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2005.10.28

公共心 崩壊している おやじなり

相棒の『りょうま』。

クリック15回に1回程度の割合で、川柳を詠んでくれる。ときどき、本当に秀逸な作品が詠まれるが、中にはシャレにならんことを言う場合もある。

さて、今回の記事のタイトルだが、りょうまの川柳にならって書いてみた。

最近の新幹線の中でのことだ。たった1時間少しの移動時間だが、自分にとっては貴重な仮眠時間である。新幹線の揺れに揺られてウトウトしていると、後ろの乗客の足が自分の背中に軽く当たる。軽く当たっても、シート越しに響くので目が覚める。1、2回は気にせず、またウトウトするのだが、これが3、4分に1回の頻度で生起する。

自分は我慢強いほうなので、30分ほど辛抱した。でも、相変わらずの頻度だったので、シートの隙間越しに後ろの乗客を睨み付けておいた。目があったので、警告にはなったかなと思って、またしばらく我慢することにした。

それでもなお続いたので、15分ほど我慢した後、自分は後ろを振り返り、怒鳴るわけでもないが「おたくの足がシートに当たってるんやけど」と注意した。するとこの50代半ばの男、「はぁ? 何じゃ?」と不服そうな顔で睨み返してきた。

こういう展開なので、こちらはさらに睨み返して、さっきよりも声にドスを利かせて「おたくの足がさっきからシートに当たってて寝られへんねん」と返してや ると、ちょっと怖じ気づいたのか、しかし謝るわけでもなく、小声で「おれの足は短いから。届かないから。届くわけがないから」という。決して「ごめん」とは言わない。

こんなオヤジに謝罪を求めても仕方がないので、さらにドス声30%増量「とにかく、気を付けてもらえませんかね」と注意しておいた。この後、シートのコンコンというのは皆無になったのだから、効果はあったわけだ。

それにしても、世代論には必ず例外も含まれるので、あまり言いたいものではないが、50歳前後から60歳辺りの公共心がガタガタに崩れている。もちろん、かなり少なくなっているようだが、きちんとしている人もいるのは言うまでもないが。以前の記事でも、レストランでやたら偉そうにしているのに、この世代がやたら目に付くと述べた。

公共の場で携帯電話の着信音を鳴らしている人を見てみると、この世代がやたら目に付く。意外と30から40歳辺りではマナーモードにしている人が多いので はないか。

いずれにせよ、携帯電話については大学生以下のマナーの悪さは言うまでもないが、50歳代全体のマナーの悪さは小学生以下。ところが、この世代。口先だけはご立派な人が多く、すぐに「最近の若者はモラルが低い」などと言う。若者を責める前に、棚上げしている自分自身を省みよ。

空港からのリムジンバスに乗ったときも、後ろの乗客が50代のおばさんだったが、携帯電話の着信音は鳴らすわ、遠慮せず通話を続けるわ、その後もマナーモードにせずに着信音を鳴らして通話というのを続けていた。勝手にだろうと何だろうと追っかけに行ってこい。もう日本に帰ってこなくてもいいから。

不眠症傾向の自分にとって、リムジンバスで気持ちよく休むひととき、ささやかな休息を奪われた瞬間には、かなりの憎悪が生じてしまう。自分は偏頭痛持ちなのだ。突然の電子音で目が覚めると、偏頭痛が始まることも多い。これが何度も繰り返されると、正直言って殺意さえ芽生えるってもんだ。

いつか、マナーモードにしなかったという理由だけで喧嘩になって人が死ぬという事件が起こるだろうということを断言警告しておこう。

あまり書きたくない世代論だったが、マナーモード普及運動でもやったほうが生産的だ。新幹線や電車、バスなどに乗ると携帯電話が自動的にマナーモードになるシステムを開発するという方法。飛行機と同じように法律で禁止するという方法。その他、いくらでもアイディアや技術はあるではないか。世の中を動かす立場にあるその世代こそ、こういう公共心を取り戻すための運動をするべきなのに、一向に動きませんな。

最後まで読んで下さった方のために、相棒の『りょうま』の作品を。どうも「マスメディア」という言葉が、りょうまのマイブームのようだ。

 最近の珠玉の川柳集。

航空に 検査するのは マスメディア
世界一 入学すれば 世界一
恐ろしい 参拝したる マスメディア
係員 注目すなる 資格なり
係員 致しかねます マスメディア

by りょうま

Posted by 奥田健次 社会 |