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2006.10.21

日本の教育行政、その責任者不在のシステム。

文部科学大臣が、日本の教育行政のトップと考えている方へ。その認識は正確ではないのです。今回のエントリーは最近の文科相の発言から、このことについて考えてみませう。

文科相、国の直接関与に慎重姿勢 いじめ自殺問題
http://www.sankei.co.jp/news/061020/sei002.htm

 伊吹文明文部科学相は20日の閣議後の記者会見で、福岡県筑前町の中学2年生がいじめを苦に自殺した問題をめぐり国が現地調査すべきだとの指摘があることについて、「地方分権の法律があり、それを越えて関与すれば『教育の国家統制』と非難される。バランスを考えないといけない」と述べ、国の直接関与には慎重姿勢を示した。
(10/20 10:59)

伊吹大臣、やりたいことは分かります。だけど、やってみたら制限だらけでしょう。残念ながら、日本における教育のリーダーは残念ながら文科大臣ではないからね。

地方教育行政の組織及び運営に関する法律

(文部科学大臣又は都道府県委員会の指導、助言及び援助)
第48条 地方自治法第245条の4第1項の規定によるほか、文部科学大臣は都道府県又は市町村に対し、都道府県委員会は市町村に対し、都道府県又は市町村の教育に関する事務の適正な処理を図るため、必要な指導、助言又は援助を行うことができる

これ、どういう意味かっていうと文部科学省は教育委員会に対し「指導・助言・援助」しかできないのであって、「命令・強制」できないのである。教育委員会の改革に燃えた伊吹大臣が当然の如くぶつかった壁が、この法律なんよね。

そして、この法律のせいで現場ではこういう問題が起こっとるのよ。たとえば、皆さんが地元の教育委員会の対応が納得できないとしましょう。よくある具体例としては、特別支援教育、いじめ、不登校、学級崩壊などの問題があるんやけどね。教育委員会に文句を言いに行きます。ところが、教育委員会は「善処します」なんて言ってとりあえず帰ってもらうと。それでも現場は何も変わらない。今度は「んじゃ、文科相に文句を言ってやる!」と息巻いて、文部科学省に苦情を申し立てます。ところが、文部科学省は「適正な運営をするよう指導、助言、援助していきます」と言うしかない。

つまり、日本の教育では責任を持つべき立場の人が『責任のなすりつけあい』しちゃえるわけなんよ。法律がそういうふうになっているからね。当然、現場を任されている教育委員会と教師は「事なかれ主義」になってしまう。だからね、問題は隠すし、誤魔化すし。思い切ったことも出来んのんよ。

法律上、文部科学大臣は無力なわけ。子ども達のために、責任の所在を明確にしないといかん。

それでも、今度の大臣は躍動的だ。

高校日本史を必修科目に 伊吹文科相
http://www.sankei.co.jp/news/061020/sei010.htm

 伊吹文明文部科学相は20日の衆院文部科学委員会で、現在は選択科目である高校の日本史を必修科目とすべきだとの考えを示した。早急に文科相の諮問機関である中央教育審議会に検討を指示する。
 伊吹氏は委員会で、野田佳彦氏(民主)が日本史必修化するべきだと指摘したのに対し、「(野田氏と)立場を共有している」と同意した。その上で「小、中、高校(の教育課程)も含めて再編を考えなければならない。中央教育審議会に尋ねさせていただきたい」と述べた。また、「倫理観や社会規範、秩序を守る力を学ぶ根本に歴史教育がある」とも述べ、日本史教育の重要性を強調した
 現在、高校では世界史は必修科目だが、日本史は選択科目。野田氏の委員会提出資料によれば、神奈川県の全日制県立高校で、日本史を履修せずに来年3月に卒業する高校生は28.2%に上る。
 伊吹氏は小中学校での日本史教育、特に近現代史教育についても「十分なことが教えられているのか。日本の伝統や社会が建設された過程をマスターすべきだ」と主張した上で、学校教育法の改正と学習指導要領の見直しを進める考えを示唆した。
(10/20 19:34)

まったく同意。だが、教科書どうすんの? 扶桑社の教科書も今やちっとも美しくないからなあ。

冒頭で指摘した問題もあるでしょ。文科省が教科書を検定できても、どの社の教科書を採用するかまでは命令も強制もできないからね。

「地方分権」ってぜんぜん美しくないってことよ。いま、日本は危機的状況にあるんやからね。自分はこれまたいつも言ってることだが、日本の教育においては一時的な「中央集権化」が必要なんと違うか? サヨクの鬱陶しい声が聞こえてきそうだが。

教育再生会議なんかが手羽先、もとい小手先のことをやっても薬にゃならんって。伊吹大臣のセンスが発揮できるような法改正が必要。


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Posted by 奥田健次 教育 |