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2006.03.08

いじめを受けていたタリウム少女

いじめられっ子による破壊の悲劇。

もちろん、いじめが原因だからといっても償わなければならないことは償わなければならない。だが、こういうことはいじめられた子にとっても、いじめた側も、傍観者たちにも、さまざまな意味で悲劇であることは間違いない。

いじめた側や傍観者らは、一生、苦い心の傷が残るだろう。または、その傷を隠すための言い訳を念じ続けるという負い目を感じながら生きていくことになるのだ。

いわゆる『タリウム事件』で逮捕された少女について。

「刑事処分相当」意見付け少女を家裁送致 タリウム事件
http://www.asahi.com/national/update/0308/TKY200603080305.html
2006年03月08日18時33分(asahi.com)

 母親(48)に劇物のタリウムを飲ませたとして、静岡県東部の少女(16)が殺人未遂容疑で逮捕された事件で、静岡地検沼津支部は8日、「刑事処分相当」の意見を付けて、少女を静岡家裁沼津支部に送致した。同支部は同日付で2週間の観護措置を決め、身柄を静岡少年鑑別所に移した。
 地検支部は刑事責任能力の有無と精神状態を調べるために3カ月を超える精神鑑定を実施した。鑑定人による精神状態の分析結果に加え、タリウム購入は認めながら母親に摂取させたことは否認するなど供述が一貫していることも勘案し、刑事責任を問える状態にあると判断したとみられる。否認を続けていることを受け、非行事実を認定する審判時に検察官の立ち会いを認めるよう家裁に求めた。歯を使って抵抗したりと感情的になることがあったが、鑑定留置後の最近の調べでは感情をあまり表に出さなくなった。取調官が、中学時代の友人が心配していることを伝えると「悪かった」と話したという。
 少女の弁護団は同日、「極めてデリケートな問題を含んでおり、プライバシーが最大限守られるべき事件」として、家裁の審判結果が出るまで、供述や弁護方針を一切公表しない姿勢を示した。

デリケートな問題には、いじめの問題が具体的なレベルで含まれていることだろう

その根拠は、昨年秋頃の記事だ。この頃、事件の背景に「いじめ」があった可能性がみえてきた。これが事実だとするならば、これまで自分も含めてマスコミなどが叩いてきたことの前提がひっくり返ってしまう。

毒殺未遂少女 小中で「いじめ」経験か パソコン日記に記録、公開
http://www.nishinippon.co.jp/media/news/news-today/20051104/morning_news003.html
(西日本新聞:The Nishinippon WEB, 2005/11/04)

 母親(47)に劇物のタリウムを与えて殺そうとしたとして逮捕された静岡県伊豆の国市の高校一年の少女(16)が、小中学校時代に教諭や同級生らから「いじめ」と受け取れる行為を受けていた経験を自身のパソコン日記に記録していたことが三日、分かった。一部はブログ(日記風ホームページ)にも転載しており、県警少年課はこうした経験が少女の人格形成に影響を与えたとみて関係者からの裏付けを急ぐ。
 調べによると、少女は日記で中学時代に同級生のグループから、日常的に嫌がらせを受けていたことを記述。「僕の物はよくなくなり、それらは彼らの手の中で見つかることの方が多かった」と書き込んでいた。「三年生になるまでは彼らだけが僕の話し相手でした」と孤独な心境もつづり、こうした内容をブログでも公開していた。
 また、パソコン日記では小学時代の経験として、誤って下に落とした食べ物を食べるよう教諭から強制されたことも告白。同級生から暴力を受けたことも訴えていたという。
 少女と中学時代に同級だった少年は「いじめたつもりはないが、手をたたくと、彼女はみんなの前で踊ったので面白かった」と少女が周辺から「からかいの対象」になっていたことを証言する。一方で、少女が卒業した中学校の教頭は「いじめがあったとは聞いていない」と話している。
 県警は、少女が「いじめ」の経験などから周囲への不信感を強め、毒物研究にのめり込んだ可能性があるとみている。少女は母親にタリウムを与えた後、ブログに「自分が存在していることを確認するためには、誰かに見つけられるしかない」と書き込んでおり、劇物を周囲の人間に与えることで自分の能力を誇示したかった可能性もある。
 一方、少女の部屋から、ナチス・ドイツの集会で群衆がナチス式の敬礼をしている場面の写真が押収されたことも新たに判明。少女が傾倒していた英国の「毒殺魔」グレアム・ヤングもナチスを信奉していたとされ、県警は少女も影響を受けた可能性があるとみている。

さて。この記事で重要なことは「小中学校時代に教諭や同級生らから『いじめ』と受け取れる行為を受けていた経験を自身のパソコン日記に記録していた」ことである。

いじめに荷担したのは同級生だけではない。教諭もであるという。

家庭裁判所の審判結果が出てから、少女の具体的な供述には注目である。

 

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Posted by 奥田健次 いじめ・ハラスメント, 教育, 社会 |