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2006.01.03

幼稚園から義務教育?

国際線の飛行機の中で読売新聞に目が止まった。2日は休刊だったので、元日の朝刊だった。

1面で「幼稚園から義務教育、延長幅1〜2年 政府・与党方針」となっている。

幼稚園から義務教育、延長幅1〜2年…政府・与党方針
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060101it02.htm
(YOMIURI ONLINE)

 政府・与党は、小中学校の9年間と定められている義務教育に幼稚園などの幼児教育を加え、期間を10〜11年間程度に延長する方針を固めた。
 幼稚園—小学校の区分による環境の変化が学力のばらつきを招いているため、幼稚園を義務教育に含め、一貫した学習体系を構築するのが狙いだ。
 幼児教育を無償にすることで、少子化対策を強化する面もある。1月に召集される通常国会に提出する予定の教育基本法改正案で義務教育の9年間規定を削除し、2009年度以降の義務教育延長の実現を目指す。
 義務教育をめぐっては、近年、小学校低学年で、集団生活になじめない児童が騒いで授業が混乱する「小1問題」が起きている。幼稚園—小学校—中学校と進学するにつれ、指導の内容、難易度などが大きく変わり、成績格差が拡大する問題も指摘されている。
 このため、政府・与党は幼稚園などの幼児教育を含めた義務教育制度の見直し論議に入っている。
 自民党は、05年9月の衆院選の政権公約(マニフェスト)に、「幼児教育の無償化」を盛り込んだ。1月にも、政調会の下に「幼児教育小委員会」を設置し、無償化の具体策として、義務教育延長を議論する。そのうえで、延長に向けた第1段階として、教育基本法4条で定められている義務教育の9年間という期間を削除する考えだ。
 与党教育基本法検討会の議論の中で、公明党もこうした考え方を大筋で了承している。
 自民党文教制度調査会幹部は、昨今の児童・生徒の学力低下を背景に、「諸外国も義務教育期間を延ばす方向だ。日本も真剣に検討すべき時期にある」と主張している。諸外国では、例えば、英国は5歳から11年間を義務教育とし、2000年から5歳未満を対象に無償の保育学校を拡充。フランスも1989年から公立幼稚園を無償にしている。
 政府・与党は、今後、幼児教育をどういう形で義務教育に取り込むのか、調整を図ることにしている。
 中央教育審議会(文部科学相の諮問機関、鳥居泰彦会長)では、05年1月にまとめた幼児教育に関する答申で、「幼小一貫教育の検討」を掲げた。政府・与党内には、このほか、〈1〉幼稚園の1〜2年保育を義務教育とする〈2〉義務教育の枠内で、「幼小一貫校」を創設し、普通の幼稚園か一貫校かを選べるようにする——などの案が浮上している。
(2006年1月1日3時1分  読売新聞)

新聞のほうには、確か2面あたりに「解説」もあって、厚生労働省管轄の保育所の扱いをどうするのか若干の指摘がみられた。ずっと以前から議論されてきた「幼保一元化」の問題である。

政府与党は「幼児教育の無償化」を謳っているようだが、本当にそうなのか? 働く女性(特に、パートに出る多くの女性)のいる家庭にとっては、保育時間の長い保育所が必要なのだ。幼児教育を義務化することで、確かにそこまでは無償となるのかもしれないが、パートに出る人には「幼児教育後の保育」を利用しなければならないことになりはしないか? そこにどれだけの費用がかかるのか? 高所得の家庭と低所得の家庭で、幼児教育後に受けるサービス格差が拡大しないだろうか?

これらのことが心配である。幼児教育を義務教育化するのであれば、保育時間を保育所ベースにする必要があるのではないだろうか。簡単にいえば、「保育所と同じ時間だけ幼児教育を受けても無償にしろ」ということが言いたいのだ。読売新聞の解説は、ここまで踏み込んではいなかった。

新聞といえば。昨日の記事(『「靖国、やめろ」と迫りつつあるアメリカ』)について『三輪のレッドアラート!』が、鋭い視点から指摘をして下さった。

--以下、一部引用。

ちなみに、この平田崇浩と言う人ですが・・・。
ちょっとGOOGLEで検索してみれば良いですよ。
ほとんど大本営に居座って外電をああだこうだと書き並べている、凄腕ではあるんでしょうけど、現地の取材をしてるとは思えない人です。

ほとんど小泉首相関係の政治部の記事はこの人が書きまくっています。

小泉首相が対米追従と言われるのを嫌うと書きながら、小泉首相のイラク派兵については、対米追従と言われるのは不本意だろうと煽って見せるところなど。
この平田氏は世論の誘導と言うか、ペンで小泉首相を操作しようと考えるタイプなのだな・・・・と言う風に私には思えてしまいます。

ちなみに、及川正也と言う人は月間「潮」2006年1月号に同様の記事を書いています。
潮出版社と言うのは、あれ系の出版社です。もろですw

ここを見ればすぐわかりますです。

2000/05/17 毎日新聞朝刊
[ニュースキー2000]森首相「神の国」発言 憲法理念に逆行

つまり、この二人はペンによる刺客な訳です・・・。
例の宗教団体に多分直属なのだろう、そう言う方々だと思った方が良いでしょうかね・・・。

--以上、引用おわり。

大手新聞社がニュートラルな立場にないこと
を端的に示す指摘である。まさにマスメディアを使って国民を煽るやり方なのである。

我々はマスメディアに対して、冷静さを保たなければならない。学問(科学)と同じように、マスメディアの論調に対しても「まずは疑え」である。大企業から多額の広告料を貰っているわけだ。当然のこと「もっと疑え」である。「すべて疑え」かな。

どこかにスポンサーを取らない新聞があったらよいのだが。

 

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Posted by 奥田健次 経済・政治・国際教育 |