いじめ調査「非協力」の北教組が反論の資料集(北海道)
北海道教職員組合(北教組)は12日、「『いじめ』問題を考える教育実践資料集」を発表した。昨年12月に道教委が実施したいじめ実態調査に非協力運動を行い、批判を浴びたことを受け、「誤解を解消し、北教組の主張を示す」狙い。
資料集では、道教委のいじめ実態調査が、北教組の同意を得ずに行われたもので、調査結果が一人歩きし、子供、保護者、教職員の不安をあおったなどと批判。いじめは人権侵害の観点でとらえるべきだとし、子どもの権利条約に基づく主権者を育てる教育が必要などと主張、小中学校と高校の6実践例を紹介している。
会見で北教組の住友肇副委員長は、道徳教材「心のノート」や、卒入学式での国旗掲揚・国歌斉唱など、「文部科学省の圧力や強制、子供の意見表明権を抑制する教育政策で、人権が根付かない」とし、「主権者たる人間を育てる観点の教育で、いじめを起こさない学校作りができる」とした。
北教組は今年2月27日の中央委員会で、資料集制作を明らかにしていた。この時期に発表がずれ込んだ理由として北教組は「これだけをやっているわけではない。全国学力テストや教育3法案の反対運動もしていたため」と説明した。
資料集は52ページ。6000部を印刷し、一般にも無料で配布する。問い合わせは、北教組本部教育文化部(TEL011・561・8825)へ。
(2007年7月13日 読売新聞)
滝川市の小6いじめ自殺のときに遺書の内容を隠し続けた市教委。北広島市では教師と学校がいじめがあると知りつつ放置した。いずれも北海道であったのに(北海道に限らない話だが)、これだけの事件が連発しているにもかかわらず、いじめの実態調査を拒否したのが、北海道教職員組合。当然、批判の目が注がれる結末に。そんな結末になることも予測できないほど、世の中の空気が読めない非常識な連中なんでしょうな。
いじめを見殺しにした学校、教師らが全国各地に山ほどいる。自分は、たくさんの事例をもっているよ。
「いじめを起こさない学校づくり」などと寝言を言っているようだが、そのためには相当な時間をかけなければならない。それこそ、残業手当無しで夜の8時まで仕事しても文句を言わない教員集団の力が必要になる。
こういう話になると、教職員組合の連中はすぐに顔色を変えて反発する。だから、「結局やりたくないんでしょ、所詮」というふうに見られてしまうわけ。
具体的な事例を一つ。
小学校5年の担任(50代男性)が巡回相談のときに、深刻な顔をして相談にやってきた。クラスの中で、いじめにあった女の子の手紙である。
こんな内容であった。
○○先生へ
わたしは○組の人たちから、イジメられています。『ウザイ!』と言われました。
教室に入ると、イジメてくる子たちが、ガン見してきます。
先生は気づいてないけど、わたしは去年から○組の子たちにイジメられています。
先生が来ると、イジメをやめるからです。でも、先生がいなくなるとまた、ガン見されてイジメられます。
わたしはもう死にたいと思っています。思い切って○○先生に手紙を書きました。両親にも、○○先生にそうだんしなさいって言われました。
手紙のことはナイショにしてください。またイジメられるからです。
わたしのことを、毎日イジメるのは、◇◇さんと、△△さん、●●さん、□□さんです。
たすけてください。たすけてください。
・・・・・・・・・・・・
この児童の訴えは、さらに便箋に5枚に及んでいた。
担任の男性は、「こういう手紙を受けとったんですが、どうしたらよいのでしょう」と聞いてきた。
このクラスの状況、この児童の状態、クラスの状態、親御さんの理解と期待できる支援のレベルなど、いろいろな事を確認した上で、自分は2つの処方箋を出した。
1つ目は「緊急に必要なこと」。
2つ目は「しばらくの期間、担任として続けて欲しいこと」。
事例のことになるので、詳しい内容はここには書かない。
1つ目の「緊急に必要なこと」については、奥田が動くということでOK。
そして、2つ目の「担任としてしばらく続けて欲しいこと」についてだが、自分もいろんな学校を巡回していて、学校教員の忙しさを理解している。だから、無茶な(明らかに実行不可能な)提案は、最初からしないように心掛けている。
自分が提案した中身は書かないが、要は「担任が放課後に30分だけ、この児童にお付き合いする時間を設けること」を提案した。しかも、「週1日、30分だけ」という提案。担任にとっては、そんな難しいことではなく、ただ30分だけ「あること」にお付き合いするだけでよい。そういう提案だった。
ところが、この提案を具体的に話していると、担任はどんどん暗い顔になっていった。
「どうでしょう、やっていただけませんか?」
と、聞いてみた。
すると、
「・・・・・・我々、教員は放課後はとても忙しいんですよ」
と言う。
自分のクラスの子が「死にたい」と訴え、「先生にしか相談できない」と頼りにされているのに、「忙しい」と答えるこの担任。
そりゃあ、もうこのオッサンを殴ってやろうかと思いましたよ。
でも、なんとか子どものために怒りをこらえて「5分でも10分でも良いですから」とお願いしてみた。
それでも、この担任は、
「・・・・・・・・・・・・この子にだけ特別なことをして良いんでしょうか」
と言う。
「ほな、もう良いですよ! 先生には頼みませんわ!」
と、この担任との相談を打ち切り、即座に校長に直談判することにした。というか、校長を脅しに行った。
脅された校長は、養護教諭を呼んできた。養護教諭に事情のすべてを話して、奥田の2つ目の処方箋については、この養護教諭が実行してくださることになった。
この2つの処方の結果として、それまで続いていたいじめの問題は断ち切られたし、この児童は養護教諭の協力のおかげで長期的にも安定して登校して教室で過ごすことができ、自殺をほのめかすようなことも無くなった。
養護教諭に、この担任の協力の無さについて率直に話したところ、結局「あの先生は組合ですからね」とのこと。
他にも、こんな例はいっぱいあるんやけどな。北海道から沖縄まで。教員だけでなく、養護教諭による見殺しの例すらある。もちろん、見殺しにする管理職もいた。見殺しにするスクールカウンセラー(臨床心理士)、大学教員もいた。中には、我が子を見殺しにする親もいるんですよ。信じられる?
「いじめは人権侵害だ」「主権者を育てる教育が大事だ」の運動で、良くなるわけがない。エビデンスもない。綺麗事を並び立てて正当化するのは教職員組合の常套手段なのだが、結局は「時間をかけたくない」というのがベースにあるだけ。
上記の巡回相談の話に戻るが、養護教諭との話し合いが終わって帰ろうとすると、教職員が玄関まで見送りに来てくれた。
「忙しいから」と言った男性教諭が、「これから大学に戻られるのですか?」と聞いてきたので、「研究室で夜の2時くらいまで仕事します」と答えると、「そんなに遅くまで!」と驚いていた。
自分としては、「プロとして恥を知れ!」と思いつつ立ち去った。この恥を知らない担任は、「大学の先生も、大変なんだなあ」という顔つきだった。
ともかく、いじめへの介入には時間がかかるものなの。人権の大切さを訴えたところで、いじめが無くなればどんなに楽か。無くならないって。
大変かどうかじゃなくって、自分の怒り、分かりますか?
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