2013.05.31

日本テレビ『スッキリ!!』出演情報!!

奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局です。

朝の情報ワイド番組、あの『スッキリ!!』に奥田健次先生がご出演なさいますhappy01sign03

この番組からのご依頼についても、あまりにも急だったそうで、その顛末は先生から聞いてビックリしました。先月の『モーニングバード』なんかは、前日の夜にコメントを求められたのだとか。NHKの『あさイチ』も平日毎日やってる番組だから、かなりの過密なスケジュールだったと聞いています。

今度の『スッキリ!!』は、日本テレビ開局60年記念shineのベルト企画っていうんですって。それが教育をテーマにしているらしく。ですから、来週の月曜日から金曜日まで、いま注目されている日本の5人の教育関係者を紹介する特別企画なのだそうですsign03

海外出張中の奥田先生から、つい先ほどコメント(長文)をいただきましたhappy02

スッキリに出るんやけど、おれみたいな見た目がスッキリせん男がな(笑)。いや、おれはホンマはスッキリし過ぎているのかもしれんけども。たとえば、大学を退職したときも失業保険を受けられるらしいところ、おれは「要らない」に○を付けたしな。他にもブログでは言えないスッキリしたエピソードも山ほどあるけどさ。スッキリやなくて『キッパリ!!』か。

急な依頼で、かなり無茶な要求オンパレード。特に無茶なのが「子どもや親を指導しているシーンを撮影したい」というやつね。放送日が決まっててさ、普通は無理でしょ? でもまあ、長年支援してきた家族のご協力によって、それは撮れましたよ。前のドキュメントのときは「初診を撮りたい」ということで、それはもう絶望的に厳しかったんですがね。半年以上かけて協力者が見つかった次第です。

シーンはケース会議、教育相談、佐世保での講演、軽井沢でのロケ、成田空港でのロケなどから抜粋されるんでしょう。15分程度の特集だそうです。たった15分なので、かなり削られるんでしょう。

浅井企画のマネージャーによれば、今どき、テレビ番組で一人の人が15分の時間を持つというのは「かなり長い」のだそうです。確かに。バラエティー番組でも、使っている人が多すぎて、一人が喋ってるところなんか1分も無いくらいかもしれんもんね。

今回、おれは久しぶりに上から下まで真っ黒の服装にしてます。なぜか。それは、すみませんね、他局ですが。『TAKE FIVE』にハマってましてね。TAKE FIVEが盗みに入るときは黒ずくめですから。それだけの理由なり。

日テレさんがどう編集するか分からないけども、おれがどんなに苦労してきたかというような部分はね。そんなに使わないで欲しいねんけどな。そんなもんは窓から捨てちゃえって。苦労してきたという自覚がおれ本人に無いからな。他人から見たら、そりゃそう見えるのかもしれんけども。たまたま生き抜いてきただけで、それは人それぞれやんか。いろんな人がいるって。

そっちよりも、「どんだけ複雑な問題でもサラッと直してるよ、当たり前でしょ」っていう部分を前面に出してもらえればね。努力して結果を出しているんじゃなくて、結果を出すのが仕事ですからね。見所は「嘔吐する子を1回の教育相談で直した」、「強迫性障害の子を1回の教育相談で直した」結果を確認するシーンでしょう。「すごいですね」と言われても、「当たり前です」と答えてます。意外と『アッサリ!!』やねん。

ディレクターに「どこからその自信が出てくるのですか?」と何度も聞かれたけどもね。一般の人にも聞かれますが。あのな・・・。プロのピアニストがドミソの和音を取っただけで「すごいですね」と言われるようなもんでしょ。おれにしてみたら、教育上の課題ってのはそれくらい簡単なものでね。「自信がある」と言うほうが恥ずかしいやん。だから、『アッサリ!!』と「当たり前です」と。

ただ、いじめを見殺しにして言い逃れをする校長らの、言い逃れを許さない指摘だけは、初めてカメラに向かって「おいこら!! ふざけんな、お前らな!!」と、ほとんどプロレスラー状態。プロレスラー状態かもしれんけど、100%の怒りと悲しみをディレクターによって引き出されてしまった格好です。これ、日テレが採用するかどうか、乞うご期待。

それにしても、5月に入ってからの、すでにすべてのスケジュールが決まっている中で、よく実現したよな。しかも、すべての要素が入ってて。ケース会議、臨床、講演、海外移動。そして、軽井沢での農作業。およそ、おれのやってることが撮られましたよ。

前のドキュメントはシリアスな感じになってたけど、今度のは「ドヤ的」なところが出ていればええね。ドキュメントの真似事なら『ガッカリ!!』です(笑)。メッセージがしっかり伝われば『ヤッタゼ!!』『バッチリ!!』ですし、関西人らしさが『クッキリ!!』と『コッテリ!!』出ていれば『スッキリ!!』です。

・・・。

奥田先生、最後のほうは悪ノリcoldsweats01

放送日は、6月5日(水)ですnote

番組自体は8時からのtv番組なのですが、奥田先生が登場する特集は9時頃からということですので、「6月5日(水)あさ9時から日本テレビ系列」でokでしょう。

仕事中の方は録画を。主婦の方々は生放送をご覧下さいねhappy01

文責:奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局

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2010.06.17

【関東地区】講演会のお知らせ

奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局です。

講演会のご案内です。松戸市の小金北中学区教育コミュニティ会議主催、講演会ですsun

子育てのプリンシプルを必要としている教職員、保護者など、自由に参加ができるとのことです。あらかじめ子育てプリンシプルを読んでおかれると、理解をより深めることでしょうbook

ご案内は下をクリックして下さい。ファイルがダウンロードされます。

「子育てプリンシプル講演会」をダウンロード

奥田先生に伺ったところ、「不登校への対応を中心に話す予定です。いじめへの対処も少しだけ話すかも知れないけども、なにせ時間が限られているので、本当に伝えたいことを絞り込んで話します」とのことでしたsandclock

「りす組さん」「らいおん組さん」(←子育てプリンシプルをお読みの方は分かりますよね)くらい年齢の小さいお子さんをお持ちのお母様方に、あるいは祖父母の皆様方に、ぜひとも先生のお話を役立てていただきたいと思いますflair

文責:奥田健次の教育改革ぶろぐろ部の事務局

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2008.03.13

2ちゃんで誹謗中傷された学園長の記者会見

ネット(2ちゃんねる)で誹謗中傷を繰り返した保護者が名誉毀損で罰金刑。

学園長が記者会見をしたようですが、なかなか良いことを言ってくれた。

「ネットの怖さ知って」ライナス学園長

2008.3.12 20:41

 「『2ちゃんねる』さえなければ、と思った。ネットの怖さをもっと分かってほしい」−。インターネット掲示板での中傷で退学者が出るなどの被害を受けた学校法人「湘南ライナス学園」(神奈川県小田原市)。吉崎真里学園長は、いわれのない誹謗(ひぼう)中傷に翻弄(ほんろう)された2年間を、苦渋の表情で振り返った。

 「ライナスのやりたいことは洋服屋、カランの店の労働力探し」「奪い取った入学金は洋服屋の仕入れ金として消えていきます」「学園長が精神異常者」

 LD(学習障害)などで一般の学校で居場所のない児童生徒を受け入れる同学園が開校してから半年後。平成17年11月から始まった誹謗中傷の書き込みは、生徒の就労訓練などのため運営されている婦人服店をターゲットにして始まった。吉崎さんへの個人攻撃もエスカレートしていった。

 これらの書き込みは昨年末に名誉棄損で罰金刑を受けた元生徒の父親のものと確認されているが、ネットの匿名社会は、「祭り」と称して多くの便乗組を呼んだ。

 代理人の弁護士によると、同学園に関する「2ちゃんねる」での書き込みは計5000〜6000件で、そのうち約2000件が中傷的な内容。同学園は父親のほか1人に対して損害賠償を求め提訴しているが、その人物は学園とは無関係な第三者だった。

 「ネットの書き込みを読むたびに吐いた」と吉崎さん。当初「2ちゃんねる担当」とされた職員は、半年後に鬱病(うつびょう)になって退職し、後を引き継いだ夫もノイローゼ症状を起こした。退学者が相次ぎ、48人いた児童生徒は26人にまで減少。母校が中傷されたショックから自傷行為に走る卒業生も出たという。

 書き込みをした父親は、プロバイダーの情報開示により特定された後の19年4月、学園に謝罪文を提出した。書き込みをした理由は「学園について疑問を感じていて、情報がほしかった」とした。吉崎学園長は「なぜこんなことをやったのか、いまだに分からない。子供が楽しみにしていた文化祭を中止にしたことぐらいしか、心当たりはない」と話す。

 また、「子供のために自ら選んだ学校を、自分で壊すようなことがなぜできるのか。うちに通いたがる子供の意思を無視して退学させた親もいた。この2年で、親というものに疑問を抱いた」と率直に語る。

 吉崎さんは「(ネット上の誹謗中傷を)警察にきちんと取り締まってほしい」と主張する。

 「今の子供たちはネットの世界で生きていく。今きちんとしておかなければ、教育を何もかも壊されてしまう」

 会見には、生徒会の生徒も同席した。生徒会長で高校3年生の佐藤祐樹君は「2ちゃんねるにああいう書き込みをされて、とても辛く、怒りを覚えている。学校で暴れていた自分は、ここに通うようになって人の痛みを分かる心ができた。ネットの書き込みより、今現在の自分たちを見て考えてほしい」と訴えた。

この記事を読んでみて、この学校の学園長はなかなかしっかりした先生だと思いますよ。「2ちゃんねる」というネットの問題だけ取り上げて終わりではなく、親の姿勢に疑問を抱いたということを率直に述べている。

「子供のために自ら選んだ学校を、自分で壊すようなことがなぜできるのか。うちに通いたがる子供の意思を無視して退学させた親もいた。この2年で、親というものに疑問を抱いた」

世間では親の問題を指摘できない空気がある。そのために、親のレベルは「裸の王様」よろしく自分が何を言っているのか分からないほど理性が低下してきている。マスコミも学者も教育関係者も、堂々と親の問題を指摘できない(裏では悪口を言っている)。

子どもや保護者におもねる教育者など、絶対に信用しない方がよい。そんなものはホストみたいなもの。足らないところ、至らないところを指摘してくれる教育者なら、少しは耳を傾けてみても良いかもしれない。ただし、これまたそのベースに愛情が無いとね。厳しいことを言うだけなら、占い師でも出来るから。

愛情があるふりをしておもねるだけの教育者は害悪、厳しいことを言うだけの教育者も疑問。なかなか難しいもんです。

だから自分としては、ひたすら目の前の問題を解決してあげることにのみコミットすることにしている。気持ちが伝わらなくても、問題が解決していく事実の積み重ねだけは本物をお見せすることができますからね。誤魔化しも効きませんでしょ。自分はこれまで同様、職人の道を歩み続けます。

 

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2008.02.14

愛知県の小学生にメタボのレッテル

儲かるのは精神病院、製薬会社、ダイエット業界?

今年の4月から小学生にメタボ診断をするんだって。

愛知が小学生にメタボ診断 いじめや差別の懸念も
2008.2.13 20:04

 愛知県は平成20年度から、小学4年生の腹囲などを測定、メタボリック症候群や予備軍と診断した児童に、3年間継続して健康面の指導をするモデル事業に取り組む。

 子供の時点からメタボリック症候群を予防するのが狙いだが、専門家の中には成長期の子供を一律で診断できないとの指摘や、いじめにつながるとの批判もある。

 県によると、事業は一つの市を選び、小4の腹囲、血圧、血糖、血中脂質などを測定して、腹囲75センチ以上など厚生労働省研究班が暫定的に定めた小児メタボリック症候群の基準値を参考に、独自の基準で対象児童を選び、指導にあたっては保護者の同意を得る。対象児童には保健師などが卒業まで指導する。

 県は「悪い生活習慣が出来上がってから変えるのは大変で、子供の時から関心を持つことは大切。病気の予防になる」と強調。いじめへの配慮も検討するとしている。

 こうした取り組みに「成長途上で個人差のある子供に一律の基準を当てはめることに強い疑問を感じる」と話すのは北里大の新村拓教授(日本医療社会史)。「基準から外れた子供にレッテルが張られ、いじめや差別につながる恐れもある」と危ぶむ。

 日本福祉大の二木立教授(医療経済学)も「現代の子供は肥満への嫌悪感が強い。個別の児童を患者のように取り出すのではなく、授業などの場で全員に規則正しい生活や食事を教えるべきだ」と指摘する。

 一方、立命館大の柿原浩明教授(医療経済学)は、いじめへの配慮は必要としつつも「悪い生活習慣を放置するより、指導する方が一定の意義があるのではないか。そもそも成長期の指導に効果があるのか、というデータ収集にもなる」と理解を示す。

 厚労省生活習慣病対策室は「子供の時から食事や運動に気を付けるのは良いことで、愛知県の独自の取り組みとして注目したい」としている。

推進派は「いじめへの配慮をする」と言っているが、具体的にどうやって配慮するのか? 今あるいじめさえ、何もできない連中がどうやって?

それから、推進派も反対派も触れていないことがある。

それは、子どもが「自分自身をいじめる可能性」だ。

小学生のときに「メタボです」と診断されたら、それを他児が知らないように触れないようにできたとしても、自分自身の自己イメージが下がるでしょ。これから増えるでしょうな。小学生なのに断食したり怪しい薬を飲み続けたりして、病気・死亡するような事故が起こるでしょう。精神病院も摂食障害の小学生が増えることでしょうな。

正しい生活習慣を身に付けさせることは大切なこと。しかし、それを胴回り(形態)や血圧なんかを指標にしようとするアイデアは勉強不足としか言いようがない。生活習慣は行動です。胴回りや血圧などは行動の結果なのです。だから、子どもの食行動、運動、睡眠などをチェックすればよい。それと、保護者の行動。子どもにとっては親の行動が成育環境なわけでね。

だから、こんなキャンペーンをやるならば、保護者の行動アセスメントと子どもへの生活習慣指導の指導を保護者に行うべきなんですよ。小学生に教える、気をつけさせるという発想が短絡的。

どうも世の中、保護者を指導しようというアイデアにならんね。それが必要だというのに。

 

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2008.01.12

「職場いじめ」の調査方法

いじめ自殺した運転手の「職場いじめ」の上申書が見つかったという。

遺族が職場に対して調査を要請したそうですが・・・。

「職場でいじめ」上申書残し、名古屋市バス運転手が自殺

 名古屋市交通局野並営業所(名古屋市天白区)の市バス運転手の男性(当時37歳)が昨年6月、職場でのいじめなどを訴える上申書などを残して焼身自殺していたことが11日、わかった。

 遺族によると、男性は昨年6月13日、同市緑区、伊勢湾岸自動車道の高架下で焼身自殺を図り翌14日、死亡した。その後、遺族が男性のパソコンを調べたところ、以前から男性は呼吸器系が弱く、発声しづらいため、職場で「葬式」などと呼ばれていじめられたと訴える上申書などが見つかった

 男性は同年5月28日、同市昭和区内でバスを運転中、乗客の女性が転ぶ事故を起こし、自殺を図る前日、昭和署で事情を聞かれていた。

 男性の遺族は自殺直後、野並営業所に自殺の原因を調べるよう要請。同営業所では男性の上司や同僚ら40人に聞き取り調査をしたが、特に原因がつかめなかったと遺族に回答していた。

(2008年1月11日12時23分  読売新聞)

残念ながら、それは無理でしょう。上司や同僚らに対して、職場に自前で調査させたところで、「いじめてきました」と告白するわけがありません。調査するなら、退職した元上司や同僚をいくつか当たってみるしかない。

職場いじめ、パワーハラスメントは多々あるのである。第三者による調査介入が出来るような法整備がなされないと、悲劇はかならずこれからも続くだろう。

 

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2007.12.15

「職場いじめ」の覚え書き2

覚え書きの続き。

悲惨さ増す職場のいじめ 「見た・相談受けた」8割

2007.12.13 12:59

 日本産業カウンセラー協会が12日発表した産業カウンセラー440人に実施した「職場のいじめ」調査結果によると、実際に見たり相談を受けるなど事例経験があるとの回答は8割に上った。内容としては「パワハラ」が78%を占め、その形態も「罵る・怒鳴る・威嚇する」が68%と最も多く、企業のいじめが悲惨さを増している実態が浮き彫りになった。

■罵る・怒鳴る・威嚇

 協会は過去、4回にわたり産業カウンセラー100人に対して職場のいじめをテーマに調査を実施。今回は企業・団体の従業員カウンセラーら実際にカウンセリング業務にかかわっている人を対象に11月1日から25日までホームページ上で行った。 この結果、「職場のいじめと考えられる事例を見たり、相談を受けたりしたことがあるか」との質問に対しては81%が「ある」として、前回の79・7%を上回った。事例の内容としては、「パワハラ」が78%でトップ。その形態としては「無視・仲間はずれ」(54%)や「嫌がらせ」(50%)を抑えて、「罵る・怒鳴る・威嚇する」が68%で最も多かった。いじめが行われた人間関係では「上司から部下」が85%に達し、「社員間」(56%)、「同性間」(43%)を圧倒的に引き離している。

■想定通りの結果

 会見した同協会の相談事業部長で東京支部のカウンセラーでもある橋渡志保子さんは「自分が受けている相談内容がほとんど当てはまる。怒鳴るなどの行為が日常的に行われている組織では、誰か一人がターゲットになって攻撃され、周囲も自分に影響が生じないように見て見ぬふりをして、パワハラがないことにされてしまう傾向がある。こうした事態は個人ではどうしようもない」と指摘した。

 原康長専務理事も「想定した結果通り」としたうえで「学校でのいじめと同じく、強者が弱者をいじめることが企業社会に持ち込まれ、そのまま見過ごされている。企業内における民主主義がないがしろにされている」と危機感をあらわにした。

■「法整備が必要」

 パワハラ防止のための有効・必要な対策としては、87%が「管理職研修を含む企業内教育」を挙げている。このほか橋渡相談事業部長は「セクハラは法処分が可能になったことで、管理職や一般社員も含めて教育が行き届いている。パワハラについても厳正な処罰ができるように法制度の整備は必要」との見解を示した。

 「今回は、企業の現場で産業カウンセリング業務に携わっている人を対象に限定したことで、何らかのいじめが企業内で行われていることがわかった。人格を無視するようなハラスメントを根絶し、働く人が本当に大事にされる環境作りが、企業の責任者に求められている」と原専務理事は、いじめ排除に向けて具体的な活動の重要性を強調した。

 

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2007.12.14

「職場いじめ」の覚え書き1

パワハラに関する記事。覚え書きとして残しておく。

増える仕事…心に「ゆとり」なく「職場いじめ」?

12月13日10時50分配信 産経新聞

 東京都産業労働局が10年ほど前から労働相談で統計を取り始めた「職場いじめ」(パワーハラスメント、パワハラ)。労働相談全体に占める職場いじめの相談は、平成9年の2・3%から18年には4・6%に倍増した。
 「業務量を増やされ、定時に帰れないと『なぜ残業するんだ』と怒られる」といった理不尽なケースや、「仕事を与えられない」など無視されるケース、中には「カッターナイフを投げつけられた」といった、パワハラのレベルを超えたものまで、相談はさまざまだ。
 「パワハラの相談が増えた一番の原因は雇用の形態や職場環境の変化」と指摘するのは、「職場いじめ」などの著書があるジャーナリスト、金子雅臣氏。バブル崩壊後に進んだリストラと成果主義の導入により、削られた人員で結果を求められる職場環境が生まれたため、パワハラが増えているのだという。「10年前は上下関係にも余裕があった。でも仕事が質、量ともにアップし、ミスも許されない。上司と部下、双方に余裕がなくなっている」と金子氏。「どの企業にも起こりうる問題」とも指摘する。
                   ◇
 職場環境の変化が生んだパワハラが、逆に職場に与える悪影響の例として金子氏が挙げるのは、平成17年4月のJR福知山線脱線事故で問題となった、JR西日本の日勤教育だ。客の「命」と「時間」を預かっているという大義名分の下、教育という名の「懲罰」が徐々にエスカレート。部下は萎縮(いしゅく)してミスを隠そうとし、さらに大きなミスを生み出す。
 「部下を追い込む、JR西と同じような環境が、多くの企業で生まれ始めているのではないか」(金子氏)。
 一方で、企業側のパワハラ対策に対する意識改革が進んできているという事実もある。中央労働災害防止協会が17年3月にまとめた「パワーハラスメントの実態に関する調査研究報告書」によれば、アンケートに回答した企業のうち、パワハラ対策を「重要である」と答えた企業は約8割。
 大企業ほど、その傾向が強かった。またパワハラ被害に対応するための相談窓口も、9割以上の企業が設けていた。
                   ◇
 パワハラ対策に関する講演や研修などを行う企業「クオレ・シー・キューブ」の代表で「パワーハラスメント」という言葉の“生みの親”とされる岡田康子氏は、この調査にかかわった。
 岡田氏は「確かに、大企業や情報感度の高い企業では、以前のようにひどいパワハラは少なくなったようだ」と分析。「かつては精神的な問題を社員が抱えると『あいつは弱い』のひと言で切り捨てられたが、今は上司や社内環境に問題があることに企業が気付き始めている」。
 一度問題になると、マスコミにも取り上げられ、賠償金の請求やイメージの低下など、企業の受ける打撃も大きい。
 何よりも、パワハラで有能な人材を失うことになれば、会社の経営にも直接響く。
 「会社側がリスクの高い問題として、パワハラを位置づけるのも無理はない」(岡田氏)。
 パワハラは“企業力”をもむしばむ危険性をはらんでいるのだ。

 

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2007.11.16

隠されていたいじめ、激増するいじめ。

隠されていたものが明るみに出始めたということ。

それから、新たな「いじめ」が増加していること。

この2つは押さえておくべき。

いじめ 前年の6倍、12万件 文科省、調査方法を変更

2007年11月15日16時12分

 全国の学校で06年度に確認されたいじめは12万4898件にのぼることが、文部科学省が15日発表した「問題行動」の調査で分かった。05年度の約2万件から一気に約6.2倍に増えた。同省は増加の理由として、いじめの定義や調査方法を今回から変えたことや、学校側の姿勢の変化が大きいとみている。

 06年秋にいじめが社会問題化したことを受けて、文科省は、いじめの定義から「一方的に」「継続的」といった限定的な表現を削除。公立校に加えて国・私立校も対象としたほか、「発生件数」ではなく学校が知った「認知件数」を集計し、アンケートなどで子どもから直接聞く機会を設けることも求めた。

 その結果、小・中・高・特別教育諸学校(現在は特別支援学校)の55%にあたる2万2159校で1件以上のいじめが確認された。文科省児童生徒課は「実数がすごく増えたとは言えない。いじめ問題にきちんと取り組んだ学校が多かったと考えている」としている。

 学校別にみると、小学校約6万件(05年度の約12倍)、中学約5万1000件(同4倍)、高校約1万2000件(同6倍)、特別教育諸学校384件(同5倍)。1000人あたりの件数は8.7件で、85年度の7.6件を超え過去最多となった。

都道府県別では、熊本で前年の約125倍となる1万1205件を記録。1000人あたりでは、熊本の50.3件が最多で、以下、(2)福井(36.2件)(3)岐阜(30.1件)(4)石川(26.7件)(5)大分(20.4件)と続く。熊本と最少の鳥取(2.1件)では、25倍の開きがあった。

ほとんどの教育委員会や学校が「事なかれ主義」なので、今まで隠されていたものが隠しきれなくなって噴出しているんでしょ。

まだまだ隠し続けるんやろね。

食品偽造にしても賞味期限の偽装にしても、証拠を突き付けられるまで嘘をつき続ける。

いずこの世界でも同じ。

会社の場合、売れなくなって社長が辞任、会社が倒産。分かりやすい。でも、公立学校の場合、いじめ見殺しで校長の首が飛ぶわけでも学校が倒産するわけでもない。だから、かなり生ぬるいんよ。教育委員会と学校なんて、なれ合いの関係が多いからね。

教師も校長も教育委員会も文科省も、それぞれがそれぞれの自治に委ねているでしょ。いくらでも責任逃れができるし、長年それが続いている。地方自治の悪い側面やね。

教育について、国家が責任を持つ。これは戦後日本が放棄してきたこと。そりゃ、崩壊するわな。

「学校裏サイト」などの「ネットいじめ」とか、新しいタイプのいじめが激増しているという問題。これについて、大人はどう責任を取るのか。大人が次世代の子どもの心身の健康に責任を持つこと。これも、金儲けしか考えなくなった大人が放棄し続けてきた。そりゃ、日本社会は崩壊するって。

来週の23日は国立成育医療センターにて、上記のようなお話をします。こちらの記事をご覧下さい。

 

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神戸の私立高校で生徒を自殺に追い込んだ事件
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Posted by 奥田健次 いじめ・ハラスメント |

2007.11.12

アカハラ覚え書き1

アカハラ(アカデミック・ハラスメント)事件の覚え書き。

第3部・科学者の倫理とは/3 アカデミック・ハラスメント

<社会の中へ>

 ◇精神的圧迫でうつに

 ◇予算・人事掌握…上司絶大、逆らえず

 応用物理学を専攻する国立大准教授の40代男性は最近、ようやく体調が戻りつつあるのを感じている。以前は朝、研究室に来て、上着をハンガーにかけるのも、おっくうだった。前に在籍した大学で、教授から嫌がらせを受け、うつ状態になったためだった。

 企業研究者だったとき、大学院時代に知り合った教授から「別の大学に移る。どうしても一緒に来てほしい」と請われ、誘いを受けた。助手として赴任した初日、勤務時間を尋ねると、教授は「ここは企業とは違う。勤務時間だけ働けばいいと思ったら大間違いだ」と、いきなり怒鳴りつけられた。以来、学生の前で、たびたび怒鳴られた。

 独力で論文を書き上げたある日。研究室の外の廊下で教授から「場所代だから、著者名に(教授の名前を)入れるのは当然だろう」と告げられた。反論を許さない口調に、しぶしぶ応じたものの不満だった。論文内容に関する議論など、教授とはまったくなかった。

 教授は男性が親しくしていた学生らにも、いいがかりをつけ攻撃するようになった。男性は学生との接触を避けた。精神的な圧迫感で研究どころではなく、通院するようになった。

 男性は友人から今の大学が教員を求めていることを聞き、応募して採用された。「大学は研究室単位で動いており、予算と人事権を握る教授は中小企業の社長のようなものだ。研究室の問題は外の人が口出しできない」と訴える。

 この教授は取材に対し、「コメントできない」などと話している。

  ■   ■

 アカデミック・ハラスメント(アカハラ)とは、「教育・研究現場での権力を利用した嫌がらせ」だ。多くの論文を書くことは、科学者の業績や評価につながる。研究に関与していなくても共著者として論文に名前が載れば、成果とみなされる。共著者を強要し、研究成果を横取りするのは、アカハラの典型例だ。

 NPO法人「アカデミック・ハラスメントをなくすネットワーク」代表理事の御輿(おごし)久美子・奈良県立医科大助教らが、04年にまとめた准教授、講師、助教を対象にしたアンケート(回答者931人)によると、研究論文の作成で、1割が「上司に論文の筆頭著者(ファースト・オーサー)をとられたことがある」と答えた。筆頭著者を他の人に譲るように強要されたという回答も1割近くあった。

 「上司から実験データの改ざんや捏造(ねつぞう)を強要された」という教員もおり、権力関係が論文捏造の背景になっていることもうかがわせた。「自分で取った研究費が教授の研究費として使われてしまう」「任期付きの職のため、次のポストを探さなければならないが、上司に推薦状を依頼しても書いてもらえない」という訴えもあった。

  ■   ■

 同ネットワークには今年6月までの1年間、延べ約1200件の相談が全国から寄せられた。御輿さんは、最近の成果主義やプロジェクトの大型化が、アカハラを誘発しやすくしているのではないかと懸念する。多額の公的研究費を受ける研究室からの相談が目立っているからだ。

 御輿さんは「多額の資金を得れば、それに見合う成果が求められ、若手研究者や大学院生は、上から決められた仕事を長時間強いられる。思うようなデータが出ないと、辞めろと叱責(しっせき)される。こうした環境では、アカハラが連鎖的に拡大しかねず、捏造などの不正を招くかもしれない。悪循環だ」と指摘する。【下桐実雅子】

 ◇「身近な相談場所必要」

 過去に所属した研究機関でアカハラを受けたと公表している若山信子さん(65)=茨城県つくば市=は「被害者は自分に落ち度があるのではないかと感じ、泣き寝入りしてしまう。こじれる前に解決できる身近な相談場所が必要だ」と語る。セクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)に続き、アカハラの相談窓口をつくる大学が増えてきた。

 しかし、いくつかのアカハラ訴訟を担当してきた若林実弁護士(第2東京弁護士会)は「大学に相談体制があっても、申し立てることによって2次的な嫌がらせを受けたり、研究がストップしてしまうなど、被害者は不利な状況に置かれがちだ。身内をかばうので、隠ぺいしているのではないかとみられるケースもあり、自浄能力が十分でない」と厳しい見方だ。

==============

 <大学などがアカハラを認めた最近の主な例>

07年10月 大阪市立大教授が博士論文の指導をしていた大学院生に対し、一方的に学生指導の補佐から外す。停職3カ月

07年 6月 広島工業大准教授が国の研究費を不正使用。卒論作成時期の学生を学外調査に動員した。停職6カ月。准教授は依願退職

06年 1月 福岡県立大教員3人が、教授による研究や授業妨害、退職強要があったとして、人権救済を申し立てた。福岡法務局が人権侵害を一部認め、教授に反省を促す措置

05年 7月 山口大助教授が学生にプリンターのトナー代を要求し、研究員からは給料の10%を出すように強要。戒告処分

05年 6月 九州大助教授が大学院生に理不尽な叱責や長時間の説教を繰り返した。戒告処分

    同  岡山大教授が学生に、自分の実験データ解釈を強制しようとして恐怖や不安を与えた。学生のデータをもとに了承を得ず共著で論文を発表しようとした。減給処分

04年11月 九州大教授が20年以上にわたり大学院生の自宅に電話し専攻の変更を迫った。セクハラ行為も。諭旨免職

毎日新聞 2007年11月11日 東京朝刊

Posted by 奥田健次 いじめ・ハラスメント, 教育, 社会 |

2007.10.28

「ネットいじめ」への対応はええけど、根本的な問題はどうすんの?

一言でいえば「大人のだらしなさ」が諸悪の根源。

それを自覚せずに教育がどうのなどと言うのは本末転倒やろ。

「ネットいじめ」対応に学校乗り出す 続く模索

2007年10月27日

 頻発する「ネットいじめ」の対応に、学校現場が乗り出している。とはいえ、いじめの「現場」を見るのに必要なメールアドレスやURL(インターネット内の住所にあたる)は子どもたちが仲間内だけで共有し、大人はたどりつくことさえできないことも多い。決め手はなく、模索が続く。

 「子どもが同級生に服を脱がされ、写真をメールでクラス中にばらまかれた」。大阪府内の私立学校の教員でつくる「大阪私立学校人権教育研究会」(大阪市都島区)には、こんな相談が毎月のように寄せられる。

 私立高の男子生徒の保護者からあった冒頭の相談は、研究会の求めで、学校側が同級生らの携帯から画像を削除させた。同級生は「面白半分でやった」と答えたという。「被害者の心の傷の深さに対し、加害側の罪の認識は驚くほど薄い」と指導員は話す。

 大阪府立学校人権教育研究会(大阪市浪速区)は9月、教師向けのマニュアル「IT危機一髪」を府内の公立学校に配った。ネット内の掲示板などに悪質な書き込みがあった場合の対応のポイントや、削除手続きを紹介している。 

大人ができる対応は限られるので、ネットの怖さを子どもに実感させ、注意喚起する試みも広がっている。

 和歌山大学教育実践総合センターの豊田充崇准教授が取り組むのは、パソコンを使った体験型の出前授業だ。

 例えば——。中学生に、電子掲示板に「将来の夢」を書き込ませる。ある生徒が〈学校の先生になりたい〉と書くと、生徒たちには内緒で研究室の学生に、〈無理無理。あんたテストでカンニングしてたやん〉という書き込みをさせる。生徒らは、誰が書き込んだのか「犯人捜し」を始める。その時点で種明かしをして、第三者による「なりすまし」やネットの匿名性について教えると、生徒らは「恐ろしかった」といった感想を漏らすという。

 豊田准教授は「ただ『してはいけない』と言うだけでなく、仮想体験を通じて危険性を学ぶことが重要だ」と話す。

     ◇

 いまの高校生にとって、インターネットのホームページ(HP)は、友人との「遊び場」のひとつだ。ネット特有の危うさをはらみつつ、広まっている。

 「おまえブスやな」

 「死ね死ね死ね……」

 神戸市内の高校2年の女子生徒(17)が開設するHPには突然、こんな言葉が書き込まれた。心当たりは全くなかった。

 書き込みをたどったら、中学時代の友人とわかった。理由を尋ねたら「遊びで」と返された。「誰かわからなかったし、めっちゃ怖かった。ほっとけばいいと思うけど、やっぱり傷つく」と女子生徒。

 小学6年から携帯電話を使い始めたという兵庫県明石市内の高校1年の男子生徒(15)は、同級生らとつくったHPに、交際していた彼女の名前で突然「別れる」と書き込まれた。驚いて彼女に聞くと「書いていない」という。同じ部活動の後輩が彼女の名前をかたったとわかった。これがきっかけで、複数同士での殴り合いに発展した。

 それでも、この生徒はいう。「ポケットの中に携帯がないと落ち着かない。なくなったら病気になっちゃう」

>大人ができる対応は限られる

どうして? どう限られているん? 何が言いたいんや、この記者は。

>「ポケットの中に携帯がないと落ち着かない。なくなったら病気になっちゃう」

残念ですが、すでに病気です。高校生に限らず、こうした携帯電話依存症の人はたくさんいます。過去の記事を読んでみ。

 

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Posted by 奥田健次 いじめ・ハラスメント, 教育, 社会 |

2007.09.21

神戸の私立高校で生徒を自殺に追い込んだ事件

神戸で起こった高校生を自殺に追い込んだ事件。今回もやはり学校関係者に「見捨て、見殺し」があったようだ。

ややこしいことに関わらない、見て見ぬふりをする傍観者。

「罰ゲームや」ネットに裸写真…神戸の高3飛び降り自殺

 神戸の私立高校で飛び降り自殺した3年の男子生徒(18)が、同級生の少年(17)から現金を要求されていた恐喝未遂事件で、インターネットサイトに、生徒の下半身の写真が掲載されていたことが19日、分かった。サイトは既に閉鎖されているが、兵庫県警は、逮捕された少年を含む同級生らのグループが写真の掲載に関与した疑いもあるとみて調べる。

 学校関係者によると、今春、「裏サイト」と呼ばれる掲示板に、自殺した生徒の裸の下半身を撮影した写真が掲載された。見た友人が「これはいじめやぞ」と言うと、この生徒は「罰ゲームやから」と答えたという。

「裏サイト」を利用した「ネットいじめ」という問題。これが児童生徒らの中で大きな問題となっていることを知っている親、教師らはまだまだ少ない。また、知っていても何の有効な手も打てていない。

さっさと規制しろ。

教師はいじめ認識? 生徒ら漏らす 神戸・高3自殺

 神戸市内の私立高校で飛び降り自殺をした男子生徒=当時(18)=が同級生らから金品を要求されていた事件で、複数の同級生らが「先生が(自殺した生徒を)いじめるなと話していた」などと周囲に漏らしていたことが十九日、関係者の話で分かった。学校側は「(生徒が自殺する前に)教師がそのような話をしたとは聞いていない」と否定。県教育課の聞き取り調査に対し「(一部の行為について)いじめと感じていた生徒もいたようだ」などと説明する一方、再度、教師らから事情を聞く方針を固めた。

 関係者らによると、自殺した生徒に対する同級生らの日常的な嫌がらせについて、複数の生徒が今年四月ごろから「先生も知っている」「授業中に『いじめるな』と言っていた」などと知人に漏らしていたという。

 同校は、生徒が自殺した七月、クラスメートらを対象にした聞き取り調査を実施。「同級生らが、罰ゲームと称して『うそをついたら一万円払え』というような遊びをしていたと聞いたが、恐喝とは認識していなかった」と説明していた。

 県教育課に対して、同校は「罰ゲームは本人が払うと言い出したことで仲間同士の冗談と判断した」と報告。ただ、こうした行為について「いじめと感じる生徒もいたようだ」とも話したという。

 生徒が自殺する前に、教師が「いじめをするな」と言ったとの発言について、「現時点では確認していない。いじめのサインがなかったかどうかも含め、あらためて教師らから話を聞きたい」としている。

 また、自殺した生徒が恐喝未遂容疑で兵庫県警少年捜査課と須磨署に逮捕された同級生の男子生徒(17)とは別の同級生らから偽のブランド品を買わされたり、万引をさせられるなどしていたとの複数の情報もあり、同課などが裏付けを急いでいる。

 一方、同課などは同日午前、逮捕した生徒を送検した。

これもよくあること。学校も教育委員会も「事なかれ主義」だから。なるべくなら「見殺し」を認めたくない。その気持ちが表れているから、弁解に無理があるのだ。

学校側が「罰ゲームは本人が払うと言い出したことで仲間同士の冗談と判断した」という弁解をしているが、これは要するに「自殺した本人のリアクションを見ていると冗談だと判断できた」という意味になる。つまり、これも遠回しに「いじめられっ子にも問題あり」と、いじめの最中または自殺後に言ってはならないことを言っているわけだ。

「僕はいじめられています」と、なかなか言えない心理が分からない人間が、教育の現場にたくさんいるわけ。それが今回の場合、本人に「罰ゲームだから」と言わしめるに至っただけのこと。「罰ゲーム」かどうかは、一方的でない場合に成立する。いつも「罰ゲーム」を食らわされるのが同じ人間ならば、それは「いじめ」である。

これを、読め。

「僕はいじめをやっています」とも、なかなか言えるものではない。だから、いじめっ子も「これは罰ゲームだ」「これは冗談だ」「からかっているだけ」という。でも、これもいじめっ子と傍観者の常套句。こんな常套句を利用する学校や教育委員会は、もう剃髪して一から修行をやり直すしかないでしょう。

「僕らはいじめを見ないことにしています」とも、なかなか言えない。この生徒を助けてやれなかった身近な人たちも、今になっていろいろ言ってももう被害者は帰ってこない。身近な人たちには、彼を助けるチャンスは本当はいくらでもあったのに。一生、傍観者になってしまった辛さを抱えて生きていかねばならない。二度と傍観者にはなるまいと言い聞かせてもらいたい。でも、今は真実だけを彼のために答えてあげていただきたい。

いつも言っていることだが、いじめの問題への取り組みは時間がかかる。そして、覚悟が必要。子どもが死ぬ前に、子どもらが殺す前に、周囲が見殺しにする前に動くことが肝心なのだ。

 

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Posted by 奥田健次 いじめ・ハラスメント, 教育 |

2007.09.18

「いじめ対策支援」がまたも失業対策になりませんように(笑)

今回は(も?)、過激なことを書かせてもらいます。

「仲間はずれ」、「裏切り」、「見捨て」。この三拍子を兼ね備えたスクールカウンセラーが結構いるんですけど? スーパーバイザー(大学教員とか)でも、この三拍子が魔物クラスな人もいるよねえ。

まあ、スクールカウンセラーになるための資格を指定大学院制度でやってるんやけど、それ自体に大きな構造上の問題があるわけでね。

危機管理チーム結成 いじめ対策支援 文科省

 北海道や福岡県で昨年秋、いじめが原因とみられる自殺が相次いで発覚したことを受けて、文部科学省は来年度、いじめ問題に取り組む「危機管理対策チーム」の創設支援や、スクールカウンセラー増員などの対策を実施する方針を固めた。

 「いじめ総合対策」の主な内容は(1)学校内でいじめをはじめとする問題行動が起きた場合、精神科医や弁護士、カウンセラーなど外部専門家による危機管理対策チームを結成(2)人間関係を築く教育実践や異年齢交流など実践研究(3)生徒によるいじめをなくす主体的取り組みの支援−など。それぞれ30地域程度を選び支援する。

 これまで中学校に優先的に配置されているスクールカウンセラーを、全国の小学校の約1割、2000校に派遣できるようにするほか、都道府県ごとにカウンセラーを監督・指導するスーパーバイザーを配置する。

 また、フリースクールや個別相談など不登校対策に実績のあるNPO(民間非営利団体)や民間施設などに対し、学習カリキュラムや活動プログラムの調査研究について財政支援する。

 一方、昨年10月に自殺した中学2年の男子生徒のいじめに教師が加担していたことが判明した福岡県筑前町では、いじめ防止に向け活動指針を策定するほか、児童生徒の居場所として「こども未来センター」(仮称)を開設するなど町ぐるみで対策に乗り出す。健全育成に向けた条例を制定する方針も決めた。

(2007/09/17 12:00)

残念ながら、スクールカウンセラーの増員は今のところほとんど無駄金になるやろな。食えない心理士が増え続けてるんやけど、その失業対策としての政策はええ加減にやめなさい。

文科省の相変わらず駄目なところは「ほれ、予算ついたからしっかりやってくれい」という姿勢。いくら学者が「専門家チームを作ればよい」と言ったとしても、データがなければ信用しちゃいかんよ。「文科省の役人は、データを読み取る力もない」と、他の省庁の役人さんに陰口を言われているのも分かる気がするよ。エビデンスが重要なんであって、有識者の主張なんかウンコ以下やと思わきゃいかん。

いじめの問題については、うちのブログは専門カテゴリに入れて取り上げてきたけどね。まあ、本気でいじめの問題に取り組んで成果を上げたいならば、スクールカウンセラーには職を辞す姿勢で学校や教育委員会、また保護者と対決しなきゃならん局面があるっての。自分はこういう局面を何度も経験してるけどね。「脅されても、脅し返す」くらいの胆力が無ければ無理。今まで何度、四十、五十を過ぎたオッサンを脅してきたことか(笑)。いじめ対策っていうのは、こういう信念や覚悟がいるんやって。

昨年秋以降、いじめ自殺の問題が取り沙汰されて以降、何かの記事で「臨床心理士は『心のケア』を専門にしているので、いじめのような問題にはあまり役立たない。スクールソーシャルワーカーのほうが専門なので検討が必要」みたいな考え方が出されたこともあったよな。

これ、半分は賛成。残り半分は「笑える」。笑えるのは「臨床心理士は『心のケア』を専門にしている」という、ここへ来ての言い訳がましいところ。そもそも、「心のケア」って何やねん(笑)。まあ、いいや。

スクールソーシャルワーカーも家庭にまで介入できるような制度にするならば歓迎。しかし、今までの政府の動きを見ていれば、どうせこれも利権がらみで決められるんでしょ。とにかく、毎度のことながら専門家を養成するシステムが酷すぎるからね。心理士もソーシャルワーカーも、自分が叱りつけなきゃならんような人が指導者のお偉いさんになったりするんやからな。

権力者に迎合しているようなカウンセラーに何ができるねん。まずは偉そうにふんぞり返っている大学教員や医師にエビデンスから虚心坦懐に学ぶ姿勢がなければならんのだが、それが出来りゃあもっと世の中よくなってますわ。

キーワードは、冒頭で言ったように「仲間はずれ」、「裏切り」、「見捨て」。こういう「いじめの構造」が、専門家を養成する構造の中にあるということに気付くことから始めていただきたい。

まあ、とにかく教育の問題については『居酒屋論議』が可能な分野なので(嘲笑)、いつも言ってるように誰でも好き勝手なことを言えるわけよ。自然科学の基礎知識も身に付けていないのが、知ったようなことを言うから馬鹿にされるんよ。要らんからな、うちのブログにはデータ無き者の反論など。居酒屋でやってろ。

 

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いじめへの取り組みは時間がかかる
どうなんでしょうねぇ、臨床心理士って。
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役に立つのか、教職大学院!?
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     など多数。

Posted by 奥田健次 いじめ・ハラスメント, 教育 |

2007.07.20

【最高裁判決】教授への村八分は違法【アカハラ訴訟】

現役の教授に対して、一方的に講義を取り上げて事務職にさせた事件が、最高裁判決によって違法と認められた。

<処分無効訴訟>教授側が勝訴、大学側に制裁的意図 最高裁

7月13日18時51分配信 毎日新聞

 ミニコミ紙上の発言などを理由に不当な戒告処分を受けたとして、鈴鹿国際大学(三重県鈴鹿市)の久保憲一教授が大学側を相手に、処分の無効確認と500万円の賠償を求めた訴訟の上告審判決が13日、最高裁第2小法廷(中川了滋裁判長)であった。小法廷は「大学側の処分に合理的理由はなく、懲戒権や業務命令権の乱用」と述べ、請求を棄却した2審・名古屋高裁判決(05年11月)を破棄、処分を無効とした上で大学側に200万円の支払いを命じた。
 判決によると、99年にミニコミ紙に掲載された久保教授の発言を巡り、教授会が「教授として不適切」と辞職を求める決議をし、大学は戒告処分とした。辞職に応じなかったため、事務職への異動と教育活動の禁止を命じるなどした。小法廷は大学側の一連の行為について「制裁的意図に基づく差別的取り扱いとみられてもやむを得ない」と指摘した。
 1審・津地裁は04年に教授側勝訴としたが、2審では「処分は妥当」として教授側が逆転敗訴していた。【高倉友彰】

この事件。まあ、要するにパワハラ(パワーハラスメント)またはアカハラ(アカデミックハラスメント)なんよね。最高裁は至極まともな判決を下した。

ところで、毎日新聞は具体的にミニコミ紙の内容を書いていない。

ミニコミ紙の発言内容は、こちらから。

(引用開始)
 −三重県での取り組みですが、三重県人権センターを調査されたよ
うですがどのような問題点がありましたか。
 久保−市民運動家の山野世志満さんらと行きましたが、想像以上にひどいものでした。人権センターといってもほとんどが部落問題で占められている。あとの二割ほどが反日、自虐史ですね。どういう子どもや日本人を育てようとしているのかと疑問に感じるような施設です。このセンターで真面目に勉強する子どもがいたら、将来が本当に心配になります。このような施設を公費で建設したこと自体疑問ですね。

 −東京都が計画している平和祈念館問題と何か共通するものを感じたということですか。
 久保−ほとんどオーバーラップすると思います。東京都議会の土屋議員は大学で一年後輩ですが、彼の尽力で計画を凍結させました。人権センター問題はこれから監査請求とか情報公開などで実態を明らかにしていきたいと思います。

 久保教授のインタビューに対する発言が問題だとして、享栄学園は久保教授の解任を決定した。しかし久保教授はこのインタビューの以前に、すでに人権センター問題を取り上げて、報道されている。
 平成十一年八月十二日に、久保教授(当時助教授)らメンバー六人が人権センターを訪れ、馬場佐所長と話し合っていることが本紙八月二十日号で掲載されている。
 久保教授らは「人権センターになっていない。実態は同和解放センターだ。もっと人権全般についての啓発をしてほしい」「戦争の扱いが偏向している。蔵書や展示に日本軍や日本人の加害ばかりが目立つ。日本人が受けた被害についてまったく触れられていない。戦争は最大の人権侵害であり、一方が絶対に正しく、一方が悪いというものではない。事実は事実としてバランスの取れた啓発をしてほしい」と要望している。

 これに対して馬場所長は「人権センターは誕生してまだ三年目だ。これまでの長い同和行政の流れがある。そのため同和関係の図書やビデオが多い。今後、内容を整理するなかで検討したい」「戦争についての蔵書やビデオなどはバランスの取れた内容にするよう努力している。展示についても公正なものにするよう配慮したい」と答えている。
 また久保教授は、ほかのメンバーらと十一月十九日にも人権センターを訪れ、展示内容や図書内容が自虐的だとして改善を求めている。
(この件は本紙と産経新聞が報道した)。
 報道記事を通して、久保教授の一連の発言の内容が終始一貫していることが分かる。
 しかも鈴鹿国際大学の教授会は十月一日付けで、久保助教授(当時)の教授への昇任を満場一致で決めている。
 「なぜいま頃になって問題になるのか。それも大学内部だけで−。まさに青天の霹靂(へきれき)の思いだ。最近になって教授と本部事務員の兼務の辞令が送られてきたが、教授会への出席や講義も認めないという。本当に人を愚弄したやり方だと思う」と久保教授は語っている。
(引用おわり)

要するに、地元の人権センターの内容について疑問視した意見をインタビュー形式で掲載されたということ。教授の主張内容も至極妥当である。ところが、これで「嫌がらせ」が起こりえるということを、一般の人は理解できないかもしれない。しかし、大学という現場ではある。

教授側の「請求原因(一)」を見てみよう。一部引用。

一・辞職を求める教授会の決議
 鈴鹿国際大学学長勝田吉太郎(以下、勝田という)、学部長被告武部、田村晃康教授、中澤巷一教授、教務部長被告中野の五名で構成する「適格性審査委員会」が、平成十一年十二月十七日に「久保教授は本学教員としては不適切な人物と判断せざるを得ず、辞職してもらうのが適当との結論」に達したとして、教授会は、平成十一年十二月二十二日開催の臨時教授会において、「久保憲一教授は本学教員としては不適格であり、辞職を求める」という決議をなした(甲第二号証)。

「請求原因(七)」では、さらに嫌がらせの内容が明らかに。一部引用。

 四、それまで、何ら制限されることなく、研究室を使用し、授業等の教育活動や教授会及び委員会等への出席ができた原告に対し、教授会が突然、正当な理由もなく、「授業等一切の教育活動をさせない」ということは原告に「教員として不適格」という烙印を押すことであり、「教授会及び委員会等への出席はさせない」ということは、いわば原告を「村八分」にすることであり、ともに陰湿な「いじめ」以外の何者でもない。

「請求原因(十一)」では、さらに嫌がらせの内容が露骨に。一部引用。

 さらに被告享栄学園は、原告に対し、「学園本部事務職員と鈴鹿国際大学教授の兼務を命ずる」との辞令(甲第十六号証)の発令に伴い、平成十二年二月十四日付連絡書(甲第十一号証)をもって、なんら理由を示さずに「鈴鹿国際大学の教授会、委員会への出席、その他の教育的諸活動はお辞め下さい」、「法人本部佐藤久雄事務局長より指示」を受けて、鈴鹿国際大学短期大学部二号館において「学園史の英訳業務」「海外留学生の募集事務」をせよと通知(業務命令)した。

 教授の職務は、学生の教授と指導、研究であるのに、被告享栄学園は、鈴鹿国際大学教授たる原告に対し、その本質的職務である「教育的諸活動」をしてはならないと命じ、教授会の構成メンバーであるのに、教授会に出席してはならないと命じ、本来的な上司でもない「法人事務局長」の指揮のもとで機械的作業に従事せよと命じたのである。

医局の嫌がらせを描いた小説『白い巨塔』よりも、えげつない。自分の専門分野の一つである「いじめ・ハラスメント」。他にも、山ほどアカデミックハラスメントの事例を知っている。

実際に、アカハラに遭っている人は、NPOアカデミックハラスメントをなくすネットワークに相談してみてください。

なかなか表に出てこないだけで、大学ではまだまだ信じられないほどの露骨なハラスメントが埋もれているのだ。こうした嫌がらせが違法であるという認識を、もっと日本人は自覚せねばならないだろう。

その意味で、今回の最高裁判決はとても大きな意義のある判決であった。

 

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関連記事:イエスマンにみる『いじめ』の病態
     など多数。

Posted by 奥田健次 いじめ・ハラスメント |

2007.07.18

いじめへの取り組みは時間がかかる

現実離れした活動を続ける教職員組合。

とにかく、組合の連中には「やりたくない、時間をかけたくない」というのが先にあるからね。それを隠すための論理があまりにも稚拙。そして、いつも『人権』という言葉でもって、教師のプロ化にブレーキをかけている。

いつまでそんな、ただの『まやかし』が通用するんやろうかね。

いじめ調査「非協力」の北教組が反論の資料集(北海道)

 北海道教職員組合(北教組)は12日、「『いじめ』問題を考える教育実践資料集」を発表した。昨年12月に道教委が実施したいじめ実態調査に非協力運動を行い、批判を浴びたことを受け、「誤解を解消し、北教組の主張を示す」狙い。

 資料集では、道教委のいじめ実態調査が、北教組の同意を得ずに行われたもので、調査結果が一人歩きし、子供、保護者、教職員の不安をあおったなどと批判。いじめは人権侵害の観点でとらえるべきだとし、子どもの権利条約に基づく主権者を育てる教育が必要などと主張、小中学校と高校の6実践例を紹介している。 

会見で北教組の住友肇副委員長は、道徳教材「心のノート」や、卒入学式での国旗掲揚・国歌斉唱など、「文部科学省の圧力や強制、子供の意見表明権を抑制する教育政策で、人権が根付かない」とし、「主権者たる人間を育てる観点の教育で、いじめを起こさない学校作りができる」とした。

 北教組は今年2月27日の中央委員会で、資料集制作を明らかにしていた。この時期に発表がずれ込んだ理由として北教組は「これだけをやっているわけではない。全国学力テストや教育3法案の反対運動もしていたため」と説明した。

 資料集は52ページ。6000部を印刷し、一般にも無料で配布する。問い合わせは、北教組本部教育文化部(TEL011・561・8825)へ。

(2007年7月13日  読売新聞)

滝川市の小6いじめ自殺のときに遺書の内容を隠し続けた市教委。北広島市では教師と学校がいじめがあると知りつつ放置した。いずれも北海道であったのに(北海道に限らない話だが)、これだけの事件が連発しているにもかかわらず、いじめの実態調査を拒否したのが、北海道教職員組合。当然、批判の目が注がれる結末に。そんな結末になることも予測できないほど、世の中の空気が読めない非常識な連中なんでしょうな。

いじめを見殺しにした学校、教師らが全国各地に山ほどいる。自分は、たくさんの事例をもっているよ。

「いじめを起こさない学校づくり」などと寝言を言っているようだが、そのためには相当な時間をかけなければならない。それこそ、残業手当無しで夜の8時まで仕事しても文句を言わない教員集団の力が必要になる。

こういう話になると、教職員組合の連中はすぐに顔色を変えて反発する。だから、「結局やりたくないんでしょ、所詮」というふうに見られてしまうわけ。

具体的な事例を一つ。

小学校5年の担任(50代男性)が巡回相談のときに、深刻な顔をして相談にやってきた。クラスの中で、いじめにあった女の子の手紙である。

こんな内容であった。

○○先生へ

 わたしは○組の人たちから、イジメられています。『ウザイ!』と言われました。

 教室に入ると、イジメてくる子たちが、ガン見してきます。

 先生は気づいてないけど、わたしは去年から○組の子たちにイジメられています。

 先生が来ると、イジメをやめるからです。でも、先生がいなくなるとまた、ガン見されてイジメられます。

 わたしはもう死にたいと思っています。思い切って○○先生に手紙を書きました。両親にも、○○先生にそうだんしなさいって言われました。

 手紙のことはナイショにしてください。またイジメられるからです。

 わたしのことを、毎日イジメるのは、◇◇さんと、△△さん、●●さん、□□さんです。

 たすけてください。たすけてください。

・・・・・・・・・・・・

この児童の訴えは、さらに便箋に5枚に及んでいた。

担任の男性は、「こういう手紙を受けとったんですが、どうしたらよいのでしょう」と聞いてきた。

このクラスの状況、この児童の状態、クラスの状態、親御さんの理解と期待できる支援のレベルなど、いろいろな事を確認した上で、自分は2つの処方箋を出した。

1つ目は「緊急に必要なこと」。

2つ目は「しばらくの期間、担任として続けて欲しいこと」。

事例のことになるので、詳しい内容はここには書かない。

1つ目の「緊急に必要なこと」については、奥田が動くということでOK。

そして、2つ目の「担任としてしばらく続けて欲しいこと」についてだが、自分もいろんな学校を巡回していて、学校教員の忙しさを理解している。だから、無茶な(明らかに実行不可能な)提案は、最初からしないように心掛けている。

自分が提案した中身は書かないが、要は「担任が放課後に30分だけ、この児童にお付き合いする時間を設けること」を提案した。しかも、「週1日、30分だけ」という提案。担任にとっては、そんな難しいことではなく、ただ30分だけ「あること」にお付き合いするだけでよい。そういう提案だった。

ところが、この提案を具体的に話していると、担任はどんどん暗い顔になっていった。

「どうでしょう、やっていただけませんか?」

と、聞いてみた。

すると、

「・・・・・・我々、教員は放課後はとても忙しいんですよ」

と言う。

自分のクラスの子が「死にたい」と訴え、「先生にしか相談できない」と頼りにされているのに、「忙しい」と答えるこの担任。

そりゃあ、もうこのオッサンを殴ってやろうかと思いましたよ。

でも、なんとか子どものために怒りをこらえて「5分でも10分でも良いですから」とお願いしてみた。

それでも、この担任は、

「・・・・・・・・・・・・この子にだけ特別なことをして良いんでしょうか」

と言う。

「ほな、もう良いですよ! 先生には頼みませんわ!」

と、この担任との相談を打ち切り、即座に校長に直談判することにした。というか、校長を脅しに行った。

脅された校長は、養護教諭を呼んできた。養護教諭に事情のすべてを話して、奥田の2つ目の処方箋については、この養護教諭が実行してくださることになった。

この2つの処方の結果として、それまで続いていたいじめの問題は断ち切られたし、この児童は養護教諭の協力のおかげで長期的にも安定して登校して教室で過ごすことができ、自殺をほのめかすようなことも無くなった。

養護教諭に、この担任の協力の無さについて率直に話したところ、結局「あの先生は組合ですからね」とのこと。

他にも、こんな例はいっぱいあるんやけどな。北海道から沖縄まで。教員だけでなく、養護教諭による見殺しの例すらある。もちろん、見殺しにする管理職もいた。見殺しにするスクールカウンセラー(臨床心理士)、大学教員もいた。中には、我が子を見殺しにする親もいるんですよ。信じられる?

「いじめは人権侵害だ」「主権者を育てる教育が大事だ」の運動で、良くなるわけがない。エビデンスもない。綺麗事を並び立てて正当化するのは教職員組合の常套手段なのだが、結局は「時間をかけたくない」というのがベースにあるだけ。

上記の巡回相談の話に戻るが、養護教諭との話し合いが終わって帰ろうとすると、教職員が玄関まで見送りに来てくれた。

「忙しいから」と言った男性教諭が、「これから大学に戻られるのですか?」と聞いてきたので、「研究室で夜の2時くらいまで仕事します」と答えると、「そんなに遅くまで!」と驚いていた。

自分としては、「プロとして恥を知れ!」と思いつつ立ち去った。この恥を知らない担任は、「大学の先生も、大変なんだなあ」という顔つきだった。

ともかく、いじめへの介入には時間がかかるものなの。人権の大切さを訴えたところで、いじめが無くなればどんなに楽か。無くならないって。

大変かどうかじゃなくって、自分の怒り、分かりますか?

 

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2007.05.25

お門違いの「いじめ自殺に共済不支給」議論

なんか、お門違いというか。「いじめ自殺に共済不支給」だったことについての議論。

これさ、センチメンタルに過ぎるお花畑さんたちにとっては、「なんで支給してやらないんだよ」って言うかもしれないけど。

冷静に考えてみてよ。市教委が「学校管理下で起きたんだ!(だから支給してやれ)」と主張してるんでしょ? これって、おかしくない?

学校管理下で起きたと主張しているんなら、黙って市教委が2800万円を遺族に出してやるべきです。

http://www.asahi.com/edu/news/OSK200705220032.html
いじめ自殺に共済不支給 今治市教委が不服審査請求
2007年05月22日

 愛媛県今治市で06年8月、同市立中学1年男子生徒(当時12)がいじめを苦にする遺書を残して学校近くで自殺したことをめぐり、同市教委が独立行政法人「日本スポーツ振興センター」(東京)に遺族への死亡見舞金の給付を申請したところ、「学校管理下に当たらない」として不支給の決定を受けていたことがわかった。同市教委は不服審査を請求している。

 同センターは「学校の管理下における児童・生徒等の災害」について死亡見舞金(最高2800万円)などを遺族に給付している。同市教委は昨年12月に遺族の同意を得て死亡見舞金の給付を同センターに申請した。しかし、4月12日付で同センターから「自殺は学校管理下ではなく、不支給とする」との返答があった。

 市教委は「自殺の原因となったいじめは学校管理下で起きた」として、今月17日、不服審査請求書を提出した。

 同センター災害共済給付課は「個別の案件については回答できない」としている。

こんなもの、「私ら教育委員会は遺族の味方ですよと装っているだけ」といわれても仕方がないんちゃうかな。

スポーツ振興センター側が「学校管理下ではなかった」と主張し、教育委員会が「学校管理下だった」と主張する。まるで、逆転現象みたい。この『学校管理下』というキーワード。つまり、「学校管理下なのか、否か」がね、大金が支給されるかされないかに直結しているだけのこと。

こんな議論、いじめの問題解決に役立つかい?

いじめたのはだれ? 見殺しにした傍観者はどいつら? 自殺を思いとどまらせるべき人たちは何をやっていたの?

こういう、誰もが考えたくないことや触れたくないことに目を背けていては、何の教訓にもなりません。

 

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2006.11.18

青少年の自殺率を減らしたければ、『ゆとり教育』をやめなさい!

伊吹文科相ももうあきまへんな。いや、伊吹さん一人の力では如何ともしがたかったのか。子どもに向けてのメッセージが、あまりにも空しい。それにしても、不勉強としか言えんよ。

文科相、いじめ阻止に緊急メッセージ…小中高生に配布
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20061117it13.htm

 伊吹文科相は17日午後、子供と大人に向けた二つの緊急メッセージを出し、文部科学省は全国の教育委員会に、メッセージをすべての小中高校生に配布するよう要請した。
 いじめや自殺の問題で、大臣が緊急メッセージを出すのは、1996年1月以来、10年ぶり。
 「未来のある君たちへ」と題した子供向けメッセージは、いじめる側の子供たちにはいじめをすぐにやめるよう、いじめられている子供たちには誰かに相談するよう呼びかけている。大人向けは、親や教師、地域の人やスポーツ指導者などに、連絡しあって、子供の命を守るよう訴えている。
 こうしたメッセージは、94年に愛知県の中学2年大河内清輝君がいじめを苦に自殺し、その後も自殺が相次いだことを受け、当時の文相が緊急アピールを出して以来になる。
 伊吹文科相の子供向けメッセージは次の通り。 

弱いたちばの友だちや同級生をいじめるのは、はずかしいこと。
 仲間といっしょに友だちをいじめるのは、ひきょうなこと。
 君たちもいじめられるたちばになることもあるんだよ。後になって、なぜあんなはずかしいことをしたのだろう、ばかだったなあと思うより、今、やっているいじめをすぐにやめよう。
 いじめられてくるしんでいる君は、けっして一人ぼっちじゃないんだよ。
 お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん、きょうだい、学校の先生、学校や近所の友だち、だれにでもいいから、はずかしがらず、一人でくるしまず、いじめられていることを話すゆうきをもとう。話せば楽になるからね。きっとみんなが助けてくれる。

(2006年11月17日21時35分  読売新聞)

なんだ、これは。こりゃ、だめだ。このメッセージは『いじめっ子』と『いじめられっ子』に向けてのもの。

Circle_of_bully_3 あまりにも重大な対象が抜け落ちている。それが『傍観者』という多数の無力な仲間の存在である。『いじめの輪』について紹介したエントリーを再度、ご覧いただきたい。いじめの悲劇は、いじめっ子といじめられっ子だけが登場人物ではなく、ここには必ず『傍観者』がいるのだ。この図でいえば、たとえば『関わろうとしない見物人』である。彼らは「いじめが起きているのを知りながら、『関係ないよ』といい、はっきりした態度を取らない子」らである。

こうした数多くの『傍観者』の存在が、子どもに絶望感を与えるのである。あとは『家族のありよう』。これについて誰も触れないのが不思議だ。コロローソの本を読んで勉強してくれ。

したがって、伊吹大臣は子どもに向けてメッセージを発するなら、「弱いたちばの友だちや同級生をいじめるのは、犯罪だ。仲間といっしょに友だちをいじめるのも、犯罪だ。見て見ぬふりをする君たちも、同罪だ。そんな、はずかしくてひきょうなことをする暇があったら勉強しろ!」って感じがええんちゃうかな。

自殺の問題についても、もう一度だけ触れておこう。本当の処方箋は、ブログには書かない(書けない)が。

アメリカでは60年代に子どもの自殺が3倍に増加した。当時のアメリカは、個性重視、自由教育をスローガンに掲げており、授業時間や受験・テストなどは『ゆとり教育』。校則も緩やかにされていた。

逆に、当時の日本は厳しい校則に受験戦争のまっただ中。同じ時期にアメリカの子ども達の自殺が3倍に増加しているのに、日本の子どもの自殺率は減少している。先進国の中で、当時の日本の子どもの自殺率の低さ(&学力の高さ)は、世界中から注目されていたはずだ。

アメリカは当時の『ゆとり教育』の失敗を大いに反省し、その後、授業時間数やテストを増やしている。その結果、学力の向上はもちろん、少年犯罪の減少、青少年の自殺も減った。

残念ながら、日本にはアホな教育学者やら医者が多くて、どうしようもない。こんなどうしようもない連中が、有識者なんていって中央でふんぞり返っているのだから日本の教育は末期的状態なのだ。『ゆとり教育』なんてのは、子どもに対する、あるいは将来の日本に対する、国家的犯罪だ。

以下のような、幼稚な思い込みの図式があるのではないか。

(1)「子どもを受験戦争に駆り立てる」→「ストレスをかかえる」→「自殺する」or「犯罪者になる」

(2)「子どもを受験戦争に駆り立てる」→「ドロップアウトする子がいる」→「自殺する」or「犯罪者になる」

こういう図式を、教師やら保護者が思い込んでいるのではないか。だが、これは本当に思い込みに過ぎない。センチメンタルな人が増えていて、非常に単純に「子どもがかわいそう」という感情がベースにあるようだ。

子どものうちに、どんどん知識を詰め込もう。詰め込みがいけないのではなく、詰め込み方の良し悪しを問うべきだ。『詰め込み教育』の反対が、動機づけを重視した『ゆとり教育』という考え方も、お馬鹿でアホな大間違い。はっきり言うが、『詰め込むことへの動機づけ』だって可能なのだ。子どもら、ポケモンに出てくるモンスターの名前を喜々として覚えとるやんけ!

そういえば、最近の小学生は「死んだら生まれ変わる」と信じているのが5割もいるそうではないか。数年前は2割程度だったのに。ドラクエのザオリクかい。マリオのコンティニュー知識レベル。そりゃ、簡単に死のうと考えるわな。やはり、小学生にはもっと良い方法で知識を詰め込んだほうがよい。

もちろん、必ず詰め込みに失敗する子どもはいる。失敗した後のフォローが大切なのであって、『詰め込みが良く無かった』と考えることは幼稚な発想だ。大人の敷いたレールからはみ出す子どもには、それはそれで逞しく生きていく術を教えていけばよい。

ちなみに、自分は思いっきり『詰め込み教育』からドロップアウトしたし、常に大人の敷いたレールからはみ出していた。今になって「もっと小さい頃から詰め込んでもらっていたらなあ」と、わがままを言っている。大人になってから、新しい知識(特に暗記)は絶望的に困難。それでも、ドロップアウトした自分だが詰め込まれた知識には感謝してるよ。最近の、ゆとり世代の平均的な学生と比べれば、遊んでいた自分のほうがよっぽど知っとる。

近年、ようやく文科省も『ゆとり教育』を見直すようになった。理由は、学力低下がひどいからという。だが、まだまだ甘すぎるね。

これまで書いたように、学力低下だけの問題ではない。子どもには、大人のルールを押しつけたほうがよい。校則でしっかり縛ればよい。知識もどんどん与えればよい。多少、理不尽な大人がいたほうがよい。子どもに反抗させればよい。理不尽な大人に反抗することから、子どもはさまざまなことを学習する。大人の『理不尽さ』に気付かせてやることで、子どもも大人になっていくのだ。

こんな感じよ。

「先公もよ、馬鹿じゃねえか? あんなくだらん規則を押しつけやがって」「でも先公の立場からすれば、しょうがないんちゃうか?」「そうやな、先公も所詮は犬みたいなサラリーマンなんかもしれんな」「だったら、今はその犬の言うことでも聞いておいてやるか」「せやな(笑)」

これでええねん。これで十分、大人やんか。先生の立場について考えることができてるやんか。これは、態度は悪いかもしれんが、こういう反抗精神ってのはすばらしいことやで。いずれ、この態度の悪い子どもも大人になってから、そんな先公に対して「先生、ありがとう」「自分の態度、悪かったです」ってなるんやから。「ならねーよ!」などと言うなかれ。ならせるんだよ!

逆に、ルールや規則もなく育てられた子どもは、とにかく相手の立場に立つことができない。ただ暴走するだけ。自由だから、暴走しても特に罰されることもない。暴走が許されるわけだから、他人の立場についてじっくり考える必要もない。反抗と暴走ってのは、まったく別のものやってこと。

学者も役人も、きっと子どもの頃は『まじめ』だったのかもしれんな。自分みたいに遊びまくりのアウトロー少年、一生『反抗期』男のほうが強く逞しく生きとるかもしれん。

ってなわけで、来週、中学校に逞しく乗り込みます。あ、爆弾とかじゃなくって講演だからね。「お前の存在自体が爆弾や!」って? おう。仰るとおり鴨(爆)。

 

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2006.11.07

文科相のメッセージより、保護者との対話を!

ファミリーメンタルクリニック、なかまた先生も『群発自殺を招いてないか! 「いじめ・自殺」の報道自粛を!』と呼びかけておられるように、「いじめ・自殺問題」についてマスメディアの報道姿勢には憤りを感じる。自分に言わせれば、マスメディアは「子どもを利用している」と。

産経新聞のWebのトップ記事になったと思ったら、すぐに削除された記事。自分がサイトをチェックした午前2時には、トップページの見出しだけが残っていた。全文を読もうとすると、「この記事は削除されました」と表示される。

産経新聞は自粛したってことなのだろうか?

いじめ苦自殺の予告手紙 文科相あてに届く
http://www.sankei.co.jp/news/061107/sha005.htm

 文部科学省は7日午前0時すぎ緊急の記者会見を開き、いじめを理由に自殺を予告する伊吹文明文科相あての匿名の手紙が同省に届いたと発表した。(11/07 01:40)【記事全文】

だが、朝日新聞は対応が違うようだ。

まあ、今回のは「自殺した」という報道ではなく、「自殺する」とほのめかしているので、扱いは違って当然ではある。

しかし、やはり「自殺のほのめかし(脅し)」行為を模倣する子どもが増える可能性はあるだろう。これまた良くないことだが、こんなことで今さら振り回される大人もどうかと思う。だから、記事をそのまま引用する。

いじめ自殺「予告」の手紙、文部科学省に届く
http://www.asahi.com/national/update/1107/TKY200611060341.html
2006年11月07日01時11分

 文部科学省は7日未明、「いじめが原因で自殺する」という内容の男の子が書いたと見られる手紙が同省に届けられたと発表した。
 午前0時15分すぎに会見した銭谷真美・初等中等教育局長によると、あて名に「文部科学省 伊吹文明大臣様」と手書きで書かれた封筒に、(1)大臣(2)教育委員会(3)校長先生(4)担任の先生(5)クラスのみんな(6)クラスのみんなの保護者(7)両親——にあてた計7通の手紙が入っていた。6日午前中に郵送されて来たという。
 学校でいじめを受けているとし、8日までに状況が変わらなければ、11日に学校で自殺すると書かれていた。「クラスのみんな」あてには「なぜ僕をいじめるのですか。キモイからですか。クサイからですか。なぜ僕のズボンをおろすのですか」。校長あてには「なぜ親がずっとまえから校長先生にいじめのことをいってもずっとなにもしないのですか」などとあった。
 差出人の名前や住所、学校名など個人を特定できる情報は書かれていなかった。消印の一部には「豊」と見える文字があり、文科省は、この文字を含む全国の集配局を調査。21都道府県の39市区町村の44郵便局が該当することが分かった。4日に投函(とうかん)されたとみられるという。
 文科省は、該当する都道府県教委を通じ、これらの局を含む自治体の教育委員会に連絡。該当するような相談を受けていないか、民間の電話相談窓口なども含めて調査するよう指示した。
 本当の自殺予告と判断した理由について、銭谷局長は「11日に自殺する、とはっきり書いてある」としたうえで、「大臣に対して行動してほしいという要請の手紙だろうと判断した」と説明。
 記者発表した理由について「私どもとしては、たった一つしかない命を大切にしてほしい。文科省も大人も、いじめの問題解決のためにがんばるから、『ぜひ、生きてほしい』とのメッセージを伝えたい」と話した。

果たして、この子どもが得たものは何だろうか。結果的に、自殺してしまった場合、その若い命を失う。自殺しなかった場合、自らの命を絶つことを交渉手段とするスキルを得るだろう。

実は、こうした行動は何も新しいものではない。『自殺念慮(ほのめかし)』なんてものは、精神科治療では普通にあることだ。社会的な影響力を抜きにしては考えられない。どういうことかというと、携帯電話もない無人島で一人で生活している人が自殺するのとは違うってこと。リストカットの傷跡を見せる人や、「これから死にます」と誰かに事前に打ち明ける人とは違うのだ。

後者の多くは、「だれか止めてよ」というメッセージに対する『社会的な注目』が、強い動機になっている場合が多い。社会的な注目とは「やめなよ、あなたの命は尊いんだから」といったような声かけだ。こうした注目を与えることで、自殺念慮はしばしば繰り返される。かといって、無視すると意趣返しのように本当に自殺してしまう人もいる。

今回のこの子どもは、「文部科学大臣を動かした」という意味で、大きな自己効力感を得たのかもしれない。ある種、「学校に爆弾をしかけたゾ!」という脅迫と似たようなところもある。

しかし、本当に必要なことは『保護者との対話』なんだよ。親や友達など、身近にいる人との対話を求めるべきであって、会ったこともない文部科学大臣に何かを言わせようとする必要はそもそも無い。

校長あてに「なぜ親がずっとまえから校長先生にいじめのことをいってもずっとなにもしないのですか」と書いているではないか。ならば、親は「うちの子かもしれない」と気が付くはずでしょう。

そういうことなので、文科省はこの子どもに「命を大切にして」と声をかけるのではなく、保護者に対して強いメッセージを発するべきなのだ。

「心当たりのある親御さん、心当たりの無い親御さんであっても、我が子に『いじめで辛いことがあれば、父さん母さんに話して。父さんと母さんは、(仕事を辞めてでも)絶対にお前を守るから』と話して下さい。今回の親御さんは、校長先生にまで話し合われたことがあるとのことなので、心当たりがあるはずでしょう? だから決して、子どもとの対話の時間を惜しまないで下さい」

こういうようなメッセージを、保護者に向けて行うべきなのだ。

しかし、こんな状況(惨状)になるのも当然といえば当然か。いくらなんでも、郵政解散選挙のときに小泉自民党がやった暴挙。それを『小泉劇場』と呼んで囃し立てたテレビメディア。本当にひどかった。あれこそ、歴とした『いじめ』であって、その『大人のいじめ』を煽り続けた人がいて、国民のほとんどが『いじめられっ子』候補者を反対勢力とか守旧派などとレッテル貼って冷たくあしらったわけだから。

当時、安倍さんも小泉首相(当時)に追随して、恐ろしいほどの『いじめ』に荷担していた。

郵政解散選挙で小泉自民党が圧勝した直後、自分は我が国で『いじめ社会の完成』をみたと述べた。そのことが、実際こういう形になって現れているだけだ。政治家もマスメディアも、他人事のように責任転嫁する前に、まず自分らの過ちを認めて反省するべきだろう。

 

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2006.10.28

『いじめ』の犯人捜しという『いじめ』。

当ブログでは初期から『いじめ問題』に焦点をあてており、専門カテゴリーにも入れているほどである。世間では今さらながら、学校におけるいじめについて火がついたように議論されている。だが、ほとんど安易な『犯人捜し』に終始しているものばかり。マトモなものは無いのかと探していたら、マッコイ博士のブログにおいて、本来議論されるべき大切な部分が触れられていたので紹介する。

まずは新聞記事から。

いじめ、私は見ました…三輪中の同級生が両親に手紙
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20061025i4w7.htm

 福岡県筑前町立三輪中2年の男子生徒(13)がいじめを苦に自殺した問題で、文部科学省の小渕優子政務官らが25日、実態調査のため同町を訪れ、同校の合谷智(ごうや・さとし)校長や男子生徒の両親らと面談した。
 ほかに町を訪れたのは、山谷えり子首相補佐官(教育再生担当)と安倍首相の諮問機関「教育再生会議」の義家弘介委員。
 面談後、小渕政務官は男子生徒の1年時の担任教諭(47)の言動に言及、「(男子生徒への)いじめの誘因となった可能性がある」との認識を示した。
 男子生徒の両親は小渕政務官らに対し、同級生から25日朝に受け取った手紙を読み上げた。聞いていた山谷補佐官も涙を流していたという。手紙の要旨は次の通り。

          ◇

 私は言いたいことがあります。私は○○君の大親友です。今はもう遅いけど、早くおじちゃんやおばちゃんにいじめにあっていることを話しておけば、自殺することはなかったと後悔しています。どんなに帰ってきてと言っても、もう帰ってきません。でも毎日夢をみます。夢の中の○○君は親や家族、みんなを悲しませていることを苦しんでいます。
 本当にいじめはあったのです。私は知っています。見ました。だから学校も本当のことを言ってほしい。これ以上つらく悲しい思いをするのは嫌です。(○○君は男子生徒の名前)
(2006年10月25日23時51分  読売新聞)

これ、たとえ「ごめんなさい」と謝罪したとしても、この生徒だってこれからずっと親友を見殺しにしたことを背負って生きていかなければいかんよ。罪意識から解放されるための謝罪なんて、あってはいけない。謝罪した生徒たちには「謝罪したって何もならない。一生その罪を背負って生きていけ!」という言葉を投げかければよい。

政治家もマスコミも甘すぎる。一番バッシングしやすい暴言教師を叩くばかり。確かに、この教師はマトモではなかった。でも、直接いじめを行った生徒への指導は放棄するのか?

マッコイ博士の記事から引用。

色々と話を聞くと、いじめのきっかけを作った教師というのも確かにどうしようもないアホな教師のようですが、少なくとも自殺した生徒は教師にいじめられて自殺したわけではなく、同級生らからいじめられたことが直接の理由なわけです。

そ う考えると、いじめた生徒たちが一番悪いに決まっています。そして、そのきっかけを作った教師が次に悪く、また子供の異変に気づかなかった親にも責任があ るでしょう。そしてその次くらいに学校や教育委員会の管理責任などが問われる、順番としてはこういう感じだと思います。

このうち、 一番叩きやすい教師ばかりを叩いて皆が正義の味方か救世主にでもなったつもり、そして自殺した親はやり場のない怒りをとりあえずは教師や学校に向けること で憂さ晴らししようとしていると言った感じではないかと思います。しかし親にも責任があるわけですから、それは責任のなすりつけ合いでしかないわけで、私 としては親に到底共感できません。

そして一番の加害者である「いじめた生徒たち」についてはアンタッチャブルになってしまって、おまけに無邪気にも彼らにアンケートなんかしてその結果から早速教師への責任転嫁が行われています。

自分が受けた新聞社の取材で答えた内容とほぼ同じ内容だ。しかし、やはり今回も予想通り新聞社の期待する論調とは異なっていたため、採用されずであった。

もちろん教師に責任があったのはその通りでしょうし、そりゃあ教師は大人ですからそれなりの責任を取らせれば良いのだと思いますが、教師叩きで終わっては無意味どころか逆効果でしょう。

そう。そうなんですよね。結局、『いじめ』を糾弾するという大義名分で弱者の側に立ちながら、反論できない相手を叩く。こうした姿勢が『いじめ』の要素を構成しているということに気付いていない。生徒が教師を集団でいじめることだって可能だし、そういう事実は自分が学生の頃からあった。

こんなことを書くと、「お前は教師を擁護するのか!?」と文脈の読めない人間に文句を言われるかもしれないが、そんなわけないだろう。どっちかといえば、そんな教師には一発カチ喰らわしに行くタイプなんやから。クレーマーこそ、テレビとパソコンの前でギャーギャー言ってるだけで、現場では何も出来ん奴らだ。

もちろんいじめた子供達に何らかの罰や罪の意識を植え付けるような処理も必要なのかもしれませんが、まずはいじめの生じる原因を考えてみないといけないように思います。場合によってはいじめた子供の責任が問いにくい可能性もあるからです。

もしかしたら、現状ではどのような生徒であってもいじめる側にまわる可能性があり、いじめられる側にまわる可能性もあって、それを決めるのは偶然もしくは状況による可能性もあるという事です。

これまた本質的に大切な部分である。マスコミの論調は、やたらと薄っぺらいのだが、マッコイ博士の指摘することこそが真剣に考察されるべきポイントだ。

マスコミが薄っぺらいのは『センチメンタリズム』に酔っているからだろうと自分は思う。大衆世論も同じ。それが『ヒューマニズム』だと思い込んでいるのだろう。そんなものは、本当は価値のない『勘違い』なのだが。早くこのことに気付かなければ、日本には『似非ヒューマニスト』の自己陶酔・自分主義正義感だらけの人間ばかりになってしまうよ。

Circle_of_bully 翻訳出版に関わらせていただいた本。『いじめの輪』のページを紹介しよう(クリックすると拡大します)。みなさん、ご自身は「どの役割を演じたことがあるか」考えてみて下さい。

いじめを無くすことはできないが、いじめの輪を断ち切ることは可能である。センチメンタリズムに浸っていないで、その方法があるということを本書からぜひ学んでいただきたい。

 

 

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2006.10.20

刺客ども、だらしない姿を見せるな。

いじめのことを今さらながらに世間が注目するようになったことは悪いことではない。ただし、学校批判や教師批判をやっていればそれで解決するような甘い問題ではない(ろくでもない学校を擁護するつもりはないことはご存じの通り)。自分がいつも言うように、いじめを断ち切るには「大河ドラマ」ばりの仕掛けが必要なのだ。

今回は郵政解散選挙の『刺客』のその後。前に書いたエントリーでも紹介したように、生き残りに必死になる人たちの無様な姿。そらそうやんな。小泉チルドレンなり、郵政選挙の追い風に乗って当選した議員からすれば、斬り捨てた仲間がゾンビとして戻ってくるんやもん。そりゃあ恐いでしょうなあ。

まずは、『ミカン箱』を利用したネーチャン。

「刺客などと言わないで」 西川氏、涙ながらに反論
http://www.asahi.com/politics/update/1019/011.html
2006年10月19日23時02分

 自民党伊吹派の19日の総会で、郵政民営化法案に反対した議員の復党をめぐる島村宜伸名誉会長の発言に、反対派現職を破って当選した西川京子氏らが涙ながらに抗議し、退席する一幕があった。党内では来夏の参院選での協力を得るために、離党組の早期復党を求める声が強まっているが、離党組と戦った議員の不満が爆発した。
 島村氏はあいさつで、「かつての自民党では、二つにわかれて議論することはあったが、党を追い出すことはなかったし、ましてそこに刺客を向けるようなやり方はなかった」と小泉前首相の対応を批判。これを聞いた西川氏が「私たちは党の命令で、党のために戦った。『刺客』という偏見的なことは言わないでほしい」と涙ながらに反論。やはり刺客組の鍵田忠兵衛氏も、「もっと配慮した発言を」と批判に加わった。
 両氏の抗議に島村氏は釈明はしなかったというが、西川公也事務総長代理は総会後記者団に、「復党はそう簡単にできる話じゃないし、安倍総裁も間合いを見ている。(島村氏の発言は)迷惑だ」と憤慨した。

今になって「党の命令、党のために」ですか。あんだけミカン箱を逆利用したパフォーマンスで当選した人が、何を言う。

自分にはこう聞こえるよ。

「ジャイアンの命令、ジャイアンのために、のび太をいじめたんだ。今になって見捨てないでよ」

こんな記事もある。

プライドは無いのか、西川京子さん     2005/08/16
http://www.janjan.jp/election/0508/0508140949/1.php

 すっかり自民「郵政民営化」vs「民営化反対派」の選挙となってしまった今回の衆議院議員選挙。
 わざわざ近畿ブロックから、小林興起さんの地盤である東京10区に、小池百合子環境大臣を、共倒れの危険性も顧みずに「刺客」として送り込むなどの小泉首相の陰湿ぶりに、折角盛り返した支持率もどうなるのか、と思わざるを得ません。
 さて、旧日本新党からの流転を経て、「仇敵」であるはずの自民党に転じた「政界風見鶏」の小池大臣については、かつて旧日本新党の同志だった同じ東京10区の民主党候補・鮫島宗明さんでなくても、呆れるしかありませんが、呆れる前に怒りを思えるのが、同じく「刺客」候補であり、自見庄三郎元郵政相の対立候補として福岡10区から出馬する事になった、西川京子さんでございます。
 というのも、九州ブロック比例の西川さん、かつては郵政民営化賛成派の橘康太郎さん(北陸信越ブロック比例)に、「比例で当選した女の子が何を言ってるんだ!」と罵倒された程の反対派でございました。(参照;読売新聞「エンタメ」;鈴木美潮のdonna=4月26日付)
 それが見事、先の衆議院での民営化法案採決の場で、「裏切り」に追い込まれただけなら、私も文句はいいませんが、「刺客」として小泉首相に服従するようになるとは、同じ亀井派で、「裏切り」に追い込まれ、かつ、その事により自殺に追い込まれた永岡洋治さんに対して、あまりにも申し訳が立たないのではないか、と怒りを覚えざるをえません。
 いずれにせよ、永岡さんを度重なる恫喝で「裏切り」に追い込み、「自殺」に追い込んだ事といい、共倒れの危険性も顧みずに「刺客」を送り込む事といい、却って「郵政民営化法案」そのものをいかがわしく見せるには充分であります。
 そして西川さんへ、だんなさんが熊本県葦北郡津奈木町長って事以外に「売り」が無い、という立場は分かりますが、かつての信念を曲げてまで「衆議院議員」の椅子に留まるのが正しい事なのか、同じ亀井派だった永岡さんが、今の貴方を見てどう思うのか、と問いかけざるを得ません。
(森下泰典)

学校現場だけやおまへんで。まあ、郵政解散の自民党に『いじめ問題』について語ってもらいたくないな。まずは、「いじめを認めること」が必要なんじゃないの? 自分は、郵政解散前後から自民党のやり方を「いじめ」の観点から論じてきたから、どうしてもこれにこだわるよ。

まだ、『あんな教育委員会』のほうがマシなんちゃうか。一応、メディアの前で「ごめんなさい」したからな。遅すぎるわけだが。政治家や学者ってのは、「ごめんなさい」が出来ない連中ばっかりやからな。所詮、正当化したりとぼけたり。

絶対、認めませんでしょうなあ。

 

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Posted by 奥田健次 いじめ・ハラスメント, 経済・政治・国際 |

2006.10.04

伊吹大臣への応援歌

伊吹大臣には期待できることばかり。現時点においてはね。

北海道のいじめ?女児自殺 文科相が遺書非公表を批判
http://www.asahi.com/edu/news/TKY200610030289.html
2006年10月03日15時20分

 北海道滝川市立小学校の教室内で昨年9月に首をつり、今年1月に死亡した6年生の女児(当時12)が、遺書に「キモイと言われた」などと書いていたことを同市教委が2日まで公表しなかった件について、伊吹文部科学相は3日、「子どもが訴えていたのを、公表せずに握りつぶすようなことはあってはならないことだ」と市教委の対応を批判した
 伊吹文科相は、いじめの見極めは難しいとの認識を示したうえで、「子どもが精神的に動揺しているという事態は、できるだけ早めに見抜いてもらわないといけない」と述べた。

伊吹文科相を断じて応援する。最近、自治体に注文を付ける教育のトップがいなかったからね。「地方分権なんだから、各都道府県市町村の教育委員会の自治を尊重する」なんて言って、丸投げするような官僚・政治家だらけでした。「それが成熟した民主主義だ」って言われたことさえある。

平時においては民主主義で良いだろう。しかし、教育の危機的状況において民主主義なんぞ言ってたら、はっきり言って「お前ら、アホかぁ〜!」と怒鳴りたくなる。

伊吹文科相のリーダーシップに大いに期待したい。

 

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Posted by 奥田健次 いじめ・ハラスメント, 教育 |

2006.09.25

やっぱり学校を作りたい!

バンコクに来ていると日本語放送はNHKしかない。再放送ばかりだが、たまたま付けていると感動的なものに出会うこともある。最近の世論に反して(笑)、NHKにも素晴らしい番組もあるよと言っておきたい。長野県須坂高等学校の『りんどう祭(竜胆祭)』。

にんげんドキュメント
天突く龍を作れ 〜長野 須坂高校文化祭〜

これなんだよね。自分が普段から「いじめの解決は『大河ドラマ』を作成するような作業だ」と言っていること(『いじめのある現場で解決する策がある』)。そして、学校に提案していることだ。

同校で40年も続いている『りんどう祭』という伝統的な文化祭。巨大な龍を制作するのだ。生徒達は半年間かけてその日のために巨大な龍を作っていく。大学受験を控えた3年生までもが、早朝から放課後までに空き時間を作って張り子の龍の制作作業に打ち込んでいるのだ。

当然だが簡単に出来るものではない。完成日までの時間がない。自分の担当パーツが1つでも欠けると龍は完成しない。だからこそ、焦りや苛立ちが強くなるし、仲間同士のぶつかり合いもある。部活や勉強との両立に葛藤する生徒。高校生の前に立ちはだかる巨大な龍は、あまりにも思春期の若者にとって厳しい試練だといえるだろう。

作業から半年。ここからは『儀式』である。ハイテクや合理性の世の中では味わうことのできないシーンを、高校生達は真剣に真面目に描き出していく。

『建立(こんりゅう)』という儀式では、生徒達が手分けして作った龍のパーツを一つずつ起こしていき、組み立てていかなければならない。龍をしっかり支えるために、骨組みは材木で出来ている。張り子の紙や塗料の重さも半端ではない。リーダーの「建立!」という掛け声に合わせて、男子生徒らが壊さないように慎重にロープを引っ張ってパーツを起こしていく。見るからに、かなり重そうである。

女子生徒達は『竜胆祭賛歌』を歌い踊りながら、男子生徒らの作業を鼓舞するのだ。眠れる巨大な龍は、こうして若者の掛け声と歌と祈りの中、命を吹き込まれていく。グラウンドに高くそびえる龍。半年かけて皆で手分けして作った龍が一つになった瞬間だ。それまで対立していたような生徒同士も、ごく自然に互いに抱擁して喜びを分かち合う。皆、熱い涙を流している。

感動した生徒達は、完成した龍の体にメッセージを書き込む。半年前までは、ただの『学校行事』に過ぎなかったのだろう。しかし、気が付くと皆で作り上げた龍に対する『愛着』が強く芽生えているのだ。

だが、儀式はこれで終わりではない。文化祭の終わりに、この龍を解体しなければならないのだ。リーダーが声を詰まらせながら感謝の気持ちを皆に伝え、最後の掛け声と共に生徒らは一斉にロープを引っ張る。今度はゆっくりではない。一気に倒してしまうのだ。あれだけ建立するまで苦労した龍は、もろくも倒され命尽きてしまうのだ。

最近の若者のことだから、一斉に倒したら倒したで喝采するのだろうか。否。皆、すぐに倒れた龍のもとに駆け寄り、泣いているのだ。もう言葉すら無く、ただ泣くばかり。時間までに解体しなければならない。号泣しながら、龍のうろこを剥がしている。中には、解体作業もできないほどに泣き崩れている女子もいる。やさしく慰め励ましながら、解体作業に参加させる友もいる。無情に見えるが、骨組みをチェーンソーで小さく切っていく男の姿もある。

巨大な龍の亡骸は、一所に集められた。何も知らない自分は、トラックで運ばれて行くのだろうかと思ってしまった。だが、そんな考えは儀式には合わないものだということがすぐに分かった。弓道部の生徒数名が登場したのだ。長い矢の先には炎。火矢である。掛け声と共に一斉に火矢が放たれ、龍の亡骸に到達する。火柱は高く燃え盛り、『りんどう祭』の本当のクライマックスを迎えることになる。

自分は不覚にも何度か泣いてしまった。こういうドラマを作ることができるなら、いじめなんか無くなるだろう。逆に言えば、これほどのドラマを作らなければ、いじめは無くならない。

それにしても、長野県の教育はすごいなあと学生の頃から思っていた。学生の時に見たドキュメントのこと。それもNHKだったと思うが。確か、小学生が1年かけてヤギを飼育する。ところが、最後の最後で『お別れの時』がやってくる。ただ、お別れするのではない。食肉処理場(と畜場)に連れて行かれると教師から説明される。当然、小学生達は「かわいそうだ」と言って泣いてしまう。普段、何気なく食事している(そして食べ残ししている)けれども、こうした経験によって『食物とは何か』ということを肌で感じることになるだろう。実験授業のドキュメントだった。これも確か長野県での取り組みだったと思う。この取り組みの話なんかも、自分はある教育委員会で提案したこともある。すごく嫌な顔をされたが。

その後、この取り組みはどうなったのだろうか。

『りんどう祭』にしても、保護者の中には「うちの息子にはそんな時間よりも大学受験のための勉強の時間が大切です」と言う人がいるのではなかろうか。それでも、40年も伝統を守ってきた学校はすばらしい。塾や大学では決して学べないことがあるのだ。『青春』という一言では語りきれないものがある。

自分はそういう学校を作りたいなあ。うらやましいなあ。いつも言っていることだが、そういう学校を経営させてもらえるならば、いつでも大学教員なんて辞めちまいます(本気です)。

 

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関連記事:いじめのある現場で解決する策がある
      など。

Posted by 奥田健次 いじめ・ハラスメント, 学ぶこと, 教育 |

2006.09.14

「校内暴力、過去最多」。そりゃそうでしょ。

お馬鹿な、お馬鹿な教育学者、カウンセラーのおかげで、「校内暴力、過去最多」となりました。やっぱり戦前に戻したほうが良いって。戦前の家庭教育、学校教育をすべて否定するイデオロギーのせいで、こんなことになってしまったのだ。

自分は全然、驚きやせんよ。小中学校、巡回してるからね。知ってますって、そういう惨状は。この件については、関連記事を先日書いたばかり(『行動科学を無視した「問題行動」の原因究明!?』)。

児童校内暴力、最悪2018件
全国公立小 05年度調査
http://www.chunichi.co.jp/00/sya/20060914/mng_____sya_____000.shtml

 2005年度に全国の公立小学校の児童が起こした校内暴力の件数は前年度より128件増の2018件となり、3年連続で過去最多を更新したことが13日、文部科学省の「問題行動調査」で分かった。
 教員への暴力行為は前年度の336件から464件と38%増加。教員に暴力をふるった児童数は259人。文科省は「最初の問題行動があった後も学校で適切な対応ができず、繰り返すケースが増えている」としている。
 調査によると、中学での校内暴力は2万3115件(前年度2万3110件)でほぼ横ばい。高校は5150件で前年度(5022件)よりやや増えた。小中高全体でも約3万件とわずかに増加。逆に校外の暴力は全体で3735件で5年連続減少した。
 学校外も含めた小学生の暴力行為計2176件のうち、子ども同士は1073件(前年度1126件)、器物損壊は786件(同912件)。
 一方、いじめは、小中高など全体で2万143件(前年度比マイナス7・1%)と2年連続減少したが、高校では70件増えた。1000人あたりのいじめは愛知県の3・4件が最多で、小中高校別では中学校が1万2794件と最も多く、特に中1、中2でのいじめが1万718件と全体の53%を占めた。
 都道府県別でみると、小中高を合わせた暴力行為の発生件数は神奈川県が6088件と最も多く、次いで大阪府の4574件。子ども1000人あたりでは高知県の8・7件が最も多く、秋田、福島、長野各県の0・3件が最少だった。
 国立、私立を含む高校の不登校は、全生徒の1・7%にあたる5万9419人で、このうち37%が中退した。

今からねえ、20年前に聞いた話。日本で教育が荒廃した都道府県のトップ3は、愛知県、神奈川県、兵庫県だと。これはね、日教組の組織率の高さと比例しているんだとか。まあ、あくまでも聞いた話に過ぎないが、いずれにしても荒廃しているのは現実だろう。

当ブログでも、当ブログを立ち上げる前からも、ずっと問題視してきたのは『誤ったマスコミ論調』。これを作り上げてきたのは、確かに現場の教員でもあり、大学などの教育学者、心理学者。そして精神科医。最近でいえば、臨床心理士などスクールカウンセラーの大半。

典型的な物言いとして、「しつけをしちゃ、いけない」という学者がいたりする。子育ての本も、保護者を癒すことを目的としたものが売れているようだ。親も『親バカ』は構わないが、『バカ親』が増えている。

まったく極端なんよな。確かに「お勉強、お勉強」と、本人のやる気を無視して追い込むようなものは、子どもによっては失敗する(成功する子どももいるけど)。しかし、だからといって、「しつけをするな」という言い方をするなって。愛知県は多いんだよな、確かに。母親の人気取りだけ考えている、無責任な学者どもが。日本中、見渡してもウヨウヨいるよ。んで、親もブランド志向が強い人が多いみたいで、すぐに学者先生の言ったことを信じ込んでしまう。

自分に言わせれば、「8歳になるまでに、どうやっても抗(あらが)えないものがある」ことを、子どもに体感させておかなければいけない。そして、普段から「ハタチになったら家から出て行け」と言っておくこと。

ただもう、絶望的なんよな。「子どもにストレスかけたらいけない」という空気があるでしょ? はっきり言って、自分はこの考え方も否定する。しかし、この「何もしちゃいけない」という空気を変えるのは、絶望的なほどに困難だろう。

答えはな、「対処(コーピング)できるストレスを適度にかけ、対処スキルを学ばせること」「対処できることの喜びを感じさせること」が大切なんやって! これが分からない人間は、子育てとか教育を語るなって!

自分は業界では異端者扱いされているかもしれんが、自分のみている子どもらは雑草のように強く優しい子たちに成長している。それが何よりも自分の自慢だ。

 

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関連記事:
行動科学を無視した「問題行動」の原因究明!?
家庭教育に関する国際比較調査。マスコミ論調を斬る!
処罰されたアウトロー生徒の行く末は?
親の子殺し、子の親殺し。
殴る小学生と殴られる大人
子どもはストレスに強いのだ
     など多数。

Posted by 奥田健次 いじめ・ハラスメント, 教育 |

2006.06.04

非正社員雇用の問題について

今の景気回復というのは『見た目だけ』。そのからくりは、非正社員雇用である。

雇用増1年で79万人 9割以上が非正社員
≪25〜34歳、氷河期世代で顕著≫
http://www.sankei.co.jp/news/060604/kei026.htm

 景気回復に伴って雇用環境が改善する中で、この1年で増えた雇用者のうち、9割以上が非正社員であることが3日、総務省の調査でわかった。この結果、雇用者全体に占める非正社員の割合は3分の1にまで拡大し、とくに25〜34歳層の増加が顕著になっている。企業は固定費の増加につながる正社員の増員には依然として慎重な姿勢を示している格好であり、厚生労働省では企業に対して中途採用を含め、新卒以外にも若者層の正規雇用を求めていく方針だ。(福島徳)
 総務省が四半期ごとにまとめる労働力調査詳細結果の18年1〜3月期平均によると、就業者のうち、雇用者(役員を除く)は5002万人で、前年同期に比べて79万人増加した。正社員は5四半期ぶりに増加に転じたとはいえ、増加幅は7万人にとどまった。
 一方、パート・アルバイトや派遣社員、契約社員などの非正社員は、72万人増え、この1年で増加した雇用者の9割以上を占めた。完全失業率は3年前の5.5%をピークに改善を続け、今年2月以降は4.1%に低下しているが、非正社員を中心に改善している実態が裏付けられた。とくに25〜34歳の増加が目立ち、前年同期比で30万人も増えた。就職氷河期に高校や大学を卒業し、正社員になれずにパートやアルバイトなど非正社員のまま、高年齢化していることをうかがわせた。
 非正社員の賃金は正社員の6割程度と低く、税金や社会保険料の納付も低水準にとどまる傾向がある。また、雇用形態も不安定で、結婚や出産をためらう傾向が指摘されている。少子高齢化で国の財政が逼迫(ひっぱく)する中で正規雇用の拡大は大きな課題といえる。
 みずほ総研の太田智之シニアエコノミストは「企業が25〜34歳の年齢層で必要としている人材は即戦力だけ。高齢者や再就職を希望する女性とも競合するだけに、これらの層の雇用環境が改善するにはもう一段の景気回復が必要」とみている。
【2006/06/04 東京朝刊から】
(06/04 08:48)

航空会社(整備会社)にしても何にしても、とにかく世の中では非正社員だらけ。当ブログで以前から指摘しているように、これは日本が人の技術(そして生命・心身の健康)を軽視したマニュアル型社会に傾いてしまったことの現れである。

企業からすれば、格安で人を雇えるわけで、非正社員バンザイである。

悲しい因果である。格安で物を売るので、利益が下がる。利益が下がるので、人を格安で雇う。安い賃金で働いている人は、格安で物を買いたがる。こうした循環になって久しい。経済について素人な自分でも、これはおかしいだろうと思ってしまう。

だからといって、法人税率をもっと引き下げろというのは嘘であろう。

法人税について。Wikipediaから。

日本の法人税は、財界・大企業の“自分たちだけは負担を減らしたい”という要求で税率を引き下げ過ぎた結果、国税分の法人税収が二十兆円から十兆円に半減 し、国際比較でみても、企業の税と社会保険料の負担はヨーロッパ諸国の半分から八割と、世界で最も低い水準になっている。 ちなみに、昨今大企業はバブル期を上回る史上最高の収益を上げている。

大企業が「バブル期を上回る史上最高の収益を上げている」のに、どうして正規雇用をしないのか。この浮いたお金はどこへ消えた?

答えは簡単。浮いたお金はすべてお金持ちに流れているのだ。日本国民が惰眠を貪っている間に、そういう仕組みにされてしまったわけ。

心理学をやっている自分として、もっと気になることを書いておこう。それは、『非正規社員に対する、正規採用のちらつかせ』である。気になる人は調べてみてほしい。非正規社員の人が、正規採用になるための条件を。実は、客観的な基準があるように『見せかけ』ているが、本当のところは『人物評価』をやっているのだ。

つまり、上司に気に入られた若い非正規社員だけが正規採用になる。上司に気に入られなかった非正規社員は、ずっとそのまま。

調べてみると、怪しい企業などは客観的な基準以外の条件を掲げているものだ。客観的な条件としては、数字で分かる営業成績だとか、選択式の筆記試験、取得資格、経験年数などである。客観的でないものには、課長の推薦だとか、論述試験、プレゼンテーション、優れた経験、勤務態度などである。

このような『非正規社員に対する、正規採用のちらつかせ』システムは、若者をイエスマンに仕立て上げるし、仲間を売る(裏切り、出し抜き、陰口、悪い噂を流す、etc.)ようなことを平気でやる人間を作るばかりだ。このシステムは、『いじめっ子(権力者)への加担者養成プログラム』でもある。日本の将来のために、こんな馬鹿げたシステムは見直すべきである。

最高学府である大学なども同じである。国公立大学法人、有名私立、地方の私立を問わず、ここ数年で「任期付き採用」教員が激増しているように思う。特に、助手などの立場の弱い研究者への任期付き採用は最悪の状況だ。『3年間の間に審査付き論文1本、学会発表5件以上で、任期無しの正規採用』といったように、明確な基準があれば構わない。だが、『勤務態度により正規採用の可能性があります』などという条件を堂々と掲げる大学は、最低最悪な文化をもった大学だと考えて間違いないだろう。

企業にしても大学にしても、中間層から幹部の世代(40歳代から60歳代)においては20歳代から30歳代で能力の突出した若手を正規採用するのは恐怖なのだろう。中間層から幹部の世代はこうした見方を「憶測に過ぎぬ」などと言って決して認めないだろう。だが、客観的な基準だけを掲げた正規採用条件を提示できないならば、自分のこの見方は憶測ではあるまい。

自分は同世代や20歳代の若手には頑張ってもらいたいと思っている。幹部へのイエスマンではなく、一生懸命、自分の仕事に取り組む若手からの突き上げを待っている。ところが、自分がそう思って最大限の支援をしようとしても、目先の利益に流されてしまいがちな20歳代の若手からの手応えはなく、まだ自分の立場が脅かされるようなことは全然ないのだ(不当に脅かされることはあるかもしれないが)

まったく寂しい話である。

 

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関連記事:
公務員を減らしても民間に金は回りませんよ
欠陥だらけの航空機
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Posted by 奥田健次 いじめ・ハラスメント, 社会, 経済・政治・国際 |

2006.04.25

JR西日本脱線事故から1年

今、原稿締切で追われているが、これ書かずにはいれないので。JR福知山線脱線事故からちょうど1年。その後のこと。

当ブログでは、この事件の問題を『職場いじめ』にスポットを当てて論じてきた(『JR福知山線脱線事故の原因』)。この1年で、JR西日本で行われていた懲罰的制裁『日勤教育』が、大幅に見直されたという。

以下、4月24日付Sankei Web記事より、一部引用。

(中略)
 一方、JR西日本が乗務員の再教育として実施し、制裁色が強いと批判を浴びた「日勤教育」をめぐり、ミスの対象を明確化するなど制度を改善した昨年七月末以降、実施件数が約四割減少のペースで推移していることが分かった。軽微なミスでも以前は日勤教育を命じられていた可能性が否定できず、日勤教育を判断する現場長の恣意(しい)的な運用が裏付けられた格好といえそうだ。
 JR西によると、制度を改めてから今年三月末まで、再教育は計約二百件実施された。内訳は、オーバーランなど停車駅に関するミスが約七十件、機器の取り扱いに関するものが約四十件、遅刻を含む「その他」が計約九十件だった。
 JR西は「単純な比較はできないが、基準を明確にしたことが日勤教育の件数の減少に影響しているとみられる」と話している。
(引用、ここまで)

ちなみに、asahi.comの記事はこう。

(中略)
 ミスをした運転士に課され、高見運転士も受けていた「日勤教育」は、草むしりや反省文書き、上司の罵声(ばせい)など、懲罰的内容で批判を浴びた。
 国土交通省航空・鉄道事故調査委員会の調べでは、03、04両年度に計1182件、最長51日間に及んでいたが、同社は昨年7月、運転シミュレーターや実車を使った実技教育に転換。今年3月末現在、実施件数は約200件と減り、最長でも8日間という。
 気象条件などを自由に設定できる新型のシミュレーターを昨年10月に5台導入し、今年度中にさらに55台増やす。
 だが、オーバーランで2月に3日間の教育を受けた40代の運転士は「教育担当の指導監の言葉遣いはソフトだったが、『ミスは運転士の責任』という会社の考え方は変わっていない。時間がたてば元に戻るのでは」と不安を口にする。
(引用、ここまで)

自分は、労組のステレオタイプな物言いは好かないが、いびつな職場環境においては自ずと大きな事件や事故につながる問題が堆積していくのは確かである。JR西日本にしても、日航グループにしても、直接的に乗客や地域住民の生命を預かっているだけに、企業の姿勢の在り方が問われるはずだ。

目先の利潤だけを考えるのであれば、従業員のパート化を推進して人件費削減などすればよい。「信頼」「安心」といった、金額に出来ないプライスレスな価値を企業側がどこまで重視できるか。

このことは、企業にとっても消費者にとっても悩ましいところである。価格破壊によって、格安の公共交通機関を利用できる、格安の輸入肉や野菜を食べられる。新築のマンションに住むことができる。

しかし、企業側は格安でも利益を上げなければならない。従業員を減らして残った従業員の負担が増加する(サービスの質が低下する)、どこぞの病気牛や農薬にまみれた大量生産野菜などによる食害、鉄筋の少ないマンション。価格破壊による、サービス破壊、安全破壊、信頼破壊である

「安けりゃ何でも良い」という消費者には、ちっとも悩ましくないだろう。企業も「売り上げが伸びりゃ何でも良い」という新自由主義ならば、悩ましくもないだろう。

左翼思想の新自由主義。飼い主ブッシュとポチ小泉。どこまで日本社会は破壊し尽くされるのだろうか。

最後に。このJR西の事故についてのテレビメディアについての疑問。なぜもっと生々しい報道をしないのか。事故による遺族が紹介されることはしばしば見かけるが、いまだに動けない重度の後遺症を持つ被害者。足を切断した被害者。自分の地元の事件なので、自分の耳には入ってくる被害状況は、あまりにも生々しいものだ。だが、テレビメディアでは、こうした生き残った被害者の惨状をあまり見せていないように思う。生き残った被害者で取材に応じたくない人には遠慮すべきだが、テレビで訴えたい被害者もいるのではないか。もちろん、亡くなられた被害者やその遺族からも、これがどんなに痛ましい事故だったか伝わってくるものがある。とにかく、テレビメディアにはさらに踏み込んだ報道をしてもらいたいものである。

 

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関連記事:JR福知山線脱線事故の原因
     ほか多数。

Posted by 奥田健次 いじめ・ハラスメント, 社会 |

2006.03.26

杉原千畝は懲戒処分されたんだろう?

杉原千畝(すぎはら・ちうね)氏は、当時の外務省によって懲戒処分されたというのが定説とされている。

横暴な外務省の構造を明かすために、質問主意書にて外務省に答弁を求めたのが、われらがムネオ議員である。

杉原千畝のことを知らない読者もいるだろう。大戦中、リトアニアの日本領事館領事代理だった杉原は、ナチスドイツに追われるユダヤ人難民を救うために、無制限でビザを発給した外交官である。少なくとも6,000人の命を救ったと言われている。

ただ、このときの杉原の判断は、本国外務省の訓令に反していた。そして戦後、杉原は外務省を辞すように追い込まれた。昭和22年(1947年)のことである。

外務省は、杉原の免官理由として「外務省の意に反して独断でビザ発給を行ったことはケシカラン」ということを当人に対して口頭で告げたようだ。自発的な辞職を装いたかったのか、外務省は文書による免職理由(処分内容)を用意しなかったのかもしれない。

そこで、冒頭に述べた鈴木宗男議員の質問主意書である。

ユダヤ人救った故杉原千畝氏 政府「処分なかった」
http://www.sankei.co.jp/news/060325/sei045.htm
(Sankei Web)

 政府は24日、第2次大戦中、ナチス・ドイツに追われたユダヤ人難民に日本通過査証(ビザ)を発給、「日本のシンドラー」と呼ばれた元外交官の故杉原千畝氏に関し、「定説」だった外務省による懲戒処分を否定する答弁書を閣議決定した。鈴木宗男衆院議員の質問主意書に答えたもの。
 昭和15年に在リトアニアの領事代理だった杉原氏は、殺到するユダヤ人難民に独断でビザを大量発給。このため22年の帰国後、「訓令違反で解雇された」との説が定着していた。
 これについて答弁書は「保管文書で確認できる範囲では、懲戒処分が行われた事実はない」と強調。杉原氏は「22年6月7日に依願退職」したとしている。
 この問題をめぐっては、平成4年3月の衆院予算委員会で、渡辺美智雄外相(当時)が「杉原さんが訓令違反で処分されたという記録はどこにもない」と答弁していた。
 ただ、杉原氏の出身地の岐阜県八百津町では「外務省は、終戦後に職員の3分の1がリストラされ、たまたまその中に入っていただけだと説明するが、ロシア語に堪能で、情報通だった杉原氏を解雇するのはおかしい。何らかの処分があったのではないか」(産業振興課)としている。
【2006/03/25 東京朝刊から】

どうも政府が言っていることは嘘くさい。とにかく「外務省は昔も今も間違っていない」と言いたいだけなのだろう。

戦後、ユダヤ人協会は日本の外務省に杉原の消息を尋ねた。このとき、協会は誰もが知っている杉原のニックネームで問い合わせた。それに対し、外務省は「そんな外交官は過去においても現在においても存在しない」と回答している

当時、杉原を認めると、外務省のメンツが潰れる。ただそれだけのことだったのだろう。

現在、世界的にも評価の高い杉原を認めないわけにもいかないので、「政府としては処分した記録がない(杉原が自発的に辞職しただけ)」と言い続けるしかないのだろう。「記録がない」「文書上では確認できない」と答える外務省。いつものごとく、なかなか苦しい答弁ですな。マスコミはなぜもっと取り上げない?

杉原千畝は信念を貫いた真の外交官だったのだ。

 

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関連記事:
渋谷でムネオハウス
質問主意書に制限を加えるな
ムネオの反撃

Posted by 奥田健次 いじめ・ハラスメント, 経済・政治・国際 |

2006.03.08

いじめを受けていたタリウム少女

いじめられっ子による破壊の悲劇。

もちろん、いじめが原因だからといっても償わなければならないことは償わなければならない。だが、こういうことはいじめられた子にとっても、いじめた側も、傍観者たちにも、さまざまな意味で悲劇であることは間違いない。

いじめた側や傍観者らは、一生、苦い心の傷が残るだろう。または、その傷を隠すための言い訳を念じ続けるという負い目を感じながら生きていくことになるのだ。

いわゆる『タリウム事件』で逮捕された少女について。

「刑事処分相当」意見付け少女を家裁送致 タリウム事件
http://www.asahi.com/national/update/0308/TKY200603080305.html
2006年03月08日18時33分(asahi.com)

 母親(48)に劇物のタリウムを飲ませたとして、静岡県東部の少女(16)が殺人未遂容疑で逮捕された事件で、静岡地検沼津支部は8日、「刑事処分相当」の意見を付けて、少女を静岡家裁沼津支部に送致した。同支部は同日付で2週間の観護措置を決め、身柄を静岡少年鑑別所に移した。
 地検支部は刑事責任能力の有無と精神状態を調べるために3カ月を超える精神鑑定を実施した。鑑定人による精神状態の分析結果に加え、タリウム購入は認めながら母親に摂取させたことは否認するなど供述が一貫していることも勘案し、刑事責任を問える状態にあると判断したとみられる。否認を続けていることを受け、非行事実を認定する審判時に検察官の立ち会いを認めるよう家裁に求めた。歯を使って抵抗したりと感情的になることがあったが、鑑定留置後の最近の調べでは感情をあまり表に出さなくなった。取調官が、中学時代の友人が心配していることを伝えると「悪かった」と話したという。
 少女の弁護団は同日、「極めてデリケートな問題を含んでおり、プライバシーが最大限守られるべき事件」として、家裁の審判結果が出るまで、供述や弁護方針を一切公表しない姿勢を示した。

デリケートな問題には、いじめの問題が具体的なレベルで含まれていることだろう

その根拠は、昨年秋頃の記事だ。この頃、事件の背景に「いじめ」があった可能性がみえてきた。これが事実だとするならば、これまで自分も含めてマスコミなどが叩いてきたことの前提がひっくり返ってしまう。

毒殺未遂少女 小中で「いじめ」経験か パソコン日記に記録、公開
http://www.nishinippon.co.jp/media/news/news-today/20051104/morning_news003.html
(西日本新聞:The Nishinippon WEB, 2005/11/04)

 母親(47)に劇物のタリウムを与えて殺そうとしたとして逮捕された静岡県伊豆の国市の高校一年の少女(16)が、小中学校時代に教諭や同級生らから「いじめ」と受け取れる行為を受けていた経験を自身のパソコン日記に記録していたことが三日、分かった。一部はブログ(日記風ホームページ)にも転載しており、県警少年課はこうした経験が少女の人格形成に影響を与えたとみて関係者からの裏付けを急ぐ。
 調べによると、少女は日記で中学時代に同級生のグループから、日常的に嫌がらせを受けていたことを記述。「僕の物はよくなくなり、それらは彼らの手の中で見つかることの方が多かった」と書き込んでいた。「三年生になるまでは彼らだけが僕の話し相手でした」と孤独な心境もつづり、こうした内容をブログでも公開していた。
 また、パソコン日記では小学時代の経験として、誤って下に落とした食べ物を食べるよう教諭から強制されたことも告白。同級生から暴力を受けたことも訴えていたという。
 少女と中学時代に同級だった少年は「いじめたつもりはないが、手をたたくと、彼女はみんなの前で踊ったので面白かった」と少女が周辺から「からかいの対象」になっていたことを証言する。一方で、少女が卒業した中学校の教頭は「いじめがあったとは聞いていない」と話している。
 県警は、少女が「いじめ」の経験などから周囲への不信感を強め、毒物研究にのめり込んだ可能性があるとみている。少女は母親にタリウムを与えた後、ブログに「自分が存在していることを確認するためには、誰かに見つけられるしかない」と書き込んでおり、劇物を周囲の人間に与えることで自分の能力を誇示したかった可能性もある。
 一方、少女の部屋から、ナチス・ドイツの集会で群衆がナチス式の敬礼をしている場面の写真が押収されたことも新たに判明。少女が傾倒していた英国の「毒殺魔」グレアム・ヤングもナチスを信奉していたとされ、県警は少女も影響を受けた可能性があるとみている。

さて。この記事で重要なことは「小中学校時代に教諭や同級生らから『いじめ』と受け取れる行為を受けていた経験を自身のパソコン日記に記録していた」ことである。

いじめに荷担したのは同級生だけではない。教諭もであるという。

家庭裁判所の審判結果が出てから、少女の具体的な供述には注目である。

 

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関連記事:静岡女子高生タリウム事件

Posted by 奥田健次 いじめ・ハラスメント, 教育, 社会 |

『臨床いじめ学』について

『いじめの根を絶ち子どもを守るガイド』出版後に書いた記事以降、少なからず反響があって、いじめの問題について取り組んできた自分としては嬉しく思う。

中でも、この問題についてしばしば論争(?)してきたkogai氏による書評は、こちらの思うところが概ね伝わったようで嬉しかった。

bully2 まずは、kogai氏に敬意を表したい。『臨床いじめ学の教科書』という記事において、本書の書評を書いてくれている。なぜ、敬意を表するのかというと、こちらからお願いしたわけではないのだが、kogai氏は「ずっと宿題だった」と感じておられ、とにかく本書を読んでくれたからだ。フェアなお方だ。

ニヒリスティックな大学人(似非学者)よりも、よっぽどフェアな態度といえるだろう。いじめの本などスルーされても仕方がない。いじめの話を聞くだけで、多くの人が敬遠したくなるものだから。それは、きっと自分の弱い部分を突きつけられるからなのだろう。

kogai氏はまた鋭いお方なのだろう。それは『臨床いじめ学』という造語のセンスにあらわれている。そうである。自分が言ってきたことは『臨床』なのであり、自分の仕事も『臨床』なのである。本書の趣旨をごく簡単に見極めておられる。

少しずつ引用していこう。

dankogai氏『臨床いじめ学の教科書』より

何と言っても本書の特徴は、いじめの当事者として「傍観者」という存在に着目したことにある。そう。いじめが成立するには、この第三の存在が欠かせないのだ。いじめに対する介入として行われる行動は、たいていいじめる者(the bully)への制裁と、いじめられる者(the bullied)への保護と補償しかなされないが、いじめに対して最も効果があるのは、この第三の存在である傍観者(the bystander)を、「目撃者」(the witness)へと転じさせるというのが本書が提示する数多く処方の中で最も特徴的なものであろう。

いじめという社会現象は、何も学校内だけでおきるものではない。社会のありとあらゆる現場で発生する、実にありふれた出来事である。前回取り上げた麻原の子女たちの入学拒否もそれに該当するし、下手をすると社会問題の過半がこれに分類可能かも知れない。その意味で、いじめが他人事であるという人は存在せず、その意味において本書は子育ての現場を超えた普遍性を持っている。

ほとんどのいじめ事件において、我々は実は「他人」ではなく「傍観者」である。確かに法律は傍観者でいることを罰する事はない。しかし傍観していることのツケは、あとで確実に帰ってくる。

上記のこと、本当によく本書の特徴(主張したいこと)を示してくれている。kogai氏の口から「傍観していることのツケは、あとで確実に帰ってくる」と言って頂けただけでも、自分としては十分なのである。

本書にも不満はある。本書は「どういじめを対処すればいいか」という臨床的な見地に関しては実に多くの知見を用意しているが、「なぜいじめが発生するか」という生理学的見地に関してはあまり述べられていないのだ。

ここの部分で、kogai氏の関心がどこにあるのか、自分も理解することができた。ただ、本書の原著者および心理学の中でも徹底的行動主義者の自分の基本スタンスとしては、「生理学的見地」について興味を持たない。我々のことばで言うところの「医学モデル」による説明は、行動論者は避けるのである。

あえて、自分に「なぜいじめが発生するか」と問われるならば、「人間には原罪があるから」としか答えようがない。しかし、それはすでに行動論ではない。もう少し一般的な心理学的説明に付き合うとすれば、以前の記事(『高校生意識調査にみる戦後教育の誤り』)から示唆されるように、(日本の高校生の興味関心事が)「『クラスのみんなに好かれる生徒』になること」なので、嫌われないためにいじめに荷担するか傍観者でいるしかない。だが、このような説明の妥当性がいくら高くても、実用性は低いままなのだ。

いじめっ子やいじめられっ子という特性が「生まれつき」のものでないことは、本書を読めば明らかだ。自分が「いじめっ子」、「いじめられっ子」、そして「傍観者」のどれになるかは状況によって変わる。

これこそ、まさに行動論的な発想である。つまり、状況によって行動や役割が変容するのである。その状況(環境)と、行動の結果を分析することが、行動分析学(Behavior Analysis)の主眼なのだ。誤解を恐れず言えば、行動論者の関心は「なぜ人間はそのような行動をするのか」ということよりも、「どのようにすれば人間はそのような行動をするのか」という部分のみである。

というわけで、本書はいじめっ子、いじめられっ子、そして傍観者、特に最後の人にお勧めである。主題からは外れるが、この手の本としては索引がしっ かりしているのもいい。単なる読み物ではなく、何回も「使われる」ことを想定しているのだ。「読む」というより「活用」して欲しい一冊である。

ここまでで、行動論者のラディカルかつユニークな考え方が、ある程度ご理解いただけたかもしれない。まさに本書はハウツー本と言われて恥じることはない、実践の書である。kogai氏から、一定の評価をいただき、力づけられた。

金も政治力もない自分にできることなど僅かであって、目の前にたまたま出会ったほんの一握りの子どもと保護者を相手に骨折りするだけ。だからこそ、本書が少しでも多くの教師や保護者に読まれることを願って止まない。

 

【追記】
kogai氏に「この手の本としては索引がしっ かりしているのもいい」と評価していただいた。実は、原著には索引が無く、索引を付けたのは出版社のアイデアによるものだ。索引の無い本は、教科書としては失格であると自分は考えている。そういう意味で、この本はまさに日本語訳になると同時に教科書(実践書)としてパワーアップしたといえるだろう。

 

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関連記事:
高校生意識調査にみる戦後教育の誤り
いじめの根を絶ち子どもを守るガイド
いじめのある現場で解決する策がある
いじめの国際文化比較
   など。

Posted by 奥田健次 いじめ・ハラスメント, 教育 |

2006.02.24

沖縄に基地以外の産業を

沖縄のことが心配だ。自分には、沖縄こそ日本の懐かしい昔を思い出させてくれる土地だと感じている。

気になる記事を2つ。

まずは、少し古い記事だが。

KPG、ホテルグランメール買収
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060217-00000005-ryu-oki
2月17日(金)9時45分(Yahoo!ニュース)

 沖縄市のホテルグランメールが、米証券大手リーマンブラザース系のマーリン・インターナショナル(東京都)から、レジャー施設運営のカトープレジャーグループ(KPG、東京都、加藤友康社長)に買収されたことが16日までに分かった。買収価格は明らかにしていない。グランメールの社員約50人はKPGに引き継がれ、営業も続ける。
 ホテルは4月までにレストランなどを改装。阪急電鉄系の阪急ホテルマネジメント(大阪府)の運営する阪急第一ホテルグループの加盟ホテルとして、名称を「東京第一ホテルオキナワ グランメール リゾート」に変えて営業する。阪急第一ホテルの沖縄進出は初めて。阪急グループの集客力と、キッチン付き客室を活用した長期滞在客の誘致で国内からの集客を図り、初年度売り上げ10億円を目指す。
 KPGは東京第一ホテル福岡の運営のほか大阪府岸和田市や京都府園部町の自治体所有の温泉施設などの運営受託や外食チェーン経営をしている。2004年度のグループ売上高は約50億円。
 グランメールは14階建て、延べ床面積約2万4000平方メートルで、客室302室。仙台市の不動産業者が約103億円で発注し、1992年に完成したがバブル崩壊の影響で建設費が支払えず開業を断念。受注した清水建設が12年間所有し、04年にマーリンが買収、キャピタルリアリティーが運営していた。米軍人向けの営業を主体に宿泊客の半数以上が外国人だった。
(琉球新報) - 2月17日9時45分更新

このホテル・グランメール。自分は前回も利用したのだが、とにかく不便。ホテル周りには何も無いので、レンタカーでもなければコンビニにも行けない。タクシーも常駐していない。しかも、日曜日の朝、ホテル内のレストランで食事してから仕事に行こうと思ったら、レストランが閉まっている。「何で?」と思って調べたら、なんと日曜日はレストランが休業しているとのこと。食事も出来なかった。二度と利用したくない。

部屋が大きい割に料金はリーズナブルなため、確かにほとんどが外国人旅行者といった感じだった。地の利が悪く、利用客が少ないのだろう。人気ホテルが満杯の時に仕方なく使用するホテルであった。実際、いつでも空いているから予約が取りやすい。

これまで、リーマンブラザース系の企業がオーナーだったのか。リーマンといえば、ライブドアがフジサンケイグループ乗っ取りの時に関係したアメリカ大手金融会社。なぜ今、手放したかはその道の専門家の分析に任せよう。

いずれにしても、このホテルを再建するためにはホテル周辺に大型ショッピングセンターやライブハウスなどの人気スポットでも作らないと厳しいだろう。

もう一つ。こちらは新しい記事。

沖縄公共工事談合疑惑、150社に排除命令へ 公取委
http://www.asahi.com/national/update/0223/TKY200602220504.html
2006年02月23日06時19分

 沖縄県発注工事の入札で違法な受注調整を繰り返したとして、公正取引委員会は22日、地元の土木建築業者約150社に対し、独占禁止法に基づき、談合をやめるよう排除措置を取ることを通知した。
 1月に施行された改正独禁法を使った初めての行政処分となり、今後、業者側に意見陳述の機会を与えたうえで、排除措置と課徴金納付を同時に命令する。課徴金額は30億円程度になる見通し。
 公取委は昨年6月、県が施工能力で格付けし、大規模な工事が受注できる「特A」クラスの業者が組織的に談合した疑いがあるとみて、業界大手の金秀建設(那覇市)などを独禁法違反の疑いで立ち入り検査。公共工事が減少するなか、自由競争によって落札する金額が下がらないように業者間の調整で受注会社や金額を決めていたという。

憶測と言われてもよい。だが、これは沖縄を狙い打ちしたような話に聞こえる。現在の日本政府──アメリカの傀儡(かいらい)政府といってもよいだろう──にとっては、沖縄が産業的に自立されると困るのだ。だから、地元企業の体力を無くそうとしているように思える。

まずもって言えることは、沖縄における米軍基地依存は悲劇的であるということだ。

内地ではあまり知られていないかもしれないが、沖縄には米軍基地に就職することを目指す専門学校がある。コース名もそのまま「米軍基地就職コース」。そして、それは大変にぎわっているようだ。基地への就職は、かなり待遇が良いためである。

だが、日本人としては気持ちの悪い話である。米軍基地での使用人になるために、同胞の若者たちが“This is a pen.”“It's for you!!”などと勉強していると考えると痛ましくさえ思う。

すでに沖縄では、

日本人が外国人に雇われる(支配される)時代がやってくるのだ。(『子や孫の世代まで』より)

という社会構造が出来上がりつつある。

アメリカ文化がすでに沖縄では定着しているので、ある程度までは基地産業を許容してもよいだろう。だが、基地産業以外の仕事も増やしていかねばなるまい。少なくとも、地元企業を閉め出すようなことをしてはいけない。沖縄県知事が政府方針を拒否したら「地域振興策」を凍結するという「いじめ」を繰り返したり、カネで沖縄県民の魂を買うようなことをしたりしてはならない。

地域共同体を守る意味での共存共栄型の「談合」は、本来ならば許容されるべきものだろう。

沖縄のタクシーの運転手さんが教えてくれた。

「新しい基地も建物も、内地の建設会社ばっかりですよ」

なんとも不条理な話である。

地元企業の生きる力を根こそぎ潰す小泉政権の方向性は間違っている

 

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関連記事:子や孫の世代まで

Posted by 奥田健次 いじめ・ハラスメント, 経済・政治・国際 |

2006.02.18

いじめの根を絶ち子どもを守るガイド

当ブログでは、積極的に「いじめ」についてカテゴリを作って取り上げている。最近の記事の中で、しばしば近刊予告を行ってきた。

その翻訳書が、いよいよ東京書籍から出版された。

bully 著者のバーバラ・コロローソは、教育と子育てのコンサルティングを長年にわたって実践してきた著述家である。

タイトルは『いじめの根を絶ち子どもを守るガイド 親と教師は暴力のサイクルをいかに断ち切るか』。原著タイトルは“The Bully, the Bullied and the Bystander”であり、直訳すれば『いじめっ子、いじめられっ子、傍観者』となる。

本書の特徴は、いじめについての単なるドキュメントでもなく、社会評論でもなく、あくまで子育てや教育の実践レベルで書かれている点にある。つまり、訳書のタイトルにあるように「暴力のサイクルをいかに断ち切るか」という問題解決方法が提言されている点が新しい

自分は、過去の記事で 『いじめのある現場で解決する策がある』ことを述べてきた。しかしながら、この記事に対する読者の見解はどちらかというと「信じられない」「全体は良くならない」「逃げることが最良の手段」という冷ややかなものが多かった。ニヒリズムだ。同じ記事に書いてあるように、自分は「逃げ場が用意されていること、そこに逃げ込むこと」を否定しているわけではない。だが、「いじめ」の問題において、逃げることはとても最良の策とはいえないのである。

きっとこの「いじめ」の問題に対する冷ややかな反応は、やはりこれまで教育現場が「現場で解決する策」に真正面から対峙してこなかったからだろう。自分も、いじめに遭った経験があるが、教師らは明らかにいじめを知っていながら守ってくれなかった。当時、真正面から向き合ってくれず逃げ方(いじめに遭わない方法)だけを示唆してくれた教師の名前を、今でも覚えている。

自分が専門家になった今も、いじめの問題が発覚したときに真正面から一緒に取り組んでくれる教師は1割にも満たない。みんな逃げたがるのである。したがって、読者の中にも「いじめ」の問題には直視したくない人がいるのも頷ける。だが、これを読んで何も感じないならば、人間として危機的状態である。いや、そうした人間は最初から読もうともしないだろう。

もし「いじめ」の問題について論じるならば、本書をまず読んでいただきたい。本書は「いじめ」解決の基本図書である。いじめやハラスメントに遭ったことのある人だけでなく、いじめなど無いと思っている人、あれはいじめだったのかなと省みることのできる人、いじめられている人を助けてあげられなかった苦い過去を持つ人。きっと、それぞれ胸に迫るものがあるだろう。これから子育てに取り組む保護者にも読んでもらいたい。

自分は子どもの頃、いじめに荷担したこともあったし、いじめられっ子を助けてやることもできなかった苦い思い出もある。社会人になってからは、ハラスメントに遭った同僚を助けたために、自分も職場を追われてしまった経験もある。

幸運なことに、本書の校閲に協力させていただいた。読みながら、自分の心にあった弱さを何度となく感じさせられた。同時に、自分が専門家になって取り組んできた援助方法に間違いはなかったと確信するに至った。本書の内容が理想論のように感じなかったのは、本書が提案している方法と同じような援助方法で、実際に成功してきたからだ。本書は空理空論を並べたものではない

帯のコピーにも協力させていただいた。

 いじめをよく知り、いじめの悲劇を防ぐこと−
  それは、私たち大人の責任

    いじめの輪を思いやりの輪に導く
   これは、そのための実践の書である。

はやしひろ氏のイラストが「こんな子、いるいる」という感じで秀逸である。

ぜひ、繰り返しお読み頂きたい。

 

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関連記事: 山口・光高校の爆発物事件
関連記事: 幹部を処分する方法を検討せよ
関連記事: いじめのある現場で解決する策がある
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     など。

Posted by 奥田健次 いじめ・ハラスメント, 教育 |

2006.02.01

山口・光高校の爆発物事件

取り調べの段階で、いろいろな事実が発覚してくる。

世間を騒がせた事件も、後からいじめの事実が明らかになるものだ。それにしても学校側の釈明は遅すぎる。

いつもそうなのだが、学校側はいじめがあったことを隠し通せるなら隠し続けたいものなのだ。いじめに荷担した者、「あいつはいじめられて当然」と言っていた者、見て見ぬふりをした傍観者。残ったものは、残虐な破壊と心の傷、自己の弱さの隠蔽ばかり。

いじめとは、まさに悲劇を生み出すものなのだ。

以下、引用。

山口・光高校の爆発物事件、学校側「いじめも一因」
http://www.asahi.com/edu/news/SEB200601300008.html
2006年01月30日23時54分(asahi.com)

 山口県光市の県立光高校で昨年6月、男子生徒が教室に爆発物を投げ込んだ事件で、同校は30日、事件の経緯や背景などをまとめた「学校事故報告書」を県教委に発送した。記者会見を開いた弘中幸雄校長は「事件の要因の一つにいじめがあった」と説明したが、内容は公表しなかった。
 校長によると、報告書には事件後の在校生や学校の様子、事件の要因、再発防止策などを盛り込んだ。「事件の要因・背景」の項目で、爆発物を投げ込んだ男子生徒(昨年9月末に自主退学)へのいじめの実態を記したという。弘中校長は「詳細は言えないが、いじめがなかったら事件は起きなかった」と述べた。
 昨年8月の少年審判で、男子生徒を中等少年院送致の保護処分にした山口家裁が、事件の動機として「少年が『いじめ』を受けたとする生徒への仕返しを意図したもので、対抗手段だった」と指摘していた。
 事件により生徒58人が病院で手当てを受け、いまだにけがが全治していない生徒もいる。再発防止策として、年2回のアンケートで生徒たちの悩みを把握するなど未然のいじめ防止に取り組むという。

 

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Posted by 奥田健次 いじめ・ハラスメント |

2006.01.30

幹部を処分する方法を検討せよ

処分する側に対するチェックこそ、重要なのだ。

消える?「不良国家公務員」 人事院が処分の指針づくり
http://www.asahi.com/politics/update/0129/001.html
2006年01月29日10時00分(asahi.com)

 職場でインターネットざんまいといった「不良国家公務員」をなくそうと、人事院が処分の指針づくりを始めた。免職や降格ができる「分限制度」はあるが、不服申し立てや訴訟を恐れた各省庁が「職員の処分に慎重になりがち」(人事院)で、制度が十分に活用されてこなかったためだ。
 国家公務員の処分は、「勤務実績不良」や「適格性欠如」などを理由に免職や降格ができる分限制度に基づいて行われる。ただ、実際に免職になったのは、04年度で一般職65万人中わずか35人。免職の多くは行方不明者で、「適格性」の有無を問う以前の事例だった。降格は1人に過ぎなかった。
 各省庁には、度重なる無断欠勤や遅刻・早退、上司への反抗や暴言、セクハラ(性的嫌がらせ)などの事例が報告されているが、担当者が対応に頭を痛めている。
 このため、3月を目標に指針を策定し、実例に基づく問題職員のケースや、処分に至る手続きなどを示すことにした。注意や配置換えをしながら、半年から1年間観察し、警告したうえで処分するという手続きになる見通し。地方自治体の先行例を参考にする。
 政府は現在、国家公務員の総人件費削減を進めている。分限制度では行政改革や財政難を理由にした職員の処分も認めているが、人事院は、今回の指針は「問題職員」に限り、こうしたケースに広げない考えだ。

こうした記事に騙されてはいけない。

最近、一般企業にしても公務員にしても、幹部や管理職クラスの連中に、若手の能力を削ぎ落とそうとする小心者が目立つ。少なくとも、『期限付き職員』の採用枠を増やしている社会構造を見ると、気に入らない奴は更新しない、生意気そうな若手には辞めてもらう、正規職員にして欲しければ理想を捨てさせる、同僚へのいじめに荷担させる。こういった最悪の図式が構築されているのは明らかだ。

上記の記事には、「各省庁には、度重なる無断欠勤や遅刻・早退、上司への反抗や暴言、セクハラ(性的嫌がらせ)などの事例が報告されている」とあるが、部下に対する嫌がらせ(パワーハラスメント)が抜け落ちているではないか。

大学などの組織でもそうだが、処分する側(つまり幹部クラス)にこそ、平気でハラスメントをしまくる人間がいるものだ。幹部クラスが処分と称して、パワハラ(パワーハラスメントの略)を行うことを、どのようにして防止するのか? 指針に基づく処分がハラスメントの隠れ蓑になりはしないか? 幹部に対する評価と監督をどうするか、しっかりと考えていただきたい。

郵政民営化の一連の流れのときの、自民党執行部を見てもらえばよい。小泉が造反と言ったら造反であり、イエスマン武部が処分と言ったら処分だった。このとき、だれも若手議員の言い分に耳を傾けなかった。マスコミも。国民も。不当な処分を受けた若手議員のことを取り上げよう。当選の約束手形である自民党公認を受けることよりも、日本国民(祖先も含めて)のことを考えて民営化反対を貫いた城内実氏は、自民党執行部によって首を斬られてしまった。こうした自己犠牲を伴う覚悟ある人物こそ、今の日本には必要だったのに。

日本の国を動かしている政治家がこんなものなのだ。こうした図式(年寄りが若手の力を封じ込める)だらけの世の中である。「長い物に巻かれる人間」「理想よりも保身の人間」「出世のためなら仲間も殺せる人間」だらけの社会は、明らかに異常なのだ。気が狂っているとしか言いようがない。狂っていることに気付いている人が少なすぎる。

さしあたって、処分を決定する部局の半数は、若手で占められておくようにするなど、『パワハラ首切り』を阻止するシステムが必要だ。

 

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関連記事:郵政関係で粛正、また1名。
     など

Posted by 奥田健次 いじめ・ハラスメント, 社会, 経済・政治・国際 |

2006.01.25

いじめのある現場で解決する策がある

ブログならではといえるコミュニケーションだったといえる。

先々週の記事になるが、まずブラジル在住のdesclassifica氏が『いじめは日本だけの現象かもしれない』という記事を書かれた。これに対し、自分は『いじめの国際文化比較』という記事を書いた。

その後、『404 Blog Not Found』のdankogai氏が『社会あるところにイジメあり』という記事を書かれ、自分やdesclassifica氏の記事を引用されつつ、いじめについてのご自身の見解を述べられた。

さらにその後、desclassifica氏『今、そこにあるいじめ』、dankogai氏『いじめの非対称性』、desclassifica氏『非対称でもいいじゃないか』と、それぞれ記事のやりとりがあった。こうした一つの記事がきっかけとなり、生産的な方向で議論されることは良いことだ(自分は、ちょっとしたストーカーへの対応に時間を取られ同時進行で議論できなかったが)。

それぞれの記事で反響があったようだが、dankogai氏が「これだけ多くの人にブックマークされながら、これほどTBやcommentが少ないというところに、いじめ問題の特徴が透けて見えるようだ(『いじめの非対象性』より)」との指摘は、的を射たものだ。いじめの問題の特に困難な部分は、見て見ぬふりをする多数の傍観者にあると言ってもよい。誰も、自分の疚しさに目を向けたくないものだ。

さて、自分は教育評論家ではない。ブログでは論文審査があるわけでもなく、自分のその時々に思ったことを綴っているので、あたかも評論家のように見える。しかし、繰り返すが自分は評論家ではない。

自分は実践している臨床家である。いじめの問題についても、実際の教育現場で直接、教師や子どもの間に入って解決のための取り組みをしている。

まず、念を押しておきたい。教育現場や会社組織の中で、目の前にあるいじめの問題について、「人間社会にイジメはつきもの」と達観したようなことを言っても仕方がない。また、「昔も今も変わらないだろう」という新自由主義者を支持してきた人によくみられる論調に対しても、それ自体が正当な理屈とは言えないだろうし、やはり目の前にあるいじめの問題解決には、まったく役に立たない。したがって、現場で実践している自分にとっては、こうした次元の論評にはあまり興味が無いのである。

以下の自分の記事をご理解いただくためには、まず順を追って一連の記事をご覧いただきたい。

desclassifica氏『いじめは日本だけの現象かもしれない』
当ブログ『いじめの国際文化比較』
dankogai氏『社会あるところにイジメあり』
desclassifica氏『今、そこにあるいじめ』
dankogai氏『いじめの非対称性』
desclassifica氏『非対称でもいいじゃないか』

実践家として指摘しておかなければならないことがある。いじめ問題を解決する方法として、『いじめられっ子の逃げ場が用意されていること』というのは確かに一つの解決策ではある。状況によってこうした解決策を選択したこともある。だが、これは最良の策ではない。どちらかというと、あまり推奨できない解決方法だといえる。

教師(大人)として目指すべきは、いじめのある集団の中で、『いじめっ子−いじめられっ子−傍観者』から構成される『いじめの輪』を断ち切り、『和解のための筋書き』を用意し、その集団にかかわった子どもにそれぞれの新しい役割を演じさせることである(Coloroso, 2004)。

もちろん、このことは本当に骨の折れる作業であって、容易なことではない。それは、実際に現場でこうした問題を解決するための支援を行ってきた自分が強く実感していることだ。教師には「いじめを解決する作業は、大河ドラマを作るレベルの話ですよ」と話してきた。

しかし、これは実現可能なことである。

いじめられた側がその集団から出ていくことは、いじめる側とその周りにいた傍観者達にとって悲劇的なことだ。読者諸氏においては、今まで『いじめられっ子の悲劇』は想像したことがあるかもしれない。しかし、いじめの問題は、いじめる側にも傍観者にとっても放置しておくと悲劇を生み出すということを、ほとんど意識して来なかったのではないか。

いじめっ子も、いじめに荷担した人間も、いじめを知っていながら何も出来なかった傍観者も、『和解のためのプロセス』を経ないまま大人になることは恐ろしいことだ。和解とは本当に苦しいことなのだ。

また、集団から出ていったいじめられっ子も、さしあたって不快な状況から逃れることはできるのだが、自尊心に傷が付いたままだったり、攻撃的になってしまったり、その他いろいろなマイナスの側面もある。「許し」とは、いじめる側や社会にのみ必要なことではない。いじめられた側が、いじめた側を「許す」ことほど、難しいことは無い。これは実に難しいことなのだ。

結論を言うが、ある社会状況においていじめが発生することは否定しない。だが、人間はそれを解決する知恵を持っている。解決のためには、読者諸氏の想像以上に『大人が干渉しなければならない』のである。放っておいて、子ども同士で解決すると思わないほうが良い。「今、そこにあるいじめ」に目を背ける教師や心理士がたくさんいることは嘆かわしいことだ。

和解のプロセスを経ずして大人になってしまうと、これはかなり厄介な社会状況を生み出す。大人社会では、干渉してくれる存在など、ほとんど無いからである。干渉する暇がない。知見と技術もない。だから、モチベーションもない。その結果、大人は和解を模索するよりも逃げること(あるいは攻撃すること)を提案しがちなのだろう。

こうした和解のプロセスを知らないために、子どものいじめに真正面から対峙しようとする大人が少ないことは当然のことである。それでも、子ども達のために、そしてこの国の将来のために、子ども達に和解のプロセスを経験させてやらねばならないのだ。

ところで、近々、いじめ問題についての良書が翻訳出版される。今回の記事が、絵空事のように思われるなら、ぜひともその翻訳書を楽しみにしていただきたい。いじめの輪を断ち切る方法、そして和解のプロセスというものがあるということを、ぜひ知って頂きたいと思う。

出版後、当ブログで改めて紹介する。

 

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Posted by 奥田健次 いじめ・ハラスメント, 教育 |

2006.01.13

いじめの国際文化比較

大変、興味深い記事だ。

当ブログの記事を読まれた上で、「いじめは日本だけの現象かもしれない」という記事を書かれた『ブラジリアン・ガールと不器用な俺の物語』というブログの著者、desclassifica氏からトラックバックをいただいた。

まずは「ブラジルには(日本のような)いじめが存在しない」とのことである。

desclassifica氏はブラジル滞在中の経験から、ブラジル人は「他人をいじめている暇などない」「自分が幸せになるので手一杯」であると実感されたようだ。

重要な指摘だったのは、

(ブラジル人は)他人を不幸にすれば相対的に自分が幸せになるとは考えない人たちだ。その点日本人は逆で、他人との相対的な関係性でしか幸せを自覚できないのかもしれない。だから次々にいじめのターゲットを作り出すのだろか。

という部分である。

戦後日本の場合、どんな人でも平均的な経済水準での生活が約束されている。少なくとも、通常、餓死することのない社会である。しかし、この「平均的な経済水準」というのが厄介で、その中での小競り合いが起きてしまう。この小競り合いの中で、同じコミュニティーの他者との「ちょっとした違い」が現れてくる。色々な意味で「あいつは(私たち仲間と)違う」と自分らと異なる他者を排除する土壌があるのだ。

desclassifica氏が指摘するように「(日本人は)他人との相対的な関係性でしか幸せを自覚できない」傾向が強くなってしまったことは否めない。

いじめが起きにくい考え方はこうだ。「ちょっと変わった奴だが、アイツはアイツ」「オレはオレで頑張っているし、そんなオレが好きだ」というセンスを持つこと。だが、日本人には「嫉妬」やら「優越感」などが入りやすく、得てして他者の足を引っ張ることに取り憑かれてしまいがちなのである。

日本では「足の引っ張り合い」がみられ、ブラジルではそんなことをしていると食えなくなるかもしれないから「背伸びし合い」をするのだろう。日本人は「アイツはずるい、自分は不満だ」と感じる人が多い。一方、自分がアメリカにいた頃に出会ったブラジル人の友人は「自分がどれだけ楽しいと感じるかが大事だ」などと言っていた。まさに、相対的な価値観と、絶対的な価値観の違いだ。

ちなみに、日本に限らずアメリカやカナダやイギリスなどで世界を驚かせるほどの悲劇に至った、いじめが原因で引き起こされた事件が多数みられる。desclassifica氏の記事は、こうした国際文化比較という側面で、われわれに大きな示唆を与えてくれるものだ。

確かなことは、日本は今、急速に新自由主義(または拝金主義)の社会に向かっている現実だ。自分は損をしたくない、だから強い者についておこう。このような社会では、いじめの問題はさらに悪化していくことは間違いない。日本のリーダーがこんなことをしているのだから、そんな国が作る教育がマトモなわけがない。

自分は、いじめ問題をかかえる小学校に出向いて解決の実践を色々と提案している。はっきりいって大変な仕事なのだ。まず、この問題から逃げようとする教師の多いこと。本音を言えば、こんな教師には殺意さえ芽生えるのだ。まあ、これはまた別の機会に書くことにしよう。

自分は『奥田流・無人島グループエンカウンター』を提案している(まだ、実現していないが)。いじめのある学級の子ども全員を無人島(様々な仕掛け付き)に送り込む。そこで、力を合わせるまでは脱出できないように仕掛ける。「いじめなんかしていたら、お前ら全員、死ぬぞ」ということを子ども自身に気付かせるのだ。最初はいざこざが絶えないだろうが、いざこざやっているうちは絶対に脱出できない。全員がそれぞれの力を合わせたときに初めて、無人島を脱出できる。こんな究極の場面では、いじめを無くすことが可能なのだ。脱出できたときの子ども達の達成感は、他では味わえない程のものになるだろう。

無人島は利用していないが、この方法のエッセンスはすでに使っている。賢い読者ならば、この無人島式の狙いが分かるはずだ。

 

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関連記事:完膚無きまで叩きのめす大人たち
     など。

Posted by 奥田健次 いじめ・ハラスメント, 教育 |

2005.12.27

職場いじめからの暴走

当ブログがユニークな点は『いじめ・ハラスメント』というカテゴリーを設けているところにある。積極的に、この問題について取り組んでいきたいと考えているからだ。

自分は今回の加害者の気持ちもよく分かる。

もちろん、暴走行為にはどんな理由があれ相応の償いをしなければならないのだが、今回は『職場いじめ』が引き金になっていることを忘れてはいけない。

殺人未遂で容疑者送検 仙台アーケード暴走
2005年12月27日12時40分(asahi.com)
http://www.asahi.com/national/update/1227/TKY200512270209.html
 仙台市の歩行者専用のアーケード商店街を乗用車が暴走し、7人が負傷した事件で、仙台中央署捜査本部は27日午後、業務上過失傷害容疑などで逮捕した会社員千葉良文容疑者(52)=同市太白区=を殺人未遂容疑に切り替えて仙台地検に送検した。現場にブレーキ痕がなかったことなどから、捜査本部は千葉容疑者には殺意があったと判断した。
 千葉容疑者は調べに対し、7人が死傷した今年4月のトラックによるアーケード暴走事件をまね、「人をはねるつもりでアーケードに進入した」と供述。動機について同容疑者は「職場で嫌がらせにあい、うっぷんを晴らしたかった」と説明し、アーケードを狙った理由については「近くにデパートがあり、特に人通りが多いから」と供述しているという。

いじめる側は自分からいじめを止めることができないものであり、またいじめる側の近くにいる人間もいじめに荷担するようになる。さらに、いじめを知りながら知らぬふりをしている傍観者もいる。

今回の容疑者が暴走した行為は容認されるものではない。しかし、この容疑者を責める人がいるならば、自分の身の回りでいじめがないか振り返ってほしい。自分がいじめる側になっていないか、いじめの荷担者になっていないか、いじめを知りながら何も出来ない傍観者になっていないか。

大抵「いじめられる奴にも悪いところがある」といって、自分の弱さや疚しさを感じないようにするために合理化しているものなのだ。

いじめの問題は、いじめられる側だけの悲劇ではない。いじめる側にも、傍観者にも色々な意味で悲劇をもたらすものなのだ。

職場いじめ・嫌がらせ(パワーハラスメント)や、大学での嫌がらせ(アカデミックハラスメント)は、一般の人々が想像している以上に日常茶飯事に行われているのである。

Posted by 奥田健次 いじめ・ハラスメント, 社会 |

2005.12.20

郵政関係で粛正、また1名。

国民に選ばれた議員が、とうとう斬首された。

採決の時、苦汁の表情で退席した亀井郁夫氏の姿が目に浮かぶ。

「こんなやり方は民主主義ではない。したがって、賛成か反対かという同じ次元で応じることができない」 そのような気持ちだったのだろう。

亀井郁夫氏も自民党除名 党は地方組織も強化へ
2005年12月19日18時52分(asahi.com)
http://www.asahi.com/politics/update/1219/007.html
 郵政民営化法案に賛成せずに自民党から離党勧告を受け、再審査請求も却下されていた亀井郁夫参院議員は、離党届の期限だった18日中に提出せず、19日で自動的に除名となった。造反議員への処分はこれで終わり、同党は来年1月の党大会に向けて地方を含めた組織強化を図る。

亀井氏は再審査請求をしていたようだ。これは至って良識ある態度といえる。このような離党勧告後の亀井氏の動向を、自分は知らなかった。というか、ほとんど報道もされていなかったのではないか?

結果は、問答無用で却下。

こうした「いじめの構図」「邪魔者は粛正」がまかり通る社会。それを黙認し続けるマスメディア。そして、いじめをいじめとも思わない傍観者たる国民。あるいは、いじめる側の論理を使って「亀井は守旧派だ」などと言って、いじめに荷担している品格の無さ。

亀井郁夫氏は、負け犬というのか? いや、知らぬふりを決め込む国民の大多数こそ「負け」なのだ。「意気地なし」である。疚しさを合理化することも正当化することも、その意気地のなさからきているのだ。

こうした事態に及ぶことを知りながら、あえて最後まで抵抗し続けた亀井郁夫氏は英雄である。

関連記事:女子の『仲間はずれ』いじめをする大人
関連記事:イエスマンにみる『いじめ』の病態
関連記事:斬首か、切腹か
関連記事:完膚無きまで叩きのめす大人たち
関連記事:いじめ社会の完成
関連記事:郵政民営化について

Posted by 奥田健次 いじめ・ハラスメント, 経済・政治・国際 |

2005.11.17

女子の『仲間はずれ』いじめをする大人

粛正、粛正粛正ー!

もう『やめられない、とまらない』なのだろう。

武部幹事長、岐阜県連の元幹部4人に離党要求
http://www.sankei.co.jp/news/051116/sei035.htm
(Sankei Web)

 自民党の武部勤幹事長は16日、先の衆院選で党本部の要請に従わず、非公認の野田聖子氏ら郵政民営化反対派を支援した当時の岐阜県連幹部から事情を聴き、猫田孝前幹事長ら当時の県連執行部だった県議4人に自発的な離党を求めた。
 同県連は既に衆院選当時の会長らが引責辞任しているが、武部氏は、同県連が規約を変えて造反組を「県連公認」したことや、公認候補を支援した同県選出の松田岩夫参院議員を処分したことを挙げ「越権行為であり除名処分に相当する」と指摘。自発的に離党しない場合は党本部の党紀委員会を開き処分する考えを伝えた。
 猫田氏は即答を避けたが、会談後、記者団に「指示には従う」と、離党する意思を示した。当時会長だった古屋圭司衆院議員はすでに離党している。(共同)
(11/16 14:54)

自民党幹事長は、粛正執行担当大臣だったのだ。いわば、いじめ担当大臣

一度、いじめを始めてしまうと、なかなか止められないもの。実際に、中央だけにとどまらず、地方にも粛正が進められつつあるではないか。

いじめっ子が行う追放いじめ。これを誰も止めることはできない。周囲にいる人間を『物言わぬ傍観者』にしつつ、さらにいじめっ子は力を付けていくことになる。マスコミも完全なる傍観者

要するに、誰もが自分の立場が心配なだけ。属する組織の方針と違うことをすることで、組織集団の中で自分がいじめに遭うのではないかと恐れているのだ。そういう構造が現にあるのだ。全然、自由民主主義ではない。いや、民主主義的にいじめを行っているともいえる。

そんな民主主義など、クソ喰らえだ。

自分には何をやっても喰っていける甲斐性があるので、組織の中にいようとも常に正論をぶつけてきた。当然ながら、上に述べた予想通りの結果となっている。だが、それでも「正しい」とか「間違っている」ということを知っていながら、黙っていることなど自分には出来ないのだ。集団の中で、いつも孤立する自分のことが最高に好きだ。だから、自分はいじめには荷担しない。

本当は政治的なことは書きたくない。だが、どうしても日本の教育にまで関係してくることばかりなので、書かざるを得ない。国のリーダー達が、こんな状態だから、もう絶望的。

自分は、古き良き日本の社会に戻したい。『サザエさん』のような家庭を大切にしたい。そう願っている。でも、やはり無理だな、もう。泣きたくなるよ。

過去の記事:イエスマンにみる『いじめ』の病態 ほか

Posted by 奥田健次 いじめ・ハラスメント, 社会, 経済・政治・国際 |

2005.11.04

イエスマンにみる『いじめ』の病態

武部某という自民党幹事長が「私は偉大なるイエスマン」と公言したようだ。

この男、完全な佞臣だ。偉大なるいじめ加担者だ。

私は偉大なイエスマン 武部氏、続投や入閣に意欲  2005/10/31 07:14
(北海道新聞)
http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20051031&j=0023&k=200510319745

 【網走】自民党の武部勤幹事長は三十日、網走市内で開かれた後援会の会合であいさつし「なぜ私が(閣僚)候補に挙がるかといえば、小泉純一郎首相にとって偉大なるイエスマンだから。単なるイエスマンじゃない。小泉さんが私を信頼し(他の政治家は)役人の言いなりになってちゃんとやらないが、武部は違うと思っている」と述べ、三十一日の党役員人事・内閣改造で、幹事長続投や閣僚就任に意欲をにじませた。
 支持者九百人が集まった会合の出席者によると、武部氏は会終了直前に再び登壇。十八番の星影のワルツの替え歌を披露し「とことんやります国のため」と歌い上げ、「明日、もし首相が武部を呼べと言った時に『今、網走なんです』じゃ駄目ですから」と言い残して会場を後にした。

自分はこのブログにおいて、日本は『イエスマン』しか生き残れない、いびつな社会になってしまったことを繰り返し主張してきた。「いじめ社会の完成」「斬首か、切腹か」。これらの記事を読めば、少しは良心の呵責も感じるのではないか、というのは甘い見方である。いじめ側の特徴は、自分に都合の良い仲間集め正当化とぼけなどである。だが、武部某は「開き直り」である。ついに、ここまで許される社会になったのか。

権力者の側にいるイエスマンは、いじめの構造でいうところの傍観者、いや積極的な加担者である。イエスマンはいじめの加担者なのである。

マスメディアは、現政権についてバッシングしない。森前総理の「日本は天皇を中心としたカミの国」と発言したことについては、意図的に曲解して非難したくせに、現政権では何をやっても許される。

与党が平然と行う『集団いじめ』を、マスメディアは問題視しない。問題視どころか、ほとんど正当化しているではないか。つまり、いじめられる側に問題があるかのような偏向報道。マスメディアは、いじめの構造における傍観者となっている。いや、これまたイエスマンと同じくいじめ加担者であり、いわばいじめっ子の世話係かもしれない。

こんな与党が、どういう教育を行っていくのか。どんな福祉社会が待っているのだろうか。

小泉首相が造り上げた『いじめ構造』
は、「偉大なるイエスマン」などと開き直りが許される佞臣どもと、それを叩かないマスメディア、何も出来ずにいじめを傍観している国民によって完成の域に達している

永田町や霞ヶ関だけでなく、地方自治体、民間会社、医療や福祉の現場、大学、学校、ありとあらゆる社会で、いじめパワーハラスメントが行われているのだ。

いじめて終わりではない。いじめられた側は、いじめた側の想像以上の憎悪を持って生きている。そして、それは悲劇を生むことになるだろう。

Posted by 奥田健次 いじめ・ハラスメント, 社会, 経済・政治・国際 |

2005.10.31

斬首か、切腹か

郵政民営化法案反対議員の処分。ここに処分のグレーディングあるのだが(自民党の処分には8段階が設定されている)、最も重い『除名』、その次に重い『離党勧告』について考えてみたい。

単純に言えば『除名』という処分は罪人扱い。『離党勧告』という処分は、武士の情けで切腹の沙汰である(注:慣用的に「武士の情けで」と述べたが、それは昔の話。今日のは、以下の本文をお読みいただければお分かりになると思うが、単なる政治利用に過ぎない)。

常識的に、除名された場合は組織に戻ることはできない。離党勧告の場合は、自ら離党することで除名は免れるが、10日以内に離党しなければ除名となる。

赤穂浪士の大石内蔵助以下46名は切腹のお沙汰であった。復讐をテロによって実行したが、罪人扱いにはされなかったのだ。一方、新選組の近藤勇は斬首であった。つまり、近藤勇は罪人とみなされたのであった。

さて、今回処分された議員は何をしたというのか? 郵政民営化に対して反対の立場をとったこと、あるいは郵政民営化関連法案の中身について反論したこと、もしくは審議の進め方に疑問を持って反対派に同調したこと。こんな程度ではないか。

反対票を投じる前から、反対すれば厳重に処分されるという脅し、圧力があったのを知りながら、それを覚悟の上での、いわゆる『造反』だったのだ。好きで造反したのではなかろう。大石内蔵助も、近藤勇も、そうせざるをえない状況にあった(追い込まれたという見方もあり得る)。自分の主君が蔑ろにされたのが許せなかった。自分を慕ってきた者のことを放っておけなかった。人間の行動を考えるとき、言動のみを考慮しても意味がない。必ず、文脈を読まなければならない。最近、この文脈の読み取りが苦手な人が世の中、満ちあふれている。

処分覚悟で臨んだ造反議員。彼(彼女)らだって、国民に選ばれた国会議員だ。国民の代表だったのだ。国民の代表者が、永田町で反対意見を出した挙げ句、斬首されるとは一体どういうことなのか。

--以下、引用。

YOMIURI ONLINE
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20051021i213.htm
綿貫、亀井氏ら9人を除名処分…自民党紀委
 自民党党紀委員会(委員長=森山真弓・元法相)は21日、先の通常国会で郵政民営化関連法案に反対し、新党を結成して衆院選に立候補した綿貫民輔・元衆 院議長、亀井静香・元建設相ら9人を除名処分とすることを全会一致で決めた。郵政民営化問題をめぐり、自民党が党議拘束違反者に対して出した処分はこれが 初めて。
 党紀委ではこのほか、無所属の衆院議員、自民党会派に所属したままの参院議員ら50人の処分を検討しており、次回28日の会合で決定する。
 除名処分となった9人の内訳は、国民新党が5人、新党日本が4人。衆院議員は綿貫、亀井静香両氏と亀井久興氏、滝実氏の4人。参院議員は荒井広幸、長谷川憲正両氏。また、衆院選で落選した前衆院議員の小林興起、津島恭一、青山丘の3氏も除名となった。
 9氏は、いずれも衆院選公示前に離党届を提出していたが、党紀委員会ではこれを受理せず、除名処分とした。
 森山委員長は除名の理由として、<1>党の方針に反して郵政民営化関連法案に反対した<2>別の党を結成して衆院選で自民党の公認候補の選挙を妨害した——ことを挙げた。
(2005年10月21日22時4分  読売新聞)

--以上、引用終わり。

除名の理由については、かなり不当な内容である。「自民党の公認候補の選挙を妨害した」というが、それをいうなら自分らこそ真っ先に処分されるべきではないか。自民党執行部が刺客を立てたから、仕方がないので「別の党を結成せざるを得なくなった」のだ。これらすべて「勝てば官軍」の図式なのだ。

もう1つの問題は、「(除名された)9氏は、いずれも衆院選公示前に離党届を提出していた」にもかかわらず、それを受理せず除名処分にしたことだ。「ここはひとまずケジメとして切腹しよう」と決めた武士に、「いや、貴殿らは斬首だ」と一方的に犯罪者扱い。マスコミ論調も、小泉自民党に反対した議員を造反者(悪者)扱いしていたので、「市中引き回しのうえ打ち首」だった。

さて、ここまで切腹だの斬首だのと言ってきたが、これらの処分にあった信念居士は実際には生きている。以下、これからの問題について心理学者の立場から考察し、予告しておこう。

最も問題なのは、除名された議員よりも離党勧告となった議員である。自民党執行部は何を考えているか? 至極、簡単である。

「貴殿らには、近い将来、復党の可能性を残しておいてやろう。だが、そのためには・・・・分かっているだろうな」というアプローチだ。この「・・・・」の部分は、それぞれの議員によって求められる内容が異なるのだ。まあ、分かりやすくいえば「それなりの土産」だ。

それは、利権かもしれないし、敵の生命かもしれないし、自分の体(魂?)かもしれない。

すでに魂を売っている可能性だってあるのだ。「今回の処分は見せしめ上、離党勧告としておく。だが、○年後には復党させてやろう。ただし、そのためには・・・・分かっておろうな」という密約。

どうやら野田聖子議員が最も危うい立場になってしまった。特別国会でも法案反対を貫いた平沼赳夫議員が離党勧告処分で、一転して賛成票を投じた野田氏も平沼氏と同じ離党勧告処分。野田氏は完全に立場を失った。こんなことなら、法案反対を最後まで貫いたほうがよかったのではなかろうか。今さら寝返ってしまった郵政法案反対派の仲間に戻ることもできないだろうし。そんな後悔の念すら、ちらついてしまう。

だが、野田氏は「自民党総裁となり、日本初の女性総理大臣を夢見てしまった女」である。彼女は、失った立場を回復するために、「相当な手みやげ」を用意しなければならない。彼女の場合は安くは済まない。「それなりの土産」では不足だ。

ただこれはあくまで、自民党に復党しようとする場合のことだ。復党の意志がなければ、そんな手みやげなどいらない。しかし、この夢見る女は、離党勧告処分を受けての会見でさっそく復党したい考えを表明。「(党を離れる)時間を短くしたいというのは当然と思っている」。『やっぱ戻るっきゃない』の信念のみか。野田氏のことは残念だ。剃髪して、一からやり直すしかない。

それにしても、この構造。これは『いじめの構造』である。永田町だけではない。世の中すべてに、この構造が拡がっている。イエスマンのみが生き残れる社会だ。小泉構造改革とは、こうした『いじめの構造』を造り上げるものだったのだ。悪代官と越後屋か。はたまた「ムショから出てきたら組長だぞ」と約束されて暗殺に向かう鉄砲玉か。こんなステレオタイプな時代劇や任侠話が、この国を動かす大人たちの現実なのだ。

今回、離党勧告処分を受けた議員(役職停止処分など、除名以外の処分を受けた議員も)の今後に注目である。

Posted by 奥田健次 いじめ・ハラスメント, 社会, 経済・政治・国際 |

2005.10.11

完膚無きまで叩きのめす大人たち

今回の岡山市長選は、先の衆院選における『ねじれ現象』の流れで全国的に注目されていた。

先の衆院選では、郵政民営化関連法案に反対票を投じた岡山2区の熊代昭彦氏に対して、自民党本部は岡山市長の萩原誠司氏を刺客として送り込んだ。萩原氏は、熊代氏の親友でもあり、恩義(萩原氏の市長選では熊代氏が全面協力していた)もあったはずだ。

にもかかわらず、萩原氏は何年も前から準備してきたおかやま国体を捨ててしまい、友を斬るために衆院選に立ったのだ。熊代氏は、刺客として送り込まれた萩原氏と闘うことを回避。立候補を断念した。これを批判する人もいたようだが、萩原氏の後援会は熊代氏と同じ組織メンバーだったため、後援会の分裂を裂けたい仲間達の泣き落としに熊代氏が折れ、身を引いたのであった。

現職市長だった萩原氏が投げ出した岡山市長選への熊代氏の立候補を「くら替え」などと表現し、世論を操作したマスコミもまた悪である。そもそも「くら替え」の始まりは萩原氏によるものなのに。

衆院選の岡山2区で血の争いを避けた熊代氏に対して、今回の市長選でまたも自民党本部は刺客(高谷茂男氏)を送り込んできたのである。この刺客を自民岡山県連は全面支持。そして、自・公の推薦が付いた。衆院選で小泉党が圧勝した勢いに乗り、今の県連は強気一辺倒だ。

選挙戦も壮絶だったようだ。自民党と公明党の幹部が刺客の応援に駆けつけた。例えば、国民に絶大的な人気のある安倍晋三氏。熊代氏に言わせれば親友だった のだ。安倍氏も、親友・熊代氏を斬る刺客に助太刀した。また、現職市長から衆議院議員に『国体ポイ捨て、国政くら替え』した萩原氏。なんと萩原氏までもが、熊代氏を斬るために刺客の応援に駆けつけたのだ。

そういえば、こういう小説(史実?)はなかったか。暴君への忠誠を誓うために、「お前の家族や親友を殺せ」と命じられ、暴君の言うとおりに殺してしまうというような。図式としては、まさにこの通りである。政治家が堂々と、こういう仕掛けを作っているのだ。

市長選の結果は言うまでもない。熊代氏は市長選に落選した。たった1か月の間に、2度も刺客を送られた恰好の熊代氏。自分は、熊代氏に縁もゆかりもないが、自らの 政治信念を貫いただけで、昨日までの仲間から完膚無きまで叩きのめされ抹殺される姿を見せられると、強い嫌悪感を抱いてしまう。

長い物に巻かれよ。勝ち馬に乗れ。仲間を裏切ってでも権力に与せよ。ある種の県民性ともいえるが、ここに今の国民全体に渦巻く病理が如実に反映されているといえよう。

こんな国で育つ子どもの行く末は絶望しかない。

ただし、今回の市長選は前回よりも投票率は低下している。したがって、先の衆院選のように無党派層が踊らされたわけではなく、組織票中心の選挙だったようだ。

今回、無党派層が動いたらどうなったのだろう。衆院選と同じく、刺客の新人候補が圧勝したのだろうか。それとも、衆院選の結果とそれ以降の国会での与党の専横に疑問を感じた市民が別の投票行動をしたのだろうか。

それにしても先の衆院選から今回の市長選まで。作り話でないところが恐ろしい。事実は小説より奇なり。もう、うんざり。

--以下、引用。

岡山市長に高谷氏初当選 組織戦で三つどもえ制す
http://www.sankei.co.jp/news/051010/sei004.htm
Sankei Web

 9月の衆院選に立候補した前市長(比例中国ブロックで復活当選)の辞職に伴う岡山市長選は9日投票、即日開票の結果、無所属新人で会社社長の高谷茂男(たかや・しげお)氏(68)=自民、公明推薦=が、無所属新人で元総務省課長補佐の高井崇志(たかい・たかし)氏(36)と、無所属新人で元内閣府副大臣の熊代昭彦(くましろ・あきひこ)氏(65)を破り、初当選を果たした。投票率は43.31%で、前回の51.18%を7.87ポイント下回った。
 高谷氏は自公両党の推薦や経済界の支持で手堅い組織戦を展開。低投票率もあって高井、熊代両氏を引き離した。安倍晋三自民党幹事長代理や冬柴鉄三公明党幹事長らが応援に入り、中央との「パイプ」を強調。累積赤字を抱える「倉敷チボリ公園」の再建に携わった経験から行財政改革を訴え、支持を固めた。高谷氏は当選を受け「都市間競争に負けない岡山市をつくりたい」と述べた。
 高井氏は次期参院選岡山選挙区から民主党公認で立候補する予定だったが、離党して市長選に出馬。実質支援に回った民主党は前原誠司代表も応援に入ったが、知名度不足で浸透しなかった。
 熊代氏は郵政民営化関連法案の衆院本会議採決で反対票を投じ、自民党本部が萩原誠司(はぎわら・せいじ)前市長を“刺客”として擁立したため、総選挙出馬を断念。空席となった市長選にくら替え出馬したが、保守分裂で票を伸ばせなかった。
▽岡山市長選開票結果
当 95635 高谷 茂男 無新
  68940 熊代 昭彦 無新
  58165 高井 崇志 無新
          (選管最終)

(共同)
(10/10 00:33)

Posted by 奥田健次 いじめ・ハラスメント, 経済・政治・国際 |

2005.10.03

永久に少数派

キライな言葉は『女子』『多数決』

イヤな思い出があるからなあ。

小学校5年の終わりに転校したクラスで、学級裁判というのが流行っていてね。

担任が社会の先生で、法律が専門やったらしい。この学級裁判をウリにしてたからなあ。

“エライ学校に転校してしまったわー”と思ったよ。今どきこんな授業をやったら担任クビになるんちゃうかな。ちょっと昔はこういう今ではありえない集団いじめがフツーにあったんや。

この学級裁判って毎週やるんよ。もちろん、授業(学級会やったっけ?)の中で。担任も見守ってるんやけど、大体、ここを仕切っているのが『女子』っていわれるオゾマシイ集団やってさ。この年頃の女の子って、やたらと他人の揚げ足を取るし、先生に対する点数稼ぎばっかりやし、とにかく嫌な感じなんよな。
「今週の被告人は、奥田君です」
「被告人は前に出てきて下さい」

っていうしゃべり方自体がもうムカツクわけ。

仕方ないから出ていくと、裁判官・検察側(すべて女子)が、
「今週は奥田君が給食袋を持って帰らないことについて裁判を行います」
やとさ。
「どーして、奥田君は給食袋を机の中に貯めておくんですか?」
「そういうのは不潔だと思います」
「みなさん、どう思いますか?」
「奥田君のサボりだと思います」
「奥田君は、どうして持って帰らないんですか?」

と質問攻め。

「週末にまとめて持って帰ったほうが合理的です」
と反論を試みる。弁護などしてくれる奴なんかおらへん。
「ゴーリ的とか屁理屈を言わないで下さい」
などと何を言っても屁理屈だと片づけられるだけ。

「では、多数決を取ります」
「奥田君が悪いと思う人?」

(クラスの女子全員が手を挙げると、約1.5秒遅れて男子もほとんど全員が手を挙げる)
「38対2で奥田君の敗訴です」
“ええけど、どうなるねん、おれは?”と少しドキドキ。
「判決を言い渡します・・・」
「被告人・奥田君は来週から給食袋を持って帰って下さい」

“なんやねん、『校内引き回しの刑』とか『学校所払い』とか『淡路島流し』とか何かかなと思ったら、わざわざ裁判なんかせんでもええ話やん!!”

こんな感じやったなあ。

学級裁判の被告人は奥田君かタカハシ君が隔週交代やったねえ。

よくもまあ飽きもせず、
「今週は奥田君が掃除の時間にホウキにまたがって遊んでいたことについて裁判を行います」
「今度はモップを刀のように振り回していたことについて裁判」

「彫刻刀で机を彫っていたことについて裁判」
「自分の給食用にマイケチャップを持ってきたことについて裁判」

とか、次から次へと出てくるよなあ。

もう最後のほうでは「奥田君は女子の敵です」とまで言われたからなあ。

んなわけで『女』とか『女性』は好きやけど、今でも『女子』って聞くとムカムカしてしまうねんって。完全なトラウマやね。

多数決も、見事に人生で一度たりとも勝ったことあらへんわ。

まあ、こんな自分が好きやねんけどな。

Posted by 奥田健次 いじめ・ハラスメント, 脱力系 |

2005.09.22

いじめ社会の完成

先の衆院選で自民党が圧勝。この圧勝については、単に小選挙区制のマジックであったことなどは、さまざまなメディアで論じられている。

圧勝の結果、衆議院では3分の2を与党議員が占めてしまった。マスコミなどのメディアは、憲法改正論議のほうに議論を集中させているが、自分はもう1つの問題について指摘しておきたい。この3分の2にはもう1つの大きな意味がある。

日本国憲法第58条の2

両議院は、各々その会議その他の手続及び内部の規律に関する規則を定め、又、院内の秩序をみだした議員を懲罰することができる。但し、議員を除名するには、出席議員の3分の2以上の多数による議決を必要とする。

つまり議員の除名が可能な国会になってしまったわけだ。これによって、私憤から国会で水を巻いたり暴れたりした議員は懲罰を受けることはもとより、義憤から秩序を乱した議員でさえ除名可能となる。除名である。退場とは違うのだ。

先の衆院選挙でも、マスコミを通して大人のいじめが平然と美化されつつ垂れ流されていた。これからしばらくは、法に基づいて国会内で除名という懲罰が可能となった。この法に欠陥があるといいたいのではない。

こういう状況ではイエスマンしか存在できないという有り様を指摘しておきたい。すでに今回の小泉首相と自民党執行部のやり方はイエスマン作りであった。殿様を諫める忠臣は、見事に捨てられてしまう人間関係だ。「殿、それでは庶民のためになりませぬ」と言ったらアウト。刺客を送り込まれる。

法があるんだから何が何でも守りましょう。こういうのは小学生の論理である。ところが、こうした論理が今、社会を動かしている世代の思考停止アタマを支配しているようだ。

幕末の志士たち
は、日本の将来のために当時のルールを破ってでも闘わざるをえない状況が何度もあっただろう。

他人がそうせざるをえない状況を考えることが大人の思考である。

さあ、どうするのだ。いじめ社会が完成してしまったぞ。ここまで自民党が圧勝するとは思っていなかったと言っても、もう遅いのだ。

Posted by 奥田健次 いじめ・ハラスメント, 経済・政治・国際 |

2005.08.17

郵政民営化について

郵政民営化法案が、衆院本会議では僅差で可決し、参院本会議では反対多数で否決された。両院の本会議前から採決直前まで、小泉首相と自民党執行部からの激しい反対派への切り崩し工作が行われていた。

参院本会議で否決されるまで、小泉首相と党執行部は公然と「衆議院の解散」「反対議員には次の選挙では公認を与えない」という脅しをかけていたが、これらの脅しは実際に実行されてしまったわけである。

参院本会議で否決されたその日、脅し通り小泉首相は衆議院を解散した。そして、反対票を投じた議員には公認を与えない意向を表明。そればかりでなく、反対議員の選 挙区に対立候補を立てる方針を固め、実行に移している。つまり、同じ選挙区で自民党議員同士を戦わせようというのである。

これらの過程で、小泉首相ならびに自民党執行部が、またも掲げるスローガンは「国民に問う」「改革を断行する」「官を縮小する」「古い自民党をぶちこわす」など一般大衆にウケる響きのするものばかりである。

マスコミによる世論調査では、このような強権政治手法を続ける小泉内閣及び自民党を支持するのが50%以上にのぼる。自分は、強権的な政治手法が悪だと考えているわけではない。貴重なリーダーシップが必要なときもあるからである。

ただ、改革というならば「改革の本丸」とか「古い体制を壊すべき」などというスローガンは要らない。具体的なレベルでの、将来の予測が欲しい。

郵政民営化に小泉首相がこだわるのは、さまざまな意見もあるが、アメリカからの政治的要請に応じるためのものである。郵政民営化は、アメリカの政治・経済界に利する道であり、小泉・竹中ラインがそこを邁進しているのである。

--以下、引用。

郵政民営化は米国の国益に 今回の解散・総選挙をどう見ればいいのか。識者に聞く。<政治評論家・森田実氏に聞く> アサヒ・マイタウンズ(8/12)http://mytown.asahi.com/tokyo/news01.asp?kiji=4003

 ——小泉首相がいう郵政民営化の真の狙いは、何なのでしょうか。
            
  「小泉さんは郵政民営化は自分の信念だと言いますが、その根っこに一番重要な日米関係があることを隠し続けていますね。米国政府が毎年、日本政府に突きつ けてくる『年次改革要望書』の存在をご存じですか。93年の宮沢首相とクリントン大統領の日米首脳会談で決まり、翌年から始まった。米国の国益にとって都 合の悪い日本の制度、法律の変更を迫る要望書です。日本のこの10年間のあらゆる構造改革の、いわばバイブル。米国政府の最後の大きな要求が郵政民営化な のです」
            
 ——米国の圧力?
            
 「小泉さんがやりたいことと米国の 利害が一致しているんですよ。クリントン大統領が米国の財政難を救うために、日本の郵政民営化に目をつけたんですね。法案が提出されたとき、米国のウオー ル街は大変だったそうです。『郵政公社の覆いが取れ、巨額マネーが世界のマーケットに流出してくる』と。郵貯・簡易保険の340兆円は国民がつめに火をと もすようにためた金です。郵政民営化は日本国民の利益になると小泉さんは言いますが、米国ファンドのごちそうになるだけだと、私は見ています」
            
 ——総選挙で与党は勝てますか。
            
  「小泉さんは『与党で過半数を取れなかったら退陣する』と大見え切りましたが、そこには数字のトリックがありますね。衆院の過半数は241。解散時の自公 与党の議席は283で、そこから自民の造反議員37を引いても、過半数を5議席も上回っている。何のことはない、現状維持でいいんですよ。無所属で立って 当選した造反議員を入れていけば、勝利の幅がどんどん広がります」
            
 ——選挙後は。
            
  「勝利すれば、小泉さんは郵政民営化法案の修正案を国会に出すでしょう。しかし、それよりも重要なのは、首相の乱暴な政治手法が国民に支持され、承認され たということになる。議会を、党を、民主主義を無視していい。『小泉対国民』なんだと。ヒトラー以上の強権小泉独裁体制が誕生します」
            
 ——民主党の政権交代の可能性は。
            
  「民主が勝つとすれば、争点を『郵政民営化に賛成か、反対か』に絞ろうとする小泉さんの思惑を打ち破れるか、にかかっています。最大の争点が郵政民営化で なく増税問題になれば、小泉さんも解散も無意味になってしまう。民主は自民の分裂を突いていくしかない。解散時の議席は175。自民の造反議員の37プラ スアルファを獲得できれば、比較第1党の可能性はあります。サラリーマン増税反対がポイントになるのでは」
            
 ——投票率は上がりそうですか。
            

  「小泉さんが『郵政解散』といっていることには、投票率を引き下げようという明確な戦略を感じますね。メディアが『総選挙の争点は郵政民営化』と大騒ぎす ればするほど、有権者はしらける。外交や景気、失業、北朝鮮、治安など重要課題は山積み。戦後60年の節目の総選挙です。21世紀の日本をどんな社会にし ていくか。争点を郵政民営化だけに絞ろうとするのは、あまりにも国民を愚弄ぐろうしていると思いますよ」

--以上、引用おわり。

もし、郵政公社に改革するべき問題があるとするならば、役人や官僚の不当な権益を見直すシステムを構築すれば良いのであって、「民営化」に持って行くこと自体が不自然だ。

日本の「公的なもの」を潰していった果てには、あのJR西日本のような公共性よりも利益を重視した結末の事故があるのではないか。失ってはならない公共性というものがあるのではないか。戦後60年の間に、自由の名の下に公共性がことごとく壊されてしまい、そのツケが病みきった現代社会を構築してしまった。

自分のJR西日本の記事と同様、小泉首相と自民党執行部のやり方を見ていて感じるのは、これもまた明らかな「いじめ」である。これまでは、「色んな意見があっていい」と言いながら、最後の最後で反対意見の仲間を切り捨てる。自分に反対した人間に対する、徹底的な「嫌がらせ」。これらは、反対論者を政治家として抹殺しようとする行為である。

小泉首相は、「イメージや雰囲気」に基づいた人気と、無党派層の「しらけ」を頼りにしている。いわゆる「刺客」と言われる反対議員潰しの候補者には、女性が多い。これもまた女性を馬鹿にした手法ではないか。

しかしながら、こうした「イメージや雰囲気」だけで、根底にある「いじめ」に気付かず、「改革」というスローガンに見事に騙されている世の中を見ると、もう絶望的である。

10年ほど前、ある校長が「学校のいじめって無くならないのかなあ」と呟かれた。自分は「無くなるわけがありません。教員同士でいじめがあり、会社組織だろうと、大学だろうと、文部省だろうといじめがあるんですから」と答えた。

こんな大人のいじめ手法を、毎日ニュースで見せられつつ、小泉支持率が維持あるいは微増していることは、教育的にも全くよろしくないことである。

ほとんどのマスコミも、小泉政治に荷担していると言ってよい。そもそも、郵政法案反対議員のことを「造反議員」と繰り返すのは止めてはどうか。そのようなイメージ操作も、小泉首相のやり方と同じである。

Posted by 奥田健次 いじめ・ハラスメント, 経済・政治・国際 |

2005.08.16

JR福知山線脱線事故の原因

2005年4月25日、JR西日本福知山線(JR宝塚線)塚口から尼崎間で起こった列車脱線事故。事故の直接的な原因については、速度制限を大幅に越えてカーブに突入したために横転脱線したことが報告されている。

自分の実家の最寄駅が宝塚で、普段、家族が使用している路線の事故だったために、余計に身近に感じた事故である。

ここでは、事故の間接的原因とされるJR西日本の日勤教育(Wikipediaから「日勤教育」と検索して参照)について自分の見解を記しておきたい。

自分は、これは間接的原因というより、事故の直接的原因と言って良いと考えている。なぜなら、例えるなら、飛び降り自殺の原因について論じるとき、 物理的原因は「高さ○十メートルから地面に叩きつけられたことによる外傷性ショック死」などを直接的原因云々と説明することに、意義がないからである。

つまり、「どのようにして脱線したか」を問うのではなく、「どのようにして事故が生じたか」を問う必要がある。後者の問いに答える場合、上記の日勤教育を無視することはできない。

一言でいえば、JR西日本が行っていた日勤教育は「職場いじめ」である。「教育」と称しているが、それは職場いじめの、いじめる側が必ず用いる「煙幕」である。いじめを行う人間は、必ず何らかの煙幕を用いており、自分たちにはいじめの感情は無いと言う。

事故を起こしてしまった運転士は、車掌に自分のオーバーランを過小に報告する口裏合わせをしていたという。何としてでも、運転士が日勤教育での懲罰を回避しようとしたゆえの行動であろう。

罰によるコントロールは、人間に対して「回避」や「逃避」の傾向をもたらすばかりか、感情的な側面での悪い副作用をももたらす。運転士は、日勤教育から逃れるために、冷静さを失い、スピードを上げて事故現場のカーブに突入したのであろう。

自分は事故当初、JR西日本の日勤教育の実態を知らなかったので、「何という運転士だ」と思ったものであったが、二度と受けたくない日勤教育を回避しようと追い詰められながら運転していた運転士の心境を想像すると大変気の毒に思う。

同時に、JR西日本の経営姿勢について大きな憤りを感じる。JR西日本が最初に事故の原因として「置き石」を示唆するような発表をしたことは、半ば 意図的な「職場いじめ」隠しと言われても仕方なかろう。運転士が前の駅でオーバーランした後、指令所から乗務員に遅れを取り戻すよう何度も催促する連絡が あったそうだ。つまり、JR西日本側は速度超過を指令していたこと(そのような指令が常態化していたこと)を、できれば隠したかったのだ。

自分が普段から言っていることだが、「いじめ」は人を殺すエネルギーになる。それは、医療界だろうが、教育界だろうが、政界だろうが、どの世界にお いても例外はない。今回のJR福知山線脱線事故が「職場いじめ」によって生じ、多くの犠牲者を生み出したことを、われわれは教訓に出来るのであろうか。

Posted by 奥田健次 いじめ・ハラスメント |