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2006.08.28

小中学校に5段階評価

いやあ、誠によろしいことです。自分は平素、文部科学省のことを『文部文学省』とか『文部魔術省』などと揶揄してきたけれども、ようやく客観的評価に向けての足並みが揃いそうなのだ。

学校に“通信簿”…文科省が現場取り組みを5段階評価
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060828it01.htm

 文部科学省は、小中学校の授業内容や学校運営などを客観的に評価する統一基準を定め、各学校を「評定5」から「評定1」の5段階で評価していく方針を決めた。
 国が、学校現場の取り組みを数値で評価するのは初めてで、今年度は全国124の公立小中学校で試行する。これまでも教職員や保護者ら学校関係者による学校評価は行われていたが、今回の5段階評価は、学校と直接かかわりのない第三者が各学校の真の実力を見極め、教育の質の向上につなげるのが目的だ。
 9月から始まる評価の対象となるのは、47都道府県と15政令市にある公立の小中学校各1校。文科省は来年度以降も対象を拡大し、将来的には私立や国立も含め、幼稚園や高校などへの評価も検討する。
 これまでの学校評価制度は、保護者や地域住民に、教育活動や学校運営の状況を公開するなどの目的で、2002年4月に導入された。教職員による自己評価のほか、保護者らによる外部評価を行っている学校も多いが、評価方法が統一されておらず、教職員の反省会を「評価」としている学校も少なくなかった。文科省によると、評価を数値化している学校や自治体はほとんどないという。
 これに対し今回は、文科省が、「学校における教育」「学校の管理運営」「保護者、地域住民との連携」の3分野、計18項目の評価項目を設定した。
 例えば、「各教科の指導状況」の項目では、「説明や板書など各教員の授業の実施方法」や「個別指導や習熟度に応じた指導が行われているか」など、10の指標をもとに評価。「多くの児童生徒が集中して学習に取り組んでいる」「教室内は清掃、整理整頓され、掲示物も適切」などの状況なら「評定3」になる。全国的に見てもすばらしい取り組みで、ほかの学校の参考になる場合だと「評定5」、取り組みが全く行われておらず、成果がほとんどないと「評定1」となる。
 ほかにも、複数の学校が参加する学力テストの結果などから判断する「児童生徒の学力・体力」、出席率や遅刻状況を調べる「児童生徒の出席状況」などの項目があり、これらの評価結果などを基に、学校の総合評価が決まる仕組みだ。
 9月からの試行では、文科省の職員や専門家など計3人が学校を訪問。1〜4日かけて、授業の視察や校長からのヒアリング、職員会議の参観などを行う
 今年度は試行のため、評価は学校に通知するだけで公表しないが、文科省では「将来的には、公表も検討する」としている。
 今回の試みについて、教育評論家の尾木直樹さんは、「問題点を指摘して改善を求めるなら、具体的に指摘すればよく、数値で示す必要はない。数値を上げるために、表面的な実践を行おうとする学校が出なければいいが」と懸念する。これに対し、文科省は「5段階評価は自分の学校がどの水準にあるかを把握しやすくするためのもの」としている。
(2006年8月28日3時2分  読売新聞)

ここに、読売新聞朝刊(8月28日付)がある。この記事は一面トップで扱われていた。もう少し細かい情報が書かれていたので、引用しておこう。新聞記事でいう『3分野18項目』である。

学校における教育
 教育課程の状況
 各教科の指導状況
 生徒指導・進路指導
 特別支援教育の状況
 安全管理・保健管理
 児童生徒の学力・体力
 児童生徒の出席状況
 児童生徒の全人格的発達の状況

学校の管理運営
 学校の組織運営
 教職員の意欲・資質と向上への取り組み
 設置者(市区町村教委)と学校の状況
 施設・設備の状況
 自己評価の実施状況
 外部評価の実施状況
 学校評価、学校に関する情報公開

保護者、地域住民との連携
 学校への児童生徒の意見要望の状況
 学校への保護者の意見要望の状況
 保護者・地域社会との連携協力

もちろん、上記の項目の中には、「どうやって評価するねん」と疑問を抱いてしまうものもある。しかし、今までたかだか5段階評価レベルの数値での評価が無かったことのほうが、よほど問題なのだ。

なお、昔から教育現場で(および教育関係の学者)はイデオロギーが先行しており、こうした客観的評価を嫌う傾向が強い。これは、一般の人間には想像できないほど激しいものであり、今回の文科省の決定事項に対する反発も予想されるだろう。

しかし、本当に実力のある教師ならば、こうした客観的評価への方向性を基本的に歓迎するだろう。

個人的なことを言わせてもらうならば、自分のような日本全国を渡り歩いている臨床家にとっては、「なぜ、ここまで学校・地域によって差があるのか」という腹立たしい気持ちから解放されそうなグッドニュースではある。実際、今日は仙台で仕事だったのだが、こちらの親御さんにこの新聞を見せて説明したが、当然のごとくその方向性をまずは喜んでくれた。

発達障害児など、特別なニーズをもつ児童生徒に対して、「今の時点では何もできません」と言って完全に放任している(問題が起こるまで何もしない)学校もあれば、積極的に保護者と連携協力して個別の支援計画を作成しようとする学校もある。教育委員会もそうだ。保護者が面談を求めているのに、「その必要はない」と言って、何の準備もせずに入学させ、入学後に十分予期された問題が生じたら、「親御さんにさらなる協力と理解を求める」なんて平気な顔して言う人間もいる。

したがって、こうした客観的評価を行う方向性を否定する連中というものは、イデオロギーが先行しているのであり、現場を知っているような顔をしていて実は何も知らない(現場で汗をかいていない)連中であると言えるだろう。

ただし、評価方法などが形骸化しそうである。5段階評価だけをもって、科学的と言うのはまだまだおこがましい。細かい話については、運用状況を見て指摘していくことにしよう。

 

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Posted by 奥田健次 教育 |