岡山県総合教育センターに行ってきました。
やり残した仕事の一つ。当時、自分の転勤のために約束していた研修会が実現できなかった。「転勤先から手弁当で研修会に行きますよ」と本気で申し出たのに、教育委員会のほうが遠慮して実現しなかったものだから、ずっと気がかりになっていたんですね。
それが、ようやく別のカタチで実現しました。岡山県総合教育センターというと、自分も転勤前最後に岡山市内で講師をやって以来。ところが、なんと呼ばれて行った場所は、とんでもないド田舎!
吉備高原に移転したというんですね。知りませなんだ。
前の職場にほど近いため、なんだか「イヤ〜な気分」が半分と、今回のように当時から自分みたいな過激派(?)を必要としてくれていたという「アリガタ〜イ気分」が半分という感じ。いや、アリガタ〜イ気分のほうがほとんどなのに、そのアリガタ〜イ気持ちを邪魔するのが吉備という土地なんですわ(笑)。
午前中に岡山駅前のホテルからタクシーで移動すること1時間。よく行き来した山道を、ロング(遠距離乗車)でゴキゲンなドライバーの観光案内を聞きつつ現地入り。
ビックリするほど綺麗な建物。岡山のどこにそんな金が残っていたの(笑)?
いや、こんなスバラシイ施設があるんなら良い仕事が出来そうじゃないですか。今年の4月に出来たばかりで、ホルムアルデヒドに囲まれた室内とFOMAが圏外という悪条件を除いて、うらやましい限り。
さて研修内容について。今回は、巡回相談を担当される教員の研修会だった。ただの単発の講演会ならお断りしたと思うけど、シリーズで依頼されていたので引き受けてました。受講者70人中10人程度は「常連さん」。でも、60人は初顔合わせなので基礎的な話をやんなきゃならない。
さらに悩ましいのは、自分の尊敬している数少ない大学教員、岡山大学の佐藤暁先生もまた自分の話を聞きに来られるということだった。自分の集中講義にも最後の一コマまで聞かれちゃってるので、手の内を知られてしまっている(苦笑)。同じ話では恐縮だと勝手に感じてしまって仕方がない。でもやっぱり初めての方のほうが多いし。
でも、センターからの研修リクエストが「中学生以上の特別支援教育について何かお話しを」ということだったので、よっしゃ分かった。あ、ちょうどタイムリーな動きがあったわ。よっしゃ、よっしゃ。
などと閃いたわけです。
ところが、閃いたのが遅すぎた(泣)。というか、日曜日の夜にホテル入りしてから調べ始めたんですねー。相変わらず、取りかかるのが遅い。
パワーポイント作成していたら、気がついたら明け方の4時過ぎですよ(泣々)。小鳥さんの朝のさえずりが聞こえるし、しばらくするとJRの始発も動き始めるし、ほとんど眠れませんでした。まっ、ボクが悪いんですけどね(泣×3)。
今年度から文科省の新しい事業として「高等学校における発達障害支援モデル事業」というのがあるんです。文科省のHPで1か月前に資料が情報公開されたばかり。これを紹介することから始めることにしたわけです。
全国で14校の国公私立高校がモデル校に指定されています(北海道、埼玉県、東京都2、静岡県、滋賀県、京都府、大阪府2、和歌山県、福岡県2、長崎県、熊本県)。
なんで、愛知県は無いの? 兵庫県も無いの? 神奈川県も無いの? おかしいなー、なーんてね。愛知、兵庫、神奈川だからねぇ(笑み)。
高等学校における特別支援教育となると、小中学校の特別支援教育とはまた違った視点からの支援が必要となる。特に、進路指導や就労支援などが大きなウエイトを占めるようになるし、他機関との連携もハローワークやら厚生労働省の就業事業などの利用とか、教員にとっても新しい知見の修得が求められる。上記14校の取り組みに注目したい。
研修会ではこれらの話のほか、保護者や学校や対象生徒のアセスメント方法などについて専門的な話もした。いつものことながら、あっという間の90分。休憩を挟んで、佐藤先生とのパネルディスカッション風の質疑応答。これはこれで、まったくの打ち合わせ無しなのに盛り上がるんですね。
受講者にも、自分と佐藤先生の少しずつ違った角度からの話で、しかしほとんど同じような方向を目指しているということに気付いていただけたのかもしれない。最後まで真剣かつユーモア溢れる、あっという間の研修会でした。
ゴキゲンなタクシードライバーに岡山駅まで運んでもらって、速攻で名古屋に帰りました。名古屋は大都会やなあと改めて実感。『大名古屋ビルヂング』があるくらい(笑)。
そんなわけで、次回またよろしくお願いいたします。
佐藤先生のご著書と、今回の研修会で紹介した拙著も下記に紹介しておきます。
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