伊吹大臣への応援歌2
伊吹さん、がんばっておくれやす。
5月22日の大臣会見録をご覧あれ。
記者)
国立大学法人の運営費交付金について、昨日財務省が、科学研究費補助金等の実績に基づいて配分し直すと、減額される大学が多く、理系の強い大学が増額されるという試算が出ましたが、法人化して色々大変な中で、科学技術だけを見て運営費交付金に差が出るということについて、大臣はどのようにお考えでしょうか。大臣)
財務省は予算を減らしたいから、色々な事を言うのは結構ですが、そういうわけにはいきませんね。総合科学技術会議でも私は申し上げましたが、すぐ産業化ができるものや、すぐにビジネスに結びつくものが効率的だと言って、そこにお金を配分するということをしますと、すぐにビジネスに結びつくものを生み出す頭脳はどこから来ているかと言えば、それは幼稚園から初等教育、中等教育を経て、科学的マインドのある人が大学に進学をし、まず基礎を学び、その上で応用の技術開発に取り組むわけでしょ。今、技術開発に取り組める頭脳を持っている人たちが申請した件数だけで予算を配分してしまったら、その技術開発とか産業化の応用に結びつくような研究をする、将来の人材を養う基礎に予算が回らなくなってしまいます。ましてや、初等中等の予算を毎年毎年減らして、応用をやりたいと手をあげた人たちだけにお金を渡してしまうと、新たに応用をやれる人材が日本にいなくなってしまいます。そういうのをキリギリス的発想というのです。目先の財政資金を減らしたいとか目先のお金を儲けたいということだけで教育の資金を配分するという発想は、私は非常に危険だと思います。競争的資金を増やして国立大学法人の運営費交付金を減らすという発想や、科学技術振興費を増やして教育費を減らすという発想、初等中等教育の予算がだんだん減ってきているという現状も、そうです。国会が認めた教育基本法にも、大学の目的というのがあって、新たな研究開発と同時に教育ということが明記されており、また、社会還元ということは国会の意思として明記されています。社会還元をどう理解するかは色々立場がありますが、地方の大学や教員の養成をしている人たちは応用技術開発の論文は書かないかも知れませんが、国家に有為な人材を供給するためには非常に良い仕事をしています。とにかく、儲け仕事と目先の損得だけでお金を出すというのは、米百俵の精神に反するのではないかと思います。ここは、これから年末にかけて大きな議論のあるところですね。http://www.mext.go.jp/b_menu/daijin/07052501.htm
伊吹さんは、やっぱり地頭が良いねえ。今でも感謝してますよ。あの、小学校に英語教育必修化に傾きかけた流れ。あれを「全く必要なし」とバッサリ断ち切ってくれたのは、この伊吹さんのセンスなんよね。ご本人は、英国仕込みの達者な英語をお話しになるそうで、本物の語学力を身に付けたマトモな人だからこそ、「小学生への英語教育必修化」なんていう馬鹿げた政策に賛成しなかった。
そういえば、金メダリストの荒川さんに「相手が転んだときは、ウヒョホー!」と言った、前の文科相の小坂さんは諸手を挙げて賛成していたなあ。駅前留学とか、語学コンプレックスを植え付けられた人達がね、「小学校のうちから英語、こりゃあエーワ」なんて言ってるんでしょ。小学生に必要なことは、外国語よりも正しい母国語と基礎学力。これ当然でしょうが。
英会話ビジネスの宣伝に騙されている人のまあ多いこと。曰く、「幼児期から本物の英語に触れさせておかなければ正しい発音は身につかない。大人になってからじゃ遅い」とね。これ、嘘八百。大人になってからじゃ遅いことは「暗記」だよ。だから、小学生には日本の美しい詩なり漢字なり暗記させまくったほうがよろしい。外国語はツールに過ぎないんやから。大切なことは基礎学力。これ大事。
外国語は基礎学力ではない。ツール(応用のための道具)なのです。
話を戻します。普通、大臣なんてものは国会答弁とか記者会見なんか官僚の用意した原稿を読むでしょ? 伊吹さんのスゴイところは、原稿なんかに目を落とさずに、しっかりと前を向いて自分の言葉で自分の信念を語っているところ。
そういえば、佐藤方哉先生(帝京大学教授;慶応義塾大学名誉教授)の著作だったか、学部生の頃に読んで感銘を受けたんやけど、「スピーチの時は原稿を読んではいけない。だが、原稿を作らないのではなく、原稿を作ってそれを読まずにスピーチしなさい」というような名言があったと記憶している。これって、なかなか容易ではないよ。自分は「原稿を読まずに話せ」だけならできているけどさ。
国会中継とか見てごらんよ。
これとか。
http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php
もちろんね、教育なんて「誰もが語れる分野」だからね、原稿を読まずに自分の言葉で語ろうものなら、たまには「いわゆる失言」もありますよ(本当は「失言」なんて言葉はおかしい。揚げ足取りが好きな誰かさんが勝手に「失言」にしているだけ)。しかし、伊吹さんの場合は地頭が良いから「いわゆる失言」も少ないし、磨かれたセンスが信念となっているので揺るがない。偏狭な記者の質問にも、ちょっと勉強した程度の野党議員の質問にも、揺るがない。
現場のことを知らずに間違った発言をすることはあるよ。そりゃ、学者だってあるでしょ。自分だって、同じ専門分野でも領域が異なる場合には、そりゃあ認識不足だらけよ。そういう時は、教えてやれば良いわけ。教えてもらえば良いわけ。当ブログではこれまで応援中心で、たまには「伊吹さん、そりゃいかんよ」とも言ってきたけど、これからもそのスタンスで行くよ。地頭の良い保守本流の政治家だから、正論に耳を傾けることができるんよね。
安倍さんの選んだ教育再生会議メンバーは、なんというか「客寄せパンダ」というか、安倍さんらしいメディア受け狙いなのは誰が見ても明らか。このメンバーたち、目立ちたがり屋ばっかりだからどうしようもない。ここに伊吹さんがいてくれるだけで、どんなに安心感があるか。
だから、伊吹さんを応援します。というか、「いつも日本国民の将来のことを考えてくらはりまして、ほんにおおきに。これからもよろしゅ、おたのもうします」。
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