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2005.09.02

アスベスト(石綿)問題

まったく節操ない。アスベストによる健康被害が世間を騒がせている。自分が小学生の頃、あちこちで大型スーパーが出来上がり、その駐車場の天井や、場所によっては横壁まで、あの「羊のような」あるいは「カリフラワーのような」表面が、むき出しになっていたことを思い出す。自分は、まさに羊をなでるように、それに触ったことさえあるのだ。

そして、その頃すでに「アスベストは人体に悪い」と言われていたことを記憶している。もっとも「どのように人体に悪いか」までは、すぐに被害が出たわけでもないし、子どもの自分に限らず、世間にも実感が無かったのは無理もない。

しかし、そうしたバブル期から今日に至るまで、アスベストの使用に制限はなかったのだ。当時、このアスベストを推進した人たちがいたのだ。その一人が、桜井治 彦という私立大学の名誉教授。なんと、この桜井氏。先々月、環境省が設置した「アスベストの健康影響に関する検討会」の座長だったのだ。

--以下、引用。

<アスベスト>「健康検討会」座長の桜井氏が石綿協会の顧問 (毎日新聞)
http://news.www.infoseek.co.jp/topics/science/environment.html?d=01mainichiF0802m076&cat=2

 環境省が先月設置した「アスベスト(石綿)の健康影響に関する検討会」の座長を務める桜井治彦・慶応大名誉教授(労働衛生学)が、石綿製品の製造業者な どでつくる「日本石綿協会」の顧問を85〜97年まで務めていたことが1日分かった。桜井座長は、同協会が作成した石綿のPRビデオにも出演していた。桜 井座長は「顧問をしていたことは忘れていた。立場を考えると座長就任は断るべきだった」と話し、同日、環境省に辞意を伝えた。

 環境省は「桜井座長は産業医学の第一人者で、石綿問題にも詳しく、座長就任を要請した。今後、対応を検討する」としている。

 ビデオの中で桜井座長は、アスベストについて「(利点を考えると)ゼロにできるのか」などと語っていた。桜井座長はビデオについて、「当時はアスベストの代替品の開発が難しいとされており、使用はやむを得ないという雰囲気があった」と話している。

 また、92年には「石綿の安全使用は可能か」をテーマにした座談会(同協会主催)の司会などを務めていた。

 同検討会は先月26日に初会合を開いた。大手機械メーカー「クボタ」旧神崎工場(兵庫県尼崎市)の周辺住民が石綿の吸引が原因とされる「中皮腫」の被害を訴えていることを受け、死亡した住民の居住歴や職歴を調べることを決めた。【江口一、去石信一】[毎日新聞8月1日]

--以上、引用おわり。

これって、本当に節操のない話。大学の教員には、こういう連中が多い。13年間も顧問をしていて「忘れていた」はないだろう。

それで「お前がアスベストを推進していた張本人だろ」とマスコミに指摘されて、「忘れてた! 座長は辞します」という事後対応も、まったく情けない。

環境省から依頼された時点で、お断りするべきだろう。あるいは、引き受けるならば「自分は過去、アスベストの推進派でした。こんな自分でもよろしけれ ば、自分の犯した過ちを償うために、ボランティアで座長をやらせていただけませんでしょうか」と、自ら世間に問うのが人の道。やっていることすべてにおいて、真逆である。

自分の尻を自分でぬぐうこともできない名誉教授。名誉ばかりをアテにしていると、こんなことさえ出来なくなるのだ。

それにしても、小池百合子大臣と環境省も恥ずかしい。引き受ける方も引き受ける方だが、依頼する方も依頼する方だ。これと似たような構図は、世間では少なくないし、自分も身近なところで知っているので、また別の機会に書くことにしよう。

Posted by 奥田健次 社会 |