコンプライアンスの問題があるらしいから、おれは一切、ノータッチ。制作サイドが小林先生の勤務先に直接問い合わせて実現したみたい。だから、どんなことを仰ったのかは自分もオンエアまで知りませんわ。ただ、『自閉症児のための明るい療育相談室』のあとがきに書き合ったように、「とんでもねえ育ちの悪い可愛い野郎だ」くらいのことは言って下さっていると思うけどね。

取材を受けた当人すら、どんな感じに料理されるのか分からないから、「どうにでもなれ! どんなだろうと、おれの臨床の仕事は変わらんわ!」っていう心境やね。それでも、まじめな番組に出たらもう後はウンコの帽子を頭にかぶるような番組にしか出ないよ。

再現すると、こんな感じでした

事務局させてもらってるワタクシは、うちの子の不登校を1回目と2回目で指導されたことを実行しただけで、すんなり登校できるようになりました。実行しただけ、というと簡単なように今は聞こえますが、当時は考えもしなかったような提案をされましたので、かなりビビリましたが

その後も、事あるごとに具体的な解決方法を1回で出していただいてます。最初はワタクシは否定されてばかりで面食らっていましたが、今は逆に「どんな提案されるんだろう? ああかな、こうかな」と、どっか余裕で奥田先生のご提案を予想するのを楽しんでいます

そんなわけで、個人的にも今回のドキュメンタリーは非常に楽しみです。深夜ですがモチロン生で見ます

当時の担任やスクールカウンセラーとかにも見てもらいたいです

放送は日本テレビ系列「NNNドキュメント」、2月17日(日)に全国放送です

放送日

2月17日(日) 24時50分~ 60分
日本テレビ「NNNドキュメント'13」

再放送①

2月24日(日) BS日テレ 11:00~

再放送②

2月24日(日) CS「日テレNEWS24」 18:00~

文責:奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局

Posted by 事務局 教育学ぶこと特別支援教育お知らせ |

2013.01.16

テレビ出演情報

奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局です。

こちら旧ブログのほう、ご無沙汰しております

奥田先生の新著『メリットの法則−行動分析学・実践編』(集英社)は、発売2か月を過ぎてなお書店で完売が続き、とても順調に部数を伸ばしているようです

もうワタクシ、2回ゆっくり読了して3回目をゆっくり読んでいるところです

やっぱり「すごいなぁ」と思うのは、奥田先生の場合は実際に直しちゃうってところ。行動分析学の研究者でもあるから客観的なデータも取っておられる。それはワタクシのような親にとってデータがどうこういうのは、あんまり意味ないかもしれませんが。

この『メリットの法則』、相変わらず奥田先生の専門家に対する怒りというか苛立ちというか、それはすごいぶっこんでおられるところもあります

ああだこうだと外野からの声は聞こえなくもないですが、目標設定の適切さとその到達までの早さというか、他の人もそういう臨床家としての仕事で満足させてよって、ワタクシは元・不登校児の親として思います。

ところで、新オフィシャルブログ(奥田健次オフィシャルブログbyダイヤモンドブログ)のほうで、奥田先生がご自身でちらちらと告知されておられましたが、いよいよ正式に告知できる段階が来ました。

2月17日(日) 24時50分~ 60分
日本テレビ「NNNドキュメント'13」(サブタイトルは1月末決定)

再放送①→BS日テレ 
    24日 日曜日 11:00~
再放送②→CS「日テレNEWS24」
    24日 日曜日 18:30~
       (拡大枠は18:00~)

NNNドキュメントですって

日本Top3の長寿番組です

上田さん、江川さん、亀梨くんの『Going!』を観て、そのまま夜更かししたら始まる番組ですよね。

通常、30分枠なのだそうですが、年に数回の1時間枠ってのがあるそうなのですが、それです

2年間も取材を受けてこられたとのこと。そして、海外ロケも何回も行われたんですって

技術的な凄さは、例えば『自閉症児への明るい療育相談室』(学苑社)を読めば分かる人は分かるのですが、ドキュメンタリー取材によって実際の療育相談を観ることができるというのは出版物の何百倍。非常に楽しみです。

奥田先生から昨日、コメントをいただきましたのでそのまま掲載します(大学の実名のところは「○○」にしてます)。最後のほうはかなりヤバイですガクガクブルブル

もちろん、ワタクシもムカついてます

まじめ一直線。爆発しているところとか、アホなことを言っているところとか、全部カットされると思うよ。取材内容はガチンコです。今の時代、ヤラセとかに制作会社もテレビ局も何の旨味も無いでしょ。だから、本当に番組に出てくる親子とは、すべて事前の打ち合わせもゼロにして、普段やってる臨床の通り、初顔合わせのインテイク。または学校コンサル。これも学校に行くまで、どんな相談内容か自分は聞かないことにしているので。

今回の取材時のケースですが、外科医の手術に喩えれば、誰も出来ない手術ではなくて誰でもできるケースばかりになってしまいました。同時期、どこを訪ねても「できない、直らない」と言われて専門家すら手に負えなかった一家心中寸前のケースもインテイクしていて、2回目のセッションまでに数百レベルの激しい行動をゼロにしただけでなく、ご両親も前向きな生活ができるようになったのとかもありました。ただ、あまりにインテイク前にひどい状態だったので、取材協力を申し出るのも痛ましくて出来なかった。ひどければひどいほど、視聴者には「ドラスティックに変わる」というのを目の当たりにしていただけるんですがね。

ただ、一般視聴者ではなくて専門家はどう観るんやろうね。まあ、自分はそういう同業者や臨床心理士らの論評(ツイートっての?)なんざ「うっとうしいな、データ持ってこいや」というスタンスなんでね。自然科学のレベルで、自分がやったことと結果を語り合える人相手ならワクワクするねんけど、そんな人は残念ながら超レア。

しかし、ドキュメンタリーって言っても、こちらは普段やってる仕事をお見せするだけ。素材提供で終わり。制作サイドが2年間で集めた素材をどう料理するかです。自分は、他局でよくある「自閉症児の親は大変だ、ほらこんなに子どもがパニクってる」「もっとこういう親子を周囲が理解してあげて」という文脈にしないことを条件に、取材を引き受けたんよね。「必ず目の前で分かりやすい成果を上げてみせますから」ということを約束して引き受けたわけ。何のプレッシャーも無かったよ。どんな問題でもすぐに直してきたわけやから。視聴者に「こんなに良くなるんだ! 変わらないと思っていた行動がこんなにすぐに変わるんだ!」という明るい光を見せること。これだけは制作サイドにお願いしてきた。

先日、ダイヤモンドブログのほうにも書いておいたけども、番組を観たからって安易に相談の申し込みをしてこられても困るので、こっちのブログに来た人も問い合わせる前に呼んでおいて下さい(テレビ出演後の仕事の依頼について)。いつも番組放送後、そういう依頼が殺到しますが、ほとんど返信もできませんので。おれの身体、一つしかないもん。がんばるけど。すでにがんばってるけど。

そうそう。ある親御さん達から聞いた話やけど、某ABAの関係者が「奥田先生がもし死んだら指導してもらえないですよ! その点、うちは誰が担当しても同じプログラムをずっと提供できますよ! バックに○○大学が付いてますし」と営業かけられたってことを耳にした。「奥田先生がもし死んだら」とかって(怒)。あー、そうですよ。おれが死んだら終わりやわな。だから、おれは自分のクライアントにいつも「私が明日死んでも大丈夫なように・・・」と毎回毎回、すべての助言を遺言だと思って自立してもらうよう支援してるねん。自分で「明日事故で死ぬかもしれない」と言うのはええけども。お前ら、自分らの営業が自滅発言だってのに気づけよ。これ、そのまま載せてええよ。

最後のほうの話、似たようなことはワタクシも耳にしたことがあります別の大学でしたが。

正直、親の立場から言わせてもらえれば、「同業者でしょ、どうせやっかみ」。ABAというのだけ同じでも大した成果を上げてないから、先生の普段から仰る「臨床」という部分の技術的な「すごさ」が分からないんですよ。草野球選手がイチロー選手のバッティング技術を語るようなものですって。もしくは、自分らもイチロー選手と同じことができるって思っているのかしら。その身の程しらずがレベルの低すぎさを物語ってます。それにしても「死んだら」ってホント失礼

・・・すみませんね 先生の怒りが飛び火しちゃいました

でも、今回のNNNドキュメントはもちろん一般視聴者向け。奥田先生の当初からの目的「明るい光を見せる」が達成されますように

遅い時間なので、昼寝をしておいて「Going! 亀梨君からの〜」で奥田先生60分を観たいと思います

文責:奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局

Posted by 事務局 教育社会学ぶこと特別支援教育お知らせ |

2012.11.15

【動画アップ】メリットの法則――行動分析学・実践編【集英社新書】

奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局です。

奥田健次先生の新書、メリットの法則――行動分析学・実践編が、いよいよ明日発売となります

amazonや楽天などで予約開始後、ずっと集英社新書トップセラーにランクインしていたようで、注目度がすごいです

Photo

で、そのamazonさんにですが、奥田先生の動画がアップされておりました

新ブログのほうで、先生ご自身で「集英社に行って撮影してきたでー」と仰っていたやつですね(こちらの記事です)。

めっちゃ真面目なトーンで始まったかと思ったら、後半、崩されていましたね

真面目なトーンで「パンダの着ぐるみまで」って

なんであそこでパンダが出てくるのかって(笑)

思わず飲んでた抹茶ラテに吹き出しそうになっちゃいました

いや、あの最初の真面目なトーン自体、奥田先生のボケかましなんだという気がします

下記のリンクから、amazonのページをご覧いただければ、どなたでも動画をチェックできますよ

明日から全国書店の目立つところに並ぶことと思います

ぜひ、お読み下さいませ

事務局のワタクシ、非常に楽しみにしています

文責:奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局

関連記事:

メリットの法則――行動分析学・実践編(集英社新書)、発売間近!!

Posted by 事務局 教育学ぶこと特別支援教育健康・美容お知らせ |

2012.10.25

メリットの法則――行動分析学・実践編(集英社新書)、発売間近!!

奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局です。

奥田健次先生の新著、集英社新書からメリットの法則――行動分析学・実践編が、まもなく発売されます

このタイトル、奥田先生がビーバップ!ハイヒールご出演のときのテーマじゃないですか

当時の記事は、こちらなどですね

【本日10/16放送】ビーバップ!ハイヒール【山形テレビ】

【本日オンエア】ビーバップ!ハイヒール【名古屋中京広域圏】

【本日9/9放送】ビーバップ!ハイヒール【行動分析学】

【テレビ出演】ビーバップ!ハイヒール【行動分析学】

この番組、面白かったなー

深夜帯なのに高視聴率13.5%を記録したということでした

今回の新著、来月11月16日に全国書店に並ぶそうです。インターネットサイトではすでに予約開始されてます 今回も早めに予約購入しておくと、発売日にいち早くお手元に届くんじゃないでしょうか

今回もまた、めちゃくちゃ楽しみなのです

奥田先生にいただいたばかりのコメントを読むと、ますます早く読みたくてウズウズします

奥田健次先生のコメント:

今回のは何せ新書ですからね。書店の専門書コーナーに行く必要がないというところがポイントです。今までは、教育・心理学・子育てなどのコーナーに行って見つけるという感じ。新書の場合は、普通に新書コーナーに並んでるから。駅のkioskとかに並ぶわけです。つまり、対象は一般読者向け。ですが、自分はこれを教科書のつもりで書きました。

なぜか。一つはその出演したテレビ番組の方針で、専門用語ゼロで解説しないといけなかったので、どうしても厳密な説明が省略されてしまうわけです。だから、どうしてもきちんと厳密なことを書いておく責任を感じたから。

もう一つは、やっぱり同じ集英社新書で、杉山尚子先生のベストセラー&ロングセラー『行動分析学入門 ―ヒトの行動の思いがけない理由』が、やはり新書なのに教科書として利用可能という路線だからです。新書だからって、キャッチーなコピーで大げさなことを書くのではなく、新書そのものを基本図書にすることが可能だということが証明されたようなもんです。

今まで書いた本の中で、一番「まじめに」書きましたよ。新書だからって奇をてらっていません。ごく当たり前のことを、ひたすらまじめに書きました。それでも、リストカットのことをラテン系の楽器「ギロ」に喩えた話など、テイストは軽いです。だから、新書らしくサラッと読めます。でも、ある程度以上の基礎知識のある人にとっては、実は非常に奥の深い事例が出てきて、実践で使ってみて、また何度か読み直してみて、ようやく「なるほどね」という意味で、やはり教科書(ちょっとマニアックな)みたいになるでしょう。

タイトルや帯については、いつものように出版社の販売の部署の意向で、またもちょっとど派手な感じですが、『ONE PIECE』『ドラゴンボール』『北斗の拳』『ジョジョ』などの集英社の意向ですから、お任せするのが一番。

本文の中では、「えっ、そんな病気まで直るの?」という事実から始まって、「えっ、そんなふうにすれば逆に病気になるのか」という新しい行動病理モデルの提案まで、一般の人にとっても専門家にとっても読み応えのある章もあります。

いつになく、コメントも「まじめ」にいただきました

新書は700円前後のお値段で、しかも読みやすい軽いテイストということなので、これまでとは違って果てしなく読者ターゲットが広がりますね

早くもアマゾンさんは、画像がアップされてました

Photo

確かに、ど派手な帯

まさしく、メリットの法則の番組出演時の出で立ちですね

下記のリンクから、予約申し込みができます 乞うご期待ですね

文責:奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局

Posted by 事務局 教育社会学ぶこと特別支援教育お知らせ |

2012.07.09

第1回 行動分析学道場 in 西軽井沢

奥田健次の教育改革ぶろぐろ部(旧ブログ)の事務局です。

こちらのブログのほう、ほとんど終了しておりますが、ニュースを不定期にアップさせていただくこともございます。

さて、今回は合宿のお知らせです。

奥田健次先生のご講演などでは予定がお知らせされていたようですが、その日程の通りで現時点で確定していることをアップさせていただきます。もう1か月ほど先の夏休みになりましたので、詳細はまだですが、お申し込みも受け付けておりますので、よろしくお願いいたします。

「第1回 行動分析学道場」

主催:行動コーチングアカデミー

場所:長野県北佐久郡

日時:2012年8月7日(火)〜10日(金)

内容:

--

8月7日(火) ABAサマースクール(初級1日目)

8月8日(水) ABAサマースクール(初級2日目)

定員:各日程40名まで

※どちらか1日だけという申し込みは出来ません。

--

8月9日(木) 行動分析学の基本・デモンストレーションなど(1日目)

8月10日(金) 行動分析学の基本・応用・座談会など(2日目)

※どちらか1日だけという申し込みは出来ません。

--

奥田先生からご説明があったのは、上記の内容まででした。そして、少し詳細な内容についてはファイルが送られてきましたので、ご関心のある方はダウンロードしてご利用下さい。

ご案内と申し込みフォーム(※対象者の範囲を少し広げました ※メールのみでのお申し込みとさせていただきました ※9〜10日のほうは定員に達しましたので申し込みを締め切りました ※全日程を終了しました)

内容については、非常にエキサイティングなものとなりそうです。8月7日~8日は、今年、日本行動分析学会実践賞を受賞された「徳島ABA研究会」によるABAサマースクールです。関東、東日本方面で、徳島まで行けなかった、特別支援教育に関わる教職員、学生、福祉関係者向けのイベントです。

8月9日~10日には、行動コーチングアカデミーの奥田健次学校長による講義・演習、「行動分析学入門」などのベストセラー基本図書の著者・杉山尚子先生によるレクチャー、山本央子先生(ヤマザキ動物専門学校/帝京科学大学)によるトレーナートレーニングの実践講座を予定しています。また、島宗理先生(法政大学)と愛犬「はるちゃん」の暮らしを支援するための、行動分析学コーチングのデモンストレーションを予定しています。

以上のように、日本を代表する行動分析学の専門家によるプレゼンテーションやデモンストレーションは、行動分析学が実際の社会問題や生活にどのように活かされているのか、入り込んでいるのかを目の当たりにできるイベントとなります。

なお、保護者対象の合宿は、また別の機会に行う予定だとのことですので、今回は教師、保育士、心理士、発達支援者、特別支援に関わる学生、行動分析学の研修を続けたい社会人などを対象としています。

合宿所で泊まり込みながら、じっくりと行動分析学の研修を受けられるという、おそらく日本で初めての研修会となりそうです。ぜひ、この機会に各分野のご専門の先生方と直接お会いし、指導や助言を受けてみてはいかがでしょうか。

先生方の代表的なご著書を、下記にリンクを貼っておきます。

本当に超・豪華な講師陣ですね

文責:奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局

Posted by 事務局 教育学ぶこと特別支援教育お知らせ |

2012.05.01

【講演会】ちゃれんじキッズ子育て講演会【@東京】

奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局です。

前回の記事で、「これが最後の投稿となるかも」と言いましたが、事情でもう少し続けることになりました 新ブログのほうも、もう少しなのですがちょっと遅れているようです。

今回は講演会のお知らせです

ちゃれんじキッズさんの主催講演会で、今回は東京で開催されます

子育て支援講演会 -叱りゼロで「自分からやる子」に育てるためのコツ-

上記のようなタイトルです。昨年末、名古屋公演だったときも痛快な回答の連発だったようですね 詳しくは、ちゃれんじキッズさんのブログをご覧下さい。また、予約申し込みもそちらのほうでお願いします

こちらです。http://challengekidsblogsite2009.blogspot.jp/p/610.html

さて、叱りゼロで「自分からやる子」に育てる本は、絶好調で売れているそうです。週刊教育資料(2012年4月2日号 No.1202)にも紹介されていますので、お読みになりたい方は取り寄せるか図書館などで文献複写依頼して下さいね

詳しくは後日発表されるでしょうが、この本について、また新しい展開が進んでいるということをお聞きしました ドラマ化 海外進出 これまた、いずれ発表されますのでお楽しみに

奥田先生の最近の軽井沢ライフなど、左側のフォトアルバムにも収録されていますので、そちらのほうもよろしければご覧下さいね

文責:奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局

Posted by 事務局 教育学ぶことお知らせ |

2012.04.20

【軽井沢】森の生活アルバム

奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局です。

こちらのブログでは、これが最後の投稿となるかもしれません

大学を退職され、新しい生活を始められた奥田先生(その記事はこちら)。そのご様子を、ちょっとだけご紹介しましょう

昨年秋、奥田先生が「気になるな。これは切り落とします」と言っておられたところ。

201111

2012年3月。嵐のような暴風の日。奥田先生はバンコクから帰って来られました。

「ショック! 素人目にも切っておくべきやと気づいていたのに後回しにしてたらこれや! 冬の間の雪の重みとこの暴風のせいや! 自然、なめたらあかん」

20113001

先生、屋根の上に木の枝が落ちてるじゃないですかΣ(゚д゚lll)アブナッ !

20123002

奥田先生のコメント:「はじめての鳶職」

ちょ・ちょっと先生 ヾ(.;.;゚Д゚)ノ

そ、それはチェーンソーではないですか!!(゚ロ゚屮)屮

20123003

しかも、普段着( ゚д゚) ブランド物でそんなことしますかぁ?

20123004

先生、あぶないですって

「これ、木の枝ちゃうやん! 丸太やで、近くでみたら。また屋根が凹んでるし、穴があいてしもとるやんか」

20123005

奥田先生から添えられたコメント:

うりゃーーーーーー! のわーーーーーーーー! 切りまくれーーーーー!

20123006

20123007

20123008

すごい! 奥田先生ってこんなガテン系じゃなかったはず・・・

「2時間ほど頑張っただけでも偉いやろ・・・途中で燃料切れや」

20123009

良い服が台無しになっちゃうじゃないですか((( ゚д゚)

20123010

でも、すごい(゚0゚) 屋根の上に覆い被さっていた木々が片付いてる∑(゚∇゚|||)

これがアフターですか。

奥田先生のコメント:「よく見てみ、大木のところだけはまったく動かなかったわ。時間切れ。もうカナダに向かわなきゃならんので、このまま残す。穴の所だけビニール袋かぶせとく」

20123011

こんな作業をバンコクから帰国されてすぐにやっちゃうなんて。そして、それでまたすぐに海外ですかΣ(゚□゚*)

カナダから戻られたときのお写真。

タイトル:「2回目の鳶職」

20124001

ちょっと笑えました (゚ε゚ )ブッ!! でもまだ普段着じゃないですか

奥田先生のコメント「服の問題やなくて、こないだ切りまくったらアレルギーがひどく出てしまって。だから、アレルギー防止。それとこないだ屋根からすべって落ちそうになったので地下足袋をワークマンで買ってきた。」

20124002

奥田先生のコメント「男3人がかりで大木を落とすことに成功。で、穴埋め作業を開始」

20124003

20124004

20124005

奥田先生コメント「これがほんまにアフターや。傷跡は残っているが、どうや、かなりスッキリしたやろ」

20124006

20124007

奥田先生のコメント「チェーンソーも壊れるっちゅうねん。説明書を見ながらメンテナンスしてるところ」

20124008

奥田先生のコメント「これは電線に乗っかってる枝を切り落としているところ。こんな感じでトラブルだらけや」

・・・最後のほう、もうワタクシは言葉を失ってしまいました(;´▽`A``

他にも強烈なガテン系のお写真を送っていただきましたが、ここまでにしておきますね(^-^;

近々、奥田先生ご自身がお書きになる新ブログがスタートします この続きはそちらのほうで。

文責:奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局

Posted by 事務局 教育社会学ぶこと脱力系健康・美容環境お知らせ |

2012.03.07

奥田健次先生が大学を退職されることになりました(>_<)

奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局です。

重大なお知らせです

奥田健次先生が大学を退職され、新しい生活を始められることとなりましたΣ(゚д゚;)

別の大学 いいえ、違うんです、それが

山にこもるんですってΣ(・ω・ノ)ノ! 信州は浅間山麓のふもと軽井沢です

ジョンレノン&オノヨーコの軽井沢、今の天皇皇后両陛下のテニスデートの軽井沢です(ワタクシの年齢がばれそう・・・苦笑)。

そういえば、叱りゼロで「自分からやる子」に育てる本のあとがきに書いてあった。

ワタクシ、このご計画のお話を初めて伺ったとき、正直、背筋が寒くなるような気がしました(((゚Д゚)))

ご定年を迎えた方とか、定年間近な方なら分かります。しかし、バリバリ大学教員のときにそんな進路を取りますかね などなど心配をしましたが、すぐにそれも奥田先生らしいなと思いました(o^-^o)

詳しいことは、奥田先生の新・オフィシャルブログが始まる予定ですので、そちらをお楽しみにお待ち下さい。

奥田先生からひとこと、いただきました(゚▽゚*)

おう。やめるよ。てりやきチキンバーガー食い過ぎたからな。もうええやろ。今まで、初対面の人に大学教員にみられたことなんか一度もなかった。職業を言うとビックリされる。でも、もう「ビックリされ度」もね、自分的には低くなってきて。ほんで最近、「お仕事は?」って聞かれたときに、なんて答えたら驚かれるのか考えてみた。そしたら「羊飼いです」って言うのが、どうやらその答え。あるやん? そういうの。「職業 羊飼い」って言ってみたい年頃ってあるやんか。それですわ。ええよ、もう。大学教員は非常勤とかで十分、笑いが取れるし。せやから、4月から羊飼いになりま~す。てへぺろ。

超・奥田先生らしいコメントでしたが、本当なのだから恐ろしい(;´▽`A``

とかヤギとか。廃校を再生するんだとか、発達障害や不登校の子の生活の場を作るんだとか。行動分析学のコミュニティーだとか。あまりに壮大なスケールのお話でした(≧∇≦)

もちろん、今までやってこられたお仕事は続けられますので、関係者はご安心くださいね。そのこともコメントいただきました。

当たり前です。教育相談は自分の仕事。それしかできへんからな。それを無くしたら、自分はカス人間よ。食洗機の使い方も知らへんから。新しい仕事は、教え子らと近所の子どもら、じいさまばあさま、動物たちと暮らすんです。ハンバーガーはファーストフードじゃないやつを食べることにするから、ご安心ください。ピザは週1宅配ってのをやめて、これからは自分で作るよ。てへぺろ!

もう「てへぺろ」はいいですから ただ使いたいだけでしょ そういうことですので、本当に関係者のみなさま、ご安心下さいね

新しいブログのことも、決まりましたらお知らせしたいと思います

そして、本当はずっと体調を悪くされたまま騙し騙し仕事をされていた奥田先生。この2年くらいは病で倒れた同僚教授の分まで講義をされたりしていたらしく、奥田先生のほうが倒れてしまうよと心配していたのですが(;ω;)

2月に大きな検査をし、来週さらに1泊2日で検査入院。2月中旬に軽井沢にお引っ越しなさってから、来週の入院までの1か月は布団しかない名古屋の自宅と全国を、行ったり来たりの生活をしておられます

どうしてそこまで人のために身を粉にして働くの とか言いつつ、ワタクシの家族もそんな奥田先生にずっと前に助けられたものですから、なんとも言えない気持ちになります。身勝手ですが「やっぱり休んで下さい」とお願いしたいですヾ(;□;)э

120307_inacar001

なのに、来週には入院なのに。先生たら、移動中の車の後部座席で仮眠しなきゃならないほどの゚゚(´O`)°゚ 

 

 

 

 

 

 

120307_inacar002

 

 

 

 

120307_inacar003

今日、同行スタッフから送られてきた写真たち いつものお仕事バッグを枕に仮眠ですか (゚□゚*)

ちゃんと布団で寝て下さい! と、お伝えしましたら、

布団で寝られへんから工夫して仮眠しとるんや。最近、布団では2時間くらいしか寝てない。この工夫はすごいやろ! 車で30分は寝た。

もう(-゛-メ) 

どうしたら、ちゃんと身体を休めて下さるんですか(u_u。)

20120222_1_2

 

でも、あたたかい写真も送られてきました。2月中旬、大学での集中講義の冒頭に、先生が「実はこれが最終講義となりました」と伝えたら、当然、学生さんはとても驚かれたようです。

 

そしたら、集中講義中に、学生さんらはナイショで寄せ書きアルバムを制作して下さったんだとか(o^-^o)

 

 

 

※先生が退院されたら、またいくつか他の写真もアップしますね。

 

 

 

 

 

学生さんらのアルバム制作のことは、奥田先生はご存じでなかった。最後のコマの後、学生さんから花束とアルバムをいただいたそうで、感激されたそうです。直後にお電話いただいたとき、涙声でしたもんね ばらしちゃった(*^.^*)

20120222_2

改めてコメントをいただきました。コメントをとなると、照れ隠しになるんですね(^-^; ルフィになったり彦麻呂になったり

これや、これ。これ、おれの宝ものや。お宝だぁ! 学生らのキモチの詰まった宝石箱や〜。思わず学生らの前で半泣きになりかけたけど、教室が乾燥していたから水分不足でね。家に帰ってポカリスエットを飲みながら寄せ書きを読んだら、じわじわ涙が出たよ。さすが大塚製薬ポカリスエット。ポカリっつうのはすばらしく・・・ ちがうわ、ポカリやない。ありがとう、みんな!

ステキな学生さんらですね。

せやで。ほんまに。てゆーか、たった2日ほどでこれが制作できちゃうの? 保育士や幼稚園の先生になる学生らの、行動力には心から敬意を持つよ。ほんまに心があたたかいね。160人の受講生やってんで。おれ、この年齢で最終講義ができるなんてラッキーかもしれんよ。160人分の味噌煮込みうどんの大運動会や〜。

彦麻呂も、もういいです(-ε-) 学生さんらは寂しがるでしょうに。

ほんまは、この寄せ書きもらったときは「やっぱり辞めたくないな」って思ったりもしたけど、軽井沢に土地も買ったし、もう後戻りができへんからね。だから、逆に学生らがいつでも遊びに来たらいい。学生らからしたら、軽井沢にいつでも遊びに行けると思ってたらええんやからね。社会人になっても軽井沢に別荘があるとでも思って来たらええねん。

そんで、来週の入院のこと。どうしても卒業式と重なってしまったから、それは申し訳ないです。でも、卒業生らを卒業させるために特にこの2年間、かなり無理してきたので、ゆるしてね。入学式や卒業式とか、休んだことがないんやけども、それくらい体調が悪いねん。ここんとこ、ずっと左胸が痛む。

分かってあげてくださいね。満身創痍です、奥田先生は

20120222_3

ここ追記(3/14):昨日、無事にご退院されました みーんな心配していたんですよ。退院後にいただいたメールから抜粋します ちょっと痛々しいけど

痛くて涙が。こんなに涙を流したのは、人生で2番目やった。ダントツの1番は愛犬・ハッピーとの別れ。まだ喉に違和感が残ってますわ。痛みに悶えてあぶら汗のにじむ手を握って背中をずっとトントンしてくれた看護師さんの優しさには「そんなに親切にされると、恋に落ちるで!」とか今なら思えても、そんときは苦しすぎて恋に落ちる余裕もないねんって。命を落とすかと思ったもん。

心配させてすみません。励ましてくれてありがとう。

看護師さんの優しさはお仕事ですって(*^m^) てか、奥田先生は看護師が苦手だとか言っておられませんでしたっけ( ´艸`)

とにかく、これからは先生ご自身の体調をしっかり立て直して下さいね

(追記ここまで)

最後、研究室のビフォー・アフターを送ってもらいました。

Okuda2012labo

引っ越し前。

 

 

 

 

 

 

 

 

20120215171626

引っ越し後。

 

 

「さすがにさみしーな、と」とのことでした。

 

 

 

とにかく、奥田健次先生の新しい軽井沢での暮らし、応援してます。といいますか、しょっちゅう遊びに行かせて下さいo(*^▽^*)o と、そこは電話でお願いしました。すると、

いいよー

フランチェンの声だ(^-^;

新しいブログのほうも、ロハス系だと聞いていますので、のんびりかつハチャメチャなものを楽しみにしてますね こっちのココログの管理のほう、ワタクシは裏方に回るか、引退させていただくか。まだ決まってませんが、ワタクシも新しいブログでまた先生の記事が読めるのが楽しみです

文責:奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局

Posted by 事務局 教育社会学ぶこと脱力系健康・美容環境お知らせ |

2012.02.04

【重版決定】叱りゼロで「自分からやる子」に育てる本【大和書房】追記付き!

奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局です。

おかげさまで、奥田先生の新刊の売れ行きが絶好調のため、1月末に叱りゼロで「自分からやる子」に育てる本の重版が決まったそうです 。たった1か月ですよ もう今月には第2刷が出るとのことです

120106

年末年始を挟んでいましたので、これからというところだったのでしょうが、実は年始にもこうやって朝日新聞に広告で掲載されていたりしました

まだお持ちの方は探してみて下さい。大きくはありませんが、1月6日の朝刊にあると思います。地域によっては広告掲載日が異なることもあるようです。

そして、もうすぐ読売新聞(2月7日)、毎日新聞(2月8日)にも新しい広告が掲載されると聞きました さらなる反響が楽しみですね

ネットのほうの反響もたくさん届いています。中には、親にも叱りゼロで、というようなものもありましたが、それはですね。親としての気持ちは分かりますが、それでは奥田先生が奥田先生で無くなってしまいます

事務局のワタクシの場合、奥田先生は親としての子どもへの対応のまずさを厳しい言葉で何度も教えて下さいました ワタクシは他の心理相談や病院を回ってきた経験から、その場しのぎのカウンセラーの慰めの言葉がまったく親子のためにならず、むしろ問題をひどく悪化、長期化させてきたため、その苦い経験からそれを実感するのです

奥田先生には、初めて、今まで他の専門家から聞いたこともないような耳の痛いことを教えていただきました 学校に行かない息子をなんとかしたかったので、ぜんぜん腹が立ったりはしませんでしたよ

むしろ初めて指導を受けた時には「この先生って、まったく嫌われたりすることを恐れてないのかな」って内心思ったりして、それは今も変わりません。親に向かって言いにくいこと、誰も言ってくれなかったことを直言して下さった唯一の先生です さぞ嫌われても構わないというお覚悟をお持ちだったのではないかと

こんな経緯があったものですから、「これは本物だ」と直感したわけです それで、実際にはここでは書けないくらい大変なことをして息子に対峙しましたが、翌日から放課後からですが学校に行くようになりました ずっと動かなかった岩が動いたって感じでしたよ

その後、奥田先生に報告したときにいただいた言葉は忘れられませんよ。「他の心理士は言葉でお母さんを慰めようとするかもしれんね。でも、私は子どもの変化から慰めを受けてもらいたいと思ってる」「最初はお母さんのやり方や考え方を100否定してきたけど、○○君が元気に再登校できるように変わったんだから、私の言った通りにやり方を変えてくれたお母さんのお手柄100です」と。ありがたすぎて感動的でした

ですから、親には叱り100でお願いします 厳しいことを言われたくない親は、そもそも先生のところには来ないでしょうから。

先日、別の件で奥田先生にでお話しした際、ネットでの反響のことについても聞いてみました。以下、およそワタクシの記憶の通りのコメントです。(その後、「先生のご発言、これで良いですか?」とメールで確認したところ、「ええんちゃう? つーか、家政婦のミタばりのセリフ再現やな。その能力は大したもんや」とお褒めをいただきました なので、ほぼ正確だと言えるでしょう

ネットの反響の中でも、人物評価はどうせ悪いに決まってるから、ぜんぜん気にせえへんよ。どうしても親は人物評価したくなるでしょうに。前著から含めて、嫌われても構わん、てゆーか嫌われてナンボのことを言うてんねんから。 親には叱るよ。当たり前やん。弟子にも叱る。なかなか簡単には褒めんよ。子どもが変わって初めて褒めるわ。俺に「叱るな」って言われてもな。そんなん、塩に向かって「辛いよ」と言ってるようなもんや。塩が塩気を無くしたら、それはもう塩とは言わんやろ。せやから、めっちゃ辛い塩であり続けるし。塩が必要な人が必要としてくれるだけでええねん。

それよりも、春休みに新著が出る予定。もう秋に原稿は書き終わってるねんけどね。これは、また全然ちがう本やから。読者も「誰が書いた」だの気にせんと、書かれた内容のことを考えて読んでほしいね。まあ、新書の大手からなので、ほとんどの読者は著者の俺のことを知らずに読んでくれることになるんやろうけどね。本が売れたら、種芋を買ってジャガイモを育てるわ。もっと売れたらルクルーゼも買ってシチューをコトコト煮込むに違いない。場合によっては、21エモンに出てくる芋掘りロボットのゴンスケを導入したいって思ってるねん。

関西弁の再現はちょっと違うかも知れませんが、こんな会話でした

Kinokuniya20120120

それと、この写真。紀伊國屋さんの中でも頑張ってくれている店舗がありまして。スティーブ・ジョブズと同じ棚ですよ、先生 

 

ちなみに、これは二子玉川店の棚です

ありがたいなあ。「山本五十六」の横かぁ。なんで、子育て本なのに、五十六先生の横なのは、なんでやろう。

こんまりさんの整理本とか売れてるから、こんまりさんはルクルーゼを、各色各サイズ持ってるんやろうなあ。ときめいてるんやろうなあ。いや、ときめく整理できへんから、あんまり持たんようにしてはるんちゃうか。俺はルクルーゼを薪ストーブの上に並べて、ときめきたいわぁ。

などと、笑っておられました

それより、奥田先生の近況も含めて、新しい出発についての壮大な夢のような、これまた聞いたことのないようなお話しを聞くことができました 夢のような話も、先生にかかれば夢でないのか

我が家への助言内容も聞いたことのないものばかりでしたが、奥田先生の生き方そのものが聞いたことのないものばかりで 近々、このことも何らかの発表があるでしょう

ルクルーゼのお鍋を各色そろえられますように

 

※(2月6日追記)

長崎出張されておられる奥田先生から、大和書房からの広告情報の詳細メールが転送されてきましたので、ご案内いたします。

読売新聞 2月7日(大阪と西部2月8日)
毎日新聞 2月8日(大阪と西部2月9日)

要チェック

20120205181223 奥田先生からのコメント:

2回目の長崎。ええね、ここ大好きやわぁ。2年前に初めて行ったときに、「プライベートでも行きたい街トップ3」に入ったと言ってたけど、まあ今回も仕事でしたが、なんか好き。トップ3というかナンバー1かもしれん。神戸に似てるからかもしれんね。歴史を感じる街が好きというのもある。出会った先生方、若手心理士の皆さん。もっと、「ながさき言葉」を聞きたかったのに。敬語を使うと長崎弁が消えるんやって。それなら敬語なんか使わんといてよぉ。また来ます。

長崎は事務局のワタクシも哀愁を感じる大好きな街でございます 先生からこれ見よがしに送られてきた皿うどんが美味しそうっ

文責:奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局

Posted by 事務局 教育社会学ぶことお知らせ |

2011.12.30

【絶賛発売中】叱りゼロで「自分からやる子」に育てる本【大和書房】

奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局です。

クリスマスちょい前に、ワタクシは奥田先生のご厚意で1冊ゆずっていただきました もう回、読んでしまいました

2回目になると、行動分析学の教科書に書いてあったあの原理かな、あれはその現象かな とか、じっくり深く読もうとしていて、気がつくとすごい勉強になった気がします

というのも、行動分析学の専門用語がゼロなのです これはすごいことだと思います

読後の感想なのですが、本のタイトルだけを見た人はきっと勘違いするだろうなと 「叱りゼロ」というのは何でも受容してあげなさいという意味ではないということは、奥田先生を知っている人とか子育てプリンシプルを読んだ人なら想像できると思いますが、知らない人からすると他の子育て本のように「子どもの要求をしっかり受け入れてあげて」というメッセージに受け取るんじゃないかしら

でも、読めば分かりますが、やっぱりそんな甘っちょろい本ではありませんでした 2章から、「叱り」よりももっと強烈な接し方がびっしり紹介されています。もちろん、体罰でもありません。言われてみるまで思いつかない回答もたくさんありましたが、読んでみると「そりゃあ、確かに効き目があるだろうね」「その方法があったか」と何度も思わされました

やっぱすごい子育て本です、これは

Photo で、書店にて見つけましたが、amazonでの売れ行きもさることながら、書店での平積み状態

 

 

 

 

 

 

 

 

Photo_3 別の書店では、平積みであったのがすでに残り1冊状態 書店でもめちゃ売れです

 

 

 

 

 

 

 

ワタクシの感想を奥田先生にお伝えしたところ、お返事コメントいただけました

ええことに気づいたね。そうです。あのタイトル、まさにその通りで嘘は無いんやけど、読みもしない人がひっかかるように意図的に計画してます。「叱る必要はまったくないけども、因果応報で結果に責任を持たせることのほうが親として大変でしょう?」「叱るだけなら出来る人は結構いるけど、子ども自身の行動に結び付けてわが子にリアルに損をさせることは出来ていますか?」というメッセージがあるわけですよ。ちゃんと読んでない人は、きっと「叱りゼロだけで大丈夫なわけがない」と言うやろね。逆に、「やっぱり子どもを叱っちゃだめだよね、何でも受け入れないと」と言う人もいるかもしれん。そんな人らには、ちゃんと読んでよと。

それにしても、想像していた以上に売れてるみたい。ありがたいことです。個人的にはイラストのゼリービーンズさんの母親や子どもの表情が見事やろ。自分が選んだイラストレーターさんではなく、出版社チョイスなのでしたが、本当に自分の好みな感じで好きです。また、一緒に仕事できる縁があったらええな。大和書房さん、ありがとう。ゼリービーンズさん、ありがーとゴザイマース。表紙デザインも気に入っています。

おお うらやましいな、べた褒めじゃん

奥田先生お気に入りのゼリービーンズさんのホームページはこちら

ワタクシもめずらしく褒められた感がありますので、いい年を越せそうです

それでは、みなさま良いお年をお迎えください。

文責:奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局

Posted by 事務局 教育学ぶことお知らせ |

2011.12.04

叱りゼロで「自分からやる子」に育てる本、発売間近!!

奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局です。

2011shikarizero_4 奥田健次先生の単著第弾、叱りゼロで「自分からやる子」に育てる本が、まもなく発売されます

帯付きの画像も見つかりました 下に貼っておきます

12月21日、一般書店にて発売予定。大和書房さんから出版されます(目次はこちら)。アマゾンや楽天などで、すでに予約購入の申し込みが開始されています 早めに予約申し込みをされると、思ったよりも早くお手元に届くかもしれませんね

これ、すごい楽しみなんですよね 親としては、ついつい叱ってしまうことってあるんですけど、自己嫌悪ですもん

叱られた子どもも嫌でしょうが、親だって自分が嫌になる

そんな悪循環を、なんとかして断ち切りたい

奥田先生は、物事の悪循環をいつもお見通しで、なおかつそれを断ち切る術を提供して下さるんですよね 子育てのことだけでなく、全部ですから。うまくいかない学校との話し合いとかも、どうしてそんなうまい方法が見つかるのって不思議なくらい なんど助けてもらったことか(感情に走りがちなワタクシはこっぴどく叱られたけど)。子どもには「叱りゼロ」なのに そういえば「親には叱りますよ」って何度も言われていた

奥田先生にしては比較的まじめなコメントをいただきました

この本は面白いと思うよ。パッと見、あんまり硬派な感じにはしてないねんけど、読んでみるといくつか「普通じゃない部分」がありますからね。「え、そんな答えが他にもあるの?」ってな感じやろうね。他にもあるどころか、いくらでもあるねんけどな。だから、本にするってのは、ほとんどを捨て去るわけやから割り切り上手にならんといかん。伝えたいことが1で、捨てるのが9くらいよ。本だけで著者を判断することなど、絶対に出来ないね。それは本を出版してみて初めて実感した事実。

読者も「そんなやり方、うちの子には合わない」とかいう読み方をせずに、「少なくともそういうやり方でうまくいく子がいるって、どういう原理があるのかしら?」と考えていただきたいね。実際、事実しか書かないわけやし。しかも、同様なことは書ききれないほどやってるわけやからね。著者のことを嫌いな人はその著者の本も嫌いで当たり前。坊主憎けりゃ袈裟まで憎い、ですからね。だから、そういうのは気にしません。「子育てプリンシプル」もそうやったけど、専門家の方々からの評価が高いのが有り難かった。

ところで「やり方」について言うと、「オールマイティーな方法なの?」と思い込むのが一般の人の特徴。でも、そんなことが言いたいわけではないんよ。「オールマイティーな方法があるんじゃなくて、全部、子どもに合わせる(だから合うんです)」って発想法なの。これ、行動分析学の基本的発想(帰納法と言います)。他の心理学や世間一般と違うところです。ちょっとコムズカシイことを言いましたが、本の中で専門用語はほとんど使っていません。中学生が読んでも分かる本を目指しました。冬休み用に読んでみて下さい。

Shikarizeroobi めっちゃ楽しみです

下記のリンクから、予約申し込みができます 乞うご期待ですね

文責:奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局

Posted by 事務局 教育社会学ぶことお知らせ |

2011.11.05

【講演会】子育て講演会の情報【またまた名古屋】

奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局です。

2011年12月の講演会のご案内です。先日の500人会場のホールは、大入り満員でございました

さて、今回はまた名古屋で講演会です。今度は、ちゃれんじキッズさんの3周年記念講演会

講演というよりも、独演会のような感じになるのでしょうか やってみないとわからない、まったく新しいタイプのイベントになるようです

ちゃれんじキッズさんのホームページをご覧下さい。また、すぐに満員になるでしょうから、お申し込みはお早めに

それに、奥田健次先生の新著がもうすぐ出ます アマゾンでも、もう予約ができる状態になっていました。ワタクシも、早くもアマゾンさんに予約申し込みをしました

本のタイトルは変更されるんですって。今年の年末年始は、奥田先生の新しい子育て本を片手に、のんびりお正月を過ごそうと思います

ぜひ、みなさまもお楽しみに。タイトルからして楽しみですね

奥田先生からコメントをいただきました。

体調が悪い、ほんまに。まあ、あと少し何とかやるしかねえな。講演はうまくいくか分からへんね。スタッフらとの会話を公開するようなもんやからな。笑点みたいに大喜利やるかもな。もちろん、お客さんがいるんやから意識してセーブするやろうけども。とにかく、紅白歌合戦を見ながら年越しそばを食べて、行く年来る年を見つめてゴワーンと静かに年を越しましょう。

自分の体調のことよりも、バンコクの親子たちが心配。定期的に支援に行っている国の一つやから余計に毎日心配。こないだ講演をやったときには、いつもの町並みやったのに、その数日後にまったく別の景色になってしまった。日本人学校が心配。早く回復しますように、心から祈っています。

バンコクの平穏な日の戻りますことをお祈りいたします。

文責:奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局

Posted by 事務局 教育社会学ぶこと特別支援教育お知らせ |

2011.09.04

【講演会】愛知県自閉症協会支援セミナー【@名古屋】

奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局です。

2011年11月の講演会のご案内です。

愛知県自閉症協会(つぼみの会)さん主催の支援セミナーで、自閉症児の「困った行動」に困らない明るい支援というタイトルが付いております

「困った行動」に困らないとは、奥田先生ならではのタイトルですね

なんと会場は、今回500人規模のホールだそうです。午前の奥田先生の基調講演から夕方のパネルディスカッションまで、盛りだくさんのセミナーです。ワタクシも出席しようかしら・・・

この夏、あちこちを飛び回って足を悪くされた奥田先生にコメントをいただくのは心苦しかったのですが、コメントいただいちゃいました

どでかいホールですな。1,200人規模のホールでやったこともありますが、500人くらいでも、ちょっとしたコンサートライブですよ。今回、自分の講演よりも実は午後のパネルに、県外から特別ゲストパネラーをお招きすることになり、これが何よりワクワク楽しみですよ。愛知県や名古屋の教員や教育行政、福祉職の方々には、ちょっと井戸の外を見てもらうことになるでしょう。化学反応が起きるのを楽しみにしています。久しぶりに、「まぜるな危険」やで。やはり外からの血を入れないとね。中部地区は、悪い意味で「そのまま」なところがありますから。そのままでええのは、相田みつをだけにしておけばええがな。

なんだか、久しぶりに過激で毒々しいディスカッションになりそうなのですね。危険なニオイがしますよ ぜひ、午前中から午後までの全日程にご参加され、お聞き逃しありませぬよう

以下、インフォメーションです。つぼみの会さん、自閉症児のための明るい療育相談室の学苑社さんホームページもご覧下さい。

>>>

愛知県自閉症協会支援セミナー
【自閉症児の「困った行動」に困らない明るい支援】

愛知県自閉症協会では、下記のとおり、支援セミナーを行います。自閉症についてもっと理解したいと思っている保護者の方、幼稚園や保育園、学校の先生、学生の方、福祉サービスに従事している方、企業の方、一般の方などたくさんの方のご参加をお待ちしております。
今回のセミナーでは、国内外で自閉症児の臨床活動をされている奥田健次先生をお招きします。この機会に一人でも多くの方に、奥田先生の療育の極意にふれていただきたいと思います。参加ご希望の方は下記要項をご覧いただきお申し込みください。

日時:平成23年11月3日(祝・木)10:00~15:45(途中昼食休憩)
会場:中区役所ホール(中区栄4-1-18)*地下鉄栄駅下車 栄地下街12番出口より東へ徒歩1分
    *駐車場がございませんので、公共交通機関をご利用ください。
内容:10:00~ 基調講演
       『自閉症児の「困った行動」に困らない明るい支援
          ~家庭・学校・施設における対応のポイント~』
   13:30~ パネルディスカッション
講師:奥田 健次先生(桜花学園大学人文学部准教授)
   *兵庫県西宮市出身。専門行動療法士、学校心理士、臨床心理士。
    1999年、 日本行動療法学会 内山記念賞受賞。
    2003年、日本教育実践学会研究奨励賞受賞。
    2008年、第4回日本行動分析学会学会賞(論文賞)受賞。
    日本国内だけでなく、海外でもご活躍の先生です。
コーディネーター:船橋 篤彦先生(愛知教育大学障害児教育講座准教授)               
パネリスト:奥田健次先生、公立学校教員、愛知県自閉症協会保護者(調整中)
定員:450名(先着順)
資料代:つぼみの会会員1,000円 会員外2,000円 学生1,000円(要学生証提示)
   (当日会場で申受けます)
締切:10月15日(必着)*ただし、定員に達した場合は、締め切り前でも受付終了となります。
共催:あいち発達障害者支援センター、名古屋市発達障害者支援センター りんくす名古屋
【申込方法】
◎会員・会員外とも往復はがきでのお申し込みのみ受付けます。上記の内容をお書きください。
往信はがき=「11月セミナー参加希望」と必ずお書き添えの上、①参加者氏名、②ご住所、③連絡先(自宅、携帯など確実に連絡の取れる番号)、④会員/会員外の区別、⑤保護者/専門職/支援者/学生などお立場をご記入下さい。
返信はがき=表面は返信先の住所、氏名を必ずお書きください。
      裏面は入場券を印刷しますので何も書かないでください。
      入場券は10月15日以降、順次発送いたしますのでご了承ください。
◎なお、お申込はがきはお一人一通有効です。ご家族でお申込の場合でも、お1人ずつお申し込みください。
申込先:愛知県自閉症協会(つぼみの会)「11月セミナー申込係」
    〒460-0013 愛知県名古屋市中区上前津2-14-25 上前津中央マンション202号
問合せ先:TEL/FAX052-323-0298
*事前にお申し込みください。お申し込みなしの当日参加はお受けできかねますのでご協力をお願い致します。
*会場内(ホール・ロビー)は飲食禁止です。休憩の際の昼食については、お手数ですが各自会場外でお摂りいただくようお願い致します。

>>>

文責:奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局

Posted by 事務局 教育学ぶこと特別支援教育お知らせ |

2011.06.26

電子書籍版「子育てプリンシプル」、ボイジャーストアのバナー広告をご覧下さい!!

奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局です。

前回の記事で紹介しました電子書籍版の子育てプリンシプルですが、その後、ボイジャーストアさん(Voyager Store)のトップページに でかでかとバナー広告が掲載されとります

Voyagerokuda_2

こんな画面です どこに子育てプリンシプルのバナーがあるか、分かりましたか? ハーバード大学のマイケル・サンデル教授の下、スタンフォード大学のティナ・シーリグ教授の下ですよ!!(゚ロ゚屮)屮

 

 

ぜひ、みなさまもボイジャーストアさんのサイトをご覧になってください

 

ボイジャーストアのトップページ ← クリックしてみてね

Altbook

 

それと、ボイジャーストアの中のaltbookの中に入ると、子育てプリンシプルのバナーがメインなのでございます でかっ

 

まだまだ電子書籍に慣れるには時間がかかりそうなアナログ人間のワタクシですが、アメリカでは紙の本よりも部数で超えたのだとか

 

可能性は計り知れませんね(≧∇≦)

 

altbookのトップページ ← こちらもクリックしてご確認下さい

 

ご多忙の奥田先生には申し訳なかったのですが、メールでご感想を尋ねてみました。

すまんね、返信が遅くなって。いま睡眠時間が3時間くらいしかない毎日で。 電子書籍は、確かに可能性はあるんやろうね。ワシみたいな芸人が、ハーバードやスタンフォードの先生の広告と並んで出てるなんて、紙の本では考えられんわな。せやけど、日本での電子書籍普及はまだまだやろうな。圧倒的にこのメディア利用人口が少なすぎる。こないだのデンバーに行って驚いたんやけど、たった1年前の渡米時と比べて、会場にワンサとiPadを持ち込んでるアメリカ人がいて。iPhoneなんかは全員が持ってるみたいに見えた。発表を聞きながら、がんがん利用してるねん。アメリカ人全員が機械オタクに見えたくらいよ。iPadとかになると、日本ではまだまだチラチラ見かけるくらい。ひねくれ者のワシは、電子メールとか電話とかも捨てて、伝書鳩にしようかと。『NTT PoPoPo』とか『ドバトバンク』とか設立して、『iPigeon』を売り出してみたい。以上!

おぉ NTTポポポとか、奥田先生がまだブログ書いておられた頃の記事「トイレですること(煙草、マリファナ、携帯電話)」じゃないですか(´,_ゝ`)プッ

デンショバトは困りますが、それはさておき。電子書籍版「子育てプリンシプル」を、ぜひまだ電子書籍を未体験の方もお試し下さいね

文責:奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局

Posted by 事務局 教育社会学ぶことお知らせ |

2011.05.25

【電子書籍版】子育てプリンシプル【本日発売!!】※ランキング1位の追記付き

奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局です。

こりゃ、すごい

ロングセラー中の子育てプリンシプルが、電子書籍として本日、発売開始となりました〜 一ツ橋書店さんのプレスリリースは、こちら

ウワサには聞いておりましたが、身近な本が電子書籍になるなんて、不思議な感じがします

ボイジャーストア(Voyager Store)から購入できます。PCからのサイトはこちら。iPhoneやiPad、iPodなどの場合、Voyager Booksのアプリを無料でダウンロードしてから、子育てプリンシプルを検索してみて下さい

正直、事務局のワタクシ、古いタイプの人間でして、「本はやっぱり紙の本を手にとって読みたいわ」と考えておりました。その感覚的なものは、今も変わったようには思えません

でもですよ。考えようによっちゃあ、電子書籍ならではの利点もあるんですね それは、「いつも持ち歩いてることになる」ってことです あたりまえっちゃあ、あたりまえのことなのですが。たしかに、紙の本から得られる質感は、やはり紙の本からしか得られませんよね しかし、それだけに大切な本を持ち歩いて傷ませたくないし、なにせ重たい

紙の質感はなくても、ちょっと読みたいときに、携帯電話の中にその本が入っているわけですから、荷物の量はまったく増えない。まあ、これほとんど奥田センセの受け売りなのですが iPhoneユーザーとして、ありがたーく電子書籍版「子育てプリンシプル」を購入&インストールさせていただきます

そういうことで、すでに紙の本をお持ちのお方も、ぜひ、スマートフォンやパソコンの中に、電子書籍版「子育てプリンシプル」をご購入いただき、さらに身近な一冊にしていただければと思います 税込みで800円だそうです。

渡米前でお忙しい奥田先生ですが、「電子書籍版の出版に際し、ひとことだけコメントください」と、メールで催促してみました。すると、

21世紀やなぁ

・・・と、これだけでした ほんとにひとことじゃん

紙の本も、引き続きご愛顧のほど、よろしくお願いいたしますm(_ _)m

文責:奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局

2011okuda_rank1_2 ※追記:『奥田健次の教育改革ぶろぐろ部』事務局より(2011年5月26日)

す・す・す、すんごい なんと、電子書籍版「子育てプリンシプル」が、ボイジャーストアのaltbookのランキング1位になっております 発売後、24時間も経たないうちに、たくさんのお買い上げをいただいたようで、ご購入いただいたみなさま、ありがとうございますっ

ワタクシのiPhone、ばっちりインストールできました。やっぱり紙の質感がないので、まだまだ読むには違和感だらけなのですが、「いつでも持ち歩いてる感」がイイ

奥田先生にメールで、「ランキング1位ですよ、赤川次郎の三毛猫の上にございますっ!」と速報してみました。真夜中なのに速攻で返ってきたお返事は、「最大瞬間風速みたいなもんやろ。そんなん言うたら、amazonのときもモー娘。の上にランキングされたこともあるわね。三毛猫をみくびんなよ」とのこと 血液型に結びつけるとまた先生に叱られるでしょうが、B型の先生の扱いはなかなかムズカシイ

とにかく、お買い上げありがとうございます。そして、どうぞ紙の本、電子書籍版のいずれも、末永くよろしくお願いいたします 記念にランク1のを掲げておきます

Posted by 事務局 教育社会学ぶことお知らせ |

2011.04.27

【新刊】行動分析学研究アンソロジー2010【単行本】

奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局です。

久しぶりの更新となります。東日本大震災のこともあって、生活が落ち着かず、記事が滞っておりました。この度の大震災で被災された方々に、心からお見舞い申し上げます。

さて、星和書店さんから行動分析学研究アンソロジー2010が刊行されました

チラシには、下記のように紹介されております。

日本行動分析学会創立30周年を記念して刊行された。

日本行動分析学会の学会誌「行動分析学研究」から

珠玉の論文21編を集め、新たに論文へのコメントを追加した。

行動分析学初学者の「行動分析学的な研究とはどのようなものか」

という問いに具体的に答えるために編纂された一冊である。

テーマは哲学、基礎実験、応用実験、実践と多岐にわたる。

つまり、学会の論文とかは図書館で複写をお願いするとか学会員でなければ、なかなかお目にすることはできないんですけども、こうやって書籍化されると一般の人でも他の本と同じように購入できるというメリットがあるんですね

哲学や基礎実験とか、素人のワタクシにはちょっとコムズカシそうですけども、興味あるところ必要なところを読むだけでも、手元に置いておきたい便利本なのかもしれません

そして、何より。

奥田健次先生の学会賞受賞論文が所収されているのです そういうのもあって、当然「買い」です。サインしてもらおうっと

コメントをいただいております(ちなみに、奥田先生のコメントは大震災前の、この本の発売前のものですので、まだこの本が先生の手元になかった2月中旬頃のコメントです)。

おお、これね。不登校の論文ですわ。その後も同じような子ども達を、わんさと元気にしてるからね。論文については教科書的ですよ。オーソドックスやと思う。どんなコメントが書かれているのかが楽しみです。それにしても、アメリカから戻ってきて誰の紹介もなく行動分析学会の大会に初参加したのが懐かしい。あのとき、自分の論文がこんなふうにアンソロられるなんて想像もせんかった。だから、別にそれを意識したこともなかったので目標にしていたわけでもない。そんなもんです。自分としては、もっとすごくて、もっと面白くて、もっとワクワクするような介入のほうが沢山あって。そっちを論文にできない(または書く時間がない)のが、何とももどかしい。ええよぉー、ほんまに。自分の仕事をこんなに真剣に出来るなんて最高ですわー。

また、先生は照れ隠しみたいな 改めてコメントとかお願いすると、奥田先生ってまず決まってマトモに答えてくれないです。おちょくられるワタクシがいけないのかな。。

しかし、お会いするとどんだけ情熱的なお方か、お会いした方は分かると思いますけどね。不登校のお仕事にしても、いじめの問題への取り組みにしても、何時間もかけて妥協を一切ゆるさない態度は、ブログのコメントでは絶対に伝わらないと思います

事務局のワタクシなんかは、怒濤の如く叱っていただきましたから。怒鳴ったりされないんですが、怒濤ではありますね。親子関係が安定すると途端にお茶目な先生が出てきます

先日、フォトアルバムにチョッパーを追加しましたが、奥田先生に加工後のお写真をお見せしたときにワタクシはまた要らんことを聞いてしまいました。「先生はONE PIECEに出てくるキャラみたいに、強くて、優しくて、明るくて、お茶目で、激しいですね」と何気なく発言したのですが、「ちょい待ち! 『おバカで』が抜けてるやろ! あと『おマヌケで』とか『おムコウミズで』とかも忘れたらいかんぜよ」と返されました

不登校のことについてになると、ついついワタクシ、途方に暮れていた日々に奥田先生に助けていただいた日のことを思い出して、感動やら感謝やら、感慨ひとしおな気持ちになってしまうのでした

ぜひこの珠玉の論文集、他の本とはひと味も違うものですので、ぜひ蔵書の一つに加えてみてはいかがでしょうか。石川健介先生の解説コメントを読みまして、奥田先生がどのような点で細やかな配慮をしておられたのかネタバラシ的なところがあって「ナルホド」と、それも得した気分になりました

文責:奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局

関連記事:

奥田先生、学会賞を受賞!!(事務局からのお知らせ)


Posted by 事務局 教育学ぶこと特別支援教育お知らせ |

2011.02.05

【2/12沖縄で放送】ビーバップ!ハイヒール【QAB琉球朝日放送】

奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局です。

奥田先生ご出演のビーバップ!ハイヒール人はガラッと変わる! 行動のウラに隠された法則が、沖縄でも放送されます

2011/02/12 10:00 〜 2011/02/12 10:55(琉球朝日)

沖縄では約5か月遅れなんですね。しかも、他局ではだいたい深夜帯なのに、沖縄では午前中なんですね

沖縄にお住まいのお方、ぜひご覧下さいね

ちょっと遅くなりましたが、新年の最初のお言葉もコミコミで、奥田健次先生からのコメントを(今回はお電話でインタビューしたことをワタクシがなるべく忠実にまとめました)

先生、ブログ用に新年のご挨拶とかいかがですか

ってゆーか、もう2月になってるやん。集中講義2つとかやってるから、この1か月で1年分の講義をこなしたことになるよ。生きる屍か、おいらは。しゃべりすぎで声が細川たかし、ちゃうわ、氷川きよし、ちゃうわ、五木ひろし、ちゃうわ、森進一ちゃうわ。。。いや、森進一でええんや! そう、森進一のようなボイスになってますよ。「おふくろさん」って学生の耳元でささやいたろか。似てて怖いやろうな。おふくろさーん♪

そっちですか 似てるどうこうじゃなくて女子大生が耳元でささやかれるほうが怖いじゃないですか で、沖縄でのビーバップハイヒールのコメントをお願いしますm(_ _)m

え? ビーバップ!? その日、ちょうど沖縄入りしてるわ。なんちゅう偶然? みんなで見てね〜ってな感じやね。ムーチー食べながら見てね〜って。巨人と楽天のキャンプとオープン戦を現地リポートしに行くねん。

まじっすか

そういえばこないだは羽田から那覇、隣の席がトルシエ監督やったこと、言ったっけ??

ええっ!!(゚ロ゚屮)屮 聞いてないですよ、すごいですね どんな方でしたか(゚▽゚*)

フォーメーションとしては、2−2−2−2−・・・みたいな座席の配置やったな。

いや、客室の座席をサッカーのフォーメーションとかに見立てないで下さい トルシエ監督はどんなお人でしたか

フランス人やからってフランスパンをいつも持ってるとは限らんぞっ! ( ´_ゝ`)ノボンジュール

いやいや、誰もそんなこと聞いてませんですよ( ̄Д ̄;;

手がデカかったのが印象に残ってるな。さすがスポーツ選手って感じ。

サッカーですってば(#`Д´)

いやこれはまじで足については革靴を履いていたから分からへんやん。2コイチの座席やからお互いの手と手がつながるくらいの近さですよ。下手するとメルヘンですよ。二人の距離は近すぎた。だから、でっかい手やなあ、ビンタとかされたくないなあ、ビンタされたらレッドカード出したらないかんなあ、飛行機から退場ってパラシュートなんかなあ、という印象しか残ってへんねんって。

・・・もうトルシエ話は結構ですからε-( ̄ヘ ̄)┌

ああ、すまん、すまん。トルシエ話じゃなくてザッケローニ話のほうね。すごかったな、アジアカップ。おれは全試合、最後まで見てたぞ。ドルガバの他にザッケローニ監督も好きになってしまったやんか。インテルも。そもそもイタリア人の気質というのは本来・・・

・・・先生、サッカー日本代表の新旧監督の話じゃなくって(;;;´Д`)ゝ ビーバップのことをお話し下さいよぉo(_ _)oペコッ

なんや、そっちね。さっき「サッカーですってば」とか言うから。なんやったっけ。あ、今度「メリットの法則」をちゃんと本に書いて出します。ちゃんと行動分析学の本ですよ。そっちのほうもお楽しみに。活字でどれだけボケられるかが勝負や。しかし、活字ではツッコミが常に自分ばかりやから難しいんよ。一人ボケで一人ツッコミのオンパレードになると1回くらいはええねんけど、やりすぎるとシベリアっぽくなる。それだけは何としても避けなければいかん。まじめに書かねばなるまい。

何の心配をされてるんですか\(;゚∇゚)/

わざと「めんどくさい行動」を付加するっての、沖縄の人たちってどうなんやろうかな。誰にしても苦手なんやけど、地域性とかあるかどうか。沖縄の地域性といえば高校野球のイメージが強いけどもサッカーが結構人気で・・・

またサッカーに持って行くんかいっ o(#゚Д゚)_‐=o)`Д゚)・;

こんなやりとりでした すんません、ほとんどサッカー話で

気を取り直して、それでは沖縄の方々は放送をお楽しみにして下さい。奥田先生が放送当日、沖縄入りされてるんですって。そして、メリットの法則の教科書は、本当に楽しみにしてます

※追記

奥田先生から「すまん、自分の予定なんかどうでもええねんけど、認識が1週間ずれとった。スケジュール的にバタバタしていてね。勘違いしてた。実際、巨人−楽天オープン戦はもう1週後やった。自分が沖縄入りするのは、放送1週間後」とのメールをいただきました。沖縄での放送日は、お知らせした通り2月12日でございます 新聞やテレビ番組ガイドなどでご確認下さい。

文責:奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局

前回までの関連記事:

【本日10/16放送】ビーバップ!ハイヒール【山形テレビ】

【本日オンエア】ビーバップ!ハイヒール【名古屋中京広域圏】

【本日9/9放送】ビーバップ!ハイヒール【行動分析学】

【テレビ出演】ビーバップ!ハイヒール【行動分析学】

Posted by 事務局 スポーツ教育学ぶこと脱力系健康・美容お知らせ |

2010.12.20

【講演会】児童・思春期の問題行動への行動分析学によるアプローチ【@京都】

奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局です。

2011年2月の講演会のご案内です。京都認知行動療法カウンセリングルームさん主催の、第10回京都行動療法研修会

奥田先生のご講演テーマは、

児童・思春期の問題行動への行動分析学によるアプローチ

主に、不登校へのアセスメントや介入についてのお話が中心になるようです

奥田先生からのコメントです

京どす。京どすえ。関心おありのお方はどうぞお越しやす。京の都までお上りやす。いつもの不登校についての話をするんどすが、3時間もあるどすさかいに、事例についてもあれこれ紹介するつもりどす。。。あかん、なんちゃって京都弁、むずかし杉る。はんなりにもほどがあるわ。  京都はええとこやで、ほんまに。もちろん、日本一すきな場所やな。2年ぶりやね、京都での講演は。絶対に「ブランド京野菜」をおすすめしますよ。岩倉具視も食べたはずやし、吉良上野介に仇討ちする前に山科に隠棲していた大石内蔵助も食べたはずや。もちろん坂本龍馬も。とにかく、京都いうだけで野菜にしてもお水にしても、歴史を感じられるからな。テンション上がるわー。なんで小中学生の頃とか、歴史が嫌いやったんやろうなー。面白くなかったもんなー、授業が。弥生時代あたりで嫌になったわぁ。ってことで、やっぱり授業は教え方やって。そう自分にプレッシャーをかけとくことにするお茶目な自分。しょうがないやん、人間だもの。

相田みつを いくらテンション上がったからって、話が広がり杉

ぜひ、事前学習をしておきたいというお方には、下記の論文をお薦めしておきます。図書館などで複写依頼して下さいね。「行動分析学研究」のは、学会賞受賞論文です

 奥田健次(2007)不登校の行動論的予防に向けての挑戦的提案(1).子どもの健康科学, 7(2), 3-11.
 奥田健次(2008)不登校の行動論的予防に向けての挑戦的提案(2). 子どもの健康科学, 8(2), 3-8.
 奥田健次(2005)不登校を示した高機能広汎性発達障害児への登校支援のための行動コンサルテーションの効果−トークン・エコノミー法と強化基準変更法を使った登校支援プログラム−.行動分析学研究, 20(1), 2-12.

少ない定員ですので、お申し込みはお早めに こちらからご案内をご覧下さい。

文責:奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局

Posted by 事務局 教育社会学ぶことお知らせ |

2010.12.02

【特別講義】いじめの防止と再登校支援【@法政大学】

奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局です。

あっという間に12月

みなさま、いかがお過ごしでしょうか

すでに、島宗先生のブログでご紹介されておりますが、今年もまた法政大学で奥田先生の特別講義が開催されることになりました(奥田先生は法政大学大学院の講師でもあります)。一般の方も参加できるそうですので、ご関心のある方はぜひこの機会にどうぞ

奥田先生のコメント:

さむい。しぶくて熱い煎茶を飲みながら柿の種を食べたい。ピーナッツは捨てるけども。特別講義はこれ、急遽、決まりました。法政大は非常勤やら客員研究員やらで関わらせていただいとりますから、こんな離れ業っぽく急に特別講義というのもありえるんです。不登校の話で、いつもと同じ講義ですけれども、2回3回と聞いてもらって良いんじゃないかと。世の中で言われてることとあまりにかけ離れてることを言ってるんやから、しっかり問題解決につながる考え方に巻き戻していただかないとね。簡単よ。簡単にほんまに良くなるのにね。それを、受講者に実感していただくことが第一です。自分は理念ばかりの教育学者と違うので、講義や講演だけやってるわけじゃないやんか。今日も不登校の子どもの相談してきたところ。前回の1回の親面接だけで、元気に学校に行ってますって(当たり前すぎて自慢にもならんけど、両親とも感激されてるのがうれしいね)。それよりも、ぽかぽか温かい縁側でお茶をゆっくり飲みながら柿の種を食べたい。ピーナッツ抜きで!

コメント、ありがとうございました

そんなわけで、みなさんもぜひ柿ピーをお食べ、じゃなかった 法政大にお越し下さいね

そして、律儀なお方にはぜひともあらかじめ子育てプリンシプルと、前回記事児童心理の奥田先生の担当箇所「初期の登校しぶりへの介入」を、特別講義前に読んでおいていただければと思います

文責:奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局

Posted by 事務局 教育社会学ぶこと特別支援教育お知らせ |

2010.11.18

【新刊】児童心理 2010年12月号 臨時増刊【行動療法】

奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局です。

おなじみ金子書房さんの雑誌です。ちょうど1年前の臨時増刊にも登場されていましたね

特集のテーマは子どもの認知行動療法入門です

事務局のワタクシはさっそく書店にて購入し、読ませていただきました。奥田先生の担当箇所は、初期の登校しぶりへの介入です。内容は、出だしからいきなり毒舌という感じでした、今回は

その他、奥田先生の「子育てプリンシプル」と「自閉症児のための明るい療育相談室──親と教師のための楽しいABA講座」の書評も掲載されていました

奥田先生ご自身は、杉山尚子先生の「行動分析学入門─ヒトの行動の思いがけない理由」の書評を書いておられましたこちらはこちらでまた過激。確かに「そういうお方には、この入門書を読んでからにしなよ」って思いました

奥田先生からのコメントです。

え、もう読んだの? こちとら、まだ手元にないんやで。多分、研究室には届いていると思うけどね。今回は代打やってん。本来、他の人が書くところを、締め切りちょっと前になって辞退されたとかで、急遽ワシのところに回ってきた話。あてにされているみたいで、あてにされていなかったのか。なめられてんのか、イチモク置かれてるのか。まあ、「急に書いてくれ」って言われて書けるもんでもないから、イチモク置かれてるのかもしれんね。いや、やっぱりなめられてんのか。この辺のことを、編者の先生に率直に愚痴ってみたら、自分がどれだけ不登校とかなおしてるか他の先生らとの違いを、お世辞でも切々と言われるので、引くに引けなくなってしまったのね。悪態をついたのに、編者の先生は気分を害されるどころか、むしろ「4番でエース」とまで言われたのでね(単純やな、自分;苦笑)。編者の先生の勝ちです。そんなこんなで、編者の先生の許可を得て、のっけから「認知行動療法」への批判から書き始めています。一緒にしてくれるなと。何が「認知」やねん。自分は流行なんかに乗らへんよ。いつも言ってるけど、自然法則それ自体に流行りなんかあらへん。流行り廃りは「理論」や「モデル」などに見られることであって、自然法則に廃りがあるのなら、それは法則ではなかったっちゅうこと。

すんごい裏話のような気もするのですが、ブログに載せても大丈夫ですかと確認しましたが、「もちろんええよ、ほんまの話やもん」とのことでした

ぜひ読みやすいので、お読み下さい。事務局のワタクシも、奥田健次先生の行動療法によって息子を再登校まで導いていただいた一人です。当時、親としての初期対応がことごとく間違っていたなぁ、家で過ごさせることのメリットばかり得させることになってしまっていたなぁと、今では実感できるわけですが、根気強くその間違いを一つ一つ正していただきました。その振り返りができました。保護者、教師、心理士、その他の多くの専門家にお読みいただきたいと思います。

文責:奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局

Posted by 事務局 教育特別支援教育お知らせ |

2010.10.23

【鼎談掲載】こどもがまんなかフォーラム2010【こどもマガジン】

奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局です。

全日本私立幼稚園連合会、(財)全日本私立幼稚園幼児教育研究機構、全日本私立幼稚園PTA連合会の三者共同プロジェクト、こどもがまんなかPROJECTというものがございます。

このプロジェクトの全国大会、こどもがまんなかフォーラム2010が渋谷C.C.Lemonホール(渋谷公会堂)にて開催されます。2010年11月17日(水)です。

この大会に奥田健次先生が登場されます

登場されます...と申し上げましたが、奥田先生ご本人は会場には来られません。この会場に来られた参加者のみなさまに配布される『こどもがまんなかマガジン』に、カラー7ページで鼎談に出席した一人として登場するということです 全国から集まって大入り満員になるようですが、このマガジン自体は「全国約8000園の私立幼稚園すべてに発送」されるんだそうです。

奥田先生にお言葉をいただきました

企画担当者から「子育てプリンシプル」の著者としてスポットを当てますんで、どうしても登場していただきたいと依頼されたんですわ。えっ、じゃあ「こどもがまんなか」やなくて、「おれさまがまんなか」でええんですか? ほんまにええんですね。ってな具合でお引き受けした次第。まあ、鼎談やってみるとそれほどまんなかやなかったよ。せめて、髪型だけでもぴったりセンター分けで抵抗したかったんやけどなあ。手に入る人はこのマガジン読んでみて下さい。ご一緒した先生の「普通の子に...」というご発言に、「普通」って何のことやら自分には分かりません、と。自分は「みんなとはちがった人たち」をウリにしてるし。「普通」という観念は、自分の中では「各駅停車のことでしょ、阪急電車で言うところの」くらいの位置付けに過ぎません。それから、企画者側にちょっとした警鐘も。「こどもがまんなか」というキャッチフレーズを、親が「わがこがまんなか」と思い込んだらえらいこっちゃ、と。無人島に一人だけならありえるかもしれんが、複数の子どもがいたら誰かが「はしっこ」に押しやられるんやから、ぶつかりあいですがな。だから子育てには調整がいるってわけ。「はしっこ」の素敵さや住みやすさも教えてあげないとね。「はしっこ」も「まんなか」だよって。そんな話もしました。それから、年に1回の運動会とかに来てくれるパパよりも、そのたった1回の運動会に来られなかったパパが勝る場合もあるということも話しました。運動会に来てくれなかったパパが勝る場合なんてあるのか、と思われるかもしれませんね。それがあるんです。鼎談をお読みいただければ具体的な例を紹介しているので、きっと「なるほど確かに」と思っていただけるでしょう。

運動会に来てくれなかったパパが勝る場合

どんなケースなんだろ 早く回答を知りたいです

非売品のマガジンなので、とても貴重なものですね なんとかして手に入れよっと

参加できそうな方はぜひ当日、会場でゲットして下さいね

文責:奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局

Posted by 事務局 教育社会学ぶことお知らせ |

2010.10.15

【本日10/16放送】ビーバップ!ハイヒール【山形テレビ】

奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局です。

奥田健次先生が登場されるビーバップ!ハイヒール、「人はガラッと変わる! 行動のウラに隠された法則」。山形テレビで放送されます

2010/10/16 24:30 ~ 2010/10/17 1:25

上記の時間のようです。該当する地域の方はご自身で番組表をお確かめ下さいね

さて、先日の神戸親和女子大で開かれた行動分析学会大会に出席して来られた奥田先生。どうでしたか?とメールで聞きましたところ、

>おう。タクシーで入ろうとしたら門番に入り口で降りるように言われたわ。そこをなんとか坂の上までプリーズとお願いしてみたが、みなさまここで降りていただいてますからと。なかなかキチンとした門番で、お寺の仁王をホーフツさせたわ

 ちがーう

そうじゃなくって、ちょうどビーバップ放送1か月後で、しかも行動分析学会で、しかも関西だからどうだったんですかって聞きたかったんですよ 再度メールをしてみましたら、先ほどいただきましたお返事

そりゃ、いろんな人に質問されたよ。放送内容についての学術的質問からミーハー的質問、写真撮影やら、しぇいくはんどやら。理事会でツルシアゲにされるとかあるんかなと思っていたけど、今の理事会の先生方はユーモアセンスあふれる方ばかり。理事会とか以外でも、番組でしゃべったことの補足説明やカットされた部分などを聞いた若い衆らは、事前に杉山尚子先生の新書や、子育てプリンシプルなどを読んで取材し構成したディレクターさんや放送作家さんも本当にすごいと。まったくその闘莉王、ちゃう。そのトゥーリオ、ちゃう。その通りよ、うん。あと、有料サイトの動画にアップされてるけど、とある話しの流れから自分がアドリブで「デメリット」の解説をすることになったんやけど。台本では「メリットの法則」だけで進行する予定だったのが、うまいことデメリットの話にも展開できたのは儲けもん。しかも、小杉さんが「電気ショック」を提案して、凡人チームが3人そろって吉田さんをビリビリ攻撃。吉田さんが「え、そんな○○○的な罰?」と、芸人さんが「電気ショック」とか「罰」という専門用語を並べてくれた。自分は立場上、こんな罰の話はしたらいかんでしょ。人相手に使わへんしさ。芸人さんたちやから、そんな話をしてくれて良かったんよ。だからあの展開はベストやね。お世辞抜きに、頭の良い人たちやわー、ほんまに。

ほんと、そう思います それをアドリブでうまく引き出した奥田先生もグッジョブ

ビーバップ!ハイヒールの携帯サイトの動画は6か月ほどで見られなくなるようです。ぜひ、そのブラマヨ吉田さんの「○○○的な罰?」というご発言をご覧になって、吉田さんの言葉のチョイスのすばらしさを今のうちに堪能して下さいね あと、隠れた名場面は何と言ってもたむらけんじさんの「情けない表情」です 奥田先生がちゃんとたむけんさんに「申し訳ないんですけど」と前置きしてから、行動を見りゃわかる事実をキッパリ伝えているときに、それを聞いておられる表情が愛らしくてたまりませんでした 小杉さんもわざとたむけんさんの情けなさを際だたせようと奥田先生の解説を繰り返し強調して言語化しておられてヒドイ たむけんさん、ほとんど半泣きじゃないですか たむけんさんは獅子舞キャラよりも、あんな情けないキャラが大好きです ぜひ、有料ですが動画サイトをご覧くださいね

ビーバップ!ハイヒールのPCサイトは、こちら

奥田先生の登場回のバックナンバーページは、こちら。人はガラッと変わる! 行動のウラに隠された法則

放送作家りんたろうさんの記事は、こちら。人や自分を思い通りにできる~行動分析学~

あと、ワタクシも番組で紹介された筒井先生の裏辞典を購入しました。抱腹絶倒というか、見ちゃいけないものを見てしまった感じでした

文責:奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局

前回までの関連記事:

【本日オンエア】ビーバップ!ハイヒール【名古屋中京広域圏】

【本日9/9放送】ビーバップ!ハイヒール【行動分析学】

【テレビ出演】ビーバップ!ハイヒール【行動分析学】

Posted by 事務局 教育学ぶこと特別支援教育健康・美容お知らせ |

2010.09.23

【本日オンエア】ビーバップ!ハイヒール【名古屋中京広域圏】

奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局です。

先日、ようやく事務局のワタクシも9月9日に近畿圏で放送(ビーバップ!ハイヒール)されたテープを見ることができました

面白い

わかりやすい

奥田先生はいつものボケをかましておられました しつこく長いノリにはしっかりとツッコミを入れてもらっていましたね プロのツッコミに心底よろこんでいる奥田先生の笑顔が印象的でした

ちなみに、なんと視聴率13.5%

これは夜11時台では、かなり脅威的な数字だそうです 確かにこの回の内容はローカル番組ならではというより、あきらかに全国区的な内容ですもんね。ツイッターやブログなどでも大反響でしたね

さて、この放送が名古屋はじめ中京広域圏で、本日9月23日(木)24時20分から放送されます(日付は24日ですが、23日の深夜ということです)。メ〜テレです。名古屋は先生のお膝元。そして、この日はちょうど栄で講演会ですね。講演会の後、名古屋におられる方はそのまま夜遅くから放送されるので、ご覧になって下さいね (補足:岡山・香川地区も本日深夜、放送されるようです。それぞれ放送時間をご確認下さい)

奥田先生からコメントをいただきました。

自分は9月9日には見られへんかったんです。あっちこっちお仕事ツアーやったからね。テレビ局から滞在先まで送ってもらったDVDで、遅ればせながら見ましたわ。普段、一人ボケをやってるからどうしてもノリが長くなってしまってる。そこはリンゴねえさんにバッチリしばいてもらえたので感謝(笑)。途中、自分のボケをブラマヨ小杉さんが乗ってくれて吉田さんがツッコミを入れつつ、そのツッコミがズレてきて(笑)、逆に小杉さんに激しくツッコミ返されるという展開になるとは(感激でした)。とにかく、あれ、まったく打ち合わせゼロです。ほんまにプロってすごいわ。質問コーナーも打ち合わせする暇が無かったんです。だからアドリブで回答してます。吉田さんの切実な相談を5秒で回答してしまって、ちょっと悪かったかもしれん(笑)。たむけんさん、夏川純さんへの回答は、かなり真面目な内容なのですが、それらはモバイルサイトでペイパービューです(1回視聴するのに30円くらい)。ペイパービューって、林家ペーパー夫妻を見ることちゃうで。

やはり学術的な説明は全部カットされてました。やや認知っぽい説明をしてしまっている部分がオンエアされてますが、そこも収録では「新しい随伴性にさらされることになる」という意味の説明をしているのです。それでも、収録ですら「随伴性」とかの専門用語は、口にさえ出せる雰囲気ではありませんでした。しかしまあ、文句を言いそうなのは意地悪な同業者だけでしょう。やってる自分は分かってるし、使い分けてるんやからええねん。使い分けられへんほうが、どうかしてるゼ(笑)。情報バラエティー番組やで。放送大学とちゃうねんって。

それにしても「メリットの法則」という一般向けネーミング。放送後にいろいろ反響があったようですが、これは行動分析学では「強化の原理」と言います。もっときちんと学びたいと思ったお方は、わが国の行動分析学の第一人者、杉山尚子先生の教科書をぜひお読み下さい。正しい用語で、なおかつ分かりやすく解説されており、今回の放送をご覧になった方には特別に理解が深められるはずでしょう。

それにしても、打ち合わせゼロであれだけ堂々と芸人さんらと渡り合える奥田先生って、やっぱり話し慣れしておられるから それとも関西人だからかしら

事務局のワタクシのお気に入りシーンは、

1位 究極のダイエット

2位 先祖が海賊

3位 吉田さんへの5秒回答

モバイルサイトのほうは、

1位 たむけんさんへの回答に、小杉さん「メリットが小盛り」と

2位 夏川純さん母にさらっと「チーム牛若」入りを勧める奥田先生

3位 吉田さんへのデメリット提案に対する吉田さんのコメント

これらが何度みても笑えるポイントです

では、本編のほう、名古屋地区の方、お楽しみ下さいね

文責:奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局

前回までの関連記事:

【本日9/9放送】ビーバップ!ハイヒール【行動分析学】

【テレビ出演】ビーバップ!ハイヒール【行動分析学】

Posted by 事務局 教育学ぶこと特別支援教育健康・美容お知らせ |

2010.09.09

【本日9/9放送】ビーバップ!ハイヒール【行動分析学】

奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局です。

今日9月9日は、ビーバップ!ハイヒールの放送日です。先日のお知らせの追加情報です。

番組サイトからの情報です。

人はガラッと変わる! 行動のウラに隠された法則

■番組内容
「ニワトリが三目ならべで人間に勝つ!」「ハトが上手にピンポンをする」「インコがくちばしでゴルフのパットを決める」・・・。動物達に芸を仕込むのは大変な感じがするが、実はさほど大変ではない。動物には、いつでもどんな動物でも共通(人間も含めて!)の、行動に関するとある『法則』があり、それを上手に使えば、たった数時間でこれらのことを教えることができるのだ! では、その法則とは一体どんな法則なのか? (以下、省略)

面白そう つづきは、番組サイトの「モバイル」のほうからご覧ください。ビーバップ!ハイヒール

他にも、インターネットTVガイドさん。

番組詳細
ゲストに桜花学園大学准教授の奥田健次さんを迎え、行動の裏に隠された法則を紹介する。多くの人は、自分の欲求や意思で行動していると考えるが、行動の原因は全く別のところにあるという。そこには共通の法則があり、それを応用すれば、やめたいと思っている癖なども解決できるという。そこで、人の行動を変えることができる法則の正体を解明。さらに、ダイエットに成功する方法も伝授する。「ハテナの自由研究」は、たむらけんじの新企画”適正価格HOWマッチ?”をおくる。

この「人は、自分の欲求や意思で行動していると思い込んでいるけども、行動の原因はまったく別のところにある」という出だしだけでも、えーーーって思いますね でもそれが行動分析学、というところでしょうか。

奥田先生から放送直前にもうひと声、メールいただきました。

番組のディレクターさんや放送作家さんが杉山尚子先生の入門書とかを事前によく読んでいて下さったので、すごいな業界の人たちはと感心しました。たとえば、事例の再現VTR。行動分析学入門などでも紹介されている事例をもとに構成されています。ひとつ目の「便秘」の事例。これはまあ収録では「便秘を治す」ということで子ども限定でしょという雰囲気になってしまったところもありますが、本当は「トイレを嫌がる(結果として便秘を引き起こす)」のをどうやってトイレに楽しく行けるようにするかを主眼としたものです。収録ではうまく伝わらなかったと思います。 ふたつ目の「嘔吐を繰り返す子」の事例。これは、制作の段階では「消去」の介入の紹介だけでした。ここは、自分が少し念を押して台本を書き直してもらいました。「消去」だけでなく「消去抵抗」に関する説明、そして重要なことは同時に「別の適切な行動」を増やすことを目指すことです。これがなければ、かなり厳しい印象だけ与えてしまって、一般の人にはとても受け入れられない支援と思われますから。自分のやってる臨床では実際に「適切な行動を増やす支援」を必ず提供しています。 VTR撮りまで監修していませんが、かなり良い感じに仕上がってました。苦しんでいた女の子が元気になったシーンを、出演者は収録で初めて見て、再現VTRとはいえ、みんな「治ってよかったなぁー」と感動してました。

ますます楽しみになってきました

奥田先生のコメントつづきです。

それから、後半に「何とかしたい!こんな困った人の行動」という質問コーナーがあります。打ち合わせもなしに台本もなしにアドリブで答えさせていただきました。そもそも、行動分析学の立場からは「困った人」という考え方はありません。「人を困らせる行動」はあるでしょう。このコーナーは、そういう自分の行動分析家としてのこだわり部分が出て、番組制作側の意図や期待には添えなかったかもしれません。実際、ブラマヨの小杉さん、吉田さんが出してきた質問に対する自分の回答は、いずれも「その行動を変える必要はありませんよ」というものだったと思います。しばしば行動分析学は「何が何でも人の行動を変容しようとしている」と誤解されます。人間が豊かな生活を送る上で、価値のある行動(他人から見ると価値のないように見える行動も)もあるし、価値(好子や嫌子)は人それぞれだからです。詳しい説明は収録では専門的すぎるので、あんまりできませんでした。あとは、夏川純さんの質問に対する回答が、行動分析的にはもっとも役立つものだと思います。専門用語でいえば「両立できない行動の分化強化」です。教科書的です。しかし、もしかしたらこれカットされているみたい(涙)。なんでカットされたんやろ。ブラマヨ吉田さんがセクハラ発言したからかなぁ。いや、そこではしてなかったか。いやいや、吉田さんの目がセクハラっぽかったからか。せや、その可能性をぬぐい去ることはできへん(笑)。とにかく、番組では「循環論」の「じゅ」も、「強化」の「きょ」も、「好子」の「こ」も、随伴性の「ず」も使わせてもらえませんでしたので、少しやりにくかったです。逆に、制作側の意図としてはそういう専門用語を徹底的に排除して、いかに分かりやすく伝えるかを主眼としていたでしょうから、そこは制作サイドの意図通りにはなってるのでしょうね。その他ですが、予期せぬ「すべり」が起きたんです。講演ですべったことがないネタがなぜ!? まあ、事前の打ち合わせがゼロで、しかも真面目なトーンでみんな真面目に聞いてくれているときにボケかました自分が悪いんですけども。いや。すべってません。わざと起こした事故や。すべってなんかーーー、い・ま・せ・んーーー。

奥田先生がすべった 貴重な映像になりそうです

番宣CMのVTR、見る限り本当に盛り上がってますね

20100909bansen

行動分析学がテレビで紹介されること自体があまりありませんので、ぜひみなさまご覧になってくださいね 今日9月9日、よる11時17分からです。

文責:奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局

前の記事:【テレビ出演】ビーバップ!ハイヒール【行動分析学】

Posted by 事務局 教育学ぶこと特別支援教育健康・美容お知らせ |

2010.07.11

【講演会】名古屋栄で講演会!!【子育て】

奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局です。

9月の講演会のご案内です。奥田先生のお膝元・名古屋にて、ちゃれんじキッズ主催、特別講演会です

子育てプリンシプルが教育や心理臨床の専門家にも読まれており、支援の方向付けに役立てられているとのことです

名古屋は栄のど真ん中とても便利な都会ですので、観光もご計画に入れてお越しになってみてはいかがでしょう

詳しくは、ちゃれんじキッズのページをご覧ください

ちゃれんじキッズ 講演会のお知らせ

文責:奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局

Posted by 事務局 教育学ぶこと特別支援教育お知らせ |

2010.06.17

【関東地区】講演会のお知らせ

奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局です。

講演会のご案内です。松戸市の小金北中学区教育コミュニティ会議主催、講演会です

子育てのプリンシプルを必要としている教職員、保護者など、自由に参加ができるとのことです。あらかじめ子育てプリンシプルを読んでおかれると、理解をより深めることでしょう

ご案内は下をクリックして下さい。ファイルがダウンロードされます。

「子育てプリンシプル講演会」をダウンロード

奥田先生に伺ったところ、「不登校への対応を中心に話す予定です。いじめへの対処も少しだけ話すかも知れないけども、なにせ時間が限られているので、本当に伝えたいことを絞り込んで話します」とのことでした

「りす組さん」「らいおん組さん」(←子育てプリンシプルをお読みの方は分かりますよね)くらい年齢の小さいお子さんをお持ちのお母様方に、あるいは祖父母の皆様方に、ぜひとも先生のお話を役立てていただきたいと思います

文責:奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局

Posted by 事務局 いじめ・ハラスメント教育社会学ぶこと特別支援教育お知らせ |

2010.03.22

小児科診療 2010年73巻4号

奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局です。

先生の論文が公刊されました

2010syounika

診断と治療社さんが出しておられる、小児科診療という雑誌です

この号の特集ですが、特集/発達障害の未来を変える -小児科医に必要なスキル

というものです

奥田先生は、行動療法の箇所を担当されています。一般の方もご購入できますので、このテーマについて最新の情報を知りたい方はどうぞご購入下さい。

ワタクシはさっそく入手し、読ませていただきました こうした知見を、小児科医が幅広く知っておられるだけでも、親として安心かなーと思いました。行動療法が誤解されている部分は奥田先生も十分に承知の上で、先回りして誤解を解くような論述をされているところが印象的です。その他としては、巻末の執筆者紹介のところの先生の写真とコメントときたら・・・

奥田先生からコメントをいただきました。

小児科医には情熱的な方が多いですからね。本当は「行動療法」について解説して下さいと依頼されたときには、「なんで自分が?」と思ったもんですし、別に何か新しい発見を書くわけでもない。提言をするわけでもない。まったくロマンを感じない仕事やと思って、キッパリ断ろうと思ってたんです。でも、「行動療法をまだ良く理解していない小児科医や、誤解している医者に少しでも正しい知識を」ということで、押し切られました。確かにそれならちょっとはロマンもあるってなもんやと。そんなにロマンが大切かって? ロマンとパッションとユーモアは大切ぜよ。この3つが見事1つに揃ったってことや。うん。まさに、臨床家のモチベーションの宝石箱や〜。

最近、彦摩呂コメント増加中の奥田先生 ロマン、ロマンって言われますが、とにかく巻末のコメントが。違うでしょって。。。

そのボケ、誰も突っ込んでくれないと思いますよ

アマゾンではリンクがないので、とりあえず出版社のサイトをリンクしておきますね。専門家だけでなく、心理士の方、親御さんや院生さんにも、かなりお薦めです

小児科医療 2010年 73巻 4号(2010年3月発売)

文責:奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局

Posted by 事務局 教育学ぶこと特別支援教育お知らせ |

2010.03.05

講演会のご案内【追記付き】

奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局です。

講演会のご案内です。名古屋市発達障害者支援センター「りんくす名古屋」主催、講演会です。タイトルは、

自閉症児のための明るい療育―子どもの「好き」を利用して伸ばす支援の基礎―

講演会への参加はなんと無料とのことですので、ふるってご参加下さい。

限定ですが奥田先生のサイン会もあるとのことです

事前予約ができませんので、当日、整理券が配られるそうです

良い席はお早めに

講演会のサイトは、こちらから

先生からようやくコメント、頂きました。

整理券って、コンサートじゃあるまいし。てゆーか、平日のそんな時間でしかも急遽依頼されてセットされた講演会やから、今回は3分の1くらいしか埋まらないんちゃうかなー。って言ってて入れなかったりする人がいたらゴメンネごめんね。半年前から広報してたら全然席が足らんでしょうが、1か月弱じゃそんなに埋まりませんよ。でも、名古屋は人が多いからワカラン。養殖ウナギも多いからワカラン。何を言っているのか自分でもワカラン。

ウナギは関係ないと思うのですが・・・

文責:奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局

 

※追記:『奥田健次の教育改革ぶろぐろ部』事務局より(2010年3月19日)

短い広報機関だったにもかかわらず、大盛況だったようです。サイン会も、こんなに盛り上がりました

行列のできる講演会ですね

Atsuta201003a  奥田先生ご本人は「サインなんか無いんですよ、ごめんなさいねぇ、ありがとうございます!」と繰り返し繰り返し一人一人に声をかけられ・・・。サインをもらったある女性の方は丁寧な先生の応対をご覧になって、「舞台の上のお姿とは、全然ちがうんですね〜と感想を漏らしておられました スタッフには鬼のように厳しく、舞台の上では仕事オーラが出まくりーんの先生ですからね

Atsuta201003c 別の角度

Posted by 事務局 教育学ぶこと特別支援教育お知らせ |

2009.12.26

Cheers! Kids 2010冬号

奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局です。

さて、今月に入って3つめの奥田先生、雑誌登場です

あんふぁん巻頭特集プレジデントファミリー特集、そしてCheers! Kids(ちぁ〜ずキッズ) 2010冬号

こちらの子育て雑誌は地方情報誌でもありますので、岡山県内の書店でしか購入できません。でも、編集室に申し込んでいただければ県外の方でも送料込みで送っていただけるそうです。詳しくはちぁ〜ずキッズ岡山編集室のサイトをご覧ください。

事務局のワタクシはこの巻頭特集全体に感銘を受けました。パパ力(ぢから)を見直すことを通して、ママ力(ぢから)も振り返ることができたり。反省したり感謝したり。奥田先生の協力ページだけでも5ページにわたっていて、かなり中身の濃い〜特集でした。Q&Aもありますよ。全体的には、奥田先生の『子育てプリンシプル』からのメッセージでもあり力強さを感じます

奥田先生からいただいたコメントです。

こちらもインタビュー取材によるものですから、自分がテキストを書いたわけではありませんよ。でも、テキストの完成度は高いと思います。編集室の方々の意識の高さがすごいということでしょう。編集者の方々は、毎号、あちこちの専門家や実践家とお会いして話を聞いているわけです。だから、耳や目が肥えているはずなのです。机上の空論を語るだけの人ならば底の浅さがバレてしまうかもしれません。自分は実践をやってて良かった。今なお支援をし続けていて本当に良かった。改めてそう実感させられました。いつでも十分ではないかもしれませんが、支援を受け続けておられる親子に、感謝の気持ちでいっぱいです。

ありがとうございます

なかなか入手しにくい雑誌でしょうから、少しだけページの画像を紹介しますね。Okuda2009cheers

では、ご注文の方はちぁ〜ずキッズ岡山編集室のサイトからお願いします。子育てプリンシプルもぜひご一読下さい。

文責:奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局


Posted by 事務局 教育社会学ぶことお知らせ |

2009.12.18

プレジデントファミリー2010年2月号

奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局です。先日のあんふぁんに続きまして

本日発売となりました、プレジデントファミリー 2010年2月号。奥田先生の取材記事が、なんと11ページにわたって特集の一つとして掲載されています! プレジデントファミリーのサイトはこちらです。

メジャー誌ですね

今ドキの子どもたちの本音に対して、専門家はどう見るのか、親はどう捉えればよいのか。そんな特集でした。

奥田先生からコメントをいただいております。

いやあ、すごい取材量やったよ。実際、できあがりのページも10ページ超えだったんやから、そんなもんなんでしょうけど。こんなん言ってええんやろかという回答については、やっぱり綺麗に削除(笑)。うん、キレイキレイ。でもね、ちょっとばかり厳しめのメッセージも採用して下さったんですよ。取材に来て下さった編集者の方が自分の話を本当に良く理解して下さったおかげで、言い回し程度の修正で済んだので楽チンでした。逆に、編集者がちょっとシビアかなと感じる言葉を使っておられたところもあって、自分のほうがマイルドな言葉に修正した部分もありました。自分と数時間以上、結構深刻な事例の話なんかを聞いて下さるうちに、聞いている方も自然にその厳しさが当然のことのように思えてくるからかもしれませんね。それは良いことです。自分としても「どーせ過激やからボツになるんでしょ」とか決めつけず、これからも厳しいメッセージを伝えていくことにします。取材に来られる方は、そういうことを踏まえてお越し下さい。えにーたいむ、ウェルかめです。

ウェルかめ イチロー選手ですか

事務局のワタクシ、この特集に出てくるくらいの子がおりますので、いろんな子どもの本音を聞くことができ、大変興味深かったです。奥田先生が高校生とその親に“一喝”しているところが最高に共感できました

全国の一般書店で簡単にお買い求めいただけます。

アマゾンからもどうぞ。

文責:奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局

Posted by 事務局 教育社会学ぶことお知らせ |

2009.12.12

【巻頭特集】あんふぁん年末年始号【インタビュー】

奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局です。

奥田先生のインタビュー記事が掲載された雑誌が出ました

幼稚園系フリーマガジンで有名なあんふぁん(サンケイリビング新聞社)です。全国9版にて71万部発行〜

巻頭特集のタイトルは『わが家の子育て指針』

私立幼稚園在園の家庭以外の方が入手するのは直接見本誌を送ってもらうしかないようですけれども、あんふぁんのサイトで奥田先生の記事全文を読むことができます

こちらです。あんふぁんのサイト。

でも、実際に雑誌を手元に読んだほうがイイ、と思いました。

奥田先生のコメント:

取材に答えたやつで、自分で原稿を書いたわけやないんよ。取材は品川で受けたねえ。もっといろんなことを喋ったけど、あれくらいにうまくコンパクトにまとめられたのは逆にすごいと思うよ。ボツにされた話もあって残念やけど、それは慣れてるからね(苦笑)。取材に来て下さった方全員が『子育てプリンシプル』を読んでいてくれたので、話が早かった。あんふぁんの記事を読んでくれた幼稚園ママさんらが子育てプリンシプルも読んでくれたら最高やね。

そういうわけで、『子育てプリンシプル』もリンク貼っておきます。

雑誌系の特集はあと2つほど続くようです。楽しみです〜

 

文責:奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局

Posted by 事務局 教育社会学ぶことお知らせ |

2009.12.08

【新刊】小・中 特別支援教育コーディネーターのための実践・新学習指導要領

奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局です。

奥田先生の予告通り、ここんとこ出版ラッシュ

今回は、教育開発研究所さんから出ましたタイムリーな参考書です。出版社さんの図書紹介によれば、

特別支援学校の新学習指導要領は,通常学校で特別支援教育を進める際にも有効・重要なリソースです!
 小・中および特別支援学校の学習指導要領からポイントとなる部分をすべてピックアップし,通常学校の特別支援教育コーディネーターのために平易・具体的に解説!
 新「自立活動」をベースにした新教育課程の具体例を多数収録!
 小・中学校の各教科・領域では,どのように特別支援教育に配慮した指導を進めればよいのか,その具体的方法を提案します!      

事務局ではまだ読み始めたばかりなのですが、執筆陣が現場の先生方を含め、とても実践的な先生ばかりで具体的な内容だなという印象です。

奥田先生のコメント:

これまた頼まれた原稿で、とてもお断りできなかったやつです。分量が少なかったのでコンパクトに必要なことをまとめるのに苦慮しました。読者にはどの箇所も読みやすいはず。特別支援教育に関わるコーディネーターや教師には必携の一冊やろうし、熱心な保護者の方々にも、学生さんにも手元に置いて参考にしていただければと。こないだの『児童心理』もここのブログで紹介してもらったら、あっという間に売り切れになってしまったみたいやね。アマゾンの在庫管理、どないなっとんねん? てゆーか、このブログが本のPRになってるからか。ということならば、一度、お礼を。毎度、ありがとうございます。あと、今月は雑誌ももう数冊、出ますよ。

楽しみです

柘植雅義先生とのお仕事は、以前の記事にも紹介されています。2つだけ紹介しておきますね

発達障害・不登校の事例に学ぶ 行動療法を生かした支援の実際

これならできる“LD・ADHD・高機能自閉症への対応” ──考え方・取り組み方と今やらなければならないこと

バナーリンクを貼っておきますね。

文責:奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局

Posted by 事務局 教育学ぶこと特別支援教育お知らせ |

2009.11.12

【新刊】児童心理 2009年12月号 臨時増刊【雑誌】

奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局です。

金子書房さんから出版されている雑誌に、奥田先生のページが掲載されております

特集テーマは「通常学級で使える特別支援教育 実践のコツ」

奥田先生の担当箇所は「授業中のよそ見・私語」。

いつものようにひとこといただきました

 頼まれて書いただけです。テーマも選ばせてもらえずに、そのまま分担箇所を書いてねと言われました。あんまりハウツーを文字にしたくないんやけどね。そのまんま真似しようとして失敗して文句いう教師とか保護者とかいるから、ええかげん辟易してます。あくまで参考に、ヒントに、手がかりにして、「自分で考えてください」と。うまくいかんかったらアレンジすれば良いだけやのにね。「うまくいかなかったらどうするの?」というレベルの低い質問はいかんよ。自分なら「うまくいくまで(別な方法を追加・変更しながら)やる」までよ。それが答えなのにね。それが教育実践でしょ。

 ま、自分のところだけじゃなくって、他の先生方のところとか、結構お役に立つところ満載なんちゃうかな。各テーマごとに短い読み切りなので、実践やってる方や親御さん、学生さんらに幅広くお薦めします。雑誌なのでお早めにどうぞ。

バナーをリンクします。

文責:奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局

Posted by 事務局 教育特別支援教育お知らせ |

2009.10.01

【速報】発達障害児支援エキスポ2009【事務局より】

奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局です。

2年に1度の発達障害児支援エキスポ2009(次世代育成と発達障害児者支援の体験博覧会2009)に、今回も奥田健次先生が出展依頼を受けました。2年前に奥田先生が書かれた記事はこちらです

前回も一番に満員御礼をいただきましたが、なんと今回もいち早く奥田先生のワークショップが<SOLD OUT>となってしまいました

それで申込者がまだ多数おられるということで、エキスポ主催者側が早くも定員増加の打診をしてこられたそうです。近々、増員分の受付が開始されるそうですので、ご希望の方はあきらめずにホームページをチェックしてみて下さいね

それと、10月14日のシンポジウムは大ホールを借りておりますので、座席にかなり余裕があるとのことです。当日でも受付可能のようですし、こちらは無料ですのでどうぞお越し下さい。立命館大学の望月昭先生も来られて、すごいメンバーで開催されます。こちらのホームページに情報があります。

 

 

文責:奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局

Posted by 事務局 教育学ぶこと特別支援教育お知らせ |

2009.07.13

【週刊朝日】子育てプリンシプル、紹介されました!

奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局です。

『週刊朝日』(7月17日号)に、子育てプリンシプルの書評(話題の新刊紹介:土屋敦 評)が付いたそうです

まだ事務局も確認できていませんが、現在店頭に並んでいるものなので、急いで買いに行って来ようと思っています。毎週火曜日に最新号に変わるので、店頭では今日しか買えないですもんね

どうしてもと仰る方は『週刊朝日』のウェブページから購入できるようです。

一つ前の記事で紹介しましたように、この本は一般書として幅広く反響が大きいということでしょう。

奥田先生らしい痛快な表現が込められておりますので、ぜひ多くの方々にお読みいただきたいと思います

Posted by 事務局 教育社会学ぶことお知らせ |

2009.07.03

【大反響】子育てプリンシプル

奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局です。

一ツ橋書店さんから出た子育てプリンシプル。こちらのほうは、やはり一般書だけあって幅広い方々に大反響です

超・有名ブログから、一般の主婦の方のブログまで、あちこちで取り上げられています

有名ブロガーからは、『オフイス・マツナガのブログ!(現役雑誌記者によるブログ日記!)』さん。こちらには、奥田健次先生の自薦も掲載されています。

それから、『桃の里から』さん。政治・経済・医療・福祉など、各方面で横行するまやかしをぶった切っておられて、注目されているブログです。

『ひねもすまたり』さんは、本書の中身をかなり詳しく要約して下さった上で、ご感想も紹介して下さっております。

比較的新しいブロガーも取り上げて下さっています。『林住期から遊行期へ』さん。さっそく奥田先生に読んでもらうと、「臨床について書くということには、無理があって、なかなか本にすることは出来なかったという。子どもは、一人ひとり違うのだから、それをうちの子にもここに書いてあるようにすればいいのだなどと思われると困るからだ。全くその通りだと思う。」と言って下さっていたのを、とても喜んでおられました。「ああ、その苦しい部分を分かって下さる読者もおられるんだー」と。

ブログ以外でも、各界著名人からの書評や推薦の言葉が寄せられています

作詞家・音楽評論家の湯川れい子先生から、直筆のお便りが届けられたそうです。私信ですので内容は公開いたしませんが、とても教育や子育ての問題に興味をもっておられることが伝わる、心温まるお手紙だったそうです。実は、奥田先生のカラオケ十八番(だという)、小林明子さん『恋におちて -Fall in love-』。作詞が、湯川れい子先生なのです。奥田先生は、「中学生の頃は歌詞の意味も分からずに歌っていたけども、本当に良い詩というのは歌詞のフレーズがそのまま丸暗記されてしまうものです。この曲はまさにそんな名曲。他にも松本伊代のセンチメンタル・ジャーニーとか、中森明菜のSOLITUDE、中島美嘉のNHKのアニメ『火の鳥』などなど。記憶に残る歌詞ばっかりですよ! 拙著を読んで下さったなんて、光栄ですというか恐縮ですというか感激ですというか、何というかカンというか・・・」と興奮気味。事務局のワタクシもまったく同意です。

最後に、『ブログ桜舟塾』さんでも紹介されていますが、精神科医・香山リカ先生が雑誌で紹介して下さいました

香山リカ BOOK REVIEW

**親子で成長する子育て 「土台家族」を目指す**

 私事で恐縮だが、私には子どもがいない。だからときどき診察室で不登校児の親などに、「先生にはお子さんがいないから私の気持ちなんてわかりませんよね」と言われることがある。それもあって、あえて「親になる前に『子育て本』を書きたかった」という心理学のプロである著者に強い興味を持った。
 著者の主張は、とても明確。親と子はそれぞれの立場と役割をしっかり認識し、親はほめるときはほめる、でも毅然とすべきときは厳しく、失敗や挫折のチャンスを奪わずに、「ごめんなさい」と「ありがとう」が言える公共心を持った子どもを育てるべき。まとめるとこうなるだろう。
 そして、目指すべきはメンバーが基本ルールをしっかり共有している「土台家族」だとする。ムードに流されるクラゲ家族、親が一方的に理不尽な命令をする煉瓦塀家族では、子どもの自己肯定感は育たない。もちろん、親が目先の損得にとらわれたり見栄やお金にうつつを抜かしたりしていては、世間や子どもに揺さぶられ、とても土台家族は作れない。
 なるほど。これは子育て本というよりは、親自身に「あなたはしっかり生きてますか」と問うた本だ。わが子かわいさのあまり、情に流されたりした経験がない著者だからこそ、こうやってズバリ、親である大人を叱咤激励できるのかもしれない。子育て中の親にはもちろん、子育てが終わった大人や若い人も一読しておくとよいかもしれない。
 異色の臨床心埋士、“子育てブラックジャック”の異名も取る著者は、これから教育界にちょっとした旋風を巻き起こしそうな予感がする。

『月刊 日本語』アルク刊 2009年7月号掲載

「行動療法のこととか書いているから嫌われるんやろう」と思っていた奥田先生は、「精神科医の中には変わった人がいるんやなあ。いや、ほとんどの精神科医が変わってるんであって、香山リカちゃんがマトモってことなのか・・・。しかし、マトモじゃないおいらを褒めて下さる香山センセーもマトモじゃないのかねえ・・・よーするに、マトモとかイジョーとかってこーいう分からんものもあるんやね」という感想を漏らしておられました(思わず、飲んでいたコーヒーを吹いてしまいました・笑)。香山リカ先生、大変失礼いたしましたm(_ _)m 奥田先生の返信メールをそのまま載っけて良いと言われてますので・・・。本音は心から喜んでおられます! 子育てプリンシプルをご紹介して下さり、事務局スタッフ一同、心から感謝しております

香山リカ先生の書評が掲載されている『月刊 日本語 2009年7月号』、下のバナーからご購入いただけます。子育てプリンシプルをまだお読みでないお方も、よろしければぜひご一読下さい。

Posted by 事務局 教育社会学ぶことお知らせ |

2009.05.08

新著『自閉症児のための明るい療育相談室』発売間近!!

奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局です。

ここのところ、奥田先生、出版ラッシュですね。つい先日、子育てプリンシプルを紹介したばかりでした。

Okudakobayashi2009_2 今回の一冊は『自閉症児のための明るい療育相談室−親と教師のための楽しいABA講座』。学苑社さんから出版されます。

奥田先生の恩師のお一人、小林重雄先生との共著です。

帯のオモテ、ウラには次のようなことが書かれていました。

●帯より これまで何千人ものクライアントと対峙してきた臨床家であり、自閉症研究者である二人の著者が、読みやすいQ&A方式で、読者の悩みにお答えします。全54の質問に対して、著者が繰り出すそれぞれの回答は、今まで詳しく明かされてこなかった“テクニック”“独自の技法”が満載です。

◆このような方法を紹介します ◆
腹五分目法/アメ横スルメ法/バルーンの原理/シンクロナイズの原理/ブルブル握手脱感作法/膝カックン式着席法/うっかり法/どさくさにまぎれて法/ マンガ喫茶式保管法/デジカメコレクション法/悪女の深情け法/こだま法 など

明るい療育相談室というだけあって、なんだか技法の名前も興味そそられるものばかりです

なんだか「どさくさにまぎれて法」なんてのは、行動療法らしいなあと思ってしまいました

いつものように奥田先生からコメントをいただきました。

これはええ本やわ。すんごい面白い。小林先生のお茶目っぷりを引き出せたのは、企画として大成功。イラストもやわらかいし、本文の表現もかなりやわらかい言葉で書かれているんですけどね。でも、本当は普通の親御さんにとっては厳しいと思えることを、二人揃ってさらっと答えてるんですよ。たとえば、食べるときに遊んでしまう子どもに対して、私も小林先生も「時間が来たら、皿を下げてしまって、食事を終わりにしてしまいましょう」とハッキリと答えています。他にも「そんなことしてたら取り返しがつかなくなります」とか、良くない対応は良くないとキッパリ答えています。私と小林先生がそこまでハッキリキッパリ答えることができるのは、当然ですが親子共に良くなって欲しいという強い願いがあるからです。私自身が書いた「はじめに」はまあ良いのですが、著者二人の「あとがき」にぜひご注目下さい。私と小林先生の「なれそめ」が書かれています。行動療法の基礎がある程度できている読者にとったら、回答のアイデアの面白さが、ただ面白いアイデアだということではなく、その根底にはしっかりとした行動科学の基礎原理を用いているということにお気づきいただけるかもしれません。学術書ではありませんが、学術的に楽しむこともできる一冊です。

ワタクシは最終原稿を読ませていただきましたが、確かに「あとがき」もステキですが、本文を読むにつけ、奥田先生や小林先生のように職人気質なセラピストってやっぱりひと味もふた味も違うなーと思いました

保護者や教師の皆さんにとっては、身近な悩みへの具体的なヒント満載な一冊ですので、すごくオススメです。

こちらもアマゾンなどで予約購入が出来ます。ブログ左枠のバナーから購入できます。

Posted by 事務局 教育学ぶこと特別支援教育お知らせ |

2009.04.21

新著『子育てプリンシプル』発売間近!!

Kosodate_principle_2 奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局です。

この度、奥田健次先生の単著、子育てプリンシプルが発売されます!!

5月11日、一般書店にて発売予定。一ツ橋書店から出版されます。アマゾンでも近日中に予約購入の申し込みが開始されるとのことです。出版社さんのレビューはこちらをご覧ください。

すでに、ホームページにもアップされていますが、印刷中の表紙カバーをブログでもアップさせていただきました。ド派手

帯のテキスト(表面)はこんな感じになっています

目先の損得勘定に気を取られるキリギリスのような親。
将来のことを考えず,今のムードに流されて揺れるクラゲのような親。
そんな大人の子育ては,かなりキケンなものなのです。
子どもに“苦労”をさせられますか?
子どもに“がまん”をさせられますか?
子どもの“苦労”や“がまん”を,しっかり激励してあげていますか?
ブレない土台や羅針盤。それが,プリンシプル[=原理・原則]。
プリンシプルを求めることは,親と子の成長に欠かせません。
プリンシプルのある子育てに全力で取り組みましょう。

※本書には,親にとってシンドイ姿勢を求める提言など,カゲキな発言が含まれています。

“子育てブラックジャック”

待望の初単著!!

プリンシプルの直伝,ついに解禁!

最後の小さい字が良いですね。“これは劇薬です”みたいな注意書きっぽくて面白い。表紙や帯などのデザインやコピーは、出版社や編集プロらが会議で決めたんだそうです。ちなみに、ワタクシ事務局の特権で原稿ゲラだけでなく見本デザインも見せていただきましたが、帯の袖にも小さな写真がありました。でも、ここではどの写真が載っているのかはナイショです。皆様にはぜひ書店で手にとって見ていただきたいと思います。

奥田先生からいただいたコメントです。

なんか照れくさいというか恥ずかしい。しかし、プロダクションやデザイナーに任せることで、他人から自分がどんな目で見られているのか少し分かる気が。本書では、言いたいことの2割程度しか言えてないので、自分としてはこの本のどこが「カゲキ」なのか分かりませんね。講演とかではもっとカゲキなのに。それにしても、この本が1,050円(税込)って安すぎるんちゃうか。教科書や専門書だったら、この分厚さなら2,000円前後はするのに。だからなのか、カバー帯の写真はブログでアップされてるやつを使用したいってさ。単なる出版社のフトコロ事情なのか、深イイ話っぽい意図があるのか。これらの写真は、全部シロウトがパシャっと1枚だけ撮影したものなんよ。そういうのを帯とかで使用するか、普通? プロのカメラマンで撮影会とかするんでないの? などと、憎まれ口をききたくもなりますが、出版社としてはとにかく売れてくれないと話にならないでしょうから。売れれば映画化でもしてもらおうかしら。主演は小池徹平君でよろしく。まあ、しかし昨今はとにかく本が売れませんからね。マンガは売れるが、活字は売れない。売れなくても良いから、必要としている人にとって、何かの力になれば十分です。

確かに、お買い得ですね。

映画化は、、、無理でしょう

しかし、ワタクシはこういう直言を待っておりました。奥田先生は、世の中が親に対して厳しいことを言わないから、先生ご自身が嫌われ役か憎まれ役でも買ってやる、という役回りをされているのでしょう。以前「ある意味、一人勝ちや」と言っておられたことを思い出しました。直後に「ビジネスとしては勝ちとは言えんけどねっ」と自嘲して笑っておられましたが、他にはないという意味で「勝ち」ということなのでしょう。

奥田先生は実際に問題を直せるから、過激なことを言っても通用するのです。これが、直せないのに口先だけというのでは、とても通用しないでしょう。「直してもらう問題なんかありません」という親には不要な直言かもしれませんが、ちょっとでも助けを必要としている親には、本当に大切なことが書かれていると思います。特に、8歳までの子をもつ親御さんにはぜひとも読んでいただきたいと思っています。

アマゾンなどで予約購入が出来るようになりました!

ブログの左枠のバナーから購入できます。

Posted by 事務局 教育社会学ぶこと特別支援教育お知らせ |

2008.12.11

奥田先生、学会賞を受賞!!(事務局からのお知らせ)

奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局です。

最新ニュースが入ってきました!!

奥田健次先生が、「第4回日本行動分析学会学会賞(論文賞)」を受賞されました!!

Kenjiokuda2008_001 奥田先生からいただいたコメントです(メール本文そのまま掲載いたします)。

このところ忙しくて、研究が思うように進んでおらず、投稿できる論文数も減ってきました。ですから、行動分析学会の論文賞というのは意識にありませんでした。この度、突然に今回の受賞の知らせを受け、「シンジラレナーイ、すりーぴんぐイヤーにウォーター!」という心境であります。私という人物を選んでくださったのではなく、論文を評価してくださったことを、とてもありがたく嬉しく思います。私にはクラゲを光らせることはできませんが、子どもたちを光らせることをこれからも一番の仕事として、最期の日まで励んでいきたいと思います。

奥田先生らしい、ウィットに富んだコメントですね

なお、受賞式と受賞講演は、2009年度大会(筑波大学)にて行われるとのことです。(学会のニュースレターは、こちらをクリックすればダウンロードできます)

もう一つ、奥田先生の近況を。来年、バルセロナで開催される教育シンポジウムから講演依頼があったそうです(国際的っ!)。使用言語は英語だということもあって、先生はこの依頼を引き受ける気まんまんでした。ところが、このシンポジウムの日程が上記の行動分析学会と重なっているんだそうです。

「受賞式とかが無ければ筑波をサボってバルセロナやねんけどなあ、ユーロも安いしなあ、マイルも貯まってるしなあ、でもやっぱり受賞式を欠席するわけにはいかんやろぉ、パーマンのコピーロボットがほしいなぁ」と、ボヤいておられました。まあ、まあ、先生。今回は行くなってことでしょう。講演の機会はまたあるでしょうから。

それよりも心配なのが、先生の体調です。このところ、ずっと悪い状態が続いているそうで。一同、もっと自分のための時間を作られると良いのにと思っているのですが、なかなか言うことを聞いてくれないんですよね。ホント、休んでくださいってば。お願いいたします

Posted by 事務局 教育学ぶこと特別支援教育お知らせ | | トラックバック (1)

2008.03.24

いきなり襲われるのがフツーな時代

土浦でたまたまそこにいた男女8人が襲われ、真面目なタクシーの運転手さんが襲われるような世の中になりましたが。

もう「精神的におかしいんじゃないか?」と説明するのは愚かなので、そんな無益なことは考えないようにして下さい。

つまり、こういうことになります。

凶悪事件を起こす人 → 精神的におかしいから

精神的におかしいから → 凶悪事件を起こす

凶悪事件を起こすのは → 精神的におかしいから

・・・

こんな感じで、延々と続くでしょ?(特に、マスゴミのコメンテーターとか)こういうの、「循環論」と言います。

「異常気象」というのが続けば、もう「異常」なのが当たり前なんやから、「異常気象」と言いたくなくなるのと同じですわな。

したがって、精神鑑定なんぞもう不要なんですわ。

精神的に異常な人らが、フツーに日常生活を送っているわけやからね。ただし、「フツーに」と言っても、そのフツーがかなり異常なんですけどねえ。異常が当たり前、つまりフツーになっとるということ。何が「異常」で何が「フツー」か、もう分からん状態でしょ。だから、やっぱり精神鑑定なんか無意味。こういう事件については、結果で裁くしかない。

10年前に「ナイフを振りかざす少年」とか、注目される事件がありましたね。神戸の連続殺人事件とかです。当時、14歳とか17歳の子たちでしたな。今回の容疑者が24歳。そのまんま、当時に注目された世代です。その後も、「キレる子ども」とか注目され続け、現在に至っとるわけです。

ま、当然ですが自分は「どうすればこういう事件が減るのか?」という方法を持っています。持っているけど、そんなもんをブログで書くわけないやろ。書いたところで、シロウトには分からんし、どうせ表面上の印象で反発する奴もいるやろうし、何よりも馬鹿らしい。

自分の師匠の原稿を読んでみてみ。これ、自分が推薦して師匠に書いていただいた記事。師匠も「わざと」具体的なことを隠しておられる。ほんの少しだけヒントも書かれておられるが、まあやっぱりシロウトには分からんでしょうな。というか、専門家でも分かる人は少ないと思う。いや、分かる人はいるやろうけど、出来る人はほとんどいないはず。

『なぜ14歳少年が残虐行為を犯したのかをめぐるマスコミ論調について』(日本行動分析学会ニュースレター)

とにかく、容疑者の猟奇的行動をああだこうだと言う無意味な議論に付き合う暇はない(こんなんばっかりやから、まだまだこれからも同じような事件が増えるんだっつーの)。

そんな猟奇的行動をしでかさない子育て方法、教育方法、矯正方法を、分かる人にだけ伝えていくほうがよほど意味のある仕事ですし、自分に出来る仕事でしょう。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ま、気が向いたら投票してください。

Posted by 奥田健次 教育社会 |

2008.03.13

2ちゃんで誹謗中傷された学園長の記者会見

ネット(2ちゃんねる)で誹謗中傷を繰り返した保護者が名誉毀損で罰金刑。

学園長が記者会見をしたようですが、なかなか良いことを言ってくれた。

「ネットの怖さ知って」ライナス学園長

2008.3.12 20:41

 「『2ちゃんねる』さえなければ、と思った。ネットの怖さをもっと分かってほしい」−。インターネット掲示板での中傷で退学者が出るなどの被害を受けた学校法人「湘南ライナス学園」(神奈川県小田原市)。吉崎真里学園長は、いわれのない誹謗(ひぼう)中傷に翻弄(ほんろう)された2年間を、苦渋の表情で振り返った。

 「ライナスのやりたいことは洋服屋、カランの店の労働力探し」「奪い取った入学金は洋服屋の仕入れ金として消えていきます」「学園長が精神異常者」

 LD(学習障害)などで一般の学校で居場所のない児童生徒を受け入れる同学園が開校してから半年後。平成17年11月から始まった誹謗中傷の書き込みは、生徒の就労訓練などのため運営されている婦人服店をターゲットにして始まった。吉崎さんへの個人攻撃もエスカレートしていった。

 これらの書き込みは昨年末に名誉棄損で罰金刑を受けた元生徒の父親のものと確認されているが、ネットの匿名社会は、「祭り」と称して多くの便乗組を呼んだ。

 代理人の弁護士によると、同学園に関する「2ちゃんねる」での書き込みは計5000〜6000件で、そのうち約2000件が中傷的な内容。同学園は父親のほか1人に対して損害賠償を求め提訴しているが、その人物は学園とは無関係な第三者だった。

 「ネットの書き込みを読むたびに吐いた」と吉崎さん。当初「2ちゃんねる担当」とされた職員は、半年後に鬱病(うつびょう)になって退職し、後を引き継いだ夫もノイローゼ症状を起こした。退学者が相次ぎ、48人いた児童生徒は26人にまで減少。母校が中傷されたショックから自傷行為に走る卒業生も出たという。

 書き込みをした父親は、プロバイダーの情報開示により特定された後の19年4月、学園に謝罪文を提出した。書き込みをした理由は「学園について疑問を感じていて、情報がほしかった」とした。吉崎学園長は「なぜこんなことをやったのか、いまだに分からない。子供が楽しみにしていた文化祭を中止にしたことぐらいしか、心当たりはない」と話す。

 また、「子供のために自ら選んだ学校を、自分で壊すようなことがなぜできるのか。うちに通いたがる子供の意思を無視して退学させた親もいた。この2年で、親というものに疑問を抱いた」と率直に語る。

 吉崎さんは「(ネット上の誹謗中傷を)警察にきちんと取り締まってほしい」と主張する。

 「今の子供たちはネットの世界で生きていく。今きちんとしておかなければ、教育を何もかも壊されてしまう」

 会見には、生徒会の生徒も同席した。生徒会長で高校3年生の佐藤祐樹君は「2ちゃんねるにああいう書き込みをされて、とても辛く、怒りを覚えている。学校で暴れていた自分は、ここに通うようになって人の痛みを分かる心ができた。ネットの書き込みより、今現在の自分たちを見て考えてほしい」と訴えた。

この記事を読んでみて、この学校の学園長はなかなかしっかりした先生だと思いますよ。「2ちゃんねる」というネットの問題だけ取り上げて終わりではなく、親の姿勢に疑問を抱いたということを率直に述べている。

「子供のために自ら選んだ学校を、自分で壊すようなことがなぜできるのか。うちに通いたがる子供の意思を無視して退学させた親もいた。この2年で、親というものに疑問を抱いた」

世間では親の問題を指摘できない空気がある。そのために、親のレベルは「裸の王様」よろしく自分が何を言っているのか分からないほど理性が低下してきている。マスコミも学者も教育関係者も、堂々と親の問題を指摘できない(裏では悪口を言っている)。

子どもや保護者におもねる教育者など、絶対に信用しない方がよい。そんなものはホストみたいなもの。足らないところ、至らないところを指摘してくれる教育者なら、少しは耳を傾けてみても良いかもしれない。ただし、これまたそのベースに愛情が無いとね。厳しいことを言うだけなら、占い師でも出来るから。

愛情があるふりをしておもねるだけの教育者は害悪、厳しいことを言うだけの教育者も疑問。なかなか難しいもんです。

だから自分としては、ひたすら目の前の問題を解決してあげることにのみコミットすることにしている。気持ちが伝わらなくても、問題が解決していく事実の積み重ねだけは本物をお見せすることができますからね。誤魔化しも効きませんでしょ。自分はこれまで同様、職人の道を歩み続けます。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ま、気が向いたら投票してください。

Posted by 奥田健次 いじめ・ハラスメント教育社会特別支援教育 |

2008.03.08

深夜放送やら24hコンビニの自粛へ

いいね、マチマチムラムラ官房長官もたまには(笑)。

神山潤先生の主張されていたことが、実現に向かって前進しそうな気配。

市場経済原理主義だの新自由主義だのの流れに逆らう部分で、「自分が損をする」という損得勘定型人間の猛反対が予想されるけども、古き良き社会を再構築するためには必要なことですわ。

深夜放送自粛「議論の対象」=地球温暖化対策で−官房長官

3月7日13時2分配信 時事通信

 町村信孝官房長官は7日午前の記者会見で、地球温暖化対策として深夜のテレビ放送を自粛することについて「幅広い見直しの一環として、議論の対象になってくることはあり得る」と述べ、前向きな姿勢を示した。深夜放送をめぐっては、4日の自民党総務会で自粛を求める意見が相次いでおり、政府としてもこれに同調した形だ。
 町村長官は「基本的には各マスコミの自主的なご判断による」としつつも、「低炭素社会をつくるために、一人一人の国民が何ができるかを見直していくことが今求められている」と強調。政府の「地球温暖化問題に関する懇談会」で、深夜放送のほか、24時間営業のコンビニエンスストアなどの見直しについて議論していく考えを示した。

なんか地球温暖化のことばっかり書かれているけども。それもあるが「子どもの生活習慣を崩さないために」という、もっと大きな理屈に触れてほしいですね。世界一睡眠時間の少ない国、日本。小学生が「疲れた」と言って、朝っぱらからウトウトするなんて、欧米では考えられませんからね。欧米では、子どもが「疲れた」と言おうものなら、「こら! ティーンエージャーは疲れない!」と一喝されて終わり。戦後の日本くらいじゃない? 子どもが「疲れた」と言ったら親が荷物を持ってあげたり、布団をひいてあげたりするのは。

不眠、不登校、ひきこもり、運動不足、肥満。

日本の子どもの生活習慣の乱れたるや、国家的な危機ですよ。子どもの生活習慣まで子ども任せにしていた、アホ大人たちだらけの戦後日本ですからね。子どもの生活習慣は大人の責任です。

週末、小児科医の研修会で不登校の講義をしてきます。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ま、気が向いたら投票してください。

関連記事:
コンビニ営業は7時11時で良い気分。
成育医療センターでプレゼンしてきました
     など多数。

Posted by 奥田健次 経済・政治・国際教育社会健康・美容環境 |

2008.02.14

愛知県の小学生にメタボのレッテル

儲かるのは精神病院、製薬会社、ダイエット業界?

今年の4月から小学生にメタボ診断をするんだって。

愛知が小学生にメタボ診断 いじめや差別の懸念も
2008.2.13 20:04

 愛知県は平成20年度から、小学4年生の腹囲などを測定、メタボリック症候群や予備軍と診断した児童に、3年間継続して健康面の指導をするモデル事業に取り組む。

 子供の時点からメタボリック症候群を予防するのが狙いだが、専門家の中には成長期の子供を一律で診断できないとの指摘や、いじめにつながるとの批判もある。

 県によると、事業は一つの市を選び、小4の腹囲、血圧、血糖、血中脂質などを測定して、腹囲75センチ以上など厚生労働省研究班が暫定的に定めた小児メタボリック症候群の基準値を参考に、独自の基準で対象児童を選び、指導にあたっては保護者の同意を得る。対象児童には保健師などが卒業まで指導する。

 県は「悪い生活習慣が出来上がってから変えるのは大変で、子供の時から関心を持つことは大切。病気の予防になる」と強調。いじめへの配慮も検討するとしている。

 こうした取り組みに「成長途上で個人差のある子供に一律の基準を当てはめることに強い疑問を感じる」と話すのは北里大の新村拓教授(日本医療社会史)。「基準から外れた子供にレッテルが張られ、いじめや差別につながる恐れもある」と危ぶむ。

 日本福祉大の二木立教授(医療経済学)も「現代の子供は肥満への嫌悪感が強い。個別の児童を患者のように取り出すのではなく、授業などの場で全員に規則正しい生活や食事を教えるべきだ」と指摘する。

 一方、立命館大の柿原浩明教授(医療経済学)は、いじめへの配慮は必要としつつも「悪い生活習慣を放置するより、指導する方が一定の意義があるのではないか。そもそも成長期の指導に効果があるのか、というデータ収集にもなる」と理解を示す。

 厚労省生活習慣病対策室は「子供の時から食事や運動に気を付けるのは良いことで、愛知県の独自の取り組みとして注目したい」としている。

推進派は「いじめへの配慮をする」と言っているが、具体的にどうやって配慮するのか? 今あるいじめさえ、何もできない連中がどうやって?

それから、推進派も反対派も触れていないことがある。

それは、子どもが「自分自身をいじめる可能性」だ。

小学生のときに「メタボです」と診断されたら、それを他児が知らないように触れないようにできたとしても、自分自身の自己イメージが下がるでしょ。これから増えるでしょうな。小学生なのに断食したり怪しい薬を飲み続けたりして、病気・死亡するような事故が起こるでしょう。精神病院も摂食障害の小学生が増えることでしょうな。

正しい生活習慣を身に付けさせることは大切なこと。しかし、それを胴回り(形態)や血圧なんかを指標にしようとするアイデアは勉強不足としか言いようがない。生活習慣は行動です。胴回りや血圧などは行動の結果なのです。だから、子どもの食行動、運動、睡眠などをチェックすればよい。それと、保護者の行動。子どもにとっては親の行動が成育環境なわけでね。

だから、こんなキャンペーンをやるならば、保護者の行動アセスメントと子どもへの生活習慣指導の指導を保護者に行うべきなんですよ。小学生に教える、気をつけさせるという発想が短絡的。

どうも世の中、保護者を指導しようというアイデアにならんね。それが必要だというのに。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ま、気が向いたら投票してください。

関連記事:
コンビニ営業は7時11時で良い気分。
成育医療センターでプレゼンしてきました
隠されていたいじめ、激増するいじめ。
ペリエにしな、ペリエに。
セルフ減量マニュアル
      など。

Posted by 奥田健次 経済・政治・国際いじめ・ハラスメント教育社会健康・美容 |

2008.02.07

LEC大学、14キャンパスが1キャンパスに。

株式会社立大学の店じまい?

やめたってええがな、商売だもの。

大学だけのせいにしちゃいかんわな。簡単に大学の設置認可をしまくった文科省。認可しておいて後は知らんという。今や「潰れるものは潰れる」という無責任な時代。

しかし、当事者は潰れたくないから無茶苦茶なことをやるでしょ。だから大学も学生も社会も無茶苦茶になるっての。

LEC大、09年度学生募集ついに1カ所に

2008年02月07日06時05分

 LEC東京リーガルマインド大(本部・東京都千代田区)が経営悪化を理由に、09年度以降の学生募集を本部のある千代田キャンパスだけに減らす方針を決めた。LEC大の全学生約800人のうち千代田キャンパスで学ぶのは約330人で、大幅な規模縮小となる。同大は約1年前に文部科学省から「授業に不備がある」などと改善勧告を受けた。08年度の学生募集も、全国に14あるキャンパスのうち4カ所に絞っている。

 すでにLEC大は、キャンパスがある横浜市と大阪市に対し「09年度に募集を停止したい」との方針を伝えた。横浜では約70人、大阪では約140人が学んでいる。両市は、08年度に入学する学生全員が卒業するまで開講して学生が被害を受けないようにすることなどを条件に、今後キャンパスの閉鎖に向けた話し合いに入る。

 さらにLEC大は、現在約120人が学ぶ新宿キャンパスを08年度いっぱいで閉鎖し、学生には千代田キャンパスで授業を受けさせる方針を各自治体に伝えた。ただ、千代田キャンパスは現在約330人が学んでおり、千代田区の担当者は「今のキャンパスで2カ所分の学生にきちんと教育ができるのか心配だ」と話す。

 朝日新聞社の取材に対し、LEC大は「関係自治体と協議をしている最中なので、お答えできない」としている。

 LEC大は、資格試験予備校を経営する「東京リーガルマインド」が04年4月に開校した。札幌から福岡まで全国14カ所にキャンパスがあり約800人が学ぶ。通学制は千代田区と大阪市のキャンパスだけ。授業の大半はビデオによるもので、質疑応答できる教員がいない点などが大学設置基準に違反するなどとして、07年1月に文科省から初めての改善勧告を受けた。

 LEC大は現在、ビデオ授業をやめてテレビ会議システムを使うなど改善を進めている。しかし、勧告の影響で志願者が減った一方で、学生に対するサービスを増やしたため、収支が悪化していた。

ビデオ授業ですか。

自分は講演とかで主催者に「ビデオ録画して良いですか?」と聞かれても、良い顔をしません。「何に使うんですか?」と聞いたら、「今日、欠席した人がどうしても奥田先生のお話を聞きたいと言っていますので」とか言う。「どうしても聞きたいなら、どうしてでも来いよ!」と思うんですけども(笑)。だから許可したくない。

それに、空気感が全然違います。奥田の話なんて、その場の迫力や熱気があるのが特徴なのに、ビデオではそれらが半減されてしまう。まあ、当たり前やろ。自分はオーディエンスの顔を見ながら、空気を読みながら話をしているわけで。再生されたビデオの前で、誰がどんな態度で見ているか分からんでしょ(もしかしたら、皿洗いでもしながら見られとるかもしれんし)。だから、やっぱり嫌。

劇団の芝居だって、やはり劇場で見るのは全然違うやんか。セリフ一つでも聞き逃すまい、表情一つでも見逃すまいという、オーディエンスとしての積極的な鑑賞姿勢ってものがあるでしょうに。だから、録音とかビデオ撮影とか禁止でしょ。単純に著作権の問題だけではない。

そういうことで、最初からビデオで講義なんてのは無理なんよ。専門家やメディアが指摘するような「質疑応答できないから」という単純な理由ではないよ。どんな姿勢で受講するかが大切なんであってね。

教育を合理的にやろうとしたら社会はアホもしくはビョーキになります。大型養鶏舎のブロイラーみたいなもんやね。

教育や子育てやしつけには、手間暇を惜しまないこと。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ま、気が向いたら投票してください。

関連記事:
略して、「日サイ大」ね。(覚えてる?)
iPodで「どこでも授業」!?
略すと、日サイ大か。
      など。

Posted by 奥田健次 経済・政治・国際教育 |

2008.02.01

教育再生会議なんか居酒屋談義にしかならんよ

教育再生会議なんか要らないって。

必要な提言は具体的でないし、真新しいことは余計なことばかり。

こんなもんを設置した安倍前総理が悪い。んで、逃亡したのに残したぬらりひょん福田も悪い。

教育再生会議、「後継」設置へ 最終報告受け首相表明

2008年01月31日23時27分

 政府の教育再生会議(野依良治座長)は31日、最後の総会を首相官邸で開き、「社会総がかりで教育再生を」と題した最終報告を福田首相に提出した。道徳を「徳育」として教科化することや「ゆとり教育」の見直しなどを盛り込んだ。首相は総会で、提言の実現度合いを点検する後継会議を内閣に設置する考えを表明した。

 最終報告では「直ちに実施に取りかかるべき事項」として「徳育」の教科化と「ゆとり教育」見直しのほか、(1)小学校に理科や算数の専科教員を配置(2)社会人からの教員採用を5年間で2割以上に増員(3)学校の適正配置の促進、などを挙げた。

 また「検討を開始すべき事項」としてスポーツ庁の創設、6・3・3・4制の弾力化、幼児教育の無償化などを記した。

 ただ、「徳育」の教科化は中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)で慎重意見が相次ぎ実現の見通しは立っていない。6・3・3・4制の弾力化も飛び級などについて賛否が割れたままで、すべての提言を実現するのは難しいと見られている。

 一方、福田首相は総会で「最終報告をしっかりと受け止めて、みなさまの論議の成果を今後十分生かせていくように、提言の実現、フォローアップに取り組んでいく」と述べ、後継会議を設置する意向を示した。

 後継会議は首相と官房長官、文科相と外部の有識者で構成。2月中に設置し、提言が実現に向けて進んでいるかを定期的に点検する。幼稚園と保育園の一元化や産学協同の人材育成など、省庁にまたがる提言に対応するため、厚生労働相や経済産業相、総務相らを加えることも検討する。

いちいち中身についてとやかく言わんよ、もう。

後継会議なんか要らんって。

んなもん、客寄せパンダ的に集めた奴ら、目立とうとして好き勝手言うだけやろ。ますます教育が「居酒屋談義」になって、馬鹿にされるだけやって。教育なんか誰でも語れますよ。居酒屋で枝豆かじりながら「これからの学校には○○が必要だ!」「さすが部長!」とか言うレベルなんやから。

エビデンスとか無視し続けるつもりなんやろな。目立ったもん勝ち路線ばっかり。

政治も「劇場型」。教育も「劇場型」。

あほらし。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ま、気が向いたら投票してください。

関連記事:
まだまだ教育再生会議?
子どもの依存症を促進する企業
『子育て学』を高校の必修科目にせよ。
『やらせ』使わなきゃならん教育改革なんぞ、ロクなもんじゃねぇ!
『いじめ』の犯人捜しという『いじめ』。
日本の教育行政、その責任者不在のシステム。
      など。

Posted by 奥田健次 経済・政治・国際教育社会 |

2008.01.30

ああ 絶滅のメダカよ どこへ

「杉並のメダカは絶滅しました」と区の掲示板。

それを読んだお爺さん、「んにゃ、わしのところにおるよ」。

ああ しあわせの めだかが ほら 舌を出して 笑ってらあ♪

絶滅したはずの杉並メダカを発見 元中学校教諭宅

2008年01月29日06時34分

 東京都杉並区は25日、区内では絶滅したと思われていた野生のメダカが、同区南荻窪4丁目の元中学校教諭須田孫七さん(76)宅に生息していたと発表した。須田さんは「日本の宝として守っていきたい」と話している。

須田さんが中学生のころ、自宅周辺は川が流れ、水田が広がっていた。そこから第2次大戦中、防火用水のボウフラ退治にとメダカをとっていた。自宅にはトンボを育てるための小さな池があり、そこにメダカを入れていた。

 その後、周辺の川は地下水路となり、水田も住宅地に変わった。「昔の杉並にいたメダカは絶滅した」。須田さんの自宅近くの区立公園の解説板に、区はそう記した。

 昨年末、須田さんが自宅から持ち込んだメダカを都野生生物保全センターでDNA鑑定してもらったところ、純粋種の野生であることが分かったという。

なんか最初に思い浮かんだのは、とりあえず長渕剛の「とんぼ」。実際、メダカの記事なのにトンボの話も出てきているし。

それにしてもすごいなあ。76歳のお爺さんが中学生の頃にメダカを防火用水の中に入れていたってことは、60年以上ずっと防火用水の中だけで繁殖・生息していたんかあ。「井の中の蛙」ならぬ、「井の中のメダカ」。世間知らずのメダカワールド。一曲、書けそうやなあ。

とりあえず、

めーだーかーのがっこうの 担任・元教師♪

「学校の担任が元教師」って、まんまやん!

あまりに嬉しくて、ここまでは興奮して書いてしまいましたけどね。絶滅したと思っていた種が生きていた。こんな嬉しい話はないよ。須田さんの言うとおり。日本の宝として守ってほしい。

杉並区は、この小さな防火用水の中で脈々と生き続けたメダカたちが棲めるような水辺を整備するべき。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ま、気が向いたら投票してください。

関連記事:
がんばれ、タニシ。

Posted by 奥田健次 音楽教育社会環境 |

2008.01.27

サバイバル料理の心得、それはユーモアぜよ!

高知の学校で坂本さんが授業。

坂本さんいうても龍馬さんではありません。

サバイバル料理、児童が挑戦。高知市立小(高知)

 近い将来に起こるとされる南海地震に備え、児童に災害時の食を考えてもらう授業「サバイバルクッキング」が24日、高知市大津乙の市立大津小であり、5年の児童約100人が災害時の料理法や心得を学んだ。総合学習の一環で、食育と防災を結びつけた授業は初めて。

 阪神大震災で被災した体験を持つ神戸市の食育・料理研究家の坂本広子さんが講師を務め、電気、ガス、水道が使えなくなっても、きちんと栄養をとり、衛生的な食事を作ることの大切さを教えた。

 坂本さんは、まず「地震や津波など自然の力には、人間は立ち向かうことはできず、普段の備えが大切」などと、防災の心構えを説いた。食べるものが少ない時に、ようかんや煮豆など豆製品を食べると、子どもの脳の発達への悪影響が抑えられることを紹介した。

 児童は、食材に手を触れずにビニール袋の中で行う調理法や新聞紙を食器代わりに使う方法を体験。切り干し大根や乾燥わかめなどをビニール袋に入れて、水で戻し、酢やしょうゆなどの調味料をまぶす調理に取り組んだ。岩村香奈子さん(11)も「食材に手を触れないところが、普段の料理と全然違うけど、衛生上、必要なこと」などと納得しながら料理していた。

(2008年1月25日  読売新聞)

ええね。

いや、自分も阪神大震災のときに被災したんですわー。当時、養護学校でアルバイトしていたんですが、職場が避難所になってねえ。職場で一番若かった自分が、泊まり込みで被災者のお世話をしまくった。ちなみに、勤務時間外は当然のこと、すべてボランティアでやりましたよ(市職員の中には超過手当で月何十万円も得てひんしゅくを買っていた人がいたなあ、後からマスコミに指摘されていたけどさあ)。

んで、ある程度、物資が安定して手に入るようになってからのこと。おにぎりばっかり食べていたから、ええ加減、飽き飽きしてしてしまうんですね。人間ってわがまま。

「何か作ってよ!」ってなことになり、自分の十八番「肉じゃが」を作ることに。

やりましたよ。職員室で。

自分の肉じゃがは美味いよ。旨味調味料の味の素なんか使ったらだれでも美味しくできるので、そんな化学調味料は使いません。

ただねえ、テレビ見ながら煮込んでいたために、ちょっと焦がしてしまった。テキトーに修復し(誤魔化し)、試食会。「なんか香ばしいけど、美味しいねえ!」とかなり好評やったよ。

まあね。そりゃ、その前の日までおにぎりばっかり食べていたんやから、美味しく感じて当たり前やっての。だから、参考記録にもなりませんがな。肉じゃがづくりに自信のある自分にしてみれば、逆にタイミングが悪かった。

災害時、真剣にいろいろ取り組むのは大切なこと。しかし、深刻すぎるのは良くない。ある程度、余裕を持って楽しまないといかんやろ。

せやから、このサバイバル料理ってのも楽しんで欲しいね。ビニール袋の中で作ってしまう料理って面白そうやん。マリネとか簡単に出来そう。サバイバル料理もスタンダードになれば、サバイバル郷土料理ってのにも展開していくのかね。サバイバル土佐料理とか。鰹のたたき、ビニール袋の中で作れそうやな。「づけ」ですわ、「づけ」。づけまぐろの要領で(笑)。

あ、「ビニール袋の中」で思い出すのがシンナーね。いや、自分はやっとりませんよ。そういうのを救助したときのエピソードを思い出す。生々しいのでここでは書きませんけどね。

ビニールの中に入れるものはシンナーではなく、ふえるわかめちゃんにしときましょう。

このネタからシンナーまで展開してしまうとは、我ながらスバラシイ(?)。

追記:“photo album”に追加された写真です。2008年12月。奥田健次の教育改革ぶろぐろ部事務局より。

Ryoma1_3

 

 Ryoma2_5

にほんブログ村 政治ブログへ ←ま、気が向いたら投票してください。

Posted by 奥田健次 教育 |

2008.01.22

緑のたぬき? 否、緑の焼きそば!

緑の焼きそば。

ええねえ、茶そばみたいで。ソースを入れてまぜたら、また変色するんでしょ?

自分もいつか試す、試すー!!

「気持ち悪〜い」緑色の焼きそば 科学の不思議

2008年01月21日

 同志社大生が小学生に理科のおもしろさを伝える「楽しい科学実験教室」が19日、同大京田辺校地(京都府京田辺市)であった。市内の小学4〜6年の児童46人が集まり、先生役の学生14人と実験を楽しんだ。

 大学生がイベントの企画や運営を学ぶ授業の一環。3班に分かれ、ロボットを使ってモーターの動力をギアに伝える▽液体窒素でさまざまなものを凍らせる▽紫キャベツの汁で酸性とアルカリ性の違いを学ぶ——といった実験をした。

 紫キャベツと焼きそばを一緒にいためると、化学反応でそばが緑色に。子どもたちからは「気持ち悪い」「すごい」と歓声があがった。参加した市内の松井ケ丘小6年、杉木映里佳さん(12)は「理科は好きでも嫌いでもなかったけど、焼きそばが緑色になってびっくりした。家でもやってみたい」と話した。

変色といえば。忘れもしないのが小学校の時の理科の実験。

リトマス紙を使う前に、担任に「奥田君、こっちの液体にはこっちのリトマス紙を使って」と言われた。自分としては、「そんなん最初っから答えが分かってるんちゃうん? 色が変わるってんでしょ!」と思っていて、案の定、そうだった。

自分としては、赤いリトマス紙が青く変色する液体の中に、青いリトマス紙を入れたくて仕方がなかった。それをどうしても許してくれなかったんですよ、担任は。「モッタイナイ」という理由。「それに青いのをいれても変化がないから」と言われておしまい。「変化がないのをこの目で確認するのが大切なんとちゃうん?」と疑問を持ったが、「奥田君は理解の悪い子だ」みたいな評価でした。

科学ってのは疑問に思ったことを試験するのに、その試験をさせてくれなかった担任のおかげで、しばらく理科なんかキラーイになってしまった。

だから、こんな授業をやってくれる大学生がいたら嬉しかったやろうな。

自分もまた出前授業をやろうかな。高校の総合学習なんかで心理学のオモシロイ話をすると、いつも大好評なわけですよ。「犬のウンコ恐怖症を無くす方法」とか、笑える話をしましょうか。小学生向きにもアレンジできるし。幼稚園の年長さんにやると、もうバカうけ。

相変わらず、テレビ向きではないかもしれんが(笑)。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ま、気が向いたら投票してください。

Posted by 奥田健次 教育学ぶこと |

2008.01.21

ケアレスミスだらけのセンター試験(後半は対応策の提案)

着メロが聞こえたら、英語のリスニングがイントロクイズになってしまう。

「たぁけや〜、さおだけぇぇぇぇぇ」とか聞こえたら、「誰が買うねん!」と雑念がわいてしまう。

センター試験、お疲れ様でした。ん? 受験生に対してだけのメッセージ??

いやいや、試験監督を担当した先生方に対する労いの言葉でもある。

着メロ不意打ち 省エネ消灯 センター試験トラブル続出

2008年01月21日01時07分

 試験中に突然電気が消えたり、携帯電話が鳴り出したり——。20日に終了した大学入試センター試験は予想外のトラブルが相次ぎ、19日の試験だけで過去最多の1211人が再試験の対象となった。ただ、26日の再試験を受けると当初結果は破棄される。「成績が悪かった。再度臨む」という受験生もいれば、「私大の入試に集中する」とあきらめる人もいた。

 「ジャーン」。大分市の日本文理大では19日のリスニングテストが始まってから約5分後、受験生の足元に置いてあったかばん内の携帯電話が鳴り出し、ロックバンド「175R(イナゴライダー)」の曲の着信メロディーが響いた

 センター側は「地方では、保護者らに迎えに来てもらうため、連絡する際などに必要」と携帯電話の持ち込みは禁止していないものの、部屋に入る前に電源を切るよう指示している。ただ、この受験生はホテルの部屋に置いてきたと思いこみ、切っていなかった。

 着信音は、監督者がかばんを教室外へ持ち出す途中で切れた。他の受験生に動揺の様子はないと判断したため、試験はそのまま続けられたが、終了後に数人から「メロディーで音声が聞き取れなかった」と苦情が寄せられた。大学側が調査したところ、約30人が「試験に影響した」と答えたため、携帯を持っていた受験生を除き、この教室にいた178人を再試験の対象とすることを20日に決めた。

 大分県臼杵市の高校3年女子(18)は「かすかに曲が聞こえた。席が離れていて影響はなかったけど、近くにいた友人は4点分くらい損したと言っていた」。同県佐伯市の高校3年男子(18)は「英語は傾向が変わって難しかった。再試験は受けます」と話した。

 東京都武蔵野市の成蹊大ではリスニング終了の約15分前、実施されていた16教室の電気が一斉に消えた。省エネのため消し忘れを防ぐ自動消灯機能が解除されていなかったのが原因で、受験していた855人全員が再試験対象になった。昨年も同じ建物で試験を実施したが、トラブルは起きなかった。会見した栗田恵輔学長は「施設の管理が不十分だった。態勢を見直したい」と話した。「消灯はあまり気にならなかった」と話す受験生もいたが、20日午後6時半までに109人が再試験を申し込んだ。

 5秒ほど明かりが消えたという高3男子は「試験にはあまり関係ないと思うが、ふだんは50点満点中40点取れるリスニングが22点だった。このままでは志望の国立大は厳しい。リスニングの勉強を続けるのも大変なので悩んだが、受けることにした」と話した。一方、10秒ほど暗くなった教室にいた高3女子は「点数はあまりよくなかったけれど、私大入試の勉強をしたいので、再試験は受けません」。

横浜国立大では受験生が別室でリスニングを受けていた際、道路に停車した車から物売りらしき音楽が5分間ほど流れてきた。体が不自由な場合などに別室受験を認めているが、この部屋で受けていたのは1人。終了後に「再試験を受けさせて欲しい」という趣旨の申し出があり、認めることにした。

 ただ、同大の広報担当者は「道路に面していなくても、救急車のサイレンなど外の音が入ってきてしまうこともある」と微妙な表情。センターの受験上の注意では航空機や周囲の受験者のせき、短時間の携帯鳴動など「日常的な生活騒音」については原則、救済措置をとらないとしている。

 一連のトラブルについて、駿台予備学校の田村明宏広報課長は「会場の大学も相当努力しているはずだが、受験生には一生の問題。トラブルはさらに減らしてもらわないといけない。特に成蹊大のような場合は、事前に再度のチェックが欠かせない」と求めた。

〈再試験と再開テスト〉

 再試験は、災害やトラブルなど外的要因で試験が実施できない場合や完了できない場合、大学入試センターと会場の大学が協議して実施を決める。対象者のうち希望者が1週間後に同じ会場で別の問題で受験する。

 各大学は受験生に受けるかどうか希望を聞くが、当日でも会場に受験票を持参すれば受けられる。再試験を受けた科目の最初の試験結果は自動的に破棄され、点数が良いほうを選ぶことはできない。

 今回、徳島、千葉工業、成蹊の3大学は19日の試験終了後、受験生を待たせて関係者が話し合って26日の実施を決め、受験生に伝えてから帰宅させた。他の大学は20日に実施を決め、別の科目を受けるために再び大学に来ていた受験生には試験場で、その他は電話などで伝えた。

 一方、再開テストは、英語のリスニングテストの試験中に受験生がICプレーヤーの不調などを訴えた際に行う。訴えた時点でイヤホンを外し、テストを中断。通常の試験終了後に機器を交換し、中断したところから同じ問題の音声を聞き、解答を再開する。

 このほか、病気や事故など受験生個人の事情で当日の受験ができなくなった場合、1週間後に別の問題を使って行う「追試験」がある。

センター試験って、大学教員に任されてるんですけど、それがもう限界なんとちゃうかな。

どこの大学も、比較的時間に縛られないのが教員職の一般的特徴です。講義や会議の時間は守らないといけないが、出勤時間は常識の範囲でゆるやかなもの。

で、このセンター試験。自分も監督をやったことがあるから分かるけど。

おっそろしいくらい細かいの。時間なんて分刻みですよ。「9:02 ○○を読み上げる」「9:04 △△を確認する」「9:05 ▼▼をほにゃらら」なんて感じで、実施マニュアルが細かすぎ。

サービス精神で受験生のために軽く一発芸でもやってあげようと思うのはよいが、ホントにやってしまうとNG。たとえ全体的にウケても駄目。すべらなかったのに駄目なんよ(一発芸がすべると、かなり縁起が悪いやろうなあ)。後から受験生が「成績が悪かったのは、あの試験監督のギャグのせいで気が抜けたからだ」と言われてしまうから。

こんなマニュアルに縛られまくるのって、自分に限らず、大学教員は基本的に苦手な人が多いと思うよ。

予備校とかを試験会場にしたらどうかね。ほれ、入試問題の作成はすでに予備校に外注する大学も増えてるでしょ。

それか、試験監督ロボットを開発せよ! うん、これいいね。マニュアル通りやらせるのなら、これで完璧でしょ。試験監督ロボの特技ですがな!

「ジュケンバンゴウ ヲ インプット セヨ」みたいな、ちょっと古めかしい牧歌的(?)なロボット語ってわけでもないでしょ。カーナビみたいなアナウンスでいけるやろ。農作業ロボもあるくらいなんやから、早くセンター試験監督ロボを製作してください。

Asimo_2_thumb やっぱ、ホンダが開発してくれるかな。ASIMO君が机の間を歩き回って、受験票と受験生の顔をスキャンするんですよ。近未来的!

へっどらーいと、てーるらーいと。。。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ま、気が向いたら投票してください。

関連記事:
君もロボットになれる、なろう!
ヒューマノイド・テラピー?
     など。

Posted by 奥田健次 教育社会 |

2008.01.17

「すべらない話」では文法が崩れても構わない話

話のネタ次第で、「文法のくずし」みたいなものが問題ではなくなる。

前半は「うーん」という感じでしたが、途中から「なるほどー」に変わる記事でした。神戸新聞の記事です。じっくり読んでみてつかあさい。

「体験談文法」は面白い話限定 神戸大・定延教授

 「すべらない話」という人気テレビ番組がある。お笑いタレントが体験談を語り、視聴者の爆笑を誘う番組だ。一方で現実社会ではどうでもいいような体験談を延々と聞かされて辟易(へきえき)することもある。ところが日本語では、面白くない“体験談”は文法的に語りえないのだという。“朗報”のようなその法則を明らかにした、神戸大国際文化学部の定延利之(さだのぶ としゆき)教授(言語学・コミュニケーション論)に聞いた。(武藤邦生)

 まず例文。「北京のまちって、しょっちゅうレストランがあるよね」

 違和感はないかもしれないが、この文はふつうの文法に照らせば、おかしい。

 「『しょっちゅう』『ときどき』『めったに〜ない』などは、デキゴトが起こる頻度を表す言葉なのに、レストランというモノの数を表現している」と定延教授は説明する。

 でもこうした会話は、ごく日常的に交わされている。定延教授自身、「定延なんて名字の人、めったにいないでしょう」などといわれることもあるという。

 日本語文法の盲点ともいえるこの語法こそ、定延教授のいう「体験談の文法」。レストランという「モノ」を、「北京のまちを歩くと、私の目の前にレストランがしょっちゅう現れた」という「デキゴト」(体験)に変換して話す文法だ。

 ただし、この文法はいつでも使えるわけではない。

 例えば最初の例文を少し変えて、「うちの近所って、しょっちゅうレストランがあるよね」とすると、途端にかなり不気味な文章になる。まるで、レストランが現れては消えるような…。

「北京」は○なのに、「うちの近所」は×。その理由は「“ワクワク感”が違うから」と定延教授。「体験談の文法は、面白い話限定。北京の話なら面白そうでワクワクするけれど、近所のことなんかどうでもいい」。つまり、つまらない“体験談”は文法上、語ることが許されないのだ。

 面白くない話には、モノをモノのままで話す文法、すわなちふつうの文法しか使えない。「たくさんレストランがある」のように。ふつうの文法とは「体験談の文法」と対極の「知識伝達の文法」で、「言語学はこれまで知識伝達の研究ばかり力を注いできた」という。

 定延教授は「コミュニケーションは何も知識の伝達だけで成り立っているわけではない。実際、体験談の文法は頻繁に使われているし、人の心が動かされるような場面では、体験を語ることが決定的に重要な役割を担っている」と指摘している。

(12/14 10:13)

「ワクワク感」の違いかぁ。

うん、すごく良いよね! こうなってくると、言語学からのこうした分析には、心理学(とりわけ行動分析学)のパラダイムが適用できる。スキナーの『言語行動』の枠組みで考えてみると、それこそ自分はワクワクしてしまうね。

いやあ、勉強になります。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ま、気が向いたら投票してください。

関連記事:
学会の最終日@San Diego
スキナーの心理学
     など。

Posted by 奥田健次 教育学ぶこと |

2008.01.16

新成人におもねる文部科学大臣

団塊のオッサンが反省もせず。

間違いを認めると、自己否定になるもんな。

「ゆとり教育」代名詞の新成人を擁護 渡海文科相

2008.1.15 11:33

 「ゆとり教育世代を一くくりにとらえないで」…。現行学習指導要領で学んだ「ゆとり世代」がインターネット上の掲示板などで低学力の代名詞として扱われていることをめぐって、渡海紀三朗文部科学相は15日、閣議後の会見で反論。「そう見る必要は全然ない。一つの世代を一元的にとらえることはなかなかできない」と強調した。

 「ゆとり教育」と呼ばれる現行学習指導要領は小中学校で平成14年度、高校で15年度から始まった。新成人は高校3年間すべてを現指導要領で学んだ初めての世代とされる。

 渡海文科相は「ゆとり世代」について、「『最近の若い子は』といわれるが、世代が変わると文化、価値観、興味も変わる。一概に今の若い人の行動をわれわれがどうこう言うのは適当ではない」と述べ、ことさら憂慮(ゆうりょ)する必要はないとの認識を示した。

 さらに、新成人を迎えたことについて、「これからは若い人が活躍する世代になる。彼らの未来に期待したい。現在の思いを忘れないでほしい」とエールを送った。

確かにね、「単純な世代論」ってのは馬鹿らしい。

しかし、この文部科学大臣のオッサン、言っていること自体が矛盾しているっての。誰も気付かないのかね。「世代が変わると文化、価値観、興味も変わる」という考え方ならば、世代によって価値観が異なることを認めているわけで。『ゆとり世代』という、ある種の特徴のある世代について「そう見る必要は全然ない」と断言しているんでしょ。矛盾もいいところ。

ちなみに言っておく。親が子を訓育すること、大人が子どもを教育すること。この営みが時代によって姿や価値観まで変わっても良いという考えは間違い。動物を見よ。何千年経っても、変わらぬ子育てをやっている。愚かな人間は、チンパンジーやライオン、犬の子育てから学ぶべき。

話を世代論に戻す。まあ、そりゃ各個人で見ていけば世代論なんて、そんなのカンケーネー。一生懸命、勉強をやった人もいれば、親からの厳格なる教育と愛情を注ぎ込まれた人もいる。ただし、全体としてどうかという見方も必要でしょ。全体の特徴を「なんちゃら世代」と表現すること自体は、全然悪いことやない。

この文部科学省のオッサンこそ、まさに「子どもにおもねる団塊の世代」と言ってよい。こういうオッサンらの言動が、戦後の日本を悪くしたわけ。「ゆとり教育」も間違いならば、同時に「子どもの人権至上主義」の子育ても大間違い

おかげで、これらの世代の学力がどうのってことも少しは気になるけど、それより「自分の言動の否は認めず、悪いことは全部、他人のせい」にする青年・成人が増えてしまいましたよ。大学生とか見ていても、内省できない子が増えているんやから。それに、目先のことしか判断できない連中も多くなっている。

まあ、この団塊世代の大臣が反省も出来ないオッサンだということなので、やっぱり単純な世代論には意味がない。

世代論よりも個人の言動を見る。これが基本。しかし、時代と共に価値観まで変容しているのが事実ならば、ある種の世代論というのがあって当然。「自分は違う」という思いがあるならば、世代内で闘争せよ。同じ世代のだらしない連中を、同じ世代が叩けばよい。

いつも言っているように、文部科学省はさっさと「教育危機宣言」をしろ(日教組のスローガンとは違う! てゆーか、日教組が危機に追い込んだ頭目で、今は親米自民党)。「憂慮する必要はない」などと呑気なことを言うている大人は、どんな立場であろうと居酒屋のオッサン以下。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ま、気が向いたら投票してください。

関連記事:
苦し紛れのバカ親対策マニュアル
「校内暴力、過去最多」。そりゃそうでしょ。
青少年の自殺率を減らしたければ、『ゆとり教育』をやめなさい!
親も教師も覚悟が足りない(不登校問題)
ゆとり第一世代を評価するって? マジで?
「抜き打ち検査=人権侵害」ではない
殴る小学生と殴られる大人
      など多数。

Posted by 奥田健次 経済・政治・国際教育社会 |

2008.01.15

ドラマ「だいすき!!」

知的障害のある母親の育児。

こういうテーマのドラマです。年末から、何度も番宣やってたので気になってました。

私としては原作自体を知りませんでしたので、ドラマの内容や方向性がどんなものなのかまったく分かりません。ただ、自分の生涯の仕事として身近に関わっている人が取り上げられているような気がしますので、みなさまにも紹介いたします。

主役の香里奈さんは、確か前の自閉症者ドラマではヒロイン役で出演されていましたよね。放送局のホームページはこちらです。

TBS『だいすき!!』

今週木曜日、1月17日(木)夜10時からスタートです。知的障害に関心のある方はもちろん、奥田研究室の仕事に興味のある方は、どうぞご覧下さい。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ま、気が向いたら投票してください。

関連記事:
『KY』と『心の理論』
自閉症生徒を勝手にカットした中学校
発達障害児支援エキスポ2007
たまには仕事のことを(研究室の惨状はオマケ)
     など多数。

Posted by 奥田健次 教育特別支援教育 |

2007.12.25

まだまだ教育再生会議?

存在意義がないって。

安倍さんが辞めた時点で解散するべきやろ。売名ヤンキー某だか事務局長も辞めたんやしさあ。

【教育再生会議】第3次報告の要旨

2007.12.25 17:47

 教育再生会議が25日に決定した第3次報告の要旨は次の通り。

 《1、学力の向上に徹底的に取り組む》理科教育強化へ小学校専科教員を増員▽小中高大の「6・3・3・4」制の弾力化。小中一貫校の制度化を検討▽小学校から英語教育に取り組む

 《2、徳育と体育で健全な子供を育てる》徳育を新たな枠組みで教科化し、感動を与える多様な教科書を作る。点数での評価はせず、専門の免許も設けない▽運動・食育・生活習慣が一体となった体力向上をはかる

 《3、大学・大学院の抜本的な改革》高校での学力担保のため将来的な課題として高卒段階での学力テスト実施を検討▽学長のリーダーシップによる徹底したマネジメント改革の推進。学長選の廃止も検討

 《4、学校の責任体制の確立》校長の5年以上の同一校在職などでリーダーシップを発揮▽不適切な人事慣行、勤務形態を改め、組合との不正常な関係を正し人事の公正化を図る▽偏向した授業や行き過ぎた性教育など不正常な学校を教育委員会が是正

 《5、現場の自主性を生かすシステムの構築》国が学校の第三者評価ガイドラインを作成▽学校選択制と児童生徒数を勘案した予算配分による学校改善システムをモデル事業で実施▽社会人教員の大量採用で学校活性化。普通免許がない教員を採用者の2割以上に

 《6、社会総がかりでの子供、若者、家庭への支援》有害情報から守るため、子供使用の携帯電話にフィルタリング(サイトへの接続制限)を義務付ける法的規制導入

 《7、教育再生の着実な実行》教育再生会議の提言の実効性担保

なにげに「小学校から英語教育」も盛り込まれてるやんか。日本を占領しているアメリカ様をお世話するためのものにしかならんやろ。英語(白人)コンプレックスの連中ばかりか? この再生会議は。

「感動を与える教科書」ってのも訳がわからん。徳育よりも「公共心」を育てようとしろよ。

「社会総がかり」ってのも、勝手にそのフレーズを盗みやがって(←これは嬉しいけどね)。しかし、お前らの提言では無理。

最後の『7』には笑った。「俺たちの提言を無視するなよな!」で結びですか(爆)。

古い左翼への反動はOK。でも、今の保守ってのは「金」と「生命」だけでしょ。だから、最初からこんな連中による再生なんて無理やと言っていたんやけど。教育再生どころか、益々悪くなるやろうな。

「じゃあ、対案はあるのか?」みたいなアホくさいステレオタイプ質問をするなよ。あるに決まってるやろ。なめるな。誰がブログごときで力入れて書くねん。ブログでは鰺しか書かねーよ(笑)。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

関連記事:
子どもの依存症を促進する企業
『子育て学』を高校の必修科目にせよ。
『やらせ』使わなきゃならん教育改革なんぞ、ロクなもんじゃねぇ!
『いじめ』の犯人捜しという『いじめ』。
日本の教育行政、その責任者不在のシステム。
      など。

Posted by 奥田健次 経済・政治・国際教育社会 |

2007.12.16

子どもの依存症を促進する企業

「子どもを中毒にしてしまえ」。

これが、戦後日本の大人の基本的姿勢。何の話かって?

携帯電話ですよ。

ドコモが新たなキッズケータイを発売

2007.12.10 19:11

 NTTドコモは10日、子供向け携帯電話端末の「キッズケータイF801i」を20日から発売すると発表した。現行のキッズケータイは、発売から2年弱で48万台が売れたヒット商品。国内携帯電話市場に飽和感が漂う中、ドコモは子供向け携帯の投入で活性化を目指す。

 子供向け携帯市場についてはKDDI、ソフトバンクモバイルとも、売れ行きなどは明らかにしていない。ドコモの夏野剛執行役員は「当社のキッズケータイは、小学生の7%が保有している」と説明し、子供携帯の分野でシェアトップの自信を示した。

 「最初にドコモの端末を持ってもらえば、キッズケータイを卒業しても、メールアドレスなどは引き継がれるわけで、意義は大きい」(夏野執行役員)とし、子供向け市場に本腰を入れての新商品投入と説明した。子供向け携帯端末の100万台突破を目指す。

 新機種は前機種に引き続き、クリエーティブディレクターの佐藤可士和さんがデザインを担当。前機種よりも子供らしさを抑えたデザインとし、4色をそろえた。音だけでなく、本体に取り付けられた「ひかりリング」が発光して緊急事態を知らせる防犯機能や、置き忘れたまま離れるとアラームで知らせてくれる機能を付けた。

 このほか、水道水に30分程度沈めても大丈夫な防水機能や、有害サイトにアクセスできないフィルタリングなども備えている。

 ドコモは平成16年から子供向けの「ケータイ安全教室」を開き、これまでに約3600回行うなど、子供向けサービスに力を入れている。

市場原理主義。だから、商品が売れることがすべて。子どもの健康や将来のことなんか考慮しているフリして、実際には売り上げのことしか考えてない。

携帯電話の保有率(警視庁調べ)

 小学生32.4%
 中学生68.4%
 高校生96.0%

小学生の1クラス10人程度保有していることになる。これをさらに普及させようというドコモの販促宣言。自分、もうドコモとの契約を切ろうかな。

有害サイトにアクセスできないフィルタリング機能? そういえば、教育再生会議もそんなクソ程度の議論をしていたっけな。欺瞞もいいところ。有害サイトのことも問題だが、携帯電話中毒のことを言っているわけよ、自分は。近い将来、精神疾患分類マニュアルに定義されるであろう携帯電話依存症。

売ってしまえば後戻りはできないだろうという大人の魂胆が、隠されることもなく表明されている。「法による規制が行われる前に売っておけ」、「法による規制なんかできなくしてしまえ」という考えなのだろう。

「安全教室をやっています!」というのも欺瞞。すでに、先日の成育医療や地域の学校等で自分が指摘した通り。子どもの安全を語るならば、携帯電話を持たせない社会を構築すれば良いのに、そういう議論は一切無し。

不登校、ニートだらけ。メール依存の携帯電話中毒だらけ。

日本の将来は完全な危機に陥っている。責任ある大人がこの危機を隠している。政府は「教育危機宣言」を出すべし。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

関連記事:
成育医療センターでプレゼンしてきました
携帯電話依存症にもなりゃ窃盗も増えるわ
子どものケータイを制限する応援団
トイレですること(煙草、マリファナ、携帯電話)
蔓延する携帯電話依存症
携帯電話中毒者の事例
子どもに携帯を持たせないマドンナは賢母
泥酔客を飛行機に乗せるなかれ
携帯電話が、子どもの安全を守るか!?
公共心 崩壊している おやじなり
携帯電話を規制する
     など。

Posted by 奥田健次 経済・政治・国際教育社会 |

2007.12.15

「職場いじめ」の覚え書き2

覚え書きの続き。

悲惨さ増す職場のいじめ 「見た・相談受けた」8割

2007.12.13 12:59

 日本産業カウンセラー協会が12日発表した産業カウンセラー440人に実施した「職場のいじめ」調査結果によると、実際に見たり相談を受けるなど事例経験があるとの回答は8割に上った。内容としては「パワハラ」が78%を占め、その形態も「罵る・怒鳴る・威嚇する」が68%と最も多く、企業のいじめが悲惨さを増している実態が浮き彫りになった。

■罵る・怒鳴る・威嚇

 協会は過去、4回にわたり産業カウンセラー100人に対して職場のいじめをテーマに調査を実施。今回は企業・団体の従業員カウンセラーら実際にカウンセリング業務にかかわっている人を対象に11月1日から25日までホームページ上で行った。 この結果、「職場のいじめと考えられる事例を見たり、相談を受けたりしたことがあるか」との質問に対しては81%が「ある」として、前回の79・7%を上回った。事例の内容としては、「パワハラ」が78%でトップ。その形態としては「無視・仲間はずれ」(54%)や「嫌がらせ」(50%)を抑えて、「罵る・怒鳴る・威嚇する」が68%で最も多かった。いじめが行われた人間関係では「上司から部下」が85%に達し、「社員間」(56%)、「同性間」(43%)を圧倒的に引き離している。

■想定通りの結果

 会見した同協会の相談事業部長で東京支部のカウンセラーでもある橋渡志保子さんは「自分が受けている相談内容がほとんど当てはまる。怒鳴るなどの行為が日常的に行われている組織では、誰か一人がターゲットになって攻撃され、周囲も自分に影響が生じないように見て見ぬふりをして、パワハラがないことにされてしまう傾向がある。こうした事態は個人ではどうしようもない」と指摘した。

 原康長専務理事も「想定した結果通り」としたうえで「学校でのいじめと同じく、強者が弱者をいじめることが企業社会に持ち込まれ、そのまま見過ごされている。企業内における民主主義がないがしろにされている」と危機感をあらわにした。

■「法整備が必要」

 パワハラ防止のための有効・必要な対策としては、87%が「管理職研修を含む企業内教育」を挙げている。このほか橋渡相談事業部長は「セクハラは法処分が可能になったことで、管理職や一般社員も含めて教育が行き届いている。パワハラについても厳正な処罰ができるように法制度の整備は必要」との見解を示した。

 「今回は、企業の現場で産業カウンセリング業務に携わっている人を対象に限定したことで、何らかのいじめが企業内で行われていることがわかった。人格を無視するようなハラスメントを根絶し、働く人が本当に大事にされる環境作りが、企業の責任者に求められている」と原専務理事は、いじめ排除に向けて具体的な活動の重要性を強調した。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

関連記事:
「職場いじめ」の覚え書き1
【最高裁判決】教授への村八分は違法【アカハラ訴訟】
幹部を処分する方法を検討せよ
職場いじめからの暴走
イエスマンにみる『いじめ』の病態
       など。

Posted by 奥田健次 いじめ・ハラスメント教育社会 |

2007.12.14

「職場いじめ」の覚え書き1

パワハラに関する記事。覚え書きとして残しておく。

増える仕事…心に「ゆとり」なく「職場いじめ」?

12月13日10時50分配信 産経新聞

 東京都産業労働局が10年ほど前から労働相談で統計を取り始めた「職場いじめ」(パワーハラスメント、パワハラ)。労働相談全体に占める職場いじめの相談は、平成9年の2・3%から18年には4・6%に倍増した。
 「業務量を増やされ、定時に帰れないと『なぜ残業するんだ』と怒られる」といった理不尽なケースや、「仕事を与えられない」など無視されるケース、中には「カッターナイフを投げつけられた」といった、パワハラのレベルを超えたものまで、相談はさまざまだ。
 「パワハラの相談が増えた一番の原因は雇用の形態や職場環境の変化」と指摘するのは、「職場いじめ」などの著書があるジャーナリスト、金子雅臣氏。バブル崩壊後に進んだリストラと成果主義の導入により、削られた人員で結果を求められる職場環境が生まれたため、パワハラが増えているのだという。「10年前は上下関係にも余裕があった。でも仕事が質、量ともにアップし、ミスも許されない。上司と部下、双方に余裕がなくなっている」と金子氏。「どの企業にも起こりうる問題」とも指摘する。
                   ◇
 職場環境の変化が生んだパワハラが、逆に職場に与える悪影響の例として金子氏が挙げるのは、平成17年4月のJR福知山線脱線事故で問題となった、JR西日本の日勤教育だ。客の「命」と「時間」を預かっているという大義名分の下、教育という名の「懲罰」が徐々にエスカレート。部下は萎縮(いしゅく)してミスを隠そうとし、さらに大きなミスを生み出す。
 「部下を追い込む、JR西と同じような環境が、多くの企業で生まれ始めているのではないか」(金子氏)。
 一方で、企業側のパワハラ対策に対する意識改革が進んできているという事実もある。中央労働災害防止協会が17年3月にまとめた「パワーハラスメントの実態に関する調査研究報告書」によれば、アンケートに回答した企業のうち、パワハラ対策を「重要である」と答えた企業は約8割。
 大企業ほど、その傾向が強かった。またパワハラ被害に対応するための相談窓口も、9割以上の企業が設けていた。
                   ◇
 パワハラ対策に関する講演や研修などを行う企業「クオレ・シー・キューブ」の代表で「パワーハラスメント」という言葉の“生みの親”とされる岡田康子氏は、この調査にかかわった。
 岡田氏は「確かに、大企業や情報感度の高い企業では、以前のようにひどいパワハラは少なくなったようだ」と分析。「かつては精神的な問題を社員が抱えると『あいつは弱い』のひと言で切り捨てられたが、今は上司や社内環境に問題があることに企業が気付き始めている」。
 一度問題になると、マスコミにも取り上げられ、賠償金の請求やイメージの低下など、企業の受ける打撃も大きい。
 何よりも、パワハラで有能な人材を失うことになれば、会社の経営にも直接響く。
 「会社側がリスクの高い問題として、パワハラを位置づけるのも無理はない」(岡田氏)。
 パワハラは“企業力”をもむしばむ危険性をはらんでいるのだ。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

関連記事:
【最高裁判決】教授への村八分は違法【アカハラ訴訟】
幹部を処分する方法を検討せよ
職場いじめからの暴走
イエスマンにみる『いじめ』の病態
       など。

Posted by 奥田健次 いじめ・ハラスメント教育社会 |

2007.12.10

「口を出すな」と言って教師に「手を出した」親

学校に権威を。

しかし、戦後の教師が何でもかんでも権威なるものを否定してきたでしょ、日教組を中心として。そのツケですよ。自業自得といえばそうなんやけど、自業自得で済まされるか? 日本は瀕死状態やないか。

「権力」じゃない。「権威」です。この違い、分からない大人が多いんよなあ。

モンスターペアレント逮捕…面談中教師に暴力

 “モンスターペアレント”が逮捕された。埼玉県警朝霞署は8日、公務執行妨害と傷害の疑いで、同県志木市の建築業・富永慎容疑者(36)を逮捕した。中学2年の息子の生活態度をめぐり学校側と面談中に、激高して教諭につかみかかり、けがをさせたという。学校に理不尽な要求を突きつける“怪物親”の振る舞いに教育現場の困惑は深まるばかりだ。

 調べでは、富永容疑者は7日午後4時45分ごろ、志木市立宗岡第二中学校の相談室で、サッカー部顧問の男性教諭(48)らと面談中、「うちのしつけに口を出すな」と言って教諭の襟首をつかむなどして、顔に軽傷を負わせた疑い

 サッカー部に所属する同容疑者の息子(14)が、11月はじめに他の部員に暴力をふるったのが問題の発端。この暴行を聞きつけた男性教諭が「謝罪しなさい」と注意すると、息子は教諭にも殴りかかり、体の一部に当たったという。この行為のペナルティーとして、教諭は息子に休部処分を言い渡した。

 この処分を不服とした富永容疑者は、妻、息子とともに7日に学校に乗り込んだ。学校側は校長と教諭、もうひとりのサッカー部顧問とともに対応していたが、容疑者はテーブルを乗り越えて教諭に詰め寄り、つかみかかって、顔を負傷させたという。

 生徒の暴力については教育で対応しようとした学校側だったが、さすがに親の暴力には、たまりかねて、けがを負った教諭が同日夜、朝霞署に被害届を出した。

 教育評論家の尾木直樹法政大教授は「典型的なモンスターペアレントですね」と言う。同教授によると「モンスター」は5つに分類される。〈1〉学校依存型(何でも学校に押しつける)、〈2〉自己中心型(学校行事の日程変更なども要求)〈3〉暴力型(暴力だけでなく、暴力団との関係をちらつかせる)、〈4〉権利主張型(給食費不払いの言い訳など)、〈5〉いちゃもん型(いわゆるクレーマー)。今回は「〈2〉、〈3〉、〈5〉に該当する複合型モンスターですね」とあきれた。

 教育現場に警察を介入させたことについては「(今回のケースでは)学校側の判断は正しい。こういうのを見過ごしてはいけない。ものごとにはある程度のルールと礼儀があります」と尾木教授は“モンスター撲滅”を訴えた。

「口を出すな」と言って、手を出してしまった父親。そりゃ逮捕されますわ。

こういうのは、モンスターペアレント。

でも、こんなんのおかげで教育不十分な学校に対して正当な要望を出している親御さんにしてみれば良い迷惑やね。

学校側にしつこく要望すると、「モンスターペアレントと思われやしないか?」と躊躇してしまうでしょ。

教育を放棄したといえるような学校や教師。こういう学校や教師に対して保護者がブチカマシに行くのなら、助六弁当を携えて応援に行きたいもんやね。でも、身勝手なことを平然と言う保護者については、学校を応援するために放水車に乗って駆け付けたいもんです。

何でこんなことを言うのかっていえば、そりゃあそれだけたくさん目に浮かぶ具体事例があるからよ。

学校も保護者も大人になりきれない人が増えているという実感は拭えませんね。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

関連記事:
給食費を払えるのに払わない親
苦し紛れのバカ親対策マニュアル
保育料を払わない親
【日本改悪】教師用「訴訟保険」【外資ウハウハ】
給食費を払わない保護者
「おかずもお願い」
子どもに携帯を持たせないマドンナは賢母

どうしようもない保護者

      など。

Posted by 奥田健次 教育社会 |

2007.12.01

コンビニ営業は7時11時で良い気分。

コンビニが24時間営業でなくなるかも。

「温暖化対策」の一環のようだが、青少年のためにも良いこと。

先日の国立成育医療センターで神山潤先生が主張されたことが少しでも聞き入れられてきたのかしら。当然のごとくコンビニ業界の反発は激しい。

コンビニ深夜閉店、CO2削減効果3〜4% 業界試算

2007年11月30日22時07分

 24時間営業のコンビニエンスストアが夜間に店を閉めて16時間営業にしても、二酸化炭素(CO2)の削減効果は3〜4%にとどまるとの試算結果を日本フランチャイズチェーン協会が30日、環境、経済産業両省の合同審議会で報告した。

 協会に加盟するコンビニ約4万2000店のうち24時間営業は94%を占める。店では、冷蔵・冷凍など営業時間が影響しにくいエネルギー消費が大きいうえ、午前7時から午後11時までの営業にしても前後1時間ずつは業務があり、店の省エネ効果は看板・照明を中心に5〜6%という。一方、深夜でなく渋滞しやすい昼間の商品配送で物流分の排出量は6%程度増えるとしている。

 協会は「24時間営業をやめれば売り上げが2割程度落ち、雇用も減る」とも主張。委員からは「年中無休24時間営業は外国ではあまりない」「温暖化は非常事態。16時間でも商売はできる」との声も相次ぎ、協会の担当者は「真摯(しんし)に検討したい」と話した。

「(経済)成長、成長」と言うけどさあ。んなもん、日本人の人口が減る以上、成長なんて言うほうがどうかしているでしょ。

どっちかというと、「縮小」やね。縮小は仕方がない。

しかし、「戦略的な縮小」ってあるでしょうに。

経済縮小しても、海外に簡単に買われない日本にするための戦略を。

コンビニについて少しだけ話を戻しましょ。

こんな風にしたらいい。

営業時間は23時まで。年中無休にはしない。お盆と正月は紳士協定でお店を全部閉めてしまうこと。大晦日から元日の23時までは深夜営業あり。そして、1月3日までは完全に閉店ね。

こうすることで、戦後日本の弱体化した共同体を再生する第一歩になるでしょ。

ひたすら金儲けの昨今。日本の政財界の中に、金に目がくらまず、子どもの健康や地球環境のために「経済成長至上主義の見直し」ができる人はいるの?

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

関連記事:
成育医療センターでプレゼンしてきました

Posted by 奥田健次 経済・政治・国際教育社会健康・美容環境 |

2007.11.30

日本の「科学的応用力」6位転落

覚え書き。時間が無いからね。

日本の「科学的応用力」6位転落…OECD学習到達度調査

 経済協力開発機構(OECD)が昨年、世界の15歳を対象に実施した国際学習到達度調査(略称PISA)で、日本は2003年の前回調査で2位だった「科学的応用力」が、6位に転落したことがわかった。

 加盟国平均を500点に換算すると、日本は531点。前回に引き続きトップだったフィンランドと比べると、32点も下回り、「技術立国ニッポン」を支える若い世代の科学力の低下が浮き彫りになった

 PISAは3年ごとに実施されており、昨年が3回目。OECDの加盟国を中心とする57の国・地域の15歳の男女40万人を対象に、<1>読解力<2>数学的応用力<3>科学的応用力——の3分野で実施された。日本の受験者数は公表されていない。

 今回、日本の得点は前回より17点も下がっており、ベスト10内の他の国・地域がほとんど得点を伸ばす中で対照的な結果になった。

 今回の調査結果は来月4日に世界同時発表される予定だったが、スペインの教育専門紙が29日に科学的応用力の国別順位をインターネットで公表したことから、この分野のみ前倒ししてOECDが公表した。3分野全体の結果は予定通り来月4日に公表される。

(2007年11月30日0時27分  読売新聞)

たぶん、この問題についても「一般的な有識者」の原因の推定と、自分の意見は異なるやろうね。あまりに過激なので、メディアも黙殺せざるをえない。でも、そんな有識者の考えることなんか誰でも思いつくようなことやし、そんなんで良くなることはないからな。

いつか気が向いたら意見を言うよ。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

Posted by 奥田健次 教育 |

2007.11.25

成育医療センターでプレゼンしてきました

いやあ、面白かった。

ちょっとビックリ。行ってよかった成育医療。あの舞台で爆風ブチかましても、オーディエンスはニコニコ頷いてくださるんだもん。

シンポジウムでの話題提供。自分のお題は『携帯電話を子どもに持たせることに関する諸問題−心理学者からみた批判的考察−』でした。

自分の専門は社会学ではない。自分はあくまでも臨床家。だから、調査研究とかはやらないので、そういったデータは公的な機関のものを提示するだけ。

しかし、自分らしさは具体的な事例の紹介にある。いくつか、トンデモナイと思われるような事例を紹介した。それはそれで、調査研究では分からない生々しさが伝わるので好評だったみたい。

そのうち本を書くつもりです(といいつつ、捗らないけどね)。だって、プーチn...、じゃなかった(それは前の記事!)。忙しいんだもん。

自分のプレゼンの話はさておき。

いや、特に感動したのは自分の次の話題提供者。神山潤先生。事前に読んだレジメだけでも期待感バツグンでした。子どもと睡眠についての第一人者。

プレゼンテーションはもう最高。リサーチベースドで、スライドに次々とデータが現れては消え、現れては消え。猛スピードでしたが、朝の光の大切さ、夜の光の問題について、多くのデータに基づいて提言されました。

現代日本の夜の明るさ、子どもの睡眠時間の短さ。これが、どれほどひどいか国際比較されるところも、説得力抜群のスライド類。「ひどい」のは知っていたが、どれほどひどいのか、参加した人は視覚的に良く理解できたと思う。

某テレビ局の「愛は地球を救う」だの言いながら、24時間テレビの前の子どもを眠らせないという大人の詭弁。まったくご指摘通りです。

子どものことを守らなければならない大人が、目先の金儲けを選択してしまい、そのために子どもが犠牲になっている。うちのブログでもずっと主張していること。うちのブログ、政治家や大人の詭弁が大嫌いやからねえ。ホント、楽しかった。

神山潤先生のご著書、ぜひお読み下さい。真面目に、ホントに大切なことが書かれています。睡眠時間の短い自分には耳の痛い話でした(いつか、改善したいと思っています)。この下のスライドで紹介しています。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

関連記事:
隠されていたいじめ、激増するいじめ。
子どものケータイを制限する応援団
     など多数。

Posted by 奥田健次 経済・政治・国際教育社会学ぶこと健康・美容環境 |

2007.11.12

アカハラ覚え書き1

アカハラ(アカデミック・ハラスメント)事件の覚え書き。

第3部・科学者の倫理とは/3 アカデミック・ハラスメント

<社会の中へ>

 ◇精神的圧迫でうつに

 ◇予算・人事掌握…上司絶大、逆らえず

 応用物理学を専攻する国立大准教授の40代男性は最近、ようやく体調が戻りつつあるのを感じている。以前は朝、研究室に来て、上着をハンガーにかけるのも、おっくうだった。前に在籍した大学で、教授から嫌がらせを受け、うつ状態になったためだった。

 企業研究者だったとき、大学院時代に知り合った教授から「別の大学に移る。どうしても一緒に来てほしい」と請われ、誘いを受けた。助手として赴任した初日、勤務時間を尋ねると、教授は「ここは企業とは違う。勤務時間だけ働けばいいと思ったら大間違いだ」と、いきなり怒鳴りつけられた。以来、学生の前で、たびたび怒鳴られた。

 独力で論文を書き上げたある日。研究室の外の廊下で教授から「場所代だから、著者名に(教授の名前を)入れるのは当然だろう」と告げられた。反論を許さない口調に、しぶしぶ応じたものの不満だった。論文内容に関する議論など、教授とはまったくなかった。

 教授は男性が親しくしていた学生らにも、いいがかりをつけ攻撃するようになった。男性は学生との接触を避けた。精神的な圧迫感で研究どころではなく、通院するようになった。

 男性は友人から今の大学が教員を求めていることを聞き、応募して採用された。「大学は研究室単位で動いており、予算と人事権を握る教授は中小企業の社長のようなものだ。研究室の問題は外の人が口出しできない」と訴える。

 この教授は取材に対し、「コメントできない」などと話している。

  ■   ■

 アカデミック・ハラスメント(アカハラ)とは、「教育・研究現場での権力を利用した嫌がらせ」だ。多くの論文を書くことは、科学者の業績や評価につながる。研究に関与していなくても共著者として論文に名前が載れば、成果とみなされる。共著者を強要し、研究成果を横取りするのは、アカハラの典型例だ。

 NPO法人「アカデミック・ハラスメントをなくすネットワーク」代表理事の御輿(おごし)久美子・奈良県立医科大助教らが、04年にまとめた准教授、講師、助教を対象にしたアンケート(回答者931人)によると、研究論文の作成で、1割が「上司に論文の筆頭著者(ファースト・オーサー)をとられたことがある」と答えた。筆頭著者を他の人に譲るように強要されたという回答も1割近くあった。

 「上司から実験データの改ざんや捏造(ねつぞう)を強要された」という教員もおり、権力関係が論文捏造の背景になっていることもうかがわせた。「自分で取った研究費が教授の研究費として使われてしまう」「任期付きの職のため、次のポストを探さなければならないが、上司に推薦状を依頼しても書いてもらえない」という訴えもあった。

  ■   ■

 同ネットワークには今年6月までの1年間、延べ約1200件の相談が全国から寄せられた。御輿さんは、最近の成果主義やプロジェクトの大型化が、アカハラを誘発しやすくしているのではないかと懸念する。多額の公的研究費を受ける研究室からの相談が目立っているからだ。

 御輿さんは「多額の資金を得れば、それに見合う成果が求められ、若手研究者や大学院生は、上から決められた仕事を長時間強いられる。思うようなデータが出ないと、辞めろと叱責(しっせき)される。こうした環境では、アカハラが連鎖的に拡大しかねず、捏造などの不正を招くかもしれない。悪循環だ」と指摘する。【下桐実雅子】

 ◇「身近な相談場所必要」

 過去に所属した研究機関でアカハラを受けたと公表している若山信子さん(65)=茨城県つくば市=は「被害者は自分に落ち度があるのではないかと感じ、泣き寝入りしてしまう。こじれる前に解決できる身近な相談場所が必要だ」と語る。セクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)に続き、アカハラの相談窓口をつくる大学が増えてきた。

 しかし、いくつかのアカハラ訴訟を担当してきた若林実弁護士(第2東京弁護士会)は「大学に相談体制があっても、申し立てることによって2次的な嫌がらせを受けたり、研究がストップしてしまうなど、被害者は不利な状況に置かれがちだ。身内をかばうので、隠ぺいしているのではないかとみられるケースもあり、自浄能力が十分でない」と厳しい見方だ。

==============

 <大学などがアカハラを認めた最近の主な例>

07年10月 大阪市立大教授が博士論文の指導をしていた大学院生に対し、一方的に学生指導の補佐から外す。停職3カ月

07年 6月 広島工業大准教授が国の研究費を不正使用。卒論作成時期の学生を学外調査に動員した。停職6カ月。准教授は依願退職

06年 1月 福岡県立大教員3人が、教授による研究や授業妨害、退職強要があったとして、人権救済を申し立てた。福岡法務局が人権侵害を一部認め、教授に反省を促す措置

05年 7月 山口大助教授が学生にプリンターのトナー代を要求し、研究員からは給料の10%を出すように強要。戒告処分

05年 6月 九州大助教授が大学院生に理不尽な叱責や長時間の説教を繰り返した。戒告処分

    同  岡山大教授が学生に、自分の実験データ解釈を強制しようとして恐怖や不安を与えた。学生のデータをもとに了承を得ず共著で論文を発表しようとした。減給処分

04年11月 九州大教授が20年以上にわたり大学院生の自宅に電話し専攻の変更を迫った。セクハラ行為も。諭旨免職

毎日新聞 2007年11月11日 東京朝刊

Posted by 奥田健次 いじめ・ハラスメント教育社会 |

2007.11.07

アーティフィシャルな学科名を減らしましょ

カタカナばっかり使ってると逆に恥ずかしいよ、と言い続けてきたんやけど。

ちったあその主張に耳を傾けてくれた人もいたのかなって。

学士号急増580種 文科省、ルール化検討へ

2007年11月04日

 「カルチュラル・マネジメント学」「情報アーキテクチャ学」「人間環境マネジメント」——。いずれも大学の学部を卒業すると得られる学士号の専攻名だ。その数は少なくとも580で、6割は全国で一つしかない。文部科学相の諮問機関、中央教育審議会などは「名前から何を学んだのか分かりにくく問題だ」などと指摘。文科省は専攻名がこれ以上むやみに増えないよう一定のルールを設ける検討を始めた。

専攻名が急増したきっかけは、91年の大学設置基準の大綱化だ。文学士や法学士など29に限られていた専攻名の縛りがなくなった。折しも少子化が進み、各大学は受験生を集めようと新しい学部や学科を次々と設置。カタカナを使った長い名前も多く出現し、それを専攻名に使うケースが増えた。

 00年開学の公立はこだて未来大(北海道函館市)のシステム情報科学部には情報アーキテクチャ学科がある。卒業すると、学科の名前そのままの専攻名が付いた学士号が与えられる。担当者は「コンピューター技術を用いて新しいメディアを提供する情報手段の構築者を『情報アーキテクト』と名付けた」と話す。

 しかし、最近、こうした専攻名を問題視する意見が目立ってきた。大学評価・学位授与機構の濱中義隆准教授は「各大学が特色を出そうと工夫するのはいいが、社会や受験生がそこで何を学べるのか分からない専攻名は問題だ」と話す。

 中教審は現在、全国唯一の専攻名を使う場合は、設置申請の際に既存の専攻名との違いを大学に説明させることなどを、文科省の役割に位置づけるよう提言することを目指して議論している。ただ、自主性を重んじる大学の学問領域にかかわる問題だけに、国によるルール作りに慎重な意見もある。同じ理由で、現状から数を減らす議論には至っていない。文科省は、日本学術会議や各学会とも連携してルール作りに取り組む方向で検討を始めた。

やっとこさ、見直しってわけね。

自分たちで蒔いた種を自分たちで刈り取らないとな。てゆーか、先輩達が蒔いた種の刈り取りか。

元々の専門学名称が29種類だったのが、15年そこらで580種超とはいかにも異常でしょ。15年そこらで29種類の基幹専攻名に位置づけられない専攻名なんか急増するわけがない。

単純に、学生募集のための看板が自由化されただけの話。たがが外れると恐ろしいねえ。恥ずかしいねえ。学問を商売にした結果といえるね。

そのうち、スーパービジネス大学リスクマネジメント学部ベンチャービジネスコンサルティング学科インディペンデントインキュベータ専攻なんて出来るんかね(爆笑)。すでに、これに近いようなのもあるみたいやけどさあ。カタカナのほうが多いやん!

高校生 「その大学、どこにあるんです?」
大学広報「とある東北の学園都市です!」
高校生 「かなり不便な場所じゃないんですか?」
大学広報「新幹線駅が出来る予定です!(平成28年予定だけどね)」
高校生 「大学の名前にまるっきり土地感がないんですけど」
大学広報「地元では『スパビ大』って親しまれてますよ!」
高校生 「何を学ぶのか分かりにくいんですけど」
大学広報「インキュベータでインディペンデントをサポートするための学科でリスクマネージのスキルを身に付けることができる最先端の大学です!」
高校生 「その説明ってか大学自体がリスキーな気がするんですけど」
大学広報「と、とにかく新しいんですよ、だからすばらしい!」

こんな感じよ、誇張すれば(笑)。

新しいものは素晴らしくない。と思った方がええかもね。

てゆーか、「新しいもの=良いもの」と信じ込んでいるのは間違いなくバカ。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

関連記事:
地名や名称でカタカナを使いまくる人たち
「ウツクシイクニ」
略すと、日サイ大か。
脳科学に、チョット待った。
      など。

Posted by 奥田健次 教育 |

2007.11.04

嫉妬がらみの暴力保育士

暴言、暴力というより虐待でしょ。

これって、もしかして看護師は常勤で年収が人並みにある。保育室の保育士らは嘱託勤務でスズメの涙な年収。この格差による嫉妬ではないか。

この病院に限らず、他の施設でも上記のような構図があるのを具体的に知っていますけど。

院内保育士ら乳幼児の頭たたく、暴言も…兵庫県立淡路病院

 兵庫県立淡路病院(同県洲本市)の院内保育室で、保育士らが、預かった乳幼児を日常的にたたいていたことが、同病院の調査などでわかった。

 けがの報告はないが、県は同病院に、22日までに改善策を提出するよう通知した。

 保育室は1975年に開設され、現在は看護師らが0〜4歳の子ども約20人を午前8時から午後6時まで預けている。保育士は20歳代〜50歳代の女性5人

 病院によると、今年8月ごろ、保護者から「幼児を何度もたたくのを見た」と訴えがあったため、9月にビデオカメラを設置した。

 その結果、9月3日の昼食時に、女性保育士の1人が食べない女児(1)の頭を何度も平手でたたき、両脇を抱えていすから板敷きの床に倒す場面などが映っていたという。

 さらに保育士らから事情を聞き、県も10月に立ち入り調査をしたところ、2、3人の保育士が言うことを聞かない幼児の手や頭を日常的にたたき、太っている保護者の子どもを「メタボ」と呼んだり、「あほ」などと暴言を吐いたりしていたこともわかった。

(2007年11月4日3時51分  読売新聞)

ひどいね。

院内保育室ということなので、保護者は看護師ということ。看護師に対する逆恨みっぽいな(よくあるんですよ)。

虐待保育士を同情する気持ちなど、まるっきり無い。

でも、こんな事件はこれからも度々起こるのは間違いない。先日の『准保育士』なんか始まると余計に加速するやろ。人間の汚い部分が出まくり。ちょっと昔なら、それを押さえる装置が働いていたんやけど、その装置が無いかほとんど機能していない。

何でもかんでも社会のせいにするようなシロウト評論なんかしたくないけども、やっぱり教育の在り方から考え直さないといかんやろ。

大人になってから倫理やら道徳やら教えようと思っても無理。そういうのは、小学校低学年までに徹底的に叩き込むべきこと。知識ではなくて、日々の習慣として身に付けさせる必要がある。

しかるに教育現場の惨状を見ると、もう溜息しか出ませんわ。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

関連記事:
人件費削減のための「准保育士」
乳児は「指しゃぶり」して当然でしょ
格差拡大してるのに「格差を」だって!
「認定こども園」について
     など多数。

Posted by 奥田健次 経済・政治・国際教育社会 |

2007.10.28

「ネットいじめ」への対応はええけど、根本的な問題はどうすんの?

一言でいえば「大人のだらしなさ」が諸悪の根源。

それを自覚せずに教育がどうのなどと言うのは本末転倒やろ。

「ネットいじめ」対応に学校乗り出す 続く模索

2007年10月27日

 頻発する「ネットいじめ」の対応に、学校現場が乗り出している。とはいえ、いじめの「現場」を見るのに必要なメールアドレスやURL(インターネット内の住所にあたる)は子どもたちが仲間内だけで共有し、大人はたどりつくことさえできないことも多い。決め手はなく、模索が続く。

 「子どもが同級生に服を脱がされ、写真をメールでクラス中にばらまかれた」。大阪府内の私立学校の教員でつくる「大阪私立学校人権教育研究会」(大阪市都島区)には、こんな相談が毎月のように寄せられる。

 私立高の男子生徒の保護者からあった冒頭の相談は、研究会の求めで、学校側が同級生らの携帯から画像を削除させた。同級生は「面白半分でやった」と答えたという。「被害者の心の傷の深さに対し、加害側の罪の認識は驚くほど薄い」と指導員は話す。

 大阪府立学校人権教育研究会(大阪市浪速区)は9月、教師向けのマニュアル「IT危機一髪」を府内の公立学校に配った。ネット内の掲示板などに悪質な書き込みがあった場合の対応のポイントや、削除手続きを紹介している。 

大人ができる対応は限られるので、ネットの怖さを子どもに実感させ、注意喚起する試みも広がっている。

 和歌山大学教育実践総合センターの豊田充崇准教授が取り組むのは、パソコンを使った体験型の出前授業だ。

 例えば——。中学生に、電子掲示板に「将来の夢」を書き込ませる。ある生徒が〈学校の先生になりたい〉と書くと、生徒たちには内緒で研究室の学生に、〈無理無理。あんたテストでカンニングしてたやん〉という書き込みをさせる。生徒らは、誰が書き込んだのか「犯人捜し」を始める。その時点で種明かしをして、第三者による「なりすまし」やネットの匿名性について教えると、生徒らは「恐ろしかった」といった感想を漏らすという。

 豊田准教授は「ただ『してはいけない』と言うだけでなく、仮想体験を通じて危険性を学ぶことが重要だ」と話す。

     ◇

 いまの高校生にとって、インターネットのホームページ(HP)は、友人との「遊び場」のひとつだ。ネット特有の危うさをはらみつつ、広まっている。

 「おまえブスやな」

 「死ね死ね死ね……」

 神戸市内の高校2年の女子生徒(17)が開設するHPには突然、こんな言葉が書き込まれた。心当たりは全くなかった。

 書き込みをたどったら、中学時代の友人とわかった。理由を尋ねたら「遊びで」と返された。「誰かわからなかったし、めっちゃ怖かった。ほっとけばいいと思うけど、やっぱり傷つく」と女子生徒。

 小学6年から携帯電話を使い始めたという兵庫県明石市内の高校1年の男子生徒(15)は、同級生らとつくったHPに、交際していた彼女の名前で突然「別れる」と書き込まれた。驚いて彼女に聞くと「書いていない」という。同じ部活動の後輩が彼女の名前をかたったとわかった。これがきっかけで、複数同士での殴り合いに発展した。

 それでも、この生徒はいう。「ポケットの中に携帯がないと落ち着かない。なくなったら病気になっちゃう」

>大人ができる対応は限られる

どうして? どう限られているん? 何が言いたいんや、この記者は。

>「ポケットの中に携帯がないと落ち着かない。なくなったら病気になっちゃう」

残念ですが、すでに病気です。高校生に限らず、こうした携帯電話依存症の人はたくさんいます。過去の記事を読んでみ。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

関連記事:
携帯電話依存症にもなりゃ窃盗も増えるわ
子どものケータイを制限する応援団
トイレですること(煙草、マリファナ、携帯電話)
蔓延する携帯電話依存症
携帯電話中毒者の事例
子どもに携帯を持たせないマドンナは賢母
泥酔客を飛行機に乗せるなかれ
携帯電話が、子どもの安全を守るか!?
公共心 崩壊している おやじなり
携帯電話を規制する
     など。

Posted by 奥田健次 いじめ・ハラスメント教育社会 |

2007.10.27

甘っちょろい「地域で子育て」。

中途半端なことをしてたら余計に悪化するからな。

「地域で子育て」という方向性は、安倍総理が言い出すよりもずっと前から、自分があちこちで講演しまくって主張してきたこと。昨年秋に、安倍前総理がそれを取り入れてくれたのはええんやけど、誰に任せるつもり? 御用学者?

無理無理。もっと強力な方向性として打ち出さないと。

子どものしつけ、地域で応援 支援チームが訪問や講座

2007年10月26日15時42分

 子どもの生活習慣やしつけに悩む親たちを地域ぐるみで応援します——。文部科学省は来年度からこんな事業を始める。忙しくて地域の子育て講座や学校の保護者会に出られないなど、「学ぶ機会」がない親に対し、「子育てサポーター」らが「家庭教育支援チーム」をつくり自宅を訪問。相談に乗ったり、職場に出前講座をしたりする。

 初年度はモデル事業として全国600カ所で行うことを目標に、概算要求に22億1000万円を盛り込んだ。

 支援チームは小学校区ごとに置く。メンバーは、文科省が補助する研修を経て自治体から認定を受けた「子育てサポーター」「子育てサポーターリーダー」を中心に、民生委員、臨床心理士などを加えた5人程度でつくる。主な対象は小学生をもつ家庭。虐待の一歩手前だったり、子どもの生活習慣が乱れていたりする家庭に赴く。同省はチームの活動費などの助成をする。

 これと並行して、「子育てサポーター」らの手助けの質を高める狙いから、有識者の検討会を設け、標準的な養成カリキュラムやテキストを開発していく。

 親が子どもにしつけや生活習慣を教える「家庭教育」への支援に文科省が乗り出した背景には、安倍政権時代に改正教育基本法が成立、施行したことがある。一方、国が家庭に介入することになりかねないとの慎重論も識者らの間にある。

 文科省家庭教育支援室は「画一的方法を国が押しつけるのではない。地域ごとに工夫をするのは歓迎だ」としている。

甘いね。「国が家庭に介入することになりかねないとの慎重論も識者らの間にある」なんて左翼の主張に腰が引けて、「画一的方法を国が押しつけるのではない。地域ごとに工夫をするのは歓迎だ」だってさ。甘すぎるよ。

戦後日本は、国が子育てについての明確なビジョンを出さずに来たことが根本的な問題なのに。「地方ごとに工夫するのを歓迎」? じゃあ、その地域の学者が「子どもの要求は何でも聞き入れろ」と言ったら、それでOK?

無理があるんだよ。ろくな実践も出来ない学者に何が分かるねん。有識者の検討会? 有識者といっても肩書きだけで、居酒屋のおっさん会議レベルですよ。公園の裏のカミナリおじさんのほうが、よほど良く分かっているって。ただし、カミナリおじさんは絶滅寸前種です。

耳に甘いことしか言わない御用学者を使うなら、ただの無駄金になるやろ。

大衆迎合、国民におもねった子育てサポートでは、絶対にうまく行かないって。どのように親子に関わって、どのように親子が変わっていくのか積み重ねてきた自分には、それがよく分かる。甘くないって。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

関連記事:
苦し紛れのバカ親対策マニュアル
子どものケータイを制限する応援団
『子育て学』を高校の必修科目にせよ。
「校内暴力、過去最多」。そりゃそうでしょ。
家庭教育に関する国際比較調査。マスコミ論調を斬る!
教育の常識は非常識
    など多数。

Posted by 奥田健次 教育社会 |

2007.10.21

給食費を払えるのに払わない親

数年前、大阪の公共広告だったか「迷惑駐車、アカン!」みたいなCMやったと思うけどね、ここに出てくるオバハン。

「何やのぉ! 何でウチだけそんなこと言われなアカンの! みんなやってるやないの!!」

悪びれることもなく記者に向かって逆ギレするシーン。「これぞ、大阪!」ってな感じを見事に描いとりました(笑)。保育料や給食費滞納問題も同じような感覚かもしれん。

「払うのモッタイナイ」と思っている親には、「捨てるのモッタイナイ」と思っている赤福餅を食わせれば、ちょうどええじゃないか(笑)。しかし、子どもには気の毒なことやな。

給食費滞納で給与差し押さえ 大阪市教委

2007.10.20 11:37

 大阪市教育委員会は20日までに、支払い能力があるのに小中学校の給食費を6カ月以上滞納している保護者に対し、給与差し押さえなどの法的措置をとる方針を決めた。

 督促のマニュアルを小中学校に配布、本年度中に実施する。政令指定都市での導入は仙台市に次ぎ2例目という。市教委幹部は「従来はペナルティーがなく“逃げ得”の面があったが、法的措置で抑止効果を期待できる」と話している。

 市教委によると、滞納が3カ月以上になると校長が面談などで理由を調査し、6カ月を超えると教育長に法的措置を依頼。市教委が催告書などを送付した上で、なお滞納が続く場合には簡易裁判所に督促を申し立てる。

 裁判所が督促を出し、異議申し立てがなければ、給与など財産の差し押さえが可能になる。

 大阪市の公立小中学校では、昨年12月時点で3カ月以上の滞納が計約2144万円(927人)だった。

 文部科学省の調査によると、平成17年度の給食費の未納は全国で総額約22億3000万円(約9万9000人)で、うち60%は学校側が「経済的理由ではなく保護者の責任感や規範意識の問題」と判断しているという。

大変やね、大阪市教委も。こないだ、『バカ親対策マニュアル』作ったばかりやのに、今度は『給食費督促マニュアル』ですか。

この給食費を払えるのに払わない親は、赤福を非難することは出来んよな。こんな保護者に対しては、近所のスーパーで買い物もできんようにしてあげるのがヨロシ。それでええじゃないか(←しつこい・苦笑)。

しかし、まあ難しい問題よ。「恥ずかしい」という感覚が元々かなり低い連中が、さらに増長しているんやからねえ。『怖いもの知らず』も困ったもんやけど、『恥知らず』ってのは害悪ですなあ。昔はこういうの、地域社会から追放できたんやけどね。

自分の業界でもここんところよく聞くよなあ。「払い忘れ」が増えてる。マトモな大人なら、保護者のほうがすぐに気付いて慌ててお詫びの連絡をしてくるんやけど、こちらから連絡しなければずっと黙っている保護者もいるからなあ。恥ずかしくないのかな。お世話になっている先生に自腹を切らせることになるのにね。

母子家庭で生活が楽でない母親でも、「払うべきものを払わないなんて恥ずかしくてとても出来ませんし、子どもの教育にも良くないと思います」と胸を張って生きている人もいますよ。清々しい。

そういうこと。「恥ずかしいこと」を教えるのも教育ですよ、とだけ言うておきます。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

関連記事:
苦し紛れのバカ親対策マニュアル
保育料を払わない親
給食費を払わない保護者
「おかずもお願い」
子どもに携帯を持たせないマドンナは賢母

どうしようもない保護者

      など。

Posted by 奥田健次 教育社会 |

2007.10.17

苦し紛れのバカ親対策マニュアル

いわば『バカ親対策マニュアル』ですか。

必要性は分かるけど、根本的な問題はもっと前の段階にあるんやけどなあ。本当はそこに手を打たないといかんわけで。

まあ、とりあえず大阪市教委の努力(苦し紛れの策)を見てみましょう。いくつか『バカ親』のクレームが取り上げられていて面白い。

これが理不尽な父兄の対処マニュアル 大阪市教委が作成

2007.10.16 21:38

 学校に対し理不尽な要求やクレームをする保護者への対処が問題になるなか、大阪市教育委員会が教職員向けに作成している手引書の概要が16日、分かった。実際にあった20例をあげて、対処法を細かく解説。「運動会の組体操でわが子を一番上にしろ」などと要求され、解決した例を紹介している。市教委は今年中にも完成させ、全教員に配布するという。

 手引書は昨年9月から11月までの3カ月間に発生した市内の小中学校への過度な要求をアンケートで収集した約250件の実例に、小・中学校からの相談事例を加えて作成。無理な要求などをする親への対処マニュアルの形になっている。

 組体操のケースは、「運動会の組体操のピラミッドで1番上に立つことを楽しみにしていたのに、はずされた」と小学生の保護者がクレーム。「1番上に立った児童より運動能力が上ではないか」とも抗議したという。これについて学校側では、「運動能力が上だからこそ、ほかの児童を支える側にたってほしい」などと保護者と児童を説得したという。

 また、小学1年の男児の母親が「集団登校の班長が遅れてきたり、登校の態度が悪いので学校は休ませる」として1週間、児童を休ませたケースを紹介。1年生と6年生の歩調が違うことなどに原因があったため、学校側が集団登校をしている児童を全員集めて話し合いを持つなどして解決したという。

 さらに、「けんか相手の子供を転校させろ」(小学生の保護者)と抗議があったケースや、「うちの子の安全を100%保障しろ」(中学生の保護者)というクレームも紹介している。

 いずれも対処法は、保護者や児童、生徒とねばり強く説得するよう求めており、教員の負担増が懸念されるが、市教委は「あまりにも常識からはずれている場合は、弁護士やOBに相談する道も用意している。まずは、保護者の気持ちの理解や、話のもっていき方が大切であることを分かってもらいたい」としている。

市教委も「あまりにも常識からはずれている場合」という想定も考えているようやけど、学校の先生自身が「あまりにも常識からはずれている」対応をしているケースも多いんよ。多くの真面目な教師(その代わり世間知らず)の対応をみていると、保護者の要望を何でも聞き入れようとしている人が多い。保護者に対して毅然と「なんぼなんでも、そりゃ無茶ですわ!」と言える教師っていうのは、想像以上に少ないという現実を忘れたらいかん。

そりゃ、小中学校の現場は戦々恐々としているよ。こんなバカ親(親バカと違うよ)が増えているわけでね。

小学校に入る前の親教育が出来ていないのに、学齢期に入ってから保護者にいくら説得したって効果なし。だから、この市教委のマニュアルによって対応していったところで、根本的な問題の解決にはなりません(もちろん、そんなことは大阪市教委のみなさんは分かっているはず)。

幼稚園や保育所に預けている間、徹底した親教育が行われていないのが現状やからな。保護者や子どもにおもねった保育をやってると、結局不幸なのはその親子だってのに。年齢が上がるにつれ、親子の要求などなかなか叶えられなくなるのが現実なのに、それがまったく見えていない。3〜5歳の期間に、徹底的に親教育をやらないといかんのやって。小中学校に尻ぬぐいをさせなさんな。

いや、もっというと0歳〜5歳。さらに言えば、自分が子育て大学とかでも言ってきたように、『子育て学』を中学や高校の必修科目に入れろって。ただし、誰が教えるねん? 困ったなあ。大学教員や医者にも、親や子どもにおもねった『害悪まき散らし自称専門家』が多いもんでねえ。間違った主張に対して、「その考え方は間違いです!」とハッキリ言える専門家が必要なんやけど、それが出来ないわけで。親や子どもにおもねった連中って、みんな自信がないんよ。情けないねえ。

だから、バカ親が増えている原因としては、『子どもと親におもねる人たち』が増殖していることが挙げられるんですよ。医者や学者だけでなく、マスメディア全体がそう。

自分のところはそうならないようにしているから。だから当然、保護者には基本的に自分は厳しいよ。商売としては成り立ちませんがね。でも、「ありがとう」と「ごめんなさい」が心から言える親子を育てるという理想のためには、これでええねん。

人生で一番難しいこと。それが、「ありがとう」と「ごめんなさい」を心から言うことです。自分自身にとっても、死ぬまでこの難しい課題に向き合っていかねばならないわけで。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

関連記事:
『子育て学』を高校の必修科目にせよ。
「校内暴力、過去最多」。そりゃそうでしょ。

    など。

Posted by 奥田健次 教育社会 |

2007.10.11

歌舞伎町に集まる家出少女

家出少女のお話。

歌舞伎町 秋風吹いても 家出少女でいっぱい
2007.10.8 20:35

 10月の3連休にも多くの若者らが集まった東京・歌舞伎町。夏休みを過ぎても深夜まで遊ぶ姿は目立ち、9月中に警視庁新宿署に補導された少年少女は66人、家出中の保護は10人にのぼった。補導・保護件数ともに少女の方が多く、保護者と連絡がとれず迎えがこない少女も少なくないという。「遊びの街」「夜の街」の顔を持つこの街に何を求めるのか。なぜ歌舞伎町に集まるのか。(金谷かおり)

■住みつく

 「夏休み気分から抜け出せずに居着いてしまう少年少女が多い」(新宿署幹部)。

 同署では9月、歌舞伎町のファストフード店や公園、ゲームセンターなどを中心に少年・少女の発見保護活動を強化した。補導した66人のうち少女は36人で、少年よりも多かった。

 家出中に保護された10人のうち7人も少女で、北海道や宮城、沖縄など地方の出身者が目立ったが、「保護して家に連絡をしても迎えにこない両親も少なくない」(同署)。

 少女たちの中には両親が離婚、どちらかと一緒に暮らしていたものの、やがて居づらくなって家に帰らないなど、家族の愛情に欠けた子供もいるという。

■2つの顔

 なぜ歌舞伎町にくるのだろうか。

 高校2年の少女(16)は「道に立っているホストとかを観察するのが楽しい。門限がなかったら一日中遊んでいたい」と屈託ない。

 「いろんな人がいて面白い。夜の街のイメージがあって、わくわくする」。2人連れで歩いていた都内の高校3年の少女(18)が求めるものは“刺激”だという。

 それだけではない。年齢さえ偽れば、キャバクラなど働ける場所はいくらでもあることも大きな理由だ。

 同署の幹部は「歌舞伎町は大人の街、夜の街でもある。遊んでくれる人がいるから大人の世界に引きずりこまれてしまう」と指摘する。

■つけ込む

 「お金」と「人のぬくもり」を求める少女に大人の欲望がつけ込む。

 補導された中には、ホストクラブの男性従業員を相手に援助交際を繰り返して生活費を稼いで暮らしていたり、ホストを好きになって貢いでいたり、風俗で働いていたとみられる少女もいた。

 歌舞伎町は犯罪多発地域でもある。

 今年5月、少女2人が、指定暴力団山口組系組員の男(28)に、鹿児島・奄美大島のスナックにホステスとして引き渡され、客とわいせつ行為を強要された事件は記憶に新しい。

 こうした歌舞伎町を怖くないのだろうか。

 16歳の少女は「怖くないよ。私服警官の方が怖いよね」と冗談っぽく笑った。

    ◇

 子供問題に詳しい深谷和子・東京成徳大学特任教授(子ども学部)の話「少女たちは歌舞伎町では女としての“商品価値”があることを自覚している。歌舞伎町に集まるのは大人たちの視線や誘惑が家庭や学校で得ることができない快感があるからではないか。それにしても犯罪に巻き込まれる怖さを知らな過ぎる。家庭崩壊した親に子供を守る力はない。問題が大きくなりすぎた今、非行少年少女の救済には、学校と児童委員などの教育関係者が保護者代わりになって連携する『チーム援助』が有効だ」

まあ、確かに『気の毒な境遇』という場合がある。きっかけは、そう。親が遊んでばっかりだとか。

だからといって、いつまでもこんな女の子に同情し続けるのも間違いですよ。援助交際(売春)やってエロオヤジから小遣いもらって、今度は自分をちやほやしてくれるホストに貢ぎに行くという歌舞伎町式スパイラル。

そういうのは、「卑しいこと!」とはっきり言ってやる人も少ないでしょう。まあ、「職業に貴賤なし」というのを持ち出してくる人はいるけどさ。そんな単純な物言いをする連中は、それこそ売春も含めて理解してやれとでも言うのかね。

例えばさあ、こないだ西武百貨店のベンチで休憩していたらね、目の前の灰皿を掃除しに来た清掃員のお爺さん。本当に綺麗に掃除しておられましたよ。吸い殻を回収するだけでなく、ドロドロになった灰皿の内側まで手でひっかきながら綺麗にされていました。自分はね、煙草は吸いません。もし吸っているとしても、自分が清掃員だったとして、ここまでして灰皿を綺麗にしようと思わないんとちゃうかな。自分には出来ないことを一生懸命やっておられるお爺さんをみて、ちょっと涙が出ましたよ。

こういう仕事は「尊い」と思っとります。

家出して売春に走る少女のことについては、そうなってしまった境遇について気の毒に思いますよ。でも、だからといって身体を売ることを理解してやる気にもなりません。

保護すべき人の身勝手さには憤りを感じるのも正直なところ。こんな保護者に限って、家出していたときに事故で死んだりすれば「賠償しろ!」とでも言うんですかね。少年少女が家出して歌舞伎町で殺されても、保護者に損害賠償金など支払う必要なんかないって。

保護責任を放棄してるんやから、損害賠償も放棄でしょうが。

まあ、いろいろと書いたけど。「職業に貴賤なしだろ! 平等だろ!」というようなコメントは要らんからな。文句があるなら、他でどうぞ。うちのブログは、居酒屋トーク不要。気に入らない人は来なくてええわけで。粘着コメントの連中よ、なめんじゃねえぞ!(笑)

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

関連記事:
子どものケータイを制限する応援団
蔓延する携帯電話依存症
子や孫の世代まで
    など。

Posted by 奥田健次 教育社会 |

2007.09.21

神戸の私立高校で生徒を自殺に追い込んだ事件

神戸で起こった高校生を自殺に追い込んだ事件。今回もやはり学校関係者に「見捨て、見殺し」があったようだ。

ややこしいことに関わらない、見て見ぬふりをする傍観者。

「罰ゲームや」ネットに裸写真…神戸の高3飛び降り自殺

 神戸の私立高校で飛び降り自殺した3年の男子生徒(18)が、同級生の少年(17)から現金を要求されていた恐喝未遂事件で、インターネットサイトに、生徒の下半身の写真が掲載されていたことが19日、分かった。サイトは既に閉鎖されているが、兵庫県警は、逮捕された少年を含む同級生らのグループが写真の掲載に関与した疑いもあるとみて調べる。

 学校関係者によると、今春、「裏サイト」と呼ばれる掲示板に、自殺した生徒の裸の下半身を撮影した写真が掲載された。見た友人が「これはいじめやぞ」と言うと、この生徒は「罰ゲームやから」と答えたという。

「裏サイト」を利用した「ネットいじめ」という問題。これが児童生徒らの中で大きな問題となっていることを知っている親、教師らはまだまだ少ない。また、知っていても何の有効な手も打てていない。

さっさと規制しろ。

教師はいじめ認識? 生徒ら漏らす 神戸・高3自殺

 神戸市内の私立高校で飛び降り自殺をした男子生徒=当時(18)=が同級生らから金品を要求されていた事件で、複数の同級生らが「先生が(自殺した生徒を)いじめるなと話していた」などと周囲に漏らしていたことが十九日、関係者の話で分かった。学校側は「(生徒が自殺する前に)教師がそのような話をしたとは聞いていない」と否定。県教育課の聞き取り調査に対し「(一部の行為について)いじめと感じていた生徒もいたようだ」などと説明する一方、再度、教師らから事情を聞く方針を固めた。

 関係者らによると、自殺した生徒に対する同級生らの日常的な嫌がらせについて、複数の生徒が今年四月ごろから「先生も知っている」「授業中に『いじめるな』と言っていた」などと知人に漏らしていたという。

 同校は、生徒が自殺した七月、クラスメートらを対象にした聞き取り調査を実施。「同級生らが、罰ゲームと称して『うそをついたら一万円払え』というような遊びをしていたと聞いたが、恐喝とは認識していなかった」と説明していた。

 県教育課に対して、同校は「罰ゲームは本人が払うと言い出したことで仲間同士の冗談と判断した」と報告。ただ、こうした行為について「いじめと感じる生徒もいたようだ」とも話したという。

 生徒が自殺する前に、教師が「いじめをするな」と言ったとの発言について、「現時点では確認していない。いじめのサインがなかったかどうかも含め、あらためて教師らから話を聞きたい」としている。

 また、自殺した生徒が恐喝未遂容疑で兵庫県警少年捜査課と須磨署に逮捕された同級生の男子生徒(17)とは別の同級生らから偽のブランド品を買わされたり、万引をさせられるなどしていたとの複数の情報もあり、同課などが裏付けを急いでいる。

 一方、同課などは同日午前、逮捕した生徒を送検した。

これもよくあること。学校も教育委員会も「事なかれ主義」だから。なるべくなら「見殺し」を認めたくない。その気持ちが表れているから、弁解に無理があるのだ。

学校側が「罰ゲームは本人が払うと言い出したことで仲間同士の冗談と判断した」という弁解をしているが、これは要するに「自殺した本人のリアクションを見ていると冗談だと判断できた」という意味になる。つまり、これも遠回しに「いじめられっ子にも問題あり」と、いじめの最中または自殺後に言ってはならないことを言っているわけだ。

「僕はいじめられています」と、なかなか言えない心理が分からない人間が、教育の現場にたくさんいるわけ。それが今回の場合、本人に「罰ゲームだから」と言わしめるに至っただけのこと。「罰ゲーム」かどうかは、一方的でない場合に成立する。いつも「罰ゲーム」を食らわされるのが同じ人間ならば、それは「いじめ」である。

これを、読め。

「僕はいじめをやっています」とも、なかなか言えるものではない。だから、いじめっ子も「これは罰ゲームだ」「これは冗談だ」「からかっているだけ」という。でも、これもいじめっ子と傍観者の常套句。こんな常套句を利用する学校や教育委員会は、もう剃髪して一から修行をやり直すしかないでしょう。

「僕らはいじめを見ないことにしています」とも、なかなか言えない。この生徒を助けてやれなかった身近な人たちも、今になっていろいろ言ってももう被害者は帰ってこない。身近な人たちには、彼を助けるチャンスは本当はいくらでもあったのに。一生、傍観者になってしまった辛さを抱えて生きていかねばならない。二度と傍観者にはなるまいと言い聞かせてもらいたい。でも、今は真実だけを彼のために答えてあげていただきたい。

いつも言っていることだが、いじめの問題への取り組みは時間がかかる。そして、覚悟が必要。子どもが死ぬ前に、子どもらが殺す前に、周囲が見殺しにする前に動くことが肝心なのだ。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

関連記事:
「いじめ対策支援」がまたも失業対策になりませんように(笑)
いじめへの取り組みは時間がかかる
青少年の自殺率を減らしたければ、『ゆとり教育』をやめなさい!
文科相のメッセージより、保護者との対話を!
『いじめ』の犯人捜しという『いじめ』。
刺客ども、だらしない姿を見せるな。
伊吹大臣への応援歌
『臨床いじめ学』について
高校生意識調査にみる戦後教育の誤り
いじめの根を絶ち子どもを守るガイド
いじめのある現場で解決する策がある
永久に少数派
いじめ社会の完成
番長賛歌
     など多数。

Posted by 奥田健次 いじめ・ハラスメント教育 |

2007.09.18

「いじめ対策支援」がまたも失業対策になりませんように(笑)

今回は(も?)、過激なことを書かせてもらいます。

「仲間はずれ」、「裏切り」、「見捨て」。この三拍子を兼ね備えたスクールカウンセラーが結構いるんですけど? スーパーバイザー(大学教員とか)でも、この三拍子が魔物クラスな人もいるよねえ。

まあ、スクールカウンセラーになるための資格を指定大学院制度でやってるんやけど、それ自体に大きな構造上の問題があるわけでね。

危機管理チーム結成 いじめ対策支援 文科省

 北海道や福岡県で昨年秋、いじめが原因とみられる自殺が相次いで発覚したことを受けて、文部科学省は来年度、いじめ問題に取り組む「危機管理対策チーム」の創設支援や、スクールカウンセラー増員などの対策を実施する方針を固めた。

 「いじめ総合対策」の主な内容は(1)学校内でいじめをはじめとする問題行動が起きた場合、精神科医や弁護士、カウンセラーなど外部専門家による危機管理対策チームを結成(2)人間関係を築く教育実践や異年齢交流など実践研究(3)生徒によるいじめをなくす主体的取り組みの支援−など。それぞれ30地域程度を選び支援する。

 これまで中学校に優先的に配置されているスクールカウンセラーを、全国の小学校の約1割、2000校に派遣できるようにするほか、都道府県ごとにカウンセラーを監督・指導するスーパーバイザーを配置する。

 また、フリースクールや個別相談など不登校対策に実績のあるNPO(民間非営利団体)や民間施設などに対し、学習カリキュラムや活動プログラムの調査研究について財政支援する。

 一方、昨年10月に自殺した中学2年の男子生徒のいじめに教師が加担していたことが判明した福岡県筑前町では、いじめ防止に向け活動指針を策定するほか、児童生徒の居場所として「こども未来センター」(仮称)を開設するなど町ぐるみで対策に乗り出す。健全育成に向けた条例を制定する方針も決めた。

(2007/09/17 12:00)

残念ながら、スクールカウンセラーの増員は今のところほとんど無駄金になるやろな。食えない心理士が増え続けてるんやけど、その失業対策としての政策はええ加減にやめなさい。

文科省の相変わらず駄目なところは「ほれ、予算ついたからしっかりやってくれい」という姿勢。いくら学者が「専門家チームを作ればよい」と言ったとしても、データがなければ信用しちゃいかんよ。「文科省の役人は、データを読み取る力もない」と、他の省庁の役人さんに陰口を言われているのも分かる気がするよ。エビデンスが重要なんであって、有識者の主張なんかウンコ以下やと思わきゃいかん。

いじめの問題については、うちのブログは専門カテゴリに入れて取り上げてきたけどね。まあ、本気でいじめの問題に取り組んで成果を上げたいならば、スクールカウンセラーには職を辞す姿勢で学校や教育委員会、また保護者と対決しなきゃならん局面があるっての。自分はこういう局面を何度も経験してるけどね。「脅されても、脅し返す」くらいの胆力が無ければ無理。今まで何度、四十、五十を過ぎたオッサンを脅してきたことか(笑)。いじめ対策っていうのは、こういう信念や覚悟がいるんやって。

昨年秋以降、いじめ自殺の問題が取り沙汰されて以降、何かの記事で「臨床心理士は『心のケア』を専門にしているので、いじめのような問題にはあまり役立たない。スクールソーシャルワーカーのほうが専門なので検討が必要」みたいな考え方が出されたこともあったよな。

これ、半分は賛成。残り半分は「笑える」。笑えるのは「臨床心理士は『心のケア』を専門にしている」という、ここへ来ての言い訳がましいところ。そもそも、「心のケア」って何やねん(笑)。まあ、いいや。

スクールソーシャルワーカーも家庭にまで介入できるような制度にするならば歓迎。しかし、今までの政府の動きを見ていれば、どうせこれも利権がらみで決められるんでしょ。とにかく、毎度のことながら専門家を養成するシステムが酷すぎるからね。心理士もソーシャルワーカーも、自分が叱りつけなきゃならんような人が指導者のお偉いさんになったりするんやからな。

権力者に迎合しているようなカウンセラーに何ができるねん。まずは偉そうにふんぞり返っている大学教員や医師にエビデンスから虚心坦懐に学ぶ姿勢がなければならんのだが、それが出来りゃあもっと世の中よくなってますわ。

キーワードは、冒頭で言ったように「仲間はずれ」、「裏切り」、「見捨て」。こういう「いじめの構造」が、専門家を養成する構造の中にあるということに気付くことから始めていただきたい。

まあ、とにかく教育の問題については『居酒屋論議』が可能な分野なので(嘲笑)、いつも言ってるように誰でも好き勝手なことを言えるわけよ。自然科学の基礎知識も身に付けていないのが、知ったようなことを言うから馬鹿にされるんよ。要らんからな、うちのブログにはデータ無き者の反論など。居酒屋でやってろ。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

関連記事:
いじめへの取り組みは時間がかかる
どうなんでしょうねぇ、臨床心理士って。
「校内暴力、過去最多」。そりゃそうでしょ。
役に立つのか、教職大学院!?
現職教員にも教員免許更新制度の可能性が
困った子どもとのかかわり方
教育の常識は非常識
     など多数。

Posted by 奥田健次 いじめ・ハラスメント教育 |

2007.09.10

子どものケータイを制限する応援団

今回は引用が長いんですけどね。

良い記事だから、斜め読みせずにゆっくり読んでチョーダイ。

「ケータイを甘く見るな」 “最強のおもちゃ”が子どもの脅威に (1/2)

携帯電話は“うちでのこづち”。無料ゲームも小遣い稼ぎも出会いも、携帯1つで何でもできる。「携帯電話が子どもの健全育成の脅威になっている」——専門家が警告する。
2007年08月28日 21時09分 更新

 「携帯電話は子どもにとって“うちでのこづち”。子どもは携帯を通じてお小遣いを手に入れ、食事をおごってもらい、家まで送ってくれる人を見つけ、アダルトグッズを買っている」——子どものネット利用を研究している群馬大学社会情報学部大学院の下田博次教授は、携帯サイトが子どもの健全育成の脅威になっている、と警告を鳴らす。

 携帯電話は子どもにとって「史上最強のメディアで、最高のおもちゃ」と下田教授は言う。ただ「営利主義で開発された端末で、子どもが使うとトラブルに巻き込まれたり生活リズムが崩れたりするなど、欠点だらけ」とし、携帯キャリアによるフィルタリングサービスの充実や、親への啓発などが必要と説く。

 下田教授は、ディー・エヌ・エー(DeNA)と毎日新聞社が8月28日に開いたシンポジウム「10代の『ケータイ』事情〜子どもたちと携帯電話のあかるい未来をめざして〜」で講演。DeNAの南場智子社長、タレントの香坂みゆきさんらとのパネルディスカッションにも参加し、子どもと携帯電話の関係について語った。

■ケータイはうちでのこづち

 「エンコー(援助交際)にはケータイが不可欠。知らないおじさんに路上で声をかけるのは抵抗があっても、出会い系サイトなら手軽だし親にもばれない」——下田教授は、売春していた女子中高生からこんな話を聞いたという。

 出会い系サイトの“使い道”は売春だけではない。「フグを食べたいけどおごってくれる人いませんか」などと書き込み、実際にフグをおごってもらった例、「今ここにいるんだけど遊んでくれる人いませんか?」「車で家まで送ってくれませんか?」などと書き込み、見知らぬ大人と遊んだり、家まで送ってもらったりする例もあるいう。

 出会い系に限らず、携帯ネットには何でもある。「無料でゲームでき、漫画も読め、話し相手を見つけられ、アダルトコンテンツも利用できる。今話題になっている『闇の職業安定所』などを通じてお金稼ぎも可能。授業中に出会い系サイトにもアクセスしている子どももいる」

 現実社会で大人が「子どもに見せたくない」と規制していたり、警戒しているものにも、携帯ネットなら子どもが直接アクセス可能だ。

 「携帯ネットなら親や社会の目をバイパスでき、大人が子どもに与える“健全育成の規範”から自由になれるツールだ。子どもにとってこんなに面白いものはないだろうし、私が今中学生でも携帯が欲しいと言っただろう。大人から『やってはいけない』と言われることを全部できるから」——下田教授は、携帯の“面白さ”をこう皮肉る。

■「知らなかった」と親は言う

 携帯ネットの特性や危険性をよく認識せず、ねだられるがままに子どもに携帯を持たせる親が多いという。「携帯サイトでトラブルに巻き込まれた子どもの親が必ず言うのは、『知らなかった、携帯でこんなことができるなんて』。このせりふはここ数年変わらない。携帯を甘く見ている」

 下田教授の研究室には、携帯サイトが絡む事件に関連する警察からの相談が何度となくあったといい、親や教師から「学校裏サイト」に関する相談も受ける。「大人が秩序だった環境を作らないから、子どもたちが苦しんでいる」

 そもそも携帯は、子どもを健全育成するためのツールとして発達したのではない。子どもの育成にどう影響するかがきちんと考えられないまま、子どもに人気のサービスが提供され続けている。

 「iモードは思春期の心理をついたサービスだった。ある携帯関連の経営者が『子ども向けビジネスがこんなにもうかるとは』と言っていたほど。携帯ネット上には遊園地のような“グレーな”遊び場がどんどん増えている」

■「過渡期の問題」で済ませてはいけない

 「携帯ネット関連のトラブルは、過渡期の問題。子どもはしっかりしているし、それほど問題視しなくていい」という意見もあるが、下田教授は否定的だ。

下田教授の仰るとおり。

続き。

「ケータイを甘く見るな」 “最強のおもちゃ”が子どもの脅威に (2/2)
2007年08月28日 21時09分 更新

 「携帯ネットに限らず有害情報は昔からあったという人もいる。だが携帯は、テレビなど従来のメディアとは異なる双方向でダイレクトなメディア。ネットを知らない世代がよく知らずに『問題ない』と言っては危険だ」

 「新しい携帯文化が生まれる前の生みの苦しみだと言う人もいるが、今の携帯ネットは『ただ面白ければいい』という世界。携帯では論文は読めない。将来、携帯を使った“夢の社会”が到来する可能性は否定しないが、今の子どもの苦しみを無視していてはそんな社会もありえない」

■「モバゲータウン」の対策

 「モバゲーの急成長は予想外。若年層にここまでヘビーに使ってもらえるということはさらに予想外だった。社会的責任を感じている」——10代に人気の携帯ゲーム&SNS「モバゲータウン」を運営する南場社長はこう話し、その思いが今回のシンポジウムを開く動機にもなったという。

 モバゲーは「大半は善意の利用」(南場社長)だが、ユーザーの善意に甘えず、子どもたちをトラブルに巻き込まないための対策も進めている。「実際の出会いを目的にした書き込みや、携帯メールアドレスの交換は禁止」などルールを定めているほか、問題のある書き込みを24時間体制でチェックしたり、ルール違反を犯すユーザーのアカウントを停止するなど——といったものだ。

 強制退会でユーザーが減少することは、同社のビジネスにとっては痛手だが、南場社長は「疑わしきは罰する、という厳しい姿勢でやっている」といい、1日数百件の強制退会処理を行っているという。

 若年層ならではの難しさにも直面する。「10代の言葉はどんどん変わっていくから、問題のあるキーワードのフィルタリングも困難。一定量のテキストを毎日チェックすることで言葉に慣れるなど、さまざまな手法を試している。いたちごっこの部分もあるが、諦めずに対策していきたい」

■「携帯を渡さない」という選択肢

 携帯が絡むトラブルに子どもが巻き込まれるのを防ぐためには、どういった対策が有効だろうか。フィルタリングサービスの利用や、子どもと一緒に親を啓発する、といった取り組みなども、徐々に広がっている。

 「一義的な責任は携帯電話会社にある」と下田教授は指摘する。「現状ではキッズケータイですら問題サイトにアクセスできる。有害情報を扱えない端末をまず売るべき。親の教育に期待するのはその次だろう」

 携帯だけが問題なのではない、という意見もある。「モバゲーで、子ども同士のけんかに母親からクレームが来て、『この子とこの子は強制退会させ、うちの子は残してください』などと言われることもある。これは携帯だからという問題ではなく、親として問題だろう」(南場社長)

 「不安になるぐらいなら、そもそも携帯を子どもに持たせるべきではない」——5歳と10歳の子どもを持つ香坂みゆきさんは言う。「子どもがねだるからという理由だけで安易に持たせ、その後困ったと騒ぐのは順番が逆では。不安なら持たせないようにし『だめなものはだめ』と子どもにはっきり言うべき」(香坂さん)

ちょっと引用が長かったが、主張はその通りですよ。

情報社会学がご専門の先生による警鐘ですな。当ブログでは、心理学や教育の立場からの警鐘。以前から指摘してきた携帯電話の問題点。

今度、11月23日に国立成育医療センターにてシンポジウムやるので、関心のある方はお越し下さい。発達心理学や子育て論の立場から、携帯電話を持たせることによる問題点を明らかにしていきます。

さっそく、またアッチコッチから取材依頼があるんやけどね。

しかしさあ、記者さんたちよぉ。皆さんは、自分の過激な提言を掲載に踏み切るほどの根性はあるのかね? 取材の時間すら無駄なんですけどー。取材にお付き合いしている時間、他の仕事を断ってるんですよ。

そりゃ、記者さんらはいっつも納得して帰ってくれるのはええんやけどさ。編集部に戻ったら、どうせ幹部にボツにされるんでしょ? まあ、こっちも掲載できないっての分かってるし、最初から期待してないから。でも、自分には時間が無いんよ。だから、クビになってでも掲載するって覚悟のない記者は、大学の研究室に気軽に電話してこないでね。

今週は、こんな過激な男の話を聞きたいというPTAのご要望で、とある中学校まで講演に行ってきます。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

関連記事:
トイレですること(煙草、マリファナ、携帯電話)
蔓延する携帯電話依存症
携帯電話中毒者の事例
子どもに携帯を持たせないマドンナは賢母
泥酔客を飛行機に乗せるなかれ
携帯電話が、子どもの安全を守るか!?
公共心 崩壊している おやじなり
携帯電話を規制する
     など。

Posted by 奥田健次 教育社会 |

2007.09.06

初ワイハからアロハ〜♪

成田からドタバタとワイハ入り。ぷらいべーと?

んなわけ、ないでしょーが。

現地在住の家族支援。

アメリカではこれまで、ニューヨーク、シカゴ、LA、サンディエゴで出張セラピーをやってきたが、ハワイでは初めて。新しい場所が苦手という「場所見知り」があるので、ちょっと緊張しながらホノルル到着。しかも、悪いことに飛行機の中で持病の頭痛が。こういうときは必殺技ダ、「テ〜イク、メディシーン!」

ホノルルに着いてみたら拍子抜け。アナウンスは日本語、看板も日本語、入国審査も税関も、こっちが英語で喋ってるのに日本語で返して来られるんだもん。税関のオヤジも「ヒャクマンエン、モッテ、マシタカ〜?」とか妙な日本語で聞いてくるし(笑)。そういや、機内で隣だった老婆は思いっきり日本人の顔してるくせに、英語しか喋れない現地人だった。

飛行機では絶対に眠れないので、時差ぼけしながらワイキキのホテルで夕食。なんか、やっぱり沖縄に似ているよね。だから、何遍もハワイのことを聞くつもりで「沖縄では・・・・」と間違えてしまう。2日目になると、「ここはアメリカ」というより「ハワイはハワイだ」とトートロジーも使って納得。

2日目に家族支援をしました。トレーニーの何気ないリアクションが、かわいいんですよね。世界中、どこへ行っても求められることは同じだし、明確で具体的なビジョンを家族に示していくのが自分の仕事。ときに厳しいことを言っても、それが必要なことだと理解してくれる親御さんは、親としての地頭が強いんだと思うね。なにげに、トークン・エコノミー法とかをうまく応用して成功してくれてるし(スバラスィ)。自分のかわいい教え子も、直接指導によって新しいことをどんどん学習してくれる。これまたスバラスィ。

2007hawai お仕事の後、束の間のハワイ滞在のために親御さんがプチ観光にお付き合い下さいました。

ワイキキは人がいっぱいということで、地元の人に人気の静かなビーチへ繰り出す。こんな景色。

ちょっと寒かったけど、子どもらと一緒に海水浴。波が来て、波に揺られて、笑うだけ。ホント、海の中で笑いっぱなしだった。

日本からやってきた日本人と遊ぶだけでも楽しいでしょうに、海水浴、遊び上手で子どもと動物にはモテモテの自分という3つの要素が合わさると、子どもらのハッピーな笑顔といったら、そりゃあもう極上。

 

世界最強ベビーシッターでしたよ(笑)。

 

2007hawai1 近くの超高級ホテルのプールで飼っているイルカも見てきました。ちょうどトレーニングの最中でした。思いっきり間近でチェックできましたよ。

思いっきり「オペラント条件づけ」なんですね。イルカが「ねえ、ねえ、褒めてよ」ってな感じで、トレーナーの近くで顔を出す辺り「やっぱ、チミたちもボクらと同じ哺乳類ですな!」と納得。Sea Worldで見たときよりも親近感があったよ。

いつか、ドルフィン・エンカウンターをやってみたいね。きっと、自分ならオペラント条件づけで勝手にトレーニングを始めてしまうと思うけど(笑)。動物へのオペラント条件づけの参考図書として、所属学会の先生方の教科書を紹介しておきます。

 

沖縄でやった「きょうだいの会」のハワイ版という感じの楽しい一日でした。

 

2007hawai2 夜には、ハワイでは定番のコンビニ(スーパー?)といわれる、ABCマートへ。食品類のラインナップが、ジャパニーズって感じ。「ざるそば」とか「いなりずし」なんかも揃ってた。中には「スパムむすび」みたいに、日本とハワイのコラボ作品も。

ほれ、これが「ざるそば」の写真。ひらがなで商品名が書かれてる。

多分、美味しいと思う。ABCマート、恐るべし。日本語でいえば「いろは屋」か。

そして、その翌日はもう帰国する日。帰国したら自宅へ戻って職場で仕事して、またすぐに日本各地を転々とする日々へ。

依頼原稿やら4本ほど貯まっているので、移動中にパソコン開いてガンバッとります。真面目かどうかは分かりませんが、遊んでるわけじゃありませんからね。

帰りの飛行機。眠れそうで眠れずにウトウトしている頃、機長が「左下にフレンチフライが食えます」とかなんとか言うんで、「へ? マクドの支店が太平洋上に?」と。左側窓席だったので、外を見てビックリ。これ、ミッドウェーのフレンチフリーゲート礁じゃん。あわてて、写メは使えないのでPDA内蔵カメラで撮影。ハウ・ビューリホー。

しかし、PDAからPCにファイルを送る方法が分からない機械オンチ野郎なので、みなさんにはお見せできず。正直、スマン。

そんなわけで、初ワイハはプライベートではなく、やっぱり超過密スケジュールなお仕事なのでした。

マハロ!

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

関連記事:
きょうだいの会 in 沖縄 2007
たまには仕事のことを(研究室の惨状はオマケ)
トルネード・チューブ
トークン・エコノミー法(後編)
トークン・エコノミー法(前編)
    など。

Posted by 奥田健次 教育特別支援教育 |

2007.09.05

乳児は「指しゃぶり」して当然でしょ

安易に「園児」とか「幼児」とか「子ども」って言うなよ。

この辺りが、シロウトの恐ろしいところ。メディアが悪い!

また「信じられな〜い!」とか聞こえてきそうだが、いるんだって。こういう保育士も。今まで、実際に何人か出会ってきたけどね。神経質な人に多いね。

指しゃぶりダメ!で園児の指にからし 甲府の保育園

8月30日13時14分配信 産経新聞

 甲府市の社会福祉法人「甲西厚生会和成保育園」(深沢久江園長)で、50代の女性保育士が指しゃぶりをやめさせようと、当時3カ月の男子園児の指にからしを塗っていたことが30日、分かった。定期監査で事実を確認した山梨県は「不適切な対応」として22日に改善報告書を1カ月以内に提出するよう同園に求めた。
 県福祉保健総務課監査指導室と同園によると、女性保育士は昨年秋、男児の片手の中指1本にからしを塗ったという。男児の保護者から「指しゃぶりがひどい」と申し送りがあったというが、保護者や園長に、からしを塗ることの許可などは得ていなかった。
 観察指導室には今年2月に情報提供があったが事実を確認できず、6月の定期監査で他の保育士らから事情聴取して事実を確認。女性保育士は園の調査に「指をしゃぶるのでよだれがひどくなり、あごがただれてしまったので、見かねて自らの判断でやった。1回だけだが、本当に反省している」と説明したという。
 深沢園長は29日に保護者に経緯を説明したといい「保護者から苦情などはなかったが、不適切な対処をしてしまい申し訳ない。再発防止をしたい」と話した。

まずは、生後3か月児ってのは「乳児」と表記すべきでしょうが。見出しは「乳児の指にからし」と書いて下さい。

シロウトの言い方で「子どものわがままを許容すべきだ」「いや、許容すべきでない」という議論もひどく幼稚な議論。時間の無駄で、何の実も結ばない。

子ども一般について語る場合、そもそも「子ども」って何歳程度の子どものことを言っているのか確認していただきたい。子どもの年齢によって、またその発達の状態によって、課題や対応は異なるんやからね。まあ、そこまでマスコミに理解しろというのは酷かもしれない。

それが、発達の勉強をしているはずの専門家ですら、安易に「子どもとは」などと勝手な子ども像(しかも年齢や発達段階を無視している)を描いている人も少なくない。どうも、子どもに関わる仕事をしている連中には、「思い込み」で仕事している人が多くて困る。「思い入れ」が強いというか。

「思い込み」ではなく、エビデンスに基づいて仕事をしていただきたい。「思い入れ」だけで議論されるのも迷惑な話だ。

エビデンスをどのように検証しながら仕事するか。それは、基本的な科学的手法を身に付けてなければ話になりません。有資格者ですら、こういう基礎が出来ていない人がゴロゴロいる。まあ、こんな有資格者を生み出している大学教員に、基礎もろくに出来ない連中がいるんだから呆れますね。

この新聞記事ですが、「からしを使うなんてとんでもない」というよりも、「指しゃぶりをして当然の乳児に、何をするねん!」という怒りと驚きをもつべきでしょう。保護者には「3か月の子どもなら、指しゃぶりはまったく自然なことですよ」と指導すべきです。それなのに、この園長は「不適切な対処をしてしまい申し訳ない」と不適切なコメントをしている。批判に対する逃げですかね。

これでまた、色んなフレキシブルなアイデアを利用した保育方法やセラピーが気持ち的に制限されるのだとすれば、大きな損失。まあ、アイデアに枯渇したことのない自分にとっては、まさに一人勝ちですけどね。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

関連記事:
小学校 学級づくりの救急箱
児童相談所の職員に求められること
困った子どもとのかかわり方
集中講義(本編)
現職教員にも教員免許更新制度の可能性が
全体研修より事例研を(2)
子どもを上手く育てるために
     など多数。

Posted by 奥田健次 教育 |

2007.09.02

宿題代行業すらビジネスになる亡国

呆れた。お酒飲んだら代行運転。宿題ギブアップなら宿題代行ですか。

戦後日本のアホさ加減も、ホント底を知らないな。

金で解決…親も子供も宿題丸投げ 代行業者が繁盛

 「読書感想文」から「自由研究」まで、夏休みの宿題を片づける「宿題代行業者」が登場し、賛否を呼んでいる。メールなどで届いた依頼に、アルバイトの学生らが有料で応える。多くの小中学校で夏休み最後となる今週末は“駆け込み客”が殺到しているというが、「家庭学習の習慣を身につけるという本来の趣旨に反している」と、教育関係者は批判的だ。

■有名大学生らが登録

 インターネット上で宿題代行サイトを主宰するのは大阪市内の20代の男性。このサイトには東大や京大、阪大、関関同立など全国の有名大学生らが多数、登録している。

算数の文章問題は1問500円、読書感想文は2万円で引き受けるほか、大学生のリポート(2万円〜)や卒業論文(30万円程度)まで幅広く手がけている。

 そのほか、夏休みの宿題の定番である工作(5万円)や自由研究(2万円)なども請け負っており、これまで実際に「アリの研究」や「河川敷の水質調査」などを提供したという。

依頼は主に親からで、「子供の宿題が期限に間に合わないから」という理由がほとんど。中には小学生本人から注文が来たこともあるという。メールやFAXで受けた依頼を、業者を介して登録学生に発注。高額バイトとして一部の学生に人気があり、中には月20万円以上稼ぐ学生もいるという。

■夏休みは稼ぎ時

 夏休みには問い合わせが通常の約3倍になるといい、今年はこれまでに、小学生の夏休みの宿題だけで約40件の注文があったという。代行業者は「夏休みが終わる今週末は全国からの駆け込み客が増えている」と話す。

こうした状況に文部科学省は「家庭学習の習慣を身につけるのが宿題の本来のねらい。その趣旨からも、宿題を丸投げするのはおかしい」。大阪府教育委員会も「宿題をお金で解決するという保護者の考えが気になる。それをビジネスにしてしまう業者もどうか。子供の成長を一番に考えればゆゆしき事態だ」と異議を唱える。

■韓国でも問題化

 一方、代行業者は「読書感想文などは、あくまで参考用に渡しており、そのまま提出することは禁止している」というが、実際は目が届かないのが現状だ。

 インターネット上では、ほかにも大学生の卒業論文を代行する業者が増えており、韓国では500サイト以上が乱立。すでに出来上がっている論文などを提供するサイトもあり、日本よりも一足早く問題になっているという。

 三重大学の奥村晴彦教授(情報教育)は「宿題や課題は結果より努力した跡が大切。お金で買ったものでは意味がない。保護者や業者も『何でも金で解決できる』という考え方を子供の心に植え付けるのは良くない」と話している。

(2007/09/01 16:33)

文部科学省も相変わらず頼りねえなあ。「おかしい」って何ソレ? 大阪府教委もさ、「気になる」「どうか」ですか。

詐欺だろ、詐欺! はっきりと詐欺と言えよ。

替え玉受験は駄目で、宿題なら代行OK? 日本人のネクタイ組は阿呆だらけやな。だからさ、不正をはっきりと不正と言えない大人が増殖してるんよ。こういう不正を不正と言えない大人どもが、戦後の日本社会をどんどん悪くしてる。

代行業者が繁盛してるって? ああ? それなら、事業拡大すればええんちゃう? ほれ、大学を受験しまくって合格実績出しまくりの頭の良い生徒を全国から登録させてさあ。んで、替え玉受験させればええやん。人材バンクみたいにやってれば、受験生に近い顔した人に受験に行ってもらったらええんでしょうが。今よりもっと儲かるぞ。

お前ら、儲かればええんやろ? バレなければええんやろ? ええよ。どうせ、行政の役人さんらは「そういうのは、どうか」「そういうのは、おかしい」「そういうのは、ちょっと」しか言えないんやからな。

ホリエ某とやらが「金で買えないものはない」と言って、メディアも最初は好意的に扱ってきたやん。コイズミ流の新自由主義の象徴といえるわな。それでも、「規制緩和、民間に任せろ」と言い続けるわけやろ。そりゃあんた、行政も「それは、ちょっとどうかと思いますよ」としか言えなくなるって。現にそうなってるやんか。

どんなアホ社会やねん。『父性』が足りないから『不正』が野放しになっとるんやって。エゴグラムでいうところの、CP(厳格な父)の低さ。ダメ親父だらけの亡国日本。

ここまでデタラメで馬鹿だらけやと、ブログ続けるのもまたアホらしくなってきた。溜め息しか出えへんよ。ったく。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

関連記事:
政府資産を92兆以上圧縮するんだって
計算しまくりの村上ファンド
ホリエモンにメッセージ
     など。

Posted by 奥田健次 教育社会 |

2007.08.31

トイレですること(煙草、マリファナ、携帯電話)

煙草やマリファナ、薬物なんかから子どもを守らなきゃならんのに。

携帯電話は簡単に持たせるんよね。携帯電話の通信業界、大儲けできるからね。

もう3か月前にホームページでお知らせしたけど、今年11月にまた国立の病院でお話しします。

最初、学会シンポジウム企画者の先生に頂いたタイトルは、確か「麻薬は子どもに持たせないのに、携帯電話はなぜ持たせるのか?」という過激なものでした(苦笑)。

まあ、自分のキャラクターを良くご存じの先生方ですからね。うちのブログも読んで下さっているようでして。確かに、以前から「携帯電話を子どもに持たせるな」エントリーを連発してましたからね。

自分から過激な路線を選ぶのは遠慮がないんやけど、過激なことをお話しして下さいと言われると「いやあ、ちょっとそれはやり過ぎでは?」と躊躇してしまうカワイイ自分です。

当日のタイトルは少し柔らかくさせていただくつもりです。

さて、今回はちょっと前の記事ですが、まずはこれ。

「トイレや浴室でもメールチェック」53%——AOL調査

携帯端末での電子メールの利用は、3年前から倍増。「メール中毒」を自認する人は15%で、旅行の計画の際にメールのアクセスを考慮する人も4割に達する。

2007年07月28日 07時44分 更新

 携帯端末での電子メール送受信が容易になるにつれ、いつでもどこでもメールを確認する「メール中毒」が増えている——米AOLは7月26日、メールの使用に関するこんな調査報告を発表した。

 調査は、AOLが米調査会社のOpinion Researchと共同で、米国の4025人(13歳以上)を対象に実施。報告によると、携帯端末での電子メールの使用は、2004年の調査からほぼ倍増。携帯所有者の59%が、メールが着信するたびに携帯で確認すると回答。43%は、眠るときにも携帯をそばに置き、メールの着信が分かるようにしているという。また、携帯をメールの送受信に使用する人のうち、寝室でもメールを確認する人は59%、トイレや浴室では53%、運転中は37%に上る。12%は教会でもメールの確認をするという。

 また、携帯を使用しない人も含めた回答者全体の15%は「メール中毒」を自認しており、この比率は女性の方が高い(女性16%、男性は13%)。回答者の10人に4人は、休暇の計画を立てる際、メールアクセスが可能かどうかは「ある程度」または「非常に」重要だとしており、休暇中に、実際に毎日メールをチェックする人は83%に上る。職場で私用メールを1日3回はチェックするという人は60%で、それに罪悪感を感じる人は28%だった。

まあ、こんなもんでしょ。

「トイレで何をコソコソやってんだ? マリファナか? 何!? ケータイ?」みたいにさ。いよいよ、携帯電話も煙草やマリファナみたいになってきたねえ。煙草とかマリファナの経験は皆無やけど、中学や高校の頃は学校のトイレで古き良き番長と、焼酎やウイスキーで乾杯したこともあったなあ。番長、元気かなあ。

自分は大学で講義をやる前に「携帯電話の電源はマナーモードではなく、電源をお切り下さい」と客室乗務員のアナウンスそっくりに独自ルールを与えてやってるけどね。そんなルールもない講義では、学生の中には講義よりも携帯メールの着信ばかり気にしているのもいれば、ビョーキな学生は返信までしてるらしいんよね。

だからさあ、携帯電話には麻薬と同じような中毒症状があるんやって。携帯電話依存症なの。

酒、煙草、ギャンブルは成人になってからっていうのはどうして? そりゃ、子どものうちからこれらを始めると習慣強度が高すぎて治らなくなるからですよ。大人は、それを分かっているから規制しているわけで。人間の知恵やね。

ところが現代に生まれた携帯電話に限っては、現代に生きる人間の知恵ももう働かないみたい。そりゃあもう、どえらく儲かるからでしょう。

「子どもへの虐待は反対!」などと言うてる人は、子どもに携帯電話を持たせるのも体を張って反対して下さいね。子どもにせがまれるままに携帯電話を持たせて、その一方で「子ども虐待反対!」ってのは大嘘つきですから。子どもに携帯電話を持たせるのに賛成する人は、子ども虐待を容認する人と断定します。

反論無用。まあ、最近の読者は過去の記事をしっかりお読み下さい。

たとえば以前の記事、「携帯電話を規制する」で、子どもに携帯電話を持たせることを法律で禁止するべきであると述べたが、新自由主義ではこの考えを採用しない。なぜなら、中毒性のある携帯電話を子どもの頃から持たせておくことこそ、電話会社の長期的な利益になるからである。カネ儲けのためなら子どもをビョーキにしておけってなもんだ。

おお、我ながら過激素敵なことを言うてるぜ。

この、私家版・携帯電話規制法案のエントリーも、いまなお笑えるぜー(自画自賛)。

あ、新しい通信方法を思いついた。「十八歳未満携帯電話禁止法及び伝書鳩奨励法案」。これ、いいね(笑)。やっぱ青少年には伝書鳩ですよ、デンショバト。慶應義塾大学はじめ、伝書鳩の訓練には歴史があるからな。マジで実現してくれませんかねえ。

携帯電話会社もちょっと反省してさ。新しい会社も作ってさ。『NTT PoPoPo』とか『J-pigeon』とか、鳩っぽい名前にしてさあ(爆笑)。いや、まじめに。平和の印だよ。

生徒「センセー、カラスじゃあ駄目なんですか?」
先生「カラスは駄目だ、アイツらは戻ってこん!」
生徒「るせー、俺はカラスでA子ちゃんにPメール届けてやるぜ!」
先生「勝手にしろ!」
(そして、後日)
生徒「センセー、俺のカラス、帰ってきませんでした」
先生「な、言わんこっちゃない、鳩にしなさい、鳩に」
生徒「そうするよ」

うーん、平和だ。平和な会話だ(笑)。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

関連記事:
蔓延する携帯電話依存症
携帯電話中毒者の事例
子どもに携帯を持たせないマドンナは賢母
泥酔客を飛行機に乗せるなかれ
携帯電話が、子どもの安全を守るか!?
携帯電話を規制する
     など。

Posted by 奥田健次 経済・政治・国際教育社会 |

2007.08.28

ネットカフェ難民に財政支援する気か?

でさー、厚生労働省は何をしたいの?

ネットカフェ難民「自力で脱出は困難」 その日暮らし、貯金なく

 厚生労働省が全国に約5400人いると推計したネットカフェ難民。経験者は「いったん落ち込むと抜け出すのは難しい」と振り返る。4割が路上生活を経験しており「ホームレスの一形態」とみる支援者もいる。

 「実際にはもっと多いんじゃないか」

 3カ月前まで東京で日雇い派遣労働者として働きながら、1年以上にわたってインターネットカフェで暮らしていた20代の男性は話す。

 男性はかつての生活を、「路上生活とアパート暮らしの中間」と表現する。「テレビもパソコンもあって、そこそこ快適だから『これでいいか』と思っちゃう部分がある」

厚労省の調査では「敷金など入居費用の貯蓄の難しさ」が原因で住居が確保できないとの回答が多かったが、男性も「その日暮らしで貯金は無理。自分の力だけでは脱出できない」と振り返る。男性の場合、実家に帰ることで生活を立て直したという。

 大阪でホームレスを支援する「野宿者ネットワーク」の生田武志代表は「仕事が途絶えれば、すぐに路上生活。ホームレスの一形態ととらえるべきだ。若年ホームレスの増加につながっていく恐れがある」と指摘する。生田さんは「行政は、不安定就労の労働者がネットカフェ生活に入る前の早い段階で支援することを考えてほしい」と求めた。

厚生労働省もさー、医薬関係は頭の良い官僚ばっかりなんやけど。

こういう労働関係とか福祉関係は何だっての? また意識調査?

支援が必要ってのは、これ(ゼニ)のことですかね。当事者が「だって貯金がないんだもん!」って言うたら、財政支援をするってのかよ。

はっきりいって、無駄。二十歳を過ぎて保護者の『おしりかじり虫』、違うわ、「すねかじり虫」していてさあ。保護者が脛をかじらせているわけ。「いつか、うちの子も立派になってくれるわ!」なんて言いながらさー。生活習慣から乱れてるっちゅーの。仕事しなくても食えるようにしてあげてるんやからさ。そりゃ、あんた。気分だけで労働したりやめたりってなるでしょうが。病気にもなるっちゅうねん。

「テレビもパソコンもあるし、そこそこ快適だからまあ良いか」となっちゃうわけでしょ。これって、ネットカフェ難民だけでなくって、戦後日本人の平和ボケ連中も似たり寄ったり。「アメリカやアジア各国に謝っておけば、そこそこ平和な生活ができるから、まあいいじゃない。テレビもパソコンも車もあるんだし」なんて思っている奴らに、ネットカフェ難民やそんな難民を生み出した社会を非難する資格なし。

厚生労働省も、もし金を使うんなら違う使い方をしなよ。

キャンプ(軍隊のほうね)とかがええんちゃうか? ほれ、流行ってるんでしょ、日本で。あの、ビリーズ・ブート・キャンプとかいうの。

軍隊に放り込んで強制収容して、強制労働。まずは生活習慣改善からやらんといかんよ。そうでないと、バッタバッタ死んでしまうがな。生活習慣が改善できたら、働いて稼ぐ。買い物して飯を作って片付ける。同時に、稼いだ金で適度に遊ぶ練習も教えてあげるわけさ。

いきなり強制労働はいかんよ。でも、そういうアプローチが必要なのは間違いない。ってゆーか、親が「二十歳になったら家から出ていけ!」と育てておくべきなの。自分がいつも言ってることなんやけどね。

金を渡すことが支援と考えちゃいかんよ。教育が大事なんやって。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

関連記事:
日本の矯正教育について
     など。

Posted by 奥田健次 教育社会 |

2007.08.22

保育料を払わない親

病院も倒産、保育所も倒産していくわけ!?

保育料の滞納、90億円 厚労省が初の全国調査
2007年08月22日06時00分

 全国の認可保育所の保育料を06年度に滞納した保護者が約8万6000人おり、滞納額は約90億円にのぼることが21日、厚生労働省の初の全国調査で明らかになった。滞納が増えていると答えた市区町村の6割強が滞納の原因として「保護者の規範意識の問題」を挙げた。同省は、保護者への働きかけを強化する一方、差し押さえなど滞納処分の厳格化を求める通知を自治体に出す。一方、識者の中には、詳細な滞納原因の調査を求める声もある。

全国1827市区町村を対象に実施し、1808自治体から回答を得た。

 保護者数は、保育所に通っている子ども1人につき1人と計算。保護者231万2760人のうち、3.7%の8万5963人が保育料を滞納していた。主要都市(政令指定市と中核市)別では、北海道旭川市の滞納者率が13.4%で最も高く、函館市11.5%、東大阪市10.4%などが続く。

 保護者が負担するべき保育料総額4784億円のうち、滞納額は1.9%の89億7000万円。対応では、督促状の送付は約79万9000件、差し押さえなども634件あった。

 この5年間で滞納が増えていると答えた1019市区町村に原因を聞いたところ、65.9%の自治体が「保護者の規範意識の問題」とし、「保護者の収入減少」は19.4%だった。そのほか、「入所児童の増加に伴い滞納も増加」などの指摘もあった。

 白梅学園大副学長の汐見稔幸教授は、滞納者数の割合に比べて滞納額の割合が少ないことから、保護者負担額の少ない低所得層に滞納者が多いと指摘。「安易にモラルの問題と決めつけないで、なぜ滞納しているのか実態を把握し、必要な補助を考えた上で、払えるのに払わない人への対応を考えるべきだ」としている。

ま、確かに家庭側の言い分でいけば「生活が楽でない」という状況がある。

しかし、生活が楽でないと「言えば」、何をやっても良いのか?

甘えの主張。これが蔓延ると、ろくな社会にならん。大人になっていない親が増えていて、言っていることが子どものまんま。また、甘えの主張を許容する側にも問題があるわけ。

たとえ、母子家庭であろうと子どもを信頼して預ける以上、身勝手な甘えは許されるものではない。公的援助も受けてしっかり仕事をしつつ、負担すべきものは支払う。それをけなげに甘えずに生きているシングルマザーもいるわけよ。そういう、けなげでひたむきな親もいるんやからね。

子どもを預かる側からすれば、真剣に命を預かっているわけやから。

払うべきものを払わずに放っておける人って、一体どんな身勝手な理屈を作り出してんでしょうかね。『身勝手な理屈事典』なんて編さんできそうやな。

あ、ちなみに年金についてはまた別の考えをしなきゃならん。読者は自分で考えてみるように。子ども預けている保育とは違うでしょ。

甘えている親。相手の立場に立って考える思考力の低下が著しいんでしょうな。また、『恥』という感覚すら欠如してしまっとるんでしょう。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

関連記事:
給食費を払わない保護者
「おかずもお願い」
子どもに携帯を持たせないマドンナは賢母

どうしようもない保護者

      など。

Posted by 奥田健次 教育社会 |

2007.07.18

いじめへの取り組みは時間がかかる

現実離れした活動を続ける教職員組合。

とにかく、組合の連中には「やりたくない、時間をかけたくない」というのが先にあるからね。それを隠すための論理があまりにも稚拙。そして、いつも『人権』という言葉でもって、教師のプロ化にブレーキをかけている。

いつまでそんな、ただの『まやかし』が通用するんやろうかね。

いじめ調査「非協力」の北教組が反論の資料集(北海道)

 北海道教職員組合(北教組)は12日、「『いじめ』問題を考える教育実践資料集」を発表した。昨年12月に道教委が実施したいじめ実態調査に非協力運動を行い、批判を浴びたことを受け、「誤解を解消し、北教組の主張を示す」狙い。

 資料集では、道教委のいじめ実態調査が、北教組の同意を得ずに行われたもので、調査結果が一人歩きし、子供、保護者、教職員の不安をあおったなどと批判。いじめは人権侵害の観点でとらえるべきだとし、子どもの権利条約に基づく主権者を育てる教育が必要などと主張、小中学校と高校の6実践例を紹介している。 

会見で北教組の住友肇副委員長は、道徳教材「心のノート」や、卒入学式での国旗掲揚・国歌斉唱など、「文部科学省の圧力や強制、子供の意見表明権を抑制する教育政策で、人権が根付かない」とし、「主権者たる人間を育てる観点の教育で、いじめを起こさない学校作りができる」とした。

 北教組は今年2月27日の中央委員会で、資料集制作を明らかにしていた。この時期に発表がずれ込んだ理由として北教組は「これだけをやっているわけではない。全国学力テストや教育3法案の反対運動もしていたため」と説明した。

 資料集は52ページ。6000部を印刷し、一般にも無料で配布する。問い合わせは、北教組本部教育文化部(TEL011・561・8825)へ。

(2007年7月13日  読売新聞)

滝川市の小6いじめ自殺のときに遺書の内容を隠し続けた市教委。北広島市では教師と学校がいじめがあると知りつつ放置した。いずれも北海道であったのに(北海道に限らない話だが)、これだけの事件が連発しているにもかかわらず、いじめの実態調査を拒否したのが、北海道教職員組合。当然、批判の目が注がれる結末に。そんな結末になることも予測できないほど、世の中の空気が読めない非常識な連中なんでしょうな。

いじめを見殺しにした学校、教師らが全国各地に山ほどいる。自分は、たくさんの事例をもっているよ。

「いじめを起こさない学校づくり」などと寝言を言っているようだが、そのためには相当な時間をかけなければならない。それこそ、残業手当無しで夜の8時まで仕事しても文句を言わない教員集団の力が必要になる。

こういう話になると、教職員組合の連中はすぐに顔色を変えて反発する。だから、「結局やりたくないんでしょ、所詮」というふうに見られてしまうわけ。

具体的な事例を一つ。

小学校5年の担任(50代男性)が巡回相談のときに、深刻な顔をして相談にやってきた。クラスの中で、いじめにあった女の子の手紙である。

こんな内容であった。

○○先生へ

 わたしは○組の人たちから、イジメられています。『ウザイ!』と言われました。

 教室に入ると、イジメてくる子たちが、ガン見してきます。

 先生は気づいてないけど、わたしは去年から○組の子たちにイジメられています。

 先生が来ると、イジメをやめるからです。でも、先生がいなくなるとまた、ガン見されてイジメられます。

 わたしはもう死にたいと思っています。思い切って○○先生に手紙を書きました。両親にも、○○先生にそうだんしなさいって言われました。

 手紙のことはナイショにしてください。またイジメられるからです。

 わたしのことを、毎日イジメるのは、◇◇さんと、△△さん、●●さん、□□さんです。

 たすけてください。たすけてください。

・・・・・・・・・・・・

この児童の訴えは、さらに便箋に5枚に及んでいた。

担任の男性は、「こういう手紙を受けとったんですが、どうしたらよいのでしょう」と聞いてきた。

このクラスの状況、この児童の状態、クラスの状態、親御さんの理解と期待できる支援のレベルなど、いろいろな事を確認した上で、自分は2つの処方箋を出した。

1つ目は「緊急に必要なこと」。

2つ目は「しばらくの期間、担任として続けて欲しいこと」。

事例のことになるので、詳しい内容はここには書かない。

1つ目の「緊急に必要なこと」については、奥田が動くということでOK。

そして、2つ目の「担任としてしばらく続けて欲しいこと」についてだが、自分もいろんな学校を巡回していて、学校教員の忙しさを理解している。だから、無茶な(明らかに実行不可能な)提案は、最初からしないように心掛けている。

自分が提案した中身は書かないが、要は「担任が放課後に30分だけ、この児童にお付き合いする時間を設けること」を提案した。しかも、「週1日、30分だけ」という提案。担任にとっては、そんな難しいことではなく、ただ30分だけ「あること」にお付き合いするだけでよい。そういう提案だった。

ところが、この提案を具体的に話していると、担任はどんどん暗い顔になっていった。

「どうでしょう、やっていただけませんか?」

と、聞いてみた。

すると、

「・・・・・・我々、教員は放課後はとても忙しいんですよ」

と言う。

自分のクラスの子が「死にたい」と訴え、「先生にしか相談できない」と頼りにされているのに、「忙しい」と答えるこの担任。

そりゃあ、もうこのオッサンを殴ってやろうかと思いましたよ。

でも、なんとか子どものために怒りをこらえて「5分でも10分でも良いですから」とお願いしてみた。

それでも、この担任は、

「・・・・・・・・・・・・この子にだけ特別なことをして良いんでしょうか」

と言う。

「ほな、もう良いですよ! 先生には頼みませんわ!」

と、この担任との相談を打ち切り、即座に校長に直談判することにした。というか、校長を脅しに行った。

脅された校長は、養護教諭を呼んできた。養護教諭に事情のすべてを話して、奥田の2つ目の処方箋については、この養護教諭が実行してくださることになった。

この2つの処方の結果として、それまで続いていたいじめの問題は断ち切られたし、この児童は養護教諭の協力のおかげで長期的にも安定して登校して教室で過ごすことができ、自殺をほのめかすようなことも無くなった。

養護教諭に、この担任の協力の無さについて率直に話したところ、結局「あの先生は組合ですからね」とのこと。

他にも、こんな例はいっぱいあるんやけどな。北海道から沖縄まで。教員だけでなく、養護教諭による見殺しの例すらある。もちろん、見殺しにする管理職もいた。見殺しにするスクールカウンセラー(臨床心理士)、大学教員もいた。中には、我が子を見殺しにする親もいるんですよ。信じられる?

「いじめは人権侵害だ」「主権者を育てる教育が大事だ」の運動で、良くなるわけがない。エビデンスもない。綺麗事を並び立てて正当化するのは教職員組合の常套手段なのだが、結局は「時間をかけたくない」というのがベースにあるだけ。

上記の巡回相談の話に戻るが、養護教諭との話し合いが終わって帰ろうとすると、教職員が玄関まで見送りに来てくれた。

「忙しいから」と言った男性教諭が、「これから大学に戻られるのですか?」と聞いてきたので、「研究室で夜の2時くらいまで仕事します」と答えると、「そんなに遅くまで!」と驚いていた。

自分としては、「プロとして恥を知れ!」と思いつつ立ち去った。この恥を知らない担任は、「大学の先生も、大変なんだなあ」という顔つきだった。

ともかく、いじめへの介入には時間がかかるものなの。人権の大切さを訴えたところで、いじめが無くなればどんなに楽か。無くならないって。

大変かどうかじゃなくって、自分の怒り、分かりますか?

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

関連記事:
青少年の自殺率を減らしたければ、『ゆとり教育』をやめなさい!
文科相のメッセージより、保護者との対話を!
『いじめ』の犯人捜しという『いじめ』。
刺客ども、だらしない姿を見せるな。
伊吹大臣への応援歌
『臨床いじめ学』について
高校生意識調査にみる戦後教育の誤り
いじめの根を絶ち子どもを守るガイド
いじめのある現場で解決する策がある
永久に少数派
いじめ社会の完成
番長賛歌
     など多数。

Posted by 奥田健次 いじめ・ハラスメント教育 |

2007.07.08

北海道から沖縄までの1週間

先週、北海道。いま沖縄。全部仕事なんやけどねえ、日本は本当に広い。いや、狭いのか。

飛行機に乗ってしまえば、同じ空港でもその日によって離陸する方向が異なるので、どこに向かっているのかよく分からなくなるんよ。新幹線なら、いま西のほうに来たとか、東のほうに向かっているとかイメージしやすいけどね。

以下、旅の記録。

先週、乗っていた新幹線が突然真っ暗になって緊急停止。停電なんやってー、うそー、やだー。トンネルに入ったあたりで緊急停止が始まって急減速してこのまま真っ暗かなあと思ったら、自分の座席の真横がトンネルの出口のところで完全停止。すぐに復旧したけども、どうやら大雨のせいだったみたいね。

20070701 20070702 いきなり暗くなった車内。自動ドアも空調も動かない。電光掲示板やらアナウンスなんかは通常通り。

完全停止後、自分の座席の真横から。ちょうどトンネルの出口。すぐに復旧してくれたので、遅刻せずに済みましたわ。

 

20070707 20070708

そして今、沖縄。ビーチでのんびりしている人を尻目に、仕事に向かう。また来月、来るからさー。

教育相談が終わってから、親御さんたちが招いてくれた食事会。沖縄市にある『ちぬまん』。三線が演奏できそうな個室があり、また子連れでもキッズスペースがあるのでファミリー向け居酒屋って感じね。

イラブチャーなど、沖縄らしいカラフルな魚。

翌日も仕事の自分は、適当な時間にお先に失礼しましたよ。子どもらはみんなそれぞれにええ感じですわ。

20070710 沖縄通にはこの室内を見ればどこのホテルって分かるんちゃうかな。北谷町にある『ザ・ビーチタワー沖縄』。最初の頃のサービスは最高に良かったんやけど、リピーターにはちょっとサービスが悪すぎる感がある。リピーターこそ大切にしてほしいんやけど、このところ連続して及第点を上げられない。

写メっとこ。遅れている原稿を仕上げるため、こんなリゾート地であろうと無関係にPCに向かってお仕事に励む自分。けなげでしょう!

実は、首をキリンにしながらお待ちいただいている編集者のみなさんに「遊んでるわけやないんでっせ! 旅先でも仕事してまっせ!」という、ブログを通した言い訳であるかもしれない(苦笑)。せこいでしょう!

ということで、また新しい週が始まるのでした。

9月は自分史上最高に激しく地球上を右往左往する予定。ギガント・ビジーっす。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

Posted by 奥田健次 教育脱力系 |

2007.07.06

「指導をやめろ」という校長

いいね。いい記事。

いや、本当にこんなトンデモ校長っているんよね。よっしゃ、また自分も遠慮無く取り上げていこうっと。

【真犯人はこいつだ】(74)授業を壊す校長の指導

 「漢字、計算は家で勉強することで、学校では教えないという教師が激増している」という私の文に「それは極めてまれな例ではないか」という反応があった。「とても信じられない」というのだ。

 少し前、九州の若い教師が校長、学年主任からこう命じられた。

 「国語の時間に毎回、5分ほどの漢字指導をしているがやめなさい。教科書を読ませる音読もやめなさい」

 前々から同じことを言われていた。しかし、教師は国語の授業で音読指導と漢字指導をそれぞれ5分ほど教えていた。

 国語の授業で「漢字や音読を教えるのは教師の仕事」と思ってのことである。

 だが、校長はやめろと強く言う。

 「うちの市のカリキュラムには音読指導や漢字指導は配当されていない。カリキュラム違反だ」というのが理由だ。

 ところで学習指導要領には「漢字の読み書きができるようにすること」「声に出して読むこと」と書いてある。

 法令違反は九州のその市なのである。

 しかし、校長は若い教師に厳命した。

 「このまま漢字指導や音読を続けるなら、あなたを指導力不足教員とする」

 デタラメな校長によって、教師と授業が壊されている。

 教育委員会は何をしているのだろうか。(TOSS(教育技術法則化運動)代表 向山洋一)

(2007/07/04 08:27)

まったくやね。こんな校長を任命したのは誰や? 任命はするけど罷免はしない(シンゾー君も同じやん!)。そんな教育委員会こそ、指導不足やね。指導不足教育委員会

指導不足教育委員会なんて、今までどれほど見てきたことか。責任回避の事なかれ主義やからな。

何度、日本刀を持って殴り込みに行きたいという衝動に駆られたことか。このときもそうやったよ。

どうしようもない校長

どうしようもない教育委員会についても、あれこれあるねんけどな。

他にも、これとか。

小5男児自殺。学校関係者は責任回避し続けるのか?

これも。

市教委の単独プレー(先送り)

あれれ、この2つは全部、九州じゃん。

まあ、もちろん他の地域にも山ほどトンデモ事例があるがね。追々、うちのブログで晒していくことにしますわ。ジャーナリストではなくって、実際に武闘派としてバトルしているから、感情のこもった生々しい事例ですよ、奥さん(笑)。お楽しみに。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

関連記事:
どうしようもない校長
小5男児自殺。学校関係者は責任回避し続けるのか?
市教委の単独プレー(先送り)
      など。

Posted by 奥田健次 教育 |

2007.06.21

「潰れるべき国立大学法人は潰れろ」のスタンスで国際競争力が高まるか!?

まあ、この記事が出る前にすでに聞いていたけどね。国立大学法人の運営費交付金が「兵庫教育大学、9割減」という、財務省の馬鹿げた試算のこと。

そこの奥さん、子どもや孫の将来のために、ゆっくり続きを読んでみて。

産経新聞の記事。

国立大「競争」に反発 地域貢献や基礎研究考慮を

 国立大学に配分する運営費に競争原理を導入しようという議論が政府内で高まっている。国の財政状況が厳しいなかでも、日本の国際競争力を高めるためには、先進的な研究や独自性のある教育に強い大学には手厚く資金を配分しよう、というものだ。これに対し、国立大学側は地方を中心に、教育や地道な基礎研究、地域社会への貢献も考慮すべきだ、と反発している。

 ≪努力を数値化≫

 「こんなことをすれば、15か16の大学しか生き残れなくなる」。ある国立大学関係者は、財務省の行った試算結果に声を荒らげる。

 試算は独創的・先駆的な研究を支援するための科学研究費補助金(科研費)の配分実績に応じて、大学の基本的な収入である運営費交付金を配分し直したもの。

 運営費交付金は学生数などに応じて決められるが、科学研究費補助金を得られるかどうかは、先端的な研究かどうかなど内容がカギとなる。科学研究費補助金の配分実績で交付金を計算し直した試算では、東大、京大など13大学は運営費交付金が増加する一方で、兵庫教育大、愛知教育大など74大学は減少。東大は2倍強となり、兵庫教育大は9割減った。

 財務省は「実際に適用することはあり得ないが、各大学がどれだけ努力しているかをみることはできる」と試算意図の説明に言葉を濁す。

 ≪国際競争力強化≫

 経済財政諮問会議、総合科学技術会議、イノベーション25会議、規制改革会議…。こうした政府の会議がこぞって大学改革を取り上げ、濃淡はあるものの、資金配分に競争原理を取り入れる必要性を指摘している。

 米国などで研究資金獲得のための競争が大学を活性化させ、技術革新を支えていることを見習おうという考え方だ。

 ≪教育の質低下≫

 これに対して、国立大学側の反発は強い。「競争を重視しすぎると教育の質が保てなくなる。評価されにくいが、将来の競争力向上に欠かせない基礎研究の芽を摘むことにもなりかねない」(国立大学協会)と訴える。

 各大学は、独立行政法人に移行した平成16年に、経営効率化や教育、研究の高度化などの中期目標を設定し、年度ごとの計画を策定し実行中だ。その成果を21年に文部科学省が評価する。大学側は「結果が出る前に、新たな競争原理を取り入れるのはおかしい」(同)と反発する。

 文科省が外部のシンクタンクに委託して行った試算でも、地方の中規模大学は地元に406億〜667億円の経済効果をもたらしているとされ、「性急な改革による再編などは、教育や人材育成だけでなく、地域社会にも大きな打撃を与えかねない」と反論している。

(2007/06/18 15:13)

でも大丈夫。

我々には伊吹文明さんがいるじゃないか。約1か月前に、伊吹大臣が会見で直々に「そうしない」と言明して下さってるからね。今や、閣僚内はもとより野党からも一目置かれている伊吹さん。伊吹さんが言っていることが正しいわけ。

基礎あっての応用。こんな当然のことが理解できない人は、頭の中がオカルトなんよね。

ある教授がエエ事、言うてはりましたよ。

病院のスタッフに対して経営者が『経営効率化』を言い始めたら、その病院は危ない。同じように、教育者や研究者に対して経営者が『経営効率化』なんて話を持ち出すのは危ない。経営者はたとえ財政が苦しくても、スタッフに対して「しっかり最高の教育を続けてください」と言い続けるべきである

本当にその通りだ。ゼニカネの心配は経営サイドがやるべきこと。

自分に言わせれば、病院も教育機関も両方とも経営効率化なんて議論が出始めたのは、小泉暗黒時代である。今では、右も左も「経営効率化を考慮するのは当たり前、もしくは致し方ない」と思い込んでいるのではないか? 上記のある教授の言葉を思い出して欲しい。

冷静に考えてみて。教育や医療に経営の効率化なんて持ち出すことは、とんでもないことでしょ。「小児科は採算が合わないから減らします」、「教員養成系で地域貢献している大学も勝手に潰れてください」と言っているようなもんです。

国立の子ども病院では、100円売り上げるために200円の経費がかかっています。つまり、子どもが来れば来るほど赤字になる。子どもに医療行為をすればするほど赤字になる。じゃあ、子どもになるべく来させないようにするのか? 人件費削減するためにスタッフを減らすのか?

恥ずかしくないか? 日本の教育予算は先進諸国で最低レベルなんですよ。にもかかわらず、この上さらに予算削減しようとしているんです、 現在の自公政権は。こんなことをやっていて、国際競争力だとか馬鹿なことを言うんじゃない。そういう「国際競争力を高める」と喧伝している連中は、年収2,500万円以上の富裕層の子女がさらに国際舞台でも活躍できるようにしたいだけなんやから。

うちのブログでも、ずっとずっと言い続けてきた(断ブログ中はゴメンネ)ことだが、小泉媚米政権が「構造改革」「新自由主義経済」「小さな政府」「民間で出来ることは民間に任せる」「市場原理主義」「規制緩和」などなど、やることなすことすべてが史上最低最悪の売国政策だったわけ。世界史上にも残るであろう、経済大国の奴隷化政策。

小泉カイカク革命以降、どれほど多くの学校や病院が廃業したことか。今なお、減りつつあるのを止められない。開き直りがお得意な小泉前首相は、「サラリーマンも苦しい。主婦も苦しい。病院や学校だけが苦しまないようになんて通るもんかねえ」などと嘯く姿が目に浮かぶ。

滑稽なことに、サラリーマンや主婦がこれに対して「そうだ、そうだ」と言っているのも目に浮かぶ。こういう、小泉まやかしフレーズに騙されて、結局は国民は自分で自分の首を絞めていることに気がつかない。

苦しんだ病院、学校はどうすると思う? 医療の質も下がるし、教育の質も下がるに決まっているでしょ。質が下がるに決まっているのに、小泉マンセー軍団は「下がらないよう努力すればよい」「下がらないための手立ては打ってある」とか言うわけ。こいつら、アホか。

実際に、採算を重視するようになってから、医療・福祉でどれほど患者や利用者が不利益を被っているか。教育現場では子どもらがどれほど犠牲になっているか。これからも、たくさん出てくるって。「あってはならない」と言われるような事件がね。病院や福祉法人の詐欺、学校から英会話教室で起こる詐欺。食品や生活の安全関係の詐欺、偽装。減るわけがない! どんどん増えますよ!

「医療と教育だけは、採算を度外視する」と言う政治家はいないのか? どいつもこいつも「無駄を無くす」しか言わないんじゃない? 「無駄を無くす」と言った方が主婦にウケが良いからでしょう。主婦のみなさんも、しっかりして下さいよ。「医療、教育には金をかけろ」「文科省にもっと予算を」「小学校から高等学校までの予算を削るな」と言い続けて下さい。

大きな安心感は、我々には伊吹大臣がいるということ。財務省も、前任の『居酒屋の酔っぱらい大臣』なら簡単に御せたけれども、伊吹大臣の前では教育費削減のトーンが明らかに下がっている。つまり、財務省の中にも伊吹大臣の言っていることのほうがもっともだと分かっている人たちもいるってこと。ただちょっと小賢しいよな。こんな数値を公表して、国民の反応を確かめているよね。

それにしても、新聞やテレビなどのメディアが、大いに国民を洗脳し続けているのが問題だ。新聞やテレビの資本を握っているのはだれ? 取引先の外資。スポンサー。アメリカ色に染まるための宣伝をやり続けているとしか言いようがない。亀井静香さんらを悪代官に仕立て上げるようなネガティブキャンペーンをやっていたやんか(確かに亀井さんのキャラは見た目では悪代官にピッタリではあるけれども)。

本質的な議論なんか全然されていなかった。

経済コラムマガジンのこの記事を、じっくり読んでみて下さい。小泉政権のデマっぷりがよく分かる。

他にお薦めの本は最後にリンクを貼っておく。各分野で「小泉カイカク」がどれほど我が国の文化や社会を破壊したかご覧頂きたい。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

関連記事:
伊吹大臣への応援歌2
      ほか多数。

Posted by 奥田健次 経済・政治・国際教育 |

2007.06.13

小学校 学級づくりの救急箱

断ブログ中だったためにお知らせできませんでしたが、分担執筆した教科書が4月に出版されました。

その名も、『小学校 学級づくりの救急箱 カウンセリングの視点を生かした学級づくり』(東洋館出版社)です。

Okuda2007_1_1 タイトルのとおり、読みやすい一冊です。いや、読みやすいというより「使える一冊」といったほうがよいかもしれません。本書は、読みやすさはもちろん、本当の救急箱のように、いつも手元にあってみんなが使えるようなものを目指したものなのです。

教室でよくある具体的な事例が、分かりやすく豊富なワークシートやイラスト付きで紹介されています。ちなみに自分は、「人前で話せない子どもには?」「成績不振の子どもには?」「カウンセラーや養護教諭等との連携はどうすればいい?」を執筆しました。

出版社の内容紹介を一部引用します。

http://www.toyokan.co.jp/eigyoubu/eigyoubu.htm
小学校 学級づくりの救急箱 カウンセリングの視点を生かした学級づくり

<問題を抱えてしまった子どもへの「最初の一手」を!>

 本書ではクラス内で起こりうる典型的な子ども達の状況を30事例挙げ、下記の四項目を柱とし、その具体策を2、3ページにまとめています。

1.子どもの様子は?
2.どう理解する?
3.指導・支援のポイントは?
4.誰とどう連携する?

 教師、保護者、同僚や管理職、専門家などとの連携も重要視しており、よりよい相互関係づくりについても提案しています。イラストやワークシートなどで分かりやすく、すぐにでも使える1冊となっております。

 4月になると、新しい学年、新しいクラス、その中で新たな人間関係が築かれます。これからの学校生活の中で何か問題が起きたとき、この書籍は解決策のヒントになってくれるでしょう。

ちょっとしたことでも、指導の方向性や支援の手立てが必要だなと感じた際に、本書が手元にあるとヒントを与えてくれるのではないかと期待しています。

小中学校の教員、養護教諭、カウンセラーはもちろん、幼稚園や保育所などの先生方、保護者の方々にも役立つのではないでしょうか。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

Posted by 奥田健次 教育お知らせ |

2007.06.02

伊吹大臣への応援歌3

伊吹さんの答弁が良いねえ。

参議院議員の文教科学委員会会議録より。京都老舗の繊維問屋から出た本物の保守政治家の話に耳を傾けよう。

『伊吹節』の一部を紹介するので、じっくりと味わってみてほしい。

北岡秀二委員の質問に対する答弁。質問内容は、子どもの道徳、規範意識、礼儀作法など、家庭の問題、社会の問題、学校の問題をどう考えるのかという主旨。

○国務大臣(伊吹文明君) これは先生、一番人間社会にとって重要なんだけれども、いろいろな価値観あるいは政党の理念を持って行われる政治の中では一番難しい分野なんですね。しかし、民主党があり、公明党があり、共産党があり、自民党があっても、日本で生きている限りは、日本人が共通に持っているものを教えるということは私は当然あっていいと思います。
 具体的に、規範というのは、法治国家ですからまず法律というものがあります。しかし同時に、その国において、長い歴史の中で祖先が試行錯誤の中でこれはどうも不適当だなというものをそぎ落として、これは正しいんじゃないか、みんなで守っていこうよというものを残して、そしてつくり上げてきたものと法律とを合わせたものが私は規範だと思います
 ですから、英国では、あれだけ近代議会制民主主義の母なる国と言われましたけれども、どちらかというと明文法の非常に少ない国であって、つい最近まではコモンローと言われる法に書かれざる規範というのか、その国の約束事のようなもので社会の秩序が守られていたわけですね。ですから、英国の規範と日本の規範とまた非常に違うと思いますし、ましてやアメリカのように人工的に移民をもって、いろいろな規範を持った人たちがつくり上げた国で共通に持つ規範というのは一体何なんだろうというのは、非常につくりにくいからこそあの国は法律を優先に国の社会秩序を守っているわけですね
 しかし、先ほど来お示しになったこの調査を見て、その国においてすら日本以上に今先生が御指摘になったことを強く意識しているということを突き付けられると、我々はやっぱりかつて、宗教の意識が非常に低いと先生、難しいとおっしゃったけれども、かつて宣教師が信長の時代に日本へ来たときに、どの国の国民よりも日本人は礼儀正しく、そして人に優しく、町は清潔であるという手紙を送っておりますよね、本国に。新渡戸稲造さんは、宗教感覚はこんなに薄いのに、なぜ日本人というのはこんなに社会が整然と秩序正しく保たれているんだろうかという疑問を持った自分の米国人の妻に、武士道というものが宗教に代わるものとして日本にはあるんだということを教えたのが「武士道」という本ですよね。
 商人道というものもありますし、例えば石田梅岩の石門心学のようなものもあれば二宮尊徳や安藤昌益の農業に携わる人の規範みたいなものも日本にはあるわけですから、もう一度やっぱり、こういうものは、こういう人が主張したことはこうだよということを私は教えていくというのが本来の徳目であって、その中でどれを取るかということを、点数化するということはやっぱり適当なことじゃないんじゃないかなという気持ちを持ちながら今先生がおっしゃったことに取り組みたいと思っております。

第166回国会 文教科学委員会 第14号(平成19年5月24日)より。

http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kaigirok/daily/select0106/main.html

「伊吹はん、ええこと言わはりますなあ」と思うところに着色してみたら、ほとんど色つきではありましぇんか!

アメリカってのは移民国家であり、明文化されたルールがなきゃ秩序が保てない契約社会であると。まあ、その歴史は短いとはいえ世界の大国となってしまっては、これもまたアメリカには必要だった事情。

でもね、これは『アメリカには必要』だった事情に過ぎないわけ。

聖徳太子の「十七条憲法」の第一条は、「和をもって貴しと為す」でしょう。つまり、日本は聖徳太子がこの言葉を明文化する以前も以降も「和をもって貴しと為す」でやっていける民族・文化を持っていた。そうでなければ、こんな言葉が思いつくわけもないし、その後ずっと受け入れられ続けるわけもない。

ただ、残念ながら国内的には「和をもって貴しと為す」で十分だった。しかし、これが外交で通用したかといえば、通用するわけがない。そりゃ、当然でしょ。その土地、その土地で通用したことが、異国との交渉で通用するわけがない。

しかし、このことをもって「古い日本の在り方が間違っていた」「古いのは良くない」と言って回る学者や政治家は単純オツムさん(特に親米保守に多い)やね。「古いから悪い」なんてどこにも根拠は無いでしょ。日本人という民族にピタリとあった内政を捨てることなく、新しい外交の在り方をアドインしていくべきだった。

戦後ボロボロになった日本は、戦前のものすべてを否定する論調が世の中を支配し、今に至っている。人工的国家のアメリカが押しつけた現在の日本国憲法。現在も続いている、日本に対する経済的・精神的側面での植民地支配。

「グローバリズムはすばらしい」などと言う人間は、はっきり言って保守ではない。自国の歴史に学ばず、日本の価値や伝統を容易に捨ててしまえるからだ。こういう似非保守の連中が、日本の文化や伝統を語るのは、まあ言えばユニークなファッションを海外に紹介しているだけのこと。小泉・竹中がその典型だった。

新渡戸稲造さんの話も、日本における教育改革のためのヒントになっている。それを、さらっと原稿など読まずに話せる伊吹さんのセンスはやはりすばらしい。日本人は「武士道」から学ぶべきであり、学び直すことが必要。

「武士道」というのは、単純オツムさん(特にサヨク;単純オツムさんは、保守にもサヨクにもいるんだなあ)には、武士階級だけのものと思い込んでいるところがある。だが、農民でも商人でも持つべき「道」があったのが日本人。それが日本人らしさであり、それぞれの「道」を持った人は身分を問わず尊い日本人である。逆に、武士の中でも「道」を外した輩もいたわけだが、それらは武士の身分であるだけで、ただの外道畜生である。

尊敬すべき先人の人となりについて学ぶのは良いことである。自分よりも弱い立場の人を気の毒と思えるような道徳教育は、学ぶべき順序は実は2番目以降やと思うよ。最初に子どもが学ぶべきは、大いなる存在への憧れ、畏敬・畏怖、尊敬する態度なの。これをしっかりやれば、2番目以降に大切な道徳的テーマは後から自然に生まれてくるからね。

伊吹さんの主張を、奥田流にアレンジして言わせてもらえればこんな感じ。奥田流ってのは、とにかく現場で実践に結び付く話をイメージしたものやからね。

道徳教育は、優れた先人に対する尊敬からはじめましょう。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

関連記事:
伊吹大臣への応援歌2
伊吹大臣への応援歌

Posted by 奥田健次 経済・政治・国際教育 |

2007.05.28

トークン・エコノミー法(後編)

読者の皆様、このエントリーの前の『トークン・エコノミー法(前編)』はお読みいただけたでしょうか。まだの方は、先に上記のリンクをクリックして、前編からお読み下さい。

さて、いよいよ参加したシンポジウムの内容についてです。

発達障害の子どもへの行動支援プログラムを提供する企業(アメリカには腐るほどあります)によるシンポジウムでした。

内容については、トークン・エコノミー法に関する基本的特徴について紹介するところから始まり、後半は具体的な応用例を紹介するという構成になっていました。

ところが、アメリカらしいんですが、途中でフロアからどんどん質問がなされます。それに演者が逐一応答していくのですが、意外と前半の基本的知識の部分で質問する人が多くて、なかなか自分が聞いてみたいと思った応用編に辿り着きません。

ハンドアウト資料をみても、もともと分量も多く普通にやっても時間切れになるんじゃないかと思っていました。案の定、途中からスライドをはしょり始めて、応用編に突入した辺りで時間オーバー。最後まで真面目に聞いていたのですが、ちょっとガッカリしました。

それでも、面白いアイデアが随所に見られ、共感できる部分もたくさんありました。

たとえば、野球が好きな子どもには野球板を使ってポイントを獲得するシステム。具体的に定義された適切行動(たとえば、自発的に挨拶する)が生起するたびに、ヒット1本。ヒット3本で満塁になり、4本目はホームラン(グランドスラムと言います)。これで4点獲得。学校の帰りまでに9回の攻防があって、帰りにお楽しみ(バックアップ好子)と交換できるというシステムです。もちろん、点差があればあるほどバックアップ好子の価値は高まります。

他にも、チェスが好きな子にはチェス盤を使って獲得したポイントを視覚的に提示していくアイデア。宝探し(すごろくのようなもの)を使ったり、昆虫採集のようなものがあったり。見ているだけでも楽しくなります。

自分らもトークンを出来るだけ楽しくするための工夫は、あの手この手を使ってやっています。パズルを適切行動1回につきピースを1つずつ渡し、完成したらバックアップ好子というやり方も、まったく同じです。

トークン・エコノミー法を成功させるための決め手もいくつか紹介されていて、これらもまったくその通り。

まず、「子ども自身がバックアップ好子を選択できること」。子どもの年齢によって、興味や関心、好みを考慮する必要があります。そして、普段は手に入らないものが効果的。

それから、「実際に与えやすいもの」であること。子どもがポイントカードをコンプリートしたのに、バックアップ好子をもらえるのが半年後とかではいけない(これ、親御さんとかがしばしば陥る失敗例)。

他にも、リストアップしていない適切な行動(想定していなかった適切な行動)に対してトークンを与えるのは良いが、きちんと定義されていない行動(想定していなかった不適切な行動)に対して、レスポンスコスト(トークンを奪ってしまう減点法)を使うべきではないこと。

なかなか奴らもそれなりの経験則を持っているなと、思わずニヤリとしてしまいました。

その他、『学校用スケジュール』、『家庭用スケジュール』などの紹介があり、『地域社会でのスケジュール』なども、ちらっと説明がありました。その後、問題行動への介入の辺りになると、もうほとんど時間もなく、説明が不十分でした。

面白かったのは、トイレの水を何度も流す自閉症児に対して、『トルネード・チューブ』という、水がくるくる回るオモチャを使う方法でした。資料によると、「不適切な流し方をしなかった時だけ、トルネードチューブを渡す」とありました。まあ、厳密なことを言わせてもらえれば、「○○しなかった時だけ渡す」という介入方法は、行動分析が不十分なんですけどね。いずれにしても、トイレの水を流すのと似たような機能をもつオモチャを使うというのは、自分らがやってきた方法と同じです。

他に、ラミネートされたスケジュールを使う方法、行動契約法など、自分がこれまでやってきた実践と同じものがたくさんありました。

何か新しい知識を得たかと言われると、それはありませんでした(最初からそれを期待していたわけではありません)。しかし、自分がこれまでやってきた方法を振り返ることができたし、これからまた色んなアイデアグッズを作ってやろうという動機づけにはなりました。うちのスタッフにも色々教えてやろうっと。

尻切れトンボで終わってしまったので、終わってからすぐ演者に質問に行きました。

まったく今回のプレゼンでは触れられていなかった、重度の子どもへのアプローチです。あるいは、中程度の遅れのある子どもで、なかなかトークンへの動機づけが高まらない事例への工夫について、一体どう考えているのか。

自分の場合、高機能の子ども達だけを相手に仕事をしているわけではないので、この辺りの知見については彼女らに負けないものを持っていると思います。重度の子、無発語の子、2歳程度の障害のある幼児でも、可能な方法があるんですね。

いつかアメリカに輸出しましょーかねー。

あ、トルネード・チューブ。どこで売ってるのか聞けばよかった。(追記:ゲットしました

続き:『トークン・エコノミー法(バックアップ編)』

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

関連記事:
トークン・エコノミー法(前編)

Token4 Token5_1

Posted by 奥田健次 教育特別支援教育 |

トークン・エコノミー法(前編)

今日はプラプラっと適当に面白そうなシンポジウム探して動いていました。参加したのは、「トークン・エコノミーの適用法」について。

トークン・エコノミー法って、行動分析学では良く知られた方法です。教室の中で、また家や職場などで、非常に簡便に使用できるため、行動分析学の専門でない人でもたくさん使ってくれています。そもそも、これは心理学ではなく字の通り経済学での概念です。

トークンは、日常生活でありとあらゆる場面に用いられ、人間の消費行動に影響を与えています。自分の財布の中のカード類も、ほとんどがポイントカード。

さあ、心理学に興味のある方、そうでない方も続きをお読み下さい。

トークン・エコノミー法の利点は、扱いが容易なこと、特定の行動の出現を高めるのに有利なこと、視覚的に動機づけられ達成感も味わえること、などがあるでしょう。

さて、自分が大学の講義の中でも話している例を紹介します。

財布の中に美容室のポイントカードがあります。この美容室はまあまあ気に入っている程度です。でもある日、仲の良い友だちが「新しい美容室を見つけたんだけど、すんごい上手に思い通りのスタイルにしてくれるんだよ、今度一緒に行こうよ」と誘ってきたとします。

そのとき、今まで通っていた美容室のポイントカードはこんな感じだったとしましょう。2000円ごとにスタンプ1ポイント、捺印してもらえるのです。

Token1  
あと、1ポイントだけゲットすれば、5000円の金券と交換できるという状況です。

あなたは、友人の誘いに乗って、この今まで1年近くかけて貯めたポイントカードを捨てて、新しい美容室に行くことにしますか?

もう1つのシチュエーションを考えてみましょう。

Token2 今まで通っていた美容室のポイントカードがこんな感じだった場合は?

5000円の金券と交換できるようになるまで、まだ1年近くかかりそうですね。

こんな状況ならば、友人の誘いに乗ってすぐに新しい美容室にくら替えしてみる気にもなります。

上の図のように、あと1ポイントでこれまでただの紙切れだったものがお金の価値を持つようになる状況では、賢い主婦ならば「もう1回だけ今までの美容室に行ってからにするわ」となる率が高いのです。

つまり、トークンエコノミーは、消費者の行動をこれほどまでに影響を与えるものであり、しかもカードとスタンプだけでとても簡便です。後は、全部貯まったら、それなりの金品(バックアップ好子と言います)と交換できるようにすれば良いのです。

懐かしい話をすれば、グリーンスタンプとかブルーチップも同じシステムです。これらをどんどん貯めれば貯めるほど、景品交換リストからお好きな景品と交換できるわけです。クレジットカードのプレゼントもそうですね。航空会社のマイレージも、トークンの一種でしょう。ビジネスホテルのポイントカードもそう。おかげで、私の財布の中はポイントカードだらけです。薬局、総菜屋、ドーナツ屋、クリーニング屋、味噌カツ屋。もうこうなると、支払いの時に「ポイントカードはお持ちでしょうか?」と聞かれた時には、ドラえもんが慌てた時に長靴やら傘を出してしまうように、そのお店のポイントカードをすぐに出すことのほうが難しい(笑)。

さて、たまに「トークンエコノミーを息子に使ったが、うまくいかなかった。トークンシステムは万能ではない」などと言う人がいます。確かに、重度の知的障害があると適用困難なところはありますが、高機能自閉症の子どもに使ってうまくいかないと言うのです。

しかし、これはトークンエコノミー法が万能かそうでないかではなく、トークンの『さじ加減』の問題である場合がほとんどです。

ちょっと、これをご覧下さい。

Token3 このポイントカード。右下まで行って、ようやく交換してもらえるというのは、さっきまでのと同じです。しかし、そこに行き着くまでに5年ほどかかりそうです。

こんなカードを財布の中に大事にしまっておく人はどのくらいいるのでしょう。

こんなお店は、リピーターを失うこと間違いなしでしょうね。

やはり、バックアップ好子が適度にコンスタントに得られる程度に配分しなければいけないわけです。それに、20万円分利用したのに、バックアップ好子が「折りたたみ傘(Made in China)」だけだとどうですか? 店長を殴ってやりたくなるでしょう。

後編に続く(後編はこちらから)

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

Posted by 奥田健次 教育特別支援教育 |

2007.05.27

伊吹大臣への応援歌2

伊吹さん、がんばっておくれやす。

5月22日の大臣会見録をご覧あれ。

記者)
 国立大学法人の運営費交付金について、昨日財務省が、科学研究費補助金等の実績に基づいて配分し直すと、減額される大学が多く、理系の強い大学が増額されるという試算が出ましたが、法人化して色々大変な中で、科学技術だけを見て運営費交付金に差が出るということについて、大臣はどのようにお考えでしょうか。

大臣)
 財務省は予算を減らしたいから、色々な事を言うのは結構ですが、そういうわけにはいきませんね。総合科学技術会議でも私は申し上げましたが、すぐ産業化ができるものや、すぐにビジネスに結びつくものが効率的だと言って、そこにお金を配分するということをしますと、すぐにビジネスに結びつくものを生み出す頭脳はどこから来ているかと言えば、それは幼稚園から初等教育、中等教育を経て、科学的マインドのある人が大学に進学をし、まず基礎を学び、その上で応用の技術開発に取り組むわけでしょ。今、技術開発に取り組める頭脳を持っている人たちが申請した件数だけで予算を配分してしまったら、その技術開発とか産業化の応用に結びつくような研究をする、将来の人材を養う基礎に予算が回らなくなってしまいます。ましてや、初等中等の予算を毎年毎年減らして、応用をやりたいと手をあげた人たちだけにお金を渡してしまうと、新たに応用をやれる人材が日本にいなくなってしまいます。そういうのをキリギリス的発想というのです。目先の財政資金を減らしたいとか目先のお金を儲けたいということだけで教育の資金を配分するという発想は、私は非常に危険だと思います。競争的資金を増やして国立大学法人の運営費交付金を減らすという発想や、科学技術振興費を増やして教育費を減らすという発想、初等中等教育の予算がだんだん減ってきているという現状も、そうです。国会が認めた教育基本法にも、大学の目的というのがあって、新たな研究開発と同時に教育ということが明記されており、また、社会還元ということは国会の意思として明記されています。社会還元をどう理解するかは色々立場がありますが、地方の大学や教員の養成をしている人たちは応用技術開発の論文は書かないかも知れませんが、国家に有為な人材を供給するためには非常に良い仕事をしています。とにかく、儲け仕事と目先の損得だけでお金を出すというのは、米百俵の精神に反するのではないかと思います。ここは、これから年末にかけて大きな議論のあるところですね。

http://www.mext.go.jp/b_menu/daijin/07052501.htm

伊吹さんは、やっぱり地頭が良いねえ。今でも感謝してますよ。あの、小学校に英語教育必修化に傾きかけた流れ。あれを「全く必要なし」とバッサリ断ち切ってくれたのは、この伊吹さんのセンスなんよね。ご本人は、英国仕込みの達者な英語をお話しになるそうで、本物の語学力を身に付けたマトモな人だからこそ、「小学生への英語教育必修化」なんていう馬鹿げた政策に賛成しなかった。

そういえば、金メダリストの荒川さんに「相手が転んだときは、ウヒョホー!」と言った、前の文科相の小坂さんは諸手を挙げて賛成していたなあ。駅前留学とか、語学コンプレックスを植え付けられた人達がね、「小学校のうちから英語、こりゃあエーワ」なんて言ってるんでしょ。小学生に必要なことは、外国語よりも正しい母国語と基礎学力。これ当然でしょうが。

英会話ビジネスの宣伝に騙されている人のまあ多いこと。曰く、「幼児期から本物の英語に触れさせておかなければ正しい発音は身につかない。大人になってからじゃ遅い」とね。これ、嘘八百。大人になってからじゃ遅いことは「暗記」だよ。だから、小学生には日本の美しい詩なり漢字なり暗記させまくったほうがよろしい。外国語はツールに過ぎないんやから。大切なことは基礎学力。これ大事。

外国語は基礎学力ではない。ツール(応用のための道具)なのです。

話を戻します。普通、大臣なんてものは国会答弁とか記者会見なんか官僚の用意した原稿を読むでしょ? 伊吹さんのスゴイところは、原稿なんかに目を落とさずに、しっかりと前を向いて自分の言葉で自分の信念を語っているところ。

そういえば、佐藤方哉先生(帝京大学教授;慶応義塾大学名誉教授)の著作だったか、学部生の頃に読んで感銘を受けたんやけど、「スピーチの時は原稿を読んではいけない。だが、原稿を作らないのではなく、原稿を作ってそれを読まずにスピーチしなさい」というような名言があったと記憶している。これって、なかなか容易ではないよ。自分は「原稿を読まずに話せ」だけならできているけどさ。

国会中継とか見てごらんよ。

これとか。
http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php

もちろんね、教育なんて「誰もが語れる分野」だからね、原稿を読まずに自分の言葉で語ろうものなら、たまには「いわゆる失言」もありますよ(本当は「失言」なんて言葉はおかしい。揚げ足取りが好きな誰かさんが勝手に「失言」にしているだけ)。しかし、伊吹さんの場合は地頭が良いから「いわゆる失言」も少ないし、磨かれたセンスが信念となっているので揺るがない。偏狭な記者の質問にも、ちょっと勉強した程度の野党議員の質問にも、揺るがない。

現場のことを知らずに間違った発言をすることはあるよ。そりゃ、学者だってあるでしょ。自分だって、同じ専門分野でも領域が異なる場合には、そりゃあ認識不足だらけよ。そういう時は、教えてやれば良いわけ。教えてもらえば良いわけ。当ブログではこれまで応援中心で、たまには「伊吹さん、そりゃいかんよ」とも言ってきたけど、これからもそのスタンスで行くよ。地頭の良い保守本流の政治家だから、正論に耳を傾けることができるんよね。

安倍さんの選んだ教育再生会議メンバーは、なんというか「客寄せパンダ」というか、安倍さんらしいメディア受け狙いなのは誰が見ても明らか。このメンバーたち、目立ちたがり屋ばっかりだからどうしようもない。ここに伊吹さんがいてくれるだけで、どんなに安心感があるか。

だから、伊吹さんを応援します。というか、「いつも日本国民の将来のことを考えてくらはりまして、ほんにおおきに。これからもよろしゅ、おたのもうします」。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

関連記事:
青少年の自殺率を減らしたければ、『ゆとり教育』をやめなさい!
文科相のメッセージより、保護者との対話を!
公明党に押し切られた自民党、7分の1の力に落とされた文科省。
与党の救済措置が、日本を滅ぼす。【高校必修単位偽造事件】
高校履修詐欺事件。大衆の論調を斬る!
『いじめ』の犯人捜しという『いじめ』。
日本の教育行政、その責任者不在のシステム。
刺客ども、だらしない姿を見せるな。
安倍流『有名人会議』による教育改革
伊吹大臣への応援歌
給食費を払わない保護者
内閣総理大臣補佐官5人集

Posted by 奥田健次 教育 |

2007.05.25

お門違いの「いじめ自殺に共済不支給」議論

なんか、お門違いというか。「いじめ自殺に共済不支給」だったことについての議論。

これさ、センチメンタルに過ぎるお花畑さんたちにとっては、「なんで支給してやらないんだよ」って言うかもしれないけど。

冷静に考えてみてよ。市教委が「学校管理下で起きたんだ!(だから支給してやれ)」と主張してるんでしょ? これって、おかしくない?

学校管理下で起きたと主張しているんなら、黙って市教委が2800万円を遺族に出してやるべきです。

http://www.asahi.com/edu/news/OSK200705220032.html
いじめ自殺に共済不支給 今治市教委が不服審査請求
2007年05月22日

 愛媛県今治市で06年8月、同市立中学1年男子生徒(当時12)がいじめを苦にする遺書を残して学校近くで自殺したことをめぐり、同市教委が独立行政法人「日本スポーツ振興センター」(東京)に遺族への死亡見舞金の給付を申請したところ、「学校管理下に当たらない」として不支給の決定を受けていたことがわかった。同市教委は不服審査を請求している。

 同センターは「学校の管理下における児童・生徒等の災害」について死亡見舞金(最高2800万円)などを遺族に給付している。同市教委は昨年12月に遺族の同意を得て死亡見舞金の給付を同センターに申請した。しかし、4月12日付で同センターから「自殺は学校管理下ではなく、不支給とする」との返答があった。

 市教委は「自殺の原因となったいじめは学校管理下で起きた」として、今月17日、不服審査請求書を提出した。

 同センター災害共済給付課は「個別の案件については回答できない」としている。

こんなもの、「私ら教育委員会は遺族の味方ですよと装っているだけ」といわれても仕方がないんちゃうかな。

スポーツ振興センター側が「学校管理下ではなかった」と主張し、教育委員会が「学校管理下だった」と主張する。まるで、逆転現象みたい。この『学校管理下』というキーワード。つまり、「学校管理下なのか、否か」がね、大金が支給されるかされないかに直結しているだけのこと。

こんな議論、いじめの問題解決に役立つかい?

いじめたのはだれ? 見殺しにした傍観者はどいつら? 自殺を思いとどまらせるべき人たちは何をやっていたの?

こういう、誰もが考えたくないことや触れたくないことに目を背けていては、何の教訓にもなりません。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

Posted by 奥田健次 いじめ・ハラスメント教育 |

2007.05.23

思考停止人間が「あってはならないこと」と言う

復帰1発目のエントリー。

政治家とか校長とかがコメント求められて、「あってはならないこと」と言うのを聞くと、もうコイツはダメな奴ではないかと思ってしまう。とんでもない事件について意見を求められた政治家や学者が「決してあってはならないこと」と答える。学校で起きた不祥事について校長が「あってはならないこと」と答える。社員の起こした事件について社長が「あってはらなないこと」と答える。

不謹慎かもしれないけれども、自分はこういうコメントを真面目な顔でやっている大人を見ると、昔から情けないやら腹立たしいやら、最後には笑ってしまうんよね。

最近では、熊本の『赤ちゃんポスト』の件。

マスコミのインタビューに対して、厚生労働大臣はじめ閣僚らは「あってはならないこと」の連発。果てには、総理大臣である安倍さんまで、「あってはならないこと」と発言。

日本の政治家の思考停止ぶり、ここに極まれり。内政についても外交についても、今の自民党はこのところ従米というか媚米に過ぎるから、自分の頭で考えて発言することができなくなってしまってる。あとは、下手にマスメディア(大衆世論)に叩かれたくないから、不用意な発言ができないという。

世の中、「あってはならないこと」だらけでしょう。「あってはならないこと」が残念ながら日常茶飯事だから、「どうしよう」と考えるのが大人の仕事でしょうが。「どうすれば良かったのか」「何がいけなかったのか」「これからどうすれば良いのか」。現実の問題について、その原因を考え、有効な対策を計画立案するのが政治家の仕事でしょう。政治家がこんな調子じゃあ、これからもっと「あってはならないこと」が起こりますって。

だからね、熊本の病院の「赤ちゃんポスト」を非難する政治家は、現実のことが何も分かっちゃいないわけ。虐待や遺棄という「あってはならないこと」が日常茶飯事に起こりうる時代だから、その対策を具体的に考え、試験的に取り組んでいるのが現場なわけよ。真顔で「あってはならないこと」なんて優等生気取りで発言している政治家なんぞ、現場で働いている人たちの足元にも及ばないわけ。

ネットで調べてたら良い記事を発見。たまには毎日新聞もやるじゃん。

肥後六花:赤ちゃんポスト(2) /熊本
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070520-00000266-mailo-l43
5月20日16時3分配信 毎日新聞

 「赤ちゃんポスト」に対し、安倍晋三首相を始め嫌悪感を抱く閣僚が少なくないという。
 「親学」まで提唱する安倍政権。男児が預けられ、厚労相らは「あってはならない」「親が面倒をみるべきだ」と、それ見たことかとばかりに非難した。
 だが、ポストに矛先を向けるのはお門違いだろう。「あってはならない」どころか現在、遺棄や虐待で国内の養護施設に入所する児童らは増え続けており約3万8000人。えい児殺しも年間二十数件に及ぶ。
 この現実を直視し、対策を考えることこそ政府がなすべきことだ。しかし、以前から指摘されている児童相談所の施設や職員の拡充は進まない。「美しい親子」を賛美するだけの現政権の単細胞ぶりは害悪ですらある。

5月20日朝刊

最後の一文はちょっと言い過ぎのような気もするが(自分もかも;苦笑)、言いたいことは半分くらい分かるよ。確かに、賛美するだけじゃ何にもならんからね。この辺りはまた後日のエントリーに書きましょう。

とにかく今回のことはね、間違いなく「あってはならないこと」とコメントした政治家らの負け。というか、「あってはならないこと」って二度と使うなよな。大人として恥ずかしいから。

「あってはならないこと」は、「言ってはならないこと」です。


にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと押してつかあせえ

関連記事:
簡単に人を殺してしまう理由

Posted by 奥田健次 教育 |

2006.11.18

青少年の自殺率を減らしたければ、『ゆとり教育』をやめなさい!

伊吹文科相ももうあきまへんな。いや、伊吹さん一人の力では如何ともしがたかったのか。子どもに向けてのメッセージが、あまりにも空しい。それにしても、不勉強としか言えんよ。

文科相、いじめ阻止に緊急メッセージ…小中高生に配布
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20061117it13.htm

 伊吹文科相は17日午後、子供と大人に向けた二つの緊急メッセージを出し、文部科学省は全国の教育委員会に、メッセージをすべての小中高校生に配布するよう要請した。
 いじめや自殺の問題で、大臣が緊急メッセージを出すのは、1996年1月以来、10年ぶり。
 「未来のある君たちへ」と題した子供向けメッセージは、いじめる側の子供たちにはいじめをすぐにやめるよう、いじめられている子供たちには誰かに相談するよう呼びかけている。大人向けは、親や教師、地域の人やスポーツ指導者などに、連絡しあって、子供の命を守るよう訴えている。
 こうしたメッセージは、94年に愛知県の中学2年大河内清輝君がいじめを苦に自殺し、その後も自殺が相次いだことを受け、当時の文相が緊急アピールを出して以来になる。
 伊吹文科相の子供向けメッセージは次の通り。 

弱いたちばの友だちや同級生をいじめるのは、はずかしいこと。
 仲間といっしょに友だちをいじめるのは、ひきょうなこと。
 君たちもいじめられるたちばになることもあるんだよ。後になって、なぜあんなはずかしいことをしたのだろう、ばかだったなあと思うより、今、やっているいじめをすぐにやめよう。
 いじめられてくるしんでいる君は、けっして一人ぼっちじゃないんだよ。
 お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん、きょうだい、学校の先生、学校や近所の友だち、だれにでもいいから、はずかしがらず、一人でくるしまず、いじめられていることを話すゆうきをもとう。話せば楽になるからね。きっとみんなが助けてくれる。

(2006年11月17日21時35分  読売新聞)

なんだ、これは。こりゃ、だめだ。このメッセージは『いじめっ子』と『いじめられっ子』に向けてのもの。

Circle_of_bully_3 あまりにも重大な対象が抜け落ちている。それが『傍観者』という多数の無力な仲間の存在である。『いじめの輪』について紹介したエントリーを再度、ご覧いただきたい。いじめの悲劇は、いじめっ子といじめられっ子だけが登場人物ではなく、ここには必ず『傍観者』がいるのだ。この図でいえば、たとえば『関わろうとしない見物人』である。彼らは「いじめが起きているのを知りながら、『関係ないよ』といい、はっきりした態度を取らない子」らである。

こうした数多くの『傍観者』の存在が、子どもに絶望感を与えるのである。あとは『家族のありよう』。これについて誰も触れないのが不思議だ。コロローソの本を読んで勉強してくれ。

したがって、伊吹大臣は子どもに向けてメッセージを発するなら、「弱いたちばの友だちや同級生をいじめるのは、犯罪だ。仲間といっしょに友だちをいじめるのも、犯罪だ。見て見ぬふりをする君たちも、同罪だ。そんな、はずかしくてひきょうなことをする暇があったら勉強しろ!」って感じがええんちゃうかな。

自殺の問題についても、もう一度だけ触れておこう。本当の処方箋は、ブログには書かない(書けない)が。

アメリカでは60年代に子どもの自殺が3倍に増加した。当時のアメリカは、個性重視、自由教育をスローガンに掲げており、授業時間や受験・テストなどは『ゆとり教育』。校則も緩やかにされていた。

逆に、当時の日本は厳しい校則に受験戦争のまっただ中。同じ時期にアメリカの子ども達の自殺が3倍に増加しているのに、日本の子どもの自殺率は減少している。先進国の中で、当時の日本の子どもの自殺率の低さ(&学力の高さ)は、世界中から注目されていたはずだ。

アメリカは当時の『ゆとり教育』の失敗を大いに反省し、その後、授業時間数やテストを増やしている。その結果、学力の向上はもちろん、少年犯罪の減少、青少年の自殺も減った。

残念ながら、日本にはアホな教育学者やら医者が多くて、どうしようもない。こんなどうしようもない連中が、有識者なんていって中央でふんぞり返っているのだから日本の教育は末期的状態なのだ。『ゆとり教育』なんてのは、子どもに対する、あるいは将来の日本に対する、国家的犯罪だ。

以下のような、幼稚な思い込みの図式があるのではないか。

(1)「子どもを受験戦争に駆り立てる」→「ストレスをかかえる」→「自殺する」or「犯罪者になる」

(2)「子どもを受験戦争に駆り立てる」→「ドロップアウトする子がいる」→「自殺する」or「犯罪者になる」

こういう図式を、教師やら保護者が思い込んでいるのではないか。だが、これは本当に思い込みに過ぎない。センチメンタルな人が増えていて、非常に単純に「子どもがかわいそう」という感情がベースにあるようだ。

子どものうちに、どんどん知識を詰め込もう。詰め込みがいけないのではなく、詰め込み方の良し悪しを問うべきだ。『詰め込み教育』の反対が、動機づけを重視した『ゆとり教育』という考え方も、お馬鹿でアホな大間違い。はっきり言うが、『詰め込むことへの動機づけ』だって可能なのだ。子どもら、ポケモンに出てくるモンスターの名前を喜々として覚えとるやんけ!

そういえば、最近の小学生は「死んだら生まれ変わる」と信じているのが5割もいるそうではないか。数年前は2割程度だったのに。ドラクエのザオリクかい。マリオのコンティニュー知識レベル。そりゃ、簡単に死のうと考えるわな。やはり、小学生にはもっと良い方法で知識を詰め込んだほうがよい。

もちろん、必ず詰め込みに失敗する子どもはいる。失敗した後のフォローが大切なのであって、『詰め込みが良く無かった』と考えることは幼稚な発想だ。大人の敷いたレールからはみ出す子どもには、それはそれで逞しく生きていく術を教えていけばよい。

ちなみに、自分は思いっきり『詰め込み教育』からドロップアウトしたし、常に大人の敷いたレールからはみ出していた。今になって「もっと小さい頃から詰め込んでもらっていたらなあ」と、わがままを言っている。大人になってから、新しい知識(特に暗記)は絶望的に困難。それでも、ドロップアウトした自分だが詰め込まれた知識には感謝してるよ。最近の、ゆとり世代の平均的な学生と比べれば、遊んでいた自分のほうがよっぽど知っとる。

近年、ようやく文科省も『ゆとり教育』を見直すようになった。理由は、学力低下がひどいからという。だが、まだまだ甘すぎるね。

これまで書いたように、学力低下だけの問題ではない。子どもには、大人のルールを押しつけたほうがよい。校則でしっかり縛ればよい。知識もどんどん与えればよい。多少、理不尽な大人がいたほうがよい。子どもに反抗させればよい。理不尽な大人に反抗することから、子どもはさまざまなことを学習する。大人の『理不尽さ』に気付かせてやることで、子どもも大人になっていくのだ。

こんな感じよ。

「先公もよ、馬鹿じゃねえか? あんなくだらん規則を押しつけやがって」「でも先公の立場からすれば、しょうがないんちゃうか?」「そうやな、先公も所詮は犬みたいなサラリーマンなんかもしれんな」「だったら、今はその犬の言うことでも聞いておいてやるか」「せやな(笑)」

これでええねん。これで十分、大人やんか。先生の立場について考えることができてるやんか。これは、態度は悪いかもしれんが、こういう反抗精神ってのはすばらしいことやで。いずれ、この態度の悪い子どもも大人になってから、そんな先公に対して「先生、ありがとう」「自分の態度、悪かったです」ってなるんやから。「ならねーよ!」などと言うなかれ。ならせるんだよ!

逆に、ルールや規則もなく育てられた子どもは、とにかく相手の立場に立つことができない。ただ暴走するだけ。自由だから、暴走しても特に罰されることもない。暴走が許されるわけだから、他人の立場についてじっくり考える必要もない。反抗と暴走ってのは、まったく別のものやってこと。

学者も役人も、きっと子どもの頃は『まじめ』だったのかもしれんな。自分みたいに遊びまくりのアウトロー少年、一生『反抗期』男のほうが強く逞しく生きとるかもしれん。

ってなわけで、来週、中学校に逞しく乗り込みます。あ、爆弾とかじゃなくって講演だからね。「お前の存在自体が爆弾や!」って? おう。仰るとおり鴨(爆)。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←クリックしていただければ幸いです。

関連記事:
文科相のメッセージより、保護者との対話を!
『いじめ』の犯人捜しという『いじめ』。
刺客ども、だらしない姿を見せるな。
伊吹大臣への応援歌
『臨床いじめ学』について
高校生意識調査にみる戦後教育の誤り
いじめの根を絶ち子どもを守るガイド
いじめのある現場で解決する策がある
永久に少数派
いじめ社会の完成
番長賛歌
     など多数。

Posted by 奥田健次 いじめ・ハラスメント教育 |

2006.11.12

高校の単位不足は割引のくせに、NHKの受信料不払いは割増というデタラメ。

だから、言うたやろ。何をデタラメ言うとるねん、このドアホ! 大人の都合で『義務』を語るな!

自分が言うていたことってのはこれのことよ。高校必修単位偽装事件のこと。

今回の必修単位偽造事件。これを「大目にみる」ならば、年金未納も大目にみてやればいかがか。法律でNHKの受信料を義務化するのも、美しくないからやめておけ。

「国民からお金は納めていただくが、必修単位は修めて頂かなくても構いません」って宣言しとるようなもんやで!

上記のエントリーで提案した『仮卒業』のアイデアはそれなりに評価されたようだ。文科省の『心ある』お役人さんからも、「先生のご提案のような路線で行くという話もあったのですが、与党からかなり強い圧力に押し切られてしまいました」とメールをいただいた。

さて、NHKの受信料の話。

NHK受信料、義務化の際は延滞金・割増制度も検討
http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20061110i206.htm

 菅総務相は10日の閣議後会見で、総務省が検討しているNHKの受信料支払い義務化に関し、支払いが滞っている視聴者に料金を上乗せする延滞金制度や、不正に支払いをごまかした場合の割増制度などを検討する方針を示した
 現行の放送法は、視聴者にNHKとの受信契約を結ぶことを義務づけているだけで、支払い義務はNHKの受信規約に示されている。
 菅総務相は、「義務化の(放送法の改正案に盛り込むかどうか)結論は出していないが、(延滞金、割増制度は)今の受信規約に入っている」と述べ、義務化の際は放送法に含める考えを示した。
 また、「受信料を義務化する場合は、国民の理解を得られるようなことをやらないといけない」とし、NHK職員による不祥事の再発防止策や、子会社整理などの合理化が必要との認識を示した。
(2006年11月10日13時36分  読売新聞)

だからドアホかって!

太字にした部分を、高校の単位偽装事件におきかえてみよう。

学習指導要領の必修科目に関し、単位修得が滞っている高校と生徒に必修単位を上乗せする延滞単位制度や、不正に履修単位をごまかした場合の割増制度などを検討する方針を示した。

示してくれよ、頼むから。NHK受信料の義務化と同じ論理でいけば、履修単位をごまかしたならば、必修単位を上乗せすることを検討しなければならん。なのに、『救済措置』などと言って単位不足を大目にみることにしたやんけ。やってることがデタラメやってことが分からんのか? お前らに『義務』なんぞ語る資格は無い。

デタラメな大人の言う「子どものため」とか「救済を」なんてのは、まったく子どものためになってないんやで。ネクタイ締めて偉そうな肩書きをぶらさげてな、一般人を騙すことはできても、自分はそんなドアホーでデタラメ&綺麗事だらけの大人なんぞ、すぐに見抜いてしまう。自分、小学生の頃から大人のデタラメを指摘しては殴られていたからな。

ったく、薄っぺらい奴らが多いんやから。自分に近づくなよ、近づくとぶっ飛ばすぞ。

 

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←クリックしていただければ幸いです。


関連記事:
自殺予告連鎖と文科省批判への批判
『子育て学』を高校の必修科目にせよ。
公明党に押し切られた自民党、7分の1の力に落とされた文科省。
与党の救済措置が、日本を滅ぼす。【高校必修単位偽造事件】
高校履修詐欺事件。大衆の論調を斬る!

Posted by 奥田健次 教育社会 |

2006.11.11

自殺予告連鎖と文科省批判への批判

先日、『文科相のメッセージより、保護者との対話を!』というエントリーを書いたが、その後、自殺予告行動が連鎖している。テレビに出ている教育評論家なんかは、児童生徒の自殺予告の手紙を文科省が公開したのは良かったなどと言っているようだが。

まあ、これ自殺予告とか言っているが、脅迫の機能もあるんじゃないか。つまるところ「自分の命という爆弾を爆破するよ」と言っているに等しいわけ。

何か大人が振り回されていて、子どもの思う壺にはまっているのが情けない。「命を粗末にするな」とか「早まるな」なんて、そんなことは誰でも言える。学校の見回りなんて、誰でもできる。

児童生徒らも、文科省に手紙を出すなら自分の連絡先を書いたほうが良い。そうすれば確実に相手にしてもらえるから。無記名でそういうことをやると、世間を騒がせるだけの効果しか得られないかもしれないし。自分の名前を書いたところで、文科省は名前をマスコミに公表するわけないんだから。まあでも、とにかく文科省の会ったこともないオッサンに手紙を書くくらいなら、もっと身近な人に相談するように。

文科省に手紙を出した子どもが自殺した場合、保護者は学校や教育委員会、文科省に怒鳴り込むことは出来んよ。だから、やはり子どもとの対話をしっかりとやってほしい。身近なところに相談相手がいないということこそ悲劇なのだ。

自分はこういった世間を騒がす行為には触れたくない。ブログには書けないほどの、生の事例を知っているだけに、ここに細かいことを書くことができないのだ。また、容易に誤解する人がたくさんいることも知っているからな。とても書けん。

このところ、火だるまにされている文科省。

こんなところからも批判が。しかし、この批判ってどうよ。

「私学には独自性」 必修漏れで東京協会長が文科省批判
http://www.asahi.com/edu/news/TKY200611100298.html
2006年11月10日16時47分

 高校の必修科目の履修漏れ問題で、東京私立中学高等学校協会の近藤彰郎会長は9日、「私学には独自性、自主性がある。学習指導要領や文部科学省の通達どおりにやらないと法令違反だというのは間違っている」などと、履修漏れの是正を求める文科省の対応を批判した。
 都内で開かれた全国私学教育研究集会での講演で述べた。
 近藤氏は、指導要領の「標準」としての役割を認めつつも、「自分の学校に当てはめたときに、あまりにも合わないところがあったら現場で調整するのは当たり前だ」と述べた。
 卒業認定についても、「現場の長である校長が決めること。(単位が)足りなければ、受験後に集中的に履修させるのが大正解」と述べ、「文科省が言ったからといって、受験前に補習をやっている学校は、子どもたちのことを一切考えていない」と切り捨てた。
 私立では、完全週5日制や学習内容を減らした「ゆとり教育」、国歌斉唱・国旗掲揚などを実施していない学校が多いことにも触れ、「文科省の言うとおりにやっていないから、今の教育が残っている」と話した。
 近藤氏は、女子校の八雲学園中学高校の校長を務めている。

何をかいわんや。

「子どもたちのことを一切考えていない」と言っているが、子どもたちのことって受験のことだけを言っているんでしょ。だから、それこそ教育なんかやないやんけ。受験の便宜を図ることだけしか考えていない人こそ、子どものことを何も考えていないと斬り捨てておこう。

国歌斉唱、国旗掲揚を実施していない私学が多いことについて、「文科省の言うとおりにやっていないから、今の教育が残っている」と話したというが、これまた何が言いたいねん? 記者の日本語がおかしいのか、この校長はんがおかしいのか。

是々非々で文科省を叩くのは構わんが、叩き方ってあるだろうよ。私学の独自性や自主性を盾に、何でもやって良いというわけではない。私学の都合だけで、独自性とか自主性など言うたらいかんぜよ。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←クリックしていただければ幸いです。

関連記事:
文科相のメッセージより、保護者との対話を!
公明党に押し切られた自民党、7分の1の力に落とされた文科省。
与党の救済措置が、日本を滅ぼす。【高校必修単位偽造事件】

高校履修詐欺事件。大衆の論調を斬る!

      など。

Posted by 奥田健次 教育 |

2006.11.07

文科相のメッセージより、保護者との対話を!

ファミリーメンタルクリニック、なかまた先生も『群発自殺を招いてないか! 「いじめ・自殺」の報道自粛を!』と呼びかけておられるように、「いじめ・自殺問題」についてマスメディアの報道姿勢には憤りを感じる。自分に言わせれば、マスメディアは「子どもを利用している」と。

産経新聞のWebのトップ記事になったと思ったら、すぐに削除された記事。自分がサイトをチェックした午前2時には、トップページの見出しだけが残っていた。全文を読もうとすると、「この記事は削除されました」と表示される。

産経新聞は自粛したってことなのだろうか?

いじめ苦自殺の予告手紙 文科相あてに届く
http://www.sankei.co.jp/news/061107/sha005.htm

 文部科学省は7日午前0時すぎ緊急の記者会見を開き、いじめを理由に自殺を予告する伊吹文明文科相あての匿名の手紙が同省に届いたと発表した。(11/07 01:40)【記事全文】

だが、朝日新聞は対応が違うようだ。

まあ、今回のは「自殺した」という報道ではなく、「自殺する」とほのめかしているので、扱いは違って当然ではある。

しかし、やはり「自殺のほのめかし(脅し)」行為を模倣する子どもが増える可能性はあるだろう。これまた良くないことだが、こんなことで今さら振り回される大人もどうかと思う。だから、記事をそのまま引用する。

いじめ自殺「予告」の手紙、文部科学省に届く
http://www.asahi.com/national/update/1107/TKY200611060341.html
2006年11月07日01時11分

 文部科学省は7日未明、「いじめが原因で自殺する」という内容の男の子が書いたと見られる手紙が同省に届けられたと発表した。
 午前0時15分すぎに会見した銭谷真美・初等中等教育局長によると、あて名に「文部科学省 伊吹文明大臣様」と手書きで書かれた封筒に、(1)大臣(2)教育委員会(3)校長先生(4)担任の先生(5)クラスのみんな(6)クラスのみんなの保護者(7)両親——にあてた計7通の手紙が入っていた。6日午前中に郵送されて来たという。
 学校でいじめを受けているとし、8日までに状況が変わらなければ、11日に学校で自殺すると書かれていた。「クラスのみんな」あてには「なぜ僕をいじめるのですか。キモイからですか。クサイからですか。なぜ僕のズボンをおろすのですか」。校長あてには「なぜ親がずっとまえから校長先生にいじめのことをいってもずっとなにもしないのですか」などとあった。
 差出人の名前や住所、学校名など個人を特定できる情報は書かれていなかった。消印の一部には「豊」と見える文字があり、文科省は、この文字を含む全国の集配局を調査。21都道府県の39市区町村の44郵便局が該当することが分かった。4日に投函(とうかん)されたとみられるという。
 文科省は、該当する都道府県教委を通じ、これらの局を含む自治体の教育委員会に連絡。該当するような相談を受けていないか、民間の電話相談窓口なども含めて調査するよう指示した。
 本当の自殺予告と判断した理由について、銭谷局長は「11日に自殺する、とはっきり書いてある」としたうえで、「大臣に対して行動してほしいという要請の手紙だろうと判断した」と説明。
 記者発表した理由について「私どもとしては、たった一つしかない命を大切にしてほしい。文科省も大人も、いじめの問題解決のためにがんばるから、『ぜひ、生きてほしい』とのメッセージを伝えたい」と話した。

果たして、この子どもが得たものは何だろうか。結果的に、自殺してしまった場合、その若い命を失う。自殺しなかった場合、自らの命を絶つことを交渉手段とするスキルを得るだろう。

実は、こうした行動は何も新しいものではない。『自殺念慮(ほのめかし)』なんてものは、精神科治療では普通にあることだ。社会的な影響力を抜きにしては考えられない。どういうことかというと、携帯電話もない無人島で一人で生活している人が自殺するのとは違うってこと。リストカットの傷跡を見せる人や、「これから死にます」と誰かに事前に打ち明ける人とは違うのだ。

後者の多くは、「だれか止めてよ」というメッセージに対する『社会的な注目』が、強い動機になっている場合が多い。社会的な注目とは「やめなよ、あなたの命は尊いんだから」といったような声かけだ。こうした注目を与えることで、自殺念慮はしばしば繰り返される。かといって、無視すると意趣返しのように本当に自殺してしまう人もいる。

今回のこの子どもは、「文部科学大臣を動かした」という意味で、大きな自己効力感を得たのかもしれない。ある種、「学校に爆弾をしかけたゾ!」という脅迫と似たようなところもある。

しかし、本当に必要なことは『保護者との対話』なんだよ。親や友達など、身近にいる人との対話を求めるべきであって、会ったこともない文部科学大臣に何かを言わせようとする必要はそもそも無い。

校長あてに「なぜ親がずっとまえから校長先生にいじめのことをいってもずっとなにもしないのですか」と書いているではないか。ならば、親は「うちの子かもしれない」と気が付くはずでしょう。

そういうことなので、文科省はこの子どもに「命を大切にして」と声をかけるのではなく、保護者に対して強いメッセージを発するべきなのだ。

「心当たりのある親御さん、心当たりの無い親御さんであっても、我が子に『いじめで辛いことがあれば、父さん母さんに話して。父さんと母さんは、(仕事を辞めてでも)絶対にお前を守るから』と話して下さい。今回の親御さんは、校長先生にまで話し合われたことがあるとのことなので、心当たりがあるはずでしょう? だから決して、子どもとの対話の時間を惜しまないで下さい」

こういうようなメッセージを、保護者に向けて行うべきなのだ。

しかし、こんな状況(惨状)になるのも当然といえば当然か。いくらなんでも、郵政解散選挙のときに小泉自民党がやった暴挙。それを『小泉劇場』と呼んで囃し立てたテレビメディア。本当にひどかった。あれこそ、歴とした『いじめ』であって、その『大人のいじめ』を煽り続けた人がいて、国民のほとんどが『いじめられっ子』候補者を反対勢力とか守旧派などとレッテル貼って冷たくあしらったわけだから。

当時、安倍さんも小泉首相(当時)に追随して、恐ろしいほどの『いじめ』に荷担していた。

郵政解散選挙で小泉自民党が圧勝した直後、自分は我が国で『いじめ社会の完成』をみたと述べた。そのことが、実際こういう形になって現れているだけだ。政治家もマスメディアも、他人事のように責任転嫁する前に、まず自分らの過ちを認めて反省するべきだろう。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←クリックしていただければ幸いです。

関連記事:
『いじめ』の犯人捜しという『いじめ』。
刺客ども、だらしない姿を見せるな。
伊吹大臣への応援歌
『臨床いじめ学』について
高校生意識調査にみる戦後教育の誤り
いじめの根を絶ち子どもを守るガイド
いじめのある現場で解決する策がある
永久に少数派
いじめ社会の完成
番長賛歌
     など多数。

Posted by 奥田健次 いじめ・ハラスメント教育 |

2006.11.04

『子育て学』を高校の必修科目にせよ。

高校の必修単位偽造事件も、もうアホくさくてね。だったら、自分がずっと前から主張してきた『子育て学』を高校の必修科目に入れてくれと、真面目に言いたい。安倍さんの教育再生会議には、とても出来ん話やろうが。痛ましい事件が頻発しているのに。

乳児を数十回投げつけ重傷 埼玉県警、私大生の父親逮捕
http://www.sankei.co.jp/news/061104/sha014.htm

 生後5カ月の長男を布団に数十回投げつけ、急性硬膜下血腫で全治約3カ月の重傷を負わせたとして、埼玉県警朝霞署は4日、傷害の疑いで、東京都練馬区旭町、私立大生、遠藤寛文容疑者(22)を逮捕した
 調べによると、遠藤容疑者は7月25日から31日にかけ、当時住んでいた埼玉県朝霞市のアパートで、ベッドの布団の一部を立て掛けた壁に向かって、長男を頭から数十回投げ付けた疑い。長男は8月2日にけいれんを起こし、救急車で病院に搬送。病院が「虐待の恐れがある」として同署や児童相談所に通報した。
 遠藤容疑者は会社員の妻(22)と長男の3人暮らし。「妻が不在の時に、あやすつもりでやった」と話しており、妻は遠藤容疑者の行為を知らなかったという。
(11/04 18:53)

生後5か月の赤ちゃんに、全治3か月の重傷を負わせたと。40歳の成人に、全治25年の重傷を負わせたようなものだ。怒りがこみ上げてくるよ、まったく。

こうした家庭状況自体、虐待の生じる蓋然性が高いわけで、そこにアプローチしなきゃ子どもを救うことは出来んよ。これも学会でずっと主張しているのだが、無視され続けている。

法医学では子どもを救いきれない。子どもの傷の有無で判断するようなやり方はいけない。現場では、「この傷は転んで出来た傷か否か」とか「もう1度、あざを作って来たら通報しよう」などと、真顔で議論されている。自分に言わせれば、何を馬鹿なことを言っているのかと。次の傷が致命傷になったらどうするのか。

だから、子どもの傷の有無で虐待を判定する方法は子どもを救いきれない。

自分が提案し続けている方法は、『家庭環境』と『parenting skill(親業スキル)』を評価・判定する方法だ。アメリカでは、こうした客観的方法が子どもを虐待から救う予防的な方法として取り入れられている。

このことを学会でも提案したが、児童相談所や鑑別所などの法務関係者の反応は悪かった。肯定も否定もされず、黙殺された(詳しくは『里親について考えてほしい』もご覧下さい)。

自分のこの論理構成について、反論でも構わないのでリアクションが欲しかったのだが。「今の法律では、そんなこと出来るわけがない」という思考停止状態に陥っているのではなかろうか。だったら、そんな法律は改正すればいいじゃないか。

自分は数年前から、本当の『子育て大学』を作りたいと思っていた。だが、そんなカネはない。だから、ホームページ上のコラム『子育て大学』でメッセージを送ってきた。同時に、中学校や高等学校で子育ての授業と実習が出来ないか模索してきた。

今回のアホらしい高校必修単位偽装事件。「大学受験に関係ない勉強はしたくない」ってのが親も子も、ガッコの先生も共通した思いなんでしょ? 誰も「授業料、返せ!」とは言わないし。ひねくれ者の自分は、「大学受験に関係ないが、お前ら子育てと納税の勉強はしとけよ!」と言いたい。

いくら言ってももう駄目なんやけどね。結局は、「子育ても納税も、大目にみてやれ!」ってか。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←クリックしていただければ幸いです。

関連記事:
『やらせ』使わなきゃならん教育改革なんぞ、ロクなもんじゃねぇ!
公明党に押し切られた自民党、7分の1の力に落とされた文科省。
与党の救済措置が、日本を滅ぼす。【高校必修単位偽造事件】

高校履修詐欺事件。大衆の論調を斬る!

児童相談所の職員に求められること
里親について考えてほしい
親の子殺し、子の親殺し。

どうしようもない校長
子どもを上手く育てるために
      など多数。

Posted by 奥田健次 教育 |

2006.11.03

『やらせ』使わなきゃならん教育改革なんぞ、ロクなもんじゃねぇ!

なんだか郵政民営化のときに国民洗脳で使われた『B層プラン書』を彷彿させるねえ。これが、チームセコーのやり方かぁ? すべてセコリアンの仕業なのかぁ??

たまには、共産党の『しんぶん赤旗』を引用。

2006年11月2日(木)「しんぶん赤旗」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-11-02/2006110201_01_0.html
教育基本法見直し発言誘導
政府が「やらせ」
タウンミーティング青森県に依頼文書 内閣府認める
石井議員が追及

 九月二日に青森県八戸市で行われた「教育改革タウンミーティング」で、内閣府が県教育委員会に依頼して教育基本法改悪法案に賛成するよう学校関係者に「やらせ質問」をさせていたことが一日の衆院教育基本法特別委員会で明らかになりました。
 日本共産党の石井郁子議員が裏付ける文書を示したのに対し、内閣府の土肥原洋総括審議官は「内閣府が作成したもの」と認めました。石井氏は「教育基本法にかかわって世論誘導するのは重大だ」と批判。塩崎恭久官房長官は「調査して報告する」と約束しました。与野党議員から「とんでもない」「大問題だ」とのヤジが飛び、委員会室は一時紛糾しました。高橋千鶴子議員も十月三十一日の同委員会で指摘していたものです。
 問題の文書は八月三十日に、青森県の三八教育事務所が、ある中学校の校長あてにファクスで送ったものです。「タウンミーティングの質問のお願い」と題し、二枚目に質問のひな型として、(1)時代に対応すべく、教育の基本となる教育基本法は見直すべきだと思います(2)改正案は「公共の精神」などの視点が重視されていて共感している。改正をきっかけに思いやりのある社会の実現を目指すべきだ(3)教育の原点はやはり家庭教育だと思います—の三つが書かれています。文書は、「誠に申し訳ありませんが、…当日に(2)の質問をお願いします」としています。
 さらに九月一日には、今度は県教育庁教育政策課から同じ校長に対して、「『タウンミーティング』に係る依頼発言について」という文書が届きました。内閣府から発言の仕方への注意があったとして、「できるだけ自分の言葉で」「せりふの棒読みは避けてください」「自分の意見を言っているという感じで」などを、こと細かく指示しています。また、文科省の担当者が発言者の座席の位置を確認するということにも言及、「○○さんは『文科省依頼』に該当しています」としています
 複数の参加者から、(1)と(3)の趣旨の質問が会場から出されたことが指摘されており、県教委がほかの校長に依頼したとみられます。
 委員会で、石井氏は「国民との対話を装いながら、発言者を組織し、政府の用意したものをしゃべらせるのは対話というより民主主義否定の世論操作だ」と批判。他の会場も含めこの間おこなわれてきたタウンミーティングでやらせ行為があったか調査を求めました。

2006110201_01_0b  

(引用ここまで)

 

「他のタウンミーティングでもやらせ行為があったのか」って調査を求めたところで、物証が出てくるまで「そのような事実は確認されませんでした」ととぼけるに決まってるやん。いじめの学校側の対応を見たでしょ?

 

まあ、マスメディアも虚像しか流さないし、政府が仕掛けることもこんなもんなんでしょうな。

タイトルにも書いたけど、もう1回言っておこう。

『やらせ』使わなきゃならん教育改革なんぞ、ロクなもんじゃねぇ!

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←クリックしていただければ幸いです。

人気blogランキングへ ←こっちはクリックしても無効(現在、調査中)。

関連記事:
「年金」が「ねんきん」に
期日前投票のススメ
      ほか。

Posted by 奥田健次 教育 |

2006.10.31

与党の救済措置が、日本を滅ぼす。【高校必修単位偽造事件】

良識ある伊吹さんの負け。「国民からお金は納めていただくが、必修単位は修めて頂かなくても構いません」ってか。

「大目に」と森氏提案 未履修問題で文科相に
http://www.sanyo.oni.co.jp/newsk/2006/10/30/20061030010006661.html
(山陽新聞Web)

 自民党の森喜朗元首相は30日、大阪市での講演で、高校必修科目の未履修問題をめぐり伊吹文明文部科学相に対し「大目に見てやったらどうか」と提案したことを明らかにした。
 同時に「学校側が必修科目を受けたことにしていたのなら、学校が子どもたちに『うそをつけ』と教えていたようなもので、子どもに責任はない」と指摘。「卒業した生徒は問わないなら、今の3年生も問わなければいい。問題はこれからどうするかだ」と述べ、文科省は再発防止に力点を置くべきだとの考えを強調した。
(10月30日20時39分)

森さんよ、救済措置の圧力をかけた公明党に押し切られたのか?

そして、こうなった。伊吹さんの敗北。学習指導要領の法的強制力の根拠となる過去の最高裁判例の敗北。法治国家の原理原則の敗北。

自民、上限70時間の補習で卒業を了承 既卒者は不問
http://www.sankei.co.jp/news/061031/sha010.htm

 伊吹文明文部科学相は31日の閣議後記者会見で、高校の必修科目未履修問題について「未履修のまま既に卒業した生徒本人には瑕疵(かし)がない。(卒業取り消しには)ならないだろう」として、既卒者は不問にする考えを明らかにした。また、自民党の中川秀直幹事長は同日、未履修の3年生全員の卒業を70時間(2単位)分の補習を条件に認めるとの政府方針を、党としても大筋で了承する考えを表明。文科省はさらに検討を進め、週内に救済策をまとめ、都道府県教育委員会などに通知する。
 伊吹文科相は救済策の考え方について「学習指導要領通りの授業を受けた95%の生徒とのバランスを考えるべきだが『300時間やれ』などと非常識なことを言っても現実的でない。指導要領を変えない救済策を考えている」と述べ、あくまで指導要領順守の原則を踏まえた上で、一部の生徒の特例的な救済にとどめる方針を示した。
 文科省が30日までに公立高校を調査した結果、未履修の生徒は289校で約4万7000人。8割は2単位不足だが、残りはさらに長時間の補習が必要で、大学受験を前に生徒の負担が過大になるとの声が政府与党内で強まっていた。
 70時間の補習について、伊吹文科相は衆院教育基本法特別委員会で「3月の春休みも含めて受験に無理のないように受講してもらえると考えている」などと述べた。
【2006/10/31 大阪夕刊から】
(10/31 15:53)

日本は『なし崩し国家』になってしまったのか。そんな情けない国に墜ちるなら、国際的に『ならず者国家』となったほうがよほど素敵かもしれん。プリンシプルが無ければ、なし崩しになってしまうでしょ。

自民党も公明党と手を組んでからどうよ。合わない者同士が、相互利益だけで手を組み続けると、取り返しが付かんほど崩壊してしまう。民主党も、教員をこれ以上追い詰めないためにも、「生徒を救済するため」と言いつつ、さっさと与党案に賛成してしまうかもしれんな。だらしない野党だ。

せっかく解決案を提供してやろうと思ったのに。今からでも採択しろっての。政治シロウトの自分が、10分で作ってやったよ。これをたたき台にして、なし崩しの救済措置を撤回・修正しなさい。

【履修不足生徒に対する特別措置】

1)現在高校3年生の場合
・できるだけ在学中に補習を受けて必修単位を修得すること。
・どうしても不足した生徒は『仮卒業扱い』とすること。
・仮卒業生徒は、大学進学後、在籍する大学・短大の休暇を利用して未修得単位の補習を受けること(1年以内に修得する)。
・すべての大学・短大・企業は、仮卒業生徒のために、長期休暇中の高校による補習に協力すること(出身校でなくてもよい)。

2)すでに卒業している場合
・大学等に在籍する者は、大学の長期休暇または休日を利用して、高校による補習を受けること(2年以内に修得する)。
・すでに就職している者の場合、就職先の休暇または休日を利用して、高校による補習を受けること(5年以内に修得する)。
・高校は、大学や企業などの協力を受け、卒業生が未修得単位を受講しやすいよう協力すること(出身校でなくてもよい)。

これぐらいやらんといかんでしょう。省庁の枠を超えて。んで、高校や大学の枠を超えて。確かに、高校生に一方的に責任を負わせられるような問題やないよ、これ。しかし、だからといって「大目にみる」っていうのは教育的処遇ではないやん。まるで『お客様への対応』やないか。そんなもん、教育とちゃうやんか!

今回の必修単位偽造事件。これを「大目にみる」ならば、年金未納も大目にみてやればいかがか。法律でNHKの受信料を義務化するのも、美しくないからやめておけ。

「国民からお金は納めていただくが、必修単位は修めて頂かなくても構いません」って宣言しとるようなもんやで!

良識ある国民ならば今回の政府与党の救済措置には真っ向反対していただきたい。と、世間から遠く離れて良識が無いとされる自分は、何が良識か分からんようになってしまった。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←クリックしていただければ幸いです。

人気blogランキングへ ←こっちはクリックしても無効(現在、調査中)。

関連記事:
高校履修詐欺事件。大衆の論調を斬る!
日本の教育行政、その責任者不在のシステム。
安倍流『有名人会議』による教育改革

伊吹大臣への応援歌
給食費を払わない保護者

内閣総理大臣補佐官5人集

Posted by 奥田健次 経済・政治・国際教育 |

どうなんでしょうねぇ、臨床心理士って。

もぉ、批判的なのを知ってるくせにぃ(笑)。愛知県臨床心理士会のニューズレターで「研修会についてのアンケート」の集計結果が載っていたよと、ある先生から連絡があってね。「奥田先生が断トツ1位ですよ、なのに先生の名前が間違っとる!」って。自分、「へ?」ってな感じ。

確かに、チェックしてみたら「長期研修会 希望するテーマ」にありました。

              理論   技法
認知行動療法 恩田健次   35   11
行動療法          12    3
精神分析           5    3

確かに、断トツ1位ですな。しかし、自分が『認知行動療法』にカテゴライズされているのが微笑ましいね。厳密に言わせてもらえるなら、「認知も行動として厳密に扱える行動療法家」かな(笑)。

さっそく今日、修正のDMが来たよ。

愛知県臨床心理士会会員の皆様

 「ニュースレター」記載に関して訂正のお知らせです。
 先日配布のニュースレターにつきまして、以下のような記載の
誤りがありましたのでお詫びと共に、訂正させていただきます。
よろしくお願い致します。

愛知県臨床心理士会ニュースレター第17号 P10
㈼ 長期研修会について 1 希望するテーマのうち認知行動療法講師名
    誤 「恩田健次」→  正  「奥田健次」

自分はこの組織に今まで何の協力もしていなかったので、名前を間違われても「失礼な!」なんてことは思いませんよ。

むしろ驚くばかり。普段から臨床心理士についてかなり厳しいことを言っているのに、皆さんどうしちゃったの? 厳しい言葉も聞いてみたいって人が増えてきたんかいな。だとすれば、良い兆しだとは思うけどね。それとも、マゾっぽい人が多いだけとか(笑)。

愛知県臨床心理士会の理事幹部の方々には、自分のことを一方的に嫌っている(警戒している?)人もいるよね。どっかからの根拠のない中傷を真に受けてるのか知らんがね。一般の会員の人は知らないことなんで、詳しくは書かないけども。こちらは、陰でコソコソ中傷して喜んどるサミシーィ連中の身元はおよそ把握しているけどさ。

どうなんやろねぇ。会員の声は届くのだろうか。それとも、もみ消されるのか(笑)。

そろそろ辞めようかと思っていたけど、もしも講師で呼ばれたら行きますよ。呼ばれたからって、自分の態度を変えたりせず、いつも通り正論ぶちかまして批判すべきところは言わせてもらいます(キッパリ)。

幹部にそれほどの器の大きい人がいるのかどうか。まだ、愛知に来て2年目なんで良く解りませんわぁ。知ってることといえば、「日本で一番、居酒屋で飲み代を使わない」「日本で一番、喫茶店でお金を使う」「ブランド好き」「倹約家」「やや極端に走るところがある」。そんな程度かな。ステレオタイプでゴメンね。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←クリックしていただければ幸いです。

人気blogランキングへ ←こっちはクリックしても無効(現在、調査中)。

Posted by 奥田健次 教育 |

2006.10.29

高校履修詐欺事件。大衆の論調を斬る!

履修しておくべきものを、していなかっただけの話。高等学校なんてもん、教育現場じゃなかったってことよ。進学先と進学率のことしか考えていなかった。それだけのこと。生徒も保護者も、それに乗っかっていただけ。都合が悪くなったらクレームですか。

「補習出ない」「学校ふざけるな」 履修漏れ、受験生ら
http://www.asahi.com/life/update/1028/007.html
2006年10月28日13時47分

 高校卒業に必要な科目の履修漏れは、本格的な受験シーズンを間近に控えた高校3年生に大きな負担を強いる。補習や授業時間の組み替えで、これから受験科目以外の授業が増えることになった生徒たちからは怒り、戸惑い、不安、あきらめの声があがる。
 宮崎県の県立宮崎大宮では世界史と日本史で履修漏れが発覚した。26日、3年生約350人を体育館に集めて校長が履修漏れについて説明すると、「エーッ」とざわめきが起きた。女子生徒は「私は受験科目が日本史。(未履修の)世界史は正直いらない。とにかく不安だ。土日も補習になれば(受験に)必要な教科の勉強ができない。どうしてちゃんと調べてカリキュラムを組んでくれなかったのか……」と憤る。
 理系で地理歴史の履修漏れがあった石川県の県立金沢桜丘。男子生徒は「最悪。教科書があるのに授業しないでおかしいと思っていた。補習は出席しないかも」。金沢辰巳丘の女子生徒は「教育委員会とか上の人がもっとしっかりしてくれていれば、こんなことにはならなかったのでは」と不満をぶちまけた。
 栃木県立小山の男子生徒は「学校ふざけるな、と言いたい。指導する立場の先生がこんなことするなんて信じられない。前から世界史をやらなくていいのかなとは感じていた。これから世界史なんてはっきり言って面倒」と怒りをあらわにした。
 帰宅後4時間は勉強しているという福岡県の県立田川の男子生徒は「世界史を必修にしていることに問題があるのではないか。進学校には時間がなく、受験に必要ない科目はやるべきではない」と語った。
 国立大を目指している山形県立山形北の女子生徒は「3月まで受験勉強しないといけない。どうやっていまからもう1科目を勉強すればいいのかわからない」と不安を漏らした。
 学校への同情を口にする生徒もいた。秋田県立秋田南の男子生徒は「テストを受けていない世界史の成績表には日本史と同じ点数が記載されていて変だと思っていた。だけど、学校は僕らの受験のためにやってくれたことで仕方がなかったとも思う」と話した。

今頃になって、不安や不満が続出ですか。

生徒らもな、「大人は本当に馬鹿なことばっかりやるもんだ」と気付いたならば、そんな大人の馬鹿にいつまでも不満言ってないで、やってやりゃあいいんだよ。切り替えるしかないやんけ。そうすることで、んーな馬鹿な大人の次元を超えることができるわけ。文句言ってへそ曲げていたら、そりゃ子どものままってこと。

履修不足:350回の補習も 不安渦巻く生徒たち
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/edu/news/20061028k0000m040140000c.html

 受験を控えた高校3年生を巻き込んで、全国に広がった高校の履修単位不足問題。伊吹文明文部科学相は27日、「(単位不足の高校生に)特別な配慮は難しい」と補習授業を厳格に実施することを求めたが、岩手県には50分授業を350回も受けなければならない生徒たちがいる。「そんなに受けられるのか」「受験に影響する」。生徒たちには不安が渦巻く。一方、北九州市の高校では補習授業が始まった。【門田修一、念佛明奈、古川修司】
 同日午前、伊吹文科相は「卒業証書を出すまでの間に学習指導要領に決めた通りの授業は受けていただく。特別な配慮は難しい。みんなが決めたルールを守るところから社会の秩序は成り立っている」と述べた。さらに責任の所在について「所管をしている教育委員会そのものに責任があるんじゃないか」と言及した。
 こうした文科相の発言を受け、各学校は来年3月までに厳格に補習授業を実施する必要に迫られている。
 しかし、盛岡市の私立盛岡中央高では、普通科特進コースの3年生51人の履修不足は10単位に上る。履修が必要なのは世界史B、家庭基礎、情報A、芸術の4科目。50分の補習を計350回受けなければ卒業できない。
 対応策について、3年生は補習やリポートなどで補充する予定だが、生徒の負担を軽減する措置を検討中という。富澤正一校長は「学習指導要領にのっとらなかったことは悪かったと思っている。しかし生徒のためを思って、進路目標を達成させるためにやったことだ」と強調する。未履修科目の授業時間には受験に必要な科目の授業をしていた。少なくとも97年ごろから行っていたという。
(以下、略)

毎日新聞 2006年10月27日 22時38分 (最終更新時間 10月27日 23時27分)

またまた伊吹大臣はエエこと言いますなあ。それにしても、校長はんは「生徒のためを思って」と言うわけね。生徒も「進路目標の達成」、学校も「進路目標の達成」。冒頭で言ったとおり、だから高等学校なんてもんは教育をやってないってこと。もっと過激な事実を書いてやろうか?(今回はやめとくよ)。

自分の話をしとこう。

昨年、今の大学に赴任してきたけども、自分が赴任する前にいろんな事情があって、不開講のコマが結構あった。まじめに履修してきた学生でも、4年間で卒業単位が足りるか際どいということが判明したんよね。そんなタイミングで、自分が赴任してきたわけ。

不開講のコマをチェックしたら、自分の専門領域のものばかりだった。ただでさえ、大学院のも含めて担当講義が多い自分やったんやけどね。教務事務やら教授らから「学生のために、何とか協力してもらいたい」ということだったので、事情を聞いた上で引き受けることにした。引き受ける条件としては、一度学生を全員集めて、事の経緯については大学側から説明してもらって、集中講義でやることは自分の口から説明すると。

こんな状況やったよ。

「発達臨床心理学」 15回 2単位
「教育臨床心理学」 15回 2単位
「障害者福祉」   15回 2単位

大学の1コマは90分。90分を45回ってこと。

最初は、学生も「え〜っ!!」って不満と驚き一杯って感じやったけどね。そりゃ、そうでしょう。学生の立場からすりゃね。

「おれも、そりゃビックリやで。赴任早々になあ。誰かの尻を拭くのは嫌やけど、本来やるべきものなんやから、やるしかないやん! 気の毒やけど、文句言っててもしゃあないやん! やろうぜ!」

こう説得したら、それ以上、文句言う学生はいなかったよ。お盆も正月も返上して、集中講義をやりまくった。もっと大変やったのは、福祉実習とかでどうしても集中講義にも出られない学生がいて、その学生たった数名のために集中講義の代わりにリピート講義として、同じ講義を余分に2科目もやったんよ。これは、自分ばかりに一方的に負担がかかったね。正直、きつかったよ。

学生もよく付いてきてくれた(まあ、自分の講義は学びたい気持ちがあれば面白いけどさ)。学生も甘えなかったし、自分も途中から「他人の尻ぬぐいも悪くねえな」と考えるようになったよ。就職活動や、夏休みに遊びたい気持ちもあったやろうけど、偉いよ、学生らは。

日本の教育は終わってるなと思う、今回の履修不足事件。大人が、生徒や保護者を『お客様』と思っている時点で、終わってるっての。教育における、諸悪の根元ともいえる発想やね。これね、大学でもそんな風潮だらけ。先日、ある国立大学法人の教授の講義を聞いたけど、それを実感した。このことは、また別の機会に書くことにしよう。

安倍首相自身が、大衆に対して軟派なところがあるんやから情けない。伊吹さんみたいに、芯がしっかりしている政治家のほうが少ないのが、ホント情けない。

必修逃れ、文科省は扱いに苦慮…要望相次ぎ
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20061028icw6.htm

 全国各地の高校で必修科目が教えられていない問題で、履修漏れの3年生をどう扱うか、文部科学省が揺れている。
 27日にはPTAの団体が配慮を求める要望書を提出したほか、安倍首相も伊吹文部科学相に負担軽減策の策定を指示した。しかし、必修科目を定めた学習指導要領には法的拘束力があり、授業時間短縮には簡単に踏み切れない。“徳政令”を出すのかどうか——。文科省の対応に注目が集まる。
 今回履修漏れが見つかった必修科目は、学習指導要領で必ず履修しなければならないと定められている。50分授業を週2回、年間計70回履修するのが原則で、例えば、「世界史」が未履修の生徒は、これから最低70回の補習が必要になる。
 当初、伊吹文科相は「指導要領に決めた通りの授業は受けていただく。各都道府県に厳正に通知するつもりだ」と語り、同省内でも、「生徒に履修してもらう」という意見が大勢を占めていた。だが、全国高等学校PTA連合会から生徒への配慮を要望されたり、与党から負担軽減策をまとめるよう求められたりする中、風向きが変わってきた
(以下、略)

なんやねん、この記事。自分は、やっぱり伊吹大臣を応援するよ。ポピュリストな晋三クンは、やっぱり駄目か。救済策だとかって言って、レポートとかを授業時間数にするとかやれば、そりゃ詐欺でしょ。生徒に詐欺を教えるの? ははぁん、なるほど。高等学校ってそんなところやったんや(知ってたけどね)。今回は、方便でもなく公然と詐欺を認めるつもりかね。

補講なり集中講義なりやって単位を出すべきだ。「補習、出席しません」と言って欠席する生徒がいれば、単位を出さなければそれでよいだけのこと。生徒にも保護者にも説得しきらんのやったら、教育現場に携わる者として失格やな! 政治家としても失格。国家としても失格。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←クリックしていただければ幸いです。

人気blogランキングへ ←こっちはクリックしても無効(現在、調査中)。

関連記事:
日本の教育行政、その責任者不在のシステム。
安倍流『有名人会議』による教育改革
伊吹大臣への応援歌
給食費を払わない保護者
親も教師も覚悟が足りない(不登校問題)
     など。

Posted by 奥田健次 教育 |

2006.10.24

敬語の細分化でよろしかったでしょうかぁ?

『マニュアル敬語』は確かに気持ち悪いねぇ。「リブサンドセットでよろしかったでしょうかぁ♪」「千円からのお預かりでよろしかったでしょうかぁ」「お待たせしましたぁ、豚丼になりますぅ」。。。

自分、店員さんに「豚丼になります」って言われたら、「どうやってなるの?」って思ってしまうよ。「ネエちゃん、豚ドンなんかにならずに美しい日本人になりやあ」ってさ(笑)。

敬語、美化語など加え5分類に・文化審議会が指針案
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20061023AT1G2302123102006.html

 文化審議会の国語分科会は23日総会を開き、敬語の新しい分類方法と正しい使い方とを示す指針案を大筋了承した。丁寧語、尊敬語、謙譲語の3つに分類してきた敬語を、より厳密な解釈を目指して「美化語」「謙譲語2(丁重語)」を加えた5分類に細分化。一方でレストランなどで普及しつつある「マニュアル敬語」の誤用に歯止めをかけるため、一問一答形式で正しい敬語の使い方を示した。
 文化庁は11月上旬に指針案を公開して一般から意見を募集。その結果を踏まえて文化審議会が来年2月、文部科学相に最終的な指針案を答申する。
 指針案は、3種類ある敬語のうち謙譲語を、「謙譲語1」と「謙譲語2(丁重語)」に分けた。。
 謙譲語1は「申し上げる」「伺う」など、へりくだって相手を立てる表現。謙譲語2(丁重語)は話し相手に主に自分の行為を丁重に述べるもので、「参る」「申す」などが当たるとする。  (22:15)

美しくないのが、「謙譲語1」と「謙譲語2」という分類ね。数字を使うなって。

それにしてもなあ、自分のようにネットを使い始めるのが遅かった者からすれば、丁寧語や謙譲語を最近の学生に教えるのは、ちょっと絶望的ちゃうかと思ってしまう。ワープロでブラインドタッチが出来る頃には、メールなんてのは「書き言葉」ではなくほとんど「話し言葉」に近くなってしまう。

しかし、実際には受け手には「書き言葉」として届くので、本来ならばかなり慎重に文章を作成しなきゃいかんはず。「書き言葉」で相手を批判するようなことを書いた場合、相手には想像以上の憎悪を与えるもの。

自分が学生の頃は、師匠にお礼の葉書を書くために、『直子の代筆』なんての使ってね、1つの葉書が完成するまでに2時間ほど費やしたんよね。自分の書いた表現の中に、受けとった相手が不快になるようなことは書いてないか、相手の立場に立って何度も推敲していた。メール世代の人たちなんて(自分もそうなりつつあるが)、ほとんど推敲なんかしないのではないか。

だから、「正しい敬語の使い方」を検討するのも良いが、メールなりブログなり掲示板なりでのマナーを教えなきゃいかんのと違うかな。

まあ、自分のブログでの言語は完全に崩壊しとるわな(苦笑)。ええねん、どっかで崩壊してなきゃ、やってられませんから。


にほんブログ村 政治ブログへ ←クリックしていただければ幸いです。

人気blogランキングへ ←こっちはクリックしても無効(現在、調査中)。


関連記事:携帯電話を規制する

Posted by 奥田健次 教育 |

2006.10.21

日本の教育行政、その責任者不在のシステム。

文部科学大臣が、日本の教育行政のトップと考えている方へ。その認識は正確ではないのです。今回のエントリーは最近の文科相の発言から、このことについて考えてみませう。

文科相、国の直接関与に慎重姿勢 いじめ自殺問題
http://www.sankei.co.jp/news/061020/sei002.htm

 伊吹文明文部科学相は20日の閣議後の記者会見で、福岡県筑前町の中学2年生がいじめを苦に自殺した問題をめぐり国が現地調査すべきだとの指摘があることについて、「地方分権の法律があり、それを越えて関与すれば『教育の国家統制』と非難される。バランスを考えないといけない」と述べ、国の直接関与には慎重姿勢を示した。
(10/20 10:59)

伊吹大臣、やりたいことは分かります。だけど、やってみたら制限だらけでしょう。残念ながら、日本における教育のリーダーは残念ながら文科大臣ではないからね。

地方教育行政の組織及び運営に関する法律

(文部科学大臣又は都道府県委員会の指導、助言及び援助)
第48条 地方自治法第245条の4第1項の規定によるほか、文部科学大臣は都道府県又は市町村に対し、都道府県委員会は市町村に対し、都道府県又は市町村の教育に関する事務の適正な処理を図るため、必要な指導、助言又は援助を行うことができる

これ、どういう意味かっていうと文部科学省は教育委員会に対し「指導・助言・援助」しかできないのであって、「命令・強制」できないのである。教育委員会の改革に燃えた伊吹大臣が当然の如くぶつかった壁が、この法律なんよね。

そして、この法律のせいで現場ではこういう問題が起こっとるのよ。たとえば、皆さんが地元の教育委員会の対応が納得できないとしましょう。よくある具体例としては、特別支援教育、いじめ、不登校、学級崩壊などの問題があるんやけどね。教育委員会に文句を言いに行きます。ところが、教育委員会は「善処します」なんて言ってとりあえず帰ってもらうと。それでも現場は何も変わらない。今度は「んじゃ、文科相に文句を言ってやる!」と息巻いて、文部科学省に苦情を申し立てます。ところが、文部科学省は「適正な運営をするよう指導、助言、援助していきます」と言うしかない。

つまり、日本の教育では責任を持つべき立場の人が『責任のなすりつけあい』しちゃえるわけなんよ。法律がそういうふうになっているからね。当然、現場を任されている教育委員会と教師は「事なかれ主義」になってしまう。だからね、問題は隠すし、誤魔化すし。思い切ったことも出来んのんよ。

法律上、文部科学大臣は無力なわけ。子ども達のために、責任の所在を明確にしないといかん。

それでも、今度の大臣は躍動的だ。

高校日本史を必修科目に 伊吹文科相
http://www.sankei.co.jp/news/061020/sei010.htm

 伊吹文明文部科学相は20日の衆院文部科学委員会で、現在は選択科目である高校の日本史を必修科目とすべきだとの考えを示した。早急に文科相の諮問機関である中央教育審議会に検討を指示する。
 伊吹氏は委員会で、野田佳彦氏(民主)が日本史必修化するべきだと指摘したのに対し、「(野田氏と)立場を共有している」と同意した。その上で「小、中、高校(の教育課程)も含めて再編を考えなければならない。中央教育審議会に尋ねさせていただきたい」と述べた。また、「倫理観や社会規範、秩序を守る力を学ぶ根本に歴史教育がある」とも述べ、日本史教育の重要性を強調した
 現在、高校では世界史は必修科目だが、日本史は選択科目。野田氏の委員会提出資料によれば、神奈川県の全日制県立高校で、日本史を履修せずに来年3月に卒業する高校生は28.2%に上る。
 伊吹氏は小中学校での日本史教育、特に近現代史教育についても「十分なことが教えられているのか。日本の伝統や社会が建設された過程をマスターすべきだ」と主張した上で、学校教育法の改正と学習指導要領の見直しを進める考えを示唆した。
(10/20 19:34)

まったく同意。だが、教科書どうすんの? 扶桑社の教科書も今やちっとも美しくないからなあ。

冒頭で指摘した問題もあるでしょ。文科省が教科書を検定できても、どの社の教科書を採用するかまでは命令も強制もできないからね。

「地方分権」ってぜんぜん美しくないってことよ。いま、日本は危機的状況にあるんやからね。自分はこれまたいつも言ってることだが、日本の教育においては一時的な「中央集権化」が必要なんと違うか? サヨクの鬱陶しい声が聞こえてきそうだが。

教育再生会議なんかが手羽先、もとい小手先のことをやっても薬にゃならんって。伊吹大臣のセンスが発揮できるような法改正が必要。


にほんブログ村 政治ブログへ ←クリックしていただければ幸いです。

人気blogランキングへ ←こっちはクリックしても無効(現在、調査中)。

関連記事:
安倍流『有名人会議』による教育改革
伊吹大臣への応援歌
給食費を払わない保護者
内閣総理大臣補佐官5人集
「校内暴力、過去最多」。そりゃそうでしょ。
行動科学を無視した「問題行動」の原因究明!?
小中学校に5段階評価
親も教師も覚悟が足りない(不登校問題)
現職教員にも教員免許更新制度の可能性が
     など多数。

Posted by 奥田健次 教育 |

2006.10.13

里親について考えてほしい

日本の児童虐待に対する取り組みは最低である。多くの専門家の危機感の無さも問題だが、自分は法整備の問題が大きいと学会等で主張してきた。そして、別の問題として自分が指摘してきたのが『里親不足』である。自分としては甚だ悔しいが、アメリカの国として子どもを守るの精神と比べると、日本は全然ダメな現状である。

マドンナ、アフリカの男の子を養子に
http://www.sanspo.com/sokuho/1012sokuho005.html

 米人気歌手マドンナが10日、アフリカ南部マラウイの男児(1)を養子縁組する申請をした。女性・児童省の高官が11日、共同通信に語った。
 高官によると、男児の母親は出産直後に死亡。父親は生存しているが、男児を養う経済力がなく、孤児施設に預けていた。
 マラウイの法律は、養子縁組の際、子どもとともに1年半、マラウイに滞在するよう里親候補に義務付けているが、マドンナには、例外措置が認められる可能性が高いとみられている。
 マドンナは4日からマラウイに滞在中。「男児を希望」との要望を受けた同国政府側があらかじめ“養子候補”を選考、マドンナはその中から選んだという。
 マラウイなどサハラ砂漠以南のアフリカは、エイズ禍が深刻。マドンナはマラウイの孤児支援のため300万ドル(約3億6000万円)以上を集めたいと表明していた。(共同)

またマドンナですよ。自分はマドンナのことは、携帯電話のことで取り上げたものだから、改めて敬服するのである。

日本人は、わが子の子育てを終えたら、孫遊び。または、ペットを飼う。こんな感じ。欧米人は、血の繋がらない孤児を引き取って里親になろうとする人が多い。国際比較調査でも歴然の差である。

「里親不足と児童虐待にどういう関係があんの?」って言う人は、もう少し勉強して下さい。ドキュメンタリー番組とか本とか読んでいても、何も見えて来ないよ。特に、アメリカの虐待予防の論文なんかを読むと、そもそもの発想が日本とは違うんやから。この話を、児童相談所や鑑別所他、法務省関係の人にしても「ぽか〜ん」ってしていて、まったくどうにも思考停止状態にみえる。

勉強したい人は、まずはこれだけでも読んでみて。多分、他に類を見ないであろう視点から書いたものなので、虐待に取り組んでいる人はちゃんと引用できるほど読みこなしていただきたい。

奥田健次(2001)子どもへの虐待に対する積極的対応のために−応用行動分析学による支援の可能性−.犯罪心理学研究, 39, 188-191.

「abuse2001.pdf」をダウンロード

もう6年も前に書いたものか。予想通り、世の中、全然良くなっていない。

残念ながら、世の中で頭が良いと言われている人が実は全然ダメダメな奴らばかりなので、これからも悪くなるだろうと溜め息が出る。自分のようなアホな暴れ馬ひとりの力では、駄目なんですよ。

最後に、自分の親友(かなり年上の親友だが)たるアメリカ人のことを紹介しよう。彼は宣教師。里親になろうと、孤児院を何度も訪ねていた。孤児院には、たくさんの孤児がいた。その中から、一人だけ選ばなければならない。元気そうな子、聡明そうな子、明るく活発な子、愛嬌のある子。色んな子どもがいる。彼が選んだ子は、そのいずれの子でもなかった。一番、みすぼらしい服を着て、愛嬌も無いきかん坊で、孤児院でも問題児と言われた男の子の親になることに決めたのだ。これは実話である。彼の息子はすでに成人している。もちろん、思春期は激しく彼に反抗したときもあった。

自分は、これこそ『本物の子育て』ではないかと思っている。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←クリックして下さい。

関連記事:
子どもに携帯を持たせないマドンナは賢母
親の子殺し、子の親殺し。
どうしようもない校長
      など。

Posted by 奥田健次 教育社会学ぶこと |

2006.10.04

伊吹大臣への応援歌

伊吹大臣には期待できることばかり。現時点においてはね。

北海道のいじめ?女児自殺 文科相が遺書非公表を批判
http://www.asahi.com/edu/news/TKY200610030289.html
2006年10月03日15時20分

 北海道滝川市立小学校の教室内で昨年9月に首をつり、今年1月に死亡した6年生の女児(当時12)が、遺書に「キモイと言われた」などと書いていたことを同市教委が2日まで公表しなかった件について、伊吹文部科学相は3日、「子どもが訴えていたのを、公表せずに握りつぶすようなことはあってはならないことだ」と市教委の対応を批判した
 伊吹文科相は、いじめの見極めは難しいとの認識を示したうえで、「子どもが精神的に動揺しているという事態は、できるだけ早めに見抜いてもらわないといけない」と述べた。

伊吹文科相を断じて応援する。最近、自治体に注文を付ける教育のトップがいなかったからね。「地方分権なんだから、各都道府県市町村の教育委員会の自治を尊重する」なんて言って、丸投げするような官僚・政治家だらけでした。「それが成熟した民主主義だ」って言われたことさえある。

平時においては民主主義で良いだろう。しかし、教育の危機的状況において民主主義なんぞ言ってたら、はっきり言って「お前ら、アホかぁ〜!」と怒鳴りたくなる。

伊吹文科相のリーダーシップに大いに期待したい。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

関連記事:
給食費を払わない保護者
内閣総理大臣補佐官5人集
やっぱり学校を作りたい!
      など多数。

Posted by 奥田健次 いじめ・ハラスメント教育 |

2006.10.02

給食費を払わない保護者

確かに。巡回とかで学校を回った際に給食を一緒に頂くが、驚くほどに量が少なくなっている。自分なんてラーメンの日に、給食のおばちゃんに「替え玉、1つ!」とお願いしているし(叱られるので、よい子は真似しないように・笑)。

給食費払わぬ親たち お金あっても「頼んだ覚えない」
http://www.sankei.co.jp/news/061001/sha002.htm

 家計にゆとりがあるのに給食費を払わない保護者が増えている。あまりの悪質ぶりに、法的措置を取る自治体が相次ぐ。未納分を学校側が立て替えたり、給食の質や量を下げて対応している事実は、教育界では“公然の秘密”。生活保護に上積みされた給食費を別の出費に流用する保護者もいるほどで、きちんと払っている保護者や教職員たちから非難の声が上がっている。(池田証志)
 「高級外車を乗り回し、携帯電話に何万円も払っているのに、給食費は払わない保護者がいる」。文部科学省にはこんな報告が相次いで寄せられている。外車に乗るような世帯だけではない。国や自治体は所得により生活保護に給食費分を上乗せして支給しているが、それでも給食費を滞納する保護者も多いという
 小学校(低学年)で月3900円、中学校で月4500円の給食費(文科省発表の全国平均)。宇都宮市は9月12日、給食費を滞納している保護者38人に、支払い督促を宇都宮簡裁に申し立てた。4月には仙台市が、翌5月には北海道根室市が同様の措置を取っている。支払いに応じなければ、裁判所による差し押さえの処分が下ることになる。
 宇都宮市の調べでは、5月1日時点で、702人分の給食費が3カ月以上未納で滞納総額は3290万円。中学校21校中20校、小学校59校のうち40校で未納者がいた。未納者がいない学校の方が少なかった。
 北海道芦別市では昨年3月、支払い能力がありながら支払う意思がない「特定滞納者」に行政サービスの一部停止や住所、氏名の公表などを認める条例を可決した。
 佐賀県多久市では一昨年、給食費の納付を約束する保証人付きの「確約書」を全保護者に求めた(昨年度で廃止)。山梨県笛吹市でも「連絡なしに滞納した場合は給食停止」という同意書を保護者に提出させた。
 広島県や東京都でも悪質な未納事案が横行。学校側の再三の説得にも支払いに応じず、教員がポケットマネーで負担した例は日常茶飯事。教師や校長、PTAの役員が給食費を立て替えたものの、子供たちが卒業した後に踏み倒されてしまった例が絶えない。
 各自治体は、徴収員の配置やプリペイド方式の採用など“あの手この手”で踏み倒し防止に躍起だが、滞納する保護者の多くが「義務教育だから払いたくない」の一点張り。なかには「給食を出せと頼んだ覚えはない!」「給食を止められるものなら止めてみろ!」などとすごむ保護者もいるという。
 東京都内のある中学では、1人当たりの給食の予算は1日280円だったが、260円分に抑えざるを得なくなった。給食費の未納は、給食の質や量を低下させるという事態を招いている
 学校給食法は、子供たちに給食を提供するよう自治体に「努めなければならない」と努力義務を規定。そのための設備や調理員の人件費は自治体が負担するが、食材費は保護者が負担するよう定めている。文科省学校健康教育課では「結局は保護者のモラルの問題。学校を通じて給食は自己負担であることへの理解を求めるしかない」と話している。

まあ、こんな話はずっと前から知っていますがね。何を今さら。給食で「ごちそうさま」を言わせない保護者が増えるのも分かるってもんだね。そりゃ、こういうことでしょう。「うちは、きちんと払ってるザマス。なのに、○○さん宅は払ってないのに給食を食べてるのはずるいザマス!」ってなもんやね。いずれにしても、いやしい話だが。

とにかくモラルがどうとか言ってるけど、そういうのは戦後からガタガタに崩れているのは周知の事実。「やってもらって当たり前」という感覚があるんでしょうな。

そういう心根ではいつまで経っても世の中に対する不満しか感じないだろう。親子共に、幸せにはなれないだろう。幸せとは量ではかるものではなく、その人自身の感じ方だから。幸せや感謝を感じることが出来なければ、一時的に満たされることはあってもすぐに不満を感じるものだ。

損得勘定で物事を判断する人は、気の毒だなと思う。5、6年前だったか、雑誌のインタビューでそういう話をしたことがある。子育ての基本ってシンプルなものだ。自分の場合は、「ありがとう」と「ごめんなさい」。この2つが自然に出るようにすることだけ。これを心から言えるようになるのって、実は一番人間にとって難しいことだと思うね。子どもだけの課題ではなく、大人も含めた問いかけ。

伊吹さん、なんとかしてね。ってか、これは厚生労働省にも頑張ってもらわなきゃ。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

関連記事:
ゆとり第一世代を評価するって? マジで?
蔓延する携帯電話依存症
「おかずもお願い」
子どもに携帯を持たせないマドンナは賢母
どうしようもない保護者
      など多数。

Posted by 奥田健次 教育社会 |

2006.09.25

やっぱり学校を作りたい!

バンコクに来ていると日本語放送はNHKしかない。再放送ばかりだが、たまたま付けていると感動的なものに出会うこともある。最近の世論に反して(笑)、NHKにも素晴らしい番組もあるよと言っておきたい。長野県須坂高等学校の『りんどう祭(竜胆祭)』。

にんげんドキュメント
天突く龍を作れ 〜長野 須坂高校文化祭〜

これなんだよね。自分が普段から「いじめの解決は『大河ドラマ』を作成するような作業だ」と言っていること(『いじめのある現場で解決する策がある』)。そして、学校に提案していることだ。

同校で40年も続いている『りんどう祭』という伝統的な文化祭。巨大な龍を制作するのだ。生徒達は半年間かけてその日のために巨大な龍を作っていく。大学受験を控えた3年生までもが、早朝から放課後までに空き時間を作って張り子の龍の制作作業に打ち込んでいるのだ。

当然だが簡単に出来るものではない。完成日までの時間がない。自分の担当パーツが1つでも欠けると龍は完成しない。だからこそ、焦りや苛立ちが強くなるし、仲間同士のぶつかり合いもある。部活や勉強との両立に葛藤する生徒。高校生の前に立ちはだかる巨大な龍は、あまりにも思春期の若者にとって厳しい試練だといえるだろう。

作業から半年。ここからは『儀式』である。ハイテクや合理性の世の中では味わうことのできないシーンを、高校生達は真剣に真面目に描き出していく。

『建立(こんりゅう)』という儀式では、生徒達が手分けして作った龍のパーツを一つずつ起こしていき、組み立てていかなければならない。龍をしっかり支えるために、骨組みは材木で出来ている。張り子の紙や塗料の重さも半端ではない。リーダーの「建立!」という掛け声に合わせて、男子生徒らが壊さないように慎重にロープを引っ張ってパーツを起こしていく。見るからに、かなり重そうである。

女子生徒達は『竜胆祭賛歌』を歌い踊りながら、男子生徒らの作業を鼓舞するのだ。眠れる巨大な龍は、こうして若者の掛け声と歌と祈りの中、命を吹き込まれていく。グラウンドに高くそびえる龍。半年かけて皆で手分けして作った龍が一つになった瞬間だ。それまで対立していたような生徒同士も、ごく自然に互いに抱擁して喜びを分かち合う。皆、熱い涙を流している。

感動した生徒達は、完成した龍の体にメッセージを書き込む。半年前までは、ただの『学校行事』に過ぎなかったのだろう。しかし、気が付くと皆で作り上げた龍に対する『愛着』が強く芽生えているのだ。

だが、儀式はこれで終わりではない。文化祭の終わりに、この龍を解体しなければならないのだ。リーダーが声を詰まらせながら感謝の気持ちを皆に伝え、最後の掛け声と共に生徒らは一斉にロープを引っ張る。今度はゆっくりではない。一気に倒してしまうのだ。あれだけ建立するまで苦労した龍は、もろくも倒され命尽きてしまうのだ。

最近の若者のことだから、一斉に倒したら倒したで喝采するのだろうか。否。皆、すぐに倒れた龍のもとに駆け寄り、泣いているのだ。もう言葉すら無く、ただ泣くばかり。時間までに解体しなければならない。号泣しながら、龍のうろこを剥がしている。中には、解体作業もできないほどに泣き崩れている女子もいる。やさしく慰め励ましながら、解体作業に参加させる友もいる。無情に見えるが、骨組みをチェーンソーで小さく切っていく男の姿もある。

巨大な龍の亡骸は、一所に集められた。何も知らない自分は、トラックで運ばれて行くのだろうかと思ってしまった。だが、そんな考えは儀式には合わないものだということがすぐに分かった。弓道部の生徒数名が登場したのだ。長い矢の先には炎。火矢である。掛け声と共に一斉に火矢が放たれ、龍の亡骸に到達する。火柱は高く燃え盛り、『りんどう祭』の本当のクライマックスを迎えることになる。

自分は不覚にも何度か泣いてしまった。こういうドラマを作ることができるなら、いじめなんか無くなるだろう。逆に言えば、これほどのドラマを作らなければ、いじめは無くならない。

それにしても、長野県の教育はすごいなあと学生の頃から思っていた。学生の時に見たドキュメントのこと。それもNHKだったと思うが。確か、小学生が1年かけてヤギを飼育する。ところが、最後の最後で『お別れの時』がやってくる。ただ、お別れするのではない。食肉処理場(と畜場)に連れて行かれると教師から説明される。当然、小学生達は「かわいそうだ」と言って泣いてしまう。普段、何気なく食事している(そして食べ残ししている)けれども、こうした経験によって『食物とは何か』ということを肌で感じることになるだろう。実験授業のドキュメントだった。これも確か長野県での取り組みだったと思う。この取り組みの話なんかも、自分はある教育委員会で提案したこともある。すごく嫌な顔をされたが。

その後、この取り組みはどうなったのだろうか。

『りんどう祭』にしても、保護者の中には「うちの息子にはそんな時間よりも大学受験のための勉強の時間が大切です」と言う人がいるのではなかろうか。それでも、40年も伝統を守ってきた学校はすばらしい。塾や大学では決して学べないことがあるのだ。『青春』という一言では語りきれないものがある。

自分はそういう学校を作りたいなあ。うらやましいなあ。いつも言っていることだが、そういう学校を経営させてもらえるならば、いつでも大学教員なんて辞めちまいます(本気です)。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

関連記事:いじめのある現場で解決する策がある
      など。

Posted by 奥田健次 いじめ・ハラスメント教育学ぶこと |

2006.09.15

しっかりしてポチいよ、晋三クン。

『大学9月入学』だってさ。うむ、自分は職業人として、そりゃ助かるよ。国際的な学術大会の開催時期って、9月入学に合わせた休業期間に設定しているからね。4月入学だと、思いっきり講義期間中に国際大会がぶつかるからなあ。しかし、理由がそんなんじゃいかんよ、晋三クン。

「教育基本法の改正後、大学9月入学を」 安倍官房長官
http://www.asahi.com/edu/news/TKY200609140238.html
2006年09月14日13時45分

 安倍官房長官は14日、自民党本部で開かれた公開討論会に出席し、国公立大学の入学時期について「世界の大体の学校は9月だ」と語り、9月入学の導入を検討する考えを表明した。そのうえで「(入学まで)4月から9月の間に、ボランティア活動をやってもらうことも考える必要がある」と述べ、奉仕活動を義務づける考えも示した。
 安倍氏は教育改革の進め方について「スケジュール的には基本法改正をし、その上で国民の英知を結集して議論を進めたい」と語り、教育基本法の改正後に教育改革に関する有識者会議を設置する意向を示した。また、安倍氏は「教員免許の更新制度や学校、先生を評価する仕組みを構築したい」と主張した。

「世界の大体の学校は9月だ」という言い方が、まったく気に入らん。そんな言い方するならば「世界の大体はイラク戦争開戦の理由でアメリカを非難している」わけだから、安倍政権でもアメリカの開戦の理由を非難すればええやんけ。どうせ、んなことできへんやろ。

イギリスだって、アメリカに追随して参戦したことを今では誤りだったという世論が高まっているし。アメリカでも、ブッシュ(息子)の支持率が下落しまくり。日本だけが、「間違いでは無かった」と言い続けている。政治家だけでなく、小泉政権を支持した国民も。意地を張らずに「間違いだった」ことを認めんといかんよ。大量破壊兵器なんて無かったんだから。第二次大戦以降、戦争に参戦すればするほど国内の社会保障や福祉、国民生活全般がボロボロになるのは自明の理。軍備を増強しつつ、滅多なことでは参戦しない(他国の戦争の支持もしない)というスタンスが、最も国力を高める方法なのだ。中国はそれをやっている。日本はボロボロになるほうを選んでいる(選ばされている)。

話を戻そう。続いて読売新聞の記事。

「大学は9月入学に」安倍氏、討論会で提唱
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060914ia02.htm

 自民党総裁選に立候補している安倍官房長官は14日午前の自民党青年局主催の公開討論会で、教育改革について「大学入学(時期)を世界の慣行に合わせる」と述べ、国公立大学の入学時期を9月に変更することを検討する考えを示した。
 そのうえで、「(高校卒業後の)4月から9月までの間は、例えばボランティア活動をやってもらうことも考えていい」として、高校卒業から大学入学までの約5か月間に社会奉仕活動などを奨励する制度を導入したいとの方針も打ち出した。
 日本の大学では、現在、基本的に4月が入学時期だが、帰国子女などに配慮して一部で9月入学も行われている。しかし、国公立大学が原則9月入学になると、私大も追随すると見られる。さらに、企業の採用、人事計画などに影響が及ぶほか、社会奉仕活動の位置づけも難しいことから、今後、大きな議論になることが予想される。
 大学の9月入学と社会奉仕活動をめぐっては、2000年末に森首相の私的諮問機関「教育改革国民会議」がまとめた報告書に盛り込まれていた。
 安倍長官は、教育改革の進め方に関しては、「英知を結集していく必要がある。教育の再生について議論してもらう場が必要だ」と語り、首相直属の「教育改革推進会議」(仮称)を新設する意向を正式に表明した。
 教育基本法改正案については、秋の臨時国会で成立させたいとの考えを改めて強調した。
(2006年9月14日13時49分  読売新聞)

社会奉仕活動の制度化ねえ。うーん。甘っちょろいわなあ。どうせなら、社会奉仕活動ではなくって、自衛隊に予備役入隊したら? あらら、左耳のほうから「チョーヘーセード、ハンターイ!」って聞こえてきたよ(笑)。5か月だと短すぎるが、いっちょ前の大人にしてくれるかもよ。

それにしても、また有識者会議ですか。もう、当ブログでは首相直属の私的な有識者会議がどれほどロクでもないものか、非難し続けてきたからね。右上の検索ボックスで『有識者』って入れて検索してみて下さい。もう『有識者バッシングBlog』みたいやわ。

うちのブログ、『教育改革』とかって冠つけてるけどね。絶望的なほどに厳しいことやと分かっている。『バカの壁』が大きく高くそびえてるからな。ドンキホーテの心境やわ。

悪いけど今の自公政権と仲良しこよしの御用学者じゃあ、『改革』をやればやるほど日本は悪くなるからな! 本当に『美しい日本』にしたけりゃあ、マスコミ論調をバッサリ斬って捨てて国民の猛反発を喰らうような提案をせんといかんよ。それが出来れば、晋三クンのことを見直すよ。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

関連記事:
「校内暴力、過去最多」。そりゃそうでしょ。
行動科学を無視した「問題行動」の原因究明!?
      など。

Posted by 奥田健次 教育 |

2006.09.14

「校内暴力、過去最多」。そりゃそうでしょ。

お馬鹿な、お馬鹿な教育学者、カウンセラーのおかげで、「校内暴力、過去最多」となりました。やっぱり戦前に戻したほうが良いって。戦前の家庭教育、学校教育をすべて否定するイデオロギーのせいで、こんなことになってしまったのだ。

自分は全然、驚きやせんよ。小中学校、巡回してるからね。知ってますって、そういう惨状は。この件については、関連記事を先日書いたばかり(『行動科学を無視した「問題行動」の原因究明!?』)。

児童校内暴力、最悪2018件
全国公立小 05年度調査
http://www.chunichi.co.jp/00/sya/20060914/mng_____sya_____000.shtml

 2005年度に全国の公立小学校の児童が起こした校内暴力の件数は前年度より128件増の2018件となり、3年連続で過去最多を更新したことが13日、文部科学省の「問題行動調査」で分かった。
 教員への暴力行為は前年度の336件から464件と38%増加。教員に暴力をふるった児童数は259人。文科省は「最初の問題行動があった後も学校で適切な対応ができず、繰り返すケースが増えている」としている。
 調査によると、中学での校内暴力は2万3115件(前年度2万3110件)でほぼ横ばい。高校は5150件で前年度(5022件)よりやや増えた。小中高全体でも約3万件とわずかに増加。逆に校外の暴力は全体で3735件で5年連続減少した。
 学校外も含めた小学生の暴力行為計2176件のうち、子ども同士は1073件(前年度1126件)、器物損壊は786件(同912件)。
 一方、いじめは、小中高など全体で2万143件(前年度比マイナス7・1%)と2年連続減少したが、高校では70件増えた。1000人あたりのいじめは愛知県の3・4件が最多で、小中高校別では中学校が1万2794件と最も多く、特に中1、中2でのいじめが1万718件と全体の53%を占めた。
 都道府県別でみると、小中高を合わせた暴力行為の発生件数は神奈川県が6088件と最も多く、次いで大阪府の4574件。子ども1000人あたりでは高知県の8・7件が最も多く、秋田、福島、長野各県の0・3件が最少だった。
 国立、私立を含む高校の不登校は、全生徒の1・7%にあたる5万9419人で、このうち37%が中退した。

今からねえ、20年前に聞いた話。日本で教育が荒廃した都道府県のトップ3は、愛知県、神奈川県、兵庫県だと。これはね、日教組の組織率の高さと比例しているんだとか。まあ、あくまでも聞いた話に過ぎないが、いずれにしても荒廃しているのは現実だろう。

当ブログでも、当ブログを立ち上げる前からも、ずっと問題視してきたのは『誤ったマスコミ論調』。これを作り上げてきたのは、確かに現場の教員でもあり、大学などの教育学者、心理学者。そして精神科医。最近でいえば、臨床心理士などスクールカウンセラーの大半。

典型的な物言いとして、「しつけをしちゃ、いけない」という学者がいたりする。子育ての本も、保護者を癒すことを目的としたものが売れているようだ。親も『親バカ』は構わないが、『バカ親』が増えている。

まったく極端なんよな。確かに「お勉強、お勉強」と、本人のやる気を無視して追い込むようなものは、子どもによっては失敗する(成功する子どももいるけど)。しかし、だからといって、「しつけをするな」という言い方をするなって。愛知県は多いんだよな、確かに。母親の人気取りだけ考えている、無責任な学者どもが。日本中、見渡してもウヨウヨいるよ。んで、親もブランド志向が強い人が多いみたいで、すぐに学者先生の言ったことを信じ込んでしまう。

自分に言わせれば、「8歳になるまでに、どうやっても抗(あらが)えないものがある」ことを、子どもに体感させておかなければいけない。そして、普段から「ハタチになったら家から出て行け」と言っておくこと。

ただもう、絶望的なんよな。「子どもにストレスかけたらいけない」という空気があるでしょ? はっきり言って、自分はこの考え方も否定する。しかし、この「何もしちゃいけない」という空気を変えるのは、絶望的なほどに困難だろう。

答えはな、「対処(コーピング)できるストレスを適度にかけ、対処スキルを学ばせること」「対処できることの喜びを感じさせること」が大切なんやって! これが分からない人間は、子育てとか教育を語るなって!

自分は業界では異端者扱いされているかもしれんが、自分のみている子どもらは雑草のように強く優しい子たちに成長している。それが何よりも自分の自慢だ。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

関連記事:
行動科学を無視した「問題行動」の原因究明!?
家庭教育に関する国際比較調査。マスコミ論調を斬る!
処罰されたアウトロー生徒の行く末は?
親の子殺し、子の親殺し。
殴る小学生と殴られる大人
子どもはストレスに強いのだ
     など多数。

Posted by 奥田健次 いじめ・ハラスメント教育 |

2006.09.10

行動科学を無視した「問題行動」の原因究明!?

いわゆる「キレる子」の「問題行動」の原因を科学的に解明すると言いながら、行動分析学の専門家を1人も専門委員に入れないなんて、文部科学省初等中等教育局は何をやってるんだ?

「キレる子」の原因探れ、食事・睡眠など追跡調査へ
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060909it04.htm

 児童・生徒が授業中などに突然、「キレる」原因を解明しようと、文部科学省は2007年度から、「定点観測」調査に乗り出す。
 食事、テレビ視聴などの生活習慣や家庭環境が「キレる」現象にどう影響しているかを探ることで、生活・学習指導に役立てるのが狙いだ。
 同省は来年度予算の概算要求に約1億5000万円の関連経費を盛り込んでおり、今後、モデル校や調査テーマ設定などに着手したいとしている
 小中学校などの学校現場では、近年、普段はおとなしい児童・生徒が教師から注意を受けると、突然、「うるさい」と食ってかかったり、教師に暴力を振るったりする「キレる」行動の増加が問題になっている。
 文科省によると、04年度に全国の公立小学校2万3160校で児童が起こした校内暴力は前年度比18・1%増の1890件に上り、過去最悪になった。喫煙など生活の乱れが表れる問題行動の場合、指導しやすいが、通常は問題がない児童・生徒が「キレる」時は、原因がわかりにくく、指導も難しい。
 このため、文科省は05年に「情動の科学的解明と教育等への応用に関する検討会」を設置し、科学的な視点で問題行動の背景を探る手法を検討。「高度情報化社会が子供の脳に及ぼす影響についての研究」「児童・生徒の情動に関する客観的なデータ」が必要との結論を得た。
 文科省は06年度、調査手法などの検討を重ね、07年度から研究テーマの絞り込みや対象地域選定を行うための準備研究に着手する。
 幼稚園や小学校時代から特定の児童を対象として選び、保護者の同意を得た上で、数年間にわたり調査する方針だ。〈1〉朝食摂取状況や睡眠時間などの生活リズム〈2〉テレビ視聴やテレビゲームをする時間〈3〉家族構成——などを研究テーマとし、これらの要素と行動がどうかかわっているかを分析する予定だ。調査は、例えば五つの研究テーマで2000人ずつなどとする規模を想定している。
 幼児を対象にした「生活・成育環境と発達との関係」を研究している小泉英明・日立製作所フェローは「問題行動がなぜ起こるか、推測で語られているが、実際はよく分かっていない。実態把握をするため、科学的な証拠を集めることが重要だ」と話している。
(2006年9月9日14時32分  読売新聞)

先に仮説ありきですか。しかもその仮説が、「食事」「睡眠」「テレビ」「家族構成」ですか。そんな議論をまじめにやってるから、やっぱり『文部文学省』だね。全然、科学的でない。昼の番組で、みのもんたが「奥さん、ココアが良いんですよ!」と言っているのと大差ない議論だわな(笑)。

あのさ、「脳科学」関係の専門家を入れたら、最新の科学と思い込んでいるでしょ? それ、明らかに勘違いだよ。脳科学は、行動の説明には役立つかもしれんが、問題行動の解決には全然役に立たないって

やってることが居酒屋的なんだよ。居酒屋のオジサンでも、「最近の子どもがキレるのはよぉ、脳に栄養が足りてないからじゃねえかぁ?」「おう、ちゃんと寝させてさぁ、睡眠をしっかり取ってりゃ良くなるよ」「あとさぁ、テレビの見せすぎなんだよな」「ああ、核家族化も良くねえんじゃね?」「あ、お兄さん、梅酒ロック1つ!」って喋ってるよ。

居酒屋のオジサンが、なかなか『ナノテクノロジー』のことについて世間話はできんでしょう? だから教育分野は駄目なの。いつまでも馬鹿にされ続けるの。

メンバーの先生方も、結構それぞれの分野で確かに著名な方々ばかりだけども。しかし、現場で実際に子どもの問題行動に接して来た人はいないんじゃない?

情動の科学的解明と教育等への応用に関する調査研究 委員一覧

【座長】有馬 朗人     財団法人日本科学技術振興財団会長
【委員】
安彦 忠彦     早稲田大学教育学部教育学科教授
石井 加代子     科学技術政策研究所主任研究官
伊藤 良子     京都大学大学院教育学研究科教授
内田 伸子     お茶の水女子大学副学長
江澤 郁子     戸板女子短期大学学長
大熊 健司     理化学研究所理事
岡田 尊司     京都医療少年院
小野 武年     富山大学特任教授
尾山 眞之助     国立教育政策研究所次長
河合 優年     武庫川女子大学教育研究所教授
門脇 厚司     筑波学院大学学長
小泉 英明     科学技術振興機構社会技術研究開発センター領域統括
小枝 達也     鳥取大学地域学部教授
斎藤 美代子     文京区立第一幼稚園園長
白瀧 貞昭     武庫川女子大学文学部教授
高橋 秀美     大田区立田園調布中学校校長
津本 忠治     理化学研究所ユニットリーダー
十一 元三     京都大学医学部保健学科教授
丹治 順     玉川大学学術研究所脳科学研究施設教授
三留 利夫     大田区立山王小学校校長
森 則夫     浜松医科大学医学部教授
森田 洋司     大阪樟蔭女子大学学長
山縣 然太朗     山梨大学大学院教授
(敬称略。50音順。)

だれか、この中で(または文科省の役人の中で)一人でも、行動分析学を専門とする人間を委員に加えようと考えた人は居なかったのかね。だとすれば、不勉強といわざるを得んわな。だって、問題行動でしょ? 当然、行動科学でしょう。

不勉強でないと言うならば、偏向しているだけ。要するに、行動科学に対する偏見だろうね。日本に昔から蔓延っているやつね。いや、それもやっぱり不勉強による偏見だわな。

行動分析の専門家もね、反省せないかんでしょう。こういうところに、1人すら行動分析家を入れることすら出来ないんだから。いつも自分、学会で吠えているんやけどもね、力のある立場の先生方がね、もっとロビー活動しないといけないって。

脳科学なんてね、新しい感じがするだけで、節約的に説明するためのものに過ぎんのよ。仮説演繹法による科学やね。でも、行動分析学は帰納法による科学。行動の原因を実験的に突き止め、行動の予測だけでなく制御を目的とした自然科学だ。実用的だから、偏見持たずに以下の本などを読んでみて。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

関連記事:
困った子どもとのかかわり方
殴る小学生と殴られる大人
文学的表現で不登校をごまかすな
子どもを上手く育てるために
子どもはストレスに強いのだ
教育の常識は非常識
     など多数。

Posted by 奥田健次 教育 |

2006.08.28

小中学校に5段階評価

いやあ、誠によろしいことです。自分は平素、文部科学省のことを『文部文学省』とか『文部魔術省』などと揶揄してきたけれども、ようやく客観的評価に向けての足並みが揃いそうなのだ。

学校に“通信簿”…文科省が現場取り組みを5段階評価
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060828it01.htm

 文部科学省は、小中学校の授業内容や学校運営などを客観的に評価する統一基準を定め、各学校を「評定5」から「評定1」の5段階で評価していく方針を決めた。
 国が、学校現場の取り組みを数値で評価するのは初めてで、今年度は全国124の公立小中学校で試行する。これまでも教職員や保護者ら学校関係者による学校評価は行われていたが、今回の5段階評価は、学校と直接かかわりのない第三者が各学校の真の実力を見極め、教育の質の向上につなげるのが目的だ。
 9月から始まる評価の対象となるのは、47都道府県と15政令市にある公立の小中学校各1校。文科省は来年度以降も対象を拡大し、将来的には私立や国立も含め、幼稚園や高校などへの評価も検討する。
 これまでの学校評価制度は、保護者や地域住民に、教育活動や学校運営の状況を公開するなどの目的で、2002年4月に導入された。教職員による自己評価のほか、保護者らによる外部評価を行っている学校も多いが、評価方法が統一されておらず、教職員の反省会を「評価」としている学校も少なくなかった。文科省によると、評価を数値化している学校や自治体はほとんどないという。
 これに対し今回は、文科省が、「学校における教育」「学校の管理運営」「保護者、地域住民との連携」の3分野、計18項目の評価項目を設定した。
 例えば、「各教科の指導状況」の項目では、「説明や板書など各教員の授業の実施方法」や「個別指導や習熟度に応じた指導が行われているか」など、10の指標をもとに評価。「多くの児童生徒が集中して学習に取り組んでいる」「教室内は清掃、整理整頓され、掲示物も適切」などの状況なら「評定3」になる。全国的に見てもすばらしい取り組みで、ほかの学校の参考になる場合だと「評定5」、取り組みが全く行われておらず、成果がほとんどないと「評定1」となる。
 ほかにも、複数の学校が参加する学力テストの結果などから判断する「児童生徒の学力・体力」、出席率や遅刻状況を調べる「児童生徒の出席状況」などの項目があり、これらの評価結果などを基に、学校の総合評価が決まる仕組みだ。
 9月からの試行では、文科省の職員や専門家など計3人が学校を訪問。1〜4日かけて、授業の視察や校長からのヒアリング、職員会議の参観などを行う
 今年度は試行のため、評価は学校に通知するだけで公表しないが、文科省では「将来的には、公表も検討する」としている。
 今回の試みについて、教育評論家の尾木直樹さんは、「問題点を指摘して改善を求めるなら、具体的に指摘すればよく、数値で示す必要はない。数値を上げるために、表面的な実践を行おうとする学校が出なければいいが」と懸念する。これに対し、文科省は「5段階評価は自分の学校がどの水準にあるかを把握しやすくするためのもの」としている。
(2006年8月28日3時2分  読売新聞)

ここに、読売新聞朝刊(8月28日付)がある。この記事は一面トップで扱われていた。もう少し細かい情報が書かれていたので、引用しておこう。新聞記事でいう『3分野18項目』である。

学校における教育
 教育課程の状況
 各教科の指導状況
 生徒指導・進路指導
 特別支援教育の状況
 安全管理・保健管理
 児童生徒の学力・体力
 児童生徒の出席状況
 児童生徒の全人格的発達の状況

学校の管理運営
 学校の組織運営
 教職員の意欲・資質と向上への取り組み
 設置者(市区町村教委)と学校の状況
 施設・設備の状況
 自己評価の実施状況
 外部評価の実施状況
 学校評価、学校に関する情報公開

保護者、地域住民との連携
 学校への児童生徒の意見要望の状況
 学校への保護者の意見要望の状況
 保護者・地域社会との連携協力

もちろん、上記の項目の中には、「どうやって評価するねん」と疑問を抱いてしまうものもある。しかし、今までたかだか5段階評価レベルの数値での評価が無かったことのほうが、よほど問題なのだ。

なお、昔から教育現場で(および教育関係の学者)はイデオロギーが先行しており、こうした客観的評価を嫌う傾向が強い。これは、一般の人間には想像できないほど激しいものであり、今回の文科省の決定事項に対する反発も予想されるだろう。

しかし、本当に実力のある教師ならば、こうした客観的評価への方向性を基本的に歓迎するだろう。

個人的なことを言わせてもらうならば、自分のような日本全国を渡り歩いている臨床家にとっては、「なぜ、ここまで学校・地域によって差があるのか」という腹立たしい気持ちから解放されそうなグッドニュースではある。実際、今日は仙台で仕事だったのだが、こちらの親御さんにこの新聞を見せて説明したが、当然のごとくその方向性をまずは喜んでくれた。

発達障害児など、特別なニーズをもつ児童生徒に対して、「今の時点では何もできません」と言って完全に放任している(問題が起こるまで何もしない)学校もあれば、積極的に保護者と連携協力して個別の支援計画を作成しようとする学校もある。教育委員会もそうだ。保護者が面談を求めているのに、「その必要はない」と言って、何の準備もせずに入学させ、入学後に十分予期された問題が生じたら、「親御さんにさらなる協力と理解を求める」なんて平気な顔して言う人間もいる。

したがって、こうした客観的評価を行う方向性を否定する連中というものは、イデオロギーが先行しているのであり、現場を知っているような顔をしていて実は何も知らない(現場で汗をかいていない)連中であると言えるだろう。

ただし、評価方法などが形骸化しそうである。5段階評価だけをもって、科学的と言うのはまだまだおこがましい。細かい話については、運用状況を見て指摘していくことにしよう。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

関連記事:
親も教師も覚悟が足りない(不登校問題)
現職教員にも教員免許更新制度の可能性が
処罰されたアウトロー生徒の行く末は?
LD、ADHDの児童生徒が通級指導の対象に
大学3年生にではなく、30歳代社会人に頭を下げよ。
小学校に理科助手、さらに必要なこと。
義務教育で英語を必修する大愚
小学校での英語活動は有害である
iPodで「どこでも授業」!?
「ゆとり教育」を継続する亡国、日本。
役に立つのか、教職大学院!?
フリースクールで不登校をごまかすな
市教委の単独プレー(先送り)
どうしようもない校長
文学的表現で不登校をごまかすな
殴る小学生と殴られる大人
      など多数。

Posted by 奥田健次 教育 |

2006.08.11

親も教師も覚悟が足りない(不登校問題)

産経の速報に反応して、久しぶりに教育の話。っていっても、結局行き着くところは同じようなもんなんだけどね。

中学生の不登校率、4年ぶり悪化
http://www.sankei.co.jp/news/060810/sha094.htm

 昨年度の国公私立の中学校で病気や経済的な理由以外で学校を30日以上欠席した「不登校」の生徒の出現率が前年度比0.02ポイント増の2.75%となり、4年ぶりに悪化したことが10日、文部科学省の学校基本調査(速報)などで分かった。36人に1人いる計算。このうち、不登校が前年度から続いている生徒の割合は過半数に達している。多くの中学生が学校に復帰できていない現状も浮き彫りとなり、学校関係者は対策を迫られそうだ。
 調査結果によると、昨年度の不登校の小中学生は前年度比0.9%減の12万2255人。生徒全体における出現率は1.13%で、89人に1人いる計算となった。数、率ともに4年連続の減少だが、依然として高水準にある。
 不登校の中学生は9万9546人。少子化で生徒数が減少しているため数自体は0.5%減となったが、中学生全体における不登校生徒の割合を示す出現率では36人に1人の計算となる2.75%で、0.02ポイント増えた。そのうち、前年度から不登校が続いているのが5万2079人おり、全体の52.3%を占めている
 不登校の小学生は2万2709人(同2.6%減)で、出現率は0.32%。317人に1人の計算だ。そのうち不登校が継続しているのが9189人で、全体の42.4%を占めている。
 不登校継続率は学年が上がるに連れて上昇する傾向にあり、小2の34.5%が小6では46.9%に跳ね上がる。通学環境が変わる中1では31.8%といったんは落ち着くものの、中2で51.4%と過半数になり中3では64.4%に達している。
 不登校が続く理由を小中学生全体でみると、「不安を中心とした情緒的な混乱」が31.2%で最多。「無気力」が22.4%で続いた。
 中学生の不登校率悪化について、文科省では「人間関係づくりや家庭環境悪化などさまざまな要因が考えられる」(児童生徒課)としている。NPO不登校情報センターの松田武己理事長は「コミュニケーション能力や社会的自立度が低下し、子供っぽい中学生が増えている。いじめへの対応をはじめ、知育中心でなく総合的な力を身につけられるよう先生の指導力を強化してほしい」と話している。
(08/10 23:32)

自分は、ここ4年間減少していたというデータすら疑っている。いくらでもそんなデータ、意図的に操作できるからな。自治体によっては、出席や欠席の定義が曖昧で、『不登校の実数ごまかし』を平気でやっているところがあるからだ。以前から、このことを指摘してきた(『フリースクールで不登校をごまかすな』)。どうやっても、不登校の問題を改善できないから、出席としてみなそうとする方向性が強まっている。何度でも言うが、それは詐欺だね。

そのうち、自宅でiPodでもやってて『出席』にする日も近い!?

え? 「すでにうちの教育委員会ではそうですよ」って?

やめてくれよ、少なくとも自分の目の前でそんなことを言う大人がいれば、教育長だろうと「バカモノ!」と一喝して差し上げるからな。覚悟せい。

ところで、「コミュニケーション能力や社会的自立度が低下し、子供っぽい中学生が増えている。いじめへの対応をはじめ、知育中心でなく総合的な力を身につけられるよう先生の指導力を強化してほしい」という意見は、お説ごもっとも。

しかし、子どもに身に付けさせるべき「総合的な力」って何? 全然、具体的でないため、よく分からない。そしてもう一つ。「先生の指導力」と仰る。これは、子どもに対しての指導力不足の指摘だけで終わってはいけないはず。親に対する指導力不足のほうが問題は大きい。

これが、欠如しているわけ、現代日本の教育現場では。

親御さんたちよ。親御さんたちのほうが、たとえ小中学校の先生よりも高学歴だとしても、子どもにとっちゃ先生なんだよ。そして、子どもにとっての先生は、親にとっても先生なの。まずそういう姿勢が大事。

そして、小中学校の教員ももっと自信を持ってほしい。変なプライドの高い教師は多いけれども、そういう『自己弁護型ダメ教師』は捨てておこう。教師が信念を持って一生修行だと自分自身にムチ打つ姿勢を貫くならば、一部で反発はあっても親御さんに信頼されるようになる。そういう教師ならば、必要なときに親御さんと対決する覚悟をもって指導することもできる。

親も教師も、現代の大人には覚悟が足りない。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

関連記事:
【お知らせ】児童・思春期の問題と不登校はこう解決する!
現職教員にも教員免許更新制度の可能性が
処罰されたアウトロー生徒の行く末は?
東京へ講演に行きます
iPodで「どこでも授業」!?
「ゆとり教育」を継続する亡国、日本。
役に立つのか、教職大学院!?
フリースクールで不登校をごまかすな
      など多数。

Posted by 奥田健次 教育 |

2006.08.02

家庭教育に関する国際比較調査。マスコミ論調を斬る!

戦後日本の子育ては崩壊してしまっているからな。近いうち、育児書を出してやる。ビビってたじろがせてやろう(笑)。単なるハウツーと違う、子育てのプリンシプルだ。ヴィジョンを明確にしてやるよ。自分がどれほど治しまくっていることか。この世間の崩壊した家庭教育を。

親だけの問題ではない。大人全体が、将来を担う子ども(我が子という意味ではない)を、どのように育てたいのか、明確なヴィジョンを持っていないのが、現代日本の社会病理の一つなのだ。

こんなニュース。

子育ては育児書頼み 日本の親、世話の経験乏しい
http://www.sankei.co.jp/news/060802/sha040.htm

 日本の親は子供のしつけに甘く、親になる前も子供の世話をする経験に乏しいことが、国立女性教育会館が1日発表した国際比較調査で分かった。しつけへの甘さは10年前の調査でもうかがえたが、日本の親は、子供の世話を育児書に頼りがちな傾向が強いことも分かった。
 調査は12歳以下の子供と同居している親が対象。日本、韓国、タイ、米国、フランス、スウェーデンの6カ国でそれぞれ約1000人に面接方式で実施。
 「日常のあいさつ」「行儀良い食事」「身体を清潔にする」「遊んだ後の片づけ」などの項目を挙げ、「5歳の時に1人でできるか」をたずねる質問には「あいさつ」が8割以上、「食事」と「清潔に保つ」は約7割とどの国も高い比率だったが、どの項目もタイが最高で日本は韓国同様、低い傾向。特に日本はどの項目も男児が女児を下回った
 「15歳までに1人でできた」に挙げられた項目も日本は「マナーを守る」が85.8%と6カ国中最低。「家族のために食事を作る」「働いて報酬を得る」が日本は低く、同会館では「総じて子供の自立が低い傾向がみられる」とした。
 親になるために経験・学習したことを聞いたところ、日本の親は「育児書を読んだ」(29.9%)がトップ。「親から教わった」(29.4%)「弟や妹の世話をした」(18.2%)を上回り、韓国を除く4カ国と顕著な違いがみられた。
 日本の父親が平日に子供と過ごす時間は3.1時間で“最低レベル”。前回調査と比べ0.2時間減で、「子供と接する時間が短い」と悩む父親は前回27.6%から41.3%に増えた。
【2006/08/02 東京朝刊から】
(08/02 08:56)

プレス発表資料はここにある。

調査対象6か国の中で、タイのしつけがトップなんだって。なるほど、そうだろうね。コープクンカーップ!

日本は韓国と共に低い水準。この結果に自分は驚かない。予想通りの結果だ。というか、戦後日本のほうが韓国よりも低い水準なんじゃねえかと思っていたけども。

日本の場合、父親が平日に子どもと過ごす時間が『最低レベル』なのだという。まあ、そうだろうな。で、「子どもと接する時間が短い」と悩む父親が増えているそうだ。

さて、こんな記事を読むと『父親が子どもと接する時間を増やすべきだ』と考える人が多いのではないだろうか。この記事を読むと、ややそういう方向に引っ張っていくニュアンスで書かれているようだ。もしかすると、これを調査した国立女性教育会館の解釈(イデオロギー?)が反映されているのかもしれない。はっきりいうが、それは好ましくない考え方だ。そんな単純なものではない。

父親よ、「子どもと接する時間が短い」と悩む必要はない!

母親よ、旦那が「子どもと接する時間が短い」と愚痴るな!

「子どもと接する時間が短い」と悩み、そして申し訳なく感じている父親は、確かに多くなっている。つまり、子どもに(または嫁さんに)引け目を感じている父親が増えているように、自分は感じている。または、母親が旦那に引け目を感じさせる言動をしている場面にも、よく出くわす。

引け目を感じている父親は、子どもの要求を何でも受容してしまう可能性が高まってしまう。実際、この10年の間に、どれほど子どもの言いなりになっている父親が増えたことだろう。共働きをしている母親だって、「子どもに申し訳ないな、可愛そうだな」と引け目を感じる場合が多く(または、引け目を感じさせられている場合が多く)、そういう母親も子どもの言いなりになってしまいがちだ。

子どもに対して、引け目を感じて接してはいけないのだ。もちろん、だからといって父親も母親も、自由気ままにやりたい放題してよいと言っているのではない。しかし、こういう両親もこの10年で増えてきたと感じることも事実。これはこれで問題だ。

父親も母親も必死になって、子どもが社会化するよう常に心掛けよ。共同体において公共心を持たせ役割取得できるように心掛けよ。子どもと接する時間が短くても、「それはそれ」なのだ。引け目を感じる必要はない。「接する時間が短くなるほど、父ちゃん(母ちゃん)は、お前(子ども)のために仕事をしてるんだ、社会のために仕事をしてるんだ」と、子どもに言い聞かせればよいのだ。そして実際、いざというときには仕事を捨ててでも、子どものために時間を作る覚悟を持ち、それを実行せよ。

自分がこんなことを言うのは、イデオロギーでもなんでもない。男女共同参画とか、イデオロギーありきの頭デッカチ学者と自分は正反対。自分の場合は、数々の親子関係の問題を解決してきた経験から、帰納的に導き出した大原則を掲げているのだ。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

関連記事:
白洲次郎に会いに行く
ゆとり第一世代を評価するって? マジで?
親の子殺し、子の親殺し。
子どもに携帯を持たせないマドンナは賢母
子どもを上手く育てるために
殴る小学生と殴られる大人
子宝思想
教育の常識は非常識
      など多数。

Posted by 奥田健次 教育 |

2006.07.03

ゆとり第一世代を評価するって? マジで?

「ゆとり教育」を是認する単純な人たちがいる。戦後日本の弱体ぶりが、ここに思いっきり現れている。

議論OK、学生変わった? 「ゆとり第一世代」入学
http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=RANDOM&PG=STORY&NGID=home&NWID=2006070101002960
(共同通信)

 授業時間や学習内容が少ない新学習指導要領の下で学んだ“ゆとり教育第一世代”が今春、初めて大学1年生になった。人前での議論が平気で、プレゼンテーションが得意な学生が増加。大学教員からは「今までの学生とは違う」「ゆとりの効果では」という声も上がっている
 「話し合うのを嫌がらない学生が多く、今年は授業がしやすい」。東京海洋大で1年生に日本語表現法を教える大島弥生助教授は変化に気付いた。書きたいテーマを決めて学生同士の議論を重ね、リポートに仕上げる授業で、学生の積極的な発言が飛び出す。

そうかなあ。

人前での議論が平気になったって? それが良いことだとは単純すぎる見方じゃないかね。

言いたいことを言う。そりゃあ今までの日本人らしくないスタイルではある。しかし、何でも思ったことを言うってのが正しいなんて、誰が決めたの?

確かに、何かあると遠慮無く主張する大学生は増えたように思うよ。しかし、どうもそういう学生に限って「目の前の事象にのみ」反応しがち。表面上、いろいろ話してくれるので、黙っている奴らよりも一見議論できるようではある。だが、議論に深みが無いのだ。彼(彼女)らは、知っている言葉、知っている情報に反応しているだけのように思う。何より「文脈」を読み取るのが苦手だ。だから話が表層的。

そして主張が損得勘定に基づいていて、わがまま放題な輩がやたら多い。まあ、自分にとってはそれも教育。親がやり残した子育てだ。大変だが、やりがいもあると。

これは、新1年生に限った話ではない。「ゆとり教育」自体はもう少し前の世代から始まったものだ。文脈を読み取るのが苦手というのは、学生に限らず大人世代も同じ。政治家も官僚も、ほとんどが表面上の事柄に反応しているだけであって、歴史や文脈を勘案したり、近い将来に起こりうる事象の可能性を予測するのが苦手なようだ。ディベートとかって流行ったのも数年前だろう。だが、ほとんど詭弁を弄しているばかりにみえるし、聞けば聞くほど軽さと薄っぺらさばかり感じてしまう。テレビに出てる若手政治家の言ってることも本当に薄っぺらい。

議論する高度なスキルが求められるのは、一般人ではなくて選ばれた立場の人たちのみで構わない。本来の日本人ならば「皆まで言うな」「言わずもがな」で十分だったはず。「ゆとり教育」のお陰で、中身がスカスカなのに、表層的な議論ばかりの詭弁家を増やしてどうするんだ。

とにかく「議論ができるようになった」などと、うわべだけの学生の変化を安易に評価するのは、いかがなものかと思う。それこそ、目の前の事象に反応しているだけではないだろうか。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

関連記事:
大学3年生にではなく、30歳代社会人に頭を下げよ。
「ゆとり教育」を継続する亡国、日本。
殴る小学生と殴られる大人
      など。

Posted by 奥田健次 教育 |

2006.06.30

ペリエにしな、ペリエに2。

忙しいので手抜きエントリー。ちょっと原稿締切に追われてる。

授業で作ったソーダ水飲み児童17人病院へ 兵庫・川西
http://www.asahi.com/national/update/0629/OSK200606290128.html
2006年06月29日21時59分(asahi.com)

 兵庫県川西市向陽台1丁目の市立緑台小学校で29日、小学6年の2クラスの児童67人が総合学習の授業で作ったソーダ水を飲んだところ、半数近くの児童が気分が悪いと訴え、17人が近くの病院で手当てを受けた。いずれも軽症で、全員が快方に向かっている。
 川西署や同校によると、2クラスはそれぞれ午前中の授業で、事前に調べた作り方を基に、クエン酸やミネラルウオーター、砂糖、重曹などでソーダ水をつくり、ほとんどの児童が紙コップに2杯前後飲んだ。午後1時ごろ、2人が吐くなどしたため、救急車で近くの病院に搬送。その後、31人が気分が悪いと訴え、うち15人が教職員の車などで病院に運ばれた。一部の児童が胃の洗浄や点滴を受けた。
 空腹時にクエン酸を摂取すると気分が悪くなることがあるという。川西署は分量などの調合ミスがあったとみている。
 川崎明利校長は「保護者に心配をかけて申し訳ない。事前の研究をもう少し念入りにしておくべきだった。体に入るものであり、慎重に扱うべきだった」と話した。

こらこら、「慎重に扱うべきだった」って。過去形で言わんとってよ。

なんともなくてよかったよ。

しばらくソーダは飲めないやろうなあ。

飲めるようになったなら。手作りソーダはやめましょう。

ペリエにしな、ペリエに。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

関連記事:
お気遣い、すみません。
ペリエにしな、ペリエに。
ペリエ、あ〜
      など。

Posted by 奥田健次 教育 |

2006.06.24

【お知らせ】児童・思春期の問題と不登校はこう解決する!

Postertema4_4 主催者からポスターが送られてきたので、しばらくブログトップで宣伝しておきます。一般公開なので関心のあるかたはお越し下さい。

※おかげさまで大変盛り上がりました。貴重な土曜日に有料であるにもかかわらず、お越し頂いた熱心な方々には心から敬意を表します。

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

関連記事:東京へ講演に行きます

Posted by 奥田健次 教育お知らせ |

2006.06.03

エイズ感染と日本の将来

エイズ感染の問題から、この国の将来の問題について論じてみる。

東京都内、HIV感染最多 昨年417人
http://www.asahi.com/life/update/0603/004.html
2006年06月03日15時51分(asahi.com)

 1日1.14人。東京都内でエイズがじわじわと増えている。昨年1年間にエイズウイルス(HIV)に感染した人と、エイズを発症した患者の合計数は、過去最多の417人。15年前に比べて8倍に増えた。一方、感染の有無を調べる検査の受診者数は、伸び悩みぎみ。危機感を抱く都は、今年から始まった「検査普及週間」(1〜7日)に合わせ、啓発に力を入れる。(池田孝昭)
 「感染者は、実際には報告数の4〜5倍はいる。エイズ患者が増え続けているのは先進国では日本だけ。爆発的な流行につながるおそれがある」
 新宿駅南口にある都南新宿検査・相談室で、10年近く検査に携わる医師の山口剛氏(73)は指摘する。
 都内で検査を受け、感染や発症が明らかになった人は年々増え続け、90年の51人から昨年は417人になった。すでに感染が分かっている人も加えると計3938人で、全国の感染者の累計約1万1000人の4割になる。
 一方、検査そのものの受診者数は、社会問題化した92年に3万1千人以上だったのが、昨年は2万2千人。休日に検査をしたり、即日で結果が分かる検査も実施したりするなど様々な工夫が奏功し、ここ数年、増加傾向にはある。ただ、「手は尽くし、頭打ちになりつつある」と都の担当者は懸念する。
 HIVの増殖を抑える薬物治療の進歩で、エイズは致死的な病気ではなくなった。それだけに早期発見が重要だが、山口氏は「安心してしまっているのか、関心は薄れている」と嘆く。
 昨年、新たに感染が分かった人の9割は日本人男性。6割が外国人だった92年から状況は大きく変わった。感染源は同性間の性的接触が目立つ。
 年齢別では20代、30代が72%を占め、HIV感染の危険性が高まるクラミジアなどの性感染症の若者が増えていることも懸念材料だ
 一方、全国では昨年1年間にHIV感染832人、エイズ患者367人が新たに報告された。合わせて過去最高の1199人となり、2年連続で千人の大台を超えた。

「先進国では日本だけ」というフレーズが目立つ。

不登校を放置しているのも先進国では日本だけだし、公務員比率が低いのも先進国では日本が群を抜いている。何かがおかしい国なのだ。

自分としては、教育にせよ何にせよ過去の日本に回帰することが大事だと強く思っている。江戸時代中期から末期にかけての海外との距離の取り方、明治維新から大東亜戦争までの欧米列強に対する防衛戦略。国民性自体はさほど変わっていない部分もあろうが、決定的に違うことは『公共心』であろう。

現代日本では『公共心』などは損得勘定からいって捨て去られ、個人の『私心』ばかりを尊重するのが特徴的である。

日本はあまりにも長く、アメリカの軍事力に依存しすぎてしまったようだ。日本国民の多くが「アメリカにお任せ」の時代を生きてきた。70歳代の祖父母の世代ですらそんな人が多くいて、すでに今の高校生、大学生などは『日系アメリカ依存症候群3世』なのである。このことは、日本の将来の展望を大いに暗くしている。

エイズの問題も、「年齢別では20代、30代が72%を占め」ている。このことは、単にその世代だけの問題ではなく、その世代に対する教育を担った世代に大きな責任がある。多くの親や教師は、放任していたのだ。

こんな日本の構造を立て直すためには、やはり教育しかないのである。しかし、誤った教育政策を5年続けたら、その尻ぬぐいには50年はかかるだろう。民主主義というものは時間がかかるものなのだ。教育基本法に「愛国心」という文言を入れるかどうかなんてことは、まったくもって枝葉末節の議論だ

このように考えると、もう自分の生きている間に安心できる日本社会に戻すことなど、夢のまた夢。自分はもう諦観(ていかん)の境地である。愚かな亡国、戦後日本のことを憂えていると、悲しくなり怒りを覚え、最後には国民大多数の愚かさを笑うしかない。

諦観しつつも、自分の目の前の小さな仕事だけは、まっすぐにやっていくしかない。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

関連記事:黒く塗りつぶされたサイエンス(狂牛病問題)
     「小さな政府」という欺き
      など多数。

Posted by 奥田健次 教育社会 |

2006.05.26

現職教員にも教員免許更新制度の可能性が

現職教師に対してもメスが入ることになりそうだ。

自分の仲間の教員なんかは、喜んでるよ。少数派だけども。

この最新記事。

教員免許更新、文科省報告「現職適用も法的に可能」
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060526i204.htm
(YOMIURI ONLINE)

 教員免許更新制について検討してきた中央教育審議会のワーキンググループは26日、更新制を現職教員にも適用すべきだとの報告書案をまとめた。
 近く中教審教員養成部会に提出する。中教審が今夏にも示す答申は、全国約100万人の国公私立の現職教員に免許更新制を適用する方針が盛り込まれる見通しとなった。
 文部科学省はこの日、現職教員への適用は「法的に可能」とする見解を同グループに提示した。
 これを受け、報告書案では「国民の期待に沿う公教育を実現するためには、恒常的に変化する教員としての資質能力を担保する必要がある」と指摘。その上で、「現職教員にも一定期間ごとに講習の受講を法的に義務付け、修了しない場合は免許が失効する制度には、必要性と合理性がある」として現職教員への適用を提言した。
 現職教員への適用は、当初、同グループなどが「不利益変更につながる」として見送る方向で議論を進めていた。
 しかし、メンバーから「保護者や国民の期待に応えるには、現職教員にも実効ある取り組みが必要」との意見が出たため、昨年末の中間報告では、更新制の導入を決め、現職教員への適用について「さらに検討が必要」としていた。
(2006年5月26日13時46分  読売新聞)

いや、これは良いんじゃない? まあ日教組なんかが思いっきり反発するんだろうけども。

ほら、昨日の記事で提言したばかり。児童生徒の問題行動に対する処罰を厳格化するならば、教師に対する縛りもさらに厳格化せよと。

あと一つだけ、何かが足りない気がしない?

それはね、「保護者と国民」に対する縛りである。「保護者や国民の期待に答える」だけじゃいかんよ。

残念ながら、戦後日本は戦前のようなモラルは崩壊してしまった。したがって、良心に委ねるようなことは、もはや無責任。無理。子どものことを『良心』ではなく、『両親』に委ねてしまっている。これでは駄目だ。

自分はずっと主張し続けていることだが(例えば、『フリースクールで不登校をごまかすな』『子宝思想』など)、日本における教育法において改正すべきところは、罰則規定を設けることだ。たとえば、現在の義務教育では「義務」と言いつつ、それを履行できなかったとして何の責任も処罰もない。

例えば、こんな風にすればよい。

正当な理由なく月5日以上欠席した児童生徒の保護者は、ただちに家庭教育相談所に出頭し、8時間の家庭教育研修を受けなければならない。期日内に出頭しない保護者は、家庭教育相談所の命令により、その児童生徒を一時保護処分とする。

こんなようにするだけで、驚くほど不登校数は激減するのだ。残すところの不登校は、学校側に明らかな問題がある場合。しかし、これらも圧倒的加害者の児童生徒には処分できる規定ができるわけだし、アホな教師も処分できる規定ができるわけだ。だから、本当に残る不登校の児童生徒は、病院に入院しなきゃならんほどの少数派だけ。

まあ、しかし。いつものことだが、教育のことについては居酒屋のオッサンでも論じられる。ブロガーもお手軽に、賛成だの反対だの言える。

アホな教育思想家なんぞは、すぐに「何でもかんでも罰則で規定するのは問題だ」と言う。「道徳心を育てることこそ、肝心なこと」などと綺麗事を並べる。まあ、そんなことは自分の部屋に閉じこもって、一生言ってなさい。根性の一つでもあるのなら、新宿の歌舞伎町あたりで同じことを言い続けてみろよ。

行動科学、そしてエビデンスに基づいた教育方法こそ必要なのだ。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

関連記事:
処罰されたアウトロー生徒の行く末は?
蔓延する携帯電話依存症
東京へ講演に行きます
フリースクールで不登校をごまかすな
子宝思想
      など。

Posted by 奥田健次 教育 |

2006.05.25

処罰されたアウトロー生徒の行く末は?

よーく考えて。何が教育で、何が教育でないのか。

問題行動:児童、出席停止も…厳格化へ報告書 文科省など
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20060523k0000m040093000c.html

 児童生徒の指導のあり方を調査・研究していた国立教育政策研究所生徒指導研究センターと文部科学省は、問題行動を起こした小中学生を出席停止とするなど厳格な対応を求める報告書をまとめ、22日公表した。高校生には退学や停学などの懲戒処分を実施して学校秩序の維持を図る内容。全国の公立小中高校生の暴力行為が98年度以降3万件前後で推移するなど問題行動が相次いでいるのを受け、センターなどが生徒指導の厳格化を軸に見直しを進めていた
 各地で相次ぐ少年事件を受け、昨年11月から生徒指導体制の強化策を提言するため、センターなどが大学教員や弁護士、PTA理事や保護司など15人の協力を得て審議してきた。
 報告書は、生徒指導の基準や校則を明確化し、入学後の早い段階で児童生徒や保護者に周知徹底する。そのうえで、学校側は毅然(きぜん)とした指導を粘り強く行うよう提言。具体的な指導方法として、小さな問題行動から注意するなど、段階的に罰則を厳しくする「段階的指導」を挙げている
 現在の公立小中学校では、学校の秩序が維持できないほどの問題行動を起こす児童生徒がいたとしても、停学や退学などの処分は認められていない。報告書は「居残り」「清掃」「訓告」などの懲戒や出席停止制度の活用、高校などでは停学・退学処分の適切な運用を求めた。
 小中学校の出席停止制度は、他の子どもの学習権を保障するため、市町村教委が適用。学校教育法の改正(02年1月施行)で出席停止の要件が明確化されるなど適用しやすくなったが、中学校では02年度37件、03、04年度ともに25件の適用にとどまり、小学校では02年度以降1件もない。【長尾真輔】
毎日新聞 2006年5月22日 21時16分 (最終更新時間 5月23日 1時15分)

基本的に、厳格なルールを定めておくことについては、よい方向性だと思う。

しかしね、それだけじゃ不十分なんだよ。

どうしても殴りたくなる教師っているのだ。

まずは指導方法論としても相変わらず具体性を欠いている。「具体的な指導方法として、小さな問題行動から注意するなど」って何? どのように注意するの? 小さな問題行動って何? 下手すると、その注意の仕方のせいで、起こらなくても良い大きな問題行動が起きてしまう。こんなことって、本当によくあることだよ。こんな場合でも、子どもにだけ責任を問うの?

簡単に「児童生徒の問題行動」っていうけど、行動って相互作用なのだ。何もないのに、行動だけが生じるとは心理学的(行動科学的)には考えられないことなの。だから、行動を起こした主(あるじ)だけを犯人にしても仕方がないわけ。

もちろん、教師を殴ったり器物損壊したりした場合は、それ相応の償いをしなければならない。それも教育である。

こうした罰則制度を改正するならば、教師や管理職への評価を今よりもっと厳格にするべきだ。

それから、退学はもちろん停学後の自主退学などした生徒の『受け皿』をどうするか。学校内の秩序を維持するために、いわゆる困った生徒を追い出すだけでは、あまりに無責任ではないか。社会の秩序は? 追い出された生徒の行く末は?

そんなことで少年事件って少なくなるわけないだろう。なぜなら、学校からの追い出しは教育ではないから。むしろ、教育者側が「私共の力では、あなたを社会人にすることは不可能です」と言っているだけ。繰り返すが、これは教育ではない。

『受け皿』を考えて欲しい。昔はあったでしょう。アウトローな生き方って。学校で喧嘩してドロップアウトしたけど、今はこうやって生きてます、みたいな。

はっきり言って、自分もかなりアウトローだった(今でもね)。高校までそれなりに悪かったので、大学に行くことになったのも遅かった。大学院に行くまでの間に、たまたまボスのような恩師らとの出会いがなければ、今頃何をやっていたか。

こんな時代だ。アウトローは、フリーターかニートか、夜のサービス業、はたまた犯罪に手を染めるかしか道は残されていないのか? アホな教師ばかりの学校ならば行かないという選択をしたとしても、アウトローなりの社会適応の道を用意しておかなければいかんのだ。

ホント、いじめの問題を知ってて知らんふりする教師なんぞに出会ったら、自分なんか今でも殴りたくなるもんね。

子どもの問題行動についての見直しは、かなり反響のあった 過去の記事で紹介した図書なども読んでみてほしい。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

関連記事:
東京へ講演に行きます
困った子どもとのかかわり方
殴る小学生と殴られる大人
文学的表現で不登校をごまかすな
子どもを上手く育てるために
子どもはストレスに強いのだ
教育の常識は非常識
      など多数。

Posted by 奥田健次 教育社会 |

2006.05.18

蔓延する携帯電話依存症

携帯電話のことだと、ちょっと辛口になる。この国の行く末を心配してほしい。

中2の3割「毎日メール」1日200件以上の子も
(05/18 05:59:Sankei Web)

 中学2年生の31.2%が携帯電話やパソコンでほぼ毎日メールし、うち4.0%は1日200件以上、送受信している—。日本PTA全国協議会が携帯電話の利用状況などについて行った調査で、こんな結果が出た。ほぼ毎日メールする小学5年生は3.9%だった。
 携帯電話を「持っている」のは小5で4人に1人だったのに対し、中2はほぼ半数。中2の場合、平日の使用時間が3—5時間は全体の6.1%で、5時間以上も5.3%に上った。
 携帯電話の良い点を保護者に聞いたところ、「子供といつでも連絡がとれる」が70.7%、「子供がどこにいるか確認できる」が62.4%(複数回答)に達し、子供の安全確保に携帯電話を重視していることが分かった。
 一方、心配な点は「使用料金を無駄遣いする」(50.6%)、「子供の交友関係が分からなくなる」(35.4%)が多かった

これって、保護者が対象の調査でしょ? 実際には親の知らないところで子どもはもっと使用してるだろう。

当ブログでは、携帯電話と子どもの問題について何度も警鐘を鳴らしてきたが、こんな調査結果をみるにつけ、親の多くがいかに愚かであるか嘆かざるを得ない。

「子どもといつでも連絡がとれる」「子どもがどこにいるか確認できる」ことが良い点だと!?

本当に情けない。ここまでコトの本質が見えなくなってしまっているとは。

あのな、子どもとすぐに連絡が取れないような親子関係、子どもがどこにいるか確認しなきゃらなんような親子関係が、すでに問題なんだよ。

親が「良い点」として考えていることの本質が、実は最悪なんだ。そして、それに多くの親は気付いていない。コトの本質がワカラン奴らは『本末転倒』ばかりを繰り返す。今の社会、こんな奴らが真顔で横行してるんだ。

「心配な点」は使用料金か。まったくカネの心配だけは一人前だな。もっと他に心配するものがあるだろう。

「子どもの交友関係が分からなくなる」という心配。そりゃあそうだろうな。交友関係だけでなく、さらにさらに子どもの頭の中身も分からなくなるだろう。つまり、子どもが何を考えているのかサッパリ分からない状態。

はいはい(嘆息)。

援助交際という名の売春も、ドラッグも、リストカットも、殺人も増えていますよ。

親は愚かな消費者であることは自明のことだが、金儲けしか考えない企業、そして携帯電話を規制することもできない政治家は無節操な奴らだ(『携帯電話を規制する』を参照されたい)。

何でも自由。そんなヴィジョンの無い大人が招いた結果だ。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

関連記事:
高校生意識調査にみる戦後教育の誤り
携帯電話中毒者の事例
子どもに携帯を持たせないマドンナは賢母
泥酔客を飛行機に乗せるなかれ
簡単に人を殺してしまう理由
携帯電話が、子どもの安全を守るか!?
携帯電話を規制する
     など。

Posted by 奥田健次 教育社会 |

2006.05.15

リトルワールド

先週末は職場の行事などもあって、なんと研究室泊を1週間で3日も。当然、新記録樹立だ。

機内泊で海外から帰ってきて、そのままだったからね。さすがに今、頭痛がひどくなってきたので、カッコントウをひと飲みじゃ。風邪のひき始めにはカッコントウなのだ。

週末の仕事はフレッシュマンセミナー。新入学生と教員の親睦を研修を通して行う目的。まずは愛知県犬山市にある野外民族博物館リトルワールドというところへ。最悪の天気だったが、なかなか面白いコンセプトである。世界の文化を集合させていて、食事も各地のものを楽しめる。お土産もそのまま現地のものを買うことができる。グローバリズムなんぞ不要って感じだ。

まず最初に思ったこと。「なんや、こんなええのがあるんやったら、愛・地球博なんか要らんかったやん」ってこと。人混みのエキスポなんぞより、よっぽどゆっくり楽しめると思う。

自分らは、最初にドイツ村に。ソーセージにビールという感じだが、夕食のBBQで食べるやろうからスルー。続いて隣のフランス村。エスカルゴを焼く陶器が、たこ焼き焼き機そっくりやん。そして、イタリア村。イタ飯なんてリトルワールドでなくても食べられるので、ジェラードに後ろ髪を引かれつつスルー。ただし、最初から決めていたイタリアの貸し衣装コスプレは実施。

Italiano_1 こんな感じ。イタリアのカーニバル衣装だ。チャオ、ベッラ!

そろそろ腹も減ってきた。自分らはお目当てのアフリカ村へ。ここでは、ワニダチョウを食べることができる。もちろん、自分は両方平らげた。

途中、フルーツ村にも寄りたかったが天候も悪いためスルーして韓国村へ。ここでチヂミを食べる。そして、ホット柚も飲む。

それから台湾村へ。台湾村のタピオカティーを狙っていたのだが、やはり美味。デカストローで、シュポンシュポンと黒タピオカを吸い上げる。慌ててバキュームすると気管に飛び込むのでご注意を。

最後にもう一度、ドイツ村に戻って木製玩具を購入してタイムアップ。

また行ってみたいなあと。それまでにロシア村を作ってほしい。ピロシキ&ボルシチを食べたいから。それから北朝鮮村は? 中国村も無かったが。台湾はあるけどね。なんか素敵な意味でもあるのかねぇ。北米といえばインディアンの家しか無かったのも意味ありげ? ま、自分には居心地が良かったよ。

人混みが嫌いで愛知万博に行かなかった方にはお勧め。職場の学食も、こんな感じにすりゃあ楽しいのに。A定食とかB定食ってやめたほうがよい。『アフリカ定食』『ベナン定食』『クロアチア定食』で、ABCのほうがよろしい。

それにしても疲れた。なのに、今日もまた研究室で宿泊するのだ。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

関連記事:
お気遣い、すみません。
CTスキャン、その後。
CT、初体験。
二夜連続なり…
とにかく今年度は…

Posted by 奥田健次 教育 |

2006.05.12

東京へ講演に行きます

国立成育医療センター(東京都世田谷区)にて講演を行います。一般の方も参加できます。

テーマは不登校。この現代日本らしい社会問題について、バッサリ斬ります。この研究会は相談会ではありませんので、間違って相談にお越しにならないようお願いします。

むしろ「子育て」や「教育」の問題です。これまでの精神科医や心理臨床家の間違い、教育学者の間違い、マスコミ論調や世論の間違いすべてを斬る時間は無さそうですが、自分が提案する具体的なアイディアがどれほど従来のものとかけ離れているか、そしてどれほど効果があるのか当日のプレゼンテーションから理解していただけると思います。よくありがちな抽象的なことを提案するつもりは一切ありません

今回は時間の都合上、不登校を解決する話をする時間が無いので、不登校を予防するアイディアを提案する予定です。したがって、慢性的(長期的)な不登校の問題をかかえた方には耳の痛い話ばかりになるかもしれません。慢性的な不登校の解決方法についてもたくさんの事例がありますが、それらはまた別の機会に。

医師、心理士、教師、児童相談員、保健師など専門職の方々、教育問題に関心のある方、学生、そしてまだ我が子を不登校にしていない保護者など、多数の方のお越しをお待ちしています。

— 第4回テーマ別研究会のご案内 —
<テーマ>学童・思春期の問題と不登校はこう解決する!

子どもの心・体と環境を考える会(日本子ども健康科学研究会:Japanese Society of Health Science for Children)」は、<子ども>をキーワードとして医療・教育・保健・福祉・看護・心理等の様々な分野の研究者・臨床家からなる広範囲な学際的研究団体であり、未来ある子どもたちのために臨床・実践に役立つ研究を目指しています。

当研究会では年1回の学術大会とは別に、年に数回のテーマ別研究会を開催しております。

今回は、現場で役立つ具体的な考え方や技法に焦点をあてた上記テーマを選定いたしました。学校で起きる子どもの問題に対して、連携をとりながら確実に解決している実践家の先生方にその具体的な活動を通し、問題のアセスメント・解決方法・連携について討論したいと存じます。「保健室の実践活動」について宮崎恵美先生(東洋英和女学院 中等部 養護教諭)、「教育相談室の実践活動」について長谷川智子先生(清真学園中学校・高等学校 体育教師 教育相談室長)、「不登校にしないためのアイデア」について奥田健次先生(桜花学園大学 人文学部 助教授・臨床心理士)に講師をお願いしております。

なおテーマ別研究会は、当研究会の会員以外の方もご参加いただけます。ご興味のおありの方々をお誘いあわせの上、お申し込みくださいますようお願いいたします。

<テーマ>学童・思春期の問題と不登校はこう解決する!

座長:大矢幸弘先生 国立成育医療センター アレルギー科医長
1.『保健室での実践活動』
(宮崎恵美先生 東洋英和女学院 中等部 養護教諭)
2.『教育相談室での実践活動』
(長谷川智子先生 清真学園中学校・高等学校 体育教師 教育相談室長)
3.『不登校にしないためのアイデア』
(奥田健次先生 桜花学園大学人文学部 助教授・臨床心理士)
4.ディスカッション

日時:2006年6月24日(土) 13:00〜16:30
参加費:正会員2,000円、学生会員1,000円、非会員6,000円
場所:国立成育医療センター 研究所(研究棟2階セミナールーム21・22)
〒157-8535東京都世田谷区大蔵2-10-1
交通:小田急線「成城学園前」下車→「渋谷駅行き」バスで10分
東急田園都市線「用賀」「二子玉川」・東急東横線「都立大学」からもバスあり

申し込み方法:
会場準備の都合上、事前申し込みとさせていただきます。申し込み用紙をファックスにて送信下さい。E-mail(goto-k@ncchd.go.jp)でも受け付けております。申し込み受付け後、折り返し事務局より詳細をご連絡いたします。尚、添付ファイルが開かない場合も事務局にご連絡ください。郵送にてお送りいたします。

「4.doc」をダウンロード

添付ファイル(ワード形式)は上記をクリック。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

Posted by 奥田健次 教育お知らせ |

2006.05.06

iPodで「どこでも授業」!?

eラーニングは時流ではあるけども。ちょっと違うだろう。

iPodで「どこでも授業」、NECが新システム
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20060505ib02.htm(YOMIURI ONLINE)

 NECは、アップルコンピュータのデジタル携帯音楽プレーヤー「iPod(アイポッド)」に学生が授業の動画などを保存し、時間と場所を選ばずに「受講」できる教育用システムを5月末に発売する。
 講義の動画などを学生がダウンロードすれば学校側に通知され、「出欠」状況も管理できる仕組みだ。大学や専門学校、塾、予備校、小中学校などに売り込む。
 システムは、学校側が授業の動画やリポートの課題などをサーバーに登録する。
 学生は情報をパソコンにダウンロードしてiPodに転送し、通学途中や自宅などで動画を見ることができる。ダウンロードする際にIDとパスワードの入力を求めるため、学生の「出席」状況を学校側が確認できるのが特徴だ。
 システムは470万円(税抜き)で、3年間で計100本の販売を目指すという。
 パソコンやネットを利用した学習方式(eラーニング)は国内外の大学などで広がっており、NECは若者に人気が高いiPodなどを取り入れた教育用システムの販売を強化し、学校現場での普及を目指す。
(2006年5月5日11時42分  読売新聞)

eラーニングがフィットする学習というものがある。それは、学習者に自発的な反応を求め、その正誤を即時にフィードバックし、一定の達成基準に到達するまでこれを繰り返していくスタイルである。つまり、何かを暗記したり、文字の読みを修正したり、第二言語の習得であったり、そういった課題で効果を発揮するものではないか。

今回想定されている「授業の動画」を学習者が見るだけで、本当に「学習」を促進するのだろうか、甚だ疑問である。ここでいう「学習」とは、机に向かって勉強するという意味ではなく、心理学でいうところの「学習」である。

先生の講義を「聞いているだけ」で、学習が保証されるものではないだろう。それを、授業の動画をダウンロードしただけで「出席が確認できる」という発想も単純すぎる。さすが『不登校大国・日本』だ。

自分の好みとしても、一般の講義をビデオで見せることには抵抗感がある。ブラウン管を通しては、その場の空気が読み取れないことが多いからだ。

どちらかというと、自分はいろいろな人に自分の講義を公開したいと考えているほうだ。生の講義では、クラス内の雰囲気などを察知しながら、説明を追加したり例え話を出したりできる。またその都度、必要なときに質問を求めることもできる。その他、学生の集中や疲労の度合いを見て、ほどよく雑談を入れることもできる。などなど、他にもライブならではの配慮が可能だ。

つまり実は、生の授業とは一方通行のものではなく、学生と教師との相互作用なのである

学生にも講義のちょっとした緊張感を味わってもらいたい。残念ながら、最近の学生は平気で授業中にトイレに消えていく輩も増えているようだが。嘘でもいいから、もう少し申し訳なさそうに退室すればいいのに。自分は、自分の講義の動画を、ウンコしながら聞いて欲しいとはあまり思わない(トイレで本を読む人が意外に多いようなので、トイレ内学習には一定の効果があるかもしれないが;笑)。

ちょっと講義に飽きたからといって、動画を一時停止してサザンオールスターズを聞いてリフレッシュするのもどうかと思う。最初は真面目に講義を受けていても、携帯メールが着信すれば携帯を見てしまうかもしれない。電話が鳴れば出てしまうかもしれない。それでも「出席」? それから「遅刻」という概念も無くなってしまうではないか。「早退」も自由だし。

こんなサイバーな学習を受けて育つ学生って、どんな将来像なのだろう。

そもそも、何かを学びたいなら山野を巡って師の庵を訪ねるのが学習者の姿勢であって、「どこでも授業」なんぞ「いつでも挫折」である

いずれにしても、eラーニングではどんな学習が効果的で、どんな学習には不向きなのか、実験的に明らかにしていく必要があるだろう。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

Posted by 奥田健次 教育 |

2006.04.22

入寮させられた男が外傷性ショック死

やりたいことは分からないでもないが、いくつか基礎的な問題がある。

NPO施設で男性死亡、入寮直後から拘束続く 名古屋
2006年04月21日21時27分
http://www.asahi.com/national/update/0421/TKY200604210312.html

 引きこもりなどの若者らを支援するNPO法人「アイ・メンタルスクール」の名古屋市北区の寮で入寮者の無職男性(26)が死亡する事件が18日あった。愛知県警の調べでは、男性は断続的に何らかの道具を使って手足を拘束されるなどしていた疑いが強く、県警は職員らから事情を聴くなどして、逮捕監禁致死容疑などで調べている。
 男性は東京都世田谷区に住んでいたが、14日、家族が入寮させた。その直後から、たびたび暴れたり職員に暴力を振るったりし、職員らが押さえていたという。
 男性は18日朝、1階の大部屋でぐったりしているのが見つかり、病院で死亡が確認された。両手足などに多数のすり傷や打撲の跡があった。司法解剖の結果、死因は外傷性ショックだったが、致命傷とみられる傷はなかった。このため、県警は、男性が暴れるたびに断続的に拘束が繰り返されたことが、死亡につながった可能性があるとみている。

まず、問題の一つ。本人の意思ではなく、家族が入寮させたこと。逆にもっと年齢が低ければ適応する可能性もあるのだが、26歳にもなる息子を『家族が入寮させた』というのが大きな間違いである。無理矢理、入寮させる年齢ではないだろう。今頃そんなことをするくらいなら、もっと早くからやっておくべきであった。

もう1つ。こうした民間での教育的行為は透明性が重要である。隔離された現場では、何が行われるか分からない。福祉施設にしても学校教育(個別指導)にしても、他人の目の無いところでは、人間はブレーキがかからなくなる場合があると考えておいたほうが良い。いつでも誰でも覗くことのできる環境にしておくべきだったのだ。あるいは、防犯カメラを回し続けることも有効である。

クライアントや利用者を守るために、そして自分自身を守るために、隔離された空間での指導はできる限り避けなければならない。自分が関わってきた施設では、保護者に対していつでもアポイント無しで見学に来てもらえるよう伝えてきたし、施設職員に対しては「利用者がこう暴れたら、こうすればよい」などと具体的な支援方法を手ほどきしてきた。そして、こうした暴力に対する対処方法は必ず文書化してきた。

第三者の目から隔離された「アイ・メンタルスクール」の事件は、起こるべくして起こった事件と考えてよいだろう。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

関連記事:親の子殺し、子の親殺し。
     など。

Posted by 奥田健次 教育 |

2006.04.20

困った子どもとのかかわり方

先日、ある親御さんから「保育士や学校の先生に読んでもらいたい行動分析学の入門書は無いですか」と質問された。

自分は迷わず、河合伊六(著)『困った子どもとのかかわり方−行動分析による新しい保育・教育』川島書店 をお薦めした。

これは現場の実践者には、間違いなく読みやすい教科書である。言うことを聞かない子ども、ことばの遅れのある子ども、不登校の子ども、さらには「キレる」子どものことなど、最近よく出会う(目に浮かぶ)事例を取り上げつつ、行動分析学(Behavior Analysis)の基礎原理を学ぶことができるからである。

行動分析学では、いわゆる「問題行動」を起こしている子どもを目の前にしても、問題の原因を子どものせいにしない。子どもの内的要因に原因帰属させず、徹底的に環境との相互作用に焦点を当て、そこにアプローチするのが特徴である。

内的要因とは、たとえば「ストレス」とか「攻撃性」「衝動性」「認識」「依存心」「責任感」「やる気」「向上心」などなど。これらは、『仮説構成概念』といって「ありそうだが、どこにもないもの」なのだ。「どこにもないもの」を、「強い」「高い」だの「不足している」「未熟」などと論じたところで、何の役にも立たない。時間の無駄だ。時間の無駄どころか、害のある場合すらある。「思い込み」は間違いを生みやすい。

だが、世の中ではこうした仮説構成概念を用いた評論が横行している。教育の専門家ですら、そうである。マスコミに出てくる知識人だろうと、学術大会に来ている著名な教育学者であろうと、世間で行われている自由な評論と大差はない。自分が、『居酒屋のおっさん話』と呼ぶゆえんである。

この仮説構成概念が、さも「あるかのように感じる」のは、ある種の行動の頻度が多すぎたり少なすぎたりする特徴を持つからだ。その特徴を、仮説構成概念で説明する(レッテルを貼る)のが、人間の習慣になっているだけだ。学術的な根拠を知りたい人は、『ことばと行動−言語の基礎から臨床まで』の拙稿を一読いただきたい。

行動分析学(または徹底的行動主義)では、こうした仮説構成概念を用いて行動の原因を説明することを避ける。思い込みによる解釈を徹底して排除する。その代わりに、科学的に洗練された実験方法を用いて、ある行動とそれに影響を与える環境因子の因果関係を探りながら、応用の分野(教育や福祉など)では問題の解決に役立つ手立て(変数)を明らかにしていく

やや、小難しいことを書いてしまったかもしれない。だが、本書『困ったこどもとのかかわり方』は上記のような行動分析学からの視点を、うまく織り交ぜている。

数年前、著者の河合伊六先生と学会で直接お会いした際、この本のことについて話をすることがあった。自分は「分かりやすい良い本なので、保育研修とかで教科書として使っています」と報告した。すると河合先生は開口一番、「あの本、タイトルを失敗しました」と仰った。「『困った子ども』じゃなくて、『困った教師・親』なんだよね」というようなことを言っておられた。さらに言えば、『困った教師・親』でもなく、『困った相互作用』ということだったのだろう。それにしても、河合先生はもう大御所も大御所なのだが、ビックリするほど柔軟かつブレないお方である。自分のような小御所も、こうした「柔軟かつブレない姿勢」を理想としている。

河合先生の意図を推し量って、奥田流に本書のタイトルを書き換えるとすれば、『いわゆる「困った子」と呼ばれる子どもとのかかわり方』で良いのではないだろうか。実際に、家庭や教育現場では、親や教師が主観的に「困った」と感じることがあるのは事実なのだから。

いずれにしても、本書が悩める親・保育士・教師にとって助けとなる部分は大きいと、今なお考えている。行動分析学を知らない人にとっては、きっと「目からウロコ」となるはずだ。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

関連記事:
殴る小学生と殴られる大人
文学的表現で不登校をごまかすな
子どもを上手く育てるために
子どもはストレスに強いのだ
教育の常識は非常識
    など多数。

Posted by 奥田健次 教育学ぶこと |

2006.04.17

大学3年生にではなく、30歳代社会人に頭を下げよ。

ずっと前から分かっていたことなのだが。団塊世代教師が一斉に定年することによる問題。

そもそも、少子化が顕著な社会問題になって『教師余り』だった時代に、それでもあえて団塊世代の一斉退職に備えてコンスタントに教員採用をしておくべきだったのだ。

自分らの頃、公立教員になるなんて競争率が15倍とか20倍だったから、みんな無理って諦めていた。教員養成系大学を出て(もちろん教員免許も取得して)、一般企業に就職するしかないムードだった。自分は最初から教員になるつもりはなかったけれども。

自分ら学生の頃は、

友人「団塊世代が退職したら、また誰でも教師になれる時代が来るよな」

自分「せやな。でも、ええんちゃうの。ゆとり世代の教師がゆとり採用されてゆとり教育をやるんやろうな」

などと揶揄(やゆ)したものだが、とうとうそんな日が来たわけだ。

(以下、引用)

団塊世代引退へ大量補充 「先生」争奪戦激化
2006年04月17日00時44分(asahi.com)
http://www.asahi.com/life/update/0417/001.html

 団塊世代の大量退職を目前にして、各地の教育委員会が「先生」の確保に躍起になっている。とりわけ都市部では、現職教員の「引き抜き」から、試験科目の削減まで、なりふり構わぬ争奪戦の様相だ。15日には東京都が大阪に、大阪府が東京に、それぞれ乗り込んで説明会を開いた。

 ●「敵地」で説明会
 「今や教師の平均年齢は45歳を超え、40代以上の先生が7割以上を占めています。ベテランの先生が退職した後の大阪の学校を担うトップランナーとして、みなさんに期待しています」
 15日午後、東京都中野区で開かれた大阪府教委の教員採用試験の説明会。教職員人事課の兵庫将夫参事は、集まった約200人の学生らに秋波を送った。その後の討論会では、採用2年目の若手教師が面接のこなし方などの秘策まで披露した。時をほぼ同じくして東京都教委は、大阪市で「東京都の教師の魅力」を力説していた。
 東京都は03年から大阪で、大阪府は04年から東京での説明会を実施。今年はついに同日開催となった。
 大阪府は東京、名古屋、広島に加えて今年から高松市にも遠征。愛知県も負けじと、東京、大阪での開催に踏み切った。千葉県は東北、北海道の大学まで求人に出向く。都教委では、2年ぶりに仙台市でも説明会を開くほか、大学3年生を対象にした説明会をこの秋、都内や近隣の大学で始める。
 「争奪戦」の背景には、団塊世代の大量退職がある。東京都では08年度をピークに今後10年、毎年2000人以上のベテランが現場から去る。都教委は、「大量退職で競争倍率が低下すると、教員のレベルダウンを招かないか」と心配する。
 小学校では、採用がわずか129人だった96年度は競争率は15.3倍と「狭き門」だった。ところが、大量退職に備えて05年度に1425人を採用した結果、倍率は全国最低の2.5倍に。採用数が多い首都圏や大阪、愛知など大都市部は当然、低くなる。一方、採用数が50人に満たない福井、高知、島根では20倍を超える。
 都の試算では、児童数は10年度まで増え続け、必要な教員数は08年度に小学校だけで1800人。受験者が横ばいだと、競争率は2倍程度が続く。都教委は「2〜3倍では試験に緊張感も出ない。5倍は欲しい」と危機感をあらわにする。

 ●試験楽にし引き抜き
 大学生だけではとても足りず、都教委は、他の自治体などで働く現職教員の「引き抜き」を強化。小学校では今回の試験から論文を免除し、面接試験だけにした。
 年齢の上限も40歳から45歳未満に。教員経験者や社会人に対する特例も広げ、「即戦力」の補充をはかる。50代が3割、30代は2割弱という、いびつな年齢構成を是正する考えだ。
 一方、近隣の反発を買いながらも、04年度に「引き抜き」特別枠を設けた大阪では、「受験生の負担軽減」に踏み切った。小学校の筆記試験の教科を7教科から4教科に減らし、音楽の実技はピアノ演奏をやめ、歌だけにした。
 文部科学省によると、全国の小学校の教員採用試験は、競争率が00年度の12.5倍から下がり続け、05年度は4.5倍。05年度の採用試験では、現職教員や教職経験者に対し、17自治体で一部試験を免除し、33自治体で年齢制限を緩和した。

(引用ここまで)

今の教育委員会というより、当時の教育委員会はじめ教育行政の無策ぶり、問題の先送りぶりのお陰で、こんなザマである。

この期に及んで、という感もあるが。教育委員会が大学生を相手にウェルカムという姿勢もだらしない。力を入れるところを変えてみよ。大学回りよりも企業回りをすべきだ。

自分は、社会人枠の採用を拡大する路線を強化するべきだと考える。今のところ、社会人を特例として採用していこうとする動きはあるようだが、まだまだ不十分だろう。給与面(退職金の問題を含む)など、相当に厚遇するべきだ。

講演などで呼ばれて学校に行くと、まれに一般企業に就職経験のある教師に出会うことがある。やはり30歳代の教員が多い。すぐに「ああ、彼らは教採(教員採用のこと)冬の時代やったんやな」と推察しつつ、話をしてみるとやたら話が噛み合う。でも、彼らは自他共に認める“教育現場の浮いた存在”なのだそうだ。それも十分、想像できる話である。

教育現場で浮いてしまう彼らだが、そんな社会人経験者たる教師はなかなか貴重な存在たりえる。特に、30歳代。実際、現在の教育現場には30歳代が「2割弱」。一方、7割以上を占めているのが40歳代以上の世代。ここに、なりふり構わず22歳大卒を大量採用しようとする相変わらずの無策ぶり。現場は、50歳代と20歳代ばっかりになっちまうぜ(それでまた40年後に同じことが繰り返されるのか)。ぼやき。教育行政って、どうして5年先、10年先、半世紀先のことを考えられんのかねえ。その場しのぎを繰り返すのは、そろそろやめようぜ。

極論してみよう。教育行政は、教員養成系大学卒の学生を簡単に採用しようとするな。たとえば、社会経験歴条件を設けてみる。つまり、「社会経験ゼロ」を「ゼロ免許」とみなす。教育行政も大学側も、学生をどんどん一般企業に送り出すことを支援する。

教員免許制度自体を改革することも一案。大学卒後、社会経験を一定期間積んでからでないと教員免許を取得できないように。大改革すぎて無理だろうか。それならば、やはり待遇で差をつけるしかない。一般企業で5年経験して教員採用された者には、新卒採用教員の同年齢の1.25倍の生涯所得。10年経験者は1.5倍の生涯所得。

数字は適当だが、尻ぬぐいにはこれくらいのアイデアが必要。とにかく、社会経験を積んだ教員は、結構使えますよってこと。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

関連記事:
整備士OBが若手に技術伝承することに。
「ゆとり教育」を継続する亡国、日本。
     など。

Posted by 奥田健次 経済・政治・国際教育 |

2006.04.14

親の子殺し、子の親殺し。

こんな時代。今となってはもう珍しい事件ではない。

まずは、実の親による虐待の事件から。

足に画びょう、鉄の棒で殴る…9歳長男虐待で父親逮捕
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060408i413.htm

 埼玉県警川口署は8日、同県川口市飯塚、無職田中裕良容疑者(45)を傷害の疑いで逮捕した。
 調べによると、田中容疑者は7日、自宅で小学4年の長男(9)の全身を鉄の棒で殴ったり、両足を画びょうで何回も刺すなどして、右手の指を骨折させるなど2か月のけがを負わせた疑い。長男が自分から児童相談所に行き、発覚したという。
 同署によると、長男は「掃除や洗濯がうまくできないのでたたかれた」などと話している。また、長男は以前にもネグレクト(養育放棄)の相談で児童相談所に行ったことがあるといい、全身に打撲の跡があることなどから、同署は長男が繰り返し虐待を受けていた可能性もあるとみて調べている。
 田中容疑者は妻と長男の3人暮らしだが、田中容疑者は「妻は1か月ほど前に家出した」と供述しているという。
(2006年4月9日0時36分  読売新聞)

自分はこの父親に対する怒りよりも、児童相談所がネグレクトの相談を受けていたにもかかわらず、身体的外傷を受けて問題が悪化するまで放っておいたことに大きな憤りを感じる。

児童相談所がネグレクトしているのだ。ふざけるな! このブログでも過去に同様な問題を指摘してきた(『どうしようもない校長』)。しかし、自分がブログで書けるようなものは、ほんの一握りに過ぎない。現場では「見て見ぬふり」をする給料泥棒が相変わらず沢山いるし、責任者は問題発覚してからは責任回避発言ばかり。だらしない児童相談所には、また殴り込み突入してやろうか。

続いて、子の親殺し

「定職就かず小言を言われ」夫婦死亡火事で逮捕の二男
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060413i402.htm

 千葉県流山市で10日、民家が全焼し、夫婦が遺体で見つかった火災で、県警捜査一課と流山署は12日、夫婦の二男で住所不定、無職吉岡貞夫容疑者(49)を現住建造物等放火と殺人の疑いで逮捕した。
 調べによると、貞夫容疑者は10日午前2時ごろ、同市美田、無職吉岡一郎さん(78)方1階で新聞紙に灯油をかけてライターで火をつけ、木造2階建て住宅約80平方メートルを全焼させ、2階にいた一郎さんと、妻みさ子さん(77)を死なせた疑い。
 調べに対し、貞夫容疑者は「昨年の暮れごろから、定職に就かないことで小言を言われ続け、腹が立っていた。殺すつもりで放火した」と供述しているという。
(2006年4月13日11時48分  読売新聞)

こういう事件は、『両親のだらしなさ』と言わざるをえない。50歳前の無職の息子に、まだ小言がいえる親子関係を継続していることが間違いなのだ。成人してもなお職業人にならない子ども(いわゆる『ニート』)を家においておくような親が多すぎる。さっさと勘当しておけば殺されずに済んだのだ。つまり、小言を言い続けるのがよくない。どうせなら、大事(おおごと)を子どもの小さいうちから言っておけなのだ。

自分は子育ての講演などでもいつも言っている。「ハタチになったら家を出せ」である。そして、それを実行せよ。これが実行できない親なら、子どもに小言を言うな。そんな共依存親子がいま、多すぎるのだ。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

関連記事:
市教委の単独プレー(先送り)
どうしようもない校長
     など。

Posted by 奥田健次 教育社会 |

2006.04.03

小学校に理科助手、さらに必要なこと。

本来ならば、外国語授業よりもこっちが先だろう。小学校に理科助手を配置すること。

先生も実験苦手?小学校に理科助手…来年度まず2千校
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20060402it03.htm

 文部科学省は、理科の授業で実験や教材作りを手伝う指導助手を、2007年度から全国の小学校に配置することを決めた。
 地域の大学院生や退職した技術者・研究者が教員を支援し、理科教育をてこ入れする。初年度は、全国の小学校の約1割にあたる約2000校でスタートする。
 現在、外国語授業には外国人指導助手がいる。文科省は、同様の制度が小学校3〜6年の理科でも必要と判断、07年度予算の概算要求に50億円を盛り込んで推進することを決めた
 自治体などの契約職員として科学や技術の専門家を募り、公立小学校を中心に1校あたり2〜3人ずつ配置。重さ、圧力、物質の状態などを探る物理実験や野外の生き物観察を行う授業などで教員と組み、子どもたちに科学の楽しさやものづくりの技術を伝える。また、教員に先端科学を教える
 日本の子どもは理科への興味が低下しており、小学4年生を対象にした国際教育到達度評価学会(IEA)の03年調査では、「理科の勉強が楽しいと強く思う」と答えたのは45%。国際平均の55%を下回る。「理科の勉強に対する自信」は25か国・地域のうち、下から3番目。25か国・地域の平均点を500点とみなす到達度テストで、日本の平均点は前回調査の1995年から10点も下がった。
 理科離れの一因とされるのが、教員自身の理科嫌いだ。専科教員のいない小学校は特に深刻で、独立行政法人科学技術振興機構が小学校教員2470人を対象に実施した2005年調査では、「理科が苦手」という回答が62%にのぼり、効果的な授業にするための方策として35%が「助手の導入」を希望していた。
 産業競争力を担う科学技術系人材の育成は、わが国の第3期科学技術基本計画(06〜10年度)の柱に位置づけられており、今回の措置は、その中で初等教育の充実を図ったもの。
(2006年4月2日14時19分  読売新聞)

教師が面白い授業をやってくれれば子どもは食い付く。子どもの特定科目に対する好き嫌い、得意苦手は教師の教え方に依存するところが大きい。『世界一受けたい授業』なんかでは、子どもらは爛々と目を輝かせて聞いている。

『ピタゴラスイッチ』も、子どもだけでなく大人にもウケている。「こんな授業を小学校の頃に受けていたらなあ」という声も聞く。

科学技術力を養うことは、その国の将来にとって大切なことだ。だが、科学技術だけが高まったらそれで国の将来は安泰かというと、そうではない。カネ次第で、それを簡単に売ってしまうこともできるからである。

もう1つ育てなければならないものがある。それは、ものつくり職人が持っていた『職人としての矜持(きょうじ)』である。ある大型トラック販売業者の方が高度経済成長の頃のエピソードを教えてくれたのだが、客によっては「売らない」ということがあったのだ。それは、傲慢で気にくわない客には売らないという意味もあったようだが、「うちのトラックを、そんな使い方でしか使ってもらえないんなら、他社のトラックでも十分でしょ、うちの(高性能な)トラックはもっと過酷な環境で使用してもらいたい」というメーカーの誇りもあったという。

1台1,000万円も2,000万円もする商売なのに、売らないケースがあったそうだ。バブル崩壊後しか知らない世代には、信じがたい話かもしれない。今では、メーカー側が営業を繰り返して値引きして買って頂いている時代なのだから。

当時のことをメーカーの傲慢と非難するのは視野の狭い人間のやることだ。当時は仕事に打ち込む大きな情熱と努力があったのであり、その価値が認めらた時代であった。昨今は、これが希薄になってしまっている。

科学技術力を高めることに比べて、こうした『職人らしさ』を育てるほうがはるかに困難なことだ。『商人らしさ』が求められる世の中というのは悲しいものである。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

関連記事:
商人根性よりも職人魂を
    など。

Posted by 奥田健次 教育 |

2006.03.28

義務教育で英語を必修する大愚

中央教育審議会の外国語専門部会のメンバーって、もしかして茶髪でピアス?

小学校での英語「必修化」まとめる 中教審部会
http://www.sankei.co.jp/news/060327/sha089.htm
(Sankei Web)

 小学校英語の充実を検討してきた中央教育審議会の外国語専門部会は27日、小学校で全国一律に英語を実施するよう事実上の必修化を求める審議報告をまとめた。報告では成績をつける教科としてではなく、5、6年で平均週1回の必修化を検討するよう要請した。31日の教育課程部会に報告する。
 現在、全国の小学校の96%超で歌やゲームなど何らかの「英語活動」が導入されている現状を踏まえ、国際コミュニケーション能力養成の一環として充実を図った。今後、中教審の教育課程部会で国語など他教科との兼合いを審議。最終決定後、文科省が学習指導要領の改訂に臨む見通し。
 審議報告では、高学年(5、6年)で「年間35単位時間(平均週1回)程度で共通の教育内容を設定するよう検討する必要がある」とした。ただ、児童を数値評定する「教科化」は「今後の課題とする」と慎重な表現にとどめ、まず「領域または総合学習として位置づける」とした。
 道徳や特別活動と同じ位置づけの「領域」の場合、指導要領に教育目標や内容を明示しつつも成績はつけない。「総合学習」なら指導要領で趣旨などを定め、教育内容は各校に任される。
 一方、中学年(3、4年)については「総合学習で英語教育充実をはかる必要がある」と指摘。低学年(1、2年)には「特別活動などを中心に」とし、大幅な充実化は見送った。
(03/27 20:30)

3月21日に『小学校での英語活動は有害である』という記事を書いた。これがどれほど有害かということを、中教審のメンバーは分かっていないのだろうか?

小学校で英語を必修にするとは。正気か!? 直感的に、これって憲法違反のような気がする。

義務教育で、やで!!

英語を必ず修めることを、日本の義務教育で求めるか?

自分が親なら、そんな教育、受けさせたくない。

『年次改革要望書』に書いてあるのか? もしや『裏・年次改革要望書』のほう? 日本国政府に対する要望は、こんな風なのかね。

「アメリカ合衆国でもリストラが進んでおり、失業者対策として日本の義務教育にネイティブアメリカンの職場を確保すること。これを促進するため、義務教育では英語を必修とすること。日本の小学生ごときなので、ネイティブアメリカンに教員資格等は不要である。『デモシカ教師』※で十分である」

歴史を売り、言語(魂)を売る。日本という国は、もう終わりだ。

※デモシカ教師
「教師にでもなろうか」「(他の仕事は出来ないので)教師やるしかない」という感覚で教師になること。または、そうした教師。この場合、「日本の小学生の英語教師にでもなってやろうか」「仕事もないし資格もないけど、そんな私を雇ってくれるのは日本の英語教師しかないからな」というような冷めた動機で教師になること。または、そうした教師。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

関連記事:
小学校での英語活動は有害である
沖縄に基地以外の産業を
「ゆとり教育」を継続する亡国、日本。
子や孫の世代まで
    など。

Posted by 奥田健次 教育 |

2006.03.21

小学校での英語活動は有害である

公立小学校での英語教育にも大反対。英語活動を実施している公立小学校が、全体の93.6%を占めるという。

公立小、93%が「英語活動」 「1年生から」75%
http://www.asahi.com/life/update/0320/005.html
2006年03月20日14時18分(asahi.com)

 文部科学省は、公立小学校での英語活動の実施状況調査(05年度)の結果を公表した。何らかの形で英語を教えている学校の割合は3年連続で増加し、全体の93.6%を占めた。英語の授業を小学校から必修化するかどうかをめぐっては、中央教育審議会(文科相の諮問機関)で検討が続いている。
 05年度の実績について2月に調査し、全国の2万2232校すべてから回答を得た。
 この結果、全体の93.6%(前年度比1.5ポイント増)にあたる2万803校で「歌やゲームなどを通じて英語に親しむ」「あいさつなど簡単な英会話」などを教えた。
 「英語活動」は、国際理解教育という位置づけで「総合的な学習の時間」の中で実施しているケースが最も多い。約8割の小学校がこの時間を活用していた。
 年間の平均実施時間は6年生の場合13.7時間(同0.8時間増)で、月に1〜2コマという状況だ。週に2コマ以上にあたる年間71時間以上実施している小学校も41校あった。
 1年生から実施している小学校も全体の4分の3に達している。
 総授業時数のうち、6〜7割の時間には原則ネイティブスピーカーの外国語指導助手(ALT)が指導に参加している。

このところ、地域の小学校を巡回するときに、やたら英語の授業場面に遭遇するようになった。外人教師が、日本の子どもを相手に授業をやっているのだ。

「ここはECCジュニアか、NOVAキッズか?」と見間違えるほどである。「ビンゴー!」「イエーイ!」などと遊んでいて、なんだか苦々しい。吐き気すらもよおす。

あのな。英語を教えて何をさせたいのか? 学校の先生、答えてくれよ。文科省の役人さん、答えてくれよ。ステレオタイプに「国際理解を深めるため」などと、マニュアル回答をするのか?

だったら、国際理解って何だ?

英語で自己紹介や道案内できたら、それがどうした。

自分には英語圏の友人もいる。彼らは自分のへっぽこ英語スキルに興味があるのではなく、日本の歴史や日本人の考えについて興味があるのだ。また、日本での仕事や文化・社会についても興味があるのだ。

自己紹介と趣味の話をしたとしても、そんな話はすぐに終わってしまう。外人と深く付き合うためには、彼らの知らないことを教えてやることなのだ。彼らはディスカッションを求めている。海外に留学している日本人の英語力は確かに高くなるのだが、いかんせん日本の歴史について何も知らない人が多い。

だからこそ、公立小中学校では国語と歴史について重点的に教育しておく必要がある。しかし、残念ながら教育現場の大半はいまだ自虐史だし、悪しきゆとり教育も続いている。

中身はカラッポで、旅行英会話がちょこっと使えるだけの日本人が、国際理解などとは笑止千万。外国人に尊敬されているようで、腹の中では馬鹿にされているのだ。

英語は所詮、道具の一つに過ぎない。日本のように母国語だけで仕事ができる社会においては、英語を本当に必要としている人は僅かなはずだ。(外資企業が日本企業を買収する昨今では、被雇用者となるために英会話の必要性が高まりつつあるけども。まあ、それは隷属するための必要性なんやけどね)

だいたい、日本を動かすような人間は公立学校の授業でビンゴゲームやって英語を身に付けているわけではない。だから無意味。宗主国アメリカ様の企業で、トイレ掃除をやらせていただきつつ、英語でご挨拶ができる日本人を養成する程度の意味しかないってわけ

「今どき外国語の一つくらい出来るのは、国際人として当然ざます」と言う奴らは糞である。本気で考えている奴は阿呆である。金儲けと自己顕示のことしか考えていないのだろう。赤塚マンガに出てくるイヤミというキャラ(「ミーは、おフランス帰りザマスよ」という奴)である。こんな奴、大学教員にも結構いた(「ミーの母校は、英語で有名な○○学院大学ざます。これからの時代は何よりも英語力ざます」という奴)。

嫌味な奴に教えてもらうのはご免だが、高校以上で英語教育に力を入れることは重要だ。ただし、あくまで英語スキルアップは目的ではなく手段だということを忘れてはならない。

自己紹介や道案内レベル止まりの公立小学校における英語活動は、無意味どころか有害なのだ。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

関連記事:
沖縄に基地以外の産業を
「ゆとり教育」を継続する亡国、日本。
子や孫の世代まで
    など。

Posted by 奥田健次 教育 |

2006.03.20

『安全教育』は大人の責任放棄である

『自分の身は自分で守れ』の意味。

自分の身は自分で守ろう…安全教育、小学校必修検討へ
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060319i314.htm
(YOMIURI ONLINE)

 文部科学省は19日、子どもを標的にした犯罪の多発を受け、犯罪から子どもが身を守るための「安全教育」を小学校などで必修とすることを検討する方針を固めた。
 小坂文部科学相が同日、岐阜県大垣市で開かれたタウンミーティング後の記者会見で表明した。
 文科相は記者会見で、「子どもに危機回避能力を身につけさせることが必要な時代になってきた。今後の学習指導要領(の改訂)で『安全』というものを検討する」と述べた。指導要領改訂に向けて近く開かれる中央教育審議会(文科相の諮問機関)の教育課程部会に検討を指示する考えだ。
 「安全教育」は、犯罪の多い場所を示す「地域安全マップ」作りなどを行っている学校もあるが、実施するかどうかや実施の方法は各校の判断に委ねられている。指導要領に明記されれば、実施が事実上義務づけられることになり、「社会」の時間などに授業が行われることになりそうだ。
(2006年3月20日0時19分  読売新聞)

日本という国の亡国ぶり。

とうとう、子どもに『自己責任』を求めるのか

たとえば、外国人による犯罪について『国家の責任』はどこにあるのか? 国にしか出来ない防衛策があるではないか。外国人をノービザで出入りしやすくする流れとか、外国人労働者をやたら招く方向性。自分の国の子どもよりも、経済というわけだな。国家として責任を放棄したことになる。

子どもに「自分のことは自分で守ろう」というのはどういう意味か。つまりそれは保護者に対して「我が子を保護者の責任で守りなさい」と告げていることになる。

いわゆる『勝ち組』の親は子どもにボディーガードを付けることを許すのだろう。あるいは、リムジンで送り迎えをすることになるのか。他方、いわゆる『負け組』は? 負け組の皆さんは「自分のことは自分で守ろう」ということだ

自国の子どもを守ることを放棄した国家。日本はなんと愚かな国になってしまったことか。こんな亡国、いくら教育基本法を改正して「国を愛せよ」と言ったところでな。無理やって。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

関連記事:
子や孫の世代まで

Posted by 奥田健次 教育 |

2006.03.19

小5男児自殺。学校関係者は責任回避し続けるのか?

第一報を聞いたとき、どうも釈然としなかった。

担任注意の直後、小5男児が自殺・北九州市
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20060318AT3K1800918032006.html
(2006年3月18日:NIKKEI NET)

 北九州市若松区内の市立小学校5年の男児(11)が同区内の自宅で自殺していたことが18日までに、分かった。男児は直前に学校で担任の教諭から注意を受け、教室を飛び出していたという。福岡県警では関係者らから事情を聴いた。
 県警などによると、男児は16日夕、若松区内の自宅で首をつっているのが見つかった。家族からの通報で救急隊が駆けつけ病院に運んだが、死亡が確認された。
 同市教育委員会によると、同日午後、校内で同じクラスの女児が「(男児に)泣かされた」と訴え、担任教諭が男児に「謝ったんですか」などと問いただし、襟をつかんだ。男児は後ろに倒れそうになり、近くのペットボトルを教諭に投げつけ教室を出たという。
 市教委は「校長は体罰はなかったと話している。教諭が男児を注意したことと自殺の関係は分からない」としている。 (14:01)

あちこち記事を探してみたが、上記以外、最初は見つからなかった。

夜、たまたまニュースで学校長がインタビューに答えているのを見た。「児童の胸ぐらを掴んで叱ったようだが、指導の行き過ぎは無かったのか?」という旨の記者の質問に対して、校長は「叩いたり人前で怒鳴ったりなど、行き過ぎはなかったと思っている」などと答えていたように思う。

だが、どうにも嘘くさい。もう少し年齢が上ならば突発的な自殺もありえるだろうが、小学校5年生である。突発的なものであるとは思えない。何かあったのではないか? 学校側はこの児童に対する指導で、何らかの問題を抱えていたのではないか?

そう考えて、さらにいろいろ探していると、新情報が更新された。

北九州小5自殺:担任の女性教諭と関係悪化 母親とも相談
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20060319k0000m040111000c.html
(毎日新聞 2006年3月18日 23時53分)

 北九州市若松区の市立小学校5年生の男児(11)が自殺した問題で、昨年2学期ごろから担任の女性教諭(50)と男児の関係が悪化していたことが分かった。心配した母親が担任に相談して対策を話し合っていたが、学校側はこの事実を把握していなかった。
 学校側によると、男児は秋ごろから担任の注意を聞かなくなり、理科教室への移動を拒んだり、注意すると大声で逆らったりするようになった。男児は「先生は自分の気持ちを分かってくれない」と不満を漏らしていたという。
 校長は「先生たちには『何かあったら一人で悩まないで』と伝えていたが、相談はなかった。男児とうまくコミュニケーションを取れていたかどうか、教諭から改めて事情を聴きたい」と語った。
 男児の通夜は17日夜に若松区内で営まれ、同級生や保護者ら多くの弔問客が訪れた。【戸嶋誠司】

やはり、そうだろう。このような確執があったのだ。

この記事によると、学校長が「先生たちには『何かあったら一人で悩まないで』と伝えていたが、相談はなかった。男児とうまくコミュニケーションを取れていたかどうか、教諭から改めて事情を聴きたい」などと言っているが、これこそ責任逃れの発言である。

学校長こそ『担任や保護者とうまくコミュニケーションを取れていたのか』問われるべきなのだ

確かに、教師は往々にして単独プレーに走りがちである。もしかしたら、今回の事件も担任の単独プレーによる結果なのかもしれない。だが、学校で暴れる子どもの姿を同僚の教師が気付いていないはずはないし、自殺した児童も教師への不満を漏らしていたことから、担任との確執が他の学校関係者の耳に入っていた可能性は高い

今回、遺書はなかったようだ。学校関係者は、遺書がなかったのをこれ幸いにとシラを切り続けるのだろうか。この小学校の教師や心理士の中で心ある人がいるならば、ぜひ担任と児童との間の確執や学校全体の指導体制について正直に話をしてほしい

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

関連記事:
いじめを受けていたタリウム少女
市教委の単独プレー(先送り)
    など。

Posted by 奥田健次 教育 |

2006.03.11

カーリングは「やったー!」で良い

カーリングはまだまだこれから発展するスポーツだ。

なんと、中2のチームが日本代表を下す快挙。

チーム青森、中2の「妹」たちに敗れる カーリング
http://www.asahi.com/sports/update/0310/107.html
2006年03月10日13時25分(asahi.com)

 青森市で開かれているカーリングの日本選手権女子で10日、1次リーグでトリノ冬季五輪代表のチーム青森が、小野寺歩、林弓枝、本橋麻里の3人の母校、北海道・常呂中2年の5人で組むチーム常呂中に8—9で敗れる波乱があった。
 第4エンドまで0—6とリードされたが、後半粘って第10エンドで8—8に追いつき、延長へ。しかし第11エンドで1点を失い力尽きた。
 小野寺は「相手はうまかった。やはり(カーリングが盛んな)常呂の子たち。誇りに思う」と話した。

すばらしい。トリノ冬季五輪1次リーグで、強豪カナダやイギリスに勝った日本代表(チーム青森)。これに勝ったのだから。

きっとすごく力付いたことだろう。サッカーでも野球でも、いくら頑張っても中学生が日本代表に勝つことはできないから。そういう意味で、カーリングはもっと裾野が広がってよいスポーツであり、その可能性を秘めている。

中2チーム、「ヤッター!」やね。

「やったー」と言えば。小坂というオッサン。金メダリストの荒川選手が文部科学省を訪問した際に、ロシアのスルツカヤ選手が転んだことについて「それで、人の不幸を喜んじゃいけないんだけどね、こけたときは喜びましたね(笑)、こりゃあヤッターーーってねえ」と発言したこと。このオッサン。ただの居酒屋で枝豆食ってるオッサンにしか見えない。

動画はこちら。荒川選手が絶句している。当然だ。金メダリストに対しても失礼極まりない。金メダル獲得を喜んだ日本人に対しても失礼な話だ。スルツカヤが転倒しなくても、プログラム構成上、最高得点だった荒川選手は見事金メダルを手にしていたのだ。

居酒屋の酔っぱらいのくせに、なぜか国のホームページからご挨拶。

荒川静香選手の文部科学省訪問時における発言について
http://www.mext.go.jp/b_menu/soshiki/daijin/kosaka/06030601.htm

 去る2月28日に荒川静香選手が文部科学省を訪問された際、荒川選手に対して、8年間の精進をされ、練習の成果としてパーフェクトな演技で金メダルを獲得したことをたたえるとともに、国民に大きな感動や勇気を与えていただいたことに感謝を申し上げました。

 また、オリンピック日本代表選手の育成・強化の充実に積極的に取り組む旨をお伝えしました。

 その後の懇談で、荒川選手の金メダル獲得が大変うれしいとはいえ、一部配慮に欠けた発言をしたことについては、深く反省しており、荒川選手及びスルツカヤ選手に対してお詫びを申し上げます。

            平成18年3月6日
            文部科学大臣 小坂 憲次

この居酒屋の酔っぱらい、文部科学大臣だったのだ。

頼むから、国のページで恥さらし続けるのはやめていただきたい。「あのときは、少々酒が入っていて私人の私でした。あれは私人としての発言です。私人としての発言でも不謹慎でしたので、個人のウェブサイトからお詫び申し上げます」などとすればよい。もちろん、こうすることで余計にバッシングされるだろうが。

文科省のウェブで大臣の名前で謝罪されると、文科省全体が悪いことをしたように見えてしまう。また、海外に対して、日本全体が謝罪しているように見えてしまうのだ

カーリングのほうは「ヤッター」でええのよ。小野寺も「誇りに思う」と言っているだろう。もちろん内心は悔しいに決まっているが、そのようにコメントするのが大人なのだ。

カーリングがもっと普及しますように。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

関連記事:カナダに勝ったカーリング女子

これ、読んでみよう。待望のDVDも楽しみだ。

Posted by 奥田健次 スポーツ教育 |

2006.03.08

いじめを受けていたタリウム少女

いじめられっ子による破壊の悲劇。

もちろん、いじめが原因だからといっても償わなければならないことは償わなければならない。だが、こういうことはいじめられた子にとっても、いじめた側も、傍観者たちにも、さまざまな意味で悲劇であることは間違いない。

いじめた側や傍観者らは、一生、苦い心の傷が残るだろう。または、その傷を隠すための言い訳を念じ続けるという負い目を感じながら生きていくことになるのだ。

いわゆる『タリウム事件』で逮捕された少女について。

「刑事処分相当」意見付け少女を家裁送致 タリウム事件
http://www.asahi.com/national/update/0308/TKY200603080305.html
2006年03月08日18時33分(asahi.com)

 母親(48)に劇物のタリウムを飲ませたとして、静岡県東部の少女(16)が殺人未遂容疑で逮捕された事件で、静岡地検沼津支部は8日、「刑事処分相当」の意見を付けて、少女を静岡家裁沼津支部に送致した。同支部は同日付で2週間の観護措置を決め、身柄を静岡少年鑑別所に移した。
 地検支部は刑事責任能力の有無と精神状態を調べるために3カ月を超える精神鑑定を実施した。鑑定人による精神状態の分析結果に加え、タリウム購入は認めながら母親に摂取させたことは否認するなど供述が一貫していることも勘案し、刑事責任を問える状態にあると判断したとみられる。否認を続けていることを受け、非行事実を認定する審判時に検察官の立ち会いを認めるよう家裁に求めた。歯を使って抵抗したりと感情的になることがあったが、鑑定留置後の最近の調べでは感情をあまり表に出さなくなった。取調官が、中学時代の友人が心配していることを伝えると「悪かった」と話したという。
 少女の弁護団は同日、「極めてデリケートな問題を含んでおり、プライバシーが最大限守られるべき事件」として、家裁の審判結果が出るまで、供述や弁護方針を一切公表しない姿勢を示した。

デリケートな問題には、いじめの問題が具体的なレベルで含まれていることだろう

その根拠は、昨年秋頃の記事だ。この頃、事件の背景に「いじめ」があった可能性がみえてきた。これが事実だとするならば、これまで自分も含めてマスコミなどが叩いてきたことの前提がひっくり返ってしまう。

毒殺未遂少女 小中で「いじめ」経験か パソコン日記に記録、公開
http://www.nishinippon.co.jp/media/news/news-today/20051104/morning_news003.html
(西日本新聞:The Nishinippon WEB, 2005/11/04)

 母親(47)に劇物のタリウムを与えて殺そうとしたとして逮捕された静岡県伊豆の国市の高校一年の少女(16)が、小中学校時代に教諭や同級生らから「いじめ」と受け取れる行為を受けていた経験を自身のパソコン日記に記録していたことが三日、分かった。一部はブログ(日記風ホームページ)にも転載しており、県警少年課はこうした経験が少女の人格形成に影響を与えたとみて関係者からの裏付けを急ぐ。
 調べによると、少女は日記で中学時代に同級生のグループから、日常的に嫌がらせを受けていたことを記述。「僕の物はよくなくなり、それらは彼らの手の中で見つかることの方が多かった」と書き込んでいた。「三年生になるまでは彼らだけが僕の話し相手でした」と孤独な心境もつづり、こうした内容をブログでも公開していた。
 また、パソコン日記では小学時代の経験として、誤って下に落とした食べ物を食べるよう教諭から強制されたことも告白。同級生から暴力を受けたことも訴えていたという。
 少女と中学時代に同級だった少年は「いじめたつもりはないが、手をたたくと、彼女はみんなの前で踊ったので面白かった」と少女が周辺から「からかいの対象」になっていたことを証言する。一方で、少女が卒業した中学校の教頭は「いじめがあったとは聞いていない」と話している。
 県警は、少女が「いじめ」の経験などから周囲への不信感を強め、毒物研究にのめり込んだ可能性があるとみている。少女は母親にタリウムを与えた後、ブログに「自分が存在していることを確認するためには、誰かに見つけられるしかない」と書き込んでおり、劇物を周囲の人間に与えることで自分の能力を誇示したかった可能性もある。
 一方、少女の部屋から、ナチス・ドイツの集会で群衆がナチス式の敬礼をしている場面の写真が押収されたことも新たに判明。少女が傾倒していた英国の「毒殺魔」グレアム・ヤングもナチスを信奉していたとされ、県警は少女も影響を受けた可能性があるとみている。

さて。この記事で重要なことは「小中学校時代に教諭や同級生らから『いじめ』と受け取れる行為を受けていた経験を自身のパソコン日記に記録していた」ことである。

いじめに荷担したのは同級生だけではない。教諭もであるという。

家庭裁判所の審判結果が出てから、少女の具体的な供述には注目である。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

関連記事:静岡女子高生タリウム事件

Posted by 奥田健次 いじめ・ハラスメント教育社会 |

『臨床いじめ学』について

『いじめの根を絶ち子どもを守るガイド』出版後に書いた記事以降、少なからず反響があって、いじめの問題について取り組んできた自分としては嬉しく思う。

中でも、この問題についてしばしば論争(?)してきたkogai氏による書評は、こちらの思うところが概ね伝わったようで嬉しかった。

bully2 まずは、kogai氏に敬意を表したい。『臨床いじめ学の教科書』という記事において、本書の書評を書いてくれている。なぜ、敬意を表するのかというと、こちらからお願いしたわけではないのだが、kogai氏は「ずっと宿題だった」と感じておられ、とにかく本書を読んでくれたからだ。フェアなお方だ。

ニヒリスティックな大学人(似非学者)よりも、よっぽどフェアな態度といえるだろう。いじめの本などスルーされても仕方がない。いじめの話を聞くだけで、多くの人が敬遠したくなるものだから。それは、きっと自分の弱い部分を突きつけられるからなのだろう。

kogai氏はまた鋭いお方なのだろう。それは『臨床いじめ学』という造語のセンスにあらわれている。そうである。自分が言ってきたことは『臨床』なのであり、自分の仕事も『臨床』なのである。本書の趣旨をごく簡単に見極めておられる。

少しずつ引用していこう。

dankogai氏『臨床いじめ学の教科書』より

何と言っても本書の特徴は、いじめの当事者として「傍観者」という存在に着目したことにある。そう。いじめが成立するには、この第三の存在が欠かせないのだ。いじめに対する介入として行われる行動は、たいていいじめる者(the bully)への制裁と、いじめられる者(the bullied)への保護と補償しかなされないが、いじめに対して最も効果があるのは、この第三の存在である傍観者(the bystander)を、「目撃者」(the witness)へと転じさせるというのが本書が提示する数多く処方の中で最も特徴的なものであろう。

いじめという社会現象は、何も学校内だけでおきるものではない。社会のありとあらゆる現場で発生する、実にありふれた出来事である。前回取り上げた麻原の子女たちの入学拒否もそれに該当するし、下手をすると社会問題の過半がこれに分類可能かも知れない。その意味で、いじめが他人事であるという人は存在せず、その意味において本書は子育ての現場を超えた普遍性を持っている。

ほとんどのいじめ事件において、我々は実は「他人」ではなく「傍観者」である。確かに法律は傍観者でいることを罰する事はない。しかし傍観していることのツケは、あとで確実に帰ってくる。

上記のこと、本当によく本書の特徴(主張したいこと)を示してくれている。kogai氏の口から「傍観していることのツケは、あとで確実に帰ってくる」と言って頂けただけでも、自分としては十分なのである。

本書にも不満はある。本書は「どういじめを対処すればいいか」という臨床的な見地に関しては実に多くの知見を用意しているが、「なぜいじめが発生するか」という生理学的見地に関してはあまり述べられていないのだ。

ここの部分で、kogai氏の関心がどこにあるのか、自分も理解することができた。ただ、本書の原著者および心理学の中でも徹底的行動主義者の自分の基本スタンスとしては、「生理学的見地」について興味を持たない。我々のことばで言うところの「医学モデル」による説明は、行動論者は避けるのである。

あえて、自分に「なぜいじめが発生するか」と問われるならば、「人間には原罪があるから」としか答えようがない。しかし、それはすでに行動論ではない。もう少し一般的な心理学的説明に付き合うとすれば、以前の記事(『高校生意識調査にみる戦後教育の誤り』)から示唆されるように、(日本の高校生の興味関心事が)「『クラスのみんなに好かれる生徒』になること」なので、嫌われないためにいじめに荷担するか傍観者でいるしかない。だが、このような説明の妥当性がいくら高くても、実用性は低いままなのだ。

いじめっ子やいじめられっ子という特性が「生まれつき」のものでないことは、本書を読めば明らかだ。自分が「いじめっ子」、「いじめられっ子」、そして「傍観者」のどれになるかは状況によって変わる。

これこそ、まさに行動論的な発想である。つまり、状況によって行動や役割が変容するのである。その状況(環境)と、行動の結果を分析することが、行動分析学(Behavior Analysis)の主眼なのだ。誤解を恐れず言えば、行動論者の関心は「なぜ人間はそのような行動をするのか」ということよりも、「どのようにすれば人間はそのような行動をするのか」という部分のみである。

というわけで、本書はいじめっ子、いじめられっ子、そして傍観者、特に最後の人にお勧めである。主題からは外れるが、この手の本としては索引がしっ かりしているのもいい。単なる読み物ではなく、何回も「使われる」ことを想定しているのだ。「読む」というより「活用」して欲しい一冊である。

ここまでで、行動論者のラディカルかつユニークな考え方が、ある程度ご理解いただけたかもしれない。まさに本書はハウツー本と言われて恥じることはない、実践の書である。kogai氏から、一定の評価をいただき、力づけられた。

金も政治力もない自分にできることなど僅かであって、目の前にたまたま出会ったほんの一握りの子どもと保護者を相手に骨折りするだけ。だからこそ、本書が少しでも多くの教師や保護者に読まれることを願って止まない。

 

【追記】
kogai氏に「この手の本としては索引がしっ かりしているのもいい」と評価していただいた。実は、原著には索引が無く、索引を付けたのは出版社のアイデアによるものだ。索引の無い本は、教科書としては失格であると自分は考えている。そういう意味で、この本はまさに日本語訳になると同時に教科書(実践書)としてパワーアップしたといえるだろう。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

関連記事:
高校生意識調査にみる戦後教育の誤り
いじめの根を絶ち子どもを守るガイド
いじめのある現場で解決する策がある
いじめの国際文化比較
   など。

Posted by 奥田健次 いじめ・ハラスメント教育 |

2006.03.02

高校生意識調査にみる戦後教育の誤り

一言でいえば『家族』の在り方から崩壊しているからだ。

戦後教育が、あまりにも『個人の権利』に固執してきたせいで、家族の中にさえ個人の権利の主張と尊重が当たり前のようになってしまった。

日本は「できる生徒」より「人気者」…高校生意識調査
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060301it14.htm?from=top

 日米中韓の4か国の中で、日本の高校生は学校の成績や進学への関心度が最も低いという実態が1日、文部科学省所管の教育研究機関による意識調査で明らかになった。
 米中韓では「勉強ができる生徒」を志向する傾向が強いのに対し、日本は「クラスの人気者」になりたいという生徒が多く、日本の高校生の“勉強離れ”が際立つ結果となっている。
 調査は青少年の意識研究などを行う財団法人「日本青少年研究所」と「一ツ橋文芸教育振興会」が昨年秋、日米中韓の高校1〜3年生計約7200人を対象に実施した。
 それによると、「現在、大事にしていること」(複数回答)として、「成績が良くなること」を挙げたのは、米国74・3%、中国75・8%、韓国73・8%に対し、日本は最下位の33・2%。「希望の大学に入ること」も、米国53・8%、中国76・4%、韓国78・0%に対し、日本はわずか29・3%だった。
 「いい大学に入れるよう頑張りたいか」という問いに、「全くそう思う」と回答した生徒は、中国64・1%、韓国61・2%、米国30・2%で、日本は最下位の25・8%。また、「どんなタイプの生徒になりたいか」を尋ねたところ、米中韓は「勉強がよくできる生徒」が67・4〜83・3%を占めたが、日本は「クラスのみんなに好かれる生徒」が48・4%でトップだった。
 逆に日本の高校生が他の3か国に比べ、「非常に関心がある」と回答した割合が高かった項目は、漫画やドラマなどの「大衆文化」(62・1%)、「携帯電話や携帯メール」(50・3%)、ファッションやショッピングなどの「流行」(40・2%)など。米中韓でいずれも50%前後だった「家族」は、日本では32・4%にとどまった。
 調査を担当した日本青少年研究所の千石保所長は「未来志向の米中韓に対し、日本の高校生は現在志向が顕著で、『勉強しても、良い将来が待っているとは限らない』とさめた意識を持っている」と指摘している。
(2006年3月1日23時40分  読売新聞)

日本の高校生の興味の大半が、大衆文化と携帯電話と流行。そして、米中韓では50%が自分の家族のことに興味があるのに対し、日本の高校生はたった32%しか自分の家族のことに興味をもたない

家を大切にすること。地域社会を大切にすること。故郷(クニ)を大切にすること。国(国家)を大切にすること。国の歴史を大切にすること。このように考えると、家族のことに関心のない高校生が自国のことを大切にできるわけがない。だから、この32%という数字は愛国心(『ナショナリズム』というより『パトリオティズム』)を反映しているのではないかと、自分は考える。

確かに、米中韓に比べて日本人は自国の歴史や領土問題について無関心すぎる。韓国の若者が竹島(韓国では独島と呼ぶ)のことに強い関心を持っているのに、日本の若者のほとんどが無関心。歴史問題についても、戦後教育を受けた人間のほとんどがアメリカGHQ洗脳から抜け出せず、「日本軍が悪かった」と決め込んでいる。

もう1点。「現在、大事にしていること」という問いに対し、米中韓の高校生の75%が「成績が良くなること」と答えている。一方、「成績が良くなること」と答えた日本の高校生は、ぶっちぎり最下位の33%。とんでもない差である。こうした結果は、小泉首相が作ってしまった格差社会のために、ほとんどの子どもが最初から「あきらめムード」だからだと自分は考えている。これまでは、中流社会で頑張って勉強すれば国立大学に行くことができた。だが、下流化した社会(年収250万時代)では、勉強を頑張ったとしても学費が高騰した国立大学法人に進学できない。そもそも、勉強を頑張ろうと思っても、子どもを進学塾に行かせることもできない。

このような社会では、日本の将来は到底、国際競争で敗退し続けることになるだろう。逆に、4か国のうち日本の高校生がトップだったのが「クラスのみんなに好かれる生徒」になること。

この調査結果から見えてくるものについて、少し考えてみてほしい。守るべき家族や国家も明確にできず、国際競争力も無く、みんなに好かれたいのが現代日本人の姿ということになる。こんな人間が多数を占める日本は、滅亡していくのは自明だ。こんな日本人は、平気で家族を売り、地域社会を売り、国家を売ってしまうだろう。「自分が一番大事で、自分さえよければ」なのだから。

終戦時、占領国アメリカが日本人の精神性を解体するための洗脳教育と文化破壊を行った。そして、日教組による反日・自虐史教育による洗脳。行き過ぎた個人主義。これら左翼による国家解体実験は恐ろしくも見事に成功したといえる。被験体たるモルモット国家・日本は、実験箱の中のモルモットであり続けることに快感を覚えてしまったようだ。

自分には、これを立て直すための方策がある。これまで、当ブログで冗談めかして言ってきたこと。それ以外にも、たくさんの効果的な問題解決方法を具体的に提案することができる。だが、戦後教育を受けたままの覚悟のない保身人間には、とても採用することなどできないだろう。金儲けだけのネオリベ(新自由主義)社会を構築し続ける保守の皮を被った左翼の小泉・竹中ラインでは到底不可能。新自由主義は左翼思想なのだ。早く目を覚ませ。

日本は滅びるぞ、本当に。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

関連記事:
沖縄に基地以外の産業を
武士道とは静かなるもの
「ゆとり教育」を継続する亡国、日本。
公共心 崩壊している おやじなり

携帯電話を規制する
子や孫の世代まで
    など。

Posted by 奥田健次 経済・政治・国際教育社会 |

2006.02.23

武士道とは静かなるもの

こんな奴が武士道を語るとは。日本も完全に墜ちたものだ。

Let's Blow! 毒吐き@てっくというブログで、杉村某のブログ記事(『久々にバカ発見』)が紹介されていた。自分は杉村某のブログなんぞ興味のカケラも無いのだが、リンクを辿って初めて読んでみた。が、やっぱり呆れた。

武部幹事長に命令されたことを国会欠席までして忠実に行い、ねぎらいの言葉ひとつで感激している。この感激の体験について、杉村某は、武士道を引き合いに出したり、世界に誇る文化などと言ってみたり。

以下、一部を引用。

とにかくね、時代劇でも何でもいいですが、やはりこれまでの日本を支えてきたものは、そしてこれからもこの日本を支えて行くものは何か、それはヒラリーマン根性以外に何ものでもないと、僕は思いますね。死ぬ気で上司を守る部下、部下に死んでもいいと思わせる上司、これはね、武士道から継承しているのかどうか、そういう難しいことはわかりませんがね、少なくても、世界に誇る日本のサラリーマン文化なわけですよね。(2006年02月18日 07:03記事より

以上、引用終わり。

これが一個人なら何も言わない。だが、この男は国会議員だ。ブームに乗っかった比例代表選出とはいえ、国民の代表にしてしまったのだ。テレビメディアも、話題性と視聴率しか頭の中に無いために、これをシンデレラボーイのごとく連日追いかけていた。

イエスマン武部のイエスマン。そんなもの、武士道なわけがないだろう。

「あいつを殺してこい」と言われれば、躊躇なく殺しに行く。「江戸を焼き払え」と言われれば、躊躇なく火を付けて回る。イエスマンとはそういうものだ。だが、確かにこういう連中は、いま日本のあちこちに存在している。自分も何度それら長いものに巻かれる連中を見てきたことか。

主君を諫(いさ)めなければならないときに、命を懸けて諫めること。たとえ、自分が島流しにされようとも、職を奪われ追放されようとも。この葛藤の中で、自分にとって苦しいほうを静かに選ぶことが武士道ではないか。郵政で除名された諸氏の中にこそ、武士がいたのだ(『郵政関係で粛正、また1名。』)。

「何かお役に立てることがありましたら、いつでもご命令ください。杉村太蔵、すぐに参上つかまつります」(

上司の命令に盲従して褒められて、嬉しくなっちゃう。喜々としてまた何でも命令に従いますよという。こんなものは、鉄砲玉なのだ。昨年の衆院選での対立候補者なんぞと同じで、ビジョンも理念もない鉄砲玉。

武部も見るからに浅はかだが、武部チルドレンはさすがに浅はか具合に磨きがかかっている。このところ常々思うのだが、本来の日本では恥だった発言が堂々と公言されるようになり、それに対して大衆は何も感じなくなってしまった

美徳も何も無い。

もう一度、Let's Blow! 毒吐き@てっくから引用。

我々の税金からタイゾーに支払う歳費(給与) 3429万480円
タイゾー1人を養うのにかかる総額 約一億円/年

これが国民の代表なのだとすれば、つまり今の国民の姿をこの男に投影しているわけであって、いちいち杉村某ごときを相手に嘆いていても仕方がない。これに何も感じない国民全般に、自分は嘆くのである。日本の戦後教育の大失敗の現れである。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

関連記事:ニートよ、離島で体験せよ。
関連記事:「ゆとり教育」を継続する亡国、日本。
関連記事:ホリエモンにメッセージ
関連記事:幹部を処分する方法を検討せよ
関連記事:郵政関係で粛正、また1名。
     ほか多数。

Posted by 奥田健次 経済・政治・国際教育 |

2006.02.18

いじめの根を絶ち子どもを守るガイド

当ブログでは、積極的に「いじめ」についてカテゴリを作って取り上げている。最近の記事の中で、しばしば近刊予告を行ってきた。

その翻訳書が、いよいよ東京書籍から出版された。

bully 著者のバーバラ・コロローソは、教育と子育てのコンサルティングを長年にわたって実践してきた著述家である。

タイトルは『いじめの根を絶ち子どもを守るガイド 親と教師は暴力のサイクルをいかに断ち切るか』。原著タイトルは“The Bully, the Bullied and the Bystander”であり、直訳すれば『いじめっ子、いじめられっ子、傍観者』となる。

本書の特徴は、いじめについての単なるドキュメントでもなく、社会評論でもなく、あくまで子育てや教育の実践レベルで書かれている点にある。つまり、訳書のタイトルにあるように「暴力のサイクルをいかに断ち切るか」という問題解決方法が提言されている点が新しい

自分は、過去の記事で 『いじめのある現場で解決する策がある』ことを述べてきた。しかしながら、この記事に対する読者の見解はどちらかというと「信じられない」「全体は良くならない」「逃げることが最良の手段」という冷ややかなものが多かった。ニヒリズムだ。同じ記事に書いてあるように、自分は「逃げ場が用意されていること、そこに逃げ込むこと」を否定しているわけではない。だが、「いじめ」の問題において、逃げることはとても最良の策とはいえないのである。

きっとこの「いじめ」の問題に対する冷ややかな反応は、やはりこれまで教育現場が「現場で解決する策」に真正面から対峙してこなかったからだろう。自分も、いじめに遭った経験があるが、教師らは明らかにいじめを知っていながら守ってくれなかった。当時、真正面から向き合ってくれず逃げ方(いじめに遭わない方法)だけを示唆してくれた教師の名前を、今でも覚えている。

自分が専門家になった今も、いじめの問題が発覚したときに真正面から一緒に取り組んでくれる教師は1割にも満たない。みんな逃げたがるのである。したがって、読者の中にも「いじめ」の問題には直視したくない人がいるのも頷ける。だが、これを読んで何も感じないならば、人間として危機的状態である。いや、そうした人間は最初から読もうともしないだろう。

もし「いじめ」の問題について論じるならば、本書をまず読んでいただきたい。本書は「いじめ」解決の基本図書である。いじめやハラスメントに遭ったことのある人だけでなく、いじめなど無いと思っている人、あれはいじめだったのかなと省みることのできる人、いじめられている人を助けてあげられなかった苦い過去を持つ人。きっと、それぞれ胸に迫るものがあるだろう。これから子育てに取り組む保護者にも読んでもらいたい。

自分は子どもの頃、いじめに荷担したこともあったし、いじめられっ子を助けてやることもできなかった苦い思い出もある。社会人になってからは、ハラスメントに遭った同僚を助けたために、自分も職場を追われてしまった経験もある。

幸運なことに、本書の校閲に協力させていただいた。読みながら、自分の心にあった弱さを何度となく感じさせられた。同時に、自分が専門家になって取り組んできた援助方法に間違いはなかったと確信するに至った。本書の内容が理想論のように感じなかったのは、本書が提案している方法と同じような援助方法で、実際に成功してきたからだ。本書は空理空論を並べたものではない

帯のコピーにも協力させていただいた。

 いじめをよく知り、いじめの悲劇を防ぐこと−
  それは、私たち大人の責任

    いじめの輪を思いやりの輪に導く
   これは、そのための実践の書である。

はやしひろ氏のイラストが「こんな子、いるいる」という感じで秀逸である。

ぜひ、繰り返しお読み頂きたい。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

関連記事: 山口・光高校の爆発物事件
関連記事: 幹部を処分する方法を検討せよ
関連記事: いじめのある現場で解決する策がある
関連記事: いじめの国際文化比較
関連記事: 職場いじめからの暴走
関連記事: 郵政関係で粛正、また1名。
関連記事: 新自由主義の行く末は
関連記事: 女子の『仲間はずれ』いじめをする大人
関連記事: イエスマンにみる『いじめ』の病態
関連記事: 斬首か、切腹か
関連記事: 永久に少数派
関連記事: いじめ社会の完成
関連記事: 番長賛歌
関連記事: 郵政民営化について
関連記事:JR 福知山線脱線事故の原因
     など。

Posted by 奥田健次 いじめ・ハラスメント教育 |

2006.02.15

ニートよ、離島で体験せよ。

以前、いじめの問題解決の極限的な例として、『奥田流・無人島グループエンカウンター』の提案を紹介した。

無人島ではないが、それに近い注目すべき試みがなされるようだ。

ニートに離島で就業体験 島根・海士町が合宿企画
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060213-00000013-kyodo-soci
(Yahoo!ニュース-共同通信)

 仕事や就学をせず職業訓練も受けない「ニート」と呼ばれる若者らに働く意欲を持ってもらおうと、島根県沖の離島・中ノ島の海士町が「若者島体験塾」として3週間の合宿を企画、参加者を募っている。
 午前7時に起床し、牛の堆肥作りや魚釣り、旬の岩ガキの出荷作業など、離島の生活をそのまま体験。ホテルで清掃や接客、保育所の子供の世話など、さまざまなプログラムを予定している。
 同町の人口は約2600人。町役場の吉元操さん(46)は「恵まれた自然を観光産業だけに使うのはもったいない。合宿を通じて都会の若い人が仕事の意味を考えたり、自分を見つめたりして元気になってくれれば」と話している。
 合宿は2月26日—3月18日。35歳ぐらいまでで就労していない若者10人程度を募集する。参加費は食費・宿泊費込みで3万1500円。交通費は自己負担。締め切りは2月15日。問い合わせは電話08514(2)1221まで。
(共同通信) - 2月13日6時26分更新

なかなか素晴らしい試みだ。勘違いタイゾー議員がやっているような、ニートの話を聞くだとか励ますだとか、そういったアプローチはいかにも素人らしい。売名行為のみの話題作りキャンペーンに、ニートが利用されているだけ。

いま、その道のプロにできる教育にこそ大きな価値がある。政治家は何の技術もないただの素人(学歴という紙切れはあるかもしれないが)。町の職人には、地力があり技がある。こうした環境で学ぶ機会が失われてきている。

自分も昔、やったぜ。不登校の生徒たちと一緒に泊まり込みで建築物の基礎工事ボランティアを。土木工事の現場監督さんや板金のおじさんに褒められたり、怒らせてしまったり。ご褒美にユンボー(ショベルカー)で遊ばせてもらえたり。みんな生き生きして帰っていったぜ。

徒弟制(とていせい)。チンパンジー式の子育てである。親が手本を見せ、子どもが真似をする。親は指図せずただやって見せ、子どもが真似するのを見守るだけ。子育ての基本なのだ。

ニートには初めての体験の連続であろう。元気になったら、ついでに不法占拠された竹島を取り返してほしい。部屋に閉じこもってネットの中で勇ましいことを言うのではなく、実行できる人間になれ。

それにしても、費用の設定が安すぎる。世間を知らない田舎夫婦の定食屋みたいな値段設定だ。今までほったらかしにしていた親から預かる場合、少なくともその10倍の費用をいただけばよい。それでも安いくらいだ。

ニートにしない方法。それは、子どもが小学校に入学したときから、子どもに「18歳になったら必ず家から出て行かせる」と宣言しておくことから始まるのだ。そして、この宣言をことあるごとに伝え続けることだ。親の本気さを伝え続けるのだ。本気でそれを実行せよ。

離島での訓練に注目である。締切は、本日15日までだ。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

関連記事:いじめの国際文化比較
関連記事:フリースクールで不登校をごまかすな
関連記事:子宝思想
     など。

Posted by 奥田健次 教育 |

2006.02.14

「ゆとり教育」を継続する亡国、日本。

教育政策5年の誤りを立て直すには50年はかかるだろう。

それにもかかわらず、「ゆとり教育」という最初から間違いだらけだった教育政策の全面見直しのチャンスを見送り、引き続きこの間違った政策を続けていくそうだ。

「ゆとり教育」転換見送り 中教審部会、現行指導要領を堅持
http://www.sankei.co.jp/news/060214/sha035.htm
(02/14 09:15:Sankei Web)

 文部科学相の諮問機関、中央教育審議会の教育課程部会は十三日、学習指導要領の見直しに関するこれまでの審議経過報告を了承した。学力低下への国民の不安が高まるなかでの審議だったが、現行の学習指導要領の理念を今後も堅持すると明記、ゆとり教育路線からの抜本的な転換は事実上、見送られた。存廃を含めて見直しが諮問されていた総合学習も今後、改善充実を図る方向で「ゆとり教育」「学力低下」に対する国民の不安を払拭(ふっしょく)するにはほど遠い内容となっている。
 報告書では全面実施から四年が経過した現行の学習指導要領下の児童生徒の学習状況について「読解力の低下、学習習慣や意欲が不十分、規範意識の低下なども提起されている」「基礎基本的な知識、技能や自ら学び考える力を育成する狙いが必ずしも十分に達成できていない」などと記述した。
 しかし、その一方でこうした状況は「指導要領の基本的な狙いについて各学校や国民への周知が不十分だったことが一因」などと、指導要領自体に非があるわけではないと分析。「児童生徒の興味関心を重視するあまり、教師が必要適切な指導を実施せず、教育的な効果が上がっていない」などと、指導要領への国民の周知不足や教師側の誤解に問題があるとの認識を示した。
 報告書は「現行の学習指導要領の基本的な考え方は今後も維持すべきだ」と、指導要領そのものを肯定的に評価する立場を貫いている。
 学習量を削減した問題点や施策としての是非などに記述は割かれず、学力向上策について具体性に乏しい内容となっている。
 授業時数については「全教科の基本」(国語)「科学技術の土台」(理数)として「充実を図ることが必要」としながらも「授業時間数も具体的に検討する必要がある」と具体的な記述は今後に先送りされた。
 「ゆとり教育」を象徴する総合学習も、はじめは存廃も含めた審議が諮問されたが、結局は「総合学習の必要性や重要性について共通理解が得られた」とし、今後、充実させるため、改善策や支援策を講じていく記述となった。
 家庭や地域の教育力を向上させる狙いで導入された学校五日制も「狙いが必ずしも十分に達成されていない状況もみられる」としたが「学校週五日制は国の仕組みとして(今後も)維持すべきだとの意見が大勢だった」と結論付けた。
 また、小学校での英語教育は「充実する必要がある」としたが、引き続き議論、検討するとして教科に取り入れるかどうかなどの明確な方向性は出なかった。
               ◇
【用語解説】学習指導要領
 カリキュラムを具体的に定める、学校教育法施行規則の一部。現行の指導要領は「ゆとり」を掲げ内容を大幅削減、小中学校で平成14年春から、高校で15年春から導入された。学力低下の不安が高まり部分改定で発展的内容も指導可能と明示したが、児童生徒の学力低下を示す国際調査結果が相次ぎ、当時の中山成彬文科相が全面見直しを中教審に要請した。
【2006/02/14 東京朝刊から】

文部文学省、または文部魔術省。自分はこのように言ってきた。旧・科学技術庁系の役人には優秀な役人も多いことだろうが、旧・文部省系の役人はどうしたものか。現在の文科省の役人も、本当にこれで良いというのか?

『政策計画(Plan)→政策実行(Do)→政策評価(See)』のサイクルのうち、いつも科学的な観点の欠落しているのが評価(See)であり、それでは客観的評価に基づく新しい政策計画もおぼつかない。

厚生労働省の医薬部門の仕事を見てみよ。もちろん政治的な圧力があるだろうとはいえ、たった一つの薬が認可されるまで、膨大な治験を必要とするではないか。文部科学省も、早く実験的検証に基づく政策が打ち出せるよう変革せよ。

それとも何か? 官僚よりも政治家の圧力が強いってことか。まあ、そうだろうな。要するに、支配者階級からすれば、国民全体が愚民であるほうが安泰だからな。小学生から「ゆとり」を与えておいて、頭の中に出来た「ゆとり」の中に、イメージと感情だけで判断する習慣を植え付けることに成功すれば、愚民大衆社会が完成するわけだ。国民一般の思考力など邪魔なだけだからな、支配者階級にとっては。

愚民とは、「タイゾー議員、うぉー、すげーぞ」「ゆかりタン、萌え〜」「さすが小泉総理、中韓にキゼンとしてるぜ」みたいなレベルなのだ。もちろん、これらは最低の部類だが、どんな論理をかざしたとしても小泉政治を批判できない(自己批判を含む内省もできない)人間は、愚民なのである。

「ゆとり」という言葉にだまされているだけなのだ。「ゆとり教育」とは「勤勉さ否定教育」なのである。勤勉に励むからこそ、ゆとりが生まれるのだ。勤勉さを失うと同時に、ゆとりも失うのである。

支配者の子女だけが最高の教育を受けて、支配階級のリレーが出来ればそれで良いという私利私欲に基づく発想。これはこれで愚かである。

このままでは、文部科学省が文部愚民化省と呼ばれても仕方あるまい。

やはり日本の将来は絶望的である。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

関連記事:役に立つのか、教職大学院!?
関連記事:フリースクールで不登校をごまかすな
関連記事:有識者を信じるなかれ
関連記事:文学的表現で不登校をごまかすな
     など。

Posted by 奥田健次 経済・政治・国際教育 |

2006.01.25

いじめのある現場で解決する策がある

ブログならではといえるコミュニケーションだったといえる。

先々週の記事になるが、まずブラジル在住のdesclassifica氏が『いじめは日本だけの現象かもしれない』という記事を書かれた。これに対し、自分は『いじめの国際文化比較』という記事を書いた。

その後、『404 Blog Not Found』のdankogai氏が『社会あるところにイジメあり』という記事を書かれ、自分やdesclassifica氏の記事を引用されつつ、いじめについてのご自身の見解を述べられた。

さらにその後、desclassifica氏『今、そこにあるいじめ』、dankogai氏『いじめの非対称性』、desclassifica氏『非対称でもいいじゃないか』と、それぞれ記事のやりとりがあった。こうした一つの記事がきっかけとなり、生産的な方向で議論されることは良いことだ(自分は、ちょっとしたストーカーへの対応に時間を取られ同時進行で議論できなかったが)。

それぞれの記事で反響があったようだが、dankogai氏が「これだけ多くの人にブックマークされながら、これほどTBやcommentが少ないというところに、いじめ問題の特徴が透けて見えるようだ(『いじめの非対象性』より)」との指摘は、的を射たものだ。いじめの問題の特に困難な部分は、見て見ぬふりをする多数の傍観者にあると言ってもよい。誰も、自分の疚しさに目を向けたくないものだ。

さて、自分は教育評論家ではない。ブログでは論文審査があるわけでもなく、自分のその時々に思ったことを綴っているので、あたかも評論家のように見える。しかし、繰り返すが自分は評論家ではない。

自分は実践している臨床家である。いじめの問題についても、実際の教育現場で直接、教師や子どもの間に入って解決のための取り組みをしている。

まず、念を押しておきたい。教育現場や会社組織の中で、目の前にあるいじめの問題について、「人間社会にイジメはつきもの」と達観したようなことを言っても仕方がない。また、「昔も今も変わらないだろう」という新自由主義者を支持してきた人によくみられる論調に対しても、それ自体が正当な理屈とは言えないだろうし、やはり目の前にあるいじめの問題解決には、まったく役に立たない。したがって、現場で実践している自分にとっては、こうした次元の論評にはあまり興味が無いのである。

以下の自分の記事をご理解いただくためには、まず順を追って一連の記事をご覧いただきたい。

desclassifica氏『いじめは日本だけの現象かもしれない』
当ブログ『いじめの国際文化比較』
dankogai氏『社会あるところにイジメあり』
desclassifica氏『今、そこにあるいじめ』
dankogai氏『いじめの非対称性』
desclassifica氏『非対称でもいいじゃないか』

実践家として指摘しておかなければならないことがある。いじめ問題を解決する方法として、『いじめられっ子の逃げ場が用意されていること』というのは確かに一つの解決策ではある。状況によってこうした解決策を選択したこともある。だが、これは最良の策ではない。どちらかというと、あまり推奨できない解決方法だといえる。

教師(大人)として目指すべきは、いじめのある集団の中で、『いじめっ子−いじめられっ子−傍観者』から構成される『いじめの輪』を断ち切り、『和解のための筋書き』を用意し、その集団にかかわった子どもにそれぞれの新しい役割を演じさせることである(Coloroso, 2004)。

もちろん、このことは本当に骨の折れる作業であって、容易なことではない。それは、実際に現場でこうした問題を解決するための支援を行ってきた自分が強く実感していることだ。教師には「いじめを解決する作業は、大河ドラマを作るレベルの話ですよ」と話してきた。

しかし、これは実現可能なことである。

いじめられた側がその集団から出ていくことは、いじめる側とその周りにいた傍観者達にとって悲劇的なことだ。読者諸氏においては、今まで『いじめられっ子の悲劇』は想像したことがあるかもしれない。しかし、いじめの問題は、いじめる側にも傍観者にとっても放置しておくと悲劇を生み出すということを、ほとんど意識して来なかったのではないか。

いじめっ子も、いじめに荷担した人間も、いじめを知っていながら何も出来なかった傍観者も、『和解のためのプロセス』を経ないまま大人になることは恐ろしいことだ。和解とは本当に苦しいことなのだ。

また、集団から出ていったいじめられっ子も、さしあたって不快な状況から逃れることはできるのだが、自尊心に傷が付いたままだったり、攻撃的になってしまったり、その他いろいろなマイナスの側面もある。「許し」とは、いじめる側や社会にのみ必要なことではない。いじめられた側が、いじめた側を「許す」ことほど、難しいことは無い。これは実に難しいことなのだ。

結論を言うが、ある社会状況においていじめが発生することは否定しない。だが、人間はそれを解決する知恵を持っている。解決のためには、読者諸氏の想像以上に『大人が干渉しなければならない』のである。放っておいて、子ども同士で解決すると思わないほうが良い。「今、そこにあるいじめ」に目を背ける教師や心理士がたくさんいることは嘆かわしいことだ。

和解のプロセスを経ずして大人になってしまうと、これはかなり厄介な社会状況を生み出す。大人社会では、干渉してくれる存在など、ほとんど無いからである。干渉する暇がない。知見と技術もない。だから、モチベーションもない。その結果、大人は和解を模索するよりも逃げること(あるいは攻撃すること)を提案しがちなのだろう。

こうした和解のプロセスを知らないために、子どものいじめに真正面から対峙しようとする大人が少ないことは当然のことである。それでも、子ども達のために、そしてこの国の将来のために、子ども達に和解のプロセスを経験させてやらねばならないのだ。

ところで、近々、いじめ問題についての良書が翻訳出版される。今回の記事が、絵空事のように思われるなら、ぜひともその翻訳書を楽しみにしていただきたい。いじめの輪を断ち切る方法、そして和解のプロセスというものがあるということを、ぜひ知って頂きたいと思う。

出版後、当ブログで改めて紹介する。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

Posted by 奥田健次 いじめ・ハラスメント教育 |

2006.01.13

いじめの国際文化比較

大変、興味深い記事だ。

当ブログの記事を読まれた上で、「いじめは日本だけの現象かもしれない」という記事を書かれた『ブラジリアン・ガールと不器用な俺の物語』というブログの著者、desclassifica氏からトラックバックをいただいた。

まずは「ブラジルには(日本のような)いじめが存在しない」とのことである。

desclassifica氏はブラジル滞在中の経験から、ブラジル人は「他人をいじめている暇などない」「自分が幸せになるので手一杯」であると実感されたようだ。

重要な指摘だったのは、

(ブラジル人は)他人を不幸にすれば相対的に自分が幸せになるとは考えない人たちだ。その点日本人は逆で、他人との相対的な関係性でしか幸せを自覚できないのかもしれない。だから次々にいじめのターゲットを作り出すのだろか。

という部分である。

戦後日本の場合、どんな人でも平均的な経済水準での生活が約束されている。少なくとも、通常、餓死することのない社会である。しかし、この「平均的な経済水準」というのが厄介で、その中での小競り合いが起きてしまう。この小競り合いの中で、同じコミュニティーの他者との「ちょっとした違い」が現れてくる。色々な意味で「あいつは(私たち仲間と)違う」と自分らと異なる他者を排除する土壌があるのだ。

desclassifica氏が指摘するように「(日本人は)他人との相対的な関係性でしか幸せを自覚できない」傾向が強くなってしまったことは否めない。

いじめが起きにくい考え方はこうだ。「ちょっと変わった奴だが、アイツはアイツ」「オレはオレで頑張っているし、そんなオレが好きだ」というセンスを持つこと。だが、日本人には「嫉妬」やら「優越感」などが入りやすく、得てして他者の足を引っ張ることに取り憑かれてしまいがちなのである。

日本では「足の引っ張り合い」がみられ、ブラジルではそんなことをしていると食えなくなるかもしれないから「背伸びし合い」をするのだろう。日本人は「アイツはずるい、自分は不満だ」と感じる人が多い。一方、自分がアメリカにいた頃に出会ったブラジル人の友人は「自分がどれだけ楽しいと感じるかが大事だ」などと言っていた。まさに、相対的な価値観と、絶対的な価値観の違いだ。

ちなみに、日本に限らずアメリカやカナダやイギリスなどで世界を驚かせるほどの悲劇に至った、いじめが原因で引き起こされた事件が多数みられる。desclassifica氏の記事は、こうした国際文化比較という側面で、われわれに大きな示唆を与えてくれるものだ。

確かなことは、日本は今、急速に新自由主義(または拝金主義)の社会に向かっている現実だ。自分は損をしたくない、だから強い者についておこう。このような社会では、いじめの問題はさらに悪化していくことは間違いない。日本のリーダーがこんなことをしているのだから、そんな国が作る教育がマトモなわけがない。

自分は、いじめ問題をかかえる小学校に出向いて解決の実践を色々と提案している。はっきりいって大変な仕事なのだ。まず、この問題から逃げようとする教師の多いこと。本音を言えば、こんな教師には殺意さえ芽生えるのだ。まあ、これはまた別の機会に書くことにしよう。

自分は『奥田流・無人島グループエンカウンター』を提案している(まだ、実現していないが)。いじめのある学級の子ども全員を無人島(様々な仕掛け付き)に送り込む。そこで、力を合わせるまでは脱出できないように仕掛ける。「いじめなんかしていたら、お前ら全員、死ぬぞ」ということを子ども自身に気付かせるのだ。最初はいざこざが絶えないだろうが、いざこざやっているうちは絶対に脱出できない。全員がそれぞれの力を合わせたときに初めて、無人島を脱出できる。こんな究極の場面では、いじめを無くすことが可能なのだ。脱出できたときの子ども達の達成感は、他では味わえない程のものになるだろう。

無人島は利用していないが、この方法のエッセンスはすでに使っている。賢い読者ならば、この無人島式の狙いが分かるはずだ。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

関連記事:完膚無きまで叩きのめす大人たち
     など。

Posted by 奥田健次 いじめ・ハラスメント教育 |

2006.01.07

役に立つのか、教職大学院!?

不登校問題に重点を置く教職大学院ができるそうだ。

熊本大学が来春(2007年4月)、不登校問題に対応できる教員を養成する「教職大学院」開校のための準備をしているそうだ。

以下、引用。

「教職大学院」 熊本大、不登校対応で来春開校へ準備
http://kumanichi.com/news/local/index.cfm?id=20060105200005&cid=main
2006年1月5日 (熊本日日新聞:くまにちコム)

 熊本大(崎元達郎学長)が不登校の子どもたちに対応できる教員を主に養成する「教職大学院」を、二〇〇七(平成十九)年四月に開校する方向で準備を進めていることが四日分かった。同大によると、社会問題化している不登校をテーマにした教職大学院の設立は「全国的にもまれ」で、今後の展開が注目される。
 教職大学院は教員の資質向上などを目的に、中央教育審議会が〇七年四月に開校できるよう検討しており、全国の大学で準備が進められている。学生のほか現職教員も対象に、より高度な専門的職業能力を養成する教育を行う。修了者には専門職学位の「教職修士」が与えられる。
 熊大教育学部によると、教職大学院の定員は三十人程度とし、そのうち半数超は現職教員枠に充てる。指導する教員は十一~十三人で、うち四割程度は校長経験者など実務経験者を起用したい考え。修業期間は原則二年だが、現職教員は一年とする予定だ。
 教育内容は、不登校や学級崩壊など学校現場での課題への対処能力を養成するため、生徒指導や生活指導、学級運営についてのカリキュラムに重点を置く。特に不登校への対応能力養成カリキュラムは、文部科学省の〇五年度「大学・大学院における教員養成推進プログラム」に選ばれた同大の「不登校の改善・解決に資する教育力の養成プロジェクト」を基にする方針。
 同プロジェクトは、同大教育学部が〇二年度から熊本市教委と連携して実施している「ユア・フレンド事業」がベース。同事業では、学生ボランティアが不登校児童・生徒の家庭を訪問するなどして成果を挙げている。教職大学院のカリキュラムでは、同事業のノウハウに臨床心理学などの医学的アプローチを加えた上で、小中学校や不登校支援施設、保護者などと連携しながら、理論と実践の両面を系統立てて学んでいく。
 石原昌一・同大教育学部長は「地域の学校のリーダーとして、不登校など現代的な教育課題を解決できる教員を養成したい。県教委や市町村教委、学校現場の協力が不可欠となるので、これから具体的な協議を進めていく」と話している。(野田一春)

以上、引用おわり。

教職大学院の定員が30人程度で、うち半分は現職教員の内地留学。内地留学とは、現職教員(公務員)が給料をもらいながら大学院に通うシステムのこと。ちなみに、これは夜間ではない。内地留学の教員は、その期間、勤務校への出勤は無いのだ。つまり、一般学生とまったく同じ条件で院生生活ができ、なおかつ給料がもらえるのだ(しつこいけど)。内地留学に対する批判と財政面の問題から「修業期間を1年」と言っているのだろう。1年で修士号を出すのだろうか?

話を戻そう。この教職大学院の指導教員は10〜13名程度という。このうち、4割程度は校長などの実務経験者を起用したいという。

本当にこんな陣容で大丈夫なのだろうか。管理職としての実務経験が不登校を治せるのか? 教育委員会と関係の良かった校長の天下り先を確保するだけの話になりはしないか。

大切なことは、いかに目の前の問題を解決するか、その解決方法の有効性を科学的に検証し、うまくいかない場合は自己批判的に修正を加えていく問題解決型の思考プロセスだ。こうしたことを校長経験者なら出来るというのか? 「わしの経験では...」ということにならなければ良いのだが。

上記の記事は1面だが、24面の解説記事によると、熊本大学と熊本市教委でやっていたという「ユア・フレンド」事業なるもので、ここで不登校児の86名中18名が学校復帰した「大きな成果」を挙げたのだそうだ。我が目を疑ったが、確かに新聞には「大きな成果を挙げている」とある。

学校復帰が20%程度で大きな成果とは。8割も治せていないのに。新聞社ももう少し頭を冷やして、しっかり勉強してほしい。こんな小さな成果、いや失敗をもとに教員養成をやられるのは不安だらけだ。もちろん、多くの臨床心理士指定校の体たらくぶりを見ていると、役に立たぬ臨床心理士を大量生産するより、現職教員の力量を高めるほうが生産的だとは思うのだが。

アイディアは評価するに値するのだが、実績の無さと校長経験者を教授に4割も採用しようという手法に、実務者と呼ばれる現場を知らぬ人々お得意の無策ぶりが現れている。校長経験者なんぞ、1割未満で十分だ。

自分の知っている元・校長は「大学なんぞに呼ばれても行かない」と豪語し、天下りも拒否して、定年後に私塾を作って不登校の子どもらをバンバン治している。このように地域で実績を上げている校長経験者(または地元の子どもらの相談相手)にこそ、三顧の礼を尽くして任官を依頼するべきだ。だがこんな校長は本当に1割未満なのだ。

不登校を治してしまう校長は、往々にして教育委員会に怒鳴り込みに行くようなことをしている(子どものために、せざるを得ない)。教育委員会に対して「イエスマン」な校長ばかりが、天下りの甘い汁をすすっているのだ。

「イエスマン」に不登校を治せるか!!

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

関連記事:発達障害者支援法の通知文書
関連記事:日本の矯正教育について
関連記事:フリースクールで不登校をごまかすな
関連記事:市教委の単独プレー(先送り)
関連記事:どうしようもない校長
関連記事:文学的表現で不登校をごまかすな
     など。

Posted by 奥田健次 教育 |

2006.01.06

子どもに携帯を持たせないマドンナは賢母

マドンナは賢母かもしれない。

正直言って、自分はマドンナというアーティストのことはほとんど知らない。マドンナというと夏目漱石の『坊ちゃん』を思い出すほどだ。

まずはこちらの記事から。

マドンナ、子供たちにはケータイ禁止 (BARKS)
http://music.yahoo.co.jp/rock/music_news/barks/20060105/lauent766.html
2006年1月5日(木) (Yahoo!ミュージック)

 マドンナは、子供たちが携帯電話を使用することを禁じているそうだ。「うちの子たちには必要ない」とケータイを持たせることを拒否しているという。
 マドンナは、子供にケータイを買い与えるなんてあり得ないとRadio 1のインタヴューで話している。「うち子供たちがケータイを持つなんて、絶対にないわよ。そんなこと、させません」
 しつけに厳しいマドンナだが、厳しいのは子供たちに対してだけではないようだ。ご主人ガイ・リッチーに対しても「バカなことしたら、追い出す」と話している。「いつも、ヘンな“かんしゃく”を起こしたら、家から追い出すって脅してるのよ。男らしさを見せつけようとしてるけど、そんなことわたしには関係ないわ」
 しかしマドンナは、彼のような人と出会えてラッキーだったとも続けている。「彼がわたしのそばにいる、それは素晴らしいことだわ。彼がいるおかげで、わたしは地に足が着いた生活をしていられるんだから」
 間もなく結婚5周年を迎えるカップル。結婚記念日は子供を預け2人きりで、式を挙げたスコットランドのお城で過ごすという。
Ako Suzuki, London

それから、こちらの古い記事も。別のエピソードが入っている。

役に立つかも? マドンナ流“子育て”(BARKS)
http://music.yahoo.co.jp/rock/music_news/barks/20051019/lauent005.html
2005年10月19日(水) (Yahoo!ミュージック)

 マドンナが、自身の子供に対する子育て法について『Harpers』誌のインタビューで話をした。長女ルルデス(9歳)と長男ロッコ(4歳)の2人の子供がいるマドンナ。なかなか厳格な母親のようだ。
 まず、子供たちはテレビを見ることが禁じられているという。「テレビは毒よ。わたしはそんなもの見ないで育ったけど、べつに損したと思ったことはないわ。うちの子供たちも見ない。家にテレビはあるけど、映画しか流してない。雑誌や新聞も置いてないわ」そして、ヘルシー志向の彼女は当然のこと食生活にもこだわっている。「ホールグレイン(全粒)よ。それにバイオ食品は控えてる。乳製品もダメ」
 また服が床に置きっ放しにされていた場合、それはゴミ袋に入れられるという。「うちの娘は片付けができないの。もし服が床に落ちてたら、それはゴミ袋に入れるわ。片付けない限り、返さない。それにもし、着る服のことでかんしゃくを起こしたら、それを学ぶまで毎日同じ格好をさせるの」
 マドンナは、このように子供に厳しくするのは自分の役目だと話している。「夫は甘やかしてるわよ。お父さんが帰ると、子供たちはチョコレートが貰える。わたしはもっと現実的ね。子供の歯のことを心配するの。これは夫の領域じゃないわ。彼は面白い人だから」
Ako Suzuki, London

後半の記事は、何か日本語訳がこなれていない感じもするが、言いたいことはだいたい分かる。しっかりした親であることは確かなようだ。

「しっかりした」とは、どういう意味か。それは、自分が常々言っていることだが『ビジョン』が明確であるということ。つまり、「どんな子どもにしたいか」が明確なのだ。

子どもに携帯電話を持たせない。そういう具体的なことだけでも「我が家独自のルール」を作れる親は賢い親である。この「賢さ」は学歴とは無関係なのだ。

今日、これが出来ない親が多すぎるのだ。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

関連記事:携帯電話が、子どもの安全を守るか!?
関連記事:携帯電話を規制する

Posted by 奥田健次 教育 |

2006.01.03

幼稚園から義務教育?

国際線の飛行機の中で読売新聞に目が止まった。2日は休刊だったので、元日の朝刊だった。

1面で「幼稚園から義務教育、延長幅1〜2年 政府・与党方針」となっている。

幼稚園から義務教育、延長幅1〜2年…政府・与党方針
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060101it02.htm
(YOMIURI ONLINE)

 政府・与党は、小中学校の9年間と定められている義務教育に幼稚園などの幼児教育を加え、期間を10〜11年間程度に延長する方針を固めた。
 幼稚園—小学校の区分による環境の変化が学力のばらつきを招いているため、幼稚園を義務教育に含め、一貫した学習体系を構築するのが狙いだ。
 幼児教育を無償にすることで、少子化対策を強化する面もある。1月に召集される通常国会に提出する予定の教育基本法改正案で義務教育の9年間規定を削除し、2009年度以降の義務教育延長の実現を目指す。
 義務教育をめぐっては、近年、小学校低学年で、集団生活になじめない児童が騒いで授業が混乱する「小1問題」が起きている。幼稚園—小学校—中学校と進学するにつれ、指導の内容、難易度などが大きく変わり、成績格差が拡大する問題も指摘されている。
 このため、政府・与党は幼稚園などの幼児教育を含めた義務教育制度の見直し論議に入っている。
 自民党は、05年9月の衆院選の政権公約(マニフェスト)に、「幼児教育の無償化」を盛り込んだ。1月にも、政調会の下に「幼児教育小委員会」を設置し、無償化の具体策として、義務教育延長を議論する。そのうえで、延長に向けた第1段階として、教育基本法4条で定められている義務教育の9年間という期間を削除する考えだ。
 与党教育基本法検討会の議論の中で、公明党もこうした考え方を大筋で了承している。
 自民党文教制度調査会幹部は、昨今の児童・生徒の学力低下を背景に、「諸外国も義務教育期間を延ばす方向だ。日本も真剣に検討すべき時期にある」と主張している。諸外国では、例えば、英国は5歳から11年間を義務教育とし、2000年から5歳未満を対象に無償の保育学校を拡充。フランスも1989年から公立幼稚園を無償にしている。
 政府・与党は、今後、幼児教育をどういう形で義務教育に取り込むのか、調整を図ることにしている。
 中央教育審議会(文部科学相の諮問機関、鳥居泰彦会長)では、05年1月にまとめた幼児教育に関する答申で、「幼小一貫教育の検討」を掲げた。政府・与党内には、このほか、〈1〉幼稚園の1〜2年保育を義務教育とする〈2〉義務教育の枠内で、「幼小一貫校」を創設し、普通の幼稚園か一貫校かを選べるようにする——などの案が浮上している。
(2006年1月1日3時1分  読売新聞)

新聞のほうには、確か2面あたりに「解説」もあって、厚生労働省管轄の保育所の扱いをどうするのか若干の指摘がみられた。ずっと以前から議論されてきた「幼保一元化」の問題である。

政府与党は「幼児教育の無償化」を謳っているようだが、本当にそうなのか? 働く女性(特に、パートに出る多くの女性)のいる家庭にとっては、保育時間の長い保育所が必要なのだ。幼児教育を義務化することで、確かにそこまでは無償となるのかもしれないが、パートに出る人には「幼児教育後の保育」を利用しなければならないことになりはしないか? そこにどれだけの費用がかかるのか? 高所得の家庭と低所得の家庭で、幼児教育後に受けるサービス格差が拡大しないだろうか?

これらのことが心配である。幼児教育を義務教育化するのであれば、保育時間を保育所ベースにする必要があるのではないだろうか。簡単にいえば、「保育所と同じ時間だけ幼児教育を受けても無償にしろ」ということが言いたいのだ。読売新聞の解説は、ここまで踏み込んではいなかった。

新聞といえば。昨日の記事(『「靖国、やめろ」と迫りつつあるアメリカ』)について『三輪のレッドアラート!』が、鋭い視点から指摘をして下さった。

--以下、一部引用。

ちなみに、この平田崇浩と言う人ですが・・・。
ちょっとGOOGLEで検索してみれば良いですよ。
ほとんど大本営に居座って外電をああだこうだと書き並べている、凄腕ではあるんでしょうけど、現地の取材をしてるとは思えない人です。

ほとんど小泉首相関係の政治部の記事はこの人が書きまくっています。

小泉首相が対米追従と言われるのを嫌うと書きながら、小泉首相のイラク派兵については、対米追従と言われるのは不本意だろうと煽って見せるところなど。
この平田氏は世論の誘導と言うか、ペンで小泉首相を操作しようと考えるタイプなのだな・・・・と言う風に私には思えてしまいます。

ちなみに、及川正也と言う人は月間「潮」2006年1月号に同様の記事を書いています。
潮出版社と言うのは、あれ系の出版社です。もろですw

ここを見ればすぐわかりますです。

2000/05/17 毎日新聞朝刊
[ニュースキー2000]森首相「神の国」発言 憲法理念に逆行

つまり、この二人はペンによる刺客な訳です・・・。
例の宗教団体に多分直属なのだろう、そう言う方々だと思った方が良いでしょうかね・・・。

--以上、引用おわり。

大手新聞社がニュートラルな立場にないこと
を端的に示す指摘である。まさにマスメディアを使って国民を煽るやり方なのである。

我々はマスメディアに対して、冷静さを保たなければならない。学問(科学)と同じように、マスメディアの論調に対しても「まずは疑え」である。大企業から多額の広告料を貰っているわけだ。当然のこと「もっと疑え」である。「すべて疑え」かな。

どこかにスポンサーを取らない新聞があったらよいのだが。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

Posted by 奥田健次 経済・政治・国際教育 |

2006.01.02

正月から海外へ

成田のラウンジから。現地に到着して落ち着いたら記事の続きを書こう。

到着した。

ここはバンコク。気温30度。

ミリタリー系ハーフコート(しかも天然ファー付き)を着ている自分が恨めしい。

正月は元日をゆっくり過ごすことができた。実家に帰って恐ろしく時間の流れがゆっくりしていることを肌で感じた。ワーカホリックな自分は、この時間の流れに少なからず恐怖を抱いてしまう。

何よりだったのは、この元旦。一度も外食なし。

自分は365日、外食をしない日が無いのである。なんと体に悪い生活をしていることか。

それはともかく。正月2日から今年は始動。今年の仕事始めはバンコクにいる子ども達と会うのだ。何年経っても仕事前の緊張感が途切れることは無い。それは唯一。自分の体調管理の問題である。

どちらかといえば、自分は脆弱なほうである。小学校や中学校の頃を知る人達はそれを認めるだろう。修学旅行とか遠足の前の日になると、楽しみにしているのに風邪をひいて休んでしまったり。旅先で急性胃炎で病院に運ばれたり。

こんな休日のない生活、外食ばかりの生活を続けていて、果たして体調管理は万全といえるのか? 万全なわけがない。だからこの緊張感でもって体調を維持しているつもりだ。10年間、体調不良で教育相談をキャンセルしたことは1度もない。教育相談の無いお盆や正月に長期休暇を取ると、気が緩んでしまうのか救急車で運ばれるほど体調を崩してしまうことが何度もあったが。そんな自分が好きだ。

おまけ。

なーんてことを考えつつ、観光客より一足先にタイ入国審査にやってくる。ガラガラに空いていて、20代の女性審査官が「こっちにどうぞ」と手招きする。パスポートと入国カードを渡す。以下、下手くそ英語同士の会話。

「イタリア人?」(笑顔で冗談をかましてくる)
「メガネはフランスで、この服はイタリアやで」
「何日、いるの?」
「2日だけ」
「タイ語、喋れる?」
「無理。コープクンカップくらい」
「ガールフレンド、いるの?」(すごい笑顔で)
テキトーな国だ。入国審査でそんなこと聞くか? と思いつつ、どんな展開になるのか興味津々、
「いないよ、ちなみにボーイフレンドもね」と言ってみた。すると、
「e-mailアドレス、教えてくれる?」(すんごい笑顔で)

おいおい。入国審査で口説かれちゃったよ。もちろん、
「日本語しか使えないからなあ」
と答えておいた。

何回も来ているけど、ホンマ、なんちゅう国やねん。確かに、あんまりピリピリした入国審査も嫌やけどね。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

Posted by 奥田健次 教育 |

2006.01.01

発達障害者支援法の通知文書

2006年元旦を迎えた。

今年、一発目の記事は特別支援教育関係である。

平成17年(2005年)4月から『発達障害者支援法』が施行された。この法律は、2005年秋に自民・公明の賛成多数にて採択された『障害者自立支援法』とは異なるので、専門外の方はご注意いただきたい。

前者の『発達障害者支援法(以下、支援法)』は、厚生労働省と文部科学省が省庁の壁を越えて作成したものであり、これに関わった国会議員も超党派から構成されていた。

今まで学校や地域社会において、発達障害児・者に対する無理解から十分な支援が受けられなかったのだが、この支援法を通して地域全体で理解と援助を深めていくことになったのだ。

さて、こうした教育関係の新法が施行されると、中央から各地へ「通知」がなされる。これは非常に重要な意味を持つものである。差出人が「文部科学事務次官」と「厚生労働事務次官」であり、宛先は「各都道府県知事、各指定都市市長、各都道府県教育委員会教育長、各指定都市教育委員会教育長、各国公私立大学長、各国公私立高等専門学校長」となっている。

ところが、それにもかかわらず特別ニーズのある子どもに対する支援が何もなされないどころか、相変わらず「我慢を強いる」自治体が山ほどみられる。

たとえば、そのご家族の居住する学区の小学校には特別支援学級が無いという理由で、学区外の小学校に越境するよう迫られることがあるのだ。教育委員会の言い分を聞いてみると、「部屋がない」「金がない」「学区外の学校はセンター校として良い支援をやっているから」などという。

場合によっては、母親が送り迎えを6年間しなければならないことになる。そんなことをさせたら母親が燃え尽きてしまうのではないか。「越境するな」というのは聞いたことがあるが、教育委員会が「越境しろ」といっていいのだろうか。越境を強いるならば、スクールバスか公用車を出せなのだ

力のある現場教師の仲間達にこの話をすると、「部屋がないとか金がないじゃなくて、やる気がないんでしょ」とバッサリ。そして「余分な部屋がないと言うのなら、校長室でやればいいんだから」と激励された。まったくだ。現場にこういう教師がいてくれると本当に力づけられる。校長も、校長室を教室にされたくなければ、部屋の一つくらいなんとかしろなのだ。

クライアントの保護者達が何度となく教育委員会と交渉しているが、ほとんどまともに取り合ってくれないようである。「もう、無理かもしれない」と弱気だ。だが、上記の「通知」の存在があるのだ。自分は絶対に、すべての保護者が冷静に交渉していけば、学区内に特別支援学級が新設されると信じて疑わない。もし、この「通知」を無視する自治体、教育委員会などがあれば、堂々と具体名を公表していけばよい。

これまでの特別支援教育の流れを無視してきた自治体や教育委員会。各地で大きな温度差ができてしまったのだが、それがこれからどんどん浮き彫りになってくるだろう。少なくとも、自分に付いてきてくれている保護者達には見抜けるはずだ。土木ゼネコン大好き自治体が多くて目を覆うばかりだが、教育や福祉の充実した自治体もあるだろう。そして、ろくでもない自治体でも保護者が諦めてしまった時点でおしまいなので、あきらめずに変えていこう。

発達に障害のある子どもたち、その保護者へのお年玉代わりに、この「通知」ファイルを差し上げたい。教育委員会との交渉に利用可能な大きな武器となるのは間違いない。教育委員会の連中には、これを読んでいない給料泥棒もたくさんいるはずだ。

就学だけでなく、医療や福祉、就労支援などの様々な面で自治体のサービスに納得いかないことがあれば、この「通知」を利用されるとよい。

 

にほんブログ村 政治ブログへ ←ポチっと一押しに感謝。

「shienhou_tsuuchi.pdf」をダウンロード

「shienhou_tsuchi2.pdf」をダウンロード

Posted by 奥田健次 経済・政治・国際教育社会特別支援教育 |

2005.12.27

日本の矯正教育について

遅ればせながらではあるが、一言、自分の思ったことを書いておこう。

大阪市で姉妹が殺害された事件。容疑者には母親殺しの過去があった。

姉妹刺殺容疑者、母殺害で逆送せず中等少年院送致に
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051220-00000501-yom-soci
 大阪市浪速区のマンションで11月、姉妹が刺殺され室内が放火された事件で、山地悠紀夫容疑者(22)は16歳の時、2人暮らしだった母親を金属バットで何度も殴りつけて殺害した。
 山口県警の調べに「母親が借金をし、使い道を尋ねても、教えてくれず、カッとなった」と供述。交際を望んでいた女性に母親が無言電話をかけたことも動機に挙げた。
 山口地検は2000年8月、「悪質な犯行」として、検察官送致(逆送)を求める「刑事処分相当」の意見書を付け、山地容疑者を家裁送致した。山口家裁は翌月の少年審判で、家庭環境なども考慮し、「矯正は十分可能」と判断。逆送せず、中等少年院送致の保護処分を決めた。
 少年審判で付添人を務めた内山新吾弁護士(山口県弁護士会)はその約3年後、岡山少年院で仮退院直前の山地容疑者と面会した時、「罪を本当に悔い改めるまでは至っていなかったようだ」と感じた。「当時はやむを得なかった」と自らの行為を正当化する言動も見られたという。ただ、家裁決定が当時としては最善の処遇方法だったとの考えは変わらない、としている。
(読売新聞) - 12月20日3時12分更新

鑑別所や少年院における矯正教育の現状について、自分は数年前からどうも納得しがたい気持ちがあった。

数年前、ある学会で少年犯罪の分科会シンポジウムがあったので、自分は別の分科会ではあるが仲間と参加してみた。テーマは「働くこと」というものだった。法務省関係の人やら、鑑別所、少年院、大学教員などが主体となって、ああだこうだやっていた。でも、会場はガラガラだった。

どうも問題は、少年が退院後に労働を始めても長続きしないということのようだ。まじめなシンポジストたちは、延々と現在までの関連データを示してプレゼンするのだが、結論のスライドで何を言うのかと思ったら、なんと「結局、働かないのは『やる気』が無いからなのでしょう」と真顔で仰る。

2時間近くかけての結論がこれだ。思わず、仲間と「ぶっ!!」と笑ってしまった。これじゃあ、矯正教育がうまくいく訳がない。居酒屋の世間話レベルなのだ。

「働かないのはどうして?」「やる気がないから」「やる気がないって、どうして分かるの?」「だって、働かないじゃん」「働かないのは、やる気がないから」「やる気がないから、働かない」・・・・。 

循環論である。21世紀になっても、まだこうした役に立たない議論が繰り返されているのだ。

自分は質問をした。「働くことを論じる前に、少年犯罪を犯す彼らの『遊び方』について論じる必要があるのではないか? 自分は遊び方に問題があると思うのだが。少年院や鑑別所では少年の遊びについてどういう考えで何を行っているのか?」と。

そしたら、こんな質問は想定外だったようで、発表者は少々焦りの色を見せながら「私共はやっております。たとえば、部活です。囲碁クラブとか、将棋クラブ、運動系の部活もたくさんあって、少年達は積極的に参加しています」とのこと。こんな答えだ。もう笑いを通り越して溜め息しか出ない。

そして今年。また別の学会で、少年犯罪のシンポジウムがあった。またも法務教官の主席レベルがシンポジスト。どうも彼らは臨床家のような顔をした役人で「われわれはこんなことも取り組んでいる」というアピールばかり。自分はフロアから質問をさせてもらった。だが、噛み合わない。いつものことだが、こちらの質問に答えてくれないのだ。

噛み合うはずもなかった。質問に答えるとき「あなたの仰ることは分かりますが・・・」という口調で、教えてあげようという感じだった。自分のことを学生のように勘違いしたのだろう。まあ、仕方がない、よくあることだ。アロハクラッシュジーンズだったんだからな。

法務省関係の人は、どうも頭が良すぎるようだ。悪く言えば、頭でっかち。こんな役人よりも、町のペンキ屋のオヤジカミナリ坊主のほうが、よっぽど少年らを更生させていることを自分は知っている。こうした町のカリスマ親爺のやり方にもっと耳を傾けるべきだ。昔も今も、エリートの弱さは、こうしたところに横たわっているのだ。虚心坦懐に学ぶ姿勢に乏しい。

アメリカではこんな治療プログラムが行われているだの、イギリスではこういうシステムで矯正教育が行われているだの、そういう文献オタクばかりでは話にならない。

日本の矯正教育は、現場たたき上げの人間が力を付けていってくれなければ明るい未来は見えてこない。

Posted by 奥田健次 教育 |

2005.12.26

集中講義(本編)

自分の大学で学部生対象の集中講義。通常、30名程度のはずなのに、事情があって何と100名を越える履修登録。

実習系の内容なのに。

最近、教育現場や保育現場で「子どもと遊べない教師」が増えてきているように感じる。

どうやら「遊んでやっている」「教えてやっている」つもりでいて、実のところ子どもに「弄ばれている(もてあそばれている)」ようだ。

そこで、今回の講義ではグループワークで何か作成する内容にしてみた。

たとえば、最近の学術学会などでは口頭発表よりもポスター発表が主流になっている。このポスター発表を、学校では『学級新聞』のように子ども達に作らせたりしている。何かのテーマを題材に、いろいろと調べた上で、グループで手分けして1枚のポスターに仕上げるのだ。

1回目のテーマは、ポスター発表になれるためにも一般的なテーマを与えた。アロマテラピー、ネイルアート、温泉、健康ジュース、ダイエットなど、学生にとって身近なテーマについて調べて発表する。中には、パンチパーマというジョーカー的テーマもあってウケ狙いのグループには最高のネタとなった。

2回目こそ本番。自閉症、学習障害、不登校、いじめ、心の理論など、発達臨床に関するテーマについて調べて発表する。2回目ともなると、学生達の手際も良い。チームワークも向上している。

最後は創作絵本。『子ども向け』って念を押しているのに、パンチパーマの絵本で押してきたグループもいたが、いずれもなかなか良い出来なのだ。

haru

たとえば、本格派。タッチが繊細だ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

oshikko

それから、実用絵本。トイレットトレーニングに使えそうだ。
 
 
 
 
 
 
 
 

post

そして、ポストマン。分かりやすい。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

グループには色んな考えをした人間がいるし、能力や特性もバラバラだ。リーダーシップを発揮する人、アイディアがひらめく人、実働する人、サボる人がいたりする。一時的に、仲間はずれが起こったり、サボりが起こったりすることもある。

そういうことを解決するためには、自分たちが実践してみて考察するしかないのだ。そして、できれば最後には達成感を味わわせてあげたい。

果たして、まずは合格点をあげられるような出来だった。他の講義で、サボり癖や休み癖がついている学生達が、自分の講義には一生懸命参加してくれるのも嬉しい。まあ、自分が出席を厳しくチェックしているから、それが浸透しているということもあるだろう。

3日で半期分。手慣れたものだが、やって良かった。学生達、よく頑張った。自分も。

集中講義中、名古屋が大雪で荒れる中、東京移動などしていて体調はボロボロ。なんとか売薬でしのいだ。

これは、研究生が撮ってくれた出陣前の自分。講義の前に「よしっ!!」と気合いを入れている。もちろん、刀は持ち出せないけども。土方歳三の洋装コスプレっぽいが、これは自分の普段着だ。

hijikata2005

Posted by 奥田健次 教育 |

2005.12.24

フリースクールで不登校をごまかすな

政策の失敗をごまかすための暴挙を止めよう。

先進諸国で不登校を放置したままなのは日本だけだ。放置したままでも平気なのは、家庭教育や学校教育における『価値観のゆらぎ』があるからだろう。そして、文部科学省の不登校にかかわる政策の誤りも含め、教員養成系大学の教員や、臨床心理士などを養成する大学教員、そして嘘を垂れ流してきたマスメディアなどの責任は重すぎる。

はっきりいってしまえば、不登校に対する日本の大人の対応は完全に失敗してきた。官僚・政治家や、専門家、教師、親も含めて、大人がだらしなさすぎる

公明党などはスクールカウンセラーを配置してきたことについて誇らしげにしているようだが、これこそ評価のない教育政策の典型である。毎年、何十億円もの税金をつぎこみながら、今日のように不登校(卒業後はニート)の問題は解決させてこなかった。

以下の記事をご覧頂きたい。『不登校新聞"Fonte"』の過去記事を要約したものである。

教育改革への質問で「フリースクールを義務教育として認める」ことについて聞いているが、これに対して賛成(「賛成」と「まあ賛成」の合計)は、保護者 63%、学校評議員63%、一般教員56%、校長・教頭等55%、教育長44%、首長51%と、総じて賛成意見が過半数を占めた(グラフ参照:不登校新聞"Fonte"より)。

freeschool
こうした動向は、ときどき地方新聞などで紹介されることもある。その都度、自分は講演などで反対を表明してきた。

「フリースクールを義務教育とする」とは、どういうことか。つまり、小中学校に行かなくてもフリースクールに気まま(freely)に通えば義務教育違反ではない、ということになる。『フリーな義務』ってか。まったくもって笑止千万。そもそも、義務教育違反をしたとしても罰則がない法律ではある。

では、何のために? それは、学校側からすれば『学校に通ってこない子どもがフリースクールに行ってさえいれば、不登校児として教育委員会に報告する必要がなくなる』という意義がある。学校側からすれば責任を放棄することができるのだ。

また、教育委員会も小中学校に行かない子どもを不登校としてカウントする必要もなくなる。

つまり、小中学校も、教育委員会(地方自治体)、日本国において、不登校の数を大きく減らすことに成功するのだ。実際には、子どもは小中学校に行かないままなのに!

このように、不登校ごとき問題を解決できない大人どもが、定義のすり替えで不登校を減らしていくことは、完全なる責任放棄である。

現在の対応でも、すでに馬鹿丸出しの教育現場。例えば、中学校に1日も出席しなくても、卒業証書がもらえるだろう。どこの国にそんな馬鹿げたことをする大人がいるのか?

もちろん、自宅で引きこもりになるよりフリースクールにでも通ったり、適応指導教室に通ったりすることは良いことだろう。だが、それを出席とみなして1日も行かなかった学校の卒業証書を渡すことが本当の教育といえるのだろうか。こんなものは詐欺だ。だから、学校教育ってものは大半、詐欺なのだ。『姉歯もビックリ』だろう。

自分は、子どもが通い続けたフリースクールの卒業証書、適応指導教室の卒業証書を授与すべきだと言い続けている。

別に、小中学校(高等学校や大学)の卒業証書という紙切れをもらうことに意義があるわけではない。どうしても小中学校には行けなかったけど、自分なりの生き方を見つけてやる、必要に応じてやり直しの機会を与えてやる。これが教育なのである。

1日も学校に行かなかったのに、他の子どもが『卒業したのと同じとみなす』というのは詐欺である。同じでないのに、同じとみなす子どもに詐欺を教えているようなものだ

にもかかわらず、教員や保護者、教育関係者の多くが半数以上、「フリースクールを義務教育と認める(みなす)」ことに賛成しているのである。この国の大人のアホ具合がよく分かるデータだ。

関連記事:サザエさんのエンディング・ブルー症候群
関連記事:文学的表現で不登校をごまかすな
関連記事:子宝思想
関連記事:商人根性よりも職人魂を
関連記事:子どもを追い込むカウンセラーのアンケート

Posted by 奥田健次 教育 |

2005.12.11

簡単に人を殺してしまう理由

またも子どもが殺されてしまった。悲しいことだ。学習塾のアルバイト講師が生徒を刺殺したとされる事件。

評論家・コメンテーターなどは「二度とあってはならない」と役立たず発言を繰り返しそうだが、残念ながらこれからも続いていくことだろう。

以前、いくつかの新聞社・テレビの取材を受けた。記者はおよそ「どうして、こんなに人を殺すことが平気な感じの人が増えているのか?」というような質問をしてくるのだ。

自分はまず「家庭教育も、学校教育も、マスコミ論調も、すべて間違っているからです」と答えた。そして、具体的な問題点と対処法について分かりやすく説明した。テレビも新聞も、いつも2時間に及ぶ取材。

ただ、いつも取材を受けながら「こんな提案はメディアには載らんやろう」と思っている。記者達も「今まで大学の先生に取材をしたこともありますが、先生のような提案は初めてです。でも、すごく納得できます」という。

案の定、これらの取材が取り上げられることは無かった。通常、記者が適当にアレンジして使うものだが、自分は2時間も取材に応じたのに取材した形跡も皆無。だが、それも仕方がない。本当に、自分はとんでもない提案をするからである。アレンジのしようがない。ここで書いてもいいのだが、何か違うような気がするので、まだ書かない。

自分の提案は具体的な問題解決法であり、学者的な解釈やブログ的な評論などではない。だが、今なおマスコミ論調(そして世論)とは大きな隔たりがあるのだ。

このままでは、最近続いているような腹立たしい事件が続発するだろう。世の中の人達が「またか、またか(まだ続くのか?)」と不安になっている。自分は「ほらな、ほらな(まだまだ続いてしまうとずっと警告してるでしょ?)」と怒り嘆き悲しんでいる。

「からかわれた」凶器準備、計画的か 小6女児刺殺
http://www.sankei.co.jp/news/051210/sha069.htm
(Sankei Web)
 京都府宇治市の学習塾「京進宇治神明校」で同市立神明小学校6年の堀本紗也乃(ほりもと・さやの)さん(12)が包丁で刺殺された事件で、逮捕されたアルバイト講師で同志社大4年の萩野裕(はぎの・ゆう)容疑者(23)=同市=が宇治署の調べに対し「紗也乃さんにからかわれていた」と供述していることが10日、分かった。
 現場の教室では凶器の出刃包丁のほかにも包丁1本とハンマーが発見されており、同署は、萩野容疑者が折り合いが悪かった紗也乃さんに危害を加えたり、脅したりする目的で凶器を準備した計画的犯行の疑いもあるとみて追及している。
 調べなどでは、萩野容疑者は10日午前9時ごろ、教室にいた生徒13人のうち、紗也乃さん以外の12人を別の教室に移動させ、教室に2人きりになった際、包丁で紗也乃さんの首や顔など数カ所を刺したとされる。
 教室には普段、包丁やハンマーは置いておらず、萩野容疑者が外部から持ち込んだらしい。萩野容疑者は「口論となり刺した」とも供述しており、同署は萩野容疑者の自宅を家宅捜索するなどして犯行の経緯を詳しく調べる方針。
 萩野容疑者は2003年に強盗致傷容疑で京都府警に逮捕されていたが、京進は採用時に履歴書を提出させるなどしただけで、逮捕の事実など詳しい身上や経歴を把握していなかった。
 京進によると、紗也乃さんは萩野容疑者を嫌っており、今月に入ってから萩野容疑者の授業を受けなくなったという。
(共同)

          ◇

 「先生が嫌で授業を受けたくない」。京都府宇治市の学習塾で刺殺された堀本紗也乃(ほりもと・さやの)さん(12)はこう話し、萩野裕(はぎの・ゆう)容疑者(23)が講師を務める国語の授業を今月に入ってから拒絶していた。
 萩野容疑者も周囲に「紗也乃さんが素直に指示に従わない」と漏らし、上司の判断で10日の試験担当から外されたが、勝手に出勤。自分で作った国語に関するアンケートへの記入を頼み、紗也乃さん以外の生徒を別の教室に行かせ、午前9時前、2人きりで教室に閉じこもった。
 10分もたたないうちに、救急車のサイレンが鳴り響く。同僚の説得で施錠されていた扉が開かれると、携帯電話を手にした血まみれの萩野容疑者と、あおむけに倒れた紗也乃さんがいた。
 大量の血が流れた教室には、凶器の包丁以外に萩野容疑者が用意したらしい包丁1本とハンマー。教室内を映すモニターは見えないように細工されていた。2人の間にいったい何があり、萩野容疑者はなぜ凶行に走ったのだろうか。
 「人生は一回ポッキリ」。にこやかに白い歯を見せてほほ笑む写真とともに、塾の壁に張られていた萩野容疑者の自己紹介は事件後、すぐに外された。
 一方、カーテンが引かれ、ひっそりとした紗也乃さんの自宅には午後6時すぎ、肩を落とした両親が警察関係者に付き添われ帰宅。親せきらも無言のまま慌ただしく出入りした。
 萩野容疑者が通う同志社大では八田英二(はった・えいじ)学長らが「痛恨の極み」と頭を下げ、苦渋の表情を浮かべた。(共同)
(12/10 19:54)

Posted by 奥田健次 教育社会 |

2005.12.10

子どもを追い込むカウンセラーのアンケート

またしても教育関係者の間違った行為。

化粧品じゃあるまいし、何でもアンケートやればいいってものではない。アンケートをすることによって、子どものいわゆる『不安』や『ストレス』が逆に明確化するという可能性を、教育関係者が知らないのだ。もちろん、マスコミも無知である。

自分に言わせれば、こんなアンケートを続けることは、子どもを余計に病気にしようとしているようなものだ。学校関係者もスクールカウンセラーも、まったく子どものことを分かっていないのである。

先ほどアップされた、この記事をお読み頂きたい。

児童2割の心、不安定 栃木・女児殺害の大沢小学校
http://www.asahi.com/national/update/1210/TKY200512090376.html

 栃木県今市市の市立大沢小学校1年生、吉田有希さん(7)が殺害された事件で、同校が全校児童を対象にアンケートした結果、2割弱の51人が心理的に不安定な状態にあることが分かった。同校は9日、51人の保護者に、今週末はできるだけ子どもと一緒に過ごしてもらえるよう、文書で通知した。
 8日の授業で、「事件のことが気になってしかたない」「よく眠れない」「いらいらする」など20項目をあげた調査票を配布、該当する個所をチェックさせた。
 スクールカウンセラーによると、回答した278人中51人(低学年16人、中学年25人、高学年10人)の回答に、精神的に不安定な状態が見られた。いずれも初期段階の軽い症状で、話を聞いてあげたり、土日を利用して親が一緒に行動したりすれば問題ない程度だという。
 「今の気持ち」と題した自由記入欄には「(有希さんに)もう一度会いたい」「早く犯人を捕まえて欲しい」「もとの生活へ早く戻りたい」などと書き込まれていた。
 同校では、週明けに再度アンケートし、今後の対応を検討する。
(2005年12月10日00時23分:asahi.com)

確かに、犯人を早く捕まえなければならない。これは当然のこと。

だが、地域の子ども達の不安を取り除くための手段としては、犯人逮捕を黙って待つようなものではなく、積極的な手だてが必要なのである。

その手だてとは、(1)犠牲になった子どもへの供養(儀式)と、(2)新しい遊びや活動を通した連帯感の再構築である。自分はこういうことを、池田附属小事件のときにも言っていたのだが。

簡単にいえば、みんなで一緒に犠牲になった子どものことについて涙し、さよならを告げること(ここまでは大抵やっている)。その後、友達と一緒に遊びまくること、親も教師も巻き込んで困難を伴う活動(成し遂げると気持ちの良い達成感を味わえるもの)を成し遂げることなのだ。こうした回復のための台本を作ってやることが大人の仕事なのである。

それが、アンケートとは。幼稚すぎて話にならない。

「事件のことが気になってしかたない」などと、繰り返し子どもに質問するの? 本当に阿呆だな。そんな質問をするから「事件のことが忘れられなくなる」のだ。こんなアンケートに晒される子どもは可愛そうだ。

まったく嘆かわしいことだが、日本の心理臨床とはこんなレベルなのである。

関連記事:子どもはストレスに強いのだ など

Posted by 奥田健次 教育 |

2005.12.09

市教委の単独プレー(先送り)

こんな事件が起こっても、何ら不思議ではない。

母親が娘を生まれてからほとんど外出させずにいたという事件。

母が娘を18年“軟禁”義務教育受けさせず…福岡
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20051206i301.htm
(2005年12月6日3時17分  読売新聞)

 福岡市で11月、福岡県警博多署に保護された同市内の少女(18)が、生まれてからほとんど外出を許されず、義務教育も受けないまま育てられたことがわかった。
 同月初旬、母親(40)が少女への傷害容疑で県警に逮捕されたことから、明らかになった。福岡市教委などは約11年半前から未就学を把握しながら、事実上放置してきたことを認めている。
 同署によると、少女は10月28日午後、テレビを見ないとの言いつけを守らなかったとして母親から顔や背中を殴られ、はだしで家を飛び出した。所持金はなく、同市内の公園で寝泊まりし、水を飲んで空腹をしのいだという。11月1日午後、通行人に助けを求め、保護された。
 少女の身長は小学校低学年並みの1メートル20で、かなりやせていた。ゆっくりとした会話はできるが、漢字の読み書きや計算はできない。
 同署の事情聴取に対し「ずっと家の中で暮らしています。買い物もしたことがないし、友だちもいません」と話した。
 母親は、少女を就学させなかったことについて、「物を壊したり、排せつがうまくできないなど発育の遅れがあり、外に出すのが恥ずかしかった。他人の迷惑になるとも思っていた」と説明した。
 少女は父母と姉、兄の5人家族。父親は留守がちで、姉と兄は既に独立しており、ほとんど母親と2人だけの生活だった。
 博多署はネグレクト(育児放棄)の疑いもあるとみて捜査したが、養育を完全に放棄したとはいえないと判断、傷害容疑だけ立件した。
 少女は現在、検査入院している。
 一方、市教委は少女が小学校に入学する年齢に達した時から、中学校を卒業すべき年までの9年間、校長らに月1回のペースで家庭訪問をさせていた。
 しかし、母親が「娘の具合が悪い」などと面会を断り続けたため、少女の姿は一度も確認できなかった。

はっきりいって、これは母親だけの問題にするべきことではない。こうした親は他にもっといるのだ。自分は専門家として、こうした事例に出会ってきたし、これからもまた出会うだろう。いずれ、今まで関わって救出してきたこうした事例も紹介しよう。

今回の大きな問題は、まず市教委が義務教育の9年間、家庭訪問を重ねながら一度も子どもの姿を見ることがなかったにもかかわらず、家庭訪問以外には何の手も打たなかったことである。

本来なら、何度も面会を断られた時点で、市教委は保健課やら児相やらに連絡を取り、何としてでも誰かが子どもと面会できるようにするべきなのだ。それを怠った市教委は、まさに犯罪的である。また、この時期にこの市教委に関わった教育関係者・児相なども同じく共犯者である。

市教委独自の勝手な判断で問題を先送りすると、こういうことになるのだ。こうした家庭が地域にいることが恥なのではない。知りながら、何も手を打てない教育関係者こそ恥なのだ

最後にこの母親が「発達の遅れ」と言っているが、それも詳しく調べてみなければ本当かどうか疑わしい。また、今回のことを警察署がネグレクトとしなかったのはどうしてなのか。博多ってそういうところなのか?

関連記事:どうしようもない校長

Posted by 奥田健次 教育特別支援教育 |

2005.11.26

携帯電話が、子どもの安全を守るか!?

NTTドコモが「子どもを守る携帯電話」を発売するそうだ。

「子どもを守る」だと!? ハァ?

世の中の不安を背景に、中毒性のあるケータイを子どもに持たせて、子どもをケータイ中毒にして大儲けしようって魂胆じゃねえか!! 金儲けじゃないっていうなら、別にケータイでなくてもいいだろうっ!!(マイクを投げる)

[新製品]NTTドコモ、「子どもを守る携帯電話」を来春発売
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051124-00000019-bcn-sci
(Yahoo!ニュース)
 NTTドコモ <9437> (中村維夫社長)は11月24日、子ども向け携帯電話としてキッズケータイ「FOMA SA800i」(三洋電機製)を開発したと発表した。来春をめどに発売する予定。
 キッズケータイ「FOMA SA800i」は、子どもへの配慮と保護をコンセプトに開発。学校や塾の行き帰りで子どもの安全を守る機能として、通常のFOMAサービスに加えて「防犯ブザー」「GPS測位機能」などの機能を加えた。また、有害サイトなどへのアクセスを制限する「キッズiモード」にも対応した。
 「防犯ブザー」昨日では、端末についているスイッチを引くと100デシベルの大音量アラームが作動し、周囲に危険を知らせる。さらに、あらかじめ登録してある父母などの緊急連絡先に自動音声通話で緊急事態を知らせるとともに、GPSにより現在地を測位してメールで送信されるようになっている。
 端末デザインは、やさしい形の繭をイメージし、アート・クリエイティブディレクターの佐藤可士和氏が担当した。
 NTTドコモは今年9月に「キッズアドバイザリーボード」を設置。子ども向けの商品開発およびサービス展開を推進する。母親の立場として「宣伝会議」編集長の田中里沙氏、犯罪対策専門家の上高家耕一POLICEチャンネル理事兼事務局長、金子郁容慶応義塾大学教授など計5名が来年9月まで2−3か月に1 回のペースで、親と子の「安心」「安全」を実現するためのサービスについて考える。[BCN]
(BCN) - 11月24日19時42分

SA800i


有害サイトへのアクセスを制限するだけが、子どもを安全から守るバリアになると思っているのか? 携帯電話の中毒性については、どう説明するのだ。子どもに携帯電話を持たせて、子どもが自由気ままに長電話したら誰がお金を払うのか? 携帯電話をコミュニケーションの主流として育つ子どもの心理・社会面の影響は?

ドコモよ、「子どもを守る」と言うなら、その端末をすべての子どもに無料配布し、通話料も全額ドコモが負担してみよ。ドコモがたとえ「そうする」と言ったとしても、自分は子どもに携帯電話を持たせることには反対である(過去の記事を参照『携帯電話を規制する』)。携帯電話は麻薬だ。安易に子どもにそれを持たせようとするな。

NTTドコモによると「保護者の意見を聞いていく」ようだが、そのやり方は今の自民党のやり方そっくりではないか。「民意を反映した」とでも言いたいのか? それは、親としては子どもの安全を願うのは当然だろう。だが、それが携帯電話を持たせることとは、論理の飛躍も甚だしい。GPS付き小型アラームで十分だろう。最近では、学生服にGPS内蔵させているものもあるそうだ。この学生服がすべての子どもに無償提供できるよう、携帯電話会社やら三河の車屋なんかが資金を提供してやれよ。

子どもに携帯電話を持たせることに賛成している親が31%、反対が34%、わからないが35%と拮抗しているが、こんなものは今後、社会情勢の変化や、調査方法一つでコントロールされる可能性だってある。

またも、有識者を使って検討していくそうだが、まず新自由主義に墜ちた企業の目的(カネ儲け)ありきで、実際「子どもの携帯電話利用をより安心してご利用いただけるよう...」などと言っている。また、バカ有識者がドコモからカネと名誉をもらって適当な無責任見解を出しつつ、子どもを売っていくんだろうな。

自分なら過去の記事に書いたように、まずは法によるバリアを作ることから取り組むだろう。それをしようとしない企業の「子どもを守る」は、すべて詭弁である。

マイクを投げる? いや、さじを投げたくなる。

Posted by 奥田健次 経済・政治・国際教育 |

2005.11.15

息子に『ひったくり』を教える母

自分は、あちこちの講演や講義で話をしてきた。『子どものニーズ』『親のニーズ』『社会のニーズ』をバランスよく調整していく必要があると。

ニーズの内容によっては、受容するのではなく、否定しなければならないこともある

具体的な例をあげれば「子どもが他人の物を欲しいと言っても、それを無条件に受け入れていいものか? ここで親のニーズが問われる」「もし、他人の物を盗んだら、それは社会のニーズから逸脱する」などと、分かりやすい話をしてきた。

『親のニーズ』だって傾聴する必要はあるが、絶対に受容しなければならないわけではない。「絶対に東大に行って欲しい」「こんな人と結婚して欲しい」などと願っていても、子ども本人がそれを望まない場合もあるだろう。

そして、今までは上の例に加えて「万が一、保護者が『息子を天下一のドロボーにして欲しい』と言ってきたら? お金を積まれても断るでしょう? まあ、こんなことは『どろぼうがっこう』っていう絵本の中でのことやけどね」と説明してきた。

ところが、これが絵本の中の話だけではなくなってしまった。先週末のニュース。

中1息子にひったくり指示、無職の女を逮捕・神奈川県警
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20051111STXKF053511112005.html
(NIKKEI NET)
 神奈川県警は11日までに、中学1年の二男(13)らにひったくりを指示したとして、窃盗教唆容疑で横浜市鶴見区の無職の女(33)を、窃盗容疑で実行犯の中学3年の少年(15)ら2人をそれぞれ逮捕し、二男ら少年3人を補導した。
 調べによると、逮捕、補導された5人は13—15歳の中学生。8月から鶴見区内で11件のひったくりをし、被害は現金約36万円など。女に約25万円を渡したというが、女は「知らない」と否認しているという。
 女は同居の男性(28)、中学2年の長男(14)、二男の4人家族。男性は生活費を渡していたが、女はパチンコにつぎ込んでいたという。
 女は10月7日、自宅で二男とその友人らに「引っ越し代金がないからひったくりをしてきてよ」と指示。二男らが近くの路上で、女性会社員(66)から現金約22万円入りのバッグを奪った疑い。〔共同〕

19歳のときに母親になったのか。以前の記事「子どもを上手く育てるために」に書いた、「生物として親になることは簡単である。だが、親らしく生きることは難しい」ことを物語る典型的な事件だった。

だが、こんなことは戦時中にもあっただろう。不安定な状況では、子どもに略奪をさせるなどということは十分あるわけだ。別に、現代特有の精神病理というほどのものではない。

むしろ、日本もいよいよ戦時中の状況下におかれたとみるべきではないか。これからは、火事場や大震災での助け合いは無くなり、略奪の世に移行していくのだろう。これが、戦後60年経った日本の姿なのだ。

いや、厳密には阪神大震災のときには市民もヤクザも見事な人助けをしていた。あれから10年。新自由主義が生み出した価値−大企業の利潤を絶対視すること(拝金主義)−は、『勝ち組』『負け組』という視野狭窄を市民の意識の中に植え付けてしまった。

ここ数年、新自由主義という保守の衣を着た左翼思想が、日本的な良い物を完全に破壊してしまったのだ。あまりにも、嘆かわしい。

Posted by 奥田健次 教育社会 |

2005.11.12

静岡女子高生タリウム事件

静岡県の女子生徒が劇物を使用して母親を殺害しようとしたとされる事件。

11日の朝日新聞朝刊で、この女子生徒のパソコンから見つかった文書の要約が掲載された。母親が、衰弱していく様子を、淡々と書き連ねている。

母の悪化する病状を凍った目で観察する過程で「僕らは逃げ切れる。絶対に。いや、逃げ切ってやる。捕まるものか」「ばれないか不安で仕方がない」などと述べている。

逮捕後、女子生徒は容疑を否認している。

「僕が入れたのだ」タリウム事件、パソコンに日記風文書
2005年11月11日08時11分 asahi.com
http://www.asahi.com/national/update/1111/TKY200511100377.html
 静岡県の高校1年の女子生徒(16)が母親を劇物のタリウムで殺害しようとしたとされる殺人未遂容疑事件で、生徒のパソコンから特定の人物への薬物の投与とその影響の観察を題材とした文書が見つかっていたことがわかった。文書には母親の容体が悪化した経過と一致する記述が複数あり、静岡県警は生徒が母親にタリウムを摂取させた状況を記録していた可能性があるとみて調べている。
 文書は、生徒が書いたと見られているインターネット上の書き込み「ブログ」とは異なり、生徒の自宅の部屋から押収したパソコンに残されていた。フォルダー名は「真実の口」。「僕」が「Atom」という人物に対し、薬物を指すと見られる「碧(みどり)の小枝」を飲ませる内容で、日記のように日付を追って記述された形をとっている。
 県警は「僕」が生徒本人、「Atom」が母親、「碧の小枝」は酢酸タリウムを表しているとみている。
 文書の中で「僕」は食べ物に混ぜるなどして「Atom」に「碧の小枝」を摂取させ、「足が痛いと訴えている。当たり前だ(中略)僕が入れたのだ、試すために」などとした。「Atom」が入院した後も薬物を飲ませ続けた様子を描き、10月4日の項には、苦しむ原因を知っているが「言えないし、言わない」と記していた。
 女子生徒は容疑を否認しており、文書を生徒が書いていても空想や妄想が含まれている可能性もある。しかし、例えば母親が救急車で病院に運ばれたのと同じ、「10月2日」の項に「Atomが入院した。父が呼んだ救急車で連れて行かれた」と書かれているなど、一連の文書の記述は、県警の捜査で明らかになった事実と次々に一致した。

事件が事件なので、やがて精神鑑定が行われることになるだろう。そして、なにがしかの診断名が付くことは間違いない。十分に予想される診断名は、ここには書かない。鑑定後、また波紋が広がることだろう。

自分が言いたいのは、こうした女子生徒の精神状態がどうだったかということではない。周囲の人間が、この生徒の異変に気づかなかったのか、という点 である。これは、神戸の酒鬼薔薇のときと同じかもしれないし、そうでないかもしれない。つまり、すでに何らかの形で精神科医や心理士などへの相談歴があったのかどうか。

周囲が子どもの異変に気づかない社会。気づいていても何もしない(何もできない)社会。

われわれは今、こんな社会に住んでいるのだ。

Posted by 奥田健次 教育社会 |

2005.11.09

子どもを上手く育てるために

自分はある地域誌に子育て関係の連載を続けている。

テーマは、ペアレンティング(parenting)である。「育児」とか「子育て」という意味の言葉だ。

どちらかというと「育児」は"child care"のイメージが強いが、自分はペアレンティングという言葉が好きだ。"parent""〜ing"。ペアレンティングには「親業」「親らしいことをする」という意味が込められているように思うからである。

生物として親になることは簡単である。だが、親らしく生きることは難しい

こうした思いをベースに、子育てにかかわるすべての人にメッセージを送ってきた。自分のホームページにも、早くから『子育て大学』というコーナーを作って、様々なメッセージを発信してきた。

子育てにかかわる人すべて。これは、もちろん親であり親族、近所などのコミュニティー、そして学校、社会(地方自治体から国)全体である。

一言で言ってしまえば、昨今の大人たちは、(1)自信をなくしてしまっている。または、(2)慢心しきっている。

自信をなくした大人。これは、マスコミ論調や馬鹿学者のに騙されて、子どもを傷つきやすい存在と思い込み、暴れる子どもを受容し続けている。子ど もが殴ってくれば殴られてやり、子どもがわめけばなだめる。日常、子どもに振り回されている人達である。自分は、こういう大人について「子どもの掌 の上で踊らされる大人」と表現している。

慢心している大人。こういうタイプは、大人ではあるが大人になりきっていない。子どものまま、生物として親にはなったものの、「まあ、なんとかなるか」「いつか分かってくれるだろう」などと言い続けている。今日、こうした大人が多すぎる。

子どもも親も、人間なのでわがままである。だが、親になった以上「親らしく演じきる」のが大事なのだ。教師だってわがままな人間だ。聖人君子ではない。教師は給料をもらっている以上「教師らしく演じきる」のが肝要だ。どうせわがままな人間なんだから、人格で接するのではない。そんなものは、自分は正しいと思い込んでいる人間の偽善だ。とにかく「演じるのだ」。そのための、ペアレンティングなのだ。

多くの親御さんに出会って思うこと。それは、子どもに対するカードが少なすぎることだ。教師やセラピストもそう。使えるワザが少なすぎる。

普通の大人は「叱る」「なだめる」カード程度しか持っていない。叱ってもなだめても駄目なとき、「キレる」というカードが出てくる。自信がない親は、このあと子どもに「謝る」カードを切る。これでは、子どもは荒れるに決まっている(こちらの記事「殴る小学生と殴られる大人」も参照)。

子どもに「褒める」のカードを使ってみてほしい。これはかなり有効である。ただ、このくらいのことは、目の中に星がキラキラな教師でも言いそうなことだ。自分に言わせれば、「褒める」カードなんて使えて当たり前。

自分は、子どもに接する大人が持つカードの種類は、多ければ多いほど良いと考えている。国と国が交わる際にも、色々な外交カードが質量ともに優るほうが有利という事実もあるように。

具体的には、子どもに対して有効なカードは「褒める(賞賛、握手、抱きしめ等々)」「叱る」「なだめる」。ここまでは初級者。

中級者以上になると、「すかす」「無視する」「驚かす」「チラつかす」「ちょっと脅す」「プレゼントする」「取り上げる」「手伝う」「邪魔する」「追い出す」 「軟禁する」「煽る」「プチ罪悪感を感じさせる」「笑わせる」「ケムに巻く」などなどが使いこなせる。さらに上級者向けもまだまだあるが、やや過激なのでここには書か ない。

上記のカードのいくつかをみると、きっと教育学者の一部などは「とんでもない」などと言うだろう。だが、そんな反論は実践知らずのクソ意見に過ぎない。クソは肥料に使えるから、そんな反論、クソ以下だ。

また、自信のない保護者は「そんなことをしたら、子どもに嫌われるのでは」とか、「子どもがストレスを抱え込むことにならないか」と思い悩んでしまう。だが、これらもマスメディアが役立たず評論家と一緒にでっちあげた嘘である。過去の記事(「教育の常識は非常識」「子どもはストレスに強いのだ」)も参考にされたい。

ときどき、ごく稀にだが学校教諭でこれらの中級者以上のカードを、見事に使いこなす教師がいる。場面によっては厳しい先生に見えるので、保護者も含めて周囲 からの風当たりもきついはずだ。だが、これらのカードの使い方に間違いがなければ、子どもは必ず慕ってくれるのだ。いずれ、このブログにて具体的な事例の数々を紹介 していこう。

色々なカードを持っているというのが大事なのだ。「褒めるだけ」とか「スパルタ式」で有名な先生がいるとしても、「それしかない」のなら、所詮は初級止まり。剛柔、使いこなす大人にならねばならない

ただ、むやみやたらにこうしたカードを使えば良いというのではない。初心者の生兵法は大怪我のもと

自己研鑽のための修行あるのみなのだ。

Posted by 奥田健次 教育 |

2005.10.24

どうしようもない保護者

最近、「どうしようもない校長」という記事を書いた。

どうしようもない保護者もいる。長いウェイティングの末、ようやく初診の予約を取ることができると、子どもを連れて約束の時間に来てもらうことができるのだ。予約を入れるということは、その時間は他に待っておられる方をお断りしているということだ。

自分にとっても初めての出張先の際は、約束の場所に遅れないように1、2時間前に到着して時間潰しをしている。

それにもかかわらず、初診の保護者が約束の時間をかなり過ぎて到着するようなケースが、まれにある。到着を待っている自分は、親子が事故でもあったのではないか、連絡に間違いがあったのではないかなどと、気が気でない。早く無事に到着することを心配して待つばかり。

どんな事情であれ、遅刻だろうがキャンセルだろうが、予約した際にいただいた費用を、自分は原則的に返却していない。また、時間を延長することもしない。時間を延ばすと、 その後に時間通り待っておられる方々すべてお待ち頂くことになるからだ。それに、これから保護者には様々な処方を守って頂かなければならないのに、時間さ えも守れないようだと、うまくいかないのは目に見えている。自分は子どもの指導だけではなく、保護者の指導も請け負っているのである。

保護者が遅刻した場合、ほとんどの方は申し訳なさそうにするのだが、中には「延長しろ」「金返せ」という顔をする人もいる。さらには、「時間半分しか診てもらってないのに、全額取られた」と、あちこち吹聴して回る保護者もいる。

はっきりいって、そういう方には全額お返ししても構わない。

「金を払っているのだからサービスしてもらって当たり前」という考えなのだろう。そういう考えを持つ人は、いつまでたっても満ち足りることがないから気の毒だ。相手の立場に立つとか、他の保護者や子どもの気持ちを理解すること、支援者の理想とするところが伝わらなければ、なかなか信頼関係を築くことはできな い。

最近、学校の給食を食べた後「ごちそうさまでした」と子どもに言わせないようにしている保護者がいるという。給食費を払っているからという理 由のようだ。他にも、レストランで食事をしたときに子どもが「ごちそうさま」と言ったら、「ここでは『ごちそうさま』は言わなくていいのよ」とたしなめる 母もいるそうだ。こちらも、代金を支払っているからという理由だ。お友達の家でご馳走になったときだけ「ごちそうさま」「ごちです」「ごっつぁん」なのだろう。

バスに乗ろうとタクシーに乗ろうと「お金を払っているんだから、やってもらって当たり前」という精神なのだ。驚くべきことは、こうした母親の上(つまり祖父母)の世代 が「私らの頃はそんなことは無かったのに、孫の世代はそういうものなのかねえ」と認めてしまっていることだ。そういえば、いま50歳から60歳前後の人がレストランでや たら偉そうにしている姿を頻繁に見かけるようになった。

この人達は、他者の気持ちを読み取ることが出来ないのだろう。「給食のおばちゃんが、一生懸命作ってくれた」とか、「食中毒にならないようにお店の従業員 が衛生面に気を遣ってくれている」、「事故の起こらないように、タクシーの運転手さんが運んでくれた」など、サービスに携わる人々の心の内まで考え ていかなければ、腹立たしくって仕方がないだろう。マニュアル化が進んだレストランの従業員のサービスの質が低下しているのが事実だとしても、こういう風 に好意的に思い込むのが人付き合いの作法だろう。

自分自身だって、あまりにずさんなサービスには腹を立てることもある。だが、だからといって「やってもらって当たり前」とは考えないようにしている。「お金を払っているほうが絶対に正しい」とも考えていない。

自分はただ純粋に子どもへの発達支援を行いたい。だが、その前に立ち塞がる壁の多くは、親(祖父母も含む)であり、教師なのである。

Posted by 奥田健次 教育社会 |

2005.10.22

どうしようもない校長

数年前、自分が教育相談スクールカウンセラーではない)をやっていたときの話だ。教育委員会から派遣されて地域の小学校を巡回していく。ある日、巡回先の養護教諭から、ある不登校児(A児)についての相談を受けた。詳しく話を聞いてみると、明らかに虐待があるのだ。ネグレクトというタイプの虐待である。ネグレクトとは、保護者が養育をおろそかにする、または完全に拒否することである。

ネグレクトという用語は、そのままカタカナ語として定着してしまった。つまり、昔の日本にはこんな問題など無かったのだろう。いわば舶来種の病気みたいなものだ。

このA児であるが、まず保護者が夜まで帰らなかったり外泊したりして、学校側からなかなか連絡を取ることができない。家庭訪問は拒否され続けている。それでも、心ある養護 教諭がA児の普段の状態を心配して、自宅まで様子を見に行ってみると、玄関から見えた部屋の中はゴミだらけ。ゴミの様子から、コンビニのおにぎりやパンを食べて生活している模様。

こうした状態が入学してから2年近く続いているそうだ。自分はその問題を不登校と片づけるのではなく、すぐに虐待の問題として対応してほしいと養護教諭にお願いした。

そしてその足で、教育委員会に戻って教育長に報告し、校長から話を聞いた上で児童相談所に通報するよう依頼した。養護教諭に迷惑がかからないように、教育長には「巡回相談員の奥田が言っている」と話すよう念を押しておいた。ここまではうまくいったようだ。

ところが、1か月後、学校長は何も動いていないことが判明した。教育委員会に聞いてみたところ、すぐに校長と話をしたら「学校側で対応します」と返事があったとのこと。養護教諭に確認したところ、学校側では何の動きも無かったということが判明した。

自分は教育長に、
「虐待を学校側サイドで黙認している可能性がある。教育委員会もそれを黙認するのか。すぐに役所の保健師も入れて『児童虐待防止連絡協議会』みたいなミーティングを開いてほしい」
と、お願いした。

お願いついでに「この連絡会を開催できないなら、自分はすぐにこの仕事を辞めて、一市民となってこの子を守ります」と脅しを一発かましておいた。ここの教育長は話が分かる人だと信じてのことだった。そして、それは正解だった。

教育長の鶴の一声で、すぐにこの連絡会が開催された。参加者は、小中学校すべての校長と養護教諭、保健師、教育委員会主事、そして自分であった。こうした会議は異例のことだった。邪道かもしれないが、自分の力でもこういう教育委員会の壁を取っ払うこともできるんだなあと、ちょっとした自信にもつながった。

さて、その会議で、自分は用意した資料をもとに虐待の定義を分かりやすく説明し、児童虐待の通報義務について説明した。

続いて、各学校や幼稚園、保健師などが気になる子どもについての情報交換を行った。この会議に先立って、ここに参加しているすべての人間が相談内容についての守秘義務を遵守することを確認、約束していたので、ここでは個人名を出し合って話し合うことができた。

ここでA児のことについて養護教諭が不登校の状態と家庭の状況について説明をしてくれた。さらに、保健師がA児の小学校入学前の様子について説明して下 さっている最中、このA児の小学校の校長。ステンレス製の長机を突然「ガンッ!!」と蹴ったものだから、場の空気が険悪になった。このオヤジ、悪びれる様子もない。誰もがたまたま足が当たってしまった のだろうと思うことにしたが、自分が「すぐに学校または教育委員会を通して児童相談所に通報してほしい」旨、説明している最中に、なんともう1回「ガーンッ!!!」と蹴っ てきた。

自分は『このヤクザ校長のクソガキめ、ワシをなめるなよ』と言ってしまうところを、グッと堪えて「では、校長先生のご見解を聞かせて頂けますでしょうか」と問いかけた。久々の修羅場だぜ。

するとこのバカ校長。「私の学校には、虐待は無い、いじめもない、何も問題ないと考えている」と言いやがる。

自分は「それは先生のお考えでしょう。問 題のない学校なんてありませんよ」と言ってやった。

するとこの馬鹿オヤジ校長の馬鹿発言は最高潮に達する。「自分の目の黒い内は、本校で虐待など起こらない。起こったとして も認めない」

『たわけ者、お前の目が黒かろうが白かろうが関係ないんじゃい』と、これは心の中で。自分もなかなか大人になったものだ。

自分は「教員が虐待していると言っているのではなく、家庭内の問題について言っているんですよ」ということを何度も説明しているのに、「虐待」という言葉だけに反応してしまって、まったく聞く耳を持っていない。後で聞いた話だが、この校長はとにかく人の話を聞かないので有名らしい。

結局、自分はこのミーティングの後、教育長に「この学校長はすぐにクビにするべきです」と進言。1年後に定年を控えた校長のクビを切ることなど出来ないことを知っ ての進言だが、「それが出来ないなら教育委員会が責任を持って児童相談所に連絡すること」と強く提言した。

「次回までに通報していなければ、マスコミを使っ てでも全部告発します、子どもを守るために」という脅しのスパイスも忘れずに。

最後のスパイスは不要だったかもしれないが、お陰で教育委員会からの通報は成就した。だが、最初から動かないだろうと予想していた通り、児童相談所は動かなかった(児相の問題はまた記事にする)。でも、児童相談所がどうせ動かな いだろうからと思って通報しないのは間違いなのだ。まずは、自分らの責任を全うすることが大事である。A児については引き続き、自分と養護教諭、保健師 で連携を取ってフォローしていくこととなった。

それにしても、この校長。本当にどうしようもないぜよ。こういう輩が「大過なく定年を迎えることができました」などと言うんだろうな。私立学校や福祉施設に天下りしたり。勲章ももらうんだろうな。

まったくおかしい社会ぜよ。

Posted by 奥田健次 教育社会 |

2005.10.14

商人根性よりも職人魂を

自分は現在、スクールカウンセラーをやる資格(臨床心理士)を有しているのだが、やらないことにしている(ちなみに自分が資格を持っている理由の一つは、資格を利用した権威主義者の化けの皮をはがすためである)。

スクールカウンセラーは、1日4万円と、安月給の大学教員にはギャラが良すぎるため、アルバイトしている大学教員が山ほどいる。聞けば、保健室の先生(養護教諭)とお茶を飲みながら世間話をして過ごし、たまに「自分は大学教員ですよ」と言わんばかりに教員研修を行う程度。不登校の子どもは学校に来ないのでヒマなものだ。学校に来ている発達障害児が教室で暴れていても「自分は不登校の専門ですから」と何もしないカウンセラーも少なくなく、教員からは不満の声も聞こえてくる。

自分は、効率が悪くギャラも少ない特別支援教育推進体制モデル事業の巡回相談などを喜んでやっている。自家用車で地域の小・中学校を巡回して、暴れている子ども学級崩壊しているクラスを立て直しに行くほうが、「労働したな」という気分になれるので生きている感じがする。ギャラは1日回っても、5,000円くらいにしかならないか。電車やタクシーで行った日には赤字が出ることもしばしばだ。それでも、自分はこっちを選びたい。だって楽しいんだもん。

要するに、臨床家として子どもに直接、接触する機会というものは尊い時間なのだ。

もちろん、仕事に見合った賃金は、払う側の姿勢を問うためにある程度は貰うべきである。ボランティアでやれというならば、払う側の問題解決のための意欲が 低いとしか言いようがない。その問題を解決するために、雇い主はどれくらいコストをかける気持ちがあるのか。こういう問いかけなのだ。

しかしながら、およそ周囲を見渡してみると「いくら貰えるか」というアルバイト感覚の連中が多すぎる。「どの仕事ならどれくらい貰える」という商人根性ばかりが目立ち、「やり甲斐がある」とか「自分はこの仕事を究めたい」という職人魂には、滅多に出会うことがない。

商人根性に代わるものとしては、「資格を取りたい」「医者になりたい」「大学教員になりたい」などという自己実現第一人間が増えている。首尾良くその目標を実現したところで、自分は立派になったとでも勘違いしているのか、ほとんどすべての人はそれから先に技術的な進歩はみられない。

敗戦から60年の間に、世界に誇れる日本の職人が急速に姿を消していった

新自由主義が支配するこの世の中で、ほんの一握りの金持ちがさらに金を得ていく構造の中で暮らしているからこそ、商人としての打算より、職人としての研鑽を追求してみてはどうだろうか。

やり甲斐のある仕事。これを見つけた人は幸せである。

Posted by 奥田健次 教育社会特別支援教育 |

2005.10.05

しない させない 越境入学

名古屋市の区役所で見かけたポスター。

050404ekkyo





越境入学とは、自分の居住地で決められた公立の小・中学校(校区と呼ばれる)に子どもを行かせるのではなく、居住地域外の校区の公立学校に行かせることである。

『しない させない 越境入学』

それにしても、なんじゃこれ!? 3枚ブロックか。どんなジャンプ力やねん。思わず笑ってしまったが、その後、あきれてため息が一つ。

自分の仕事関係では、保護者からの越境入学の相談を受けることが多く、自分としては越境入学を方法論の一つとして相談に応じている。

どういうことかというと、特別支援教育を推進している地区や学校というのは、全国でかなりの地域差があり、隣町では特別支援教育を推進しているが、自分の住んでいる町 では発達障害児は放ったらかしにされているなんてことがザラなのだ。

発達障害児をもつ保護者の思いとしては、越境してでも(自分で子どもを送り迎えしてでも)隣町の学校に行きたいと思う場合があるのである。これを親のエゴと言うなかれ。特別支援教育を推進している地域・学校と、そうでない地域・学校との格差は、まだまだ激しいのだ。これは現場や教育委員会側に問題があることがほとんどである。

ところで、このポスター。そういう特別支援教育がらみの越境をブロックする狙いなのかなと思っていたが、どうやら目的はそれではないようだ。

これは部落差別問題への対策のようである。つまり、部落の地区を含む学校に自分の子どもを行かせるのは嫌なので、部落の子どもがいない隣の学校に行かせたいという人が少なくないようなのだ。

こういう差別のレベルで越境入学を利用していた人がいたのか。自分はシンプルに学校の取り組みのレベルで考えていたというのに。

いずれにしても、この標語(キャンペーン?)、何とかならないものか。

「○○しない、○○させない」
というのは教育関係者が使う言葉としては良くないネガティブなものだ(そういえば民主党が先の選挙で使ったフレーズも「日本をあきらめない」という最悪なコピーだったな)。こんな啓発ポスターを掲げている地域や学校は、中身空っぽであることが多い。 どんな子どもに育てたいのか、どんな学校にしたいのか、どんな地域社会を作りたいのか、そういうプラス思考のビジョンを示すべきなのだ。

Posted by 奥田健次 教育社会特別支援教育 |

2005.10.03

殴る小学生と殴られる大人

小学生の校内暴力が急増していると世間で騒がれている。子どもにではなく教師に対して(つまり大人に対して)である。

こういう現象が注目されているが、そんなもの数年前から前兆があったことだし、なるべくしてなった結末といえる。

10数年ほど前だったか中学生がナイフで教師を刺殺するという事件が世間を騒がせ、それから子どもが大人を殺す事件がしばしば起こるようになった。当時、こうした中学生をどうしたらよいのか、また彼(彼女)らが中学生になるまで、すなわち小学生や学齢前の時期にどのような子育てや教育をしていくべきなのか、具体的な議論や提案はなかった。

むしろ議論は、社会状況に原因帰属するような評論が中心であり、子どものストレスが高まった結実として殺人に至るという、知識人(医師や大学教員など)による根拠のない仮説が跋扈していたように思う。つまり、殺人を行った子どもは加害者でなく被害者であるといわんばかりの論調であった。

結果的に、ゆとり教育だの子どもの人権だの、親も教師も自分の指導力の無さを隠蔽し、子どもに対して腫れ物に触るようなかかわりしかできなかった。

この10年の間、いやこの現在でも、学齢前の子どもが母親を殴り、母親も我が子の暴力を受け入れている関係を、何度目にしたことか。小学生に殴り蹴りつけられて も無抵抗で耐える教師に何度、出会ってきたことか。自分の仕事柄、こういう場面に出くわさない週はないほど、大人が子どもに殴られている

たとえば、ナイフを学校に持ってくる中学生。当時こんな事件が増えてきたので、一斉に抜き打ちで持ち物検査をしてはどうかという意見があった。だが、あえなく子どもの人権を保障せよという批判があって、持ち物検査をすることもできなかった。

自分は当時、こう反論したものだ。
「子どもが自由に武器を持ち歩けるなら、教師はピストルを持つべきだ」
もちろん過激な提案であることは分かっていた。過激ではあるが、実際にナイフを忍ばせ持ち歩く子どもが学校の中にいて、その周りに丸腰のクラスメイトや教師がいる。いつ、だれが突然、殺されるかも知れない。丸腰の人間の人権は? 生命の安全はどのように保障されるのか?

教師にピストルなんて持たせたくない。そう反発する人がたくさんいた。その度に自分は、
「教師にピストルを持たせたくないのは自分もそう思う。だが、それ以上に子どもに凶器を持たせたくない(持たせない)と思うのが大人の仕事ではないのか」
 と言ってきた。

さて、10年経過した今。現場はどうするのか? 知識人の空虚な仮説にまた振り回されるのか? 懲りもせず、ストレスが原因などと馬鹿なことを言い続けるのか?

自分には、これを解決するための具体的方法がいくつもある。だが、ここでは触れないでおこう。

--以下、参考記事の引用。

小学生の校内暴力、2年連続増 「対教師」急増 文科省
2005年09月22日19時18分  アサヒ・コム
http://www.asahi.com/life/update/0922/006.html

 全国の公立小学生が04年度に学校内で起こした暴力行為は1890件で前年度比で18%増になっていることがわかった。03年度調査でも27%増で、2 年連続大幅増となった。文部科学省が22日、公表した。このうち、子ども同士や器物損壊の校内暴力は10%台の増加だったのに対し、教師に対する暴力は 336件の過去最多で、前年度の253件から33%増となった。中高生の校内暴力は減少し沈静化の傾向が見えるのに、小学生の校内暴力には歯止めがかかっ ていない。
 この調査は、文科省が毎年すべての公立小中高校を対象に、各教育委員会を通じて実施しているもので、今回は04年度に起きた子どもの暴力行為やいじめなどの発生件数をまとめた。
 文科省によると、小中高生全体の校内暴力の発生件数は、対前年度比4%減の3万0022件。内訳は、小学生の1890件(18%増)のほか、中学生が2万3110件(6%減)、高校生が5022件(4%減)となっている。
 中高生に比べて突出して増加している小学生の校内暴力を細かく見ると、子ども同士の暴力が最も多く992件(前年度比16%増)、次いで器物損壊が 544件(同14%増)、対教師暴力が336件と続く。対教師と子ども同士を除いた「対人暴力」は18件(13%増)だった。
 このうち、最も伸び率の高い「対教師暴力」は、(1)教師の胸ぐらをつかむ(2)いすを投げつける(3)故意にけがを負わせるなど、一定水準以上の暴力 行為について学校から報告が上がったものをまとめたものだ。また、校内暴力で警察に補導された小学生の数は04年度が24人。02年度の2人、03年度の 11人から急ピッチで伸びていた。
 校内だけでなく、学校外での暴力行為も中、高が減少したのに小学生は19%増の210件だった。
 一方、都道府県別では、校内外合わせて小学生の暴力行為が増加しているのは26都府県あった。
 小学生の対教師暴力の件数増加について文科省は「小学校では学級担任が子どもの問題を一人で抱え込み、学校全体や関係機関と一緒に取り組めない。結果的に問題が放置され、同じ児童が暴力を繰り返すケースもあるのではないか」と分析している。
 一方、同時に調査したいじめについては、公立の小中高校と盲・ろう・養護学校全体で2万1671件で、03年度に比べて7%減った。高校と盲・ろう・養護学校ではやや増加したが、小学校は5551件、中学校は1万3915件でいずれも前年度比8%減だった。
 今回、初めて国公私立高校の不登校者数を調べたところ、全体の1.8%にあたる6万7500人だった。小中学生は全体の1.1%にあたる12万3317人いた。
 一方、公・私立高校の中退者数は7万7897人で、82年度の統計開始以来最少だった前年度をさらに3902人下回った。

Posted by 奥田健次 教育社会 |

2005.09.22

子宝思想

日本の子宝思想は平安時代から今日まで続いている。

子どもを大切に育てるという文化であるが、その文化もいろいろだったようだ。子どもは神様から授かったもの。だから大切にしなければならない。大切にしましょう。という考え方。

一方で、子どもは我が宝。自分の宝をどのように使おうと自分の勝手。という考え方もあった。

わが国の現在をみてみると、子どもをペットのように育てていたかと思うと、子どもが言うことを聞かなくなれば殴り殺してしまう。自分のものなのだから、何をしてもよいという思い込み。こんな雰囲気が蔓延しているのだ。

たとえば、アメリカでは子どもは自分の宝というよりも、子どもは社会の宝という観念が強いようである。アメリカの場合、子どもを神様から授かったと言うとき、創造主としての神という具体的意識を伴う。だが、日本の場合は八百万のカミであって、具体的なイメージは伴わない。

したがって、アメリカでは親となった以上、子どもを一人前の社会人にして社会に送り出すことに義務と責任が生じる。この義務や責任を果たせない親は親ではないのだ。アメリカの法律をみても分かるように、教育に関する法律には罰則規定がある。日本にはそれが無い。

日本では、親として不適当な人間から子どもを救い出そうとする意識が少なすぎる。社会全体で育てよう(守ろう)という意識も低い。自分の宝がひどい目にあったら許せないが、他人様の宝は他人様のもの。こういう考え方が蔓延っている。

どこか「あの家庭に生まれた子どもは可愛そうだけど、それも運命かな」という同情だけで済ませている傾向がある。北朝鮮の拉致被害者に対する政府(国民)の対応をみても明らかだ。

比較すると面白い話がある。日本では、親の言うことを聞かなくなった(あるいは大きな問題を起こした)思春期前後の子どもに対し「お前なんかウチの子で はない」と言って追い出してしまう。家の中に入れずに反省させようとする。場合によっては本当に勘当(親子の縁を切られてしまうこと)もある。思春期の子どもの中には、追い出されたらそのまま家から出て行ってしまう子どももいる。

一方、ア メリカではそういう場合「お前はとても外に出せない」と言って、自分の家で深く反省するまで軟禁してしまうそうだ。つまり、外で遊ぶ権利を一時的に剥奪するわけ だ。

もちろん、アメリカでは放っておくと人間は悪いことをしてしまうという(性悪説というよりも原罪)を十分に意識しているので、法によるコントロールが必要だったのだろう。

他方、日本について考えてみよう。日本には子宝思想があるからといって単純に「どの家も子どもを宝のように大切にしているはず」とみなし、今後も法によるコントロールを行わないならば、今日のような子育ての破綻による諸問題を解消することは不可能だと思う。

子宝思想。これは大人にとって都合の良い身勝手な言葉なのかもしれない。

Posted by 奥田健次 教育社会 |

全体研修より事例研を(2)

前回の記事で、講演を聞くだけの全体研修会がさほど有意義では無いと述べた。

学校の教師の実践力を高めるためには、教師の自発的な行動をいかに引き出すかが肝要である。

自分は昨年からスタイルを変更した。講演活動はできるだけお断りし、事例研究会(以下、事例研)を開催することにした。ここに至るまでには、地域の学校で危機感の強い教員や管理職、現場のことを良く理解している教育委員会の主事など、さまざまな立場の人達の理解と協働がなければ実現不可能であった。

また、大学側の教員にもある程度の負担は必要であった。自分はノーギャラで事例研の助言者を引き受けた。

事例研では、教師がA4用紙2、3枚程度に対象児童生徒のことをレポートし、時間にして1ケース30分ほどのプレゼンテーションを行う。助言者は、児童生 徒についての細かな情報を確認していく。その後、参加者はグループでケースについて話し合いを行い、グループ毎にどんなディスカッションをしたか2、3分 程度で発表を行う。最後に、助言者が発表者に対して具体的な実践レベルでの助言を行う。

こうした形式は、従来の全体研修で聞くだけの受動的な学習形態ではなく、自発的に何かを作る本当の意味での学習を促進する。聞くだけでは何を学習したのか不明のままである。まさに、グラウンドに降りて実際にキャッチボールを練習するスタイルが必要なのだ。

百聞は一見にしかずということわざがあるが、ここでは、百見は一行動にしかずと言っておいて差し支えなかろう。

たとえば、教師が子どもの不登校の実態についてプレゼンした際、助言者から家庭での生活習慣について質問されたことで「そんなことも聞かれるのか」と発見 があったとしよう。その教師は、次の発表機会までには子どもの生活習慣について保護者から聞き取りを行ってくれるし、それ以外の事例についても聞き取りを してくれる。つまり、保護者に何を聞くべきかということがキャッチボールをしているうちに、身に付いていくのである。

こうした事例研を毎月開催し、これに毎回参加した教師は、たった1年で考えられないほどの実践力を身に付けていく。おまけに自信の無かった教師が自信を取り戻していく。どうせ投資するなら、自発的に発表する機会のある事例研に投資したほうが、大きな利益となって返ってくることは間違いない。

自分にも利益があった。講演活動中心だった頃、教員や保育士が個人的にわざわざ研究室まで相談に来たケースが4年間で5件だったのが、事例研にしたとたん4か月で12件 である。たった4か月で4年間の2倍以上(昨年のシンポジウムで、このデータの一部を紹介した)。幼稚園教諭、保育士、養護教諭などが、出張としてではなく自分の時間を割いて来られるのだ。無料で対応す る自分も忙しくなってしまったが、こうした現場の変化をとても心強く思った。

結論だが、自分は学校や教育委員会に対して、教師全体のスキルアップを求めないことにしている。事例研に1度だけ参加した教師には「私はもう分かったか ら、今度はあなたが行っておいで」とか「みなさん平等に行きましょう」などと言う人もいるが、それは意味がないので否定している。キーパーソンを養成して いかなければならないのだ。

学校や教育委員会も(もちろん文科省の方向性としても)、全体研修会の予算取りに力を入れるのではなく、事例研やワークショップなどの定期的な開催に力(予算)を入れてもらいたいものである。

Posted by 奥田健次 教育特別支援教育 |

2005.09.18

全体研修より事例研を(1)

これまで数多くの講演活動を行ってきた。一昨年までは、とにかく地域貢献をと考えて、どんなに安いギャラだろうと小規模な講演会だろうと引き受けてきた。そして、それは大学の宣伝活動にも繋がるものだった(ただし、講演依頼など来ない大学側の連中は、宣伝活動になっていることさえ否定するのだが)。

講演の際、主催者側でアンケート調査でもやろうものなら、手前味噌ではあるが毎度好評で、その証拠に講演の依頼がさらに増えるのだった。アンケートの自由記述欄などでは「目からウロコが落ちた」というもので溢れている。

一体、他人様の目からウロコを何枚落としてきたことだろう。でも、講演活動(学校側からすれば全体研修会)では地域の学校教員の実践レベルに変化はみられなかった。

昨年、日本行動分析学会年次大会のシンポジウムで、自分は「キャッチボールをやってみたくする方法‐教師がABA学習行動を自発するための確立操作‐」というタイトルの話題提供を行った。

こんなことを想像していただきたい。たとえば、キャッチボールが上手になりたいと思っているとしよう。そのために、イチロー選手の練習を見に球場に足を運ぶ人がいるかもしれない。やはり、イチロー選手のキャッチボールは見ているだけでも美しい。だから、何度も球場に通った。

さて、これでキャッチボールは上手くなるのだろうか。

自分は、こんなことを繰り返しても時間とお金の無駄としか思えない。キャッチボールを上手くなりたいという目的に到達するための手段としては説得力が無さ過ぎる

キャッチボールを上手くなりたい。そう思うならグラウンドに降りてボールを投げてみよう。どんなに暴投したって恥ずかしいと思う必要はない。プロなら優しく 受け止めてくれるから。

そして、プロはボールを投げ返してくれるので、それを受けてみて欲しい。これも心配いらない。受けやすいように、最初はそうっと投げてくれるだろう。落としても、後逸して も恥ずかしいと思う必要はない。これを繰り返していくうちに、少しずつボールの投げ方、受け方が身に付いていく。

講演を聞くだけというのは、プロのキャッチボールを外野で見学しているだけのようなものだ。そこで、講演がどうだったか評論しても、見学者自身の実践技術は高くならない。

年に1発の打ち上げ花火のような講演、行事としてこなすだけの全体研修では、残念ながら教師の実践力向上には繋がらない。

ところが、どうしても全体研修で講演を聞くというこれまでのスタイルを見直そうとする教育関係者は少ない。きっと、止めるわけにもいかないのだろう。効果は別にして、やっているだけ安心だからではないか。

教師の自発的な研究行動を高め、実践力を高めるための全体研修に代わる方法、そしてその効果について検討する必要がある。

Posted by 奥田健次 教育特別支援教育 |

2005.09.14

文学的表現で不登校をごまかすな

不登校の子どもについて。

これまで、子どもを取り巻く大人が誤った考えをしてきたせいで、不登校の問題はかなり深刻になってしまっている。

特に、これまでの文部科学省、大学教員、教育現場の多数派、そしてマスコミが造り上げてきたイメージ──傷つきやすい子どもたち──というイメージを植え付けてきたことは、犯罪的といえるだろう。

本来、子どもは傷つきやすい存在ではなかった。だが、残念ながら大人が勝手に造り上げたイメージに甘えて、子ども達は本当に傷つきやすくなってしまった(というか甘えが強くなった)。自分は、そういう子ども達を本来の雑草のように強い子どもに戻すために休む暇なく活動している。

不登校の子どもが目の前にいるとする。すると、実践力の無い教師や心理士、精神科医や大学教員などは、すぐにこんなことを言う。

「しばらく充電するのも必要だ」

阿呆か? 充電ってなんだ?

子どものおでこに液晶画面でも付いていて、学校を休ませるとバッテリーマークが満タンになって、そしたら必ず学校に行くっていうのならまだわかる。

いつまで充 電させたらいいのか? 携帯電話の説明書には「約2時間で充電は完了します」などと書いてあるぞ。子どもには何日休ませたら充電完了なのか?

こんな役に立たないごまかし表現を使うな。そして、使わせるな。

他にも、こんな表現も多々、みられる。

「不登校の子どもは感受性が高い」

馬鹿か。だから何が言いたいんだ。不登校の子どものおでこに付いている液晶画面のアンテナは常にバリ3なのか? 不登校に一度もならない子どもは圏外なのか? 子どもを携帯電話に喩えるのはやめてほしい。文学表現や根拠のない比喩を使って実践力の無さをごまかすな。

そもそも「不登校の子どもは・・・」などと十把一絡げにするのはよくないことだ。保護者も、そして当事者(不登校経験者)も、自分の経験を一般化するのはよくない。センチメンタリズムは役に立たないのだ。

学校に行っている子どもにも感受性が高いのもいれば低いのもいる。不登校の子どもにも感受性の高いのばかりではなく、感受性が低いのもいる。専門家の仕事は、個々の子どものアセスメントを丁寧に行うことなのだ。

日本の不登校の問題がいつまでたっても改善しない。改善のためには、これまでの考え方、やり方を全面否定するしかないだろう。自分は数少ない同志と共に、これからも闘っていく。

Posted by 奥田健次 教育 |

2005.09.07

携帯電話を規制する

ソーリ ダイジーン に なったーら
ソーリ ダイジーン に なったーら
ケータイデンワ を きせい する

もしも自分が政治家なら、さっさと携帯電話を規制するだろう。

考えて欲しい。携帯電話は中毒性の高いもの。自分もそうだが、携帯電話を自宅に忘れたら、結構、不安になる。もともと電話がかかってくることが少ないくせに、そんな時に限って電話が掛かってきたらどうしようと、アセるのだ。この中毒性については、携帯電話が普及し始めた頃から携帯電話依存と呼んできた。

ネットで調べてみると、携帯電話依存症という言葉がすでに辞書にあるではないか。

携帯電話依存症
【けいたいでんわいぞんしょう】
俗に,携帯電話への依存性が非常に高い状態のこと。端末を自宅に置き忘れたり,メールの返事が帰ってこないと,不安や焦りなどの感情を引き起こしてしまう状態をさす。携帯(ケータイ)依存症。携帯(電話)中毒。ケータイ中毒。ケーチュー。(goo辞書より)

中毒性のあるものや児童の発達に健全でないものは規制するべきだ。酒やタバコには規制があって、携帯電話だけ規制がないのはおかしい。映画にも規制がある。自分は映画よりも携帯電話のほうが、はるかに問題だと思っている。

最近では、テレビゲームでさえ、規制とまではいかないかもしれないが、やりすぎを注意するような文言がパッケージなどに表示されるようになってきた。

自分は以下のことを提案する。

--
携帯電話等規制法案(法律ドシロウト版)

一、15歳未満に、携帯電話(PHSを含む)を持たせることを禁止する。どうしても持たせたい場合、通話先は保護者・きょうだい、緊急電話(110、119)のみの制限付き電話とする。ただし、メール機能、インターネット機能は、一切、使用できない端末とする。

二、15歳以上、18歳未満の児童については、保護者の承諾を得た上で携帯電話を持たせることを認める。ただし、電話とメール機能については夜22時から朝5時まで使用制限(通話や送受信ができない)がかけられる。インターネット機能は、出会い系またはそれに類する業者へのアクセスへの制限がかけられる。

三、上記を遵守しない保護者には罰金、禁固刑。通信事業者には罰金、禁固刑、事業者資格の取り消し。

四、公共交通機関(タクシーを除く)では、自動的にマナーモードに切り替わる機種以外の携帯電話を製造・販売することを禁ずる。残念ながら、特に中年層の マナーモード使用率は低く、業者が対応せざるを得ないからだ。これを遵守しない製造・販売業者には罰金、禁固刑、製造・販売資格の取り消し。

五、外国人旅行者においても、公共交通機関(タクシーを除く)で携帯電話の着信音を鳴らした「ならず者」は、シンガポールでゴミを道端に捨てたら罰金刑と同じく、罰金刑とする。文句を言う外国人には、キチンと「ならしたのにならず者」の意味を教えてやる義務を負う。

六、テレビや映画の中でも、児童が携帯電話を使用する場面をむやみに露出しない。必要上、やむを得ない場合は露出の方法に配慮する。

七、18歳未満のインターネットの利用についても、別に定めるインターネット規制法の精神に鑑み、本法案と相互に関連させつつ改訂を行うものとする。

--

使用する本人の自主規制に任せるなんてナンパなことを言っている大人は役立たずだ。どうだろう。政治家や官僚に、携帯電話を規制することはできるのか。そ の気があるのならば、自分は心理学者の立場から協力は惜しまないが。

通信事業の大企業からの反発、すでに携帯電話依存になっている大人、子どもからの反 発。いろいろあるだろう。どうも60歳前後から70歳、それ以上の人には、携帯電話やインターネットの危うさを理解できていない人が多いようだ。

携帯電話やインターネットメール世代が大学生、社会人となって進出してきた。彼(彼女)らは、コミュニケーションとソーシャルスキルの両面でかなりの困難性を持っている。

自分が学生の頃、恩師に食事をご馳走になったら、必ず直子の代筆を片手に2時間くらいかけて葉書にお礼を書いたものだ(封書ではなく葉書で出すことに恐縮 しつつ)。書く前、書きながら、推敲しながら、そしてポストに投函するまでの間、宛先の恩師のことを思いつつ。

そして、次にお会いしたときには、必ず最初のご挨拶と共に「前回はお食事をご馳走いただき、ありがとうございました」と言っていた。

それが今どきの社会人、学生たちはどうか。下手をすれば、食事をおごっても店の外に出たときに雨でも降っていれば「あら、雨が降ってきた」の一言で、「ごちそうさまでした」を言うことさえ忘れる始末。

いつかブログで、オゴラレ禁止法案を作ることにする。

Posted by 奥田健次 教育 |

2005.09.05

サザエさんのエンディング・ブルー症候群

日曜日の夜、サザエさんのエンディングで、一家揃って三角屋根のお家に飛び込む辺りの曲を聞くと、なんだかブルーになったことはありませんか? 自分はこれを『サザエさんのエンディング・ブルー症候群』と呼んでいる。

1週間の中で、気分の浮き沈みが、ある一定のパターンで変動する。これは、大人にも子どもにもみられる現象だ。土日が休日の人にとっては、金曜日の昼過ぎから晴れやかな気分になり、夕方、職場や学校から帰るときには最高の気分。「今夜はパーっと行きましょう!!」というのは金曜の夜であり、飲み屋さんなど夜の街が儲かる曜日となっている。

米国にも“TGIF”という言葉がある。これは、“Thanks God It's Friday.”の頭文字で、「花の金曜日」を意味している。旧日本海軍(現在は海上自衛隊)では、「金曜カレー」というのがある。今でも必ず金曜日はカレーを食べている。こちらは、長期航海で分からなくなる曜日感覚を取り戻す意味も含まれている。きっと美味しいに違いない。

金曜、土曜は幸せ。ところが、日曜の夕方あたりから段々、悲しい気分になってくる。サザエさんのエンディングあたりになると、切なくなってくる。そして、月曜日の朝、1週間で最大のうつ状態を迎えることになる。

こうした週間変動に対して、日中変動というのもある。日中変動は、1日の時間の流れで、気分の浮き沈みが一定のパターンで変動することをいう。たとえば、 朝起きたときに最大の不調を覚えるが、出発しなければならない時間を過ぎて「今日は学校(仕事)を休みます」となった後、徐々に体調は元に戻り、昼過ぎには元気に なってくる。

このままなら明日は学校に行けるかなと思いつつ、夕方から夜にかけてまた不安になってきて、次の日の朝に最大の不調を訴える。こういうパターン。この日中変動のことを自分は『お昼の料理番組&笑っていいともを見ると体調スッキリ症候群』と呼んでいる。

これらの週間変動や日中変動は、初期の不登校、登校しぶりのアセスメントで行っておくべきインタビューの一つだ。

わが国の不登校の児童・生徒への支援は、明らかに間違っている。先進国でこれほど不登校の子どもをほったらかしにしている国は日本くらいだ。教育関係者、心理臨床関係者、行政は何をやってきたのか。いずれ、このブログで間違いを指摘していこう。

ちなみに、自分はここ数年、週末に仕事を休んだことがないので、サザエさんのエンディングではブルーになりませんわ。というか、何曜日かって忘れてることのほうが多いかな。

Posted by 奥田健次 教育 |

2005.09.04

仕事と人格

どうも気になることがある。

教育関係の人間で、仕事と人格をイコールにしてしまっている人が少なくない。あるいは、世間が教育に携わる人間に最高人格なるものを求めていることも事実としてあるのではないか。

自分も教育を仕事にする立場にある。先に断っておくが、自分は最低人格である。仕事の前にいかに遊ぶか考えてしまう遊び人だし、 徹底的なへそ曲がりだし、意外と小さな事を気にするみたいだし。これは治したくても治しようがない。というか、もう治せないし、治そうとも思わない。この社会では生活しづらいが、それでいて仕事には結構、役立っているからである。

ただ、自分の提供している教育的援助、たとえば子どもに対するセラピーや学校コンサルテーション、子育て支援や保護者への指導、そして大学での講義など、こういったものについては問題解決のための援助、目標達成のために徹底的に全精力を傾注している。

本来は、相談者だって特定の問題をかかえて相談に来ているわけだ。その特定された問題の解決こそ、本来の目的である。問題解決力の無い人間たち、指導力の無い人間たちが、「人格こそ大切だ」などと言っているにすぎない。そして、世間もそれにまんまと騙され続けている。

我が子が困難な外科手術を必要としているとしよう。その手術を任せるには無理があるが、世間で評判の人格者といわれるドクター。片や、世間での(人格につ いての)評判は悪いが、手術の腕前は最高のブラックジャック。どちらを選ぶか。それでも、人格者ドクターを選ぶ人がいるだろう。

自分のところに相談に来ている方々は、問題解決のニーズを明確にするよう鍛えられているので、人格の良し悪しなど求めなくなっている。自分がプライベートで遊 び人だろうと何だろうと、そんなことよりも何をしてくれるかを求めているからだ。だから、こちらもさらに鍛えられている。人格などを引き合いに出したごまかしがきかないからだ。

自分も仕事とプライベートは完全に切り離している。だから、このブログでどんな馬鹿なことを書いても、仕事には影響しないと思っている。

ただ、やはり教育関係者や世間がついてこれなくなるのも十分、想像できる。それはそれで今は仕方がない。「それは、それ」「これは、これ」という切り替え思考の出来ない人が、老若男女、増えているような気がする。

それでも、仕事と人格はイコールにしないほうがいい。たとえば、仕事の実践上のことで否定的な意見を言われたときに、仕事と人格をイコールにしている人達 は、自分の人格を否定されたと感じてしまって、感情的になるか、恨みを持ってしまいやすい。相互に発展するための議論にならない。

「人格、人格」という人。きっとその方の人格は最高人格なのでしょうね。

Posted by 奥田健次 教育 |

2005.09.03

番長賛歌

自分が中学校の頃、体罰は日常茶飯事だった。自分も「そこまで殴るか?」というくらい殴られた。こっちが悪い場合がほとんどだが、それにしても「そこまで殴るか?」である。

ある先生などは、どうやら生徒が倒れるまで殴ることにしていたようだ。自分はその法則に気付くのが遅く、5発ほど喰らってから倒れていた。隣の奴は、1発で倒れていたから、なかなか賢い奴だ。

それから、自分は第二次ベビーブームの世代なので、教室はぎっしり満杯。いじめも激しかった。中学1年のとき、自分は体重が45キロしかなく、持ち上げたり投げたりしやすいので、よくプロレス技をかけられたりした。1対8とかで、抵抗すれば損をする。

中学2年の頃、またいじめがあった。多数で来られたら、最初から抵抗はしなかった。

ある日、いじめのメンバーの一人が、自分を屋上に連れて行った。そこで「なにをカッコつけとるねん」と因縁をふっかけられたのだ。ここは1対1。自分は大きく息を吸い込んで 「ワレ、なめとったら、いてまうぞ!!」とかましてやった。そいつは意外な態度に驚いて「いや、もういいから」と引いたので、「お前な あ、今度、ようけ(沢山)で来て、ナメたことしたら、一人の時に半殺しにしたるぞ」とダメ押ししておいた。

その後、自分に対するいじめはほとんど無かったし、あってもこの屋上男は黙ってみているだけだった。

中学3年になって、すべてが変わった。自分の名字に近い名前の男が、地域で最強の番長で、初めて一緒のクラス、しかも隣同士になってしまったのだ。なぜか自分はこの番長に可愛がられた。

たとえば、マラソン大会。自分は一生懸命まじめに走っても、肺活量の低さから、いつも最下位争い。でも、番長は違う。本当は走れるくせに、わざと最下位にな ろうとするのだ。ちなみに、自分の中学校のウリの一つが、マラソンに力を入れていることだった。

自分が小銭を少し用意しておいて、靴下に隠しておき、番長と折り返し地点を過ぎたあと、自販機でジュースを購入した。番長と 一緒に水分補給。番長はこういう意外性やら機転が利くのやらが好きなのだ。ゴール寸前、校庭のトラックに戻る前、番長は「お前が先に行け」と合図する。自分は「ハヒー、ハヒー」言いながら大 袈裟にゴール。それに続いて、番長は両手を振りながら、歩いてトラックを一周し、最下位でゴール。見事な絵だった。

ある日の全体朝礼。校長の話があまりに退屈で長い。自分は番長に話しかけ、いつものように笑わせていた。後ろのほうだったのに、それを目ざとく見つけた体罰バリバリ体育教師が、 校長のアリガタイお話を遮って「おりゃー、お前!! 何やっとんじゃ、出てこーーーい!!」と怒鳴る。全学年、全教員、そして校長も凍り付く。自分は「また殴られる んかいな」と、前に出ようとした刹那、番長が「なんじゃーーーーい!!」と言いながら、その体罰教師のところまで出ていった。体罰教師にしたら『いや、お 前とちゃうねんけど』という感じか。

番長の態度に体罰教師もひるまず胸ぐらを掴む。番長も体罰教師の胸ぐらを掴み返す。修羅場だ。

体罰教師「ちゃんとせえっ!!」
番長「やったるわいっ!!」
体罰教師「分かっとんか!!」
番長「分かっとーわ!!」
体罰教師「よし」
番長「おう」

番長は、全校生徒が恐れる体罰教師を相手に一歩も引かず、また男を上げた。

この番長、弱い者をいじめることは決してなかった。だから、自分も番長と仲良くなったからといって、これまでいじめてきた奴らに仕返しをしようと考える こともなかった。番長はいつも自分より強い存在に向かっていくのが好きなようだ。アンタッチャブルなものに、やたら触ろうとする。自分はこの番長の影響を受けすぎ た。

退屈な授業で、自分は突然「あーー、ウンコしたくなってきたーー」と言って爆笑させた。担任に叱られると「ウンコしたくなって、何が悪いねん」と言ってみたり。無茶苦茶な生徒だった。

番長と一緒に学校をさぼって、坂道で一緒に缶チューハイを飲んでゲロを吐いたり。適当にコークハイを作って悪酔いしたり。無茶なことをやったものだ。当然ながら、番長との出会いで、成績は下がっていった。それでも、この番長の姿勢から学ぶことも多かった。

それにしても、この番長が教師に立ち向かっているとき、校内のいじめが無かったように思う。お坊ちゃん、お嬢ちゃんには分からないことかもしれないが。

今どき、こんな番長っているのだろうか。

Posted by 奥田健次 教育学ぶこと |

2005.08.29

子どもはストレスに強いのだ

世の中で、間違った認識の一つ。

子どもはストレスに弱いという。教育関係者や心理臨床家、精神科医から政治家、評論家や学者(近所のオッサン)まで、マスコミ全体も含めて、そのように思い込んでいる。

テレビの報道を見て欲しい。子どもを取り巻く事件が起きたとき、子どもが凶悪犯罪を犯したとき、学者などのコメンテーターが揃って指摘するのは、「ストレス」の存在だ。曰く「ストレスが高いので、学校を休ませたほうが良い」「ストレスが高まって犯罪を犯した」など。

はっきり言って、この「ストレス説」はである。

とうとう、子ども達自身までもが「ストレスが高い」などと言うようになってしまった。大人(社会)が、子どもをストレスに弱い存在にしてしまったのだ。

ストレスに弱いのは大人である。子どもは本来、ストレスに強いのだ。

具体的な事例については、また別の機会に書こうと思う。

Posted by 奥田健次 教育 |

2005.08.22

教育の常識は非常識

このブログは教育改革を冠にしたブログである。

本気で教育改革を、と思っているのだ。しかし、のっけからこんな悲観的なことを言うのはどうかと思うが、実はもう絶望的と思っている。

なぜなら、改革のためには方法(考え方も含めて)を変えなければならないが、それには途方もなく巨大な壁が立ちはだかっているからである。

教育については、だれでも語ることができる。有名大学の教授から、居酒屋でくだを巻いているオッサンまで、だれでも語れる分野である。ヒトゲノムのこと や、化学物質の変異原性のことについて、くだを巻き巻き語れるオッサンはなかなかいない。残念なことだが、教育については、ほとんどの大学の教授と居酒 屋のオッサンとの間で、言っていることに大差はない

教育改革のためには、世間が言っていること、そして世間のほんの一部に過ぎない大学教授の言っていることは役に立たない。

このブログでは、自分が実践の場で成果を積み上げてきたことから、教育改革につながるであろう具体的なアイディアについて、少しずつ披露していく予定である。この国の教育の行く末は絶望的ではあるが、数少ない同志とともに闘っていく。自分は決してニヒリストにはならない。

とにかく、世間で言われる教育・子育てに関する常識は、ほとんどすべて正反対。つまり、間違っていると断言しておこう。

Posted by 奥田健次 教育 |