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2007.09.17

トークン・エコノミー法(バックアップ編)

親御さんや教師の中に、トークン・エコノミー法(こちらを参照;前編後編)を上手に使いこなす人もいれば、イマイチうまくいかなくて諦めてしまう人もいる。時には、(自称)専門家ですらこの指導法を使いこなせず、誤解している人もいる。

前編でも言ったように、この指導法の決め手は「さじ加減」。さじ加減を間違えると、有効であるはずの子どもにすら、効果が低減してしまう。子どもの状態を検討し、その子どもにとっての課題(環境側)の要因についても検討し、「さじ加減」を調整しなければならない。

さて、今回紹介したいのはトークン・エコノミー法で用いられる好子(こうし)について。定められた分量のトークンを集めたら、それと引き替えにもらえる「楽しみ」のことを、バックアップ好子といいます。まあ、分かりやすくいえば報酬みたいなもの。

スタンプカードが「20個でマグカップ、50個でフラワーギフト...」みたいなシステムだ。他にも、いろいろなシステムがある。「ドラゴンボールを7つ集めたら神龍が出てきて願い事ゲット」というのもそう。

親御さんが子どもの楽しみを知っているつもりで知らないケースが少なくない(「子の心、親知らず」という感じか)。多くの親御さんは、親が望ましいと思っている遊びを与えようとしているようだ。だが、子どもにとっての楽しみは、必ずしも親が望ましいと思っている遊びと一致するわけではない。どちらかというと、一致しないことのほうが多いのではないか。

「どんなものがバックアップ好子として使えますか?」と質問されることが多い。自分は「駄菓子屋で小賢しく買い集めたくなるようなシリーズ物、コレクション物が使えることが多いかな」と助言するんですが、最近の親御さんは「?」という感じ。もしかして、駄菓子屋で買い物経験が無いのではないか? そう思ったので、一つだけ紹介。

Token3 遠くに出張するための移動中、こんなものを仕入れた。自閉症スペクトラムでなくてもコレクションに楽しみを感じる子どもには有効なことが多い。

左側のはポケモンのシール。男の子にも女の子にも人気がある。右側のはプリキュア。他にもドラゴンボールとか、いろんなラインナップも豊富だ。それぞれ、シールの入ったポチ袋が30袋も束になっていて630円。ポチ袋1つをゲットするために、トークンを一定量集めなければならないので、そんなに高いものではない。やり方によれば、週1回程度のバックアップだけでも十分効果的な子どももいる。

自分も「ビックリマンチョコ」のシールとか、「プロ野球チップス」の選手カードとか、メンコとか集めていた。

最近は、駄菓子屋がほとんど見つからないが、スーパーの中に似たようなコーナーがあるし、コンビニでもこういった袋入りのカードやシールを見つけることができる。

コレクションが楽しみの子どもさんには、ぜひ使ってみてほしい。

 

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トークン・エコノミー法(後編)
トークン・エコノミー法(前編)

Posted by 奥田健次 特別支援教育 |