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2007.07.04

アトピー性皮膚炎

Ohya2007_2 アトピー性皮膚炎、小児アレルギーに関する、エビデンスに基づいた図書が出版された。

効果的な治療やケアの方法が、科学的な検証法を用いて紹介されている。豊富なデータと事例、写真に溢れており、医療関係者で幅広く活用されることだろう。

編集者の大矢幸弘先生の前書きだけ引用します。

アトピー性皮膚炎
編集の序

アトピー性皮膚炎は、日本の小児が罹患する慢性疾患のなかでは最も有病率が高い疾患である。それと同時に、医療への患者の満足度が低いという意味からも社会的な問題として取り上げられることの多い疾患でもある。戦後の急速な文明化に伴い急増し、また軽症から重症に至るまで様々なバリエーションがあり、季節による変動や寛解・増悪を繰り返す病像は、時間をかけた個別の対策や指導を要するにもかかわらず、急性疾患の対策と薬の処方を中心として発展してきたわが国の従来の外来診療体制では御しにくいという点が災いしたと思われる。本疾患は、そうした意味でも、このような疾病構造の変化と旧来の医療体制の歪を映し出す鏡の役割を演じているようでもある。虫刺症や急性の接触皮膚炎などに対するのと同様の姿勢で、ステロイド外用薬が処方されれば、慢性疾患であるアトピー性皮膚炎のコントロールが不十分になるのは至極当然のことであり、同じ薬を処方しても、服薬指導をどのように行うかで、この疾患のコントロールが全く違ったものになることは周知のとおりである。結果として起こったステロイド禍や忌避は起こるべくして起こったといえるかもしれない。
 現場の医師不足・看護師不足が深刻であるにもかかわらず政府の医療費削減の姿勢が強まるなか、ガイドラインの存在とそれへの準拠だけでは、日本の医療体制が必ずしも望ましい方向へと本質的変換がなされるとは期待薄であろう。また、エビデンスに基づかない治療や巨大なアトピービジネスの力は想像以上のものがあり、その犠牲者はいまだに後を絶たない。こうした状況のなか、少しでも多くの患児と家族を救うためには、医療現場で患者と向き合う医師やコメディカルにアトピー性皮膚炎という慢性疾患を治療するコツを伝えることは切実な要請となっている。

“短期間で自然治癒する急性疾患に対するのと同じ姿勢で決して臨んではならないこと、エビデンスに基づいて治療すればコントロールが困難な疾患ではないこと”を強く実感していただけるよう、本書ではエキスパートの先生方にポイントをおさえたわかりやすい解説をお願いした。
 アトピー性皮膚炎は治療のコツを会得した医師には決して診療の困難な疾患ではない。しかし、まだまだ十分にその知識と技術は広まっていないのが現状である。このような医学的・社会的必要に応えるために、本書を活用していただければ幸いである。

2007年4月
国立成育医療センター第一専門診療部アレルギー科
                  大矢幸弘

ステロイドを使用したために、余計に苦しい状況を招くようなことが身近に起こっている。患者としては、医師の処方を可能な限り信じたいわけだし、信じても良いはずなのだが、エビデンスを無視して薬の処方をするだけの医師がまだまだ多いのが実態なのだという。

大矢先生のこの序文を読んで、「どうやら薬の処方以外の治療技術があるみたいだな」と勘づいた読者は、なかなか鋭い方ですよ。

つまり、服薬指導についても治療の一つであり、患者の日常生活上の行動へのアプローチもまた治療なのである。想像するに、こうした知識と技術については医学部では相当に運の良い医学生でない限り、学べないのではないだろうか。行動科学や行動療法の知見と方法論を修得することが、今の日本の医学教育でどれほど困難なことか。正直、「皆無」と言っても良いのではないだろうか。

医療関係者にはぜひとも読んでもらいたいし、当事者の親御さんにも読書力のある方ならば十分理解できる内容であるといえる。

こうした、エビデンスに基づく医療が子どもたちの健康のために、さらに進歩することを大いに期待したいし、また協力したいと思う。

アマゾンでの扱いはないようなので、ご購入はこちらからどうぞ。

 

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Posted by 奥田健次 健康・美容, 環境 |