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2006.06.03

エイズ感染と日本の将来

エイズ感染の問題から、この国の将来の問題について論じてみる。

東京都内、HIV感染最多 昨年417人
http://www.asahi.com/life/update/0603/004.html
2006年06月03日15時51分(asahi.com)

 1日1.14人。東京都内でエイズがじわじわと増えている。昨年1年間にエイズウイルス(HIV)に感染した人と、エイズを発症した患者の合計数は、過去最多の417人。15年前に比べて8倍に増えた。一方、感染の有無を調べる検査の受診者数は、伸び悩みぎみ。危機感を抱く都は、今年から始まった「検査普及週間」(1〜7日)に合わせ、啓発に力を入れる。(池田孝昭)
 「感染者は、実際には報告数の4〜5倍はいる。エイズ患者が増え続けているのは先進国では日本だけ。爆発的な流行につながるおそれがある」
 新宿駅南口にある都南新宿検査・相談室で、10年近く検査に携わる医師の山口剛氏(73)は指摘する。
 都内で検査を受け、感染や発症が明らかになった人は年々増え続け、90年の51人から昨年は417人になった。すでに感染が分かっている人も加えると計3938人で、全国の感染者の累計約1万1000人の4割になる。
 一方、検査そのものの受診者数は、社会問題化した92年に3万1千人以上だったのが、昨年は2万2千人。休日に検査をしたり、即日で結果が分かる検査も実施したりするなど様々な工夫が奏功し、ここ数年、増加傾向にはある。ただ、「手は尽くし、頭打ちになりつつある」と都の担当者は懸念する。
 HIVの増殖を抑える薬物治療の進歩で、エイズは致死的な病気ではなくなった。それだけに早期発見が重要だが、山口氏は「安心してしまっているのか、関心は薄れている」と嘆く。
 昨年、新たに感染が分かった人の9割は日本人男性。6割が外国人だった92年から状況は大きく変わった。感染源は同性間の性的接触が目立つ。
 年齢別では20代、30代が72%を占め、HIV感染の危険性が高まるクラミジアなどの性感染症の若者が増えていることも懸念材料だ
 一方、全国では昨年1年間にHIV感染832人、エイズ患者367人が新たに報告された。合わせて過去最高の1199人となり、2年連続で千人の大台を超えた。

「先進国では日本だけ」というフレーズが目立つ。

不登校を放置しているのも先進国では日本だけだし、公務員比率が低いのも先進国では日本が群を抜いている。何かがおかしい国なのだ。

自分としては、教育にせよ何にせよ過去の日本に回帰することが大事だと強く思っている。江戸時代中期から末期にかけての海外との距離の取り方、明治維新から大東亜戦争までの欧米列強に対する防衛戦略。国民性自体はさほど変わっていない部分もあろうが、決定的に違うことは『公共心』であろう。

現代日本では『公共心』などは損得勘定からいって捨て去られ、個人の『私心』ばかりを尊重するのが特徴的である。

日本はあまりにも長く、アメリカの軍事力に依存しすぎてしまったようだ。日本国民の多くが「アメリカにお任せ」の時代を生きてきた。70歳代の祖父母の世代ですらそんな人が多くいて、すでに今の高校生、大学生などは『日系アメリカ依存症候群3世』なのである。このことは、日本の将来の展望を大いに暗くしている。

エイズの問題も、「年齢別では20代、30代が72%を占め」ている。このことは、単にその世代だけの問題ではなく、その世代に対する教育を担った世代に大きな責任がある。多くの親や教師は、放任していたのだ。

こんな日本の構造を立て直すためには、やはり教育しかないのである。しかし、誤った教育政策を5年続けたら、その尻ぬぐいには50年はかかるだろう。民主主義というものは時間がかかるものなのだ。教育基本法に「愛国心」という文言を入れるかどうかなんてことは、まったくもって枝葉末節の議論だ

このように考えると、もう自分の生きている間に安心できる日本社会に戻すことなど、夢のまた夢。自分はもう諦観(ていかん)の境地である。愚かな亡国、戦後日本のことを憂えていると、悲しくなり怒りを覚え、最後には国民大多数の愚かさを笑うしかない。

諦観しつつも、自分の目の前の小さな仕事だけは、まっすぐにやっていくしかない。

 

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Posted by 奥田健次 教育社会 |