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2007.06.09

女性の喫煙と子どもへの影響

喫煙は病気。本来、生物学的に必要なものではないものなので、やめましょう。というか、やめられないから病気であるわけで。

「自分の体は自分のもの」ではないのです。自分の自由にしてよいものでは決してありません。子どもを煙草から守る会代表の自分としては、これを爺さんになっても言い続けるぜよ。すでに爺さんのように、今日も大学で学生らに注意。「うるせーなぁ」と思われているのかも知れないが、爺さんの背中にはそんな声は聞こえません(笑)。

断ブログ中に見つけた記事。自分の仕事上、お世話になっている医師による調査結果だ。

ADHD発症児の母、喫煙率一般の2倍
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20070420i507.htm

 落ち着きがないなどの症状が表れるADHD(注意欠陥・多動性障害)の子どもの場合、母親の喫煙率が同年代の女性の2倍程度高いことが、大阪府の小児科医の調査でわかった。
 母親の喫煙とADHD発症との関係を示す研究は、これまで海外ではあるが、日本では初めてという。
 ADHDは、生まれつきの脳の機能異常による発達障害とされ、集中力がない、衝動的な行動をするなどが特徴。治療経験の豊富な大阪府寝屋川市の小児科医院の安原昭博院長が、小児患者の母親167人に喫煙歴などをアンケートした。
 その結果、喫煙経験は47%にあり、妊娠時にも35%が喫煙していた。特に出産時の年齢が20〜24歳の母親では、喫煙率が88%にのぼった。
 一般の出生児を対象にした厚生労働省調査では、母親の喫煙率は17%、うち20〜24歳は35%で、ADHD児の母親は2倍程度高い。安原院長は「ADHDには遺伝的要因もあるが、母親の喫煙も関係があると考えられる。妊娠が分かってから禁煙したのでは遅い可能性がある」と話す。京都市で21日開かれる子どもの防煙研究会で発表する。
(2007年4月20日14時44分  読売新聞)

自分の経験上も、上記の調査結果についてまったく同意できる。自分のところに来る発達障害のある子どもたちの母親に、なんと喫煙者の多いことか。ADHDに限らず、LD、アスペルガー、高機能自閉症などの子どもさんの親も同様と感じる(すでに喫煙者の親御さんは、どうか気を悪くされないで下さい。非難しているわけではないのです)。

これまでは自分の経験則だけだったが、こうして医療現場からの調査結果が出てくると確信も強まるものだ。今後、日本女性の喫煙率を下げるためのキャンペーンにも拍車がかかる。

もちろん、因果関係が証明されたわけではない。つまり、一度もタバコを吸ったことがなくてもADHDの子どもが生まれることもある(遺伝的要因)。逆に、喫煙者でも、ADHDの子どもが生まれてこないこともある。しかし、本来は生物に不要な物質(ニコチン)であり、なおかつ一定のリスクがあるのは確かなのだから、そんなものに手を出すのはやめましょう。やめたければ、やめる方法があるよ。下の教科書をどうぞ。それに保険診療になったので、禁煙外来に気軽に相談してみて。

女性をターゲットにした宣伝に騙されているだけなんだから。細く長い指先の煙草を涼しげに弄ぶ知的な白い女性モデルの映像。それ、すべてタバコ産業の戦略なの。企業の仕掛ける罠にかかっちゃいけません。

個人的な意見を言わせてもらえれば、ニコチンに依存しない女性は美しく知的だと思います。

以上、嫌煙爺さんの願いでした。

 

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Posted by 奥田健次 健康・美容 |