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2006.08.11

親も教師も覚悟が足りない(不登校問題)

産経の速報に反応して、久しぶりに教育の話。っていっても、結局行き着くところは同じようなもんなんだけどね。

中学生の不登校率、4年ぶり悪化
http://www.sankei.co.jp/news/060810/sha094.htm

 昨年度の国公私立の中学校で病気や経済的な理由以外で学校を30日以上欠席した「不登校」の生徒の出現率が前年度比0.02ポイント増の2.75%となり、4年ぶりに悪化したことが10日、文部科学省の学校基本調査(速報)などで分かった。36人に1人いる計算。このうち、不登校が前年度から続いている生徒の割合は過半数に達している。多くの中学生が学校に復帰できていない現状も浮き彫りとなり、学校関係者は対策を迫られそうだ。
 調査結果によると、昨年度の不登校の小中学生は前年度比0.9%減の12万2255人。生徒全体における出現率は1.13%で、89人に1人いる計算となった。数、率ともに4年連続の減少だが、依然として高水準にある。
 不登校の中学生は9万9546人。少子化で生徒数が減少しているため数自体は0.5%減となったが、中学生全体における不登校生徒の割合を示す出現率では36人に1人の計算となる2.75%で、0.02ポイント増えた。そのうち、前年度から不登校が続いているのが5万2079人おり、全体の52.3%を占めている
 不登校の小学生は2万2709人(同2.6%減)で、出現率は0.32%。317人に1人の計算だ。そのうち不登校が継続しているのが9189人で、全体の42.4%を占めている。
 不登校継続率は学年が上がるに連れて上昇する傾向にあり、小2の34.5%が小6では46.9%に跳ね上がる。通学環境が変わる中1では31.8%といったんは落ち着くものの、中2で51.4%と過半数になり中3では64.4%に達している。
 不登校が続く理由を小中学生全体でみると、「不安を中心とした情緒的な混乱」が31.2%で最多。「無気力」が22.4%で続いた。
 中学生の不登校率悪化について、文科省では「人間関係づくりや家庭環境悪化などさまざまな要因が考えられる」(児童生徒課)としている。NPO不登校情報センターの松田武己理事長は「コミュニケーション能力や社会的自立度が低下し、子供っぽい中学生が増えている。いじめへの対応をはじめ、知育中心でなく総合的な力を身につけられるよう先生の指導力を強化してほしい」と話している。
(08/10 23:32)

自分は、ここ4年間減少していたというデータすら疑っている。いくらでもそんなデータ、意図的に操作できるからな。自治体によっては、出席や欠席の定義が曖昧で、『不登校の実数ごまかし』を平気でやっているところがあるからだ。以前から、このことを指摘してきた(『フリースクールで不登校をごまかすな』)。どうやっても、不登校の問題を改善できないから、出席としてみなそうとする方向性が強まっている。何度でも言うが、それは詐欺だね。

そのうち、自宅でiPodでもやってて『出席』にする日も近い!?

え? 「すでにうちの教育委員会ではそうですよ」って?

やめてくれよ、少なくとも自分の目の前でそんなことを言う大人がいれば、教育長だろうと「バカモノ!」と一喝して差し上げるからな。覚悟せい。

ところで、「コミュニケーション能力や社会的自立度が低下し、子供っぽい中学生が増えている。いじめへの対応をはじめ、知育中心でなく総合的な力を身につけられるよう先生の指導力を強化してほしい」という意見は、お説ごもっとも。

しかし、子どもに身に付けさせるべき「総合的な力」って何? 全然、具体的でないため、よく分からない。そしてもう一つ。「先生の指導力」と仰る。これは、子どもに対しての指導力不足の指摘だけで終わってはいけないはず。親に対する指導力不足のほうが問題は大きい。

これが、欠如しているわけ、現代日本の教育現場では。

親御さんたちよ。親御さんたちのほうが、たとえ小中学校の先生よりも高学歴だとしても、子どもにとっちゃ先生なんだよ。そして、子どもにとっての先生は、親にとっても先生なの。まずそういう姿勢が大事。

そして、小中学校の教員ももっと自信を持ってほしい。変なプライドの高い教師は多いけれども、そういう『自己弁護型ダメ教師』は捨てておこう。教師が信念を持って一生修行だと自分自身にムチ打つ姿勢を貫くならば、一部で反発はあっても親御さんに信頼されるようになる。そういう教師ならば、必要なときに親御さんと対決する覚悟をもって指導することもできる。

親も教師も、現代の大人には覚悟が足りない。

 

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Posted by 奥田健次 教育 |